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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023151048
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】電磁継電器
(51)【国際特許分類】
   H01H 50/38 20060101AFI20231005BHJP
【FI】
H01H50/38 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022060448
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100206760
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 惇
(72)【発明者】
【氏名】堀江 彩太
(72)【発明者】
【氏名】岩坂 博之
(72)【発明者】
【氏名】箕輪 亮太
(72)【発明者】
【氏名】小川 真一
(72)【発明者】
【氏名】大塚 航平
(57)【要約】
【課題】ヨークに対して磁石が移動することを抑制できる電磁継電器を提供する。
【解決手段】電磁継電器は、第1固定端子と、可動接触片と、収容部と、磁石と、ヨークとを備える。第1固定端子は、第1固定接点を含む。可動接触片は、第1固定接点に対向して配置される第1可動接点を含む。収容部は、第1固定接点と可動接触片とが収容される。磁石は、収容部内に磁界を発生させる。磁石は、第1方向を向く第1吸着面と、第1方向と直交する第2方向を向く第2吸着面と、第1方向及び第2方向と直交する第3方向を向く第3吸着面とを含む。ヨークは、磁石に接続される。ヨークは、第1部分と、第2部分と、第3部分とを含む。第1部分は、第1吸着面に対向して配置され1吸着面に吸着される。第2部分は、第2吸着面に対向して配置され第2吸着面に吸着される。第3部分は、第3吸着面に対向して配置され第3吸着面に吸着される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1固定接点を含む第1固定端子と、
前記第1固定接点に対向して配置される第1可動接点を含む可動接触片と、
前記第1固定接点と前記可動接触片とが収容される収容部と、
第1方向を向く第1吸着面と、前記第1方向と直交する第2方向を向く第2吸着面と、前記第1方向及び前記第2方向と直交する第3方向を向く第3吸着面とを含み、前記収容部内に磁界を発生させる磁石と、
前記第1吸着面に対向して配置され前記第1吸着面に吸着される第1部分と、前記第2吸着面に対向して配置され前記第2吸着面に吸着される第2部分と、前記第3吸着面に対向して配置され前記第3吸着面に吸着される第3部分とを含み、前記磁石に接続されるヨークと、
を備える、
電磁継電器。
【請求項2】
前記第1固定接点は、前記第1可動接点と前記第3方向に対向して配置され、
前記ヨークの前記第3部分は、前記第3吸着面に接触して配置される、
請求項1に記載の電磁継電器。
【請求項3】
前記ヨークの前記第1部分及び前記第2部分の少なくとも一方は、前記磁石に接触して配置される、
請求項2に記載の電磁継電器。
【請求項4】
前記第1固定接点は、前記第1可動接点と前記第3方向に対向して配置され、
前記ヨークは、前記収容部に対して前記第3方向の移動が制限されている、
請求項1から3のいずれか1項に記載の電磁継電器。
【請求項5】
前記磁石の前記第3吸着面は、前記第1固定接点から前記第1可動接点に向かう方向を向く、
請求項1から4のいずれか1項に記載の電磁継電器。
【請求項6】
前記第1固定接点は、前記第1可動接点と前記第3方向に対向して配置され、
前記磁石は、前記第3方向から見て、前記第1固定端子と重なる、
請求項1から5のいずれか1項に記載の電磁継電器。
【請求項7】
前記磁石は、前記第3方向において、前記第1固定端子と前記ヨークの前記第3部分との間に配置されている、
請求項6に記載の電磁継電器。
【請求項8】
第2固定接点を含み、前記第1固定端子と前記第2方向に離れて配置される第2固定端子をさらに備え、
前記可動接触片は、前記第2固定接点と前記第3方向に対向して配置される第2可動接点を含み、
前記ヨークの前記第3部分は、前記第2方向において、前記磁石の前記第3吸着面における前記第2方向の寸法の5分の1以上の寸法を有する、
