(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023151090
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】エア搬送装置
(51)【国際特許分類】
B65G 53/40 20060101AFI20231005BHJP
B65G 65/32 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
B65G53/40
B65G65/32 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022060527
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000163095
【氏名又は名称】極東開発工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】井川 弘大
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 大輝
(72)【発明者】
【氏名】田中 遥子
【テーマコード(参考)】
3F047
3F075
【Fターム(参考)】
3F047AA01
3F047CA09
3F047CC01
3F075AA07
3F075BA01
3F075BB03
3F075CA06
3F075CA09
3F075CC15
3F075CC22
(57)【要約】 (修正有)
【課題】搬送物が外部へ排出されることを抑制できるエア搬送装置の提供。
【解決手段】送風管と、投入口から投入される搬送物を下方から排出可能なホッパ12と、ホッパから排出される搬送物を受け取る受取口と受取口から受け取った搬送物に送風管からのエアを供給するエア供給口とエア供給口からのエアにより搬送される搬送物を排出するための排出口とを有する混相機と、ホッパから排出される搬送物の搬送量を調整して混相機へ送り出すロータリバルブ13と、ホッパの投入口12Aを覆うカプラ15と、を筐体に備え、カプラは、搬送物を収容した収容容器の搬送物排出口部からの搬送物を投入する投入部15Bと、ロータリバルブの水平軸と略平行に上下方向に延びてホッパ内の空間を水平軸Xの回転方向上流側と水平軸の回転方向下流側との間で仕切る仕切部材25と、を備える。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアを通す送風管と、上方の投入口から投入される搬送物を下方から排出可能なホッパと、該ホッパから排出される搬送物を受け取る受取口と該受取口から受け取った搬送物に前記送風管からのエアを供給するエア供給口と該エア供給口からのエアにより搬送される搬送物を排出するための排出口とを有する混相機と、前記ホッパから排出される搬送物の搬送量を調整して前記混相機へ送り出すべく、水平軸回りに回転する複数の羽根を有するロータリバルブと、前記ホッパの投入口を覆うカプラと、を筐体に備え、
前記カプラは、搬送物を収容した収容容器の搬送物排出口部からの搬送物を投入する投入部と、前記ロータリバルブの水平軸と略平行に上下方向に延びて前記ホッパ内の空間を該水平軸の回転方向上流側と該水平軸の回転方向下流側との間で仕切る仕切部材と、を備え、
前記投入部は、前記仕切部材で仕切られた2つの空間のうちの前記水平軸の回転方向下流側の空間の上方に配置されていることを特徴とするエア搬送装置。
【請求項2】
前記仕切部材は、前記水平軸回りに回転した時の前記複数の羽根のうちの真上を向いた羽根が回転方向下流側に回転する側となる吸い込み側の上方に配置され、前記投入部は、前記仕切部材よりも前記吸い込み側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のエア搬送装置。
【請求項3】
前記カプラは、前記回転方向上流側の上方に前記ホッパ内の空間と連通する圧抜穴を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載のエア搬送装置。
