(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023151074
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】エア搬送装置
(51)【国際特許分類】
B65G 53/40 20060101AFI20231005BHJP
【FI】
B65G53/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022060495
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000163095
【氏名又は名称】極東開発工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】武▲鑓▼ 裕司
(72)【発明者】
【氏名】早川 千鶴
【テーマコード(参考)】
3F047
【Fターム(参考)】
3F047CA02
3F047CC01
(57)【要約】
【課題】エア供給の効率を向上したエア搬送装置を提供する。
【解決手段】エア供給源9と、搬送物が投入されるホッパと、前記ホッパに接続された投入口、前記エア供給源から送られた気流を取り入れる吸気口14A、前記投入口から投入された搬送物と気流とを合流させて、搬送物が混入した気流を取り出す排気口14Cの各々を有する混相機14と、一端を前記エア供給源9に、他端を前記混相機14の前記吸気口14Aに接続した送風管と、が設けられ、前記エア供給源9における気流の出口である送出口92の向く方向は、前記混相機14の前記排気口14Cから前記吸気口14Aに向かう方向に沿っている、または、前記混相機14の前記排気口14Cと前記吸気口14Aとを結ぶ線に対して交差する方向に沿っている。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
気流を発生させ送出するエア供給源と、
前記気流に乗せられることで搬送される搬送物が投入されるホッパと、
前記ホッパに接続された投入口、前記エア供給源から送られた気流を取り入れる吸気口、前記投入口から投入された搬送物と気流とを合流させて、搬送物が混入した気流を取り出す排気口の各々を有する混相機と、
一端を前記エア供給源に、他端を前記混相機の前記吸気口に接続した送風管と、が筐体の内部に設けられており、
前記エア供給源における気流の出口である送出口の向く方向は、前記混相機の前記排気口から前記吸気口に向かう方向に沿っている、または、前記混相機の前記排気口と前記吸気口とを結ぶ線に対して交差する方向に沿っている、エア搬送装置。
【請求項2】
前記エア供給源は、気流を発生するブロアと前記ブロアを駆動するモータとを備え、
前記ブロアにおいてエアを吸気する吸気口にはサイレンサが設けられており、
前記サイレンサは、前記筐体の内部にて、前記モータの上方に重なるように配置されている、請求項1に記載のエア搬送装置。
【請求項3】
前記サイレンサはステーに固定されており、
前記モータの駆動に関係する電気配線は前記ステーに固定されている、請求項2に記載のエア搬送装置。
【請求項4】
前記送風管には、管内に閉塞が生じた際に気流を管外に逃がす安全弁が設けられており、
前記安全弁は、前記筐体の内部にて前記筐体を構成する側壁に隣接して配置されている、請求項1~3のいずれかに記載のエア搬送装置。
【請求項5】
前記エア搬送装置の各部を制御するための、インバータを内蔵する制御盤ボックスを前記筐体の内部に備え、
前記筐体は、外気を取り入れる吸気穴を備え、
前記制御盤ボックスは、前記筐体の内部領域のうち、前記吸気穴の上方の領域に配置されている、請求項1~4のいずれかに記載のエア搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばペレット等の粒状体を含む搬送物をエアにより搬送するためのエア搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記エア搬送装置の構成として、例えば特許文献1には、筐体にホッパを固定し、筐体の内部にエア供給源としてのブロワと送風管とを収納したエア搬送装置が開示されている。ホッパの下方には、ホッパと送風管とに接続されていて、気流に搬送物を混入させる混相機が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-75788号公報(
図5)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の構成では、ブロワは混相機に対して、筐体の内部領域のうち、混相機の排気口よりも下流側の領域に配置されていて、その上、ブロワの送出口の向く方向は、混相機の吸気口から排気口に向かう方向に沿っていた。このため、送風管の屈曲箇所が4箇所と多かったため、ブロワから混相機に対するエア供給の効率が良くなかった。よって、改善の余地があった。
