(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023151238
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】画像記録装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
B41J 29/46 20060101AFI20231005BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20231005BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20231005BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
B41J29/46 Z
B41J29/42 F
B41J29/38 201
B41J29/38 202
H04N1/00 567B
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022060738
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117101
【弁理士】
【氏名又は名称】西木 信夫
(74)【代理人】
【識別番号】100120318
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 朋浩
(72)【発明者】
【氏名】杉山 綾子
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AS02
2C061CQ04
2C061CQ24
2C061CQ34
2C061HK11
2C061HN08
2C061HN15
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA35
5C062AB02
5C062AB08
5C062AB20
5C062AB25
5C062AB38
5C062AB41
5C062AB42
5C062AB43
5C062AB44
5C062AC60
5C062AC68
5C062AF07
(57)【要約】
【課題】切断処理後に画像記録がされていないシートが生じることを抑制できる手段を提供すること。
【解決手段】 画像記録装置10は、記録用紙8を搬送向き7に搬送する搬送部43と、搬送部43によって搬送される記録用紙8に画像を記録する記録部17と、記録用紙8を切断する切断部45と、画面を表示するLCD22と、制御部100とを備え、制御部100は、取得した先行記録データを記録部17によって記録用紙8に記録する画像記録処理と、記録用紙8を所定位置で上記切断部45によって切断する切断処理と、切断処理によって切断された記録用紙8の少なくとも1つに先行記録データの記録が行われないと判定したことに応じて、記録が可能な切断後の記録用紙8が余ることを示す残存メッセージ260をLCD22に表示する表示処理と、を実行する。
【選択図】
図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを搬送向きに搬送する搬送部と、
上記搬送部によって搬送されるシートに画像を記録する画像記録部と、
シートを切断する切断部と、
画面を表示する表示部と、
制御部と、を備え、
上記制御部は、
取得した第1記録データを上記画像記録部によってシートに記録する画像記録処理と、
シートを所定位置で上記切断部によって切断する切断処理と、
上記切断処理によって切断されたシートの少なくとも1つに上記第1記録データの記録が行われないと判定したことに応じて、記録が可能な切断後のシートが余ることを示す第1オブジェクトを上記表示部に表示する表示処理と、を実行する画像記録装置。
【請求項2】
上記制御部は、上記画像記録処理及び上記切断処理を開始する前に上記表示処理を実行する請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項3】
上記制御部は、上記画像記録処理を開始した後であって余ったシートを排出する前に上記表示処理を実行する請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項4】
上記制御部は、
上記表示処理において、上記第1オブジェクトとともに、上記第1記録データの設定の変更に関する第2オブジェクトを上記表示部に表示する請求項1から3のいずれかに記載の画像記録装置。
【請求項5】
上記制御部は、
上記表示処理において、上記第2オブジェクトを有する第1画面を上記表示部に表示し、
上記第1画面は、第2記録データの追加を選択する第3オブジェクトを有する請求項4に記載の画像記録装置。
【請求項6】
上記制御部は、
上記表示処理において、
上記第1記録データを上記画像記録部によってシートに記録する際の設定に関する第1設定画面を上記表示部に表示し、
上記第1設定画面において設定された条件に基づくシートへの上記画像記録処理を開始する開始コマンドを受け付けた後に、上記第1画面を上記表示部に表示し、
上記第3オブジェクトが選択されたことに応じて、上記第2記録データを上記画像記録部によってシートに記録する際の設定に関する第2設定画面を上記表示部に表示し、
上記第2設定画面は、上記第1設定画面に比べて設定できる項目の一部が制限される請求項5に記載の画像記録装置。
【請求項7】
上記第1設定画面は、上記第1記録データの記録部数の設定を変更することを選択する第4オブジェクトを有しており、
上記制御部は、
上記記録部数の設定に基づき、切断処理後のシートに余りが生じると判定したことに応じて上記第1設定画面に上記第1オブジェクトを表示させる請求項6に記載の画像記録装置。
【請求項8】
上記制御部は、
上記表示処理において、上記第1オブジェクトとともに、第2記録データの追加に関する第5オブジェクトを上記表示部に表示する請求項1から3のいずれかに記載の画像記録装置。
【請求項9】
原稿の画像を読み取る読取部をさらに備え、
上記制御部は、
上記読取部によって原稿の画像を読み取って上記第1記録データを生成する読取処理を実行する請求項1から8のいずれかに記載の画像記録装置。
【請求項10】
上記制御部は、
上記表示処理において、上記第1オブジェクトとともに、第2読取処理の追加を選択する第6オブジェクトを上記表示部に表示し、
上記第6オブジェクトの選択に応じて、上記読取部によって原稿を読み取って第3記録データを生成し、記録がされていない切断後のシートに上記第3記録データを記録する請求項9に記載の画像記録装置。
【請求項11】
シートを搬送向きに搬送する搬送部と、上記搬送部によって搬送されるシートに画像を記録する画像記録部と、シートを切断する切断部と、制御部と、を備える画像記録装置に接続され、且つ、画像を表示する表示部に接続されたコンピュータにおいて実行されるプログラムであって、
取得した第1記録データから、上記画像記録部によってシートに記録する画像記録処理においてシートに記録するための画像データ情報を生成する画像データ生成処理と、
上記切断部によってシートを搬送向きの所定位置で切断する切断処理においてシートを切断するためのシート切断情報を生成する切断情報生成処理と、
上記画像データ情報及びシート切断情報を上記制御部から上記画像記録部及び上記切断部に送信する送信処理と、
上記切断処理によって切断されたシートの少なくとも1つに上記第1記録データの記録が行われないと判定したことに応じて、記録が可能な切断後のシートが余ることを示す第1オブジェクトを上記表示部に表示する信号を送信する信号送信処理と、を実行するプログラム。
【請求項12】
通信インターフェースによって外部装置に接続された画像記録装置であって、
シートを搬送向きに搬送する搬送部と、
上記搬送部によって搬送されるシートに記録する画像記録部と、
シートを切断する切断部と、
画面を表示する表示部と、
制御部と、を備え、
上記制御部は、
取得した第1記録データを上記画像記録部によってシートに画像を記録する画像記録処理と、
シートを搬送向きの所定位置で上記切断部によって切断する切断処理と、
上記切断処理によって切断されたシートの少なくとも1つに上記第1記録データの記録が行われないと判定したことに応じて、記録が可能な切断後のシートが余ることを示す第1オブジェクトを上記表示部に表示する表示処理と、を実行する画像記録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体を切断する切断部を備えた画像記録装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
シートを筐体内部において切断する切断部を備えた画像記録装置として、例えば、特許文献1に記載された複写機1が知られている。特許文献1に記載の複写機1は、原稿の画像情報を読取るスキャナ部140と、画像情報に基づいて画像を形成するプリンタ部160と、更に画像を複写したコピー用紙Pを所定位置で切断する切断部180とを備えている。これにより、例えばA4サイズの原稿の画像をA3サイズのコピー用紙Pに並べて2部コピーすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に係る複写機1は、切断処理において1枚のシートを2枚に切断するときに、切断処理後に画像記録されているシートの枚数が奇数である場合がある。このとき、切断処理後において画像記録がされていないシートが生じるため歩留まりが悪くなる。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、切断処理後に画像記録がされていないシートが生じることを抑制できる手段を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1) 本発明に係る画像記録装置は、シートを搬送向きに搬送する搬送部と、上記搬送部によって搬送されるシートに画像を記録する画像記録部と、シートを切断する切断部と、画面を表示する表示部と、制御部と、を備え、制御部は、取得した第1記録データを画像記録部によってシートに記録する画像記録処理と、シートを所定位置で切断部によって切断する切断処理と、切断処理によって切断されたシートの少なくとも1つに第1記録データの記録が行われないと判定したことに応じて、記録が可能な切断後のシートが余ることを示す第1オブジェクトを表示部に表示する表示処理とを実行する。
【0007】
シートの切断処理が行われる場合において、画像の記録が可能な切断後のシートが余ることを表示部に表示する。ユーザは実行しようとしているデータを記録した場合に切断後のシートが余ることを記録前に知ることができるため、切断後のシートが余らないように変更することができ、切断後のシートが余るのを抑制できる。
【0008】
(2) 好ましくは、上記制御部は、上記画像記録処理及び上記切断処理を開始する前に上記表示処理を実行する。
【0009】
上記構成により、ユーザは、画像記録処理及び切断処理を開始するより前に表示を確認することにより、記録を開始してからでは変更できない設定を含め記録が可能な切断後のシートが余らない設定に変更することができ、画像記録がされていない切断後のシートが生じることを抑制できる。
【0010】
(3) 好ましくは、上記制御部は、上記画像記録処理を開始した後であって余ったシートを排出する前に上記表示処理を実行する。
【0011】
上記構成により、ユーザは、画像記録処理を開始した後に表示を確認することにより、画像記録処理をより早く開始することができる。また、余ったシートを排出する前にユーザが表示を確認できるため、記録が可能な切断後のシートが余らないよう記録データを追加するなどの対応をすることができ、記録がされていない切断後のシートが生じるのを抑制できる。
【0012】
(4) 好ましくは、上記制御部は、上記表示処理において、上記第1オブジェクトとともに、上記第1記録データの設定の変更に関する第2オブジェクトを上記表示部に表示する。
【0013】
上記構成により、第1オブジェクトとともに、第1記録データの設定の変更に関する第2オブジェクトが表示されるため、ユーザは設定の変更ができることを認識できる。これによりユーザは記録が可能な切断後のシートが生じない設定に変更することを検討でき、記録がされていない切断後のシートが生じることを抑制できる。
【0014】
(5) 好ましくは、上記制御部は、上記表示処理において、上記第2オブジェクトを有する第1画面を上記表示部に表示し、上記第1画面は、第2記録データの追加を選択する第3オブジェクトを有する。