【請求項4】
前記カプラは、前記筐体に対して着脱可能に構成され、前記エア搬送装置は、前記仕切部材の存在を検出する検出手段と、該検出手段で前記仕切部材を検出していない非検出信号により前記ロータリバルブの回転を禁止する制御部と、を備えていることを特徴とする請求項1~3のうちのいずれか1項に記載のエア搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばペレット等の粒状体を含む搬送物をエアにより搬送するためのエア搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記エア搬送装置は、筐体内に、エア供給源としてのブロワと、ブロワからのエアを筐体の外部へ送り出す送風管と、筐体の上壁に形成の投入口にフレキシブルコンテナバックの搬送物排出口部が挿入されて該フレキシブルコンテナバック内の搬送物(ペレット)が投入されるホッパと、該ホッパの下方の排出口から排出される搬送物をそれの搬送量を調整して前記送風管側へ移動させるべく、水平軸回りに回転する複数の羽根を有するロータリバルブと、を備えている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記構成によれば、送風管内のエアの一部がロータリバルブの回転によりロータリバルブの上端側の搬送物投入口側へ漏れることで、ホッパ内の搬送物を上方へ吹き上げてしまう。吹き上げられた搬送物は、筐体の投入口とフレキシブルコンテナバックの可撓性を有する搬送物排出口部との間に発生する隙間から筐体の外部へ排出されてしまうことがあり、早期改善が要望されている。
【0005】
そこで本発明は、搬送物が外部へ排出されることを抑制できるエア搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のエア搬送装置は、エアを通す送風管と、上方の投入口から投入される搬送物を下方から排出可能なホッパと、該ホッパから排出される搬送物を受け取る受取口と該受取口から受け取った搬送物に前記送風管からのエアを供給するエア供給口と該エア供給口からのエアにより搬送される搬送物を排出するための排出口とを有する混相機と、前記ホッパから排出される搬送物の搬送量を調整して前記混相機へ送り出すべく、水平軸回りに回転する複数の羽根を有するロータリバルブと、前記ホッパの投入口を覆うカプラと、を筐体に備え、前記カプラは、搬送物を収容した収容容器の搬送物排出口部からの搬送物を投入する投入部と、前記ロータリバルブの水平軸と略平行に上下方向に延びて前記ホッパ内の空間を該水平軸の回転方向上流側と該水平軸の回転方向下流側との間で仕切る仕切部材と、を備え、前記投入部は、前記仕切部材で仕切られた2つの空間のうちの前記水平軸の回転方向下流側の空間の上方に配置されていることを特徴としている。
【0007】
上記構成によれば、ホッパ内の空間を仕切る仕切部材を備え、投入部を、仕切部材で仕切られた2つの空間のうちの水平軸の回転方向下流側の空間の上方に配置することによって、ロータリバルブの複数の羽根の回転により吹き上げられたエアが、仕切部材に当たって投入部が無い水平軸の回転方向上流側の空間に移動するので、エアにより吹き上げられた搬送物が投入部と搬送物排出口部との隙間から外部へ排出されることを抑制できる。
【0008】
また、本発明のエア搬送装置は、前記仕切部材が、前記水平軸回りに回転した時の前記複数の羽根のうちの真上を向いた羽根が回転方向下流側に回転する側となる吸い込み側の上方に配置され、前記投入部は、前記仕切部材よりも前記吸い込み側に配置されていてもよい。
【0009】
上記のように、仕切部材を、ロータリバルブの吸い込み側の上方に配置することによって、吹き上げられたエアが吹き上げ側に移動しやすくなるため、エアにより吹き上げられた搬送物が投入部と搬送物排出口部との隙間から外部へ排出されることをより一層抑制できる。
【0010】