【0005】
そこで本発明は、エア供給の効率を向上したエア搬送装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のエア搬送装置は、気流を発生させ送出するエア供給源と、前記気流に乗せられることで搬送される搬送物が投入されるホッパと、前記ホッパに接続された投入口、前記エア供給源から送られた気流を取り入れる吸気口、前記投入口から投入された搬送物と気流とを合流させて、搬送物が混入した気流を取り出す排気口の各々を有する混相機と、一端を前記エア供給源に、他端を前記混相機の前記吸気口に接続した送風管と、が筐体の内部に設けられており、前記エア供給源における気流の出口である送出口の向く方向は、前記混相機の前記排気口から前記吸気口に向かう方向に沿っている、または、前記混相機の前記排気口と前記吸気口とを結ぶ線に対して交差する方向に沿っている。
【0007】
この構成によると、エア供給源から混相機に至るまでの送風管の屈曲箇所を少なくできるため、混相機に対してスムーズに気流を導入できる。
【0008】
前記エア供給源は、気流を発生するブロアと前記ブロアを駆動するモータとを備え、前記ブロアにおいてエアを吸気する吸気口にはサイレンサが設けられており、前記サイレンサは、前記筐体の内部にて、前記モータの上方に重なるように配置されているものとできる。
【0009】
この構成によると、筐体の内部におけるモータ上方の空間を、サイレンサ設置のために有効活用できる。
【0010】
前記サイレンサはステーに固定されており、前記モータの駆動に関係する電気配線は前記ステーに固定されているものとできる。
【0011】
この構成によると、モータの駆動に関係する電気配線専用の支持体が不要である。
【0012】
前記送風管には、管内に閉塞が生じた際に気流を管外に逃がす安全弁が設けられており、前記安全弁は、前記筐体の内部にて前記筐体を構成する側壁に隣接して配置されている
【0013】
この構成によると、側壁を取り外すか側壁に点検口を設けることで容易に安全弁にアクセスできるので、筐体の外側から安全弁のメンテナンスを行いやすい。
【0014】
前記エア搬送装置の各部を制御するための、インバータを内蔵する制御盤ボックスを前記筐体の内部に備え、前記筐体は、外気を取り入れる吸気穴を備え、前記制御盤ボックスは、前記筐体の内部領域のうち、前記吸気穴の上方の領域に配置されているものとできる。
【0015】
この構成によると、発熱するインバータを冷却するための吸気を吸気穴に近い位置で行えるため、粉塵の混入を少なくできる。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、混相機に対してスムーズに気流を導入できるようにした。よって、エア供給の効率を向上したエア搬送装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施形態に係るエア搬送装置を前方側から見た斜視図である。
【
図2】同エア搬送装置を左方側から見た斜視図である。
【
図3】後壁を外した状態の同エア搬送装置の背面図である。
【
図4】左壁の一部を省略した同エア搬送装置の左側面図である。
【
図5】右壁の一部を省略した同エア搬送装置の右側面図である。
【
図6】前壁の一部を省略した同エア搬送装置の正面図である。
【
図7】前記実施形態におけるエア供給源から混相機に至る送風管の配置を、他の実施形態と共に3パターン示した平面視の概略図である。
【
図8】前記実施形態においてサイレンサを支持するステーとモータの電気配線の取り回しを示す、関係のない構成を省略して示した斜視図である。
【
図9】前記実施形態において制御盤ボックスとフォークポケット(吸気穴)との位置関係を示した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態に係るエア搬送装置を、図面に基づいて説明する。このエア搬送装置は、例えば、寒冷地等において暖房装置の熱源として使用される木質のペレット(搬送物)を貯蔵するサイロ内に該ペレットを搬送するために用いられるが、エアで搬送可能な搬送物を所定の場所まで搬送するものに使用可能である。搬送物としては、木質のペレットや、木質以外のペレット(樹脂のペレット)の他、家畜飼料、干し草等であってもよい。また、その他各種の粒状体、細長状体等、気流に乗せて移動可能な物体であってもよい。
【0019】
図1及び
図2に示すように、エア搬送装置1は、略立方体形状に構成され、前壁2、後壁3、左壁4、右壁5、上壁6、下壁7、底壁(図示しない)を有する筐体8を備えている。この筐体8内には、後述するエア供給源9(
図3参照)、モータ10(
図3参照)、送風管11(
図3参照)、ホッパ12、ロータリバルブ13(
図5参照)、混相機14(
