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特開2023-150992パネルユニット、パネルユニットの取付構造、及び断熱縁材
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  • 特開-パネルユニット、パネルユニットの取付構造、及び断熱縁材 図1
  • 特開-パネルユニット、パネルユニットの取付構造、及び断熱縁材 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023150992
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】パネルユニット、パネルユニットの取付構造、及び断熱縁材
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/80 20060101AFI20231005BHJP
【FI】
E04B1/80 100F
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022060368
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000207436
【氏名又は名称】日鉄鋼板株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】原田 清一
(72)【発明者】
【氏名】古河 春樹
(72)【発明者】
【氏名】生喜 隆之
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 極
【テーマコード(参考)】
2E001
【Fターム(参考)】
2E001DD01
2E001FA04
2E001HB01
2E001HD11
(57)【要約】
【課題】金属製の屋外側外皮と屋内側外皮との間での熱の移動を抑制することができるパネルユニット、パネルユニットの取付構造、及び断熱縁材を提供する。
【解決手段】パネルユニット100は、サンドイッチパネル4と断熱縁材5を備える。サンドイッチパネル4は、互いに対向する金属製の屋外側外皮1及び屋内側外皮2と、屋外側外皮1及び屋内側外皮2の間に位置する板状の芯材3と、を有し、屋外側外皮1が芯材3の側面30に沿う側壁部11を含む。断熱縁材5は、側壁部11に取り付けられる。断熱縁材5は、側壁部11に沿う板状の縁材本体50と、縁材本体50の厚み方向の一側を覆う断熱材51と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向する金属製の屋外側外皮及び屋内側外皮と、前記屋外側外皮及び前記屋内側外皮の間に位置する板状の芯材と、を有し、前記屋外側外皮が前記芯材の側面に沿う側壁部を含むサンドイッチパネルと、
前記側壁部に取り付けられる断熱縁材と、を備え、
前記断熱縁材は、
前記側壁部に沿う板状の縁材本体と、
前記縁材本体の厚み方向の一側を覆う断熱材と、を有することを特徴とするパネルユニット。
【請求項2】
前記屋外側外皮の前記側壁部と前記屋内側外皮とを連結する金属製の連結部材を更に備え、
前記連結部材は、前記側壁部との間に前記断熱縁材を挟んだ状態で、前記側壁部に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載のパネルユニット。
【請求項3】
前記断熱縁材は、前記縁材本体の厚み方向の他側に取り付けられた接着部材を更に有することを特徴とする請求項1又は2に記載のパネルユニット。
【請求項4】
前記縁材本体は、
前記側壁部に沿う本体部と、
前記本体部から突出し、前記側壁部のうち屋内側を向く先端面に当たる突出部と、を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のパネルユニット。
【請求項5】
前記縁材本体は、
前記本体部の屋外側の端部から前記突出部とは反対側に向けて突出する第二突出部を更に有することを特徴とする請求項4に記載のパネルユニット。
【請求項6】
前記断熱材は、前記本体部を覆う部分と、前記突出部を覆う部分と、前記突出部よりも先まで延び、弾性変形可能な延伸部と、を有することを特徴とする請求項4又は5に記載のパネルユニット。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載のパネルユニットと、
前記パネルユニットを構造躯体の一部に取り付ける取付部材と、を備え、
前記取付部材は、
前記屋外側外皮の前記側壁部と前記屋内側外皮とを支持する金属製の支持部材と、
前記支持部材と前記側壁部との間に前記断熱縁材を挟んだ状態で、前記支持部材を前記側壁部に固定する固定具と、を有することを特徴とするパネルユニットの取付構造。
【請求項8】
互いに対向する金属製の屋外側外皮及び屋内側外皮と、前記屋外側外皮及び前記屋内側外皮の間に位置する板状の芯材と、を有し、前記屋外側外皮が前記芯材の側面に沿う側壁部を含むサンドイッチパネルの前記側壁部に取り付けられる断熱縁材であって、
板状の縁材本体と、
前記縁材本体の厚み方向の一側を覆う断熱材と、を備えることを特徴とする断熱縁材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、パネルユニット、パネルユニットの取付構造、及び断熱縁材に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、屋外側の金属外皮と屋内側の金属外皮との間に芯材が設けられたサンドイッチパネルと、サンドイッチパネルを下方から支持する金属製の保持具とが、記載されている。
