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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023151312
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】作業車両用バッテリ及び作業車両
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/269 20210101AFI20231005BHJP
   H01M 50/249 20210101ALI20231005BHJP
   H01M 50/204 20210101ALI20231005BHJP
   B60K 1/04 20190101ALI20231005BHJP
【FI】
H01M50/269
H01M50/249
H01M50/204 101
B60K1/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022060870
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小澤 一顕
(72)【発明者】
【氏名】栗原 一浩
【テーマコード(参考)】
3D235
5H040
【Fターム(参考)】
3D235AA18
3D235AA19
3D235BB19
3D235CC15
3D235DD28
3D235EE64
3D235FF43
3D235HH52
5H040AA03
5H040AA32
5H040AS06
5H040AT02
5H040AT06
5H040AY08
5H040CC20
5H040CC35
5H040DD05
5H040GG04
5H040JJ03
5H040NN01
5H040NN03
(57)【要約】
【課題】汎用性を高め、作業車両の搭載アプリケーションに容易に適用可能にすること。
【解決手段】作業車両の動力源である作業車両用バッテリ50であって、複数のバッテリセル51と、複数のバッテリセル51を収納したモジュールケース52とを備えたモジュール53と、複数のモジュール53を収納したバッテリケース60と、を備え、バッテリケース60は、向かい合う一対の側壁に、電気的な配線を引き出す貫通孔67が配置されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業車両の動力源である作業車両用バッテリであって、
複数のバッテリセルと、前記複数のバッテリセルを収納したモジュールケースとを備えたモジュールと、
複数の前記モジュールを収納したバッテリケースと、
を備え、
前記バッテリケースは、向かい合う一対の側壁に、電気的な配線を引き出す孔が配置されている、
作業車両用バッテリ。
【請求項2】
前記バッテリケースは、前記一対の側壁に、前記バッテリケース同士を連結するリブ部、
を備える、請求項1に記載の作業車両用バッテリ。
【請求項3】
前記一対の側壁以外の他の一対の側壁のうちの一方の側壁に配置された、少なくとも1つの前記モジュールを収納可能な凸部、
を備える、請求項1又は2に記載の作業車両用バッテリ。
【請求項4】
前記一対の側壁以外の他の一対の側壁のうちの他方の側壁に配置された、バッテリ用のコントローラを支持する支持部、
を備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の作業車両用バッテリ。
【請求項5】
前記一対の側壁は、前記他の一対の側壁と隣り合い、
前記他の一対の側壁のうちの他方の側壁は、平面状に形成されている、
請求項3に記載の作業車両用バッテリ。
【請求項6】
前記一対の側壁は、前記一対の側壁以外の他の一対の側壁よりも長手方向の長さが短い、
請求項1から5のいずれか一項に記載の作業車両用バッテリ。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の作業車両用バッテリと、
前記作業車両用バッテリが配置された車体フレームと、
を備え、
前記作業車両用バッテリは、前記車体フレームの後方に配置されている、
作業車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、作業車両用バッテリ及び作業車両に関する。
【背景技術】
【0002】
作業用車両に複数のバッテリを内部に収納可能なように箱状に形成され、側壁にホース用開口を有するバッテリケースを搭載する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-202066号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
