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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023151078
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】送風装置及び理美容装置
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/42 20060101AFI20231005BHJP
   H02K 7/14 20060101ALI20231005BHJP
   A45D 20/10 20060101ALI20231005BHJP
   A45D 20/12 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
F04D29/42 H
H02K7/14 A
A45D20/10 103
A45D20/12 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022060501
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】ニデック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】谷川 雅一
(72)【発明者】
【氏名】岩井 優介
(72)【発明者】
【氏名】池水 大夢
【テーマコード(参考)】
3B040
3H130
5H607
【Fターム(参考)】
3B040CD00
3B040CG00
3H130AA13
3H130AB02
3H130AB12
3H130AB26
3H130AB52
3H130AC27
3H130BA97A
3H130CA22
3H130DA02Z
3H130DB01Z
3H130DB15X
3H130DD01Z
3H130EA01A
3H130EB01A
5H607AA00
5H607BB07
5H607BB14
5H607CC05
5H607CC09
5H607DD03
5H607DD08
5H607DD17
5H607DD19
5H607FF04
5H607GG01
5H607GG13
5H607JJ04
5H607JJ06
(57)【要約】      (修正有)
【課題】小型化した送風装置を提供する。
【解決手段】送風装置の筐体は、第1筐体部と、第2筐体部と、を有する。第1筐体部の第1ベアリングホルダは、ステータよりも軸方向一方に配置され、第1ベアリングを介してシャフトを回転可能に支持する。第2筐体部の第2ベアリングホルダは、ステータよりも軸方向他方に配置され、第2ベアリングを介してシャフトを回転可能に支持する。また、第1筐体部の第1筒部は、ロータ及びステータの軸方向一方側を囲む。第2筐体部の第2筒部は、第1筒部よりも軸方向他方に配置され、ロータ及びステータの軸方向他方側を囲む。第2筒部の軸方向一方端部は、第1筒部の軸方向他方端部と径方向に重なる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向に延びる中心軸を中心に回転可能なシャフトを有するロータと、
前記ロータと径方向に対向するステータと、
前記シャフトとともに回転可能なインペラと、
前記ロータ、前記ステータ、及び前記インペラを収容する筐体と、
を備え、
前記筐体は、第1筐体部と、前記第1筐体部に接続される第2筐体部と、を有し、
前記第1筐体部は、
軸方向に延びて、前記ロータ及び前記ステータの軸方向一方側を囲む第1筒部と、
前記ステータよりも軸方向一方に配置され、第1ベアリングを介して前記シャフトを回転可能に支持する第1ベアリングホルダと、
を有し、
前記第2筐体部は、
前記第1筒部よりも軸方向他方に配置され、軸方向に延びて前記ロータ及び前記ステータの軸方向他方側を囲む第2筒部と、
前記ステータよりも軸方向他方に配置され、第2ベアリングを介して前記シャフトを回転可能に支持する第2ベアリングホルダと、
を有し、
前記第2筒部の軸方向一方端部は、前記第1筒部の軸方向他方端部と径方向に重なる、送風装置。
【請求項2】
前記筐体は、前記第1筒部及び前記第2筒部のうちの少なくともどちらかの筒部の径方向内側面において周方向に並んで配置される3個以上のリブをさらに有し、
各々のリブは、軸方向に延び、前記ステータの径方向外端部と接する、請求項1に記載の送風装置。
【請求項3】
前記筐体は、前記ステータの径方向外端部と、前記少なくともどちらかの筒部との間に配置される接着剤をさらに有する、請求項1又は請求項2に記載の送風装置。
【請求項4】
前記第1筒部は、前記第1筒部の軸方向他方端部において軸方向他方に延びる第1周壁部を有し、
前記第2筒部は、前記第2筒部の軸方向一方端部において軸方向一方に延びる第2周壁部を有し、
前記第1周壁部及び前記第2周壁部は、周方向に延びて、前記ロータ及び前記ステータを囲み、
前記第1周壁部及び前記第2周壁部のうちの一方の周壁部は、他方の周壁部の径方向外端部に配置される、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の送風装置。
【請求項5】
前記第1周壁部及び前記第2周壁部は、同心円状に配置される、請求項4に記載の送風装置。
【請求項6】
前記一方の周壁部の径方向外側面は、軸方向他方に向かうにつれて径方向内方又は径方向外方に広がる、請求項4又は請求項5に記載の送風装置。
【請求項7】
前記一方の周壁部の外径は、軸方向に渡って同じである、請求項4又は請求項5に記載の送風装置。
【請求項8】
前記第1筐体部は、
軸方向に延びる筒状であって、前記インペラ及び前記第1筒部を囲む外側筐体部と、
前記第1筒部及び前記外側筐体部間において周方向に複数配置される静翼と、