【0003】
屋外側の金属外皮は、芯材の端面に沿う突出片を有している。保持具は、屋内側の金属外皮にねじ留めされるベース板と、ベース板から屋外方向に突出し、突出片にねじ留めされる支持片と、を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-90285号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載のサンドイッチパネルと保持具では、外気温によって屋外側の金属外皮が冷やされると、屋外側の金属外皮と保持具及び屋内側の金属外皮との間で熱が移動して、保持具及び屋内側の金属外皮の表面に結露が生じるおそれがある。
【0006】
上記事情に鑑みて、本開示は、金属製の屋外側外皮と屋内側外皮との間での熱の移動を抑制することができるパネルユニット、パネルユニットの取付構造、及び断熱縁材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係るパネルユニットは、サンドイッチパネルと断熱縁材とを備える。前記サンドイッチパネルは、互いに対向する金属製の屋外側外皮及び屋内側外皮と、前記屋外側外皮及び前記屋内側外皮の間に位置する板状の芯材と、を有し、前記屋外側外皮が前記芯材の側面に沿う側壁部を含む。前記断熱縁材は、前記側壁部に取り付けられる。前記断熱縁材は、前記側壁部に沿う板状の縁材本体と、前記縁材本体の厚み方向の一側を覆う断熱材と、を有する。
【0008】
また、本開示の一態様に係るパネルユニットの取付構造は、前記パネルユニットと、前記パネルユニットを構造躯体の一部に取り付ける取付部材と、を備える。前記取付部材は、前記屋外側外皮の前記側壁部と前記屋内側外皮とを支持する金属製の支持部材と、前記支持部材と前記側壁部との間に前記断熱縁材を挟んだ状態で、前記支持部材を前記側壁部に固定する固定具と、を有する。
【0009】
また、本開示の一態様に係る断熱縁材は、サンドイッチパネルの側壁部に取り付けられる。前記サンドイッチパネルは、互いに対向する金属製の屋外側外皮及び屋内側外皮と、前記屋外側外皮及び前記屋内側外皮の間に位置する板状の芯材と、を有し、前記屋外側外皮が前記芯材の側面に沿う前記側壁部を含む。前記断熱縁材は、板状の縁材本体と、前記縁材本体の厚み方向の一側を覆う断熱材と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本開示の一態様に係るパネルユニット、パネルユニットの取付構造及び断熱縁材では、金属製の屋外側外皮と屋内側外皮との間での熱の移動を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1Aは、本開示の実施形態1のパネルユニットを示す側断面図であり、図1Bは、同上のパネルユニットが備える断熱縁材を示す側面図である。
図2図2は、同上の断熱縁材を示す斜視図である。
図3図3は、同上のパネルユニットを示す斜視図である。
図4図4Aは、図3のA-A線における断面図であり、図4Bは、図3のB-B線における断面図である。
図5図5は、同上のパネルユニットの取付構造を示す側断面図である。
図6図6は、本開示の実施形態2のパネルユニットの取付構造を示す側断面図である。
図7図7は、同上のパネルユニットが備える断熱縁材を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施形態1)
1.概要
図1A及び図1Bに示す実施形態1のパネルユニット100は、サンドイッチパネル4と断熱縁材5を備える。サンドイッチパネル4は、互いに対向する金属製の屋外側外皮1及び屋内側外皮2と、屋外側外皮1及び屋内側外皮2の間に位置する板状の芯材3と、を有し、屋外側外皮1が芯材3の側面30に沿う側壁部11を含む。断熱縁材5は、側壁部11に取り付けられる。断熱縁材5は、側壁部11に沿う板状の縁材本体50と、縁材本体50の厚み方向の一側を覆う断熱材51と、を有する。
【0013】
また、図5に示す実施形態1のパネルユニット100の取付構造は、パネルユニット100と、パネルユニット100を構造躯体の一部に取り付ける取付部材8,9と、を備える。取付部材8,9は、金属製の支持部材(詳しくはパネル固定板8a,9a)と固定具8e,9eを有する。支持部材8a,9aは、屋外側外皮1の側壁部11と屋内側外皮2とを支持する。固定具8e,9eは、支持部材8a,9aと側壁部11との間に断熱縁材5を挟んだ状態で、支持部材8a,9aを側壁部11に固定する。
【0014】
また、図1A及び図1Bに示す実施形態1の断熱縁材5は、サンドイッチパネル4の側壁部11に取り付けられる。サンドイッチパネル4は、互いに対向する金属製の屋外側外皮1及び屋内側外皮2と、屋外側外皮1及び屋内側外皮2の間に位置する板状の芯材3と、を有し、屋外側外皮1が芯材3の側面30に沿う側壁部11を含む。断熱縁材5は、板状の縁材本体50と、縁材本体50の厚み方向の一側を覆う断熱材51と、を備える。
【0015】
上記構成を備える実施形態1のパネルユニット100、パネルユニット100の取付構造、及び断熱縁材5では、サンドイッチパネル4の屋外側外皮1の側壁部11と屋内側外皮2に当たるように金属製の別部材(支持部材8a,9a等)が設置される際に、この別部材と屋外側外皮1の側壁部11との間に断熱縁材5を挟むことができて、直接的な接触を防ぐことができる。これにより、本実施形態のパネルユニット100及び断熱縁材5では、屋外側外皮1の側壁部11と金属製の別部材及び屋内側外皮2との間での熱の移動を抑制することができる。
【0016】
2.詳細