【0015】
上記構成により、ユーザは、切断後のシートが余る場合に、第3オブジェクトにより第2記録データを追加することを選択できる。これによりユーザは記録がされていない切断後のシートに第2記録データを記録することができるため、切断後のシートが余ることを抑制できる。
【0016】
(6) 好ましくは、上記制御部は、上記表示処理において、上記第1記録データを上記画像記録部によってシートに記録する際の設定に関する第1設定画面を上記表示部に表示し、上記第1設定画面において設定された条件に基づくシートへの上記画像記録処理を開始する開始コマンドを受け付けた後に、上記第1画面を上記表示部に表示し、上記第3オブジェクトが選択されたことに応じて、上記第2記録データを上記画像記録部によってシートに記録する際の設定に関する第2設定画面を上記表示部に表示し、上記第2設定画面は、上記第1設定画面に比べて設定できる項目の一部が制限される。
【0017】
上記構成により、第1設定画面から設定した内容で第1記録データの画像記録処理を実施する際に、記録がされていない切断後のシートが余る場合がある。このとき、ユーザは第3オブジェクトにより第2記録データの追加を選択でき、第2記録データの設定を第2設定画面から設定できる。ここで、第1記録データと第2記録データは切断する前の1枚の紙を共有して記録される。このため、第2設定画面から設定した第2記録データの設定が第1設定画面で設定した第1記録データの設定によって実行できない設定(例えば用紙の材質を変えるなどの設定)であった場合には矛盾が生じエラーとなってしまう。このような矛盾した設定とならないよう第2設定画面の設定は、第1設定画面の設定に応じて一部の設定が制限される。これによりユーザは、第1記録データを記録する際に余るシートに、第2記録データを記録する際に設定できる項目を正確に認識することができ、第2設定画面の設定をスムーズに行うことができる。
【0018】
(7) 好ましくは、上記第1設定画面は、上記第1記録データの記録部数の設定を変更することを選択する第4オブジェクトを有しており、上記制御部は、上記記録部数の設定に基づき、切断処理後のシートに余りが生じると判定したことに応じて上記第1設定画面に上記第1オブジェクトを表示させる。
【0019】
上記構成により、例えば1枚のシートを切断部によって2枚に切断し、この切断したシートのそれぞれに1頁分の画像を記録する場合に、切断したシートを何枚消費するかは、記録する頁数と記録部数とによって決定される。記録頁数が5頁であり、記録部数が2部である場合には記録頁の総数は10頁となり、切断前のシートを5枚消費し、記録がされていない切断後のシートは生じない。しかし記録頁数が5頁であり、記録部数が3部である場合には記録頁の総数は、15頁となり、切断前のシートを8枚消費し、記録がされていない切断後のシートが生じることになる。ここで、記録部数の変更を選択する第4オブジェクトが表示される第1設定画面に、記録部数の設定に基づいて第1オブジェクトが表示されるため、ユーザは、切断後のシートが余るか否かを確認しながら記録部数を設定することができる。このため、切断後のシートが生じることを抑制できる。
【0020】
(8) 好ましくは、上記制御部は、上記表示処理において、上記第1オブジェクトとともに、第2記録データの追加に関する第5オブジェクトを上記表示部に表示する。
【0021】
上記構成により、ユーザは、切断後のシートが余る場合に、第5オブジェクトにより第2記録データを追加することを選択できる。これによりユーザは記録がされていない切断後のシートに第2記録データを記録することができるため、切断後のシートが余ることを抑制できる。
【0022】
(9) 好ましくは、原稿の画像を読み取る読取部をさらに備え、上記制御部は、上記読取部によって原稿の画像を読み取って上記第1記録データを生成する読取処理を実行する。
【0023】
上記構成により、読取処理を行う場合においても、画像記録処理がされていない切断後のシートが生じることを抑制できる。
【0024】
(10) 好ましくは、上記制御部は、上記表示処理において、上記第1オブジェクトとともに、第2読取処理の追加を選択する第6オブジェクトを上記表示部に表示し、上記第6オブジェクトの選択に応じて、上記読取部によって原稿を読み取って第3記録データを生成し、記録がされていない切断後のシートに上記第3記録データを記録する。
【0025】
上記構成により、ユーザは、切断後のシートが余る場合に、第2読取処理を行って切断後のシートへ画像を記録することができる。
【0026】
(11) 本発明に係るプログラムは、シートを搬送向きに搬送する搬送部と、上記搬送部によって搬送されるシートに画像を記録する画像記録部と、シートを切断する切断部と、制御部と、を備える画像記録装置に接続され、且つ、画像を表示する表示部に接続されたコンピュータにおいて実行されるプログラムであって、取得した第1記録データから、上記画像記録部によってシートに記録する画像記録処理においてシートに記録するための画像データ情報を生成する画像データ生成処理と、上記切断部によってシートを搬送向きの所定位置で切断する切断処理においてシートを切断するためのシート切断情報を生成する切断情報生成処理と、上記画像データ情報及びシート切断情報を上記制御部から上記画像記録部及び上記切断部に送信する送信処理と、上記切断処理によって切断されたシートの少なくとも1つに上記第1記録データの記録が行われないと判定したことに応じて、記録が可能な切断後のシートが余ることを示す第1オブジェクトを上記表示部に表示する信号を送信する信号送信処理とを実行する。
【0027】
(12) 本発明に係る画像記録装置は、通信インターフェースによって外部装置に接続された画像記録装置であって、シートを搬送向きに搬送する搬送部と、上記搬送部によって搬送されるシートに記録する画像記録部と、シートを切断する切断部と、画面を表示する表示部と、制御部とを備え、上記制御部は、取得した第1記録データを上記画像記録部によってシートに画像を記録する画像記録処理と、シートを搬送向きの所定位置で上記切断部によって切断する切断処理と、上記切断処理によって切断されたシートの少なくとも1つに上記第1記録データの記録が行われないと判定したことに応じて、記録が可能な切断後のシートが余ることを示す第1オブジェクトを上記表示部に表示する表示処理とを実行する。
【0028】
上記構成により、シートの切断処理が行われる場合において、画像の記録が可能な切断後のシートが余ることを外部装置の表示部に表示する。ユーザは、実行しようとしているデータを記録した場合に切断後のシートが余ることを記録前に外部装置において知ることができる。これにより、ユーザは、切断後のシートが余らない設定に変更することができ、切断後のシートが余るのを抑制できる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、切断処理後に画像記録されていないシートが生じることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る画像記録装置10の外観斜視図である。
【
図2】
図2は、画像記録装置10の構造を模式的に示す図である。
【
図3】
図3は、画像記録装置10の主要構成を示す平面図である。
【
図4】
図4は、画像記録装置10のスキャナ部12の構造を模式的に示す断面図である。
【
図5】
図5は、画像記録装置10のブロック図である。
【
図6】
図6は、LCD22に表示される画面を説明するための図である。
【
図7】
図7は、画像記録装置10のLCD22に表示されるホーム画面190を示す図である。
【
図8】
図8は、画像記録装置10のLCD22に表示される第1設定画面191を示す図である。
【
図9】
図9は、画像記録装置10のLCD22に表示される第1選択画面192を示す図である。
【
図10】
図10は、画像記録装置10のLCD22に表示される第1画面194を示す図である。
【
図11】
図11は、画像記録装置10のLCD22に表示される第2設定画面195を示す図である。
【
図12】
図12は、画像記録装置10のLCD22に表示される第2選択画面196を示す図である。
【
図13】
図13は、制御部100がLCD22に表示する画面のフローチャートである。
【
図14】
図14は、変形例2に係る画像記録装置10のLCD22に表示される第1画面194Aを示す図である。
【
図15】
図15は、変形例2に係る画像記録装置10のLCD22に表示される第1設定画面191Aを示す図である。
【
図16】
図16(a)は、画像記録装置10を、スマートフォン340に接続された状態で示す図である。
図16(b)は、画像記録装置10を、コンピュータ341に接続された状態で示す図である。
【
図17】
図17は、変形例1において制御部100がLCD22に表示する画面フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明が具体化された一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。本実施形態においては、画像記録装置10が使用される設置状態を基準として上下方向1が定義される。また、LCD22を正面に見て左右方向2が定義される。また、LCD22が設けられた面を正面として前後方向3が定義される。
【0032】
図1に示されるように、画像記録装置10は、下部に設けられたプリンタ部11と、上部に設けられたスキャナ部12(読取部の一例)と、を一体的に備えた複合機である。画像記録装置10は、プリント機能、スキャン機能、コピー機能、ファクシミリ機能を有する。本実施形態においては、画像記録装置10が単独で使用される場合について説明する。
【0033】
スキャン機能においては、スキャナ部12により読み取られた原稿9の(
図4参照)画像データがメモリカードやUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の各種記憶媒体に転送されて記憶される。コピー機能においては、プリンタ部11が、スキャナ部12で読み取られた原稿9の画像データに基づいて、記録用紙(シートの一例)8に画像を記録する。ファクシミリ機能においては、スキャナ部12により読み取られた画像データが電話回線などを通じてファクシミリ送信される。また、受信されたファクシミリデータは、プリンタ部11により記録用紙8に記録される。スキャナ部12およびプリンタ部11は、制御部100(
図5参照)によって制御される。
【0034】
画像記録装置10の前面上部には操作部19と、液晶ディスプレイ(以下、LCDとも称する。表示部の一例)22とが設けられている。操作部19は、ユーザからの情報の入力を受け付ける。
【0035】
LCD22には、画像記録装置10の各種情報をユーザが視覚的に確認できるように画面が表示される。画像記録装置10は、操作部19の操作によって入力された指示情報に基づいて動作する。制御部100は、各動作についてユーザが確認できるようにLCD22に画面を表示する。操作部19は物理キー23を有している。物理キー23は、LCD22に表示された画面において反転表示などを移動するための選択ボタン19aと、移動した反転表示の選択を決定するための決定ボタン19bと、画面を戻したり、決定をキャンセルしたりするためのクリアボタン19cと、ホーム画面190を表示するホームボタン19dとを有している。選択ボタン19aは、上下左右への移動を入力するいわゆるカーソルキーである。
【0036】
[プリンタ部11]
以下、
図1から
図3が参照されつつ、プリンタ部11の構成が説明される。なお、
図2では、説明の簡略化のためにスキャナ部12の詳細な構成及び給紙カセット14の図示が省略されている。
【0037】
図1、
図2に示されるように、プリンタ部11は、筐体20を有する。筐体20には、給紙カセット14、給紙カセット15、記録部17、切断部45、その他の機能部品が配置されている。筐体20の前面における操作部19の下方には、開口13が位置している。開口13は、筐体20の前面において左右方向2の略中央に位置している。開口13は、左右方向2に長い矩形状に形成されている。開口13は、筐体20の前面において上部から下端まで至っている。
【0038】
筐体20は、開口13から前後方向3における後方に延びる内部空間20aを有する。内部空間20aは、後述の搬送路21に連通している。上壁部71は、操作部19の後方に配置された基板収容スペース65と内部空間20aとを仕切っている。基板収容スペース65には、操作部19と電気的に接続される電子回路が設置される基板(図示省略)が収容されている。
【0039】