をさらに有し、
前記静翼の径方向内端部は、前記第1筒部に接続され、
前記静翼の径方向外端部は、前記外側筐体部に接続され、
前記静翼の径方向外端部において、前記静翼の軸方向他方端部は、前記外側筐体部の軸方向他方端部と同じ軸方向位置に配置される、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の送風装置。
【請求項9】
前記静翼の軸方向他方端部は、径方向内方に向かうにつれて軸方向一方に延びる、請求項8に記載の送風装置。
【請求項10】
前記外側筐体部の径方向内側面は、軸方向他方端部において軸方向他方に向かうにつれて径方向外方に広がるテーパ面を含む、請求項8又は請求項9に記載の送風装置。
【請求項11】
前記テーパ面の軸方向一方端部は、前記第2筒部の軸方向一方端部と同じ軸方向位置、又は、前記第2筒部の軸方向一方端部よりも軸方向一方に配置される、請求項10に記載の送風装置。
【請求項12】
前記インペラは、
前記シャフトの軸方向一方端部に配置されて、前記シャフトから径方向外方に広がるハブと、
前記ハブの径方向外端部から径方向外方に延びる動翼と、
を有し、
前記第1筒部の軸方向一方端部は、前記ハブよりも軸方向他方に配置され、前記ハブの径方向外端部と同じ径方向位置、又は、前記ハブの径方向外端部よりも径方向内方に配置される、請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の送風装置。
【請求項13】
請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の送風装置を搭載する、理美容装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送風装置及び理美容装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ヘアドライヤーなどの送風機能を有する装置が知られている。送風装置は、ロータ及びステータで駆動されるモータを有する。このモータでは、シャフトが挿通された軸受部が、径方向から見て、ステータの径方向内方側に配置される。(たとえば特開2001-178528号公報参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-178528号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、径方向から見て軸受部がステータと重なる位置に配置されると、ステータをより径方向外方に配置する必要が生じる。そのため、モータ部分の径サイズの増大により、送風装置が大型化する虞がある。
【0005】
本発明は、送風装置を小型化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の例示的な送風装置は、ロータと、ステータと、インペラと、筐体と、を備える。前記ロータは、シャフトを有する。前記シャフトは、軸方向に延びる中心軸を中心に回転可能である。前記ステータは、前記ロータと径方向に対向する。前記インペラは、前記シャフトとともに回転可能である。前記筐体は、前記ロータ、前記ステータ、及び前記インペラを収容する。前記筐体は、第1筐体部と、第2筐体部と、を有する。前記第2筐体部は、前記第1筐体部に接続される。前記第1筐体部は、第1ベアリングホルダと、第1筒部と、を有する。前記第1ベアリングホルダは、前記ステータよりも軸方向一方に配置され、第1ベアリングを介して前記シャフトを回転可能に支持する。前記第1筒部は、軸方向に延びて、前記ロータ及び前記ステータの軸方向一方側を囲む。前記第2筐体部は、第2ベアリングホルダと、第2筒部と、を有する。前記第2ベアリングホルダとは、前記ステータよりも軸方向他方に配置され、第2ベアリングを介して前記シャフトを回転可能に支持する。前記第2筒部は、前記第1筒部よりも軸方向他方に配置され、軸方向に延びて前記ロータ及び前記ステータの軸方向他方側を囲む。前記第2筒部の軸方向一方端部は、前記第1筒部の軸方向他方端部と径方向に重なる。
【0007】
本発明の例示的な理美容装置は、上記の送風装置を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明の例示的な送風装置及び理美容装置によれば、送風装置を小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本実施形態に係る送風装置の構成例を示す断面図である。
図2図2は、軸方向から見た送風装置の断面図である。
図3図3は、第1筐体部の内側の構成例を示す断面図である。
図4図4は、静翼を径方向内方から径方向外方に向かって見た図である。
図5図5は、送風装置を搭載する理美容装置の構成例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に図面を参照して例示的な実施形態を説明する。
【0011】
なお、本明細書では、送風装置100において、中心軸CAと平行な方向を「軸方向」と呼ぶ。軸方向のうち、後述するスペーサ6からインペラ3への向きを「軸方向一方Da1」と呼び、インペラ3からスペーサ6への向きを「軸方向他方Da2」と呼ぶ。また、中心軸CAに直交する方向を「径方向」と呼び、中心軸CAを中心とする回転方向を「周方向」と呼ぶ。径方向のうち、中心軸CAへと近づく向きを「径方向内方」と呼び、中心軸CAから離れる向きを「径方向外方」と呼ぶ。
【0012】
また、本明細書において、「環状」は、中心軸CAを中心とする周方向の全域に渡って切れ目の無く連続的に一繋がりとなる形状のほか、中心軸CAを中心とする全域の一部に1以上の切れ目を有する形状を含む。また、中心軸CAを中心として、中心軸CAと交差する曲面において閉曲線を描く形状も含む。
