(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023151279
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】搬送装置及び工作機械
(51)【国際特許分類】
B25J 19/00 20060101AFI20231005BHJP
B23Q 11/08 20060101ALI20231005BHJP
B23Q 1/00 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
B25J19/00 F
B23Q11/08 Z
B23Q1/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022060812
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】佐野 巌根
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 雄之介
(72)【発明者】
【氏名】松浦 稔
【テーマコード(参考)】
3C011
3C048
3C707
【Fターム(参考)】
3C011DD00
3C048AA07
3C707AS05
3C707BS10
3C707CV08
3C707CW08
3C707CX01
3C707CX03
3C707CY03
3C707CY06
3C707CY07
3C707CY12
3C707DS01
3C707HS27
3C707HT22
3C707HT24
(57)【要約】
【課題】小型軽量化を図ることができる搬送装置及び工作機械を提供する。
【解決手段】本開示に係る搬送装置は、対象物を把持するハンドと、該ハンドが把持した対象物を搬送するアームと、前記ハンド又は前記アームを駆動する駆動部と、該駆動部から延びる駆動配線(第一ケーブル311、第二ケーブル441、耐捻回性ケーブル631)と、該駆動配線を、前記駆動部に動力を供給する動力供給源から延びる供給配線に接続する為のコネクタ(給電コネクタ312、給電コネクタ442、給電コネクタ632)と、前記アームを支持する中空の基台2と、該基台2の内側に設けてあり、前記コネクタを収容する収容室21とを備えることを特徴とする。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物を把持するハンドと、
該ハンドが把持した対象物を搬送するアームと、
前記ハンド又は前記アームを駆動する駆動部と、
該駆動部から延びる駆動配線と、
該駆動配線を、前記駆動部に動力を供給する動力供給源から延びる供給配線に接続する為のコネクタと、
前記アームを支持する中空の基台と、
該基台の内側に設けてあり、前記コネクタを収容する収容室と
を備えることを特徴とする搬送装置。
【請求項2】
前記収容室は、弾性部材が覆う下面開口を有し、
前記駆動配線及び前記供給配線夫々は、前記弾性部材を貫通して前記収容室の内側から前記収容室の外側に配してあることを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記基台は前記駆動配線及び前記供給配線夫々を前記基台の内側から前記基台の外側に配する為の開口を有し、
該開口は前記収容室よりも下側に位置していることを特徴とする請求項1又は2に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記アームは中空であり、
前記アームの内側に浸入した液体を排出する為の排出口が前記アームに設けてあることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の搬送装置。
【請求項5】
前記アームは揺動可能であり、長手方向が上下に向くホームポジションで静止可能であり、
前記排出口は前記アームが前記ホームポジションにある場合の前記アームの下部に位置していることを特徴とする請求項4に記載の搬送装置。
【請求項6】
前記駆動部及び前記駆動配線夫々は、耐水性及び耐油性を有することを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の搬送装置。
【請求項7】
前記駆動部は、減速機構を介して前記ハンド又は前記アームを駆動するモータを含み、
該モータ又は前記減速機構と前記モータ又は前記減速機構に隣り合う部材との間に介在することにより前記減速機構の入力軸と出力軸との間に介在する潤滑剤を液密に封止するシールと、
前記モータ、前記減速機構、及び前記シールを収容するケーシングと
を更に備えることを特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載の搬送装置。
【請求項8】
前記ハンドを駆動する為のエアパイプ用の第一コネクタと、
前記ハンドの動作を検出する為の信号線用の第二コネクタと
を更に備え、
前記アームは中空であり、
前記第一コネクタと前記第二コネクタとが、前記アームの側壁を液密に貫通して前記アームの内側から前記アームの外側に配してあることを特徴とする請求項1から7の何れか一項に記載の搬送装置。
【請求項9】
前記第二コネクタを前記アームの内側から液密に覆うカバーと、
該カバーの内側にて前記第二コネクタに接続してある信号線と
を更に備え、
前記信号線は前記カバーを液密に貫通して前記カバーの内側から前記カバーの外側に配してあることを特徴とする請求項8に記載の搬送装置。
【請求項10】
請求項1から9の何れか一項に記載の搬送装置を備え、
該搬送装置が搬送するワークを加工することを特徴とする工作機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、搬送装置及び工作機械に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、工具又はワーク等の対象物を搬送する搬送装置が普及している。
特許文献1に記載の搬送装置はハンド及びアームを備える。ハンドは対象物を把持する。ハンドが把持した対象物はハンドと共に回転移動する。アームはハンドが把持した対象物を、例えば工作機械の内外に搬送する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ハンド又はアームを駆動する駆動部から延びる配線が、動力供給源から延びる配線にコネクタを介して接続してある場合、コネクタによる接続部分に異物が付着して不具合(例えば漏電)の原因となる虞がある。
ここで、異物とは、例えば導電性を有する液体であり、水、又は切削屑を含む切削油等である。以下では異物として液状の異物を例示し、特に明記しない限り液状の異物を単に異物という。
【0005】
搬送装置がアームを支持する中空の基台を備える場合、基台全体を液密に構成して基台の内側にコネクタを配することがある。液密に構成された基台の内側に異物が浸入する虞はない。しかしながら、基台全体を液密に構成する為には多数の部材を必要とするので、搬送装置の小型軽量化を図ることができない。
【0006】
本開示の目的は、小型軽量化を図ることができる搬送装置及び工作機械を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る搬送装置は、対象物を把持するハンドと、該ハンドが把持した対象物を搬送するアームと、前記ハンド又は前記アームを駆動する駆動部と、該駆動部から延びる駆動配線と、該駆動配線を、前記駆動部に動力を供給する動力供給源から延びる供給配線に接続する為のコネクタと、前記アームを支持する中空の基台と、該基台の内側に設けてあり、前記コネクタを収容する収容室とを備えることを特徴とする。
