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特開2023-151190通知システム、子機装置、および、通知方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023151190
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】通知システム、子機装置、および、通知方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 12/106 20210101AFI20231005BHJP
   H04W 28/06 20090101ALI20231005BHJP
【FI】
H04W12/106
H04W28/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022060664
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】500112146
【氏名又は名称】サイレックス・テクノロジー株式会社
(72)【発明者】
【氏名】片岡 賢太郎
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA34
(57)【要約】      (修正有)
【課題】表示用データが親機装置と同期されていない旨を通知する通知システム、子機装置及び通知方法を提供する。
【解決手段】通知システム100は、子機装置101及び親機装置103を備える。親機装置103は、自機が保有する表示用データに基づく第一ハッシュ値を算出する処理部と、第一ハッシュ値を含むフレームを生成する生成部と、子機装置101に向けて当該フレームを送信する通信部とを備える。子機装置101は、親機装置103から受信したフレームから第一ハッシュ値を抽出する処理部と、自機の保有する表示用データに基づく第二ハッシュ値を算出する処理部と、第一ハッシュ値と第二ハッシュ値とが一致するか否かを判定する判定部とを備える。
【効果】通知システムは、親機装置及び子機装置が保持する表示用データを照合することで表示用データの不一致の有無について判定し、必要な対応を取ることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
親機装置および子機装置の双方が表示用データを保有しており、親機装置からの呼び出しフレームの通知により前記子機装置が自機が保有する表示用データを表示させる通知システムであって、
親機装置は、
自機が保有する表示用データに基づいて第一ハッシュ値を算出する処理部と、
当該ハッシュ値を含むフレームを生成する生成部と、
前記フレームを送信する通信部と、
を備え、
子機装置は、
前記フレームを受信する通信部と、
自機が保有する表示用データに基づいて第二ハッシュ値を算出する処理部と、
前記第二ハッシュ値を記憶する記憶部と、
前記親機装置から受信した前記フレームから第一ハッシュ値を抽出する処理部と、
前記第一ハッシュ値と前記第二ハッシュ値とが一致するか否かを判定する判定部と
を備える
通知システム。
【請求項2】
前記子機装置は、更に表示部を備え、
前記判定部の判定結果に基づき、
(1)前記第一ハッシュ値と前記第二ハッシュ値とが一致すると判定された場合、前記表示部は、自機が保有する表示用データを表示し、
(2)前記第一ハッシュ値と前記第二ハッシュ値が一致しないと判定された場合、前記表示部は、その旨を表示する
請求項1に記載の通知システム。
【請求項3】
前記判定部の判定結果に基づき、前記第一ハッシュ値と前記第二ハッシュ値とが一致しないと判定された場合、
前記子機装置の通信部は、前記親機装置に、自機の保有する表示用データが誤っている旨を通知する
請求項2に記載の通知システム。
【請求項4】
前記フレームは、狭帯域、低速度でかつ、無線送信時間が制限されている周波数帯を用いて送信される
請求項1乃至3のいずれかに記載の通知システム。
【請求項5】
親機装置および子機装置の双方が表示用データを保有しており、親機装置からの呼び出しフレームにより前記子機装置が表示用データを表示させる通知システムにおける子機装置であって、
前記親機装置から送信されるフレームを受信する通信部と、
自機が保有する表示用データに基づいて第二ハッシュ値を算出する処理部と、
前記第二ハッシュ値を記憶する記憶部と、
前記親機装置から受信した前記フレームから前記親機装置が保有する表示用データに基づいて算出された第一ハッシュ値を抽出する処理部と、
前記第一ハッシュ値と前記第二ハッシュ値とが一致するか否かを判定する判定部と
を備える
子機装置。
【請求項6】
親機装置および子機装置の双方が表示用データを保有しており、親機装置からの呼び出しフレームの通知により前記子機装置が自機が保有する表示用データを表示させる通知方法であって、