続いて、図1Aから図5に示す本実施形態のパネルユニット100について更に詳しく説明する。パネルユニット100は、サンドイッチパネル4と断熱縁材5と連結部材6を備える。図3に示すように、サンドイッチパネル4は、矩形板状である。以下では、サンドイッチパネル4の厚み方向の片側を前側(屋外側)とし、その反対側を後側(屋内側)とし、サンドイッチパネル4の長手方向を上下方向とし、サンドイッチパネル4の短手方向を左右方向として、各構成について詳しく説明する。
【0017】
2―1.サンドイッチパネル
図1A及び図3に示すように、サンドイッチパネル4は、互いに対向する金属製の屋外側外皮1及び屋内側外皮2と、屋外側外皮1及び屋内側外皮2の間に位置する板状の芯材3と、を有し、屋外側外皮1が芯材3の側面30に沿う側壁部11を含む。サンドイッチパネル4は、例えばビル等の建物の外壁として用いられる。
【0018】
サンドイッチパネル4は、例えば、上下方向の長さが、0.5~6.0mであり、左右方向の長さ(幅)が、0.2~1.5mであり、前後方向の長さ(厚み)が、50~150mmである。
【0019】
芯材3は、その全体形状が、矩形の板状である。全体形状が板状とは、1枚の板に限らず、複数の部材を1枚の板をなすように並べたものも含まれる。本実施形態では、芯材3は、断熱性を有する。芯材3は、ロックウールやグラスウールなどの繊維状無機材をバインダー等でブロック状に固めた複数のブロック体を1枚の矩形板状に並べたものである。なお、芯材3は、ウレタンフォーム、フェノールフォーム等の発泡系の有機材で形成されてもよいし、スチレンボード、ウレタンボード等であってもよい。
【0020】
図3図4A及び図4Bに示すように、芯材3は、左右の側面30に凹条部31を有している。凹条部31は、芯材3の左右の側面30の前後方向の略中央部に上下方向の全長にわたって位置する。凹条部31には、石膏ボードや、珪酸カルシウムボードなどの板状部材と、アルカリアースシリケートブランケット(生体溶解性繊維)などの繊維状無機材料とで形成された耐火目地材(図示せず)が挿入される。なお、図1Aに示すように、芯材3の上下の側面30は、凹条部31を有しておらず、フラットに設けられている。
【0021】
屋外側外皮1と屋内側外皮2のそれぞれは、金属板をロール加工やプレス加工などにより所望の形状に成形することによって得られる。金属板は、例えば、厚みが0.23~6.0mmである。金属板は、塗装鋼板、亜鉛めっき鋼板、アルミニウム-亜鉛合金めっき鋼板、ガルバリウム鋼板(登録商標)、エスジーエル(登録商標)鋼板等であるが、これらに限定されない。
【0022】
図1A図4A及び図4Bに示すように、屋外側外皮1は、後側に向けて開口した矩形の箱状である。屋外側外皮1は、芯材3の前面(屋外側面)を覆う矩形板状の本体部10と、芯材3の4つの側面30に沿う4つの側壁部11と、を有する。4つの側壁部11は、芯材3の上側の側面30(つまり上面)を覆う壁部11aと、芯材3の下側の側面30(つまり下面)を覆う壁部11bと、を有する。4つの側壁部11は更に、芯材3の左の側面30のうち凹条部31よりも前側の部分を覆う左の壁部11cと、芯材3の右の側面30のうち凹条部31よりも前側の部分を覆う右の壁部11dと、を有する。
【0023】
上側の壁部11aは、本体部10の上縁から後側に突出し、下側の壁部11bは、本体部10の下縁から後側に突出し、左の壁部11cは、本体部10の左縁から後側に突出し、右の壁部11dは、本体部10の右縁から後側に突出している。本体部10に対して4つの壁部11a,11b,11c,11dのそれぞれは、略直角である。上下の壁部11a,11bのそれぞれは、矩形の平板状である。左右の壁部11c,11dのそれぞれは、矩形の平板部110と、平板部110の後端から左右方向外側に略直角に突出した矩形板状の突出部111と、を有する。
【0024】
屋内側外皮2は、芯材3の後面(屋内側面)を覆う矩形板状の本体部20と、芯材3の左の側面30のうち凹条部31よりも後側の部分を覆う左の側壁部21と、芯材3の右の側面30のうち凹条部31よりも後側の部分を覆う右の側壁部22と、を有する。左の側壁部21は、本体部20の左縁から前側に突出し、右の側壁部22は、本体部20の右縁から前側に突出している。なお、屋内側外皮2は、芯材3の上側の側面30や下側の側面30を覆う部分を有していない。
【0025】
左右の側壁部21,22のそれぞれは、本体部20の左右の縁から左右方向外側に平面視U字状に湾曲した湾曲部21a,22aと、湾曲部21a,22aの前端部から前側に突出した矩形状の平板部21b,22bと、を有する。
【0026】
外皮1,2のそれぞれは、本体部10,20が芯材3の前後の面に接着されて、芯材3と一体化している。屋外側外皮1の上側の壁部11aと芯材3の上側の側面30との間には隙間が生じており、屋外側外皮1の下側の壁部11bと芯材3の下側の側面30との間にも隙間が生じている。
【0027】
パネルユニット100は、4つ側壁部11に取り付けられるパッキン7を更に備える。パッキン7は、直線状の4つのパッキン70と、L字状の4つのコーナーパッキン71と、を含む。
【0028】
直線状のパッキン70は、上側の壁部11aの上面と、下側の壁部11bの下面と、左の壁部11cの平板部110の左面と、右の壁部11dの平板部110の右面のそれぞれに、取り付けられる。壁部11a,11b,11c,11dにおけるパッキン70の前後方向の取付位置は、互いに同じである。パッキン70は、中空の筒状である。
【0029】
コーナーパッキン71は、壁部11a,11b,11c,11dのうち隣接する2つの壁部によって形成されるコーナー部分に取り付けられる。コーナーパッキン71は、L字状の中実なブロックである。
【0030】