作業車両用のバッテリには、リチウムイオン電池には電池の最小単位のセルという構成とセルの集合体のモジュールがある。作業車両の搭載アプリケーションに応じて、複数のモジュールを電気的に接続して電池パックを構成することがある。しかしながら、通常は、作業車両の搭載アプリケーションに応じて、複数のモジュールを収納可能な大型のケースを個別設計する。このため、作業車両の機種ごとに、ケースの強度設計及び品質確認の手間及びコストを要する。これにより、作業車両を電動化する際に、機種系列を拡大することが容易ではない。
【0005】
本発明の態様は、汎用性を高め、作業車両の搭載アプリケーションに容易に適用可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に従えば、作業車両の動力源である作業車両用バッテリであって、複数のバッテリセルと、前記複数のバッテリセルを収納したモジュールケースとを備えたモジュールと、複数の前記モジュールを収納したバッテリケースと、を備え、前記バッテリケースは、向かい合う一対の側壁に、電気的な配線を引き出す孔が配置されている、作業車両用バッテリが提供される。
【0007】
本開示に従えば、上記の作業車両用バッテリと、前記作業車両用バッテリが配置された車体フレームと、を備え、前記作業車両用バッテリは、前記車体フレームの後方に配置されている、作業車両が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、汎用性を高め、作業車両の搭載アプリケーションに容易に適用可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1実施形態に係るフォークリフトを左方から見た側壁図である。
図2図2は、フォークリフトに配置された作業車両用バッテリを示す平面図である。
図3図3は、作業車両用バッテリを右後方からみた分解斜視図である。
図4図4は、作業車両用バッテリの配置の一例を左前方からみた斜視図である。
図5図5は、作業車両用バッテリの配置の他の例を左前方からみた斜視図である。
図6図6は、第2実施形態に抱えるショベルを左方から見た側壁図である。
図7図7は、ショベルに配置された作業車両用バッテリを示す平面図である。
図8図8は、作業車両用バッテリの配置の他の例を左前方からみた斜視図である。
図9図9は、作業車両用バッテリの配置の他の例を右後方からみた斜視図である。
図10図10は、作業車両用バッテリの配置の他の例を左前方からみた斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0011】
(第1実施形態)
[フォークリフト]
図1は、第1実施形態に係るフォークリフトを左方から見た側壁図である。図2は、フォークリフトに配置された作業車両用バッテリを示す平面図である。実施形態においては、作業車両1がフォークリフト1であることとする。フォークリフト1は、作業車両用バッテリ(以下、「バッテリ」という。)50からの電力で駆動されるバッテリフォークリフトである。
【0012】
以下において、フォークリフト1は、図示しないフォークが配置された側が前方であり、図示しないカウンタウエイトが配置された側が後方である。実施形態においては、左右とは前方に対する左右をいうものとする。左右方向は、フォークリフト1の本体としての車体10の幅方向である。上方は、前輪21及び後輪22のうち少なくとも3個と接触する平面(接地平面)に直交し、かつ接地平面から前輪21又は後輪22の回転中心軸に向かう側である。下方は、前輪21又は後輪22の回転中心軸から接地平面に向かう側である。車体10の前後方向に向かい、かつ車体10の幅方向中心を通る軸を前後軸といい、前後軸に直交し、設置平面と平行かつ車体10の車幅方向に向かう軸を左右軸という。車体10の上下方向に向かう軸を上下軸という。上下軸は、前後軸と左右軸との両方に直交する。前後軸はX軸であり、上下軸はY軸であり、左右軸はZ軸である。
【0013】
車体10は、フレーム11を有する。車体10の前方の左右の端部にそれぞれ前輪21が配置され、車体10の後方の左右の端部にそれぞれ後輪22が配置される。
【0014】
車体10の後端部には、図示しないカウンタウエイトが配置される。フォークリフト1は、カウンタバランス型のフォークリフトとして説明するが、これに限定されない。カウンタウエイトは、フォークが荷物を支持した場合に釣り合いをとるためのウエイトである。
【0015】
フォークリフト1の後端部は、左右方向の中央部の幅が狭くなっている。
【0016】
[バッテリ]