親機装置において
自機が保有する表示用データに基づいて第一ハッシュ値を算出するステップと、
当該ハッシュ値を含むフレームを生成するステップと、
子機装置において、
前記フレームを受信するステップと、
自機が保有する表示用データに基づいて第二ハッシュ値を算出するステップと、
前記第一ハッシュ値と前記第二ハッシュ値とが一致するか否かを判定するステップと
を含む通知方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通知システム、子機装置、および、通知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、狭帯域、低速度でかつ、無線送信時間が制限されている周波数帯(例えば920MHz帯域など)を使用した、親機・子機からなる無線通信システム(例えば、非特許文献1に示されるような通知システム)が知られている。当該通信システムを用いて通信を行う際は無線送信可能な送信データ量を抑制するために、予めデータを子機装置に同期・記憶させておき、実際の呼び出し時には、極力小容量のデータを送信することで子機装置の呼び出しを行う親機装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【非特許文献1】株式会社エコー総合企画ホームページ[令和4年3月28日検索]、インターネット <URL:https://echo5555.co.jp/products/remote.php>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、当該通信システムが使用する無線周波数帯域においては、電波法に基づき、単位時間あたりに通信が可能な期間が限られており、親機装置が呼び出しを行う相手先である子機装置が持つ表示用のデータが最新のデータに同期された状態か否かを必要に応じて容易に知ることができず、前述の制約により無線通信を介した表示用データの更新も行うことができない問題があった。
【0005】
本発明は上述の事情を鑑みてなされたものであり、その主要な目的は、子機装置に書き込まれている表示用データが親機装置の意図する最新データと一致しているか否かを判定し必要に応じて通知することが可能な通知システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る通知システムは、親機装置および子機装置の双方が表示用データを保有しており、親機装置からの呼び出しフレームの通知により子機装置が自機が保有する表示用データを表示させる通知システムであって、親機装置は、自機が保有する表示用データに基づいて第一ハッシュ値を算出する処理部と、当該ハッシュ値を含むフレームを生成する生成部と、フレームを送信する通信部と、を備え、子機装置は、フレームを受信する通信部と、自機が保有する表示用データに基づいて第二ハッシュ値を算出する処理部と、第二ハッシュ値を記憶する記憶部と、親機装置から受信したフレームから第一ハッシュ値を抽出する処理部と、第一ハッシュ値と第二ハッシュ値とが一致するか否かを判定する判定部とを備える。
【0007】
これによれば、通知システムは親機装置および子機装置が保持する表示用データを照合し、表示用データの不一致の有無について判定し、必要な対応を取ることができる。
【0008】
また、通知システムの子機装置は、更に表示部を備え、判定部の判定結果に基づき、(1)第一ハッシュ値と第二ハッシュ値とが一致すると判定された場合、表示部は、自機が保有する表示用データを表示し、(2)第一ハッシュ値と第二ハッシュ値が一致しないと判定された場合、表示部は、その旨を表示してもよい。
【0009】
これによれば、通知システムの子機装置は自機が保有する表示用データが、親機装置が保有する表示用データと一致する場合は表示部に当該表示用データに基づく表示を行うことができ、自機が保有する表示用データが、親機装置が保有する表示用データと一致しない場合は表示用データが同期されていない旨をユーザに対して表示部への表示を通して通知し、ユーザに誤ったメッセージを表示することを防いだうえで、ユーザに必要な対応を取らせることができる。
【0010】
また、子機装置は、判定部の判定結果に基づき、第一ハッシュ値と第二ハッシュ値とが一致しないと判定された場合、子機装置の通信部は、親機装置に、自機の保有する表示用データが誤っている旨を通知してもよい。
【0011】
これによれば、通知システムの親機装置は子機装置から送信された通知を自機および子機装置の間において表示用データを同期する処理等を開始する契機とすることができる。
【0012】
また通知システムのフレームは、狭帯域、低速度でかつ、無線送信時間が制限されている周波数帯を用いて送信される構成としてもよい。
