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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023151160
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】ディスプレイ装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 11/02 20060101AFI20231005BHJP
   H04R 1/00 20060101ALI20231005BHJP
   H04R 7/04 20060101ALI20231005BHJP
   H04R 1/02 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
B60R11/02 S
H04R1/00 310F
H04R7/04
H04R1/02 102B
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022060615
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】諸藤 広修
【テーマコード(参考)】
3D020
5D016
5D017
【Fターム(参考)】
3D020BA05
3D020BA10
3D020BB01
3D020BC11
3D020BD02
5D016AA04
5D016EC23
5D017AE18
(57)【要約】
【課題】車両の前席の搭乗者向けに音声を出力する場合でも後席の搭乗者の不快感を抑止すること。
【解決手段】実施形態に係るディスプレイ装置は、車両の前席と後席の間に設けられる。ディスプレイ装置は、ディスプレイパネルと、ディスプレイパネルの反対側に備えられたパネル部材(バックシャーシ又は筐体)と、パネル部材を振動させることによって音声を出力させるアクチュエータと、を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の前席と後席の間に設けられるディスプレイ装置であって、
ディスプレイパネルと、
前記ディスプレイパネルの反対側に備えられたパネル部材と、
前記パネル部材を振動させることによって音声を出力させるアクチュエータと、
を備えたディスプレイ装置。
【請求項2】
前記パネル部材は、前記ディスプレイ装置に備えられたバックシャーシである
請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項3】
前記パネル部材は、金属製である
請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項4】
前記ディスプレイパネルと前記パネル部材との間に設けられた、振動を絶縁する部材をさらに備えた
請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項5】
前記振動を絶縁する部材は、ウレタンフォームである
請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項6】
前記パネル部材は、前記ディスプレイ装置を収容する筐体である
請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項7】
前記ディスプレイパネルを振動させることによって音声を出力させるアクチュエータをさらに備えた
請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項8】
前記車両の前席のヘッドレストに一体化されて、前記ディスプレイパネルが後席側を向き、前記パネル部材が前席側を向いた状態で設けられる
請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項9】
前記車両の前席と後席との間の天井に、前記ディスプレイパネルが後席側を向き、前記パネル部材が前席側を向いた状態で設けられる
請求項1に記載のディスプレイ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、板状の物体を振動させてスピーカとして使用するパネルスピーカの技術が知られている。例えば、ディスプレイパネルを振動させて音声を出力させるディスプレイスピーカが知られている。また、このようなパネルスピーカ、ディスプレイスピーカを備えた機器を車両に搭載することも知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-159350号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、図6に示すように、ディスプレイスピーカ50は、ディスプレイパネルが後席側を向くように車両内に備えられる場合がある。これにより、後席の搭乗者は、ディスプレイパネルに表示される映像コンテンツとディスプレイスピーカ50から出力される音声を視聴することができる。
【0005】