また、本発明のエア搬送装置は、前記カプラが、前記回転方向上流側の上方に前記ホッパ内の空間と連通する圧抜穴を備えていてもよい。
【0011】
上記のように、カプラが、回転方向上流側の上方にホッパ内の空間と連通する圧抜穴を備えていれば、回転方向上流側の圧力上昇を抑制することができる。
【0012】
また、本発明のエア搬送装置は、前記カプラが、前記筐体に対して着脱可能に構成され、前記エア搬送装置は、前記仕切部材の存在を検出する検出手段と、該検出手段で前記仕切部材を検出していない非検出信号により前記ロータリバルブの回転を禁止する制御部と、を備えていてもよい。
【0013】
上記のように、検出手段で仕切部材を検出していない非検出信号によりロータリバルブの回転が制御部により禁止されることによって、例えばホッパ内での搬送物の詰まり等のトラブル解消した後やメンテナンス終了後において、カプラを筐体から取り外したまま、つまり仕切部材が無いままでロータリバルブが回転してしまうことを防止できる。つまり、仕切部材が無いままでロータリバルブの複数の羽根が回転してしまうと、回転により発生するエアにより吹き上げられた搬送物が挿入口部側へ移動して該挿入口部と搬送物排出口部との隙間から外部へ排出されてしまうことになるため、筐体へのカプラの取り付けを忘れている場合には、ロータリバルブの複数の羽根の回転を禁止する。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、仕切部材をロータリバルブの吸い込み側に配置することにより、搬送物が外部へ排出されることを抑制できるエア搬送装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明のエア搬送装置を前方側から見た斜視図である。
【
図2】同エア搬送装置を左方側から見た斜視図である。
【
図3】後壁を外した状態の同エア搬送装置の背面図である。
【
図4】左壁の一部を省略した同エア搬送装置の左側面図である。
【
図5】右壁の一部を省略した同エア搬送装置の右側面図である。
【
図6】前壁の一部を省略した同エア搬送装置の正面図である。
【
図7】ホッパとロータリバルブの配置を示す縦断面図である。
【
図11】別の実施形態を示し、エア搬送装置にタンクを載置した正面図である。
【
図13】カプラの別の実施形態を示し、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態に係るエア搬送装置を、図面に基づいて説明する。このエア搬送装置は、例えば、寒冷地等において暖房装置の熱源として使用される木質のペレット(搬送物)を貯蔵するサイロ内に該ペレットを搬送するために用いられるが、エアで搬送可能な搬送物を所定の場所まで搬送するものに使用可能である。搬送物としては、木質のペレットや、木質以外のペレット(樹脂のペレット)の他、家畜飼料、干し草等であってもよい。また、その他各種の粒状体、細長状体、気流に乗せて移動可能な物体であってもよい。
【0017】
図1及び
図2に示すように、エア搬送装置1は、略立方体形状に構成され、前壁2、後壁3、左壁4、右壁5、上壁6、下壁7を有する筐体8を備えている。この筐体8内には、後述するエア供給源9(
図3参照)、モータ10(
図3参照)、送風管11(
図3参照)、ホッパ12、ロータリバルブ13(
図5参照)、混相機14(
図5参照)、カプラ15(
図7参照)等を備えている。尚、以下において、前壁2がある側を前側とし、後壁3がある側を後側とし、左壁4がある側を左側とし、右壁5がある側を右側とし、上壁6ある側を上側とし、下壁7がある側を下側として説明する。また、
図1及び
図2では、ホッパ12の投入口12Aを覆うカプラ15を省略している。前壁2、後壁3、左壁4、右壁5のそれぞれの下方には、フォークリフトの一対のフォーク爪を挿入してエア搬送装置1を持ち上げるための一対の貫通孔であるフォークポケットZ,Zを備えている。
【0018】
エア供給源9は、
図3~