筐体20の前面において、開口13の右方には、開閉カバー41が取り付けられている。開閉カバー41が開かれると、カートリッジ装着空間が開放され、インクを貯留するインクカートリッジ40が筐体20に対して装着または取り外し可能となる。インクカートリッジ40は、チューブ44を通じて記録部17(画像記録部の一例)の記録ヘッド37へインクを供給する。
【0040】
給紙カセット14および給紙カセット15は、筐体20に対して前後方向3に沿って挿抜可能である。給紙カセット14は、筐体20に装着された状態において給紙カセット15の下方に位置する。給紙カセット15は、定形の記録用紙8を複数枚が積載された状態で収容する。記録用紙8の定形とは、日本工業規格のA3サイズ、A4サイズ、A5サイズ、B4サイズ、B5サイズなどである。給紙カセット15の上部には、排紙トレイ18が位置する。排紙トレイ18は、搬送路21から排出された記録用紙8を支持する。なお、本実施形態では2種類の給紙カセット14および給紙カセット15が設けられているが、給紙カセット14は省略されてもよい。
【0041】
給紙カセット15は、複数の記録用紙8を保持する。記録用紙8は、給紙カセット15の内部空間に積層状態で保持される。排紙トレイ18は、画像記録装置10の前面側(
図2における右側)に形成されている。
図2は、給紙カセット15が筐体20に挿入された状態を示している。
【0042】
図2に示されるように、筐体20には、給紙カセット15から排紙トレイ18へ搬送路21に沿って記録用紙8を搬送する搬送部43が配置されている。搬送路21は、給紙カセット15から上方且つ前方へ湾曲しながらUターンし、排紙トレイ18へ向かって前方へ直線的に延びる所謂Uターンパスである。搬送路21の下流端は、内部空間20aに連通している。
【0043】
搬送路21には、給紙カセット15から排紙トレイ18へ向かう記録用紙8の搬送向き7に沿って、上流側から順に、給送ローラ32、PFローラ対25、第1排出ローラ対27、および第2排出ローラ対28が配置されている。これら給送ローラ32および各ローラ対25,27,28が搬送部43を構成する。
【0044】
給送ローラ32は、給紙カセット15の上方に位置する。給送ローラ32は、アーム33の先端部に、左右方向2を軸線方向として回動可能に設けられている。アーム33の基端部は軸34周りに回動可能である。給送ローラ32が回転すると、給紙カセット15に積層状態で載置された複数枚の記録用紙8のうち最上位の記録用紙8が搬送路21に送り出される。
【0045】
PFローラ対25は、搬送路21の湾曲部分の搬送向き7の下流端付近に位置する。PFローラ対25は、左右方向2を軸線方向として回動可能である。PFローラ対25は、搬送用モータ116(
図5参照)の駆動が伝達されて回転する。記録用紙8は、PFローラ対25に挟まれて記録ヘッド37の下方へ搬送される。
【0046】
第1排出ローラ対27および第2排出ローラ対28は、搬送路21において記録ヘッド37の搬送向き7の下流に位置する。第1排出ローラ対27は、第2排出ローラ対28よりも搬送向き7の上流に位置する。第1排出ローラ対27および第2排出ローラ対28は、搬送用モータ116(
図5参照)の駆動が伝達されて回転する。PFローラ対25により搬送される記録用紙8は、第1排出ローラ対27および第2排出ローラ対28に挟まれて排紙トレイ18へ搬送される。
【0047】
図2に示されるように、記録部17は、搬送路21において、PFローラ対25と第1排出ローラ対27との間に位置する。記録部17は、搬送部43によって搬送される記録用紙8に画像を記録する。記録部17は、搬送路21の上方に位置するキャリッジ35と、搬送路21の下方に位置するプラテン36と、キャリッジ35に搭載された記録ヘッド37と、を有する。
【0048】
図2、
図3に示されるように、記録ヘッド37は、インクカートリッジ40からチューブ44を通じてシアン(C)・マゼンタ(M)・イエロー(Y)・ブラック(Bk)の各色インクが供給され、各インクを微小なインク滴として吐出するいわゆるインクジェット方式のものである。キャリッジ35が左右方向2に往復動される間に、記録ヘッド37からインク滴が吐出されることにより、プラテン36上を搬送される記録用紙8に画像の記録が行われる。
【0049】
図3に示されるように、キャリッジ35は、前後方向3に離れており、それぞれが左右方向2へ延びるガイドフレーム61,62に摺動自在に支持されている。キャリッジ35は、ガイドフレーム61,62を跨ぐようにして左右方向2に往復移動可能に載置されている。
【0050】
ガイドフレーム62の上面には、ベルト駆動機構46が配置されている。ベルト駆動機構46は、搬送路21の左右方向2の両端付近にそれぞれ設けられた第1プーリ47と第2プーリ48との間に、内側に歯が設けられた無端環状のベルト49が張架されている。第1プーリ47と第2プーリ48とは、キャリッジ35が往復動される領域の両端に配置されている。第1プーリ47の軸に駆動源であるCRモータ(
図5参照)115から駆動力が入力されて、第1プーリ47が回転される。第1プーリ47の回転によりベルト49が周運動し、その際に第2プーリ48が従動する。なお、ベルト49は無端環状のもののほか、有端のベルトの両端部をキャリッジ35に固着するものであってもよい。
【0051】
前述されたようにベルト49が周運動すると、キャリッジ35がガイドフレーム61,62上を往復動する。このようなキャリッジ35に記録ヘッド37が搭載されて、記録ヘッド37が、搬送路21の左右方向2を主走査方向として往復動可能となっている。
【0052】
[切断部45]
図2、
図3に示されるように、記録部17の前方において搬送路21の上方に切断部45が位置している。切断部45は、停止時において画像記録領域A1の左方に位置している。画像記録領域A1は、キャリッジ35と共に往復動される記録ヘッド37からインクが吐出されて、記録用紙8に画像の記録が行われる最大幅である。プリンタ部11により記録可能な最大サイズがA4サイズであれば、画像記録領域A1は、A4サイズの幅より若干広い。
【0053】
切断部45は、搬送部43により搬送される記録用紙8を左右方向2に沿って切断する。切断部45は、画像記録領域A1よりも左方の停止位置(
図3において示される切断部45の位置)から右方に移動することによって記録用紙8を切断する。切断部45の切断により、例えば、1枚のA4サイズの記録用紙8が2枚のA5サイズの記録用紙8に切断される。切断部45は、左右方向2に沿って延びるとともにサイドフレーム96,97に固定されているガイドレール81に支持されており、ガイドレール81に案内されて移動するカッタキャリッジ82と、カッタキャリッジ82に搭載されるカッタ83と、固定刃95と、を備えている。
図3においては、切断部45は、詳細な構成が省略されて簡略的に示されている。
【0054】
カッタキャリッジ82は、カッタ83を保持するカッタ保持部82aと、ガイドレール81に連結される連結部82bと、を有する。カッタ保持部82aは、第1排出ローラ対27と、第2排出ローラ対28との間に位置している。カッタ83は、カッタ保持部82aの下端から下方に突出した状態で、カッタ保持部82aに支持されている。カッタ83は円盤形状であり、前後方向3を軸線方向としてカッタ保持部82aに回転可能に支持されている。
【0055】
連結部82bは、カッタ保持部82aから前方に延びてガイドレール81に連結される。
【0056】
カッタキャリッジ82は、駆動機構101によって駆動される。駆動機構101は、基板81aの上面に配置された駆動プーリ92及び従動プーリ93と、駆動プーリ92及び従動プーリ93に掛け渡された無端ベルト94と、を有する。駆動プーリ92及び従動プーリ93は、基板81aの上面における左右方向2の両端部に配置されている。駆動プーリ92及び従動プーリ93は、上下方向1に沿った軸線周りに回転する。駆動プーリ92には、切断用モータ114(
図5参照)の駆動力が伝達される。無端ベルト94は、カッタキャリッジ82と連結されている。駆動プーリ92が回転すると、無端ベルト94が周運動し、また、従動プーリ93が従動する。無端ベルト94の周運動により、カッタキャリッジ82が、ガイドレール81に沿って左右方向2に往復動する。
【0057】
カッタキャリッジ82のカッタ保持部82aの下方に、固定刃95が位置する。固定刃95は、サイドフレーム96,97に支持されて画像記録領域A1に渡って左右方向2に延びている。固定刃95の刃先は、カッタ83に対して後方から当接している。記録用紙8は、カッタ83と固定刃95とに挟み込まれることによって切断される。
【0058】
[スキャナ部12]
図1、
図2に示されるように、スキャナ部12は、プリンタ部11の上方に位置する。スキャナ部12は、いわゆるフラットベッドスキャナである。スキャナ部12は、プリンタ部11の上方に設けられたスキャナ本体12aと、スキャナ本体12aの上方に設けられた原稿カバー12bとを有する。
図4に示されるように、スキャナ本体12aの上面には、原稿9が載置されるプラテンガラス128が設けられている。スキャナ本体12aの内部には、プラテンガラス128上の原稿9の画像を光学的に読み取り可能なイメージセンサが設けられている。原稿カバー12bには、画像が読み取られる複数枚の原稿9を1枚ずつピックアップして搬送する自動搬送機構であるADF12cが設けられている。原稿9は、日本工業規格のA3サイズ、A4サイズ、A5サイズ、B4サイズ、B5サイズなどが使用可能であるが、本実施形態においては、原稿9がA4サイズである場合を例にあげて説明する。
【0059】
スキャナ部12は、
図4に示されるように、ADF原稿トレイ120と、ADF排出トレイ121と、搬送路122と、搬送機構123と、コンタクトイメージセンサ(Contact Image Sensor、以下「CIS」と称する。)85とを具備する。
【0060】
スキャナ部12は、原稿カバー12bが、背面側の蝶番を介して開閉自在に取り付けられている。原稿カバー12bは、プラテンガラス128を有するスキャナ本体12aに対して開位置と閉位置とに移動可能である。
【0061】
スキャナ本体12aの上面には、プラテンガラス128が設けられている。スキャナ本体12aに対して原稿カバー12bが閉じられると、プラテンガラス128は原稿カバー12bに覆われる。
【0062】
原稿カバー12bの下面、すなわち、プラテンガラス128と対向する面には弾性板130が設けられている。弾性板130は、原稿カバー12bが閉位置にあるときプラテンガラス128に当接する。弾性板130は、プラテンガラス128上に載置された原稿9を押さえて固定する。
【0063】
プラテンガラス128の左端部には、ADF12cを使用して原稿9の画像を読み取る場合の読取領域80Aと、スキャナ部12をFBSとして使用する場合の読取領域80Bとを区画する位置決め部材131が設けられている。位置決め部材131は、プラテンガラス128上に原稿9を載置する場合の位置決め基準である。位置決め部材131は、ADF12cが用いられる場合には、読取領域80A上を通過する原稿9をADF12c内に設けられた搬送路122へ戻すように案内するガイドとして機能する。
【0064】
スキャナ本体12aの内部には、第1画像読取ユニット84が内蔵されている。第1画像読取ユニット84は、CIS85と、CISキャリッジ86とを有している。CIS85は、搬送路122における原稿9の搬送向き124の上流に位置している。CIS85は、搬送路122の下方から原稿9の画像を光学的に読み取る。CIS85は、CISキャリッジ86に搭載されて、プラテンガラス128の下方を往復動される。
【0065】
図1、
図4に示されるように、スキャナ部12の上部の原稿カバー12bには、ADF原稿トレイ120及びADF排出トレイ121が上下二段に構成されている。ADF12cから排紙された原稿9は、ADF排出トレイ121に担持されて、ADF原稿トレイ120上の原稿と分離した状態で保持される。
【0066】
ADFカバー12dは、ADF12cの側方(
図4の左側)に設けられた回動軸125を中心として図中の矢印P1方向に回動可能であり、ADF12cの内部の一部が露出可能である。
【0067】
ADF12cの内部には、搬送路122において、ADF原稿トレイ120からADF排出トレイ121へと向かう搬送向き124に原稿9を搬送する搬送機構123が設けられている。搬送機構123は、ローラ、ニップ片170、ピンチローラ等によって構成される。搬送機構123は、第1ローラ164、166と、第2ローラ168、169と、第3ローラ171、172とを有している。