一方で、図6のようなディスプレイを備えた機器から、前席の搭乗者向けの音声(ルートのナビゲーション、交通情報等)を出力することも考えられる。この場合、機器の位置が前席の乗員の頭部の位置に近いため、明瞭に音声を届けられるというメリットがあるものの、当該音声を後席を向いたディスプレイパネルから出力すると、後席の搭乗者にも大きく聴こえてしまい、後席の搭乗者が不快に感じる場合がある。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、車両の前席の搭乗者向けに音声を出力する場合でも後席の搭乗者の不快感を抑止できるディスプレイ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るディスプレイ装置は、車両の前席と後席の間に設けられるディスプレイ装置であって、ディスプレイパネルと、ディスプレイパネルの反対側に備えられたパネル部材と、パネル部材を振動させることによって音声を出力させるアクチュエータと、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、車両の前席の搭乗者向けに音声を出力する場合でも後席の搭乗者の不快感を抑止できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1の実施形態に係るディスプレイ装置の配置例を示す図である。
図2図2は、第1の実施形態に係るディスプレイ装置の構成例を示す図である。
図3図3は、ディスプレイ装置の他の配置例を示す図である。
図4図4は、第2の実施形態に係るディスプレイ装置の構成例を示す図である。
図5図5は、第3の実施形態に係るディスプレイ装置の構成例を示す図である。
図6図6は、従来のディスプレイスピーカを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本願の開示するディスプレイ装置の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0011】
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係るディスプレイ装置の配置例を示す図である。図1に示すように、ディスプレイ装置10は、車両1の前席(例えば運転席)のヘッドレストに設けられる。ディスプレイ装置10は、後席の搭乗員に対して映像を出力するディスプレイとして機能する。また、ディスプレイ装置10に表示される映像に対応する音声は、例えば別途車両の後席ドア等に設けられたスピーカ20から出力される。
【0012】
これにより、後席の搭乗者は、ディスプレイ装置10によって表示される映像コンテンツ等を視聴することができる。
【0013】
また、ディスプレイ装置10は、前席の搭乗者(例えば運転者)に向けて、ルートのナビゲーション(カーナビの音声)、及び交通情報等を出力する。つまり、ディスプレイ装置10は、前席の搭乗者に向けて、音声を出力するスピーカとしても機能する。そして、その場合でも、第1の実施形態のディスプレイ装置10によれば、前席の搭乗者に向けて出力される音声を、後席側に届きにくくすることができる。
【0014】
図2を用いて、ディスプレイ装置10の構成を説明する。図2は、第1の実施形態に係るディスプレイ装置の構成例を示す図である。
【0015】
図2に示すように、ディスプレイ装置10は、筐体101、ディスプレイパネル111、光学シート112、振動遮断部材113、バックシャーシ114、フレーム115、及びアクチュエータ121が備えられる。なお、アクチュエータは振動素子と言い換えられてもよい。
【0016】
図1の例では、ディスプレイ装置10は、ディスプレイパネル111が後席側を向き、バックシャーシ114が前席側を向くように設置される。
【0017】
以降の説明では、図面の左側、すなわちディスプレイパネル111から見たバックシャーシ114の方向を、前席側と呼ぶ場合がある。また、図面の右側、すなわちディスプレイパネル111から見たバックシャーシ114の方向を、後席側と呼ぶ場合がある。なお、ディスプレイ装置10が車両1に設置されているか否かにかかわらず、後席側及び前席側という呼称を使用する場合がある。
【0018】
筐体101は、樹脂製又は金属製であり、ディスプレイ装置10全体を収容する。
【0019】
ディスプレイパネル111は、例えば液晶パネルであり、映像を表示するためのパネルである。光学シート112は、LED(Light Emitting Diode)のバックライト、及びバックライトとディスプレイパネル111との間に設けられたシート状の部材であり、偏光フィルタ等を含む。
【0020】
バックシャーシ114は、ディスプレイパネル111の反対側(前席側)に設けられるパネル部材の一例である。アクチュエータ121は、バックシャーシ114を振動させることによって音声を出力させる。
【0021】
フレーム115は、ディスプレイパネル111を支持する。
【0022】
アクチュエータ121は、カーナビゲーションシステム、オーディオシステム、車載ラジオ、その他ECU(Electronic Control Unit)等の制御に従って振動する。アクチュエータ121の振動がバックシャーシ114に伝わり、バックシャーシ114の振動が音声を発生させる。
【0023】
このように、振動による音声を発生させるパネル部材(例えばバックシャーシ114)が前席側に配置されることにより、音声は後席側に届きにくくなる。
【0024】
また、バックシャーシ114は金属製(例えばアルミニウム)である。これにより、アクチュエータ121の振動を効率良く伝達し、音声を発生させることができる。
【0025】