図5に示すように、筐体8の下側で左後側に配置されるモータ10により駆動され、エアに圧力を与えて気流として送り出すブロワから構成されている。そして、エア供給源9へエアを吸気する吸気管16の先端に騒音抑制用のサイレンサ17が接続され、吸気管16から吸引したエアを送出口(排気口)に接続された送風管11に送り出すようにしている。サイレンサ17は、モータ10の上方の空きスペースに配置されている。エア供給源9は、筐体8の下側で右後側に配置されている。尚、モータ10の駆動プーリ10Aとエア供給源9の従動プーリ9Aとに伝動ベルト(図示せず)が巻回されており、モータ10の駆動プーリ10Aの駆動回転力が伝動ベルトを介してエア供給源9の従動プーリ9Aに伝達されてエア供給源9が駆動する。
【0019】
送風管11は、エア供給源9から送り出されたエアを筐体8の外部へ送り出すように案内するものであり、エア供給源9の右端の送出口に接続され、筐体8の右端まで延びてから90度曲げられて前方斜め下方に延びてから再度90度曲げられて筐体8の左側へ延びて混相機14のエア供給口14Aに接続される平面視略U字状の第1管部11A(
図6参照)と、混相機14の排出口14Cに一端が接続され他端が筐体8の左端まで延びる直線状の第2管部11B(
図6参照)と、を備えている。
【0020】
第1管部11Aは、1本の管部から構成されていてもよいし、複数本(2本以上の任意の本数)の管部から構成してもよい。また、
図2に示すように、第2管部11Bの他端に対応する筐体8の左壁4の下方側で前側には、開閉自在な扉18を備えている。この扉18を開放操作することにより、第2管部11Bの他端の排出口に所定場所まで搬送するためのホース(図示せず)の一端を接続することができる。尚、前記第2管部11Bの他端の排出口には、
図2に示すように、着脱可能なキャップ19が装着されており、該排出口に前記ホース(図示せず)を接続する時には、キャップ19を取り外すことになる。
【0021】
ホッパ12は、
図7に示すように、搬送物を収容する収容容器としての布や合成樹脂等からなる可撓性を有するフレキシブルコンテナバック20内の搬送物を投入するための投入口12Aを上端部に備え、投入された搬送物を下方から排出するための排出口12Bと、を有する上下が開放された筒状部材から構成されている。この筒状部材は、それの横断面積が下方側ほど小さくなるように構成されている。
【0022】
ロータリバルブ13は、
図5~
図7に示すように、ホッパ12内に投入された搬送物をその搬送量を調整して混相機14(
図6参照)へ送り出すものであり、ホッパ12から搬送物を受け取るケーシング13Kと、ケーシング13Kの下方に水平軸X回りに回転する回転軸13Aと、回転軸13Aの外周において周方向に等間隔をあけて径方向に突設された複数(8枚)の羽根13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13hと、を有している。回転軸13Aは、モータM(
図5参照)により駆動回転される。
【0023】
混相機14は、
図6に示すように、略直方体形状の箱体から構成され、この箱体に、ホッパ12からロータリバルブ13を介して排出される搬送物を受け取る上下方向に開口する受取口14Bと、受取口14Bから受け取った搬送物に送風管11の第1管部11Aからのエアを供給する左右方向に開口する前記エア供給口14Aと、エア供給口14Aからのエアにより搬送される搬送物を排出する左右方向に開口する前記排出口14Cと、が形成されている。つまり、箱体の上壁に受取口14Bが形成され、箱体の右壁にエア供給口14Aが形成され、箱体の左壁に排出口14Cが形成されている。
【0024】
カプラ15は、
図7及び
図8に示すように、ホッパ12の投入口12Aを覆うものであり、板状のカプラ本体15Aと、ホッパ12の投入口12Aへフレキシブルコンテナバック20内の搬送物を投入すべく、フレキシブルコンテナバック20の下部から下方に延びる搬送物排出口部20Aを挿入可能な挿入口部15Bと、を備えている。挿入口部15Bは、搬送物をホッパ12へ投入する投入部である。
【0025】
また、カプラ15は、