【0068】
ADF原稿トレイ120に載置された原稿9において下方を向く面を下向きにした状態で、ADF原稿トレイ120上に載置される。
【0069】
各ローラ164,166,168,171の構成は搬送機構123の単なる一例であり、ローラの数や配置を変更したり、各ニップ片に代えてピンチローラを用いたりする等、その他の公知の記録用紙供給機構に変更できることは勿論である。
【0070】
第2ローラ168、169の搬送向き124の下流には原稿センサ91が位置する。原稿センサ91は、第2ローラ168、169によって送られた原稿9を検知する。原稿センサ91は、原稿9の先端と後端とをそれぞれ検知することにより、読取処理を行う際に原稿9のサイズを判定することが可能である。
【0071】
原稿センサ91の搬送向き124の下流に位置決め部材131が位置する。位置決め部材131は、原稿センサ91を通過した原稿9を、プラテンガラス128と原稿ガイド132との間へ案内する。
【0072】
位置決め部材131の搬送向き124の下流に第1画像読取ユニット84が位置する。第1画像読取ユニット84は、原稿9を読み取る。
【0073】
原稿ガイド132は、原稿カバー12bの第1画像読取ユニット84に対向する位置に設けられている。原稿ガイド132は、読取領域80Aに対向する水平部分と、水平部分の両端から上流側及び下流側の上方に延びる傾斜部分とを有している。原稿ガイド132は、ADF本体152に固定されたバネ部材によって読取領域80Aへ付勢されている。
【0074】
第1ローラ164,166、第2ローラ168、および第3ローラ171は、LF搬送モータ110(
図5参照)からの駆動力が伝達されて回転する。
【0075】
[制御部100とデバイスの構成]
図5は、画像記録装置10の制御部100及びその周辺デバイスの構成を示している。制御部100は、プリンタ部11およびスキャナ部12の全体動作を統括して制御するものである。制御部100は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)104を主とするマイクロコンピュータとして構成されており、バス105を介してASIC(Application Specific Integrated Circuit)106に接続されている。
【0076】
ROM102には、画像記録装置10の各種動作を制御するためのプログラム99(
図5参照)等が格納されている。EEPROM104には、上記プログラム99に従った処理に用いられる各種データが格納されている。RAM103は、CPU101が上記プログラム99を実行する際に用いる各種データを一時的に記録する記憶領域又はデータやプログラム99の展開領域として使用される。
【0077】
CPU101は、制御部100を構成する周辺デバイス、或いは制御部100により制御される被制御機器を統括的に制御するものである。CPU101によって、ROM102に格納されたプログラム99や、RAM103またはEEPROM104に格納されたデータが読み出され、上記プログラム99に従った演算が行われる。
【0078】
ASIC106には、スキャナ部12において原稿9の画像の読取りを行うCIS85が接続されている。ASIC106は、CPU101の指令に基づいて、光源から光を照射するための電気信号や光電変換素子から画像データを出力するためのタイミング信号をCIS85に付与する。CIS85は、これら信号を受けて、所定のタイミングで原稿9に光を照射し、光電変換素子により変換された画像データを出力する。
【0079】
ASIC106には、画像記録装置10に所望の指令を入力する操作部19を制御するパネルゲートアレイ(パネルG/A)111が接続されている。パネルゲートアレイ111は、操作部19の押下を検出して、所定のコード信号を出力する。CPU101は、パネルゲートアレイ111から所定のキーコードを受信すると、所定のキー処理テーブルに従って、実行すべき制御処理を行う。キー処理テーブルは、キーコードと制御処理とを対応させてテーブル化したものであり、例えば、ROM102に記憶されている。
【0080】
ASIC106には、LCD22の画面表示を制御するLCDコントローラ112が接続されている。LCDコントローラ112は、CPU101の指令に基づいて、LCD22にプリンタ部11又はスキャナ部12の動作に関する情報を画面に表示させる。
【0081】
ASIC106には、ADF12c内の搬送路122(
図4参照)において原稿9の先端及び後端を検出するための原稿センサ91が接続されている。
【0082】
また、ASIC135には、CRモータ108、搬送用モータ116、給送用モータ113、及び切断用モータ114が接続されている。ASIC135には、各モータを制御する駆動回路が組み込まれている。CPU101は、各モータを回転させるための駆動信号を各モータに対応する駆動回路に出力する。駆動回路は、CPU101から取得した駆動信号に応じた駆動電流を対応するモータへ出力する。これにより、対応するモータが回転する。つまり、制御部100は、給送用モータ113を制御して、搬送路21に記録用紙8を給送させる。また、制御部100は、搬送用モータ116を制御して、搬送部43に記録用紙8を搬送させる。また、制御部100は、CRモータ115を制御して、キャリッジ35を移動させる。また、制御部100は、切断用モータ114を制御して、駆動プーリ92を制御する。
【0083】
[制御部100による処理]
制御部100は、読取処理と、画像記録処理と、切断処理と、表示処理とを行うことが可能である。本実施形態においては各処理が、読取処理、表示処理、画像記録処理、切断処理の順に行われる。より詳細には、読取処理で読み取られた2枚分の原稿9の画像が、画像記録処理にて1枚の記録用紙8に記録された後に、切断処理にて1枚の記録用紙8が二分割されるものとして説明がされる。以下、
図13を参照して、先行記録データ及び後続記録データに基づく読取処理、画像記録処理及び切断処理を行うに際してLCD22に表示する各画面および動作が説明される。なお、本実施形態においては、読取処理において原稿の各頁の読み取りが行われつつ、画像記録処理および切断処理が行われる所謂スタック印刷が説明される。また、
図6には各画面の遷移の順序が表されている。
【0084】
ユーザによって電源がオンにされるとLCD22にホーム画面190が表示される。
図7に示されるように、ホーム画面190は、画面の上側において、左右方向2に並ぶ第1受付部205と、第2受付部206と、第3受付部207とを有している。ホーム画面190は、下側において、ショートカットアイコン210と、通信設定アイコン211と、環境設定アイコン212と、インク残量アイコン213とを有している。ホーム画面190の上下方向1の中央には、切換アイコン214が位置する。
【0085】
第1受付部205、第2受付部206、および第3受付部207は、それぞれ操作部19(
図1参照)のユーザによる操作によって選択可能である。第1受付部205、第2受付部206、および第3受付部207は、図形及び文字が表れたアイコンである。各図には表されていないが、選択中の第1受付部205、第2受付部206または第3受付部207は、例えば、アイコンの明暗が反転表示される。ユーザは、選択ボタン19aを操作することにより、ホーム画面190においてアイコンの反転表示を任意の向きへ移動することができる。
【0086】
第2受付部206は、ホーム画面190の左右方向2における左側に位置する。第2受付部206は、読取処理および画像記録処理を1回の操作で行う指令を受け付ける。第2受付部206は、記録用紙8を模した長方形の図形と、図形の下方に「コピー」の文字とを有している。
【0087】
第1受付部205は、ホーム画面190の左右方向2における中央に位置する。第1受付部205は、読取処理、画像記録処理および切断処理を行う指令を受け付ける。第1受付部205は、切断された記録用紙8を模した2つの長方形の形状をした図形と、図形の下に「カットコピー」の文字とを有している。
【0088】
第3受付部207は、ホーム画面190の左右方向2における右側に位置する。第3受付部207は、読み取り処理を行う指令を受け付ける。第3受付部207は、横長の1つの長方形が示す1枚の原稿9がカバーが開かれたスキャナにセットされた状態を示す図形と、図形の下に「スキャン」の文字とを有している。
【0089】
ショートカットアイコン210、通信設定アイコン211、環境設定アイコン212、およびインク残量アイコン213は、ホーム画面190の左側から右側に向かって順に配置されている。ショートカットアイコン210は、ユーザが頻繁に使用するコマンドをすみやかに表示できるように設定するためのアイコンであり、「Shortcut」の文字で示されるアイコンである。通信設定アイコン211は、画像記録装置10を外部装置に接続するための設定を受け付けるアイコンであり、電波を模したマークで示されるアイコンである。環境設定アイコン212は、画像記録装置10の動作上の環境を設定するためのアイコンであり、工具を模したアイコンで示される。インク残量アイコン213は、各色のインクの現時点の残量を表示するためのアイコンであり、各色のゲージで示されるアイコンである。
【0090】
制御部100は、切換アイコン214において左右の矢印で示されるアイコンが反転表示および選択されることで、ホーム画面190に表示されていないその他の機能を選択できる(図示省略)。
【0091】
制御部100は、ホーム画面190においてユーザによって第1受付部205(カットコピー)が選択されることで、
図13に示す各処理を開始する。制御部100は、
図8に示す第1設定画面191をLCD22に表示する(S10)。
【0092】
第1設定画面191は、先行記録データを記録用紙8に画像記録処理し、切断処理を行うことについて表示する画面である。第1設定画面191は、読取処理が行われる原稿9の画像と切断後の記録用紙8の画像とを、読取処理、画像記録処理および切断処理を行う前に、イメージとしてLCD22に示される画面である。
図8に示されるように、第1設定画面191は、複数のアイコンを有している。第1設定画面191は、上側から下側に向かって最上段、上段、下段、最下段の概ね4段に区画されている。第1設定画面191は、最上段において、第4受付部216と、第5受付部218とを有し、上段において、第1アイコン227と、第2アイコン228と、第3アイコン229とを有している。また、下段においては、第1サイズ情報表示244と、第2サイズ情報表示245とを有しており、最下段においては、第6受付部257と、第7受付部258とを有している。
【0093】
第1設定画面191の最上段においては、左側から右側に向かって第4受付部216、第5受付部218が配置されている。第4受付部216は、歯車の形状を模して表されており、第1選択画面192を表示する指令を受け付ける。
【0094】
第5受付部218は、画像記録処理を行う記録部数を設定する指令を受け付ける。第5受付部218は、さらに「部数」の文字と、この文字の右方にユーザが設定した記録部数を表示する。ここで、本実施形態では、第5受付部218に「3部」が入力されたものとする。制御部100は、入力された部数である「3部」をEEPROM104に記憶させる。
【0095】
第1アイコン227は、第1設定画面191の左側に配置されており、第2アイコン228および第3アイコン229は、第1設定画面191の右側に配置されている。
【0096】
第1アイコン227は、画像記録処理が行われる原稿9を示している 。原稿9の一枚目と2枚目とを示す。つまり、第1アイコン227は、原稿9から読み取られる1頁目の画像と2頁目の画像とを示している。第1アイコン227は、1頁目の画像と2頁目の画像とを第1設定画面191において縦長の2つの長方形を前後に一部重なった状態で表示したものである。
【0097】
第2アイコン228は、切断処理された状態の各記録用紙8を第1設定画面191において横長の2つの長方形を上下に離間させた状態で表示されたアイコンである。
【0098】
第3アイコン229は、第2アイコン228の2つの長方形の間に位置している。第3アイコン229は、鋏の形状を模して表されている。
【0099】
第1設定画面191は、さらに、第8アイコン255を有している。第8アイコン255は、第1アイコン227から第2アイコン228に向かう矢印である。第8アイコン255は、第1設定画面191の左右方向2における中央に配置されている。第8アイコン255は、第1設定画面191の上段から下段に渡って位置している。
【0100】