4つのパッキン70と4つのコーナーパッキン71は、サンドイッチパネル4を全周にわたって囲むように正面視にて矩形枠状に取り付けられる。パッキン70とコーナーパッキン71のそれぞれは、例えば合成ゴム製である。
【0031】
2-2.断熱縁材
断熱縁材5は、屋外側外皮1の側壁部11に取り付けられて、側壁部11と別部材(連結部材6等)との間での熱の移動を抑制するように構成されている。
【0032】
図1Aに示すように、断熱縁材5は、屋外側外皮1の上側の側壁部11(壁部11a)に取り付けられる上側の断熱縁材5と、屋外側外皮1の下側の側壁部11(壁部11b)に取り付けられる下側の断熱縁材5とを有する。上下の断熱縁材5は、同大同形である。以下では、上側の断熱縁材5について詳しく説明する。
【0033】
図1B及び図2に示すように、断熱縁材5は、側壁部11に沿う板状の縁材本体50と、縁材本体50の厚み方向の片側を覆う断熱材51と、を有する。断熱縁材5は更に、縁材本体50の厚み方向の他側に取り付けられた接着部材52を有する。
【0034】
断熱縁材5は、屋外側外皮1の側壁部11の長手方向(つまり左右方向)に沿った長手方向を有する。断熱縁材5の長手方向の長さは、側壁部11の長手方向の長さと同じか、又はこの長さよりも短い。断熱縁材5は、長手方向に直交する断面の構造が、長手方向の全長にわたって一定である。縁材本体50、断熱材51、及び接着部材52は、長手方向の長さが互いに同じである。
【0035】
縁材本体50は、金属製である。縁材本体50は、例えば、厚みが0.8~1.2mmのメッキ鋼板を曲げ加工することで形成される。縁材本体50は、例えば、外皮1,2を構成する金属板と同じ材料で形成される。
【0036】
縁材本体50は、側壁部11に沿う本体部500と、本体部500から突出し、側壁部11のうち屋内側を向く先端面112に当たる突出部501と、を有する。縁材本体50は更に、本体部500の屋外側の端部から突出部501とは反対側に向けて突出する第二突出部502を有する。
【0037】
本実施形態では、本体部500は、左右方向に対して平行な長手方向を有する矩形板状である。突出部501は、本体部500の幅方向の一端部(詳しくは屋内側の端部)から突出し、第二突出部502は、本体部500の幅方向の他端部(詳しくは屋外側の端部)から突出している。突出部501,502のそれぞれは、本体部500に対して直角に突出している。
【0038】
断熱材51は、縁材本体50のうち、側壁部11と反対側を向く面に取り付けられている(図1A参照)。断熱材51は、本体部500を覆う部分510と、突出部501を覆う部分511と、突出部501よりも先まで延び、弾性変形可能な延伸部512と、を有する。断熱材51は更に、第二突出部502を覆う部分513を有する。部分513、部分510、部分511、延伸部512は、この順に連続している。
【0039】
断熱材51は、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)等の断熱性を有する部材である。本実施形態では、断熱材51は、シート状である。断熱材51の厚みは、例えば2mmである。断熱材51は、両面テープ等によって縁材本体50の本体部500、突出部501及び第二突出部502のそれぞれに貼り付けられている。
【0040】
図1Aに示すように、延伸部512は、屋外側外皮1の側壁部11に断熱縁材5を取り付けた状態で、延伸部512の少なくとも先端部が芯材3の側面30に当たるように、その長さが設定されている。延伸部512は、弾性変形可能であるため、芯材3の側面30に沿わせることが可能である。
【0041】
接着部材52は、縁材本体50を屋外側外皮1の側壁部11に接着させるための部材である。接着部材52は、例えば厚みが2mmのブチルテープである。接着部材52は、縁材本体50の本体部500に取り付けられている。図1B及び図2に示すように、縁材本体50の突出部501は、接着部材52よりも本体部500から離れる方向に突出している。
【0042】
断熱縁材5は、図1Aに示すように、縁材本体50の突出部501の先端部が、屋外側外皮1の側壁部11の屋内側を向く先端面112に当たる状態で、側壁部11に接着部材52が接着される。側壁部11には、接着部材52、縁材本体50の本体部500、断熱材51の部分510が、この順に積層される。断熱縁材5は、接着部材52の接着力によって側壁部11に取り付けられる。
【0043】
断熱縁材5を屋外側外皮1の側壁部11に取り付けた状態では、断熱縁材5の第二突出部502は、屋外側外皮1の左右の側壁部11の突出部111(図4A図4B参照)に対して、前後方向における位置が、略同じとなる。4つの直線状のパッキン70は、上下の断熱縁材5の第二突出部502と屋外側外皮1の左右の側壁部11の突出部111に当てて取り付けることで、前後方向における取付位置が合わせやすくなっている。
【0044】
2-3.連結部材
連結部材6は、屋外側外皮1の側壁部11と屋内側外皮2とを連結する金属製の部材である。本実施形態では、連結部材6は、サンドイッチパネル4を構造躯体の一部に取り付けるための取付部材8,9の一部(詳しくはパネル固定板8a,9a)で構成されている。
【0045】
取付部材8,9は、サンドイッチパネル4の後面の下端部に固定される下取付部材8と、サンドイッチパネル4の後面の上端部に固定され上取付部材9と、を備える。取付部材8,9は、図5に示すように、構造躯体の横架材101への取り付けに用いられる。
【0046】
図1A及び図3に示すように、下取付部材8は、サンドイッチパネル4の後面の下端部に固定される側面視L字状の三つのパネル固定板8aと、左右両端の二つのパネル固定板8aに取り付けられる二つの側面視略Z字状の取付板8bと、各取付板8bを対応するパネル固定板8aに固定するボルト8cと、を有する。下取付部材8は更に、パネル固定板8aをサンドイッチパネル4に固定するドリルビス等の固定具8d,8eを有する。