【0008】
本開示にあっては、ハンド又はアームを駆動する駆動部から駆動配線が延びる。また、駆動部に動力を供給する動力供給源から供給配線が延びる。駆動配線と供給配線とはコネクタを介して互いに接続してある。
中空の基台の内側に設けてある収容室がコネクタを収容する。コネクタが二重に囲まれているので、コネクタによる接続部分に異物が付着することを防止できる。故に、基台全体を液密に構成する必要がない。即ち、液密の基台を構成する為の部材を省略できるので、部品点数を削減して搬送装置の小型軽量化を図ることができる。
【0009】
本開示に係る搬送装置は、前記収容室は、弾性部材が覆う下面開口を有し、前記駆動配線及び前記供給配線夫々は、前記弾性部材を貫通して前記収容室の内側から前記収容室の外側に配してあることを特徴とする。
【0010】
本開示にあっては、収容室が下面開口を有する。
弾性部材が下面開口を覆うので、下面開口を通して収容室に異物が浸入する虞はない。しかも、駆動配線及び供給配線夫々は弾性部材を貫通して収容室から垂下するので、異物が駆動配線又は供給配線を伝って収容室に浸入する虞はない。
駆動配線も供給配線も弾性部材から外力を受けて断線する虞はない。
【0011】
本開示に係る搬送装置は、前記基台は前記駆動配線及び前記供給配線夫々を前記基台の内側から前記基台の外側に配する為の開口を有し、該開口は前記収容室よりも下側に位置していることを特徴とする。
【0012】
本開示にあっては、基台が開口を有する。駆動配線及び供給配線夫々は開口を通して基台の内側から外側に配してある。基台の開口は収容室よりも下側にあるので、基台の開口を通して収容室に異物が浸入する虞はない。
【0013】
本開示に係る搬送装置は、前記アームは中空であり、前記アームの内側に浸入した液体を排出する為の排出口が前記アームに設けてあることを特徴とする。
【0014】
本開示にあっては、アームが中空である。
アームの内側に浸入した異物は、排出口を通ってアームの外側に出ていく。故にアームの内側に異物が溜まることを抑制できる。
【0015】
本開示に係る搬送装置は、前記アームは揺動可能であり、長手方向が上下に向くホームポジションで静止可能であり、前記排出口は前記アームが前記ホームポジションにある場合の前記アームの下部に位置していることを特徴とする。
【0016】
本開示にあっては、アームの排出口は、アームがホームポジションにある場合のアームの下部に位置している。非搬送時にアームをホームポジションに戻すことにより、アームの内側に浸入した異物は、排出口を通ってアームの内側から自然に出ていく。故にアームの内側に異物が溜まることを更に抑制できる。
【0017】
本開示に係る搬送装置は、前記駆動部及び前記駆動配線夫々は、耐水性及び耐油性を有することを特徴とする。
【0018】
本開示にあっては、駆動部及び駆動配線夫々が耐水性及び耐油性を有するので、駆動部を収容すべき防液室、又は駆動配線を通すべき防液路等を設ける必要がない。故に防液室又は防液路等を構成する為の部材を省略できるので、部品点数を削減して搬送装置の小型軽量化を図ることができる。
【0019】
本開示に係る搬送装置は、前記駆動部は、減速機構を介して前記ハンド又は前記アームを駆動するモータを含み、該モータ又は前記減速機構と前記モータ又は前記減速機構に隣り合う部材との間に介在することにより前記減速機構の入力軸と出力軸との間に介在する潤滑剤を液密に封止するシールと、前記モータ、前記減速機構、及び前記シールを収容するケーシングとを更に備えることを特徴とする。
【0020】
本開示にあっては、駆動部がモータを含み、モータは減速機構を介してハンド又はアームを駆動する。減速機構と減速機構に隣り合う部材との間にシールが介在する。ケーシングはモータ、減速機構、及びシールを収容する。
減速機構の入力軸と出力軸との間に潤滑剤が介在する。シールが潤滑剤を液密に封止するので、ケーシング全体を液密に構成せずとも、潤滑剤が漏れること、及び、減速機構の入力軸と出力軸との間に異物が浸入することを防止できる。即ち液密のケーシングを構成する為の部材を省略できるので、部品点数を削減して搬送装置の小型軽量化を図ることができる。
【0021】
本開示に係る搬送装置は、前記ハンドを駆動する為のエアパイプ用の第一コネクタと、前記ハンドの動作を検出する為の信号線用の第二コネクタとを更に備え、前記アームは中空であり、前記第一コネクタと前記第二コネクタとが、前記アームの側壁を液密に貫通して前記アームの内側から前記アームの外側に配してあることを特徴とする。
【0022】
本開示にあっては、第一コネクタ及び第二コネクタ夫々がアームの側壁を液密に貫通してアームの側から外側に配してあるので、第一コネクタ又は第二コネクタが貫通している部分を通してアームの内側に異物が浸入することを防止できる。
【0023】
本開示に係る搬送装置は、前記第二コネクタを前記アームの内側から液密に覆うカバーと、該カバーの内側にて前記第二コネクタに接続してある信号線とを更に備え、前記信号線は前記カバーを液密に貫通して前記カバーの内側から前記カバーの外側に配してあることを特徴とする。
【0024】
本開示にあっては、カバーがアームの内側から第二コネクタを液密に覆う。信号線はカバーを液密に貫通する。故に、アームの内側に浸入した異物がカバーの内側に浸入してコネクタによる接続部分に付着することを防止できる。
【0025】
本開示に係る工作機械は、本開示に係る搬送装置を備え、該搬送装置が搬送するワークを加工することを特徴とする。
【0026】
本開示にあっては、本開示に係る搬送装置を備えるので、小型軽量化を図ることができる。
【発明の効果】
【0027】
本開示の搬送装置及び工作機械によれば、小型軽量化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図6】第一アームの先端部及び第二アームの基端部の断面図である。
【
図7】第二アーム及びハンド用ケーシングを前側から見た斜視図である。
【
図9】第二アーム本体の第一コネクタ及び第二コネクタ付近の断面図である。
【
図11】第二アーム及びハンド用ケーシングを後側から見た斜視図である。
【
図12】ハンドの回転移動を説明する為の斜視図である。
【
図13】基台、第一ケーシング、及び第一アームの基端部の断面図である。
【
図14】第一アーム、第二アーム、及びハンド用ケーシングの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本開示の実施の形態について説明する。以下の説明では、図において矢符で示す上下、前後、及び左右を使用する。
【0030】
図1は実施の形態に係る工作機械の斜視図である。
図中1は工作機械であり、工作機械1は工場に設置してある。工作機械1は機械本体11、本体カバー12、搬送装置13、及び制御装置14を備える。
機械本体11はワークW(後述する
図11参照)に切削加工を施す。ワークWを加工する際、機械本体11は切削油(クーラント)を用いてワークWの冷却及び切削屑の洗浄等を行なう。
本体カバー12は、機械本体11がワークWを加工する加工領域を前後左右から覆う壁体である。本体カバー12の右側壁に開口121が設けてある。開口121を、前後方向にスライドする扉122が開閉する。
【0031】
搬送装置13はワーク交換装置であり、開口121を通してワークWを本体カバー12の内外に搬送する。
制御装置14は本体カバー12の背後に設けてある。制御装置14は、CPU、ROM、RAM等を備える。CPUはROMに格納した制御プログラムをRAMにロードして実行することにより、工作機械1の動作を制御する。