【0013】
また、方位、線、及び面のうちのいずれかと他のいずれかとの位置関係において、「平行」は、両者がどこまで延長しても全く交わらない状態のみならず、実質的に平行である状態を含む。また、「垂直」及び「直交」はそれぞれ、両者が互いに90度で交わる状態のみならず、実質的に垂直である状態及び実質的に直交する状態を含む。つまり、「平行」、「垂直」及び「直交」はそれぞれ、両者の位置関係に本発明の主旨を逸脱しない程度の角度ずれがある状態を含む。
【0014】
なお、これらは単に説明のために用いられる名称であって、実際の位置関係、方向、及び名称などを限定する意図はない。
【0015】
<1.実施形態>
図1は、本実施形態に係る送風装置100の構成例を示す断面図である。図2は、軸方向から見た送風装置100の断面図である。図1は、軸方向と平行であるとともに中心軸CAを含む仮想の平面で切断した送風装置100の断面構造を示す。図2は、軸方向と垂直であるとともに図1の一点鎖線IIに沿う仮想の平面で切断した送風装置100の断面構造を示す。
【0016】
送風装置100は、ロータ1と、ステータ2と、インペラ3と、筐体4と、基板5と、スペーサ6と、を有する。ロータ1及びステータ2は、送風装置100のモータ部を構成する。
【0017】
<1-1.ロータ1>
ロータ1は、軸方向に延びる中心軸CAを中心にして回転可能である。ロータ1は、シャフト11と、マグネット12と、を有する。
【0018】
シャフト11は、円柱形状であって、中心軸CAに沿って軸方向に延びる。シャフト11は、軸方向に延びる中心軸CAを中心に回転可能である。前述の如く、送風装置100は、ロータ1を備える。ロータ1は、シャフト11を有する。
【0019】
マグネット12は、シャフト11の径方向外側面に配置される。マグネット12では、互いに異なる磁極(N極及びS極)が周方向において交互に配列する。マグネット12は、中心軸CAを囲む環状であってもよいし、周方向に配置される複数の磁石片を含む構成であってもよい。
【0020】
<1-2.ステータ2>
ステータ2は、ロータ1と径方向に対向する。前述の如く、送風装置100は、ステータ2を備える。ステータは2、ステータコア21と、インシュレータ22と、コイル部23と、渡り線カバー24と、延出部25と、絡げピン26と、を有する。
【0021】
ステータコア21は、ロータ1(特にマグネット12)と径方向に対向する。本実施形態では、ステータ2は、ロータ1(特にマグネット12)よりも径方向外方に配置される。ステータコア21は、磁性体であり、本実施形態では電磁鋼板が軸方向に積層された積層体である。
【0022】
ステータコア21は、コアバック211と、ティース212と、を有する。コアバック211は、本実施形態ではロータ1を囲んで軸方向に延びる筒状である。但し、この例示に限定されず、コアバック211は、軸方向に延びて周方向に複数配置されるコアバック片で構成されてもよい。ティース212は、コアバック211から径方向内方に延び、マグネット12と径方向に対向する。ティース212は、周方向に隙間を有して複数配置される。なお、以下では、周方向に隣り合うティース212間の隙間を「スロット213」と呼ぶことがある。
【0023】
ステータ2は、インシュレータ22をさらに有する。インシュレータ22は、ステータコア21(特にティース212)に配置され、その表面を覆う。インシュレータ22には、樹脂などの電気絶縁性を有する材料が用いられる。インシュレータ22は、第1インシュレータ部221と、第2インシュレータ部222と、を有する。第1インシュレータ部221は、ステータコア21の軸方向一方Da1側の部分に配置されて、その表面を覆う。第1インシュレータ部221は、軸方向一方Da1側からステータコア21に嵌め込まれる。第2インシュレータ部222は、ステータコア21の軸方向他方Da2側の部分に配置されて、その表面を覆う。第2インシュレータ部222は、軸方向他方Da2側からステータコア21に嵌め込まれる。第2インシュレータ部222の軸方向一方端部は、第1インシュレータ部221の軸方向他方端部に接続される。
【0024】
コイル部23は、ステータコア21に配置される。コイル部23は、複数であって、周方向に並ぶ。コイル部23は、導線(図示省略)がインシュレータ22を介してステータコア21に配置された部材である。より詳細には、導線は、インシュレータ22を介してティース212に巻き回される。周方向において、コイル部23は、スロット213の一部を占める。導線は、たとえばエナメル被覆銅線、絶縁部材で被覆された金属線などである。コイル部23に駆動電流が供給されると、ステータ2は、励磁されてロータ1を駆動する。
【0025】
渡り線カバー24は、ステータ2の軸方向他方端部に取り付けられ、コイル部23の軸方向他方Da2側のコイルヘッド(符号省略)を覆うとともに、各々のコイル部23間を接続する渡り線(図示省略)などを径方向から覆う。渡り線カバー24は、たとえば樹脂製であって、軸方向他方Da2側のコイルヘッド(符号省略)及び渡り線を筐体4(特に後述する第2筐体部42)から電気的に絶縁する。
【0026】
延出部25は、ステータ2の軸方向他方端部において軸方向他方Da2に延びる。延出部25には、樹脂などの電気絶縁性を有する材料が用いられる。延出部25は、第2インシュレータ部222から軸方向他方Da2に延び、絡げピン26を保持する。本実施形態では、延出部25及び第2インシュレータ部222は、一体であって、単一の部材を構成する。但し、この例示に限定されず、両者は、別体であってもよい。
【0027】
絡げピン26は、たとえば金属製であり、ステータ2の軸方向他方Da2側において軸方向に延びる。絡げピン26には、コイル部23の導線の端部が接続される。また、絡げピン26の軸方向他方端部は、基板5上の配線と電気的に接続される。