【0013】
これによれば、通知システムは親機装置および子機装置の間における通信リソースが乏しい状況下でも、子機装置に対し的確な通知を行うことができる。
【0014】
本発明の一態様に係る子機装置は、親機装置および子機装置の双方が表示用データを保有しており、親機装置からの呼び出しフレームにより子機装置が表示用データを表示させる通知システムにおける子機装置であって、親機装置から送信されるフレームを受信する通信部と、自機が保有する表示用データに基づいて第二ハッシュ値を算出する処理部と、第二ハッシュ値を記憶する記憶部と、親機装置から受信したフレームから親機装置が保有する表示用データに基づいて算出された第一ハッシュ値を抽出する処理部と、第一ハッシュ値と第二ハッシュ値とが一致するか否かを判定する判定部とを備える。
【0015】
これによれば、子機装置は親機装置が保有する表示用データに基づき算出された第一ハッシュ値と、自機が保有する表示用データに基づき算出された第二ハッシュ値とを比較することができ、親機装置が保有する表示用データと自機が保有する表示用データとの間における表示用データの不一致の有無を検出し、必要な対応を取ることができる。
【0016】
本発明の一態様に係る通知方法は、親機装置および子機装置の双方が表示用データを保有しており、親機装置からの呼び出しフレームの通知により子機装置が自機が保有する表示用データを表示させる通知方法であって、親機装置において自機が保有する表示用データに基づいて第一ハッシュ値を算出するステップと、当該ハッシュ値を含むフレームを生成するステップと、子機装置において、フレームを受信するステップと、自機が保有する表示用データに基づいて第二ハッシュ値を算出するステップと、第一ハッシュ値と第二ハッシュ値とが一致するか否かを判定するステップとを含む。
【0017】
これによれば、上記通知システムと同様の効果を奏する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、親機装置と子機装置との間で表示用データが同期されていない事により誤った表示用データが表示されることを防ぎながら、ユーザに表示用データが同期されていない旨を通知することができ、通知システムの利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、本発明の実施の形態に係る通知システムの概要を示す模式図である。
図2図2は、本発明の実施の形態に係る親機装置の機能構成を示すブロック図である。
図3図3は、本発明の実施の形態に係る子機装置の機能構成を示すブロック図である。
図4図4は、本発明の実施の形態に係る親機装置の動作を示すフローチャートである。
図5図5は、本発明の実施の形態に係る子機装置の動作を示すフローチャートである。
図6図6は、本発明の実施の形態に係る通知システムにおける親機装置および子機装置が行う処理の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、ステップ、ステップの順序等は、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、より好ましい形態を構成する任意の構成要素として説明される。なお、同一の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
[実施の形態]
【0021】
図1は本発明の実施の形態に係る通知システムの概要を示す模式図である。
通知システム100は、子機装置101、無線リンク102、および、親機装置103を備える。
【0022】
子機装置101は、無線リンク102を介して親機装置103よりフレームを受信する。また、フレームを受信後に文字列情報等のメッセージを表示部(後述する)に表示することで、親機装置103より呼び出された旨をユーザに伝える。本システム100において、子機装置101は複数備わっていてもよい。
【0023】
無線リンク102は、親機装置103が送信するフレームを子機装置101に伝達する役割を担う。無線リンク102は、例えばARIB(Association of Radio Industries and Business)STD-T108規格等により規定される920MHz帯の周波数帯を用いる通信リンクである。
【0024】
親機装置103は、子機装置101を呼び出す際に子機装置101の表示部(後述する)に表示する表示用データの同期を行う。また、親機装置103は、表示用データのハッシュ値の算出を行ってもよいし、親機装置103の外部に接続され得るPC(Personal Computer)(図示せず)等により予め生成された表示用データに基づくハッシュ値を記憶してもよい。
【0025】
図2は、本発明の実施の形態に係る親機装置の機能構成を示すブロック図である。