【0032】
搬送装置13は支持部131及びアーム装置132を備える。
支持部131は機械本体11の右側の下部に固定してある。支持部131は、アーム装置132を前後方向に移動可能に支持している。アーム装置132はワークWを搬送する場合に不図示の駆動部に駆動されて前後方向に往復移動する。以下ではアーム装置132の前後移動についての説明を省略する。
アーム装置132は支持部131から立ち上がり、開口121の右側に位置する。
【0033】
図2及び
図3はアーム装置132の斜視図及び断面図である。
アーム装置132は基台2、第一ケーシング3、第一アーム4、第二アーム5、及びハンド用ケーシング6を備える。
基台2はアーム装置132の下部を構成しており、支持部131は基台2を直接的に支持している(
図1参照)。
【0034】
図4は基台2の断面図である。
基台2は上下方向に延びる矩形箱状をなす。基台2の前側壁2aは開閉可能であり、基台2の蓋として機能する。
基台2の内側には収容室21が設けてある。収容室21の後側壁は、基台2の後側壁を兼ねる。収容室21は前面開口211及び下面開口212を有する。前面開口211及び下面開口212を除き、収容室21の内側は外部空間から液密に区画してある。前面開口211を、開閉可能な蓋板22が液密に覆っている。下面開口212を、弾性部材23が覆っている。弾性部材23は例えばスポンジであり、下面開口212の周縁部に固定してあるアングル状の支持具213が弾性部材23を支持している。
【0035】
基台2は開口24,25を有する。開口24は基台2の側壁(本実施の形態では後側壁)の下部に設けてあり、収容室21よりも下側に位置している。開口25は基台2の底壁に設けてあり、下面開口212の真下に位置している。
【0036】
図2及び
図3に示す如く、第一ケーシング3は基台2の上部に一体的に設けてある。基台2は第一ケーシング3を支持する。
図5は第一ケーシング3の断面図である。
第一ケーシング3は、軸長方向が前後に向く筒状をなす。第一ケーシング3は隔壁301を有する。隔壁301は第一ケーシング3の内面に一体に設けてあり、第一ケーシング3の内部空間を前後に二分割している。隔壁301の中央部には隔壁301を前後方向に貫通する貫通孔302が設けてある。
【0037】
第一ケーシング3の周壁の下部において隔壁301よりも前側の一部が開口している。基台2の上面は第一ケーシング3の下部開口に向けて開口しており、両者の開口を通して第一ケーシング3の内部空間と基台2の内部空間とは連通している。
第一ケーシング3は補助ケース303を有する(
図2及び
図3参照)。補助ケース303は有底筒状をなす。補助ケース303は、底面が前を向き、天面開口が第一ケーシング3の前端開口に向かい合うようにして、第一ケーシング3の前部に固定してある。
【0038】
第一ケーシング3は第一モータ31、第一減速機構32、及び第一カップリング33を収容している。
第一モータ31は耐水性及び耐油性を有する公知の電動モータである。第一モータ31の第一モータ出力軸31aは前後に向く。第一モータ31の本体は、隔壁301の前側から補助ケース303にわたり、適宜の固定用具を用いて第一ケーシング3に固定してある。第一モータ出力軸31aは、隔壁301の貫通孔302を前側から貫通している。
【0039】
第一減速機構32は公知の減速機であり、第一入力軸321、第一出力軸322、及び第一ハウジング323を備える。第一入力軸321及び第一出力軸322は互いに同軸であり、夫々の軸長方向は前後に向く。第一ハウジング323は筒状をなし、軸長方向が前後に向く。第一ハウジング323は、第一入力軸321の前端部が第一ハウジング323の前端開口から前向きに突出し、第一出力軸322の後端部が第一ハウジング323の後端開口から露出するようにして、第一入力軸321及び第一出力軸322を収容している。第一ハウジング323は、第一入力軸321の回転を減速して第一出力軸322に伝達する為の不図示の歯車も収容している。
【0040】
第一ケーシング3の後端開口を第一アーム4の円盤34が後側から覆う(
図2及び
図3参照)。以下では、円盤34、第一ケーシング3の周壁、及び隔壁301が囲んでいる空間を第一減速室35という。
【0041】
第一ハウジング323は第一減速室35に位置している。第一ハウジング323は適宜の固定用具を用いて第一ケーシング3に固定してある。第一入力軸321は、隔壁301の貫通孔302に向かって延び、第一カップリング33を介して第一モータ出力軸31aに同軸に連結してある。
第一モータ出力軸31aは正逆に回転し、第一モータ出力軸31aの回転は第一入力軸321に伝わる。第一出力軸322は円盤34に同軸に固定してある。円盤34は第一出力軸322を中心に第一出力軸322と一体的に回転可能である。
【0042】
第一ハウジング323の内側には潤滑剤が充填してある。潤滑剤は第一入力軸321と第一出力軸322との間に介在する。
第一ケーシング3は複数のシールを収容している。複数のシールは、夫々が第一減速機構32と第一減速機構32に隣り合う部材との間に介在することにより、潤滑剤を液密に封止する。故に、第一ケーシング3全体を液密に構成する必要がない。シールの個数及び夫々の配置は限定しない。
【0043】
本実施の形態では、潤滑剤は第一ハウジング323の前端開口から第一減速室35に流出し得る。第一ケーシング3の周壁の内面と第一ハウジング323の前端部の外周面との間にOリング361が介在している。第一入力軸321と隔壁301の貫通孔302の後側の開口周縁部との間にオイルシール362が介在している。
【0044】
Oリング361により、第一減速室35に流出した潤滑剤が第一ハウジング323の外面に沿って後方に流動して第一ケーシング3の後端開口から漏出することを防止できる。オイルシール362により、第一減速室35に流出した潤滑剤が貫通孔302を通り隔壁301の前側に流動して第一ケーシング3の前端開口又は下部開口から漏出することを防止できる。Oリング361及びオイルシール362により、第一減速室35に異物が浸入して潤滑剤に混入することを防止できる。
【0045】
図2及び
図3に示す如く、第一アーム4の基端部(
図3において下端)は第一ケーシング3の後側に隣り合う。第二アーム5の基端部(
図3において上端)は第一アーム4の先端部の後側に隣う。第一アーム4及び第二アーム5は本実施の形態のアームを構成している。
図5は第一アーム4の基端部の断面も示している。
図2、
図3、及び
図5に示す如く、第一アーム4の基端部は円盤34を一体に有する。第一アーム4は円盤34と一体的に回転可能である。換言すれば、第一アーム4の基端部は第一減速機構32を介して第一ケーシング3に連結してあり、第一アーム4は第一出力軸322を中心に揺動可能である。基台2は第一ケーシング3を介して第一アーム4を支持する。
【0046】
第一モータ31は第一減速機構32、第一カップリング33、及び円盤34を介して、第一アーム4を駆動する。第一減速機構32の介在により、第一モータ出力軸31aの回転は減速して第一アーム4に伝わる。第一モータ31が駆動する第一アーム4は第一出力軸322を中心に揺動する。第一アーム4は長手方向が上下に向くホームポジションで静止可能である(
図2及び
図3参照)。第一アーム4の先端部は、ホームポジションを中心に左右に往復可能である。
【0047】
図2及び
図3に示す如く、第一アーム4は、第一アーム本体41及び前段ケーシング42を備える。第一アーム本体41は一方向に長い矩形箱状をなす。円盤34には第一アーム本体41の下端部が固定してある(