【0028】
<1-3.インペラ3>
インペラ3は、シャフト11とともに回転可能である。前述の如く、送風装置100は、インペラ3を備える。
【0029】
インペラ3は、ハブ31と、動翼32と、を有する。ハブ31は、シャフト11の軸方向一方端部に配置されて、シャフト11から径方向外方に広がる。動翼32は、ハブ31の径方向外端部から径方向外方に延びる。動翼32は、軸方向に延びる中心軸CAを中心にして周方向に回転可能である。
【0030】
ロータ1とともにインペラ3が回転することにより、動翼32は、中心軸CAを中心に回転する。これにより、インペラ3は、筐体4の軸方向一方端部から吸引した空気Arを軸方向他方Da2に送出する。
【0031】
<1-4.筐体4>
筐体4は、ロータ1、ステータ2、及びインペラ3を収容する。前述の如く、送風装置100は、筐体4を備える。筐体4は、第1筐体部41と、第2筐体部42と、を有する。第2筐体部42は、第1筐体部41に接続される。本実施形態では、第1筐体部41及び第2筐体部42はそれぞれ、亜鉛合金を材料とする鋳造成型品である。但し、第1筐体部41及び第2筐体部42の材料及び製造方法は、この例示には限定されない。
【0032】
<1-4-1.第1筐体部41>
第1筐体部41は、シャフト11の軸方向一方Da1側を保持する。図3は、第1筐体部41の内側の構成例を示す断面図である。図3は、軸方向と平行であるとともに中心軸CAを含む仮想の平面で切断した第1筐体部41の断面構造を示す。
【0033】
第1筐体部41は、第1筒部411と、蓋部412と、第1ベアリングホルダ413と、外側筐体部414と、静翼415と、を有する。
【0034】
第1筒部411は、軸方向に延びて、ロータ1及びステータ2の軸方向一方Da1側を囲む。前述の如く、第1筐体部41は、第1筒部411を有する。なお、以下では、第1筒部411と第2筐体部42の後述する第2筒部421とを「筒部401」と総称することがある。筒部401は、軸方向に延びて、ロータ1及びステータ2を囲む。筐体4は、筒部401を有する。筒部401(詳細には、第1筒部411)の軸方向一方端部は、インペラ3のハブ31よりも軸方向他方Da2に配置される。また、筒部401(詳細には、第1筒部411)の軸方向一方端部は、ハブ31の径方向外端部と同じ径方向位置、又は、ハブ31の径方向外端部よりも径方向内方に配置される。これにより、動翼32によって軸方向他方Da2に送出される空気Arが軸方向における第1筒部411及びハブ31間に流れ込むことを防止できる。従って、空気Arを軸方向他方Da2に向けてスムーズに流すことができる。
【0035】
第1筒部411は、第1周壁部4111を有する。第1周壁部4111は、第1筒部411の軸方向他方端部において軸方向他方Da2に延びる。さらに、第1周壁部4111は、周方向に延びて、ロータ1及びステータ2を囲む。本実施形態では、第1周壁部4111は、中心軸CAを囲む環状である。但し、この例示に限定されず、第1周壁部4111は、周方向に複数配置される構成であってもよい。この場合さらに、各々の第1周壁部4111は、軸方向から見て、円弧形状であってもよい。
【0036】
また、図1及び図3に示すように、第1筒部411は、段差4112と、凹部4113と、リブ4114と、をさらに有する。段差4112、凹部4113、及びリブ4114は、たとえば、第1筐体部41の径方向内側面の切削加工により形成される。
【0037】
段差4112は、第1筒部411の径方向内側面に配置され、周方向に延びる。段差4112は、ステータコア21の軸方向一方端面における径方向外端部と同じ軸方向位置、又は、ステータコア21の軸方向一方端面における径方向外端部よりも軸方向一方Da1に配置される。段差4112は、第1面41121と、第2面41122と、第3面41123と、で構成される。
【0038】
第1面41121は、ステータコア21の軸方向一方端部よりも軸方向一方Da1に配置され、軸方向及び周方向に広がる。第1面41121は、ステータ2の軸方向一方Da1側のインシュレータ22及びコイル部23のコイルヘッドを囲む。第1面41121の軸方向一方Da1側の領域は、本実施形態では、軸方向一方Da1に向かうにつれて径方向内方に広がる。但し、この例示に限定されず、第1面41121は、軸方向に延びる筒状であってもよい。
【0039】
第2面41122は、第1面41121よりも軸方向他方Da2且つ径方向外方に配置され、軸方向及び周方向に広がる。第2面41122は、軸方向に延びる筒状であり、ステータコア21の軸方向一方Da1側を囲む。
【0040】
第3面41123は、第1面41121及び第2面41122を接続し、周方向に延びる。たとえば、第3面41123は、第1面41121の軸方向他方端部から径方向外方に広がり、第2面41122の軸方向一方端部に接続される。第3面41123の少なくとも一部は、ステータ2(たとえばステータコア21)の軸方向一方端部の径方向外端部と軸方向に対向して接する。
【0041】
凹部4113は、第3面41123に配置され、軸方向一方Da1に凹む。本実施形態では、凹部4113は、周方向に複数並ぶ。
【0042】
リブ4114は、第1筒部411の径方向内側面に配置され、より詳細には、第2面41122に配置される。筐体4は、リブ4114をさらに有する。リブ4114は、3個以上であって、周方向に並ぶ。各々のリブ4114は、軸方向に延び、ステータ2の径方向外端部と接する。
【0043】
各々のリブ4114は、第3面41123から軸方向他方Da2に延び、詳細には、凹部4113の軸方向他方Da2を向く内面から延びる。リブ4114を凹部4113から延ばすことで、たとえば切削加工時の際の切削片を凹部4113に溜めることができる。従って、リブ4114が形成し易くなる。