請求項1から7のいずれか1項に記載の電磁継電器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁継電器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、 磁石の磁力を利用して接点に生じるアークを伸長させて消弧する電磁継電器が知られている。磁石は、略直方体形状であり、ヨークが接続されている。ヨークは、磁石とともに磁路を形成する。ヨークは、第1方向と、第1方向と直交する第2方向の2軸方向から磁石に吸着されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-104366号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の電磁継電器は、第1方向及び第2方向と直交する第3方向において、ヨークに対して磁石の吸着力が作用していない。このため、磁石が接点ケースなどに固定されていない場合は、電磁継電器が衝撃を受けたときに磁石が第3方向に移動して、電磁継電器の動作に悪影響を及ぼすおそれがある。
【0005】
本発明の課題は、ヨークに対して磁石が移動することを抑制できる電磁継電器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る電磁継電器は、第1固定端子と、可動接触片と、収容部と、磁石と、ヨークとを備える。第1固定端子は、第1固定接点を含む。可動接触片は、第1固定接点に対向して配置される第1可動接点を含む。収容部は、第1固定接点と可動接触片とが収容される。磁石は、収容部内に磁界を発生させる。磁石は、第1方向を向く第1吸着面と、第1方向と直交する第2方向を向く第2吸着面と、第1方向及び第2方向と直交する第3方向を向く第3吸着面とを含む。ヨークは、磁石に接続される。ヨークは、第1部分と、第2部分と、第3部分とを含む。第1部分は、第1吸着面に対向して配置され1吸着面に吸着される。第2部分は、第2吸着面に対向して配置され第2吸着面に吸着される。第3部分は、第3吸着面に対向して配置され第3吸着面に吸着される。
【0007】
この電磁継電器では、第1方向と第2方向と第3方向とにおいて、磁石の吸着力がヨークに作用する。すなわち、互いに直交する3軸方向において、磁石の吸着力がヨークに作用する。これにより、ヨークに対して磁石が3軸方向に移動することをヨークによって抑制できる。また、例えば、磁石をシール部材で固定する場合に比べて、磁石の3軸方向への移動を簡単な構成で抑制できるとともに、電磁継電器の製造コストが増大することを抑制できる。さらに、ヨークの形状を変更することで、磁石の3軸方向への移動を抑制することが可能になるので、磁石配置や磁石の大きさを維持することが可能になる。その結果、アークの遮断性能を維持できる。また、3軸方向において磁石の磁束漏れを抑制できる。
【0008】
第1固定接点は、第1可動接点と第3方向に対向して配置されてよい。ヨークの第3部分は、第3吸着面に接触して配置されてもよい。この場合は、ヨークに対して磁石が第3方向に移動することをさらに抑制できる。
【0009】
ヨークの第1部分及び第2部分の少なくとも一方は、磁石に接触して配置されてもよい。この場合は、ヨークに対して磁石が第1方向又は第2方向の少なくとも一方に移動することをさらに抑制できる。
【0010】
第1固定接点は、第1可動接点と第3方向に対向して配置されてもよい。ヨークは、収容部に対して第3方向の移動が制限されてもよい。この場合は、磁石が第3方向に移動することをさらに抑制できる。
【0011】
磁石の第3吸着面は、第1固定接点から第1可動接点に向かう方向を向いてもよい。この場合は、電磁継電器において第1可動接点から第1固定接点に向かう方向に衝撃が加わった際に、磁石が第1可動接点から第1固定接点に向かう方向に移動して、磁石の周辺に配置される部材に悪影響を及ぼすことを抑制できる。
【0012】
第1固定接点は、第1可動接点と第3方向に対向して配置されてもよい。磁石は、第3方向から見て、第1固定端子と重なってもよい。この場合は、第3方向から見て、磁石が第1固定端子と重なる電磁継電器において、ヨークに対して磁石が3軸方向に移動することを抑制できる。また、電磁継電器に衝撃が加わった際に、磁石が第3方向に移動して第1固定端子に悪影響を及ぼすことを抑制できる。
【0013】
磁石は、第3方向において、第1固定端子とヨークの第3部分との間に配置されてもよい。この場合においても、第3方向から見て、磁石が第1固定端子と重なる電磁継電器において、ヨークに対して磁石が3軸方向に移動することを抑制できる。
【0014】