第1設定画面191は、先行記録データを読み取る第1読取処理、画像記録処理および切断処理を開始するためのユーザ操作を受け付ける第6受付部257と、第7受付部258とを有している。第6受付部257は第1設定画面191の左側に位置しており、第7受付部258は、右側に位置している。
【0101】
第6受付部257は、菱形の図形と「モノクロスタート」の文字が表示されたアイコンであり、モノクロ画像で画像記録処理を行うための指令を受け付ける。ユーザによって第6受付部257が選択されて決定ボタン19bが押下されると、第1読取処理、画像記録処理および切断処理が開始され、画像の記録がモノクロで行われる。
【0102】
第7受付部258は、菱形の図形と「カラースタート」の文字が表示されたアイコンであり、カラー画像で画像記録処理を行うための指令を受け付ける。ユーザによって第7受付部258が選択された決定ボタン19bが押下されると、第1読取処理、画像記録処理および切断処理が開始され、画像の記録がカラーで行われる。
【0103】
図13に示されるように、制御部100は、第1設定画面191において、ユーザによって第4受付部216が押下されたかを判断する(S11)。制御部100は、第1設定画面191において第4受付部216が押下されたと判断したとき(S11:Yes)、LCD22に
図9に示す第1選択画面192を表示する(S12)。
【0104】
第1選択画面192は、先行記録データを記録用紙8に画像記録する際に原稿サイズ290などが設定できる画面である。第1選択画面192は、原稿サイズ290の他、コピー画質291、用紙タイプ292、用紙サイズ293、コピー画質濃度294、地色除去コピー295、スタック/ソート296、2イン1IDコピー297、傾き補正298等の各項目を有しており、各項目が選択可能に表示されている。つまり、各項目は、第1設定画面191の第4受付部216を押下操作して表示される先行記録データに基づく画像記録処理において設定可能な条件である。ここで、本実施形態では、スタック/ソート296において、スタック印刷が選択される。
【0105】
図13に示されるように、制御部100は、第1選択画面192においていずれかの原稿サイズ290などの設定項目が押下されたかを判断する(S13)。制御部100は、第1選択画面192においていずれの設定項目も選択されていないと判断したとき(S13:No)、いずれかの設定項目が選択されるまで設定項目が押下されたかを判断する。制御部100は、第1選択画面192においていずれかの設定項目が選択されたと判断したとき(S13:Yes)、設定項目の設定を反映するとともに第1設定画面191を表示する(S10)。ここで、原稿サイズ290などの設定項目が押下された場合には、より詳細な設定が選択可能な画面が表示されるが、ここでは詳細な説明は割愛する。また、第1選択画面192は、設定項目を選択しなくても第1設定画面191に戻るボタンを有していてもよい。
【0106】
原稿サイズ290が選択されたときには、
図8に示されるように、第1設定画面191の左側に位置する第1サイズ情報表示244において、「原稿サイズ」の文字とともにその下方において原稿9のサイズが表示される。右側に位置する第2サイズ情報表示245には、「出力サイズ:」の文字とともに切断後の記録用紙8のサイズと、「拡縮:」の文字とともに原稿9に対する切断後の記録用紙8の大きさを倍率で表した値が表示される。
【0107】
例えば、第1選択画面192で選択した原稿サイズ290がA4サイズである場合、第1サイズ情報表示244の原稿サイズ290は「A4」と表示される。第1選択画面192で選択した用紙サイズがA5である場合、第2サイズ情報表示245の出力サイズは「A5」、拡縮が「70%」と表示される。つまり、切断処理にて1枚の記録用紙8が二分割されるものとして設定される。
【0108】
図13に示されるように、制御部100は、ステップS11において、第1設定画面191において第4受付部216が押下されていないと判断したとき(S11:No)、第6受付部257および第7受付部258のいずれかが押下されたかを判断する(S14)。制御部100は、第1設定画面191において第6受付部257および第7受付部258のいずれもが押下されていないと判断したとき(S14:No)、第4受付部216が押下されていないかを判断する(S11)。制御部100は、第1設定画面191において第6受付部257および第7受付部258のいずれかが押下されたと判断したとき(S14:Yes)、第1読取処理を開始しADF12cによって先行記録データを取得する(S15)。
【0109】
本実施形態においては読取処理として、先行の原稿9の画像をスキャナ部12によって読み取って先行記録データ(第1記録データの一例)を生成する第1読取処理と、後続の原稿9の画像を読み取って後続記録データ(第3記録データの一例)を生成する第2読取処理とが行われる。読取処理では、原稿9の画像を読み取る。ユーザは、
図4に示されるように、原稿9の画像が記録された面を下方へ向けた状態で、複数枚の原稿9をADF原稿トレイ120に載置する。
【0110】
制御部100は、第6受付部257および第7受付部258のいずれかが押下されたことに応じて、LF搬送モータ110を駆動する。LF搬送モータ110が駆動され、搬送機構123の各ローラ164,166,168,171が駆動すると、複数枚の原稿9のうちの最下位置の原稿9がADF原稿トレイ120から搬送される。
【0111】
原稿センサ91は、ADF原稿トレイ120から搬送された原稿9の前端を検知する。制御部100は、原稿センサ91の検知信号に基づいて、原稿9を所定距離だけ搬送した後、CIS85による読取処理を開始する。
【0112】
原稿センサ91を通過した原稿9は、更に、位置決め部材131に案内されて第1画像読取ユニット84に至ると、CIS85によって画像が読み取られる。画像が読み取られた後、原稿9は、先端部分が斜め上方へ案内される。原稿9は、第3ローラ171の外周面上を左方向から右方向に大きく反るように搬送される。
【0113】
原稿9は、第3ローラ171,172によって狭持されつつ搬送向き124の下流へ搬送される。制御部100は、画像の読み取りを終えた原稿9を所定距離だけ搬送してADF排出トレイ121に排出する。
【0114】
ステップS15において、制御部100は、2頁分の原稿9の画像を読み取る。なお、制御部100は、読み取るべき原稿9が1頁分しかない場合には、1頁分の原稿9の画像を読み取る。そして、制御部100は、読み取った分の原稿9に最終頁が含まれるかを判定する(S16)。例えば、スキャナ部12のADF原稿トレイ120に原稿検知センサが設けられていれば、原稿検知センサが原稿9を検知しているか否かによって最終頁が含まれるかを制御部100は判定する。原稿検知センサから原稿9を検知する信号を取得したとき、ADF原稿トレイ120に原稿9が残っていることから、制御部100は、読み取った分の原稿9に最終頁が含まれていないと判定する(S16:No)。原稿検知センサから原稿9を検知しない信号を取得したとき、ADF原稿トレイ120に原稿9が残っていないことから、制御部100は、読み取った分の原稿9に最終頁が含まれていると判定する(S16:Yes)。
【0115】
制御部100は、読み取った分の原稿9に最終頁が含まれていないと判定したとき(S16:No)、画像記録処理(S17)および切断処理(S18)を実行する。
【0116】
画像記録処理は、原稿9を第1読取処理によって読み取って生成した先行記録データに基づいて記録部17が記録用紙8に画像を記録する処理である。画像記録処理においてプログラム99は、画像記録処理において先行記録データから、記録部17によって記録用紙8に画像を記録するための画像データ情報を生成する生成処理が実行可能である。また、プログラム99は、画像データ情報を制御部100から記録部17に送信する送信処理が実行可能である。
【0117】
第1読取処理または第2読取処理により生成された先行記録データを受信した制御部100は、給送用モータ113を駆動し給送ローラ32を回転させる。
図2に示されるように、最上位の1枚のA4の記録用紙8が給紙カセット15から搬送路21に送り出される。制御部100は、搬送用モータ116を駆動しPFローラ対25を回転させる。これにより、給紙カセット15から搬送路21に送り出された記録用紙8は、PFローラ対25によって記録ヘッド37の下方へ搬送され、プラテン36によって下方から支持された状態になる。
【0118】
記録用紙8の搬送が停止されている間に、制御部100は、CRモータ115を駆動しキャリッジ35を左右方向2に移動させる。このとき、記録ヘッド37から記録用紙8に向けてインクを吐出させる。これにより、記録用紙8に1パス分の画像が記録される。記録用紙8の搬送および停止が繰り返されて、所定パス分の画像の記録が行われることにより、記録用紙8への画像の記録が終了する。ここでは、A4の記録用紙8に対して、2枚のA5の記録用紙分の画像の記録が行われる。例えば、制御部100は、読取処理で読み取ったA4サイズの画像をA5サイズに縮小して記録用紙8に画像を記録する。制御部100は、画像を記録する際に、搬送用モータ116を駆動して第1排出ローラ対27を回転させる。これにより、プラテン36を通過した記録用紙8は、切断部45の下方へ搬送される。
【0119】
切断処理は、画像記録処理された記録用紙8を搬送方向の中央位置で切断部45によって切断する処理である。以下では、1枚のA4サイズの原稿9の画像が、A5サイズに縮小されて2枚のA5サイズの記録用紙8に画像が記録される場合について説明している。切断処理においてプログラム99は、切断部45によって記録用紙8を記録用紙8の搬送方向の中央位置で切断するためのシート切断情報を生成する切断情報生成処理が実行可能であり、シート切断情報を制御部100から切断部45に送信する送信処理が実行可能である。
【0120】
記録用紙8の搬送方向における中央が切断部45の下方へ搬送されると、制御部100が切断用モータ114を駆動して駆動プーリ92を回転させる。これにより、カッタキャリッジ82がガイドレール81に沿って停止位置(
図3に示される切断部45の位置)から右方へ移動する。A4の記録用紙8が搬送方向の中央位置においてカッタ83および固定刃95によって挟み込まれて左右方向2に沿って切断され、2枚のA5の記録用紙になる。切断された2枚のA5の記録用紙は、第2排出ローラ対28によって搬送路21から排紙トレイ18に排出される(S19)。
【0121】
1枚の記録用紙8への画像記録処理、切断処理、及び排出処理が終了すると、制御部100は、EEPROM104に記憶された部数分だけの画像記録処理(S17)を実行したかを判定する(S20)。本実施形態では、EEPROM104に「3部」が記憶されているので、制御部100は、1部目および2部目の画像記録処理(S17)を実行した後はステップS20はNoと判定してステップS17の処理へ戻る。制御部100は、ステップS20にて3部に到達したと判断した場合、ステップS20はYesと判定してステップS15の処理へ戻る。
【0122】
図13に示されるように、制御部100は、読み取った分の原稿9に最終頁が含まれていると判定したとき(S16:Yes)、読み取った先行記録データから切断後の記録用紙8が余るかを判断する(S21)。
【0123】
本実施形態における切断処理では1枚の記録用紙8が2枚の記録用紙8に切断されるため、先行記録データに基づいて画像記録するときの全頁数が奇数になる場合には切断後の記録用紙8は余る。また、先行記録データに基づいて画像記録するときの全頁数が偶数になる場合には切断後の記録用紙8は余らない。ステップS15では、2頁分の原稿9の画像読取りが可能であり、ステップS15で読み取った原稿9が1頁の最終頁のみであれば、原稿9のページ数は奇数であり、最終頁を含む2頁であれば、原稿9のページ数は偶数である。
【0124】
制御部100は、切断後の記録用紙8が余らないと判断したとき(S21:No)、取得した先行記録データに基づいて画像記録処理(S36)および切断処理(S37)を行い、切断後の記録用紙を排紙トレイ18に排出して(S38)、EEPROM104に記憶された部数分だけの画像記録処理(S17)を実行したかを判定する(S39)。制御部100は、1部目および2部目の画像記録処理(S36)を実行した後はステップS39はNoと判定してステップS36の処理へ戻る。制御部100は、3部目の画像記録処理(S36)を実行した後はステップS39はYesと判定して、一連の読取処理、画像記録処理、及び切断処理を終了する。
【0125】