振動遮断部材113は、ディスプレイパネル111とフレーム115との間に設けられる。振動遮断部材113は、アクチュエータ121及びバックシャーシ114から発生する振動を遮断(絶縁)する。これにより、振動が、ディスプレイパネル111に伝わり、後席側に音声が届くことをより確実に抑止することができる。
【0026】
例えば、振動遮断部材113は、ウレタンフォーム、スポンジ、ゴム等の緩衝性を有する部材である。これらの部材の緩衝性により、振動が遮断される。
【0027】
また、振動遮断部材113は、粘着テープと緩衝性を有する部材とにより構成されるものであってもよい。この場合、振動遮断部材113は、粘着テープによりフレーム115又はディスプレイパネル111に固定される。
【0028】
図1の例では、ディスプレイ装置10は、車両1の前席のヘッドレストに一体化されて、ディスプレイパネル111が後席側を向き、パネル部材が前席側を向いた状態で設けられる。このような配置により、ディスプレイ装置10が前席の搭乗者の近くに配置されるため、音声が前席の搭乗者に聴こえやすくなる。
【0029】
一方で、図3に示すように、ディスプレイ装置10は、車両1の前席と後席との間の天井に、ディスプレイパネル111が後席側を向き、パネル部材が前席側を向いた状態で設けられてもよい。図3は、ディスプレイ装置の他の配置例を示す図である。この場合、例えば、ディスプレイ装置10は、フリップダウン型の表示装置であってもよい。このような配置により、車室内のスペースを有効に利用することができる。
【0030】
[第2の実施形態]
図4に示すように、第2の実施形態のディスプレイ装置10aでは、ディスプレイ装置10aを収容する筐体101の前席側の面にアクチュエータ122が備えられる。なお、以降の実施形態において、第1の実施形態と共通する部分については同じ符号を付し、適宜説明を省略する。
【0031】
アクチュエータ122の振動が筐体101に伝わり、筐体101の振動が音声を発生させる。また、筐体101はパネル部材の一例である。
【0032】
この場合、音声を発生させるパネル部材が、第1の実施形態よりもさらに後席から遠ざかることになるため、後席に音声が届くことをさらに抑止することができる。
【0033】
[第3の実施形態]
図5に示すように、第3の実施形態のディスプレイ装置10bでは、ディスプレイ装置10bを収容する筐体101の前席側の面にアクチュエータ122が備えられ、ディスプレイパネル111bにアクチュエータ123が備えられる。
【0034】
アクチュエータ122の振動が筐体101に伝わり、筐体101の振動が音声を発生させる。また、筐体101はパネル部材の一例である。
【0035】
さらに、アクチュエータ123の振動がディスプレイパネル111bに伝わり、ディスプレイパネル111bの振動が音声を発生させる。また、ディスプレイパネル111bはパネル部材の一例である。
【0036】
ディスプレイパネル111bは、有機EL等の自発光型のディスプレイである。このため、第3の実施形態では光学シートは不要である。
【0037】
さらに、第3の実施形態では、アクチュエータ123及びディスプレイパネル111bによって後席側に向けて音声を出力させることができる。さらに、ディスプレイパネル111bの振動は、振動遮断部材113により、前席側に届きにくくなる。
【0038】
このため、例えば、ディスプレイ装置10bは、前席側にカーナビ等の音声を出力すると同時に、後席側に映像コンテンツ等の音声を出力する。これにより映像が表示されているディスプレイから音声も出力されるため、後席の搭乗員は臨場感の高い状態でコンテンツを視聴できる。また、その際の前席側へ向けて出力された音声及び後席側へ向けて出力された音声は、それぞれ相手側へ届きにくいため、両方の搭乗者の不快感を低減させることができる。
【0039】
上述してきたように、実施形態に係るディスプレイ装置10は、車両1の前席と後席の間に設けられる。ディスプレイ装置10は、ディスプレイパネル(ディスプレイパネル111又はディスプレイパネル111b)と、ディスプレイパネルの反対側に備えられたパネル部材(バックシャーシ114又は筐体101)と、パネル部材を振動させることによって音声を出力させるアクチュエータ(アクチュエータ121又はアクチュエータ122)と、を備える。
【0040】
これにより、ディスプレイ装置10のパネル部材から発生する音声は、後席側へ届きにくくなるため、車両1の前席の搭乗者向けに音声を出力する場合でも後席の搭乗者の不快感を抑止することができる。
【0041】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細及び代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲及びその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神又は範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0042】
1 車両
10、10a、10b ディスプレイ装置
101 筐体
111、111b ディスプレイパネル
112 光学シート
113 振動遮断部材
114 バックシャーシ
115 フレーム
121、122、123 アクチュエータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6