電磁継電器は、第1固定端子と第2方向に離れて配置される第2固定端子をさらに備えてもよい。第2固定端子は、第2固定接点を含んでもよい。可動接触片は、第2固定接点と第3方向に対向して配置される第2可動接点を含でもよい。ヨークの第3部分は、第2方向において、磁石の第3吸着面における第2方向の寸法の5分の1以上の寸法を有してもよい。この場合は、ヨークの第3部分の面積が大きくなるので、第3部分に作用する磁石の吸着力が大きくなる。これにより、ヨークに対して磁石が第3方向に移動することをさらに抑制できる。
【0015】
本発明によれば、ヨークに対して磁石が移動することを抑制できる電磁継電器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】電磁継電器の断面図である。
図2】接点ケース周辺の斜視図である。
図3】接点ケース周辺の正面図である。
図4】接点ケース周辺の下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一態様に係る電磁継電器100の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、図面を参照するときにおいて、X1方向を左方向、X2方向を右方向、Y1方向を前方向、Y2方向を後方向、Z1方向を上方向、Z2方向を下方向として説明する。また、X1,X2方向を左右方向(第2方向の一例)、Y1,Y2方向を前後方向(第1方向の一例)、Z1,Z2方向を上下方向(第3方向の一例)として説明する。これらの方向は、説明の便宜上、定義されるものであって、電磁継電器100の配置方向を限定するものではない。
【0018】
図1に示すように、電磁継電器100は、ケース2と、接点ケース3と、接点装置4と、駆動装置5と、を備えている。
【0019】
ケース2は、略四角形の箱型であり、樹脂などの絶縁材で形成されている。ケース2は、接点ケース3、接点装置4及び駆動装置5を収容する。
【0020】
接点ケース3は、収容部の一例である。接点ケース3は、ケース2内に配置されている。接点ケース3は、駆動装置5の上部に配置されている。接点ケース3は、略四角形の箱型であり、樹脂などの絶縁材で形成されている。
【0021】
接点ケース3は、上ケース31と、下ケース32と、第1端子支持部33と、第2端子支持部34と、第1磁石支持部35と、第2磁石支持部36とを含む。上ケース31は、下方に向かって開口している。上ケース31は、下ケース32の上部に配置されている。上ケース31は、下ケース32と別体である。上ケース31は、例えば、スナップフィット結合により下ケース32に固定される。下ケース32は、上方に向かって開口している。下ケース32は、上方が上ケース31によって覆われている。
【0022】
第1端子支持部33及び第2端子支持部34は、上ケース31に形成されている。第1端子支持部33は、上ケース31から右方に突出している。第1端子支持部33は、右方に向かって開口している。第2端子支持部34は、上ケース31から左方に突出している。第2端子支持部34は、左方に向かって開口している。
【0023】
第1磁石支持部35及び第2磁石支持部36は、下ケース32に形成されている。第1磁石支持部35は、下ケース32から右方に突出している。第1磁石支持部35は、第1端子支持部33の下方に配置されている。第2磁石支持部36は、下ケース32から左方に突出している。第2磁石支持部36は、第2端子支持部34の下方に配置されている。
【0024】
接点装置4は、第1固定端子6と、第2固定端子7と、可動接触片8とを含む。
【0025】
第1固定端子6及び第2固定端子7は、板状の端子であり、導電性を有する材料で形成されている。第1固定端子6及び第2固定端子7は、左右方向に延びている。第1固定端子6及び第2固定端子7は、接点ケース3の内部と外部とに亘って延びている。第1固定端子6及び第2固定端子7は、左右方向に互いに離れて配置されている。第1固定端子6及び第2固定端子7は、接点ケース3の上ケース31に固定されている。
【0026】
第1固定端子6は、第1端子支持部33に圧入固定されている。第1固定端子6は、第1固定接点6aと、第1外部接続部6bとを含む。第1固定接点6aは、接点ケース3に収容されている。第1固定接点6aは、可動接触片8と上下方向に対向して配置されている。第1固定接点6aは、第1固定端子6の下面に配置されている。第1外部接続部6bは、ケース2の外部に配置されている。第1外部接続部6bは、バスバーなどの図示しない外部端子に接続される。
【0027】
第2固定端子7は、第2端子支持部34に圧入固定されている。第2固定端子7は、第1固定端子6と左右対称な形状を有している。第2固定端子7は、第1固定端子6の左方に配置されている。第2固定端子7は、第2固定接点7aと、第2外部接続部7bとを含む。第2固定接点7aは、接点ケース3に収容されている。第2固定接点7aは、可動接触片8と上下方向に対向して配置されている。第2固定接点7aは、第2固定端子7の下面に配置されている。第2外部接続部7bは、ケース2の外部に配置されている。第2外部接続部7bは、バスバーなどの図示しない外部端子に接続される。