制御部100は、切断後の記録用紙8が余ると判断したとき(S21:Yes)、取得した先行記録データに基づく画像記録処理を行わずに、LCD22に第1画面194を表示する(S22)。
【0126】
図10に示されるように、第1画面194は、記録用紙8を切断処理することで切断した用紙が余ることを表示する画面であり、また、別の記録データを追加して余った用紙に記録することで用紙の余りを使うことができることを表示する画面である。第1画面194には、残存メッセージ(第1オブジェクトの一例)260と、追加メッセージ(第5オブジェクトの一例)261とが表示される(表示処理の一例)。また、第1画面194は、第8受付部320(第6オブジェクトの一例)と、第9受付部321とを有している。
【0127】
残存メッセージ260は、第1画面194の上下方向1における中央に表示される。残存メッセージ260は、「最終頁のA5分が余ります。」の文字で表示されるメッセージである。
【0128】
追加メッセージ261は、第1画面194の上下方向1における中央に表示される残存メッセージ260の後に続く文字である。追加メッセージ261は、「別の記録データを追加することにより、余りを無くすことができます。追加しますか?」の文字で表示されるメッセージである。
【0129】
第8受付部320は、追加メッセージ261に従って後続記録データを追加して画像記録処理を行う指令を受け付ける。第8受付部320は、「Yes」の文字で表れたアイコンである。第8受付部320は、第1画面194の下側に配置されている。第8受付部320は、第1画面194の左側に位置する。
【0130】
第9受付部321は、追加メッセージ261に従わず後続記録データを追加しないで画像記録処理を行う指令を受け付ける。第9受付部321は、「No」の文字で表れたアイコンである。第9受付部321は、第1画面194の下側における第8受付部320の右方に配置されている。
【0131】
第1画面194においては、残存メッセージ260及び追加メッセージ261が表示されるため、ユーザに切断後の記録用紙8が余ることと、後続記録データを追加することで余りを解消できることを報知できる。これにより、ユーザは、第1画面194から、後続記録データに基づいて画像記録処理及び切断処理を行うか、切断後の記録用紙8を余らせて先行記録データに基づいて画像記録処理及び切断処理を行うか、選択できる。
【0132】
図13に示されるように、制御部100は、第1画面194において、第8受付部320が押下されたかを判断する(S23)。制御部100は、第8受付部320が押下されなかったと判断したとき(S23:No)、第1画面194において第9受付部321が押下されたかを判断する(S24)。制御部100は、第9受付部321が押下されなかったと判断したとき(S24:No)、ステップS23へ戻る。
【0133】
制御部100は、第9受付部が押下されたと判断したとき(S24:Yes)、先行記録データに基づいて画像記録処理(S36)及び切断処理(S37)を行い、切断後の記録用紙を排紙トレイ18に排出して(S38)、EEPROM104に記憶された部数分だけの画像記録処理(S17)を実行したかを判定する(S39)。制御部100は、1部目および2部目の画像記録処理(S36)を実行した後はステップS39はNoと判定してステップS36の処理へ戻る。制御部100は、3部目の画像記録処理(S36)を実行した後はステップS39はYesと判定して、一連の読取処理、画像記録処理、及び切断処理を終了する。
【0134】
制御部100は、ステップS20において、第8受付部320が押下されたと判断したとき(S23:Yes)、LCD22に第2設定画面195を表示する(S25)。
【0135】
第2設定画面195は、後続記録データを記録用紙8に画像記録処理し、切断処理を行うことについて表示する画面である。
図11に示されるように、第2設定画面195は、第1設定画面191と異なり、保留メッセージ265と、カウンタ217と、第10受付部325とを有する。第2設定画面195は、第1設定画面191と同様の部分については、同じ符号を付し説明を省略する。
【0136】
保留メッセージ265は、第2設定画面195の第4受付部216の上方に配置されている。保留メッセージ265は、記録用紙8を切断処理することで切断した用紙が余ることを表示するメッセージであり、「最終頁の印刷が保留になっています」の文字で表示されるメッセージである。
【0137】
カウンタ217は、第6受付部257又は第7受付部258が押下され先行記録データの第1読取処理が開始されたときに、「頁数」の文字の右方にADF12cが読み取った原稿9の頁数を表示する。
【0138】
第10受付部325は、「最終頁印刷」の文字が表示されたアイコンであり、先行記録データの画像記録処理における最終頁の画像記録と、後続記録データの画像記録処理を開始する指令を受け付ける。第2設定画面195の最下段の左側に位置する。つまり、第2設定画面195には、第1設定画面191のように第8受付部320の位置に第10受付部325が替わって配置されている。
【0139】
図13に示されるように、制御部100は、第2設定画面195において、ユーザによって第4受付部216が押下されたかを判断する(S26)。制御部100は、第2設定画面195において第4受付部216が押下されたと判断したとき(S26:Yes)、LCD22に
図12に示す第2選択画面196を表示する(S27)。
【0140】
図12に示されるように、第2選択画面196は、後続記録データを記録用紙8に画像記録する際に原稿サイズ290などが設定できる画面である。第2選択画面196は、原稿サイズ290、コピー画質291、用紙タイプ292、用紙サイズ293、コピー画質濃度294、地色除去コピー295、スタック/ソート296、2イン1IDコピー297、傾き補正298、カラー/モノクロ299の各項目を有している。
【0141】
第2選択画面196は、例えば、スタック/ソート296、2イン1IDコピー297の各項目が選択可能に表示され、一方、原稿サイズ290、コピー画質291、用紙タイプ292、用紙サイズ293、コピー画質濃度294、地色除去コピー295、傾き補正298、カラー/モノクロ299の各項目の選択が制限されてグレーアウト表示される。グレーアウト表示された項目は、第1選択画面192において既に設定した項目によって、後続記録データの画像記録処理において設定を変更できない項目である。
【0142】
例えば、記録用紙8のサイズである原稿サイズ290、記録用紙8の切断後のサイズである用紙サイズ293、及び記録用紙8の用紙の種類である用紙タイプ292は、先行記録データの最終頁と後続記録データの最初の頁とが同じ記録用紙8に記録されるために選択することができない。よって、これら各項目がグレーアウトされる。また、コピー画質291、コピー画質濃度294、地色除去コピー295、傾き補正298、カラー/モノクロ299などの画像記録処理に関する設定の場合には、先行記録データの最終頁と後続記録データの最初の頁とが同じ記録用紙8に記録されるために、特別な処理をしなければ記録用紙8の一部で行った画像記録処理とは異なる画像記録処理を他の一部で行うことが難しい。よって、これら各項目がグレーアウトされる。しかしながら、特別な処理を実行できるプログラム99を搭載している場合には、これら各項目はグレーアウトされず選択可能に表示されてもよい。つまり、記録用紙8の一部で行った画像記録処理とは異なる画像記録処理を他の一部で行うことができる画像記録装置10の場合には、上記設定を変更できる制御としてもよい。また、2頁分の画像を記録用紙8の切断後の用紙に記録する2イン1IDコピー297およびスタック印刷とソート印刷とを切り替えるスタック/ソート296に関しては、変更が可能であり選択可能に表示される。ここで、以下の説明においては、第2選択画面196においてスタック印刷が選択されたこととして説明がされる。
【0143】
制御部100は、第2選択画面196においていずれかの設定項目が押下されたかを判断する(S28)。制御部100は、第2選択画面196においていずれの設定項目も選択されていないと判断したとき(S28:No)、いずれかの設定項目が選択されるまで設定項目が押下されたかを判断する。制御部100は、第2選択画面196においていずれかの設定項目が選択されたと判断したとき(S28:Yes)、設定項目の設定を反映するとともに第2設定画面195を表示する(S25)。ここで、第2選択画面196にてスタック/ソート296などの設定項目が押下された場合には、より詳細な設定が選択可能な画面が表示されるが、ここでは詳細な説明は割愛する。また、第2選択画面196は、設定項目を選択しなくても第2設定画面195に戻るボタンを有していてもよい。
【0144】
制御部100は、ステップS25において、第2設定画面195において第4受付部216が押下されていないと判断したとき(S26:No)、第10受付部325が押下されたかを判断する(S29)。制御部100は、第2設定画面195において第10受付部325が押下されていないと判断したとき(S29:No)、ステップS26へ戻る。制御部100は、第2設定画面195において第10受付部325が押下されたと判断したとき(S29:Yes)、第2読取処理を開始しADF12cによって後続記録データを取得する(S30)。ここで、後続記録データを取得する場合の詳細について説明する。第10受付部325が押下された後の1回目の後続記録データを取得する場合には、1頁分の後続記録データを取得する。これは、先行記録データの最終頁が余っているからである。また、それ以降においては2頁分の後続記録データを取得する。
【0145】
制御部100は、読み取った画像に最終頁が含まれるかを判定する(S31)。制御部100は、読み取った画像に最終頁が含まれないと判定したとき(S31:No)、既にステップS17において画像読取りを行った最終頁の画像と、後続記録データの最初の頁の画像とを、1枚の記録用紙8に画像記録を行い(S32)、記録用紙8を切断した後(S33)、排紙トレイ18に排出して(S34)、EEPROM104に記憶された部数分だけの画像記録処理(S32)を実行したかを判定する(S35)。制御部100は、1部目および2部目の画像記録処理(S32)を実行した後はステップS35はNoと判定してステップS32の処理へ戻る。制御部100は、3部目の画像記録処理(S32)を実行した後はステップS35はYesと判定して、ステップS30の処理へ戻る。ここで、画像記録(S32)では、1回目の画像記録においては先行記録データの最終頁と後続記録データの最初の頁とを1枚の記録用紙8に記録し、2回目以降は、後続記録データの2頁分のデータを1枚の記録用紙8に記録する。
【0146】
同様にして、最終頁が含まれない場合には(S31:No)、ステップS30において原稿9の画像読取りを繰り返し行い、最終頁が含まれると判定すると(S31:Yes)、最終頁を含む後続記録データに基づく画像記録処理を行い(S36)、切断処理を行った後(S37)、排紙トレイ18に排出して(S38)、EEPROM104に記憶された部数分だけの画像記録処理(S36)を実行したかを判定する(S39)。制御部100は、1部目および2部目の画像記録処理(S36)を実行した後はステップS39はNoと判定してステップS36の処理へ戻る。制御部100は、3部目の画像記録処理(S36)を実行した後はステップS39はYesと判定して、一連の読取処理、画像記録処理、及び切断処理を終了する。
【0147】
[実施形態の作用効果]
画像記録装置10によれば、記録用紙8の切断処理が行われる場合において、画像の記録が可能な切断後の記録用紙8が余ることをLCD22に表示できる。ユーザは、画像の記録を実行しようとしているデータを記録用紙8に記録した場合に切断後の記録用紙8が余ることを知るので、切断後の記録用紙8が余らないように後続記録データの画像読取を行うことにより、切断後の記録用紙8が余るのを抑制できる。
【0148】
第1設定画面191から設定した内容で先行記録データの画像記録処理を実施する際に、画像の記録がされていない切断後の記録用紙8が余る場合がある。このとき、ユーザは第8受付部320により後続記録データの追加を選択でき、後続記録データの設定を第2設定画面195から設定できる。ここで、先行記録データと後続記録データは切断する前の1枚の紙を共有して記録される。このため、第2設定画面195から設定した後続記録データの設定が第1設定画面191で設定した先行記録データの設定によって実行できない設定(例えば用紙サイズ293を変えるなどの設定)であった場合には矛盾が生じエラーとなってしまう。このような矛盾した設定とならないよう第2設定画面195の設定は、第1設定画面191の設定に応じて一部の設定が制限される。これによりユーザは、先行記録データを記録する際に余る切断後の記録用紙8に、後続記録データを記録する際に設定できる項目を正確に認識することができ、第2設定画面195の設定をスムーズに行うことができる。