【0047】
三つのパネル固定板8aと二つの取付板8bのそれぞれは、金属製であり、例えば金属板を折り曲げて形成されている。パネル固定板8aと取付板8bを形成する金属板は、外皮1,2を形成する金属板よりも厚みが大きい。ボルト8cは、片面側から締結することができるボルトである。
【0048】
三つのパネル固定板8aは、左右方向に間隔をおいて配置されている。三つのパネル固定板8aのそれぞれは、屋内側外皮2の本体部20に対して平行な縦片80と、縦片80の下端部から前側に延び、屋外側外皮1の下側の側壁部11(壁部11b)に対して平行な横片81と、を有する。縦片80が屋内側外皮2の本体部20の下端部に固定具8dで固定され、横片81の前端部が屋外側外皮1の下側の側壁部11(壁部11b)に固定具8eで固定される。
【0049】
左右両端の二つのパネル固定板8aのそれぞれの縦片80の上部に、取付板8bの上部がボルト8cで固定され、縦片80の下部と取付板8bの下部との間には、横架材101の縦板部102を差し込み可能な差込溝82が形成される。差込溝82の幅は、ボルト8cのねじ締め具合で調整可能である。ボルト8cを最後までねじ締めることで、取付板8bを縦板部102に押し当てることができる。
【0050】
上取付部材9は、サンドイッチパネル4の後面の上端部に固定される側面視L字状の二つのパネル固定板9aと、二つのパネル固定板9aのそれぞれに取り付けられる二つの矩形板状の取付板9bと、各取付板9bを対応するパネル固定板9aに固定するボルト9cと、を有する。上取付部材9は更に、パネル固定板9aをサンドイッチパネル4に固定するドリルビス等の固定具9d,9eを有する。
【0051】
二つのパネル固定板9aと二つの取付板9bのそれぞれは、金属製である。二つのパネル固定板9aのそれぞれは、例えば金属板を折り曲げて形成されている。パネル固定板9aと取付板9bを形成する金属板は、外皮1,2を形成する金属板よりも厚みが大きい。ボルト9cは、片面側から締結することができるボルトである。
【0052】
二つのパネル固定板9aは、左右方向に間隔をおいて配置されている。二つのパネル固定板9aは、左右方向における位置が、左右両端の二つのパネル固定板8aと同じである。二つのパネル固定板9aのそれぞれは、屋内側外皮2の本体部20に対して平行な縦片90と、縦片90の上端部から前側に延び、屋外側外皮1の上側の側壁部11(壁部11a)に対して平行な横片91と、を有する。縦片90が屋内側外皮2の本体部20の上端部に固定具9dで固定され、横片91の前端部が屋外側外皮1の上側の側壁部11(壁部11a)に固定具9eで固定される。二つのパネル固定板9aのそれぞれの縦片90に、取付板9bの下部がボルト9cで固定される。
【0053】
本実施形態では、三つのパネル固定板8aと二つのパネル固定板9aのそれぞれが、屋外側外皮1の側壁部11と屋内側外皮2とを連結する金属製の連結部材6を構成している。サンドイッチパネル4への取付部材8,9の取り付けは、屋外側外皮1の上下の側壁部11に断熱縁材5を取り付けた状態で行われる。
【0054】
パネルユニット100は、図5に示すように、二つの取付板8bとこれに対向する二つのパネル固定板8aとの間の差込溝82に、横架材101の縦板部102を差し込んで、二つの取付板8bを縦板部102に引っ掛けることで、横架材101に取り付けられる。パネルユニット100は、横架材101によって左右方向にスライド移動可能に支持される。
【0055】
2-4.パネルユニットの取付構造
以上説明した本実施形態のパネルユニット100は、図5に示すように、構造躯体が有する横架材101に取り付けられる。パネルユニット100の取付構造は、上述したパネルユニット100と、取付部材8,9とを備える。
【0056】
横架材101は、構造躯体の一部を構成するものであり、本実施形態では、側面視L字状のアングル材である。横架材101は、鋼製である。横架材101は、縦板部102と、縦板部102の下端部から後側に延びた横板部103と、を有する。なお、縦板部102の厚み(前後方向の長さ)は、例えば、10mm未満であって、好ましくは、6~9mm程度である。横架材101は、建物の床や天井を構成する土台104に横板部103が固定されている。なお、横架材101は、梁に固定されてもよいし、複数の柱に架け渡して固定されてもよい。
【0057】
横架材101の縦板部102のうち、サンドイッチパネル4の下取付部材8の左右方向の中央に位置するパネル固定板8aに対応する部分の前面には、このパネル固定板8aを下から支持する側面視L字状の受け部材(図示せず)が溶接等で固定されている。
【0058】
横架材101には、上下に並ぶ2つのパネルユニット100が取り付けられる。下側のパネルユニット100は、上取付部材9の二つの取付板9bが横架材101の縦板部102に対して、溶接等の適宜手段で固定される。
【0059】
上側のパネルユニット100は、下取付部材8の二つのボルト8cをねじ締めすることで、二つの取付板8bが横架材101の縦板部102に押し当てられる。上側のパネルユニット100の左右両端の2つのパネル固定板8aの縦片80と横架材101の縦板部102との間には、下側のパネルユニット100の取付板9bが挟み込まれる。
【0060】
左右中央のパネル固定板8aは、横架材101の縦板部102に固定された受け部材の上に載置され、パネルユニット100の自重は受け部材によって支持される。なお、受け部材に対して左右中央のパネル固定板8aは、溶接等で固定されない。