【0044】
言い換えると、各々のリブ4114は、第2面41122から径方向内方に突出する。各々のリブ4114の径方向内端部は、本実施形態では第1面41121よりも径方向外方に配置される。また、各々のリブ4114の軸方向一方端部は、凹部4113の軸方向他方Da2を向く内面に接続される。リブ4114を凹部4113から延ばすことで、ステータ2(たとえばステータコア21)の軸方向一方端部の径方向外端部は、より確実に、段差4112(特に第3面41123)に接することができる。従って、第1筒部411に対してステータ2をより確実且つ安定的に圧入して固定できる。よって、第1筒部411に対するステータ2のガタツキに起因する騒音,振動の発生を防止できる。
【0045】
なお、仮に、いずれかのリブ4114の軸方向一方端部が第3面41123に接続される場合、両者の接続部においてリブ4114の軸方向一方端部が軸方向一方Da1に向かうにつれて径方向内方に延びることにより、ステータ2の軸方向一方端部の径方向外端部が段差4112(特に第3面41123)から軸方向他方Da2に離れる虞がある。この場合、第1筒部411に圧入されたステータ2にガタツキが生じ、騒音,振動などを発生させる虞がある。
【0046】
なお、上述の例示に限定されず、少なくとも1つのリブ4114は、第2筐体部42(たとえば第2筒部421)の径方向内側面に配置されてもよい。つまり、リブ4114は、第1筒部411及び第2筒部421のうちの少なくともどちらかの筒部401の径方向内側面に配置されればよい。リブ4114を有する上述の少なくともどちらかの筒部401にステータ2を圧入することで、ステータ2を筐体4に固定できる。
【0047】
この際、好ましくは、上述の少なくともどちらかの筒部401と、ステータ2の径方向外側面との間には、接着剤Gが配置される。筐体4は、接着剤Gを有する。こうすれば、接着剤Gの介在により、上述の少なくともどちらかの筒部401にステータ2をより強固に固定できる。
【0048】
たとえば、本実施形態では、接着剤Gは、第1筒部411の径方向内側面(詳細には第2面41122)において周方向に隣り合うリブ4114間に配置され、ステータ2の径方向外側面と接する。また、接着剤Gは、第2筒部421の径方向内側面に配置され、ステータ2の径方向外側面と接する。但し、この例示に限定されず、接着剤Gは、第1筒部411及び第2筒部421のうちの一方のみの径方向内側面に配置され、他方には配置されなくてもよい。
【0049】
また、上述の例示は、上述の少なくともどちらかの筒部401と、ステータ2の径方向外側面との間に接着剤Gが配置されない構成を排除しない。つまり、接着剤Gは省略可能である。たとえば、ステータ2は、リブ4114に対する圧入により、筒部401に固定されてもよい。
【0050】
蓋部412は、筒部401(詳細には第1筒部411)の軸方向一方端部から径方向内方に広がる。蓋部412は、開口4121を有する。開口4121は、蓋部412を軸方向に貫通する。開口4121は、ハブ31と第1筒部411の軸方向一方端部及び蓋部412との間を通じて、後述する風洞402に連通する。
【0051】
第1ベアリングホルダ413は、蓋部412の径方向内端部に配置される。前述の如く、第1筐体部41は、第1ベアリングホルダ413を有する。第1ベアリングホルダ413は、ステータ2よりも軸方向一方Da1に配置され、第1ベアリング4131を介してシャフト11を回転可能に支持する。第1ベアリング4131は、シャフト11の軸方向一方端部に配置される。より詳細には、第1ベアリングホルダ413及び第1ベアリング4131は、ステータコア21及びコイル部23よりも軸方向一方Da1に配置される。
【0052】
第1ベアリングホルダ413の内周面には、溝部4132が配置される。溝部4132は、本実施形態では複数であって軸方向に並ぶ。但し、この例示に限定されず、溝部4132は、単数であってもよい。各々の溝部4132は、周方向に延び、たとえば環状である。また、第1ベアリングホルダ413の内周面には、軸方向に延びる溝が配置されてもよい。つまり、溝部4132は、周方向に延びる溝と、軸方向に延びる溝とのうちの少なくともどちらかを含んでいればよい。各々の溝部4132には、接着剤(図示省略)が配置される。この接着剤は、第1ベアリング4131と接し、第1ベアリング4131を第1ベアリングホルダ413の内周面に接着する。溝部4132の配置により、接着剤が溝に溜まり易くなる。従って、より強固に、第1ベアリング4131を固定できる。
【0053】
外側筐体部414は、軸方向に延びる筒状であって、インペラ3及び筒部401を囲む。前述の如く、第1筐体部41は、外側筐体部414を有する。たとえば、図1では、外側筐体部414は、インペラ3、第1筒部411、及び、第2筒部421の軸方向一方Da1側を囲む。
【0054】
外側筐体部414は、筒部401(特に第1筒部411)とともに、風洞402を構成する。筐体4は、風洞402を有する。風洞402は、インペラ3から送出される空気Arが流れる通路であり、筒部401及び外側筐体部414間に配置され、軸方向に延びる。風洞402の軸方向一方端部は、外側筐体部414の軸方向一方端部であって、送風装置100の外部に開口する。風洞402の軸方向他方端部は、外側筐体部414の軸方向他方端部と筒部401との間に配置され、送風装置100の外部に開口する。インペラ3が回転する際、風洞402の軸方向一方端部は、外部から空気Arを吸引する吸気口として機能する。風洞402の軸方向他方端部は、外部に空気Arを送出する排気口として機能する。
【0055】