【0149】
ユーザは、切断後の記録用紙8が余る場合に、第8受付部320により後続記録データを追加することを選択できる。これにより、ユーザは記録がされていない切断後の記録用紙8に後続記録データを記録することができるため、切断後の記録用紙8が余ることを抑制できる。
【0150】
[変形例1]
上述の実施形態においては、残存メッセージ260が表示される第1画面194を画像記録処理の開始後であって、最終頁分の記録用紙8が排出される前にLCD22に表示する場合を例にあげて説明したが、この構成に限らない。第1画面194は、先行記録データを取得した後であって、画像記録処理及び切断処理の開始前に表示されてもよい。例えば、読取処理において原稿9の全頁の読み取りが行われた後、画像記録処理および切断処理が行われる所謂ソート印刷により、変形例1が実施される。
【0151】
図17に示されるように、ユーザによって電源がオンにされるとLCD22にホーム画面190が表示される。ホーム画面190においてユーザによって第1受付部205が選択されることで、第1設定画面191がLCD22に表示される(S50)。ここで、本変形例1では、第1設定画面191の第5受付部218に「3部」が入力されたものとする。制御部100は、入力された部数である「3部」をEEPROM104に記憶させる。
【0152】
制御部100は、第1設定画面191において、ユーザによって第4受付部216が押下されたかを判断する(S51)。制御部100は、第1設定画面191において第4受付部216が押下されたと判断したとき(S51:Yes)、LCD22に第1選択画面192を表示する(S52)。次に、制御部100は、第1選択画面192においていずれかの原稿サイズ290などの設定項目が押下されたかを判断する(S53)。制御部100は、第1選択画面192においていずれの設定項目も選択されていないと判断したとき(S53:No)、いずれかの設定項目が選択されるまで設定項目が押下されたかを判断する。制御部100は、第1選択画面192においていずれかの設定項目が選択されたと判断したとき(S53:Yes)、設定項目の設定を反映するとともに第1設定画面191を表示する(S50)。
【0153】
ここで、本変形例1では、第1選択画面192のスタック/ソート296において、ソート印刷が選択される。ソート印刷は、画像記録処理がされ排紙された記録用紙8を1部ずつ第1頁から最終頁までページ順に揃えて排紙する制御を実行する印刷である。ソート印刷では、ユーザは排紙された記録用紙8をページ順に並べ替える手間が省かれる。フェイスアップで排紙される画像記録装置10では、1部ずつ、原稿9の最終頁から画像記録を開始することとなる。より詳細には、ADF原稿トレイ120への原稿9のセットの状態、画像記録装置10の排紙方法(フェイスアップ/フェイスダウン)、両面印刷のための搬送パスの有無、両面印刷か、複数部数が選択されているかなどの複数の要素が関係することとなるが、ここでの詳細な説明は割愛する。本変形例1では、すべての原稿9の読取処理が終了してから画像記録処理が開始される例が説明される。
【0154】
制御部100は、ステップS51において、第1設定画面191において第4受付部216が押下されていないと判断したとき(S51:No)、第6受付部257および第7受付部258のいずれかが押下されたかを判断する(S54)。制御部100は、第1設定画面191において第6受付部257および第7受付部258のいずれもが押下されていないと判断したとき(S54:No)、ステップS51へ戻る。制御部100は、第1設定画面191において第6受付部257および第7受付部258のいずれかが押下されたと判断したとき(S54:Yes)、第1読取処理を開始しADF12cによって先行記録データを取得する(S55)。ここで、本変形例1ではソート印刷が設定されているので、制御部100は、ステップS55において、先行記録データとしてすべての原稿9のデータを取得する。
【0155】
制御部100は、取得した先行記録データから切断後の記録用紙8が余るかを判断する(S56)。変形例1における切断処理では1枚の記録用紙8が2枚の記録用紙8に切断されるため、先行記録データに基づいて画像記録するときの全頁数が奇数になる場合には切断後の記録用紙8は余る。また、先行記録データに基づいて画像記録するときの全頁数が偶数になる場合には切断後の記録用紙8は余らない。制御部100は、切断後の記録用紙8が余らないと判断したとき(S56:No)、取得した先行記録データに基づいて画像記録処理を行う(S57)。制御部100は、画像記録処理の後、切断処理(S58)をした後、排紙トレイ18に排出して(S59)、EEPROM104に記憶された部数分だけの画像記録処理(S57)を実行したかを判定する(S60)。制御部100は、1部目および2部目の画像記録処理(S57)を実行した後はステップS60はNoと判定してステップS57の処理へ戻る。制御部100は、3部目の画像記録処理(S57)を実行した後はステップS60はYesと判定して、一連の読取処理、画像記録処理、及び切断処理を終了する。
【0156】
制御部100は、切断後の記録用紙8が余ると判断したとき(S56:Yes)、LCD22に第1画面194を表示する(S61)。第1画面194においては、残存メッセージ260及び追加メッセージ261が表示されるため、ユーザに切断後の記録用紙8が余ることと、後続記録データを追加できることを画像記録処理を開始する前に報知する。これにより、ユーザは、第1画面194から、後続記録データを追加するか、切断後の記録用紙8を余らせて先行記録データのみにて画像記録処理及び切断処理を行うか、を選択できる。
【0157】
制御部100は、第1画面194において、第8受付部320が押下されたかを判断する(S62)。制御部100は、第8受付部320が押下されなかったと判断したとき(S62:No)、第1画面194において第9受付部321が押下されたかを判断する(S63)。制御部100は、第9受付部321が押下されなかったと判断したとき(S63:No)、ステップS62へ戻る。
【0158】
制御部100は、第9受付部が押下されたと判断したとき(S63:Yes)、ステップS57からステップS60の処理を行い、一連の読取処理、画像記録処理、及び切断処理を終了する。
【0159】
制御部100は、ステップS20において、第8受付部320が押下されたと判断したとき(S62:Yes)、LCD22に第2設定画面195を表示する(S64)。
【0160】
制御部100は、第2設定画面195において、ユーザによって第4受付部216が押下されたかを判断する(S65)。制御部100は、第2設定画面195において第4受付部216が押下されたと判断したとき(S65:Yes)、LCD22に第2選択画面196を表示する(S66)。第2選択画面196においては、実施形態と同様に、後続記録データの画像記録処理において設定できない項目についてはグレーアウト表示され選択が制限される。制御部100は、第2選択画面196においていずれかの設定項目が押下されたかを判断する(S67)。制御部100は、第2選択画面196においていずれの設定項目も選択されていないと判断したとき(S67:No)、いずれかの設定項目が選択されるまで設定項目が押下されたかを判断する。制御部100は、第2選択画面196においていずれかの設定項目が選択されたと判断したとき(S67:Yes)、設定項目の設定を反映するとともに第2設定画面195を表示する(S64)。ここで、以下の説明においては、第2選択画面196においてソート印刷が選択されたこととして説明がされる。
【0161】
制御部100は、ステップS65において、第2設定画面195において第4受付部216が押下されていないと判断したとき(S65:No)、第10受付部325が押下されたかを判断する(S68)。制御部100は、第2設定画面195において第10受付部325が押下されていないと判断したとき(S68:No)、第4受付部216が押下されていないかを判断する(S65)。制御部100は、第2設定画面195において第10受付部325が押下されたと判断したとき(S68:Yes)、第2読取処理を開始しADF12cによって後続記録データを取得する(S69)。
【0162】
制御部100は、1枚の記録用紙8に、取得した先行記録データおよび後続記録データの少なくともいずれかに基づき画像記録処理を行い(S70)、切断処理(S71)をした後、排紙トレイ18に排出して(S72)、EEPROM104に記憶された部数分だけの画像記録処理(S70)を実行したかを判定する(S73)。制御部100は、1部目および2部目の画像記録処理(S70)を実行した後はステップS73はNoと判定してステップS70の処理へ戻る。制御部100は、3部目の画像記録処理(S70)を実行した後はステップS73はYesと判定して、一連の読取処理、画像記録処理、及び切断処理を終了する。
【0163】
ここで、ステップS70~S73の処理ついて詳しく説明する。例えば、先行記録データ3頁を3部、後続記録データ3頁を3部と設定されていた場合には、9枚の記録用紙8にそれぞれ原稿9の2頁ずつが記録されて切断され、合計18枚の用紙が排紙トレイ18にフェイスアップで排出される。詳細には、1枚目の記録用紙8には先行記録データの第3頁および第2頁が記録され、2枚目の記録用紙8には先行記録データの第1頁および第3頁が記録され、3枚目の記録用紙8には先行記録データの第2頁および第1頁が記録され、4枚目の記録用紙8には先行記録データの第3頁および第2頁が記録され、5枚目の記録用紙8には先行記録データの第1頁および後続記録データの第3頁が記録される。その後、6枚目の記録用紙8には後続記録データの第2頁および第1頁が記録され、7枚目の記録用紙8には後続記録データの第3頁および第2頁が記録され、8枚目の記録用紙8には後続記録データの第1頁および第3頁が記録され、9枚目の記録用紙8には後続記録データの第2頁および第1頁が記録される。排紙トレイ18において、先行記録データの3部と後続記録データの3部とがソートされた状態で積み上がる。この場合、切断後の用紙に余りは生じない。
【0164】
他方、例えば後続記録データ3頁が2部と設定されていれば、切断後の用紙に余りが生じる。この場合、制御部100は、8枚目の記録用紙8に後続記録データの第1頁が記録せず、ステップS56において余りが生じると判定して(S56:Yes)、第1画面194を表示して(S61)、以降の制御フローを開始してもよい。つまり、制御部100は、後続記録データに更に後続記録データを追加できるように制御してもよい。これにより、切断後の用紙に余りが生じなくなるまで、記録データを追加できることとなる。
【0165】
[変形例1の作用効果]
変形例1によれば、記録用紙8の切断処理が行われる場合において、ユーザは、画像記録処理及び切断処理を開始するより前に残存メッセージ260の表示を第1画面194で確認することができ、他の原稿の読み取りを追加するか否かを選択できる。これにより、切断後のシートが余らないようにできるので、画像記録がされていない切断後のシートが生じることを抑制できる。
【0166】
[変形例2]
上述の実施形態および変形例1においては、画像の記録がされない切断後の記録用紙8に後続記録データに基づく画像記録処理を行うことで、画像の記録がされない切断後の記録用紙8が生じるのを抑制する場合を例にあげて説明したが、この構成に限らない。画像記録装置10は、先行記録データに基づく画像記録処理において画像記録処理を行う記録部数を変更することにより、先行記録データに基づく画像記録処理において切断後の記録用紙8が余らないように設定してもよい。つまり、先行記録データに基づく画像記録処理における設定を変更して、新たな画像記録データ(第2記録データの一例)に基づく画像記録処理の頁数を画像記録してもよい。
【0167】
具体的には、制御部100は、先行記録データを取得した後に、ステップS22およびステップS61において表示する第1画面194に代えて、
図14に示す第1画面194Aを表示する。第1画面194Aには、残存メッセージ260Aの後に続く文字として、設定変更メッセージ(第2オブジェクトの一例)330が表示される。設定変更メッセージ330は、「記録設定を変更することにより、余りを無くすことができます。変更しますか?」の文字で表示されるメッセージである。第1画面194Aのその他の構成は上述した実施形態と同様である。