【0061】
上側のパネルユニット100の下端部のパッキン70と、下側のパネルユニット100の上端部のパッキン70とは密着している。2つのパッキン70の屋外側にはバックアップ材105が配され、バックアップ材105の屋外側にはシーリング材106が充填されている。
【0062】
なお、下側のパネルユニット100の下端部と、上側のパネルユニット100の上端部はそれぞれ、他の横架材101に対して同様の方法で取り付けられる。
【0063】
3.作用効果
以上説明した本実施形態のパネルユニット100では、サンドイッチパネル4の屋外側外皮1の側壁部11に取り付けられた断熱縁材5によって、屋外側外皮1の側壁部11と連結部材6との直接的な接触を防ぐことができる。そのため、本実施形態のパネルユニット100では、屋外側外皮1と連結部材6及び屋内側外皮2との間での熱の移動を抑制することができる。これにより、本実施形態のパネルユニット100では、外気温によって屋外側外皮1が冷やされても、連結部材6及び屋内側外皮2の表面に結露が生じることを抑制できる。
【0064】
また、本実施形態のパネルユニット100では、連結部材6に結露が生じにくいため、連結部材6を外皮1,2に固定する固定具8e,9eの腐食を抑制できる。そのため、本実施形態のパネルユニット100では、連結部材6が外皮1,2に固定された状態を維持しやすくて、サンドイッチパネル4の構造躯体に対する固定力低下を抑制することができる。
【0065】
また、本実施形態のパネルユニット100では、屋外側外皮1の側壁部11に断熱縁材5を取り付けることで、連結部材6(支持部材8a,8b)を固定する固定具8e,9eの固定先の厚みを増やすことができて、連結部材6の取付強度の向上が図れる。
【0066】
また、本実施形態のパネルユニット100では、断熱縁材5の縁材本体50の突出部501を屋外側外皮1の側壁部11の屋内側を向く先端面112に当てることができるため、断熱縁材5の前後方向における取付位置が安定しやすい。そのため、本実施形態のパネルユニット100では、断熱縁材5の第二突出部502の前後方向の位置を一定としやすくて、第二突出部502に当たるように配置されるパッキン70の前後方向の取付位置も安定しやすい。
【0067】
また、本実施形態のパネルユニット100では、断熱縁材5の断熱材51が芯材3の側面30に当たる弾性変形可能な延伸部512を有している。そのため、本実施形態のパネルユニット100では、屋外側外皮1の側壁部11と芯材3の側面30との間に湿気が流れ込んでも、この湿気が連結部材6及び屋内側外皮2へと流れることを延伸部512によって抑制することができる。
【0068】
また、本実施形態のパネルユニット100では、断熱材51が、縁材本体50の第二突出部502を覆う部分513を有しているため、第二突出部502と連結部材6との直接的な接触も防ぐことができる。
【0069】
4.変形例
以上説明した本実施形態のパネルユニット100の変形例について説明する。なお、以下に示す各変形例は適宜組み合わせ可能である。
【0070】
サンドイッチパネル4は、図1A等に示す構造に限定されない。サンドイッチパネル4は、互いに対向する金属製の屋外側外皮1及び屋内側外皮2と、屋外側外皮1及び屋内側外皮2の間に位置する板状の芯材3と、を有し、屋外側外皮1が芯材3の側面30に沿う側壁部11を含むものであればよい。例えば、屋内側外皮2は、芯材3の側面30に沿い、屋外側外皮1の側壁部11から離れて位置する側壁部を更に有してもよい。
【0071】
また、断熱縁材5は、屋外側外皮1の側壁部11に取り付けられればよく、屋外側外皮1の上下の側壁部11に限らず、上下の側壁部11のうちいずれか一方にのみ取り付けられてもよいし、左右の側壁部11に取り付けられてもよい。
【0072】
パネルユニット100は、金属製の連結部材6(パネル固定板8a,9a)を備えなくてもよい。例えば、パネルユニット100の屋外側外皮1の側壁部11と屋内側外皮2とは、構造躯体に固定されたL字状の金属製の支持部材によって支持されてもよい。この場合も、金属製の支持部材と側壁部11とが直接接触することを、断熱縁材5によって防ぐことができる。
【0073】
また、連結部材6は、屋外側外皮1の側壁部11と屋内側外皮2とを連結する機能を有すればよく、サンドイッチパネル4の重量を支える機能を有さなくてもよい。つまり、連結部材6は、取付部材8,9の一部(パネル固定板8a,9a)で構成されなくてもよい。
【0074】
また、断熱縁材5は、縁材本体50に取り付けられる接着部材52を有さなくてもよい。断熱縁材5は、接着剤によって側壁部11に取り付けられてもよいし、連結部材6を固定する固定具8e,9eによる固定力だけで側壁部11に取り付けられてもよい。
【0075】
また、縁材本体50は、本体部500、突出部501、及び第二突出部502のうち、本体部500のみを有してもよいし、突出部501と第二突出部502のうちいずれか一方のみと本体部500とを有してもよい。
【0076】
また、断熱材51は、縁材本体50の本体部500を覆う部分510を有すればよく、第二突出部502を覆う部分513を有さなくてもよいし、また、突出部501を覆う部分511を有さなくてもよいし、また、延伸部512を有さなくてもよい。
【0077】
断熱縁材5は、板状の縁材本体50と、縁材本体50の厚み方向の一側を覆う断熱材51とを有すればよく、図1A等に示す構造に限定されない。例えば、断熱材51は、縁材本体50の側壁部11側の面を覆うように設けられてもよい。この場合も、断熱材51によって側壁部11と連結部材6との間での熱の移動を抑制することができる。
【0078】