図5参照)。第一アーム本体41の前面は開口している。前段ケーシング42は第一アーム本体41の上端部に一体的に設けてある。前段ケーシング42は、軸長方向が前後に向く円筒状をなす。
図3に示す如く、第一アーム本体41の前面開口及び前段ケーシング42の前端開口を、両者に共通の第一蓋板43が開閉可能に覆っている。
【0048】
図6は第一アーム4の先端部及び第二アーム5の基端部の断面図である。
前段ケーシング42は隔壁421を有する。隔壁421は前段ケーシング42の内面に一体に設けてあり、前段ケーシング42の内部空間を前後に二分割している。隔壁421の中央部には隔壁421を前後方向に貫通する貫通孔422が設けてある。
前段ケーシング42の周壁の下部において隔壁421よりも前側の一部が開口している。第一アーム本体41の上面は前段ケーシング42の下部開口に向けて開口しており、両者の開口を通して前段ケーシング42の内部空間と第一アーム本体41の内部空間とは連通している。
【0049】
隔壁421よりも後側において前段ケーシング42の周壁の下部及び第一アーム本体41の上面にわたる貫通孔401が設けてある。貫通孔401の軸長方向は上下に向く。
第一アーム本体41は連通パイプ411を収容している。連通パイプ411の軸長方向は上下に向く。連通パイプ411は、連通パイプ411の上端部を下側から貫通孔401に挿入するようにして、第一アーム本体41に固定してある。連通パイプ411の外周面と貫通孔401の内周面との間にはOリング412が液密に介在している。前段ケーシング42の内部空間と第一アーム本体41の内部空間とは、貫通孔401及び連通パイプ411を通して連通している。
【0050】
図2及び
図3に示す如く、第二アーム5は第二アーム本体51及び第二ケーシング52を備える。第二アーム本体51は一方向に長い矩形箱状をなす。第二アーム本体51の前面は開口している。
図3に示す如く、第二アーム本体51の前面開口を、第二蓋板53が開閉可能に覆っている。第二ケーシング52は有底円筒状をなし、軸長方向が前後に向き、且つ前向きに開口するようにして、第二アーム本体51の上端部に一体的に設けてある。
【0051】
図6に示す如く、第二ケーシング52は隔壁521を有する。隔壁521は第二ケーシング52の内面に一体に設けてあり、第二ケーシング52の内部空間を前後に二分割している。隔壁521の中央部には隔壁521を前後方向に貫通する貫通孔522が設けてある。
第二ケーシング52の前端開口と第一アーム4の前段ケーシング42の後端開口とは、貫通孔422,522が互いに同軸になるようにして、互いに向かい合っている。以下では、第二ケーシング52の周壁、前段ケーシング42の周壁、及び隔壁421,521が囲んでいる空間を第二減速室70という。
【0052】
第二ケーシング52の周壁の下部において隔壁521よりも後側の一部が開口している。第二アーム本体51の上面は第二ケーシング52の下部開口に向けて開口しており、両者の開口を通して第二ケーシング52の内部空間と第二アーム本体51の内部空間とは連通している。
【0053】
第一アーム4及び第二アーム5はパイプ71を収容している(
図3参照)。パイプ71は円筒状をなし、軸長方向が前後に向くようにして第一アーム4の先端部及び第二アーム5の基端部にわたる。パイプ71の前端部は隔壁421の貫通孔422に嵌め込んである。パイプ71の後端部は隔壁521の貫通孔522に嵌め込んである。パイプ71の前端部の外周面と貫通孔422の内周面との間にOリング711が液密に介在している。パイプ71の後端部の外周面と貫通孔522の内周面との間にオイルシール712が液密に介在している。パイプ71は隔壁421に固定してあるが、隔壁521には固定していない。
【0054】
第一アーム4は第二モータ44を収容している(
図3及び
図5参照)。第二モータ44は耐水性及び耐油性を有する公知の電動モータである。第二モータ44の第二モータ出力軸44aの軸長方向は上下に向く。第二モータ44の本体は、第二モータ出力軸44aが連通パイプ411を下側から貫通するようにして、適宜の固定用具を用いて第一アーム本体41に固定してある。
【0055】
第一アーム4は前段減速機構45及び第二カップリング46を収容している。前段減速機構45はベベルピニオン451及びベベルギア452を備える。ベベルピニオン451は、先端部が第二減速室70に位置するようにして貫通孔401を貫通し、第二カップリング46を介して第二モータ44の第二モータ出力軸44aに同軸に連結してある。ベベルギア452は第二減速室70に位置している。パイプ71はベベルギア452の軸心を同軸に貫通している。ベベルギア452はパイプ71を中心に回転可能であり、ベベルピニオン451に噛合している。
【0056】
前段ケーシング42及び第二ケーシング52は第二減速機構72を収容している。
第二減速機構72は公知の減速機であり、第二入力軸721、第二出力軸722、及び第二ハウジング723を備える。第二入力軸721及び第二出力軸722は互いに同軸であり、夫々の軸長方向は前後に向く。第二ハウジング723は筒状をなし、軸長方向が前後に向く。第二ハウジング723は、第二入力軸721の前端部が第二ハウジング723の前端開口から露出し、第二出力軸722の後端部が第二ハウジング723の後端開口から後向きに突出するようにして、第二入力軸721及び第二出力軸722を収容している。第二ハウジング723は、第二入力軸721の回転を減速して第二出力軸722に伝達する為の不図示の歯車も収容している。
【0057】
第二ハウジング723は第二減速室70に位置しており、適宜の固定用具を用いて前段ケーシング42に固定してある。パイプ71は第二入力軸721及び第二出力軸722夫々の軸心を同軸に貫通している。第二入力軸721及び第二出力軸722夫々はパイプ71を中心に回転可能である。
【0058】
第二入力軸721の前端部は前段減速機構45のベベルギア452に同軸に固定してあり、ベベルギア452と一体的に回転可能である。
第二モータ出力軸44aは正逆に回転し、第二モータ出力軸44aの回転は前段減速機構45のベベルピニオン451及びベベルギア452を介して減速して第二入力軸721に伝わる。第二出力軸722は第二ケーシング52の隔壁521に同軸に固定してあり、第二ケーシング52はパイプ71を中心に第二出力軸722と一体的に回転可能である。換言すれば、第二アーム5の基端部は第二減速機構72を介して第一アーム4の先端部に連結してあり、第二アーム5はパイプ71を中心に揺動可能である。
【0059】
第二モータ44は第二カップリング46、前段減速機構45、及び第二減速機構72を介して、第二アーム5を駆動する。前段減速機構45及び第二減速機構72の介在により、第二モータ出力軸44aの回転は二段階に減速して第二アーム5に伝わる。第二モータ44が駆動する第二アーム5はパイプ71を中心に揺動する。第二アーム5は長手方向が上下に向くホームポジションで静止可能である(
図2及び
図3参照)。第二アーム5の先端部は、ホームポジションを中心に左右に往復可能である。
【0060】
第二減速室70及び第二ハウジング723の内側には潤滑剤が充填してある。潤滑剤は、ベベルピニオン451とベベルギア452との間、及び第二入力軸721と第二出力軸722との間に介在する。
前段ケーシング42及び第二ケーシング52は複数のシールを収容している。複数のシールは、夫々が前段減速機構45と前段減速機構45に隣り合う部材との間、又は第二減速機構72と第二減速機構72に隣り合う部材との間に介在することにより、充填してある潤滑剤を液密に封止する。故に、第一アーム4全体及び第二アーム5全体を液密に構成する必要がない。シールの個数及び夫々の配置は限定しない。