【0028】
可動接触片8は、接点ケース3に収容されている。可動接触片8は、一方向に長い板状の端子であり、導電性を有する材料で形成されている。可動接触片8は、左右方向に延びている。可動接触片8は、上下方向に移動可能である。
【0029】
可動接触片8は、第1可動接点8aと、第2可動接点8bと、を含む。第1可動接点8a及び第2可動接点8bは、可動接触片8の上面に配置されている。第1可動接点8aは、第1固定接点6aと上下方向に対向して配置されている。第2可動接点8bは、第2固定接点7aと上下方向に対向して配置されている。
【0030】
駆動装置5は、ケース2の内部に配置されている。駆動装置5は、可動接触片8を上下方向に移動させる。駆動装置5は、可動機構11と、コイル12と、可動鉄心13と、固定鉄心14と、ヨーク15,16と、復帰バネ17とを含む。
【0031】
可動機構11は、可動接触片8に連結されている。可動機構11は、ホルダ11aと、駆動軸11bと、接点バネ11cとを含む。ホルダ11aは、可動接触片8を保持している。ホルダ11aは、可動接触片8と一体移動する。駆動軸11bは、上下方向に延びている。駆動軸11bは、ホルダ11aに対して上下方向に相対移動可能にホルダ11aに接続されている。接点バネ11cは、ホルダ11aと駆動軸11bとの間に配置されている。接点バネ11cは、ホルダ11aを介して可動接触片8を上方に付勢する。
【0032】
コイル12は、電圧が印加されて励磁されると、可動鉄心13を上方に移動させる電磁力を発生させる。可動鉄心13は、駆動軸11bに一体移動可能に固定されている。固定鉄心14は、可動鉄心13の上方で可動鉄心13と対向して配置されている。ヨーク15,16は、コイル12を囲むように配置されている。ヨーク15は、略U字状の形状を有しており、固定鉄心14に接続されている。ヨーク16は、コイル12の下方に配置され、ヨーク15に接続されている。復帰バネ17は、可動鉄心13を下方に付勢する。
【0033】
電磁継電器100の動作は、従来と同様であるため簡略に説明する。図1は、コイル12が励磁されていない状態を示している。この状態では、第1可動接点8aが第1固定接点6aから離れており、第2可動接点8bが第2固定接点7aから離れている。コイル12が励磁されると、可動鉄心13が固定鉄心14に吸着されて駆動軸11bとともに上方に移動する。駆動軸11bの移動に伴い、可動接触片8が接点バネ11cを介して上方に移動することで、第1可動接点8aが第1固定接点6aに接触し、第2可動接点8bが第2固定接点7aに接触する。コイル12への電圧の印加が停止されると、復帰バネ17の付勢力によって可動鉄心13とともに駆動軸11bが下方に移動する。これにより、可動接触片8が下方に移動し、第1可動接点8aが第1固定接点6aから離れ、第2可動接点8bが第2固定接点7aから離れる。
【0034】
電磁継電器100は、図1及び図2に示すように、第1磁石40と、第2磁石50と、第1ヨーク60と、第2ヨーク70とをさらに備えている。
【0035】
第1磁石40及び第2磁石50は、接点ケース3内に磁界を発生させる。第1磁石40及び第2磁石50は、直方体形状の永久磁石である。第1磁石40及び第2磁石50は、接点ケース3の周囲に配置されている。第1磁石40及び第2磁石50は、第1ヨーク60と第2ヨーク70とによって保持されている。
【0036】
第1磁石40は、接点ケース3の右側方に配置されている。第1磁石40は、第1端子支持部33と第1磁石支持部35との間に配置されている。第1磁石40は、第1磁石支持部35に載置されている。図1の下方向が重力方向の場合において、第1磁石40は、第1端子支持部33と上下方向に離れている。第1磁石40は、接点ケース3に移動不能に固定されていない。第1磁石40は、上下方向から見て、第1固定端子6と重なる。第1磁石40は、第1固定端子6の下方に配置されている。
【0037】
第1磁石40は、第1吸着面41と、第2吸着面42と、第3吸着面43と、第4吸着面44を含む。第1吸着面41は、前後方向を向く。本実施形態では、第1吸着面41は、第1磁石40の前面である。第2吸着面42は、左右方向を向く。本実施形態では、第2吸着面42は、第1磁石40の右面である。第3吸着面43は、上下方向を向く。本実施形態では、第3吸着面43は、第1磁石40の下面である。第4吸着面44は、前後方向を向く。本実施形態では、第4吸着面44は、第1磁石40の後面である。