図8に示すように、搬送物を収容したフレキシブルコンテナバック20の搬送物排出口部20Aを挿入可能な挿入口部15Bとは別に2個の圧抜穴21,22を備えている。これら圧抜穴21,22には、ホッパ12内のエアを外部へ排出することで搬送物を捕集して前記ホッパ12側へ戻すためのフィルタである布製の(織布や不織布からなる)バグフィルタ23,24を備えている。したがって、送風管11からホッパ12側へ吹き出してきたエアが圧抜穴21,22を通して外部へ排出される。また、エアにより吹き上がった搬送物は、圧抜穴21,22に備えたバグフィルタ23,24で捕集されてホッパ12側へ戻すことが可能である。この実施形態では、長方形状の2個の圧抜穴21,22を備えているが、圧抜穴21,22の形状や個数は自由に変更可能である。バグフィルタ23,24は、平板状の外枠部材にフィルタを張設して構成されているが、袋状のフィルタから構成してもよい。尚、前記外枠部材がボルトBにより固定されている。一方の圧抜穴21が、後述するホッパ12の吹き上げ側に形成され、他方の圧抜穴22が、後述するホッパ12の吸い込み側に形成されている。
【0026】
また、
図7及び
図9に示すように、ホッパ12内の空間を水平軸Xの回転方向上流側と水平軸Xの回転方向下流側とで仕切る金属製の仕切部材25を備えている。この仕切部材25は、筐体8の左右方向で2つの空間に仕切るように配置され、カプラ本体15Aの下面(内面)に当接した状態で複数のボルトB(
図8参照)により着脱自在に取り付けられている。また、仕切部材25は、板状の本体部25Aと、本体部25Aの前面に左右方向に間隔を置いて溶接により取り付けられた一対の補強用リブ25B,25Bと、を備えている。本体部25Aは、ホッパ12の前側の垂直の第1壁部12a(
図5参照)の内面に当接する上下に沿う前辺25aと、ホッパ12の後側の下方側ほど前側に向かう傾斜部と傾斜部の下端から下方へ真っ直ぐ延びる縦部とを有する第2壁部12b(
図7参照)の内面に当接する後側の斜辺25bと後側の縦辺25cと、前辺25aと斜辺25bの上端同士を結ぶ上辺25dと、前辺25aと縦辺25cの下端同士を結ぶ下辺25eと、を備えている。また、各補強用リブ25Bは、前方側に突出し、かつ、上端から下端側ほど突出量が小さくなるように傾斜部25S(
図7参照)を有している。
【0027】
仕切部材25は、
図7に示すように、水平軸Xが前側から見て時計回りに回転する複数の羽根13a~13hのうちの12時の方向(真上、鉛直上向きが好ましい)を向いた位置の羽根13aが前記時計回り(回転方向下流側、
図7の矢印方向F1)に回転する側(
図7の羽根13aの延長線Yの右側)である吸い込み側の上方に配置され、前記挿入口部15Bは、仕切部材25よりも吸い込み側に配置されている。このように、仕切部材25を、時計回りに回転する複数の羽根13a~13hのうちの12時の方向を向いた位置の羽根が時計回りに回転する側である吸い込み側に配置するとともに、挿入口部15Bを、仕切部材25よりも吸い込み側に配置することによって、ホッパ12に吹き上がるエアを挿入口部15Bが配置された吸い込み側ではなく、吹き上げ側に供給することによって、吹き上げられた搬送物が挿入口部15Bとフレキシブルコンテナバック20の搬送物排出口部20Aとの間から外部へ排出されることをより一層抑制できる。前記吹き上げ側は、
図7に示す羽根13h(12時の方向を向いた位置よりも回転方向上流側に位置する羽根)が時計回りに(
図7の矢印方向F2)に回転することによってホッパ12側にエアが吹き上げられる側である。尚、水平軸Xを前側から見て反時計回りに回転させる場合には、
図7において吹き上げ側と吸い込み側とが逆の配置になる。
【0028】
また、ホッパ12には、
図7に示すように、仕切部材25を非接触で検出する検出手段Eを備えている。この検出手段Eで仕切部材25を検出していない非検出信号によりロータリバルブ13の回転を禁止する制御部を、筐体8内に設けた制御盤S(