また、パネルユニット100の取付構造は、図5に示す構造に限定されない。取付部材8,9は、少なくとも支持部材(パネル固定板8a,9a)と固定具8e,9eを有すればよく、取付板8b,9b、ボルト8c,9c、及び固定具8d,9dを有さなくてもよい。例えば、パネル固定板8a,9aは、溶接によって屋内側外皮2の本体部20に固定されてもよい。また、パネル固定板8a,9aは、取付板8b,9bを介さずに、他の方法で、構造躯体の一部に取り付けられてもよい。また、取付部材8,9の取付け先は、構造躯体の一部であればよく、横架材101に限定されない。
【0079】
縁材本体50は、金属製に限らず、その他の硬質な材料で形成されてもよい。
【0080】
断熱縁材5は、側壁部11と同じ長さのものに限らず、間隔をおいて位置する複数のパーツで構成されてもよい。この場合、複数のパーツのそれぞれは、側壁部11のうち、連結部材6(つまり複数のパネル固定板8a,9a)の固定箇所に、少なくとも取り付けられる。
【0081】
(実施形態2)
1.詳細
続いて、図6及び図7に示す実施形態2のパネルユニット100について、説明する。なお、実施形態2のパネルユニット100の基本的な構成は、実施形態1と共通であるから、実施形態1と重複する説明については、図中に同符号を付して説明を省略する。
【0082】
本実施形態のパネルユニット100では、断熱縁材5の縁材本体50の突出部501は、芯材3の側面30に設けた溝32内に挿入可能な長さを有する。断熱縁材5の断熱材51は、縁材本体50の突出部501を覆う部分511を有するものの、延伸部512を有さない。
【0083】
芯材3の側面30には、溝32が設けられている。溝32は、側壁部11の先端面112に沿って一直線上に延びている。溝32は、芯材3の側面30の一部を、例えばドリルで掘削することで形成される。
【0084】
以上説明した実施形態2のパネルユニット100でも、サンドイッチパネル4の屋外側外皮1の側壁部11に取り付けられた断熱縁材5によって、屋外側外皮1の側壁部11と連結部材6との直接的な接触を防ぐことができる。そのため、本実施形態のパネルユニット100では、屋外側外皮1と連結部材6及び屋内側外皮2との間での熱の移動を抑制することができる。
【0085】
また、実施形態2のパネルユニット100では、断熱縁材5を側壁部11に取り付けた状態で、断熱縁材5の縁材本体50の突出部501の先端部を、芯材3の側面30の溝32に挿入することができる。これにより、実施形態2のパネルユニット100では、屋外側外皮1の側壁部11と芯材3の側面30との間に湿気が流れ込んでも、この湿気が連結部材6及び屋内側外皮2へと流れることを突出部501によって抑制することができる。
【0086】
なお、上述した実施形態2のパネルユニット100は、上述した実施形態1のパネルユニット100の変形例と適宜組み合わせ可能である。
【0087】
(まとめ)
以上説明した実施形態1,2及びその変形例のように、第一態様のパネルユニット100は、下記の構成を備える。
【0088】
すなわち、第一態様のパネルユニット100は、サンドイッチパネル4と断熱縁材5とを備える。サンドイッチパネル4は、互いに対向する金属製の屋外側外皮1及び屋内側外皮2と、屋外側外皮1及び屋内側外皮2の間に位置する板状の芯材3と、を有し、屋外側外皮1が芯材3の側面30に沿う側壁部11を含む。断熱縁材5は、側壁部11に取り付けられる。断熱縁材5は、側壁部11に沿う板状の縁材本体50と、縁材本体50の厚み方向の一側を覆う断熱材51と、を有する。
【0089】
上記構成を備える第一態様のパネルユニット100では、サンドイッチパネル4の屋外側外皮1の側壁部11と屋内側外皮2に当たるように金属製の別部材(支持部材8a,9a等)が設置される際に、この別部材と屋外側外皮1の側壁部11との間に断熱縁材5を挟むことができて、直接的な接触を防ぐことができる。これにより、第一態様のパネルユニット100では、屋外側外皮1の側壁部11と金属製の別部材及び屋内側外皮2との間での熱の移動を抑制することができる。また、第一態様のパネルユニット100では、ビス等の固定具8e,9eで金属製の別部材を断熱縁材5を介して側壁部11に固定する場合には、側壁部11が薄厚であっても、断熱縁材5によって固定具8e,9eの固定先の厚みを増やすことができるため、金属製の別部材の取付強度の向上が図れる。
【0090】
また、上述した実施形態1,2及びその変形例のように、第二態様のパネルユニット100は、第一態様の構成に加えて、下記の構成を付加的に備える。
【0091】
すなわち、第二態様のパネルユニット100は、屋外側外皮1の側壁部11と屋内側外皮2とを連結する金属製の連結部材6を更に備える。連結部材6は、側壁部11との間に断熱縁材5を挟んだ状態で、側壁部11に取り付けられている。
【0092】
上記構成を備える第二態様のパネルユニット100では、金属製の連結部材6と屋外側外皮1の側壁部11との間に断熱材51を挟むことができて、屋外側外皮1の側壁部11と連結部材6及び屋内側外皮2との間での熱の移動を抑制することができる。
【0093】
また、上述した実施形態1,2及びその変形例のように、第三態様のパネルユニット100は、第一又は第二態様の構成に加えて、下記の構成を付加的に備える。
【0094】
すなわち、第三態様のパネルユニット100では、断熱縁材5は、縁材本体50の厚み方向の他側に取り付けられた接着部材52を更に有する。
【0095】
上記構成を備える第三態様のパネルユニット100では、断熱縁材5を接着部材52の接着力によって屋外側外皮1の側壁部11に取り付けることができるため、断熱縁材5を側壁部11に対して取り付けやすい。
【0096】