【0061】
本実施の形態では、隔壁421の後面と第二ハウジング723の前端面の間にOリング471が介在している。隔壁521の後面と第二ハウジング723の後端面の間にOリング472が介在している。ベベルピニオン451の基端部と連通パイプ411の内周面との間にオイルシール473が介在している。
【0062】
Oリング471,472により、第二減速室70に充填してある潤滑剤が第二ハウジング723の外面に沿って前段ケーシング42の後端開口又は第二ケーシング52の前端開口から漏出することを防止できる。オイルシール473により、第二減速室70に充填してある潤滑剤が貫通孔401及び連通パイプ411を通って第一アーム本体41に浸入し、第一アーム本体41の前面開口から漏出することを防止できる。Oリング711により、第二減速室70に充填してある潤滑剤が貫通孔422を通って前段ケーシング42の前端開口から漏出することを防止できる。オイルシール712により、第二減速室70に充填してある潤滑剤が貫通孔522を通って前段ケーシング42の後端開口から漏出することを防止できる。Oリング471,472,711及びオイルシール473,712により、第二減速室70の内側に異物が浸入して潤滑剤に混入することを防止できる。
【0063】
図7は第二アーム5及びハンド用ケーシング6を前側から見た斜視図である。ただし、
図7は第二ケーシング52の上部の図示を省略している。
第二アーム5の先端部には二つの排出口54が設けてある。二つの排出口54は互いに前後に隣り合い、第二アーム5がホームポジションにある場合の第二アーム5の下部に位置している。ホームポジションにある場合の第二アーム5の下部の下部とは、例えば第二アーム5の上下方向の中心位置よりも下側の部分である。本実施の形態では、各排出口54は第二蓋板53の下縁近傍を前後方向に貫通している。
【0064】
図8は第二アーム本体51の斜視図である。
第二アーム本体51には、六つの第一コネクタ55及び四つの第二コネクタ56が設けてある。
図9は第二アーム本体51の第一コネクタ55及び第二コネクタ56付近の断面図である。
【0065】
各第一コネクタ55はエアパイプ用のコネクタである。第一コネクタ55は、一側部が第二アーム本体51の外側に位置し、他側部が第二アーム本体51の内側に位置するようにして、第二アーム本体51の左側壁を液密に貫通している。第一コネクタ55及び第二アーム本体51の左側壁の間にシールが介在している。第一コネクタ55の外側部にはエアパイプ551が接続してある。第一コネクタ55の内側部にはエアパイプ552が接続してある。
エアパイプ551,552は各1本ずつ図示してある。
【0066】
各第二コネクタ56は信号線用のコネクタである。第二コネクタ56は、一側部が第二アーム本体51の外側に位置し(
図7参照)、他側部が第二アーム本体51の内側に位置するようにして、第二アーム本体51の右側壁を液密に貫通している。第二コネクタ56及び第二アーム本体51の右側壁の間にシールが介在している。第二コネクタ56の外側部には信号線561が接続してある。第二コネクタ56の他側部には信号線562が接続してある。
信号線561,562は各1本ずつ図示してある。
【0067】
第二アーム本体51はカバー57を収容している。カバー57は、一面が開口した矩形箱状をなす。カバー57は、開口した一面が第二アーム本体51の右側壁の内面に向くようにして、四つの第二コネクタ56を第二アーム本体51の内側から液密に覆う。カバー57の開口周縁部と第二アーム本体51の右側壁の内面との間にシールが介在している。
各信号線562は、カバー57の前壁を液密に貫通してカバー57の内側から外側に配してある。本実施の形態では、防液性を有するコードロック571がカバー57の前壁を液密に貫通しており、コードロック571を信号線562が液密に貫通している。
【0068】
図2、
図3、及び
図7に示す如く、ハンド用ケーシング6は第二アーム5の先端部に一体的に設けてある。第二アーム5の先端部はハンド用ケーシング6を支持する。
図10はハンド用ケーシング6の断面図である。
図7、
図8、及び
図10に示す如く、ハンド用ケーシング6は、軸長方向が前後に向く円筒状をなす。
図7及び
図10に示す如く、第二アーム5の第二蓋板53は、第二アーム本体51の前面開口のみならず、ハンド用ケーシング6の前端開口も開閉可能に覆う。ハンド用ケーシング6の後半分は、第二アーム本体51の下端部の外面から後向きに突出している。
【0069】
図10に示す如く、ハンド用ケーシング6は隔壁601を有する。
隔壁601はハンド用ケーシング6の内面に一体に設けてあり、ハンド用ケーシング6の内部空間を前後に二分割している。隔壁601の中央部には隔壁601を前後方向に貫通する貫通孔602が設けてある。
ハンド用ケーシング6は円盤61を有する。円盤61はハンド用ケーシング6の後端開口を後側から覆う。図に示す円盤61は、中心部が開口している円盤本体、及び円盤本体の中心開口を液密に覆うキャップを備える。円盤61、ハンド用ケーシング6の周壁、及び隔壁601が囲んでいる空間を、以下ではハンド用減速室62という。
【0070】
ハンド用ケーシング6はハンド用モータ63及びハンド用減速機構64を収容している。
ハンド用モータ63は耐水性及び耐油性を有する公知の電動モータである。ハンド用モータ63のハンド用モータ出力軸63aの軸長方向は前後に向き、第二アーム5の長手方向に直交している。ハンド用モータ63の本体は隔壁601よりも前側に位置しており、適宜の固定用具を用いてハンド用ケーシング6に固定してある。ハンド用モータ出力軸63aは、隔壁601の貫通孔602を前側から貫通している。
【0071】
ハンド用減速機構64は公知の減速機であり、ハンド用入力軸641、ハンド用出力軸642、及びハンド用ハウジング643を備える。ハンド用入力軸641及びハンド用出力軸642は互いに同軸であり、夫々の軸長方向は前後に向く。ハンド用ハウジング643は筒状をなし、軸長方向が前後に向く。ハンド用ハウジング643は、ハンド用入力軸641及びハンド用出力軸642を収容している。ハンド用入力軸641の前端部はハンド用ハウジング643の前端開口から露出し、ハンド用出力軸642の後端部はハンド用ハウジング643の後端開口から露出する。ハンド用ハウジング643は、ハンド用入力軸641の回転を減速してハンド用出力軸642に伝達する為の不図示の歯車も収容している。
【0072】
ハンド用ハウジング643はハンド用減速室62に位置している。ハンド用ハウジング643は適宜の固定用具を用いてハンド用ケーシング6に固定してある。ハンド用入力軸641は筒状をなす。ハンド用モータ出力軸63aはハンド用入力軸641の内側に挿入してあり、ハンド用モータ出力軸63aとハンド用入力軸641とは互いに同軸に連結してある。ハンド用モータ出力軸63aとハンド用入力軸641との間にカップリングが介在しないので、ハンド用モータ63及びハンド用減速機構64は第一モータ31及び第一減速機構32(
図5参照)に比べて互いに前後に接近している。
【0073】
ハンド用モータ出力軸63aは正逆に回転し、ハンド用モータ出力軸63aの回転はハンド用入力軸641に伝わる。ハンド用出力軸642は円盤61に同軸に固定してある。円盤61はハンド用出力軸642を中心にハンド用出力軸642と一体的に回転可能である。
【0074】
ハンド用ハウジング643の内側には潤滑剤が充填してある。潤滑剤はハンド用入力軸641とハンド用出力軸642との間に介在する。