図5参照)等を備えている。尚、以下において、前壁2がある側を前側とし、後壁3がある側を後側とし、左壁4がある側を左側とし、右壁5がある側を右側とし、上壁6ある側を上側とし、下壁7がある側を下側として説明する。前壁2、後壁3、左壁4、右壁5のそれぞれの下方には、フォークリフトの一対のフォーク爪を挿入してエア搬送装置1を持ち上げるための一対の貫通孔であるフォークポケットZ,Zを備えている。
【0020】
エア供給源9は、
図3~
図5に示すように、筐体8の下側で左後側に配置されるモータ10により駆動され、エアに圧力を与えて気流として送り出すブロワから構成されている。そして、エア供給源9へエアを吸気する吸気管16の先端に騒音抑制用のサイレンサ17が接続され、吸気管16から吸引したエアを送出口(排気口)に接続された送風管11に送り出すようにしている。サイレンサ17は、モータ10の上方の空きスペースに配置されている。エア供給源9は、筐体8の下側で右後側に配置されている。尚、モータ10の駆動プーリ10Aとエア供給源9の従動プーリ9Aとに伝動ベルト(図示せず)が巻回されており、モータ10の駆動プーリ10Aの駆動回転力が伝動ベルトを介してエア供給源9の従動プーリ9Aに伝達されてエア供給源9が駆動する。
【0021】
送風管11は、エア供給源9から送り出されたエアを筐体8の外部へ送り出すように案内するものであり、エア供給源9の右端の送出口に接続され、筐体8の右端まで延びてから90度曲げられて前方斜め下方に延びてから再度90度曲げられて筐体8の左側へ延びて混相機14のエア供給口14Aに接続される平面視略U字状の第1管部11A(
図6参照)と、混相機14の排出口14Cに一端が接続され他端が筐体8の左端まで延びる直線状の第2管部11B(
図6参照)と、を備えている。すなわち送風管11のうち第1管部11Aは、一端がエア供給源9に、他端が混相機14の吸気口14Aに接続されている。尚、この第1管部11Aの配置(取り回し)に関しては、本実施形態における特徴的な部分に着目した事項を後述する。
【0022】
第1管部11Aは、1本の管部から構成されていてもよいし、複数本(2本以上の任意の本数)の管部から構成してもよい。また、
図2に示すように、第2管部11Bの他端に対応する筐体8の左壁4の下方側で前側には、開閉自在な扉18を備えている。この扉18を開放操作することにより、第2管部11Bの他端の排出口に所定場所まで搬送するためのホース(図示せず)の一端を接続することができる。尚、前記第2管部11Bの他端の排出口には、
図2に示すように、着脱可能なキャップ19が装着されており、該排出口に前記ホース(図示せず)を接続する時には、キャップ19を取り外すことになる。
【0023】
ホッパ12は、エア供給源9から送出された気流に乗せられることで搬送される搬送物が投入される部分である。このホッパ12は、搬送物を収容する収容容器としての布や合成樹脂等からなる可撓性を有するフレキシブルコンテナバックや剛体から構成されたタンク装置(いずれも図示しない)内の搬送物を投入するための投入口12Aを上端部に備え、投入された搬送物を下方から排出するための排出口12Bと、を有する上下が開放された筒状部材から構成されている。この筒状部材は、それの横断面積が下方側ほど小さくなるように構成されている。
【0024】
ロータリバルブ13は、
図5及び
図6に示すように、ホッパ12内に投入された搬送物をその搬送量を調整して混相機14(
図6参照)へ送り出すものであり、ホッパ12から搬送物を受け取るケーシングと、ケーシングの下方に水平軸回りに回転する回転軸と、回転軸の外周において周方向に等間隔をあけて径方向に突設された複数の羽根と、を有している(内部構造に関しては図示しない)。回転軸は、モータM(
図5参照)により駆動回転される。
【0025】
混相機14は、
図6に示すように、略直方体形状の箱体から構成され、この箱体に、ホッパ12の排出口12Bに接続されており、ホッパ12からロータリバルブ13を介して排出される搬送物を受け取る上下方向に開口する投入口としての受取口14Bと、受取口14Bから受け取った搬送物に送風管11の第1管部11Aからのエアを供給する左右方向に開口しており、エア供給源9から送られたエア(気流)を取り入れる吸気口としての前記エア供給口14Aと、エア供給口14Aからのエアにより搬送される搬送物を気流とともに排出する左右方向に開口する排気口としての前記排出口14Cと、が形成されている。つまり、箱体の上壁に受取口14Bが形成され、箱体の右壁にエア供給口14Aが形成され、箱体の左壁に排出口14Cが形成されている。このように構成された混相機14は、エア供給口14Aから取り入れられたエア(気流)と受取口14Bから投入された搬送物とを合流させて、搬送物が混入したエア(気流)とする。
【0026】
次に、送風管11(そのうち第1管部11A)の配置に関して概略図である
図7とともに、一部は前述の内容と重複するが説明する。エア供給源9は第1のルートR1として、