バッテリ50は、フォークリフト1の動力源である。バッテリ50は、充電式バッテリである。バッテリ50は、例えば、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池などである。
【0017】
バッテリ50は、フォークリフト1の後部に配置されている。車体10の後方における下方には、バッテリ50が配置される。
【0018】
図3は、作業車両用バッテリを右後方からみた分解斜視図である。図3に示す各方向は、フォークリフト1に搭載したバッテリ50の配置の一例における方向である。バッテリ50は、複数のバッテリセル51と、複数のバッテリセル51を収納したモジュールケース52とを備えたモジュール53と、複数のモジュール53を収納したバッテリケース60とを備える。図3においては、説明のために、一部のモジュール53のモジュールケース52の一部及びバッテリケース60の一部を図示していない。
【0019】
バッテリケース60は、箱形状に形成されている。バッテリケース60は、左方に面した側壁61、右方に面した側壁62、後方に面した側壁63、前方に面した側壁64、下方に面した底部65、及び、上方に面した蓋部66(図4参照)を備える。側壁61、側壁62、側壁63、側壁64、底部65及び蓋部66は、板材で形成されている。側壁61、側壁62、側壁63、側壁64及び底部65は、一体として形成されている。側壁61、側壁62、側壁63、側壁64及び底部65によって囲まれた空間に、複数のモジュール53が収納されている。側壁61、側壁62、側壁63及び側壁64の上方に蓋部66が固定される。側壁61、側壁62、側壁63、側壁64及び底部65で囲まれた空間は、蓋部66によって覆われて閉塞される。このように構成されたバッテリケース60は、防塵防水性能を有する。
【0020】
側壁61は、側壁63の左方の端部、側壁64の左方の端部及び底部65の左方の端部に接続されている。側壁62は、側壁63の右方の端部、側壁64の右方の端部及び底部65の右方の端部に接続されている。側壁63は、側壁61の後方の端部、側壁62の後方の端部及び底部65の後方の端部に接続されている。側壁64は、側壁61の前方の端部、側壁62の前方の端部及び底部65の前方の端部に接続されている。底部65は、側壁61の下方の端部、側壁62の下方の端部、側壁63の下方の端部及び側壁64の下方の端部に接続されている。
【0021】
蓋部66は、側壁61の上方の端部、側壁62の上方の端部、側壁63の上方の端部及び側壁64の上方の端部に着脱可能に配置されている。蓋部66は、側壁61の上方の端部、側壁62の上方の端部、側壁63の上方の端部及び側壁64の上方の端部に設けられた孔73と、蓋部66に設けられた図示しない孔とを重ね合わせた状態で、図示しないボルトが挿通されて固定される。側壁61の上方の端部、側壁62の上方の端部、側壁63の上方の端部、側壁64の上方の端部及び蓋部66の周縁部は、図示しないシール材が配置されている。
【0022】
側壁61及び側壁62は、一対として向かい合う。側壁61及び側壁62は、一対の側壁である。側壁63及び側壁64は、一対として向かい合う。側壁63及び側壁64は、他の一対の側壁である。側壁61及び側壁62と、側壁63及び側壁64とは隣り合っている。底部65及び蓋部66は、一対として向かい合う。
【0023】
側壁61及び側壁62は、側壁63及び側壁64よりも長手方向の長さが短い。バッテリケース60は、前後方向の長さが左右方向の長さより短い。
【0024】
側壁64は、平面状に形成されている。蓋部66は、平面状に形成されている。
【0025】
側壁61及び側壁62には、電気的な配線を引き出す貫通孔67が配置されている。側壁63及び側壁64、底部65及び蓋部66には貫通孔67が配置されていない。
【0026】
貫通孔67は、側壁61及び側壁62を貫通している。側壁61に配置された貫通孔67と、側壁62に配置された貫通孔67とは、同様に構成されている。ここでは、図3を参照して、側壁62に配置された貫通孔67を例にして説明し、側壁61に配置された貫通孔67の構成についての説明は省略する。貫通孔67は、側壁62の後方上部に配置されている。貫通孔67は、側壁62を貫通している。実施形態では、貫通孔67は、2つ配置されている。貫通孔67は、バッテリ50同士を電気的に接続するケーブル等が通される。貫通孔67は、防塵防水性能を有する。
【0027】
側壁61及び側壁62には、バッテリケース60を補強する機能と、バッテリケース60同士を連結する機能とを有するリブ部68が配置されている。側壁61に配置されたリブ部68と、側壁62に配置されたリブ部68とは、同様に構成されている。ここでは、図3を参照して、側壁62に配置されたリブ部68を例にして説明し、側壁61に配置されたリブ部68の構成についての説明は省略する。