ハンド用ケーシング6は複数のシールを収容している。複数のシールは、夫々がハンド用モータ63とハンド用モータ63に隣り合う部材との間に介在するか、又はハンド用減速機構64とハンド用減速機構64に隣り合う部材との間に介在することにより、充填してある潤滑剤を液密に封止する。故に、ハンド用ケーシング6全体を液密に構成する必要がない。シールの個数及び夫々の配置は限定しない。
【0075】
本実施の形態では、潤滑剤はハンド用ハウジング643の前端開口及び後端開口夫々からハンド用減速室62に流出し得る。隔壁601の後面とハンド用ハウジング643の前端面との間にOリング651が介在している。ハンド用出力軸642と円盤61の内面との間にOリング652が介在している。ハンド用モータ出力軸63aと貫通孔602の内周面との間にオイルシール653が介在している。
【0076】
Oリング651,652により、ハンド用減速室62に流出した潤滑剤がハンド用ケーシング6の後端開口から漏出することを防止できる。オイルシール653により、ハンド用減速室62に流出した潤滑剤が貫通孔602を通ってハンド用ケーシング6の前端開口から漏出することを防止できる。Oリング651,652及びオイルシール653により、ハンド用減速室62の内側に異物が浸入して潤滑剤に混入することを防止できる。
【0077】
図11は第二アーム5及びハンド用ケーシング6を後側から見た斜視図である。
アーム装置132はハンドユニット8を備える。
図2及び
図3はハンドユニット8の図示を省略している。
ハンド用ケーシング6はハンドユニット8を支持する。ハンドユニット8は基板81、2つの駆動部82、及び2つのハンド83を備える(後述する
図12参照)。
【0078】
基板81は、両面が前後に向くようにして、ハンド用ケーシング6の円盤61の外面に固定してある。基板81は、ハンド用減速機構64のハンド用出力軸642を中心に円盤61と一体的に回転可能である。
基板81の縁部から2つの延出部811が外向きに延出している。2つの延出部811夫々の延出方向は互いに直交している。
【0079】
2つの駆動部82は2つの延出部811に一対一対応であり、2つのハンド83は2つの駆動部82に一対一対応である。以下では一方の延出部811、駆動部82、及びハンド83の組について説明するが、他方の延出部811、駆動部82、及びハンド83の組も同様の構成である。
【0080】
駆動部82は耐水性及び耐油性を有する公知のエアシリンダであり、2つのロッド821を備える。駆動部82の本体は適宜の固定用具を介して延出部811に固定してある。2つのロッド821は駆動部82の本体に対して互いに逆方向に出没可能である。
【0081】
ハンド83は、ハンド用ケーシング6の後半部分(第二アーム5から後向きに突出している部分)の外周面に向かい合う。ハンド83は2つの挟持片831を備える。2つの挟持片831は駆動部82の2つのロッド821に1つずつ固定してあり、2つのロッド821の出没により互いに接離する。互いに接近した2つの挟持片831がワークWを挟み持つことにより、ハンド83はワークWを把持する。
【0082】
基板81が円盤61と共に回転した場合、ハンド83はハンド用減速機構64のハンド用出力軸642を中心に回転移動する。
図12はハンド83の回転移動を説明する為の斜視図である。
図11及び
図12に示す如く、ハンド83が回転移動した場合でも、ハンド83とハンド用ケーシング6の後半部分の外周面とは常に対向している。
ハンド用モータ63はハンド用減速機構64を介して、ハンド83を駆動する。ハンド用減速機構64の介在により、ハンド用モータ出力軸63aの回転は減速してハンド83に伝わる。ハンド用モータ63が駆動するハンド83はハンド用ケーシング6の後半部分の外周面に沿って回転移動する。
【0083】
ここで、アーム装置132によるワークWの交換手順を簡単に説明する。一方のハンド83は、本体カバー12の外側にある一のワークWを把持する。第一アーム4及び第二アーム5は、一方のハンド83が把持した一のワークWを本体カバー12の内側に搬送する。他方のハンド83は、本体カバー12の内側に置いてある他のワークWを把持する。一方のハンド83は、一のワークWを本体カバー12の内側に置く。第一アーム4及び第二アーム5は他方のハンド83が把持した他のワークWを本体カバー12の外側に搬送する。以上のようにしてアーム装置132はワークWを交換する。
【0084】
第二アーム5は液密に構成されていないので、第二アーム5の内側に異物が浸入することがある。ワークWの非搬送時に第二アーム5をホームポジションに戻すことにより、第二アーム5の内側に浸入した異物は、排出口54を通って第二アーム5の内側から自然に出ていく。故に第二アーム5の内側に異物が溜まることを抑制できる。
排出口54は第二アーム5の先端部(特に、ホームポジションにある場合の第二アーム5の下部)に位置していればよいので、第二蓋板53に限定されず、例えばハンド用ケーシング6の周壁に設けてもよい。
【0085】
第二アーム5の内側に異物が溜まった場合、第二アーム5の重量が増加して第二アーム5の動作に悪影響を及ぼす虞があるので、排出口54はホームポジションにある場合の第二アーム5の下端に位置していることが望ましい。とはいえ、第二アーム5の重量が増加すること以外に特段の問題はないので、第二アーム5に溜まった異物による重量の増加が第二アーム5の動作に悪影響を及ぼさないのであれば、排出口54の位置は第二アーム5の下端に限定されない。
【0086】
第二アーム5とハンド用ケーシング6の後半部分とがL字の一側と他側とを構成する。ハンド83はハンド用ケーシング6の後半部分の周囲を回転移動するので、L字の内側の空間(第二アーム5とハンド用ケーシング6の後半部分とに囲まれた空間)を有効利用できる。故に、ハンド83が把持するワークWが、搬送中に周囲の物体(例えば工作機械1を構成する部材)に干渉することを抑制できる。
【0087】
図2及び
図3に示す如く、アーム装置132はフレキシブルチューブ73を備える。フレキシブルチューブ73は第一ケーシング3の外側にて第一アーム4の基端部と基台2の側壁(本実施の形態では後側壁)とに接続してある。フレキシブルチューブ73はI字状の上側チューブ731とL字状の下側チューブ732とを備える。上側チューブ731は第一アーム4から垂下しており、下側チューブ732は上側チューブ731及び基台2夫々に固定してある。
【0088】
図3及び
図5に示す如く、第一アーム4の基端部には第一アーム4の壁面を貫通する貫通孔402が設けてある。上側チューブ731の上端部は貫通孔402を貫通し、上端開口が第一アーム4の内側に位置するようにして、第一アーム4に固定してある。
図3及び
図4に示す如く、下側チューブ732の一端部は、他端部の開口が上を向くようにして、基台2の後側壁の開口24に嵌め込んである。下側チューブ732の他端部には上側チューブ731の下端部が接続してある。
図3に示す如く、基台2の内部空間と第一アーム4の内部空間とはフレキシブルチューブ73を通して連通している。
【0089】
第一アーム4は液密に構成されていないので、第一アーム4の内側に異物が浸入することがある。ワークWの非搬送時に第一アーム4をホームポジションに戻すことにより、第一アーム4の内側に浸入した異物は、貫通孔402又はフレキシブルチューブ73を通って第一アーム4の内側から自然に出ていく。故に第一アーム4の内側に異物が溜まることを抑制できる。
【0090】
次に、アーム装置132の配線について説明する。