図7に実線で示すように平面視にて、筐体8の内部領域のうち、混相機14の吸気口14Aよりも、送出口92が下流側の領域に配置されている。本実施形態において前記「下流側の領域に配置」への該当は、エア供給源9の気流方向下流端部であって、送出口92の径中心位置で判別するものとする。混相機14のエア供給口14Aと排出口14Cとの各径中心位置を結ぶ仮想線である吸排ライン14L1に対して同一平面内で直交し、かつ、エア供給口14Aの径中心位置を通る仮想線である判別線14L2を規定する。送出口92の前記気流方向下流端部の位置が、判別線14L2よりも混相機14における排出側(
図7における左側)にあれば、「下流側の領域に配置」に該当するものとする。
【0027】
エア供給源9における気流の出口である送出口92の向く方向は、平面視にて、混相機14の排出口14Cからエア供給口14Aに向かう方向に沿っている。なお、
図7中でのルートに沿って付した数字(1、2、3)は、エア供給源9から混相機14に至る送風管11の屈曲部につき、順を追って示したものである(後述の第2のルートR2、第3のルートR3についても同様)。このように送出口92を向けて送風管11を設けることにより、エア供給源9から混相機14に至るまでの送風管11の屈曲箇所を、従来の構成に比べて少なくできるため、混相機14に対してスムーズに気流を導入できる。
【0028】
尚、
図5に示すように、エア供給源9における送出口92は、混相機14のエア供給口14Aよりも高い位置に設けられている。このため、エア供給源9から送風管11における一番目の屈曲部111までは水平に延び、一番目の屈曲部111から二番目の屈曲部112までは斜め下方に延び、二番目の屈曲部から混相機14までは水平に延びている。尚、安全弁11Cに向かう配管11Dは一番目の屈曲部111と二番目の屈曲部112とを結ぶ区間における一番目の屈曲部111寄りの位置から下方に分岐していて、送風管11よりも小径の配管とされている。送風管11(第1管部11A)の、エア供給源9における送出口92に近い位置で安全弁11Cへの配管11Dを分岐させることにより、送風管11に閉塞が生じた場合の送風管11への圧力上昇による負荷がかかる区間を短くできる。また、下方への分岐により、配管11Dの取り回しをシンプルにできる。
【0029】
ちなみに、特許文献1に記載の送風管は、エア供給源を出てから斜め上方に延び、屈曲して水平方向に転じ、再度屈曲して斜め下方に湾曲しつつ延びて混相機に接続されていた。このように、特許文献1に記載の送風管は非常に大回りに配置されていた。このため、本実施形態の送風管11は、立体的に見ても短い経路で構成できていて、混相機14に対するスムーズな気流の導入に貢献できる。
【0030】
特に本実施形態において、送出口92の向く方向、すなわち、送出口92から送風管11の延びる方向は、混相機14の排出口14Cからエア供給口14Aに向かう方向に沿っているため、2回以下の曲げで送風管11を混相機14のエア供給口14Aに接続できる。このため、例えば特許文献1に記載の構成では屈曲箇所が4箇所必要であったが、それよりも屈曲箇所を少なくできる。
【0031】
本実施形態の第1のルートR1では、エア供給源9における気流の出口である送出口92の向く方向は、混相機14の排出口14Cからエア供給口14Aに向かう方向に沿っているものとしたが、他の実施形態として、混相機14の排出口14Cとエア供給口14Aとを結ぶ線(仮想の線)に対して交差する方向に沿うようにすることもできる。この実施形態では、送出口92の向く方向を、混相機14を向く側にする第2のルートR2(
図7で二点鎖線で表示)と、混相機14の反対側を向く側にする第3のルートR3(
図7で破線で表示)とが考えられる。送出口92の向く方向に関し、第1のルートR1に対して第2のルートR2、または、第3のルートR3は直交する関係にあるが、90°以外の角度で交差する関係であってもよい。
【0032】
第2のルートR2では、送風管11がエア供給源9と混相機14の間の領域にのみ位置させられるため、送風管11を筐体8の側壁から奥まって位置させることができることにより、送風管11の通気音を筐体8の外部に漏れにくくできる。また、第3のルートR3では、従来よりも屈曲箇所を少なくできると共に、エア供給源9の送出口92から混相機14のエア供給口14Aまで、送風管11の他の配置パターンよりも大回りとなるため、送風管11の曲率半径を大きくとることができる。このことにより、送風に関する圧力損失を低減できる。
【0033】
前述のように、エア供給源9は、気流を発生するブロア91とブロア91を駆動するモータ10とを備える。ブロア91においてエアを吸気するエア供給口14Aにはサイレンサ17が設けられている。サイレンサ17は、筐体8の内部にて、モータ10の上方に重なるように配置されている。このような配置とすることにより、筐体8の内部におけるモータ10の上方に位置する空間を、サイレンサ17を設置するために有効活用できる。