好ましくは、外側筐体部414の径方向内側面は、テーパ面4141を含む。テーパ面4141は、外側筐体部414の径方向内側面の軸方向他方端部において、軸方向他方Da2に向かうにつれて径方向外方に広がる。テーパ面4141の配置により、外側筐体部414の軸方向他方端部において風洞402を広げることができる。従って、送風装置100の風量をより多くすることができる。
【0056】
図1では、テーパ面4141の軸方向一方端部は、第2筒部421(詳細には第2周壁部4211)の軸方向一方端部と同じ軸方向位置、又は、第2筒部421(詳細には第2周壁部4211)の軸方向一方端部よりも軸方向一方Da1に配置される。なお、第1周壁部4111が第2周壁部4211よりも径方向外方に配置される場合、テーパ面4141の軸方向一方端部は、第1周壁部4111の軸方向一方端部と同じ軸方向位置に配置されてもよいし、第1周壁部4111の軸方向一方端部よりも軸方向一方Da1に配置されてもよい。
【0057】
こうすれば、外側筐体部414の軸方向他方端部において風洞402をさらに広げることで、送風装置100の風量をより多くすることができる。或いは、第1筒部411の軸方向他方端部よりも軸方向他方Da2において、上述の第1周壁部4111又は後述する第2周壁部4211の外径が第1筒部411の第1周壁部4111よりも軸方向一方Da1側の部分の外径よりも太くなっていても、その径方向外方の風洞402の径方向幅が狭くなることを防止できる。従って、送風装置100の風量の減少を防止できる。
【0058】
但し、上述の例示は、テーパ面4141の軸方向一方端部が第2筒部421の軸方向一方端部よりも軸方向他方Da2に配置される構成を排除しない。たとえば、テーパ面4141の軸方向一方端部は、第2筒部421(詳細には第2周壁部4211)の軸方向一方端部よりも軸方向他方Da2に配置されてもよい。また、第1周壁部4111が第2周壁部4211よりも径方向外方に配置される場合、テーパ面4141の軸方向一方端部は、第1周壁部4111の軸方向一方端部よりも軸方向他方Da2に配置されてもよい。さらに、上述の例示は、外側筐体部414の径方向内側面にテーパ面4141が配置されない構成を排除しない。
【0059】
静翼415は、筒部401(特に第1筒部411)及び外側筐体部414間において、周方向に複数配置される。前述の如く、第1筐体部41は、静翼415を有する。静翼415の径方向内端部は、第1筒部411に接続される。静翼415の径方向外端部は、外側筐体部414に接続される。静翼415は、動翼32よりも軸方向他方Da2側に配置され、少なくとも軸方向に延びる。図4は、静翼415を径方向内方から径方向外方に向かって見た図である。図4に示すように、静翼415の軸方向一方Da1側は、動翼32の回転方向前方に向かって周方向に延びる。
【0060】
好ましくは、図1及び図3に示すように、静翼415の径方向外端部において、静翼415の軸方向他方端部は、外側筐体部414の軸方向他方端部と同じ軸方向位置に配置される。第1筒部411及び外側筐体部414間に形成される風洞402の軸方向他方端部に達するように、静翼415を軸方向他方Da2に延ばすことで、インペラ3から送出される空気Arの整流効果を向上できる。但し、この例示は、静翼415の径方向外端部において、静翼415の軸方向他方端部が外側筐体部414の軸方向他方端部と同じ軸方向位置に配置されない構成を排除しない。少なくとも1つの静翼415の径方向外端部において、静翼415の軸方向他方端部は、外側筐体部414の軸方向他方端部よりも軸方向一方Da1に配置されてもよい。
【0061】
また、好ましくは、図1及び図3に示すように、静翼415の軸方向他方端部は、径方向内方に向かうにつれて軸方向一方Da1に延びる。静翼415の軸方向他方端部を上述のような先細りする形状にすることにより、静翼415の軸方向他方端部付近において、静翼415の周方向一方側の空気Arと周方向他方側の空気Arとをスムーズに合流させることができる。従って、静翼415の軸方向他方端部付近における空気Arの滞留を防止できるので、送風装置100は、整流された空気Arを風洞402から送出できる。よって、送風装置100の風量をより多くすることができる。但し、この例示は、静翼415の軸方向他方端部が上述のような先細りする形状でない構成を排除しない。
【0062】
<1-4-2.第2筐体部42>
第2筐体部42は、有底筒状であり、シャフト11の軸方向他方Da2側を保持する。第2筐体部42は、第1筒部411の軸方向他方端部に接続される。
【0063】
第2筐体部42は、第2筒部421と、底部422と、第2ベアリングホルダ423と、を有する。
【0064】
第2筒部421は、第1筒部411よりも軸方向他方Da2に配置され、軸方向に延びて、ロータ1及びステータ2の軸方向他方Da2側を囲む。前述の如く、第2筐体部42は、第2筒部421を有する。
【0065】
第2筒部421の軸方向一方端部は、第1筒部411の軸方向他方端部と径方向に重なる。こうすれば、ステータ2の軸方向一方Da1側から第1筒部411を被せるとともにステータ2の軸方向他方Da2側から第2筒部421を被せることにより、ステータ2を第1筒部411及び第2筒部421の内部に収容できる。
【0066】
第2筒部421は、第2周壁部4211と、開口4212と、アーム部4213と、を有する。
【0067】
第2周壁部4211は、第2筒部421の軸方向一方端部において軸方向一方Da1に延びる。前述の如く、第2筒部421は、第2周壁部4211を有する。さらに、第2周壁部4211は、周方向に延びて、ロータ1及びステータ2を囲む。本実施形態では、第2周壁部4211は、第1周壁部4111と同様に、中心軸CAを囲む環状である。但し、この例示に限定されず、第2周壁部4211は、周方向に複数配置される構成であってもよい。この場合さらに、各々の第2周壁部4211は、軸方向から見て、円弧形状であってもよい。