図9に示した信号線561,562は、例えばハンド83の動作を検出する為のものであり、夫々耐水性及び耐油性を有する。信号線561は、不図示の検出部(例えば第一モータ31、第二モータ44、又はハンド用モータ63に設けられたエンコーダ)に接続するための接続端子から延び、先端部が第二コネクタ56の外側部に液密に接続してある。信号線562の一端部は第二コネクタ56の内側部に接続してある。カバー57の内側に異物が浸入する虞はないので、信号線562と第二コネクタ56とを液密に接続する必要も、第二アーム5全体を液密に構成する必要もない。
【0091】
信号線562は、コードロック571を通ってカバー57の内側からカバー57の外側に配してあり、第二アーム本体51の内側を通って上側に向かう。
【0092】
図13は基台2、第一ケーシング3、及び第一アーム4の基端部の断面図である。
図14は第一アーム4、第二アーム5、及びハンド用ケーシング6の断面図である。
図14に示す如く、信号線562は、第二アーム本体51の内側から第二ケーシング52、パイプ71、前段ケーシング42、及び第一アーム本体41夫々の内側をこの順に通ってフレキシブルチューブ73の内側に配してある。
【0093】
図13に示す如く、信号線562は、フレキシブルチューブ73の内側を下向きに通り、開口24を前向きに通って基台2の内側に進入し、弾性部材23を貫通して下面開口212を上向きに通り、収容室21に配してある。信号線562の他端部には信号コネクタ563が設けてある。収容室21は信号コネクタ563を収容している。
【0094】
図4に示す如く、収容室21は信号コネクタ564を収容している。信号コネクタ563,564は互いに接続してある。信号コネクタ564は信号線565の一端部に設けてある。信号線565の他端部は制御装置14に接続してある。信号線565は制御装置14から開口25、弾性部材23を介して収容室21に配してある。
例えばハンド83の動作を検出する為の検出信号は、信号線561,562,565をこの順に通って制御装置14に伝わる。
【0095】
例えば作業者は前面開口211を通して収容室21に手を入れ、対応しているコネクタ同士の接続を行なう。接続作業の終了後、作業者は蓋板22を閉じる。弾性部材23が下面開口212を覆うので、下面開口212を通して収容室21に異物が浸入する虞はない。
図4及び
図13に示す如く信号線562,565夫々は弾性部材23を貫通して収容室21から垂下するので、異物が信号線562,565を伝って収容室21に浸入する虞はない。故に、信号コネクタ563,564を液密に接続する必要も、基台2全体を液密に構成する必要もない。
【0096】
信号線562,565が弾性部材23から外力を受けて断線する虞はない。
仮に、信号コネクタ563,564の接続部分に導電性を有する異物が付着した場合、漏電の虞がある。
【0097】
図9に示したエアパイプ551,552は、例えば駆動部82にエアを供給してハンド83を駆動するための駆動配線であり、エアパイプ551は駆動部82から第二アーム5に向かって延びる。エアパイプ551の先端部は第一コネクタ55の外側部に液密に接続してある。エアパイプ552の一端部は第一コネクタ55の内側部に接続してある。エアパイプ552は、第二アーム本体51の内側から信号線562の場合と同様の経路を通って、フレキシブルチューブ73の内側に配してある。
なお、エアパイプ551,552は駆動部82に限定されず、不図示のエアブレーキにエアを供給するためのものであってもよい。エアブレーキはハンド83を制動する。
【0098】
図13に示す如く、エアパイプ552は、フレキシブルチューブ73の内側、開口24を介して基台2の内側に進入する。基台2の内側にて、エアパイプ552の他端部はエアコネクタ553の一側部に接続してある。エアコネクタ553はエアパイプ用のコネクタであり、例えば基台2の左側壁の内面に取り付けてあり、収容室21の下側に位置している。
【0099】
図4に示す如く、エアコネクタ553の他側部にはエアパイプ554の一端部が接続してある。エアパイプ554の他端部は工場が備える不図示のコンプレッサに接続してある。エアパイプ554は、開口25を介して基台2の内側に配してある。
コンプレッサが圧送したエアは、エアパイプ554,552,551をこの順に通って駆動部82に到達する。
【0100】
仮に、第一コネクタ55とエアパイプ552との間、又はエアコネクタ553とエアパイプ552,554との間に固体状の異物が挟まった場合、エア漏れが起きる虞がある。しかしながら、第二アーム5の内側又は基台2の内側には固体状の異物が進入しにくい。故に、第一コネクタ55をカバー57と同様のカバーで第二アーム5の内側から覆ったり、エアコネクタ553を収容室21に収容したりする必要はない。
なお、第一コネクタ55はカバー57と同様のカバーで第二アーム5の内側から覆ってもよく、エアコネクタ553は収容室21に収容してもよい。
【0101】
図13に示す如く、第一モータ31から第一モータ31に給電する為の第一ケーブル311が延びる。第一ケーブル311は補助ケース303の内側から第一ケーシング3の内側を通って基台2の内側に進入し、収容室21の下側に回った後で、弾性部材23を貫通して下面開口212を上向きに通り、収容室21に配してある。第一ケーブル311の先端部には給電コネクタ312が設けてある。収容室21は給電コネクタ312を収容している。
【0102】
図4に示す如く、収容室21は給電コネクタ313を収容している。給電コネクタ312,313は互いに接続してある。給電コネクタ313は第一給電ケーブル314の一端部に設けてある。第一給電ケーブル314の他端部は工作機械1が備える不図示の電源(動力供給源)に接続してある。第一給電ケーブル314は電源から開口25、弾性部材23を介して収容室21に配してある。
電源は第一給電ケーブル314及び第一ケーブル311を介して第一モータ31に給電する。
【0103】
図14に示す如く、第二モータ44に給電する為の第二ケーブル441は第二モータ44に接続する。第二ケーブル441は、第一アーム本体41の内側、フレキシブルチューブ73の内側に配する。
図13に示す如く、第二ケーブル441は、フレキシブルチューブ73の内側、弾性部材23を介して収容室21に配する。第二ケーブル441の先端部には給電コネクタ442が設けてある。収容室21は給電コネクタ442を収容している。
【0104】
図4に示す如く、収容室21は給電コネクタ443を収容している。給電コネクタ442,443は互いに接続してある。給電コネクタ443は第二給電ケーブル444の一端部に設けてある。第二給電ケーブル444は、第一給電ケーブル314の場合と同様に配線してある。電源は第二給電ケーブル444及び第二ケーブル441を介して第二モータ44に給電する。
【0105】
図14に示す如く、ハンド用モータ63に給電する為の耐捻回性ケーブル631はハンド用モータ63と接続する。耐捻回性ケーブル631は、ハンド用ケーシング6の内側、フレキシブルチューブ73の内側を介して収容室21に配する(
図13参照)。
図13に示す如く、耐捻回性ケーブル631の先端部には給電コネクタ632が設けてある。収容室21は給電コネクタ632を収容している。
【0106】
図4に示す如く、収容室21は給電コネクタ633を収容している。給電コネクタ632,633は互いに接続してある。給電コネクタ633はハンド用給電ケーブル634の一端部に設けてある。ハンド用給電ケーブル634は、第一給電ケーブル314の場合と同様に配線してある。電源はハンド用給電ケーブル634及び耐捻回性ケーブル631を介してハンド用モータ63に給電する。
第一ケーブル311、第一給電ケーブル314、第二ケーブル441、第二給電ケーブル444、耐捻回性ケーブル631、及びハンド用給電ケーブル634夫々は耐水性及び耐油性を有する。