【0034】
サイレンサ17は鋼材から形成された枠状のステー20に固定されており、吸気時に脈動を受けても振動しないようにされている。そして、モータ10の駆動に関係する電気配線21はステー20に固定されている。この電気配線21は、電力供給のための電線と、駆動制御やセンシングのための信号線の両方を含む。このようにステー20を活用することにより、モータ10の駆動に関係する電気配線21専用の支持体が不要である。このため、エア搬送装置の構成を簡略化できて、その分軽量化できる。
【0035】
送風管11には、管内に閉塞が生じた際(第2管部11Bの管内で生じることが多い)に気流を管外に逃がす安全弁11Cが設けられている。安全弁11Cは、送風管11(特に第2管部11B)の圧力が上昇した際に開放されるよう構成されている。安全弁11Cは、筐体8の内部にて筐体8を構成する側壁(具体的には前壁2)に隣接して配置されている。このように安全弁11Cを配置することにより、側壁を取り外すか側壁に点検口を設けることで容易に安全弁11Cにアクセスできるので、筐体8の外側から安全弁11Cのメンテナンスを行いやすい。
【0036】
エア搬送装置の各部を制御するための、インバータ(図示しない)を内蔵する制御盤ボックスSを筐体8の内部に備える。インバータは、エア供給源9のモータ10を回転数制御するためのものと、ロータリバルブ13の回転軸を駆動させるモータMを回転数制御するためのものの2台が制御盤ボックスSに設けられている。筐体8は、外気(エア)を取り入れる吸気穴22を備えている。この吸気穴22は、フォークポケットZの内部空間に開口している。吸気穴22が筐体8の外部に直接露出しないため、吸気に雨水等が混入しにくい。そして筐体8の底壁には図示しない貫通穴が設けられていて、フォークポケットZから筐体8の内部空間に外気を導入できる。
【0037】
吸気穴22から筐体8の内部に取り入れられたエアは、例えば矢印で示したように側壁(具体的には右壁5)の内側に沿って流れ、制御盤ボックスの吸気部S1(図示右側)から取り込まれ、排気部S2(図示左側)から出される。制御盤ボックスS(特に吸気部S1)は、筐体8の内部領域のうち、吸気穴22の上方の領域に配置されている。このような位置関係とすることにより、図上に矢印で示したように筐体8の内部に気流が通る。そして、発熱するインバータを冷却するための吸気を吸気穴22に近い位置で行えるため、制御盤ボックスSの吸気部S1から取り込まれる空気への粉塵(筐体8の内部を舞う可能性がある、搬送物の一部や搬送物の破片等)の混入を少なくできる。
【0038】
以上のように送風管11が配置された本実施形態のエア搬送装置1では、混相機14に対してスムーズに気流を導入できるようになっている。よって、エア供給の効率を向上したエア搬送装置1を提供できる。
【0039】
本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではない。
【0040】
上記実施形態では、ロータリバルブ13を設けたが、ロータリバルブ13を省略した構成であってもよい。また、ロータリバルブ13に代えて他の構成のバルブを設けてもよい。
【0041】
また、上記実施形態では、エア供給源9を筐体8に備えたエア搬送装置1としたが、別体のエア供給源のエア供給口とエア搬送装置1に備える送風管11とをホース又は配管で接続する構成としてもよい。
【0042】
また、上記実施形態では、送風管11の屈曲部にて90度の曲げとされていたが、曲げ角度は任意に設定できる。特に鈍角に設定した場合は、通気抵抗を低減できる。
【0043】
また、上記実施形態ではエア供給源9が、平面視にて、筐体8の内部領域のうち、混相機14の排出口14Cよりも下流側の領域に配置されていた。しかし、混相機14の排出口14Cよりも上流側の領域に配置されていてもよく、エア供給源9の位置は種々に変更できる。
【符号の説明】
【0044】
1…エア搬送装置、2…前壁、3…後壁、4…左壁、5…右壁、6…上壁、7…下壁、8…筐体、9…エア供給源、9A…従動プーリ、10…モータ、10A…駆動プーリ、11…送風管、11A…第1管部、11B…第2管部、11C…安全弁、11D…安全弁に向かう配管、12…ホッパ、12A…投入口、12B…排出口、13…ロータリバルブ、14…混相機、14A…吸気口/エア供給口、14B…投入口/受取口、14C…排気口/排出口、16…吸気管、17…サイレンサ、18…扉、19…キャップ、20…ステー、21…電気配線、22…吸気穴、91…ブロア、92…送出口、111…一番目の屈曲部、112…二番目の屈曲部、B…ボルト、E…検出手段、F1,F2…矢印方向、M…モータ、R1…送風管の第1のルート、R2…送風管の第2のルート、R3…送風管の第3のルート、S…制御盤ボックス、S1…吸気部、S2…排気部、Z…フォークポケット(貫通孔)