【0168】
第1画面194Aは、設定変更メッセージ330に従って設定変更を行ってから画像記録処理を行う指令を受け付ける第8受付部(第3オブジェクトの一例)320Aと、設定変更メッセージ330に従わず設定変更することなく画像記録処理を行う指令を受け付ける第9受付部321Aとを有している。
【0169】
なお、上述の実施形態および変形例1では、先行記録データ及び後続記録データをスキャナ部12によって読取処理されたがこの限りではない。先行記録データおよび後続記録データの少なくとも一方が、例えばUSBメモリなどの各種記憶媒体から読み取ったデータや、パソコンなどの外部情報機器が記憶するデータであってもよい。このような場合には、制御部100は、読取処理をすることなく、データの取得によってすべての頁数を判定することができる。
【0170】
制御部100は、先行記録データを取得すると、
図15に示される第1設定画面191Aを表示する。ユーザは、選択ボタン19aを操作して第1設定画面191Aにおいて第5受付部(第4オブジェクトの一例)218Aを選択し、決定ボタン19bを押下することで先行記録データに基づく画像記録処理を行う記録部数を設定可能である。また、第4受付部216を選択して決定ボタン19bを押下することで、第1選択画面192において各種設定を行うことができる。
【0171】
制御部100は、取得した先行記録データの全頁数、切断処理による切断枚数、第4受付部216の設定情報、第5受付部218Aの部数の情報などから、現在の印刷設定により取得した先行記録データに基づく印刷を行うと、記録用紙8を切断した後に用紙が余るかを判定できる。制御部100は、切断後の用紙が余ると判定したときには、
図15に示されるように、第1設定画面191Aの最上段の右側に残存メッセージ331をチェックボックスがチェックされた状態で表示する。制御部100は、切断後の用紙が余らないと判定したときには、残存メッセージ331をチェックボックスがチェックされていない状態で表示する。ユーザは、この表示により切断後の用紙が余るか否かを画像記録前に確認することができ、設定を変更することができる。なお、残存メッセージ331はチェックボックスを有しなくてもよい。例えば、制御部100は、残存メッセージ331を表示するか非表示とするかによって、切断後の用紙が余るか否かをユーザに知らせてもよい。
【0172】
[変形例2の作用効果]
第1画面194Aにおいて残存メッセージ260Aとともに、先行記録データの設定の変更に関する設定変更メッセージ330が表示されるため、ユーザは記録部数についての設定の変更ができることを認識できる。これによりユーザは記録が可能な切断後の記録用紙8が生じない設定に変更することを検討でき、記録がされていない切断後のシートが生じることを抑制できる。
【0173】
また、ユーザは、切断後の記録用紙8が余る場合に、設定変更メッセージ330により記録部数の変更を選択できる。これにより、切断後の記録用紙8が余るのを抑制できる。
【0174】
また、例えば1枚の記録用紙8を切断部45によって2枚に切断し、この切断した記録用紙8のそれぞれに1頁分の画像を記録する場合に、切断した記録用紙8を何枚消費するかは、記録する頁数と記録部数とによって決定される。記録頁数が5頁であり、記録部数が2部である場合には記録頁の総数は10頁となり、切断前の記録用紙8を5枚消費し、記録がされていない切断後の記録用紙8は生じない。しかし記録頁数が5頁であり、記録部数が3部である場合には記録頁の総数は15頁となり、切断前の記録用紙8を8枚消費し、記録がされていない切断後の記録用紙8が生じることになる。ここで、記録部数の変更を選択する第5受付部218が表示される第1設定画面191に、記録部数の設定に基づいて残存メッセージ331が表示されるため、ユーザは、切断後の記録用紙8が余るか否かを確認しながら記録部数を設定することができる。このため、切断後の記録用紙8が生じることを抑制できる。
【0175】
[変形例3]
上述の実施形態では、画像記録装置10が単独で使用される場合について説明したが、これに限られない。画像記録装置10は、
図16に示されるようにスマートフォン340、タブレット端末(図示省略)、或いはコンピュータ341などの外部装置344と通信インターフェース(図示省略)によって接続されて使用されていてもよい。
【0176】
図16(a)に示されるように、画像記録装置10がスマートフォン340、或いはタブレット端末に接続されているとき、スキャン機能においては、スキャナ部12により読み取られた原稿9の画像データが画像記録装置10と有線或いは無線で接続されたスマートフォン340、或いはタブレット端末に送信される。また、ホーム画面190、第1設定画面191、第1選択画面192、第1画面194、第2設定画面195、第2選択画面196については、スマートフォン340、或いはタブレット端末に表示される。
【0177】
図16(b)に示されるように、画像記録装置10がコンピュータ341に接続されている場合は、スキャナ部12により読み取られた原稿9の画像データが画像記録装置10と有線或いは無線で接続されたコンピュータ341に送信される。ホーム画面190、第1設定画面191、第1選択画面192、第1画面194、第2設定画面195、第2選択画面196は、コンピュータ341に接続されたモニタ(表示部の一例)342に表示される。
【0178】
[変形例3の作用効果]
記録用紙8の切断処理が行われる場合において、画像の記録が可能な切断後の記録用紙8が余ることを外部装置344の画面343或いはモニタ342に表示する。ユーザは、実行しようとしているデータを画像記録した場合には切断後の記録用紙8が余ることを画像の記録前に外部装置344から知ることができる。これにより、ユーザは、切断後の記録用紙8が余らない設定に変更することが可能となり、切断後の記録用紙8が余るのを抑制できる。
【0179】
[その他の変形例]
上述の実施形態では、記録用紙8を切断部45によって2枚に切断したがこれに限らない。記録用紙8を切断部45などによって3枚以上に切断してもよい。記録用紙8が切断された後の枚数が増えることにより、ユーザは、原稿9の頁数と記録部数とから、切断後の記録用紙8に余りが生じるか否かを判断することが難しくなる。このような場合に、切断後の記録用紙8に余りが生じることがLCD22に表示されることは有用である。
【0180】
また、上記実施形態では、A4の記録用紙8が搬送方向の中央位置において切断され、2枚のA5の記録用紙になる場合について例を挙げて説明したが、記録用紙8のサイズ、或いは、記録用紙8の切断される位置は、これに限らない。切断される記録用紙8のサイズは、A4以外のA3、B4、B5等、或いは、規格外のサイズの記録用紙8を切断してもよい。また、記録用紙8の切断される位置は、記録用紙8の搬送方向の中央位置からずれた位置であってもよい。すなわち、切断されたそれぞれの記録用紙8のサイズが互いに異なるサイズであってもよい。また、記録用紙8の切断される位置は、1箇所に限らない、例えば、記録用紙8は、切断位置が2箇所以上であってもよく、切断部45によって複数に切断されるものであってもよい。
【0181】
また、上記実施形態では、読取処理においてADF12cによって複数の原稿9を連続して読み取る場合を例にあげて説明したが、この場合に限らない。読取処理においては、複数の原稿9がFBSによって1枚ずつユーザによって読取領域80Bに載置され読み取りが行われるものであってもよい。この場合、画像記録装置10は、読み取った原稿9を取り除き、次頁の原稿9に交換することを促すメッセージがLCD22に表示されるものであってもよい。
【0182】
また、上記実施形態では、記録用紙8が搬送方向の中央位置においてカッタ83および固定刃95によって挟み込まれて左右方向2に沿って切断される場合を例にあげて説明したが、この構成に限らない。カッタ83および固定刃95は、例えば、搬送方向に平行な方向に配置されており、記録用紙8を左右方向2の任意の位置で前後方向3に沿って切断するものであってもよい。
【0183】
また、上記実施形態では、原稿9には片面のみに画像が記録されており、CIS85によって読取処理される場合を例にあげて説明したがこの構成に限らない。原稿9は両面に画像が記録されていてもよく、スキャナ部12はCIS85に加えて原稿9の裏面の画像を読み取る第2のCISを備えるものであってもよい。
【0184】
また、上記実施形態では、第1選択画面192及び第2選択画面196は、原稿サイズ290の他、コピー画質291、用紙タイプ292、用紙サイズ293、コピー画質濃度294、地色除去コピー295、スタック/ソート296、2イン1IDコピー297、傾き補正298、カラー/モノクロ299等の各項目を有している場合を例にあげて説明したが、この構成に限らない。例えば、画像記録装置10は、両面コピー可能な構成を備えるものであってもよく、第1選択画面192及び第2選択画面196において、両面コピーの項目を有するものであってもよい。
【0185】
また、原稿サイズ290の選択においては、A3サイズ、A4サイズ、A5サイズ、B4サイズ、B5サイズのほか、スキャナ部12に読み取られる原稿9のサイズを自動で検知できる自動検知が含まれていてもよい。このとき第1サイズ情報表示244において、原稿サイズが自動検知と表示される。
【0186】
また、上記実施形態では、第1選択画面192及び第2選択画面196において原稿サイズ290が選択されたときには第1設定画面191及び第2選択画面196の第1サイズ情報表示244に原稿サイズ290が文字で表示されることについて説明したが、この構成に限らない。第1サイズ情報表示244は、原稿サイズの変更を受け付ける機能を有していてもよい。つまり、第1サイズ情報表示244はユーザによる操作を受け付ける受付部であってもよい。
【0187】
また、上記実施形態では、画像記録装置10の前面上部に操作部19と、LCD22とが設けられており、操作部19の操作によって画面が動作する場合を例にあげて説明したが、この構成に限らない。操作部19およびLCD22は、タッチパネルであってもよい。
【0188】
また、上記実施形態では、切断部45は、カッタ83と固定刃95とによって記録用紙8が切断されるが、切断部45の構造は、特に限定されることはない。例えば、切断部45は、固定刃95に代えて、カッタ83のような2枚の円盤形状の回転刃がカッタキャリッジ82に搭載されていてもよい。
【0189】
また、上記実施形態では、読取処理されたA4の原稿9の画像がA4の記録用紙8に記録された後に画像の記録が行われた記録用紙8が2枚のA5用紙にカットされる場合を例にあげて説明したが、この順番に限らない。例えば、A4の記録用紙8が切断処理によって2枚のA5の記録用紙8に切断された後に、それぞれの記録用紙8に読取処理された原稿9の画像が記録されてもよい。
【0190】
また、上記実施形態では、ユーザによって各種のアイコンが選択されたことに応じて画面が遷移するが、画面の遷移は、LCD22に表示されている画面のすべてが切り替わる場合に限らず、画面の一部が切り替わる場合も含む。
【0191】
また、上記実施形態では、ホーム画面190においてユーザが読取処理、画像記録処理および切断処理を行う操作を行ったとき、制御部100が、LCD22に第1設定画面191を表示する場合を例にあげて説明したが、これに限らない。例えば、制御部100が、第1設定画面191を、LCD22内の任意の領域内にポップアップ表示するものであってもよい。また、LCD22が、LCD22の任意の領域内またはLCD22以外の箇所に各種メッセージを表示するメッセージ表示バー(図示省略)を有しており、上述した第1設定画面191の表示内容がメッセージ表示バーに表示されるものであってもよい。
【符号の説明】
【0192】
7・・・記録用紙8の搬送向き
8・・・記録用紙(シート)
9・・・原稿
10・・・画像記録装置
12・・・スキャナ部(読取部)
22・・・LCD(表示部)
43・・・搬送部
45・・・切断部
99・・・プログラム
100・・・制御部
191・・・第1設定画面
194,194A・・・第1画面
195・・・第2設定画面
218・・・第5受付部
218A・・・第5受付部(第4オブジェクト)
260・・・残存メッセージ(第1オブジェクト)
261・・・追加メッセージ(第5オブジェクト)
320・・・第8受付部(第6オブジェクト)
320A・・・第8受付部(第3オブジェクト)
330・・・設定変更メッセージ(第2オブジェクト)
341・・・コンピュータ
342・・・モニタ(表示部)
343・・・画面(表示部)
344・・・外部装置