【0028】
リブ部68は、側壁62において、貫通孔67より前方に配置される。リブ部68は、バッテリケース60を補強する。リブ部68は、バッテリケース60同士を連結する際に用いられる。リブ部68は、側壁62と一体に形成されている。リブ部68は、リブ本体部681、リブ本体部682、脚部683及び脚部684を備える。リブ本体部681、リブ本体部682、脚部683及び脚部684は、一体に形成されている。
【0029】
リブ本体部681及びリブ本体部682は、上下方向に延在する。リブ本体部681及びリブ本体部682は、前後方向に離間して配置されている。リブ本体部681は、側壁62の前方に配置されている。リブ本体部682は、側壁62の前後方向の中間部に配置されている。
【0030】
脚部683は、側壁62の下方の端部から左右方向の外側に突出している。脚部683は、リブ本体部681の下方の端部及びリブ本体部682の下方の端部が接続されている。脚部684は、側壁62の上方の端部から左右方向の外側に突出している。脚部684は、リブ本体部681の上方の端部及びリブ本体部682の上方の端部が接続されている。脚部683及び脚部684は、向かい合っている。脚部683には、貫通孔685が配置されている。実施形態では、脚部683には、前後方向に離間した2つの貫通孔685が配置されている。貫通孔685は、脚部683を貫通している。脚部684には、貫通孔686が配置されている。実施形態では、脚部684には、前後方向に離間した2つの貫通孔686が配置されている。貫通孔686は、脚部684を貫通している。
【0031】
脚部683及び貫通孔685は、図3に示すバッテリケース60の下段に他のバッテリケース60を重ねて配置する場合に用いられる。より詳しくは、貫通孔685は、他のバッテリケース60の脚部684の貫通孔686と重ね合わせた状態で、図示しないボルトが挿通されてバッテリケース60同士が連結される。脚部683の下面と、他のバッテリケース60の脚部684の上面とは、面で接触する。
【0032】
脚部684及び貫通孔686は、図3に示すバッテリケース60の上段に他のバッテリケース60を重ねて配置する場合に用いられる。より詳しくは、貫通孔686は、他のバッテリケース60の脚部683の貫通孔685と重ね合わせた状態で、図示しないボルトが挿通されてバッテリケース60同士が連結される。脚部684の上面と、他のバッテリケース60の脚部683の下面とは、面で接触する。
【0033】
側壁63には、少なくとも1つのモジュール53を収納可能な凸部69が配置されている。凸部69は、側壁63の左右方向の中央部に配置されている。凸部69は、側壁63から前後方向の外側に突出している。凸部69は、側壁63と一体に形成されている。
【0034】
凸部69の左方には、リブ部71が配置されている。リブ部71は、バッテリケース60を補強する。リブ部71は、側壁63及び凸部69と一体に形成されている。リブ部71は、リブ本体部711、脚部712及び脚部713を備える。リブ本体部711、脚部712及び脚部713は、一体に形成されている。リブ本体部711は、上下方向に延在する。リブ本体部711、脚部712及び脚部713は、側壁63から前後方向の外側に突出されている。
【0035】
脚部712は、側壁63の下方の端部から前後方向の外側に突出している。脚部712は、リブ本体部711の下方の端部が接続されている。脚部713は、側壁63の上方の端部から前後方向の外側に突出している。脚部713は、リブ本体部711の上方の端部が接続されている。脚部712及び脚部712は、向かい合っている。脚部712には、貫通孔714が配置されている。貫通孔714は、脚部712を貫通している。脚部713には、貫通孔715が配置されている。貫通孔715は、脚部713を貫通している。
【0036】
凸部69の右方には、リブ部72が配置されている。リブ部72は、バッテリケース60を補強する。リブ部72は、側壁63及び凸部69と一体に形成されている。リブ部72は、リブ本体部721、脚部722及び脚部723を備える。リブ本体部721、脚部722及び脚部723は、一体に形成されている。リブ本体部721は、上下方向に延在する。リブ本体部721、脚部722及び脚部723は、側壁63から前後方向の外側に突出されている。
【0037】