【0107】
給電コネクタ312,313、給電コネクタ442,443、信号コネクタ563,564、及び給電コネクタ632,633については、収容室21の内面に固定してある不図示の支持具が夫々を支持していることが望ましい。
第二ケーブル441、信号線562、及び耐捻回性ケーブル631は、基台2の内側にて弾性部材23と開口24との間にて結束してあることが望ましい。例えば支持具213の下部から板状の結束部が下向きに延設してあり、結束部に設けてある貫通孔を第二ケーブル441、信号線562、及び耐捻回性ケーブル631夫々が貫通する。
【0108】
第一アーム4及び第二アーム5は互いに対して相対的に揺動するので、両者の内側に配した耐捻回性ケーブル631が捻じれることがある。しかしながら、耐捻回性ケーブル631は捻じれに強いので、捻じれによる断線のリスクを低減できる。同じ理由により、エアパイプ552及び信号線562夫々も耐捻回性を有していることが望ましい。
【0109】
第二アーム5は第一ケーシング3に対して相対的に揺動するが、耐捻回性ケーブル631及び第二ケーブル441夫々は第一ケーシング3を迂回して基台2に配したので、捻じれる虞はない。第一ケーシング3及び基台2が互いに対して相対的に揺動することはないので、両者を通る第一ケーブル311が捻じれることはない。以上の結果、第一ケーブル311及び第二ケーブル441が捻じれによって断線する虞はなく、第一ケーブル311も第二ケーブル441も耐捻回性を有する必要はない。
【0110】
耐捻回性ケーブル631及び第二ケーブル441は、第一アーム4の内側から第一ケーシング3の外側にあるフレキシブルチューブ73を通って基台2の内側に配してある。故に、耐捻回性ケーブル631及び第二ケーブル441夫々の、第一ケーシング3の外側を通る部分をフレキシブルチューブ73によって保護できるので、断線のリスクを低減できる。
【0111】
基台2の内側に設けてある収容室21は給電コネクタ312,313、給電コネクタ442,443、信号コネクタ563,564、及び給電コネクタ632,633(以下、当該コネクタという)を収容する。
当該コネクタが二重に囲まれているので、当該コネクタによる接続部分に異物が付着すること(延いては導電性を有する異物の付着に起因する漏電)を抑制できる。
【0112】
以下では、第一ケーブル311、第一給電ケーブル314、第二ケーブル441、第二給電ケーブル444、及び耐捻回性ケーブル631、ハンド用給電ケーブル634夫々を配線部材という。各配線部材は弾性部材23を貫通して収容室21から垂下するので、異物が配線部材を伝って収容室21に浸入する虞はない。配線部材は開口24,25を通して基台2の内側から外側に配してある。基台2の開口24,25は収容室21よりも下側にあるので、基台2の開口24,25を通して収容室21に異物が浸入する虞はない。
以上の結果、基台2全体を液密に構成する必要がない。
【0113】
上述したように、基台2全体、第一ケーシング3全体、第一アーム4全体、第二アーム5全体、及びハンド用ケーシング6全体を液密に構成する必要はない。各部を液密に構成する為の部材を省略できるので、部品点数を削減して搬送装置13の小型軽量化を図ることができる。
また、第一モータ31、第二モータ44、ハンド用モータ63、配線部材、信号線561,562,565、及びエアパイプ551,552,554夫々は耐水性及び耐油性を有する。故にこれらを異物から保護するための防液室又は防液路等を設ける必要がない。故に防液室又は防液路等を構成する為の部材を省略できるので、部品点数を削減して搬送装置13の小型軽量化を図ることができる。
【0114】
配線部材が弾性部材23から外力を受けて断線する虞はない。
基台2は液密に構成されていないので、基台2の内側に異物が浸入することがある。また、第一アーム4からフレキシブルチューブ73を通って基台2の内側に異物が浸入することがある。基台2の内側に浸入した異物は、開口25を通って基台2の内側から自然に出ていく。故に基台2の内側に異物が溜まることを抑制できる。
【0115】
以上のような搬送装置13によれば、ハンド83と第二アーム5との間に設けてあるハンド用ケーシング6が、ハンド用モータ63及びハンド用減速機構64を収容する。
第二アーム5がハンド用モータ63を収容しないので、搬送装置13の設計者は第二アーム5の幅(前後方向の長さ)とハンド用モータ63のサイズとを互いに無関係に決定できる。即ち搬送装置13の設計の自由度が向上する。
第二アーム5の幅を十分に狭くできるので、ハンド83が把持するワークWの大きさ、形状、又は向き等が制限されない。即ち搬送するワークWの自由度が向上する。
【0116】
第二アーム5の幅を狭くする目的で小型のハンド用モータ63を使用する必要がないので、十分な出力トルクを有する大型のハンド用モータ63を使用できる。故に、ハンド用モータ63の出力トルクの不足を補う為にハンド用モータ63とハンド83との間に複数の減速機構を介する必要がない。即ち搬送装置13の小型軽量化及び部品点数の削減を図ることができる。
【0117】
第一アーム4及び第二アーム5は何れも軽量なので、第二アーム5が連結してある第一アーム4を駆動する為に必要なトルクは小さい。故に、第一モータ31の出力トルクの不足を補う為に第一モータ31と第一アーム4との間に複数の減速機構を介する必要がない。即ち搬送装置13の小型軽量化及び部品点数の削減を図ることができる。
【0118】
なお、搬送装置13はワーク交換装置に限定しない。搬送装置13はワークW以外の対象物(例えば工具)を搬送してもよい。
【0119】
今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した意味ではなく、特許請求の範囲と均等の意味及び特許請求の範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0120】
1 工作機械
13 搬送装置
2 基台
21 収容室
212 下面開口
23 弾性部材
24,25 開口
3 第一ケーシング(ケーシング)
31 第一モータ(駆動部,モータ)
311 第一ケーブル(駆動配線)
312,313 給電コネクタ(コネクタ)
314 第一給電ケーブル(供給配線)
32 第一減速機構(減速機構)
321 第一入力軸(入力軸)
322 第一出力軸(出力軸)
361 Oリング(シール)
362 オイルシール(シール)
4 第一アーム(アーム)
42 前段ケーシング(ケーシング)
44 第二モータ(駆動部,モータ)
441 第二ケーブル(駆動配線)
442,443 給電コネクタ(コネクタ)
444 第二給電ケーブル(供給配線)
45 前段減速機構(減速機構)
451 ベベルピニオン(入力軸)
452 ベベルギア(出力軸)
471,472 Oリング(シール)
473 オイルシール(シール)
5 第二アーム(アーム)
52 第二ケーシング(ケーシング)
54 排出口
55 第一コネクタ
56 第二コネクタ
562 信号線
57 カバー
6 ハンド用ケーシング(ケーシング)
63 ハンド用モータ(駆動部,モータ)
631 耐捻回性ケーブル(駆動配線)
632,633 給電コネクタ(コネクタ)
634 ハンド用給電ケーブル(供給配線)
64 ハンド用減速機構(減速機構)
641 ハンド用入力軸(入力軸)
642 ハンド用出力軸(出力軸)
651,652 Oリング(シール)
653 オイルシール(シール)
72 第二減速機構(減速機構)
721 第二入力軸(入力軸)
722 第二出力軸(出力軸)
83 ハンド
W ワーク(対象物)