図4参照)に備えている。検出手段Eは、例えば近接センサ(近接スイッチ)から構成され、誘導型、静電容量型、磁気型等を用いることができる。また、検出手段Eは、超音波センサや光電センサ等から構成することができる。また、検出手段Eは、非接触で検出するものに限らず、リミットスイッチ等の接触型センサから構成してもよい。
【0029】
前記のように、検出手段Eで仕切部材25を検出していない非検出信号によりロータリバルブ13の回転が制御部により禁止されることによって、例えばホッパ12内での搬送物の詰まり等のトラブル解消した後やメンテナンス終了後において、カプラ15を筐体8から取り外したまま、つまり、仕切部材25が無いままでロータリバルブ13の複数の羽根13a~13hが回転してしまうことを防止できる。つまり、仕切部材25が無いままでロータリバルブ13が不測に回転してしまうと、回転により発生するエアにより吹き上げられた搬送物が挿入口部15B側へ移動して該挿入口部15Bと搬送物排出口部20Aとの隙間から外部へ排出されてしまうことになるため、筐体8へのカプラ15の取り付けを忘れている場合には、ロータリバルブ13の複数の羽根13a~13hの回転を禁止する。
【0030】
また、
図7及び
図10に示すように、前記カプラ15の挿入口部15Bには、挿入された搬送物排出口部20Aを該挿入口部15Bの内縁へ引き寄せる引き寄せ手段26を備えている。この引き寄せ手段26は、カプラ15の挿入口部15Bに取り付けられる平面視円環状に構成されたパイプ部26Aと、パイプ部26Aの内周面に周方向に間隔を置いて形成された複数の吸引孔26Kと、パイプ部26Aの周方向1箇所にパイプ部26Aと連通して設けられ、掃除機等の吸引装置の吸引ノズル(図示せず)に接続される吸引筒部26Bと、を備えている。
【0031】
パイプ部26Aは、板状でリング状の天壁部26aと、天壁部26aの外周縁に下方に延びると共に全周に亘る平面視円形の外側縦壁部26bと、天壁部26aの内周縁に下方に延びると共に全周に亘る平面視円形の内側縦壁部26cと、を備えている。内側縦壁部26cの下端は、外側縦壁部26bの下端よりも下方に延びている。また、内側縦壁部26cに前記複数の吸引孔26Kが形成されている。また、外側縦壁部26bの下端部には、下方に突出する円環状の第1パッキン27が係止保持されており、外側縦壁部26bの下面26Cとカプラ本体15Aの上面15Uとの間を隙間なくシールすることができる。また、カプラ15の挿入口部15Bには、内側に突出するように円環状の第2パッキン28が係止保持されており、カプラ15の挿入口部15Bと内側縦壁部26cの下端部の外面26Gとの間を隙間なくシールすることができる。このようにシールすることによって、複数の吸引孔26Kで吸引されたエアがパイプ部26Aの外部に漏れることなく、吸引筒部26Bで吸引することができる。
【0032】
従って、吸引筒部26Bに吸引装置(例えば掃除機の吸引ノズル)を接続して吸引作動させることによって、挿入された搬送物排出口部20Aを挿入口部15B側へ引き寄せることで、搬送物排出口部20Aと挿入口部15Bとをパッキン28及び内側縦壁部26cを介して密着させて両者間に隙間が発生することを抑制することができる。これにより、送風管11内のエアの一部がホッパ12側へ漏れてホッパ12内の搬送物が上方へ吹き上げられたとしても、吹き上げられた搬送物が挿入口部15Bと搬送物排出口部20Aとの間の隙間から外部に排出されることを抑制できる。この実施形態では、引き寄せ手段26をカプラ15と別体のものから構成し、カプラ15に引き寄せ手段26を装着するようにしたが、カプラ15に引き寄せ手段26を一体形成してもよい。尚、吸引筒部26Bに接続された吸引装置は、エア搬送装置1による搬送物の搬送作業中には、駆動され、エア搬送装置1による搬送物の搬送作業終了時は、駆動停止されるように構成することが望ましい。
【0033】
前記収容容器をフレキシブルコンテナバック20から構成したが、別の形態として、
図11及び