親機装置103は、通信部201、操作部202、生成部203、記憶部204、および、処理部205を備える。親機装置103の各機能は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、記憶装置、通信モジュール等のハードウェアにより実現される。
【0026】
通信部201は、無線リンク102を介して子機装置101の呼び出しを行うためのフレームの送信を定期的または必要に応じて行う。通信部201はARIB STD-T108規格等に準拠する無線モジュールにより実現される。また、通信部201は、USB(Universal Serial Bus)インタフェースを備え、管理者(ユーザ)のPC等により生成される表示用データを受信する。
【0027】
操作部202は、ユーザからの操作を受け付け、当該操作内容を処理部205に通知する。操作部202は、例えばキーパッドやタッチスクリーン等のハードウェアおよび操作プログラムにより実現される。操作部202においてユーザからの操作を受け付けるインタフェースは、子機装置101に表示され得る複数の表示用データのうち、任意の一つを選択する指示を行う構成としてもよい。
【0028】
生成部203は、通信部201を通じて無線通信を行う子機装置101の呼び出しに用いる呼び出しフレーム、またはビーコンフレームの生成を行い、処理部205に通知する。生成部203は、CPU、RAM等により実現される。なお、ビーコンフレームとは親機装置103が定期的に子機装置101に送信することで、子機装置101はビーコンフレームの受信が可能か否かにより、子機装置101が親機装置103の通信範囲内に存在するか否かを判定するのに用いられるフレームである。また、呼び出しフレームとは親機装置103がユーザの操作により任意の子機装置101を呼び出す際に送信されるフレームである。更に呼び出しフレームは子機装置101の表示部(後述する)に表示されるべき表示対象の表示用データを指定する情報を含む。なお、以下ビーコンフレームおよび呼び出しフレームを総称して単にフレームとも呼ぶ。
【0029】
記憶部204は、子機装置101が備える表示部(後述する)に表示させるための表示用データの記憶および表示用データより算出された第一ハッシュ値を記憶する。表示用データは複数のデータ(例えば文字列情報)を記憶してもよい。記憶部204は、記憶装置で実現され、例えばHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、eMMC(embedded Multimedia Card)の様な不揮発性メモリにより構成されてもよいし、RAMの様な揮発性メモリにより構成されてもよい。
【0030】
処理部205は、操作部202の通知により表示用データをもとにハッシュ値の算出を行うとともに、これを生成部203に渡して、生成部203にフレーム生成の指示を行う。生成部203よりハッシュ値を含むフレームを受け取ると、通信部201に当該フレームの送信を指示する。また、処理部205は、子機装置101が通信確認を行うためのビーコンフレームを定期的に送出しており、生成部203よりハッシュ値を含むビーコンフレームを受け取ると、当該フレームの送信を通信部201に指示する。
【0031】
図3は、本発明の実施の形態に係る子機装置の機能構成を示すブロック図である。
子機装置101は、通信部301、判定部302,記憶部303、処理部304、および、表示部305を備える。子機装置101の各機能は、CPU、RAM、ROM、記憶装置、通信モジュール等のハードウェアにより実現される。
【0032】
通信部301は、親機装置103が送信するフレームを受信する。また、通信部301は、後述するハッシュ値同士が一致しない場合、親機装置103と子機装置101の間で表示用データが同期されておらず自機の保有する表示用データが誤っているとして、その旨を親機装置103に通知してもよい。
【0033】
判定部302は、処理部304が受信したフレームから抽出したハッシュ値(第一ハッシュ値)と記憶部303に記憶されている表示用データのハッシュ値(第二ハッシュ値)とを照合し、一致するか否かの照合結果を処理部304に通知する。判定部302はCPUおよびRAMを備える計算機の形態でもよいし、同様の効果を奏するプログラムの形態であってもよい。
【0034】
記憶部303は、予め同期によって保有している表示用データおよび当該表示用データより算出した第二ハッシュ値を記憶する。記憶部303は例えばHDD、SSD、eMMCの様な不揮発性メモリにより構成されてもよいし、RAMの様な揮発性メモリにより構成されてもよい。
【0035】