【0068】
また、本実施形態では、第2周壁部4211は、第1周壁部4111の径方向外端部に配置され、第1周壁部4111と径方向に重なって接する。但し、本実施形態の例示に限定されず、第2周壁部4211は、第1周壁部4111の径方向内端部に配置されてもよい。つまり、第1周壁部4111及び第2周壁部4211のうちの一方の周壁部は、他方の周壁部の径方向外端部に配置されればよい。こうすれば、他方の周壁部を一方の周壁部に圧入することにより、第1筒部411及び第2筒部421を接続できる。
【0069】
好ましくは、第1周壁部4111及び第2周壁部4211は、同心円状に配置される。なお、この際、第1周壁部4111及び第2周壁部4211のどちらかは、環状でなくてもよく、たとえば、周方向に複数配置される構成であってもよい。こうすれば、第1ベアリングホルダ413を支持する第1筐体部41の第1周壁部4111と、第2ベアリングホルダ423を支持する第2筐体部42の第2周壁部4211とを圧入によって同心円状に接続できる。従って、マグネット12の回転軸とステータ2の中心との芯出しを精度良く実施できる。よって、ロータ1及びインペラ3が回転する際に発生する騒音及び振動を低減できる。
【0070】
図1では、第2周壁部4211の軸方向一方端部の外径は、第1筒部411のうちの第1周壁部4111よりも軸方向一方Da1側の部分の軸方向他方端部の外径と同じである。第2周壁部4211の径方向外側面は、軸方向他方Da2に向かうにつれて径方向外方に広がる。又は、図1の例示に限定されず、第2周壁部4211の径方向外側面は、軸方向他方Da2に向かうにつれて径方向内方に広がってもよい。但し、第1周壁部4111が第2周壁部4211よりも径方向外方に配置される場合、第1周壁部4111の軸方向一方端部の外径は、第1筒部411のうちの第1周壁部4111よりも軸方向一方Da1側の部分の軸方向他方端部の外径と同じとされてもよい。さらに、第1周壁部4111の径方向外側面は、軸方向他方Da2に向かうにつれて径方向内方又は径方向外方に広がってもよい。つまり、径方向外方側に配置される上述の一方の周壁部の軸方向一方端部の外径は、第1筒部411のうちの第1周壁部4111よりも軸方向一方Da1側の部分の軸方向他方端部の外径と同じとされてよい。さらに、上述の一方の周壁部の径方向外側面は、軸方向他方Da2に向かうにつれて径方向内方又は径方向外方に広がってよい。こうすれば、インペラ3から軸方向他方Da2に送出される空気Arを、第1筒部411の径方向外側面から上述の一方の周壁部の径方向外側面に沿ってスムーズに流すことができる。
【0071】
或いは、上述の一方の周壁部の外径は、軸方向に渡って同じであってもよい。たとえば、図1において、第2周壁部4211の径方向外側面の外径は、軸方向に渡って、第1筒部411のうちの第1周壁部4111よりも軸方向一方Da1側の部分の軸方向他方端部の外径と同じであってもよい。又は、第1周壁部4111が第2周壁部4211よりも径方向外方に配置される場合、第1周壁部4111の径方向外側面の外径は、軸方向に渡って、第1筒部411のうちの第1周壁部4111よりも軸方向一方Da1側の部分の軸方向他方端部の外径と同じであってもよい。このようにしても、インペラ3から軸方向他方Da2に送出される空気Arを、第1筒部411の径方向外側面から上述の一方の周壁部の径方向外側面に沿ってスムーズに流すことができる。
【0072】
次に、開口4212は、筒部401(詳細には、第2筒部421)を径方向に貫通する。開口4212は、筒部401(詳細には、第2筒部421)の軸方向他方端部から軸方向一方Da1に延びる。
【0073】
アーム部4213は、第2筒部421の軸方向他方端部において軸方向他方Da2に延びる。アーム部4213は、周方向に複数並ぶ。周方向に隣り合うアーム部4213間には、開口4212が配置される。アーム部4213は、後述する延出部4222とともに、第2筒部421と第2ベアリングホルダ423とを繋ぐ。
【0074】
底部422は、筒部401(詳細には、第2筒部421)の軸方向他方端部から径方向内方に広がる。
【0075】
底部422は、開口4221を有する。開口4221は、底部422を軸方向に貫通する。開口4221は、底部422の径方向外端部から径方向内方に延び、筒部401の開口4212と繋がる。
【0076】
また、底部422は、延出部4222を有する。延出部4222は、筒部401(詳細には、第2筒部421)の軸方向他方端部から径方向内方に延びる。延出部4222は、周方向に複数並ぶ。周方向に隣り合う延出部4222間には、開口4221が配置される。詳細には、延出部4222は、第2筒部421のアーム部4213の軸方向他方端部から径方向内方に延びる。言い換えると、各々の延出部4222の径方向外端部は、アーム部4213の軸方向他方端部に接続される。各々の延出部4222の径方向内端部は、第2ベアリングホルダ423に接続される。
【0077】
また、第2筐体部42は、リブ4223を有する。リブ4223は、周方向と交差する方向に広がる板状であり、アーム部4213及び延出部4222を補強する。リブ4223は、アーム部4213から径方向内方に突出するとともに、延出部4222から軸方向一方Da1に突出する。リブ4223の径方向内端部は、第2ベアリングホルダ423に接続される。
【0078】
第2ベアリングホルダ423は、底部422の径方向内端部に配置される。前述の如く、筐体4は、第2ベアリングホルダ423を有する。第2ベアリングホルダ423は、ステータ2よりも軸方向他方Da2に配置され第2ベアリング4231を介してシャフト11を回転可能に支持する。第2ベアリング4231は、シャフト11の軸方向他方端部に配置される。より詳細には、第2ベアリングホルダ423及び第2ベアリング4231は、ステータコア21及びコイル部23よりも軸方向他方Da2に配置される。