【0038】
第2磁石50は、接点ケース3の左側方に配置されている。第2磁石50は、第1磁石40と左右方向に対向するように配置されている。第2磁石50は、第2端子支持部34と第2磁石支持部36との間に配置されている。第2磁石50は、第2磁石支持部36に載置されている。図1の下方向が重力方向の場合において、第2磁石50は、第2端子支持部34と上下方向に離れている。第2磁石50は、接点ケース3に固定されていない。第2磁石50は、上下方向から見て、第2固定端子7と重なる。第2磁石50は、第2固定端子7の下方に配置されている。
【0039】
第2磁石50は、第5吸着面51と、第6吸着面52と、第7吸着面53と、第8吸着面54とを含む。第5吸着面51は、前後方向を向く。本実施形態では、第5吸着面51は、第2磁石50の前面である。第6吸着面52は、左右方向を向く。本実施形態では、第6吸着面52は、第2磁石50の左面である。第7吸着面53は、上下方向を向く。本実施形態では、第7吸着面53は、第2磁石50の下面である。第8吸着面54は、前後方向を向く。本実施形態では、第8吸着面54は、第2磁石50の後面である。
【0040】
第1ヨーク60は、接点ケース3の周囲に配置されている。第1ヨーク60は、第1磁石40と第2磁石50とに接続されている。第1ヨーク60は、第1磁石支持部35及び第2磁石支持部36よりも前方に配置されている。第1ヨーク60は、単一の部材で構成されている。第1ヨーク60は、接点ケース3に位置決めされている。なお、第1ヨーク60は、ケース2に位置決めされてもよい。
【0041】
第1ヨーク60は、第1部分61と、第2部分62と、第3部分63と、第4部分64と、第5部分65と、第6部分66と、中央部67とを含む。
【0042】
第1部分61は、前後方向と直交する方向に延びている。第1部分61は、中央部67の右端からさらに右方に延びている。第1部分61は、第1磁石40の第1吸着面41に対向して配置されている。第1部分61は、第1吸着面41の前方に配置されている。第1部分61は、第1吸着面41に吸着されている。第1部分61は、第1吸着面41に接触して配置されている。
【0043】
第2部分62は、左右方向と直交する方向に延びている。第2部分62は、第1部分61の右端から後方に延びている。第2部分62は、第1磁石40の第2吸着面42に対向して配置されている。第2部分62は、第2吸着面42の右方に配置されている。第2部分62は、第2吸着面42に吸着されている。第2部分62は、第2吸着面42に接触して配置されている。
【0044】
第3部分63は、上下方向と直交する方向に延びている。第3部分63は、第2部分62の下端から左方に延びている。第3部分63は、第1磁石40の第3吸着面43に対向して配置されている。第3部分63は、第3吸着面43の下方に配置されている。第3部分63は、第3吸着面43に吸着されている。第3部分63は、第3吸着面43に接触して配置されている。第3部分63は、第1部分61から離れている。第3部分63は、第2部分62を介して第1部分61に接続されている。
【0045】
左右方向における第3部分63の寸法は、左右方向における第1磁石40の第3吸着面43の寸法の5分の1以上であることが好ましい。左右方向における第3部分63の寸法は、左右方向における第1磁石40の第3吸着面43の寸法の3分の1以上或いは2分の1以上であることがさらに好ましい。本実施形態では、左右方向における第3部分63の寸法は、左右方向における第1磁石40の第3吸着面43の寸法と同程度である。
【0046】
第4部分64は、第1部分61と左右対称な形状を有している。第4部分64は、第2磁石50の第5吸着面51に対向して配置されている。第4部分64は、第5吸着面51に吸着されている。第4部分64は、第5吸着面51に接触して配置されている。
【0047】
第5部分65は、第2部分62と左右対称な形状を有している。第5部分65は、第2磁石50の第6吸着面52に対向して配置されている。第5部分65は、第6吸着面52に吸着されている。第5部分65は、第6吸着面52に接触して配置されている。
【0048】
第6部分66は、第3部分63と左右対称な形状を有している。第6部分66は、第2磁石50の第7吸着面53に対向して配置されている。第6部分66は、第7吸着面53に吸着されている。第6部分66は、第7吸着面53に接触して配置されている。左右方向における第6部分66の寸法は、左右方向における第7吸着面53の寸法と同程度である。
【0049】