処理部304は、親機装置103から受信したフレームより表示用データのハッシュ値である第一ハッシュ値を抽出した後に、判定部302に通知を行い、更に記憶部303に記憶される表示用データのハッシュ値である第二ハッシュ値を判定部302に通知する。また、判定部302の判定結果の通知を判定部302から受けると、これに基づいて表示部305へ表示用データの表示またはエラーメッセージの表示を指示する。なお、前述の第二ハッシュ値は、予め親機装置103との表示用データを同期する際に親機装置103に記憶される第一ハッシュ値を子機装置101も共有し記憶することで第二ハッシュ値としてもよい。
【0036】
表示部305は、処理部304の指示に基づいて表示用データ、またはエラーメッセージを表示する。エラーメッセージとは、表示用データが同期されていない旨をユーザに通知するための文字列情報による表示であってもよいし、ピクトグラム等を用いた図示による表示であってもよい。表示部305は文字列情報等を表示可能なLCD(Liquid Crystal Display)、VFD(Vacuum Fluorescent Display)、または、OLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイ等で実現されてもよい。
[実施の形態に係るフローの説明]
【0037】
図4は、本発明の実施の形態に係る親機装置の動作を示すフローチャートである。
本フローチャートの説明にあたっては、予め表示用データが親機装置103と子機装置101との間において同期が完了している状態から説明する。なお、同期が完了している状態とは、親機装置103の内部または外部装置(例えば親機装置103に接続されたPC)等により生成された表示用データが、子機装置101に対して書き込みが完了している状態を指す。
【0038】
ステップS401は、処理部205が記憶部204に予め記憶された表示用データをRAM上に読み込むステップである。
【0039】
ステップS402は、処理部205がステップS401でRAM上に読み込んだ表示用データに基づいて第一ハッシュ値を算出するステップである。処理部205は、例えば、読み込んだ表示用データをハッシュ関数(例えば、SHA2(Secure Hash Algorithm 2)等)や、ハッシュ値を算出するアプリケーション等により、第一ハッシュ値を算出する。
【0040】
ステップS403は、ステップS402にて、処理部205で算出された第一ハッシュ値を記憶部204に記憶するステップである。
【0041】
ステップS404は、親機装置103のユーザから操作部202を介して子機呼び出しを行う指示が通知されたか否かを処理部205が判定するステップである。子機呼び出しの指示が通知された場合はステップS405に進み(ステップS404のYes)、子機呼び出しの指示が通知されなかった場合は再びステップS404を実行する(ステップS404のNo)。
【0042】
ステップS405は、処理部205がステップS403で記憶部204に記憶した第一ハッシュ値を格納したフレームを生成するステップである。
【0043】
ステップS406は、通信部201がステップS405により生成されたフレームを子機装置101に向けて送信するステップである。
【0044】
図5は、本発明の実施の形態に係る子機装置の動作を示すフローチャートである。
本フローチャートの説明にあたっては、予め表示用データが親機装置103と子機装置101との間において同期が完了している状態から説明する。なお、同期が完了している状態とは、親機装置103の内部または外部装置(例えば親機装置103に接続されたPC)等により生成された表示用データが、子機装置101に対して書き込みが完了している状態を指す。
【0045】
ステップS501は、通信部301が親機装置103よりフレームを待ち受けるステップである。
【0046】
ステップS502は、処理部304がステップS501にて受信されたフレームから第一ハッシュ値を抽出するステップである。抽出された第一ハッシュ値は記憶部303に記憶する。
【0047】
ステップS503は、処理部304が記憶部303に予め記憶された表示用データに基づいて第二ハッシュ値を算出するステップである。処理部304は、例えば、読み込んだ表示用データをハッシュ関数(例えば、SHA2等)または、ハッシュ値を算出するアプリケーション等により、第二ハッシュ値を算出する。
【0048】
ステップS504およびステップS505は、処理部304が第一ハッシュ値および第二ハッシュ値を照合し、判定部302が第一ハッシュ値および第二ハッシュ値が一致したか否かを判定するステップである。判定部302は、ハッシュ値が一致したと判定した場合はその旨を処理部304に通知しステップS506に進む(ステップS505のYes)。一方、ハッシュ値が一致しないと判定した場合はその旨を処理部304に通知しステップS507に進む(ステップS505のNo)。
【0049】