脚部722は、側壁63の下方の端部から前後方向の外側に突出している。脚部722は、リブ本体部721の下方の端部が接続されている。脚部723は、側壁63の上方の端部から前後方向の外側に突出している。脚部723は、リブ本体部721の上方の端部が接続されている。脚部722及び脚部722は、向かい合っている。脚部722には、貫通孔724が配置されている。貫通孔724は、脚部722を貫通している。脚部723には、貫通孔725が配置されている。貫通孔725は、脚部723を貫通している。
【0038】
このように構成されたバッテリ50は、フォークリフト1の搭載アプリケーションに応じて、1つ又は複数を組み合わせて作業車両1に搭載される。以下に、フォークリフト1に搭載されるバッテリ50の配置例について説明する。
【0039】
[フォークリフト用のバッテリの配置例1]
図4を用いて、バッテリ50の配置の一例を説明する。図4は、作業車両用バッテリの配置の一例を左前方からみた斜視図である。図4において図示した配線は一例であり、これに限定されない。図4に示す例では、2つのバッテリ50が前後に組み合わされている。2つのバッテリ50を、バッテリユニット50Uという。図4に示す例では、バッテリユニット50Uは、2つのバッテリ50を備える。2つのバッテリ50は、バッテリケース60の側壁64同士を向かい合わせて配置されている。側壁64が平面状であるので、バッテリケース60の側壁64同士は面で接触する。2つのバッテリ50は、配線101及び配線102によって電気的に直列に接続される。
【0040】
バッテリユニット50Uは、台座81上に載置されて、フォークリフト1のフレーム11(図2参照)上に載置される。台座81は、板状に形成される。バッテリユニット50Uは、バッテリケース60のリブ部68の貫通孔685(図3参照)と台座81に設けられた図示しない貫通孔とに挿通されたボルト83によって台座81上に固定される。バッテリユニット50Uは、バッテリケース60のリブ部71の貫通孔714(図3参照)と、台座81に設けられた図示しない貫通孔とに挿通されたボルト84によって台座81上に固定される。バッテリユニット50Uは、バッテリケース60のリブ部72の貫通孔724(図3参照)と、台座81に設けられた図示しない貫通孔とに挿通されたボルト85によって台座81上に固定される。このようにして、バッテリユニット50Uは、台座81上に固定される。
【0041】
バッテリユニット50Uは、前方に配置されたバッテリケース60の凸部69が、前方に位置し、後方に配置されたバッテリケース60の凸部69が、後方に位置する。後方に配置されたバッテリケース60の凸部69が、フォークリフト1の後端部において左右方向の幅が狭くなった部分に位置する。
【0042】
バッテリユニット50Uの上方には、支持板82が載置される。支持板82は、板状に形成されている。支持板82には、安全回路等を収納する収納ケース100が載置されている。
【0043】
収納ケース100は、箱形状に形成されている。収納ケース100には、例えば、図示しないヒューズ及びコンタクタ等が収容されている。収納ケース100とバッテリユニット50Uとは、配線103によって電気的に接続されている。
【0044】
収納ケース100には、2口の充電口110が接続されている。充電口110を介して収納ケース100の内部の充電回路に電力が供給されて、バッテリユニット50Uのバッテリ50が充電される。充電口110は、フォークリフト1の後端部に配置されている。
【0045】
[フォークリフト用のバッテリの配置例2]
図5を用いて、バッテリ50の配置の他の例を説明する。図5は、作業車両用バッテリの配置の他の例を左前方からみた斜視図である。図5に示す例では、4つのバッテリ50が組み合わされている。2つのバッテリ50をバッテリケース60の側壁64同士を向かい合わせたものが、上下2段に重ねられている。4つのバッテリ50は、電気的に直列に接続される。図5においては、配線の一部の図示を省略している。4つのバッテリ50を、バッテリユニット50Uという。図5に示す例では、バッテリユニット50Uは、4つのバッテリ50を備える。
【0046】
バッテリユニット50Uと台座81とフォークリフト1のフレーム11との固定方法は、配置例1と同様である。
【0047】
上下2段に重ねられたバッテリ50は、上段のバッテリケース60と下段のバッテリケース20とが、同じ向きで重ねられている。上段のバッテリケース60の脚部683の貫通孔685(図3参照)と、下段のバッテリケース60の脚部684の貫通孔686(図3参照)とを重ねて、ボルト87によって固定される。上段のバッテリケース60の脚部712の貫通孔714(図3参照)と、下段のバッテリケース60の脚部713の貫通孔715(図3参照)とを重ねて、ボルト85によって固定される。上段のバッテリケース60の脚部722の貫通孔724(図3参照)と、下段のバッテリケース60の脚部723の貫通孔725(図3参照)とを重ねて、ボルト84によって固定される。