【0079】
送風装置100では、前述の如く、第1ベアリングホルダ413がステータ2よりも軸方向一方Da1に配置されるとともに、第2ベアリングホルダ423がステータ2よりも軸方向他方Da2に配置される。これにより、径方向から見てこれらがステータ2と重ならないので、ステータ2をより径方向内方に配置できる。従って、ステータ2の径サイズをより小さくでき、送風装置100を小型化できる。また、第1ベアリングホルダ413及び第2ベアリングホルダ423間の軸方向における間隔をより長くできるので、ロータ1の回転がより安定する。
【0080】
第2ベアリングホルダ423の内周面には、溝部4232が配置される。溝部4232は、本実施形態では複数であって軸方向に並ぶ。但し、この例示に限定されず、溝部4232は、単数であってもよい。各々の溝部4232は、周方向に延び、たとえば環状である。また、第2ベアリングホルダ423の内周面には、軸方向に延びる溝が配置されてもよい。つまり、溝部4232は、周方向に延びる溝と、軸方向に延びる溝とのうちの少なくともどちらかを含んでいればよい。各々の溝部4232には、接着剤(図示省略)が配置される。この接着剤は、第2ベアリング4231と接し、第2ベアリング4231を第2ベアリングホルダ423の内周面に接着する。溝部4232の配置により、接着剤が溝に溜まり易くなる。従って、より強固に、第2ベアリング4231を固定できる。
【0081】
<1-5.基板5>
基板5は、第2筐体部42よりも軸方向他方Da2に配置され、軸方向と交差する方向に広がる。基板5は、ステータ2の駆動回路などを搭載する。
【0082】
基板5の軸方向他方端面には、コネクタ51が搭載される。コネクタ51には、外部接続線(図示省略)が電気的に接続される。外部接続線は、送風装置100の外部に引き出される接続線であり、基板5と送風装置100の外部機器(たとえば外部電源)などとを電気的に接続する。
【0083】
<1-6.スペーサ6>
スペーサ6は、筐体4に取り付けられる。スペーサ6は、基板5を保持し、底部422の軸方向他方端部に取り付けられる。
【0084】
<2.理美容装置500>
次に、図5を参照して、送風装置100の応用例を説明する。図5は、送風装置100を搭載する理美容装置500の構成例を示す概略図である。図5において、理美容装置500は、ヘアドライヤーであり、送出する熱風により使用者の髪などを乾燥させる。
【0085】
図5に示すように、理美容装置500は、送風装置100を備える。図5の理美容装置500では、送風装置100を小型化できる。
【0086】
また、理美容装置500は、ハウジング200と、ヒータ300と、ハンドル400と、をさらに備える。ハウジング200は、筒状であり、送風装置100及びヒータ300を収容する。送風装置100は、ハウジング200の吸気口201から空気Arを吸引し、送風口202に向けて送出する。ヒータ300は、ハウジング200の内部において、送風装置100よりも送風口202側に配置され、送風装置100から送出される空気Arを加熱する。ハンドル400は、理美容装置500の使用者により把持可能であり、ハウジング200の外周面から外方に突出する。
【0087】
なお、送風装置100の用途は、図5の例示に限定されない。送風装置100は、送風機能を有する装置に広く適用できる。たとえば、理美容装置500は、ヘアドライヤーなどのヘアケア装置(理容装置)のほか、美顔器、加湿器などのスキンケア装置(美容装置)であってもよい。
【0088】
<3.その他>
以上、本発明の実施形態を説明した。なお、本発明の範囲は上述の実施形態に限定されない。本発明は、発明の主旨を逸脱しない範囲で上述の実施形態に種々の変更を加えて実施することができる。また、上述の実施形態で説明した事項は、矛盾が生じない範囲で適宜任意に組み合わせることができる。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明は、たとえば、送風機能を有する装置に有用である。
【符号の説明】
【0090】
100・・・送風装置、200・・・ハウジング、201・・・吸気口、202・・・送風口、300・・・ヒータ、400・・・ハンドル、500・・・理美容装置、1・・・ロータ、11・・・シャフト、12・・・マグネット、2・・・ステータ、21・・・ステータコア、211・・・コアバック、212・・・ティース、213・・・スロット、22・・・インシュレータ、221・・・第1インシュレータ部、222・・・第2インシュレータ部、23・・・コイル部、24・・・渡り線カバー、25・・・延出部、26・・・絡げピン、3・・・インペラ、31・・・ハブ、32・・・動翼、4・・・筐体、401・・・筒部、402・・・風洞部、41・・・第1筐体部、411・・・第1筒部、4111・・・第1周壁部、4112・・・段差、41121・・・第1面、41122・・・第2面、41123・・・第3面、4113・・・凹部、4114・・・リブ、412・・・蓋部、4121・・・開口、413・・・第1ベアリングホルダ、4131・・・第1ベアリング、4132・・・溝部、414・・・外側筐体部、4141・・・テーパ面、415・・・静翼、42・・・第2筐体部、421・・・第2筒部、4211・・・第2周壁部、4212・・・開口、4213・・・アーム部、422・・・底部、4221・・・開口、4222・・・延出部、4223・・・リブ、423・・・第2ベアリングホルダ、4231・・・第2ベアリング、4232・・・溝部、5・・・基板、51・・・コネクタ、6・・・スペーサ、CA・・・中心軸、Ar・・・空気、G・・・接着剤、Da1・・・軸方向一方、Da2・・・軸方向他方
図1
図2
図3
図4
図5