中央部67は、接点ケース3の前方に配置されている。中央部67は、左右方向に延びている。中央部67は、第1部分61と第4部分64の間に配置されている。中央部67の右端は、第1部分61に接続されている。中央部67の左端は、第4部分64に接続されている。中央部67は、接点ケース3の前面から突出する複数の位置決め突起37によって、接点ケース3に対して上下方向に位置決めされている。複数の位置決め突起37は、接点ケース3の上ケース31と下ケース32のそれぞれに設けられている。複数の位置決め突起37によって第1ヨーク60の上下方向の移動が制限されている。
【0050】
第2ヨーク70は、第1ヨーク60と同じ形状を有している。第2ヨーク70は、第1ヨーク60と前後対称な形状を有している。第2ヨーク70は、第1磁石40と第2磁石50とに接続されている。第2ヨーク70は、第1磁石支持部35及び第2磁石支持部36よりも後方に配置されている。第2ヨーク70は、第1部分71と、第2部分72と、第3部分73と、第4部分74と、第5部分75と、第6部分76と、中央部77とを含む。第2ヨーク70の詳細な説明は省略する。
【0051】
上記構成の電磁継電器100では、前後方向と左右方向と上下方向とにおいて第1磁石40の吸着力が第1ヨーク60に作用する。すなわち、互いに直交する3軸方向において、第1ヨーク60が第1磁石40に吸着される。これにより、第1ヨーク60に対して第1磁石40が3軸方向上方に移動することを第1ヨーク60によって抑制できる。また、例えば、第1磁石40をシール部材で固定する場合に比べて、第1磁石40の3軸方向への移動を簡単な構成で抑制できるとともに、電磁継電器100の製造コストが増大することを抑制できる。
【0052】
例えば、電磁継電器100に下方から衝撃が加わった際に第1磁石40が上方に移動して、接点ケース3や第1固定端子6などの第1磁石40の周辺に配置される部材に悪影響を及ぼすことを抑制できる。その結果、電磁継電器100の誤動作を抑制できる。
【0053】
また、第1ヨーク60の形状を変更(第1ヨーク60に第3部分63を追加)することで、第1磁石40の3軸方向への移動を抑制することが可能になるので、第1磁石40配置や第1磁石40の大きさを維持できる。その結果、アークの遮断性能を維持できる。なお、本実施形態では、第2ヨーク70によっても第1磁石40の3軸方向への移動を抑制できる。同様に、第1ヨーク60及び第2ヨーク70によって第2磁石50の3軸方向への移動を抑制できる。
【0054】
以上、本発明の一態様に係る電磁継電器の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0055】
接点ケース3の構成は変更されてもよい。接点ケース3は、単一の部材で構成されてもよい。接点装置4の構成が変更されてもよい。例えば、第1固定端子6及び第2固定端子7は、円柱状の端子であってもよい。駆動装置5の構成は変更されてもよい。駆動装置5は、可動鉄心13を下方向に押し下げる構成であってもよい。この場合、可動接触片8は、第1固定端子6及び第2固定端子7の上方に配置される。
【0056】
第1磁石40は、第1ヨーク60と第2ヨーク70とのみで保持されてもよい。第1磁石支持部35及び第2磁石支持部36は省略されてもよい。第1磁石40の配置は変更されてもよい。第1磁石40が接点ケース3の前方又は後方に配置される電磁継電器に本発明を適用してもよい。
【0057】
第1ヨーク60の構成は変更されてもよい。第1ヨーク60は、3軸方向から第1磁石40に吸着される構成であればよい。第1ヨーク60は、複数の部材で構成されてもよい。この場合、第1ヨーク60を構成する複数の部材のそれぞれ接点ケース3に位置決めされることが好ましい。例えば、前記実施形態において、第2部分62は、第1部分61と別体であってもよい。すなわち、第2部分62は、第1部分61から分離されていてもよい。或いは、第1部分61と第2部分62と第3部分63とが互いに別体であってもよい。また、第3部分63は、第1部分61から後方に延びていてもよい。第2ヨーク70は、第1ヨーク60と同様に構成が変更されてもよい。
【0058】
第1部分61は、第1吸着面41から離れて配置されてもよい。第2部分62は、第2吸着面42から離れて配置されてもよい。第3部分63は、第3吸着面43から離れて配置されてもよい。
【符号の説明】
【0059】
3 接点ケース(収容部の一例)
6 第1固定端子
6a 第1固定接点
7 第2固定端子
7a 第2固定接点
40 第1磁石(磁石の一例)
41 第1吸着面
42 第2吸着面
43 第3吸着面
60 第1ヨーク(ヨークの一例)
61 第1部分
62 第2部分
63 第3部分
100 電磁継電器
図1
図2
図3
図4