また、上述した実施形態1,2及びその変形例のように、第四態様のパネルユニット100は、第一から第三のいずれか1つの態様の構成に加えて、下記の構成を付加的に備える。
【0097】
すなわち、第四態様のパネルユニット100では、縁材本体50は、側壁部11に沿う本体部500と、本体部500から突出し、側壁部11のうち屋内側を向く先端面112に当たる突出部501と、を有する。
【0098】
上記構成を備える第四態様のパネルユニット100では、断熱縁材5が側壁部11の先端面112に当たる突出部501を有することで、断熱縁材5の取付位置が安定しやすい。
【0099】
また、上述した実施形態1,2及びその変形例のように、第五態様のパネルユニット100は、第四態様の構成に加えて、下記の構成を付加的に備える。
【0100】
すなわち、第五態様のパネルユニット100では、縁材本体50は、本体部500の屋外側の端部から突出部501とは反対側に向けて突出する第二突出部502を更に有する。
【0101】
上記構成を備える第五態様のパネルユニット100では、側壁部11に取り付けられるパッキン70を第二突出部502に当てることができて、側壁部11におけるパッキン70の取付位置が安定しやすい。
【0102】
また、上述した実施形態1及びその変形例のように、第六態様のパネルユニット100は、第四又は第五態様の構成に加えて、下記の構成を付加的に備える。
【0103】
すなわち、第六態様のパネルユニット100では、断熱材51は、本体部500を覆う部分510と、突出部501を覆う部分511と、突出部501よりも先まで延び、弾性変形可能な延伸部512と、を有する。
【0104】
上記構成を備える第六態様のパネルユニット100では、屋外側外皮1の側壁部11に取り付けた断熱縁材5の断熱材51の延伸部512によって、芯材3の側面30と側壁部11との間の隙間とこの隙間よりも屋内側の空間とを仕切ることができる。そのため、第六態様のパネルユニット100では、側壁部11と芯材3の側面30との間に流入した湿気が、金属製の別部材(支持部材8a,9a等)及び屋内側外皮2側へと流れ込むことを、延伸部512によって抑制できる。
【0105】
また、実施形態1,2及びその変形例のように、第七態様のパネルユニット100の取付構造は、下記の構成を備える。
【0106】
すなわち、第七態様のパネルユニット100の取付構造は、第一から第六のいずれか1つの態様のパネルユニット100と、パネルユニット100を構造躯体の一部に取り付ける取付部材8,9と、を備える。取付部材8,9は、金属製の支持部材(詳しくはパネル固定板8a,9a)と固定具8e,9eを有する。支持部材8a,9aは、屋外側外皮1の側壁部11と屋内側外皮2とを支持する。固定具8e,9eは、支持部材8a,9aと側壁部11との間に断熱縁材5を挟んだ状態で、支持部材8a,9aを側壁部11に固定する。
【0107】
上記構成を備える第七態様のパネルユニット100の取付構造では、金属製の支持部材8a,9aと屋外側外皮1の側壁部11との間に断熱縁材5を挟むことができて、直接的な接触を防ぐことができる。これにより、第七態様のパネルユニット100の取付構造では、屋外側外皮1の側壁部11と金属製の支持部材8a,9a及び屋内側外皮2との間での熱の移動を抑制することができる。加えて、第七態様のパネルユニット100の取付構造では、金属製の支持部材8a,9aの表面に結露が生じにくいため、固定具8e,9eが腐食することを抑制できて、固定具8e,9eの固定力低下を抑制することができる。
【0108】
また、実施形態1,2及びその変形例のように、第八態様の断熱縁材5は、下記の構成を備える。
【0109】
すなわち、第八態様の断熱縁材5は、サンドイッチパネル4の側壁部11に取り付けられる。サンドイッチパネル4は、互いに対向する金属製の屋外側外皮1及び屋内側外皮2と、屋外側外皮1及び屋内側外皮2の間に位置する板状の芯材3と、を有し、屋外側外皮1が芯材3の側面30に沿う側壁部11を含む。断熱縁材5は、板状の縁材本体50と、縁材本体50の厚み方向の一側を覆う断熱材51と、を備える。
【0110】
上記構成を備える第八態様の断熱縁材5では、サンドイッチパネル4の屋外側外皮1の側壁部11に断熱縁材5を取り付けることで、側壁部11と屋内側外皮2に当たるように金属製の別部材(支持部材8a,9a等)が設置される際に、この別部材と側壁部11との間に断熱材51を挟むことができる。これにより、第八態様の断熱縁材5では、屋外側外皮1の側壁部11と金属製の別部材及び屋内側外皮2との間での熱の移動を抑制することができる。また、第八態様の断熱縁材5では、ビス等の固定具8e,9eで金属製の別部材を断熱縁材5を介して側壁部11に固定する場合には、側壁部11が薄厚であっても、断熱縁材5によって固定具8e,9eの固定先の厚みを増やすことができるため、金属製の別部材の取付強度の向上が図れる。
【0111】
以上、本開示を添付図面に示す実施形態に基づいて説明したが、本開示は上記の各実施形態に限定されるものではなく、本開示の意図する範囲内であれば、適宜の設計変更が可能である。
【符号の説明】
【0112】
1 屋外側外皮
11 側壁部
112 先端面
2 屋内側外皮
3 芯材
30 側面
4 サンドイッチパネル
5 断熱縁材
50 縁材本体
500 本体部
501 突出部
502 第二突出部
51 断熱材
510 部分
511 部分
512 延伸部
52 接着部材
6 連結部材
8 取付部材
8a パネル固定板(支持部材)
8e 固定具
9 取付部材
9a パネル固定板(支持部材)
9e 固定具
100 パネルユニット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7