図12に示している。つまり、前記収容容器を、搬送物を収容し後述する固定フレーム31に固定された金属製で平面視矩形状のタンク本体29と、第2のカプラ30の挿入口部(投入部)30Bに接続可能な搬送物排出口部29Aと、を備えたタンク装置50から構成している。また、前記カプラ15も後述する第2のカプラ30から構成される。尚、他の構成は、前述したものと同様であり、同一の符号を付している。
【0034】
タンク本体29は、金属で構成され、4枚の金属製の板部材を有する固定フレーム31の内側に固定され、上端に搬送物を投入する投入口を開閉するハッチ32を備え、横断面の面積が下方側ほど小さくなる絞り部33を有している。絞り部33は、左右方向で相対向する壁部33A,33Bが上下方向途中部分から下方に向かうほど相手側の壁部に近づく傾斜部33a,33bを備えている。水平方向に対する左側の傾斜部33aの角度θ1を、水平方向に対する右側の傾斜部33bの角度θ2に比べて小さくしている。搬送物排出口部29Aは、タンク本体29の下端から下方に延びる金属製のパイプ部29Bに接続された可撓性を有する布製又は合成樹脂製の筒状体から構成されている。パイプ部29B内には、バタフライバルブ(図示せず)が設けられ、そのバタフライバルブを開閉操作する操作ハンドル34がパイプ部29Bから外部に突出している。左右の板部材31A,31Bの下部のそれぞれには、フォークリフトの一対のフォーク爪(図示せず)を挿入してタンク装置50を持ち上げるための一対の貫通孔であるフォークポケットV,Vが形成されている。
【0035】
第2のカプラ30は、タンク本体29の搬送物排出口部29Aが挿入される挿入口部30Bと上方に突出する円筒状体35で形成される圧抜穴35Aと、を備えている。圧抜穴35Aは、前述したホッパ12の吹き上げ側(
図7参照)に配置されている。円筒状体35には、ホッパ内のエアを外部へ排出することで搬送物を捕集してホッパ側へ戻すためのフィルタとしてのバグフィルタ36を取り付けている。バグフィルタ36は、袋状に構成され、絞り部33を構成する一方の傾斜部33aと第2のカプラ30との間に形成されるデッドスペース37にバグフィルタ36を配置している。このように、絞り部33と第2のカプラ30との間に形成されるデッドスペース37に袋状のバグフィルタ36を配置することによって、エア搬送装置1とタンク装置50とからなる装置の大型化を抑制できる。
【0036】
前記挿入口部30Bには、タンク本体29の搬送物排出口部29Aが挿入される口以外にホッパ12から吹き上がるエアを上方へ逃がす前記圧抜穴35Aとは別の第2の圧抜穴38Aを更に備えている。この第2の圧抜穴38Aは、前述したホッパの吸い込み側(
図7参照)に配置され、第2のカプラ30から上方に突出する円筒状体38の上端に形成されている。この円筒状体38には、第1ホース39の一端部が接続され、第1ホース39の他端部が第2のホース40の一端部に連結され、第2のホース40の他端部がタンク本体29の上部から内部に連通可能に接続されていて、ホッパ12から吹き上がるエアがタンク本体29の内部へ供給される。尚、第2のカプラ30に備える仕切部材25は、
図7で示したように、水平軸Xを前側から見て時計回りに回転する複数の羽根13a~13hのうちの12時の方向を向いた位置の羽根13aが前記時計回りに回転する側(
図7の羽根13aの延長線Yの右側)である吸い込み側に配置され、挿入口部30Bが、仕切部材25よりも吸い込み側に配置されている。
【0037】
また、
図13(a),(b)に第3のカプラ41を示している。この第3のカプラ41は、
図10で示したフレキシブルコンテナバック20の搬送物排出口部20Aからの搬送物をホッパ12へ投入(供給)するために上面から上方に突出する搬送物投入用円筒状体(投入部)41Aと、ホッパ12の上方とは異なる位置から上方に突出して圧抜穴41bを形成するための圧抜用円筒状体41Bと、を備えている。フレキシブルコンテナバック20の搬送物排出口部20Aは、搬送物投入用円筒状体41Aに覆い被せた状態で紐やロープ等の締め付け具42で締め付け固定される。また、前記搬送物排出口部20Aと同様に、袋状のバグフィルタ44が圧抜用円筒状体41Bに覆い被せられた状態で紐やロープ等の締め付け具43で締め付け固定される。