ステップS506は、処理部304が表示部305に対して表示用データを表示する旨を通知し、処理部304の通知を受けて表示部305が当該表示用データを表示するステップである。
【0050】
ステップS507は、処理部304が表示部305に対して親機装置103と自機の記憶部303に記憶されている表示用データとが異なる旨を意味するエラーメッセージを表示するステップである。なお、図示しないがステップS507では、エラーメッセージを表示する代わりに、自機の保有する表示用データが誤っている(親機装置103の保有する表示用データと同期されていない)旨を示すフレームを親機装置103に送信することで、表示用データを親機装置103と子機装置101の間で同期させる処理を親機装置103に実行させてもよい。
【0051】
図5において、第二ハッシュ値の算出は、第一ハッシュ値の抽出後として説明したが、前述のとおり、予め第二ハッシュ値を算出し、記憶部303に記憶しておいてもよい。
[シーケンスの説明]
【0052】
次に図6のシーケンス図を利用して本実施の形態に係る通知システムにおいて、親機装置がユーザの操作により子機装置を呼び出す際の一連の挙動について説明する。
【0053】
まず、親機装置103の操作部202はユーザからの操作を受け付ける。操作部202はユーザからの呼び出し操作が行われた旨を処理部205へと通知する(ステップS601)。
【0054】
次に、処理部205は操作部202より通知を受け取ると、記憶部204に予め記憶される表示用データを読み出し、第一ハッシュ値を算出する。算出された第一ハッシュ値は記憶部204に記憶される。
【0055】
続いて、生成部203は第一ハッシュ値を埋め込んだ呼び出しフレームを生成し、処理部205へと通知する。処理部205は当該生成フレームの通知を受けると通信部201に第一ハッシュ値を含む呼び出しフレームの送信を指示し、通信部201は子機装置101に呼び出しフレームを送信する(ステップS602およびS603)。
【0056】
一方、子機装置101の通信部301は呼び出しフレームを受信すると、当該受信フレームを処理部304へと通知する(ステップS604)。
【0057】
続いて、処理部304は受信した呼び出しフレームより第一ハッシュ値を抽出し、当該ハッシュ値を記憶部303に記憶させる。
【0058】
次に、処理部304は記憶部303に記憶されている表示用データを用いて第二ハッシュ値を算出し、記憶部303に記憶させる。
【0059】
次に、判定部302は、記憶部303に記憶された第一ハッシュ値および第二ハッシュ値を照合し、第一ハッシュ値および第二ハッシュ値が一致するか否かの照合結果を処理部304へと通知する。処理部304は照合の結果に基づいた内容を表示部305へと表示させる。例えば、判定部302が照合の結果、第一ハッシュ値および第二ハッシュ値が一致すると判定した場合は、親機装置103が呼び出しフレームの中で指定する表示用データを表示部305に表示し、第一ハッシュ値および第二ハッシュ値が一致しないと判定した場合は、表示部305に親機装置103と子機装置101のデータが同期されていない旨を示すエラーメッセージ等を表示する(ステップS605)。
【0060】
更に、判定部302の判定結果(不一致)の通知を、親機装置103の記憶する表示用データと子機装置101が記憶する表示用データを同期する処理の開始を示す契機としてもよい。
【0061】
これによれば、ユーザは親機装置103と子機装置101の表示用データが同期されていない旨を知ることができる。
【0062】
なお、本発明は、装置として実現できるだけでなく、その装置を構成する処理手段をステップとする方法として実現したり、それらステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現したり、そのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能なCD-ROM等の記憶媒体として実現したり、そのプログラムを示す情報、データ又は信号として実現したりすることもできる。そして、それらプログラム、情報、データおよび信号は、インターネット等の通信ネットワークを介して配信してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、ユーザの利便性が向上する通知システムに適用され得る。具体的には、ユーザに対して呼び出し時に子機端末に表示する表示用データが同期されていない旨を表示することで誤ったデータが表示されることを防ぐ通知システムに適用され得る。
【符号の説明】
【0064】
100 通知システム
101 子機装置
102 無線リンク
103 親機装置
201 通信部
202 操作部
203 生成部
204 記憶部
205 処理部
301 通信部
302 判定部
303 記憶部
304 処理部
305 表示部
図1
図2
図3
図4
図5
図6