図13(a)に示す41Kは、
図9で示した仕切部材25をボルト止めするための複数の孔である。この仕切部材25も、
図7で示したように、水平軸Xを前側から見て時計回りに回転する複数の羽根13a~13hのうちの12時の方向を向いた位置の羽根13aが前記時計回りに回転する側(
図7の羽根13aの延長線Yの右側)である吸い込み側に配置され、搬送物排出口部20Aが、仕切部材25よりも吸い込み側に配置されている。
【0038】
本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではない。
【0039】
上記実施形態の
図7で示した引き寄せ手段26が、エアを用いたものであったが、例えばカプラ15の挿入口部15Bを金属製で円環状の縦壁部に形成し、フレキシブルコンテナバック20の搬送物排出口部20Aに周方向に沿うように磁石を備えて、磁石の磁力を用いて搬送物排出口部20Aを挿入口部15Bに密着させるように構成してもよい。また、
図7の引き寄せ手段26を省略し、仕切部材25のみを設けた構成であってもよい。
【0040】
また、上記実施形態では、カプラに挿入口部及び圧抜穴並びに仕切部材を備えたが、圧抜穴を省略し、挿入口部及び仕切部材のみを備えたカプラであってもよい。
【0041】
また、上記実施形態では、エア供給源9を筐体8に備えてエア搬送装置1としたが、別体のエア供給源のエア供給口とエア搬送装置1に備える送風管11とをホース又は配管で接続する構成としてもよい。
【0042】
また、上記実施形態では、時計回りに回転する複数の羽根13a~13hのうちの12時の方向(真上)を向いた位置の羽根13aが時計回り(回転方向下流側)に回転する側となる吸い込み側の上方に仕切部材25を配置したが、12時の方向(真上)よりも回転方向上流側となる吹き上げ側に仕切部材25を配置してもよい。
【符号の説明】
【0043】
1…エア搬送装置、2…前壁、3…後壁、4…左壁、5…右壁、6…上壁、7…下壁、8…筐体、9…エア供給源(ブロワ)、9A…従動プーリ、10…モータ、10A…駆動プーリ、11…送風管、11A…第1管部、11B…第2管部、12…ホッパ、12A…投入口、12B…排出口、12a…第1壁部、12b…第2壁部、13…ロータリバルブ、13A…回転軸、13K…ケーシング、13a~13h…羽根、14…混相機、14A…エア供給口、14B…受取口、14C…排出口、15…カプラ、15A…カプラ本体、15B…挿入口部(投入部)、15U…上面、16…吸気管、17…サイレンサ、18…扉、19…キャップ、20…フレキシブルコンテナバック(収容容器)、20A…搬送物排出口部、21,22…圧抜穴、23,24…バグフィルタ、25…仕切部材、25A…本体部、25B…補強用リブ、25S…傾斜部、25a…前辺、25b…斜辺、25c…縦辺、25d…上辺、25e…下辺、26…引き寄せ手段、26A…パイプ部、26B…吸引筒部、26C…下面、26G…外面、26K…吸引孔、26a…天壁部、26b…外側縦壁部、26c…内側縦壁部、27…第1パッキン、28…第2パッキン、29…タンク本体、29A…搬送物排出口部、29B…パイプ部、30…第2のカプラ、30B…挿入口部、31…固定フレーム、31A,31B…板部材、32…ハッチ、33…絞り部、33A,33B…壁部、33a,33b…傾斜部、34…操作ハンドル、35…円筒状体、35A…圧抜穴、36…バグフィルタ、37…デッドスペース、38…円筒状体、38A…第2の圧抜穴、39…第1のホース、40…第2のホース、41…第3のカプラ、41A…搬送物投入用円筒状体(投入部)、41B…圧抜用円筒状体、41b…圧抜穴、41K…孔、42,43…締め付け具、44…バグフィルタ、50…タンク装置、B…ボルト、E…検出手段、F1,F2…矢印方向、M…モータ、S…制御盤(制御部)、V…フォークポケット(貫通孔)、X…水平軸、Y…延長線、Z…フォークポケット(貫通孔)、θ1,θ2…角度