【0048】
図5に示す例では、バッテリユニット50Uの上段の後方のバッテリケース60の上方に、収納ケース100が配置されている。
【0049】
[効果]
以上説明したように、側壁61及び側壁62に、電気的な配線を引き出す貫通孔67が配置されて、側壁63及び側壁64、底部65及び蓋部66には貫通孔が配置されていない。実施形態によれば、バッテリケース60は、防塵防水性能を有することができる。
【0050】
実施形態によれば、バッテリケース60は、側壁61及び側壁62にリブ部68を備え、側壁63に凸部69及びリブ部71とリブ部72とを備える。実施形態は、バッテリケース60の強度を向上することができる。
【0051】
これに対して、従来のような、必要な数のモジュール53を収納可能な大型のケースにおいては、シール面が大きく、寸法精度を高めることが困難である。このため、防水防塵構造にすることが困難であった。さらに、大型のケースにおいては、強度を確保するためのリブ構造を取ることが困難であった。
【0052】
実施形態によれば、複数のバッテリセル51を収納したモジュールケース52を備えたモジュール53を複数バッテリケース60に収納して、バッテリ50の1つのユニットとする。実施形態は、側壁64が平面状に形成されているので、2つのバッテリケース60の側壁64同士を向かい合わせ、面で接触させて組み合わせることができる。実施形態によれば、フォークリフト1の搭載アプリケーションが異なる場合でも、バッテリ50を1つのユニットとして1つ又は複数を組み合わせて使用することができる。このように、実施形態は、汎用性を高め、作業車両の搭載アプリケーションに容易に適用可能にすることができる。
【0053】
これに対して、従来は、フォークリフト1の搭載アプリケーションごとに、必要な数のモジュール53を収納可能な大型のケースを設計していた。これにより、ケースの強度設計もフォークリフト1の機種ごとに行う必要があり、コストと手間とが増加していた。
【0054】
実施形態は、側壁61及び側壁62は、側壁63及び側壁64よりも長手方向の長さが短い。実施形態は、側壁63には凸部69が配置されている。実施形態によれば、フォークリフト1の後端部において幅が狭くなっている部分に、バッテリケース60の凸部69が位置するように配置することができる。実施形態は、フォークリフト1の後端部の限られたスペースに効率的にバッテリ50を搭載することができる。
【0055】
(第2実施形態)
[ショベル]
図6は、第2実施形態に抱えるショベルを左方から見た側壁図である。図7は、ショベルに配置された作業車両用バッテリを示す平面図である。実施形態においては、作業車両1がショベル1であることとする。ショベル1は、バッテリ50からの電力で駆動されるバッテリショベルである。
【0056】
以下において、ショベル1は、図示しない作業機が配置された側が前方であり、外装が配置された側が後方である。実施形態においては、左右とは前方に対する左右をいうものとする。左右方向は、ショベル1の本体としての車体10の幅方向である。下方は、履帯25と接触する平面(接地平面)に直交し、かつ接地平面から地面に向かう側である。上方向は、下方向の逆方向である。
【0057】
車体10は、フレーム11を有する。
【0058】
バッテリ50は、ショベル1の後部に配置されている。車体10の後方における下方には、バッテリ50が配置される。
【0059】
ショベルの後端部は、旋回半径に応じた円弧形状になっている。
【0060】
[ショベル用のバッテリの配置例1]
図8図9を用いて、バッテリ50の配置の他の例を説明する。図8は、作業車両用バッテリの配置の他の例を左前方からみた斜視図である。図9は、作業車両用バッテリの配置の他の例を右後方からみた斜視図である。図8図9に示す例では、2つのバッテリ50が上下に組み合わされている。上段のバッテリケース60と下段のバッテリケース20とは、同じ向きで重ねられている。2つのバッテリ50は、電気的に直列に接続される。図8図9においては、配線の一部の図示を省略している。2つのバッテリ50を、バッテリユニット50Uという。図8図9に示す例では、バッテリユニット50Uは、2つのバッテリ50を備える。バッテリケース60の凸部69が、ショベルの後端部の円弧形状の部分に位置する。
【0061】
上段のバッテリケース60の側壁64には、収納ケース100を支持する支持部89が配置されている。支持部89は、側面視においてL字型に形成されている。支持部89は、側壁64に沿って延在する側壁891と、側壁891の下方の端部から前方に延びる底部892とを備える。収納ケース100は、底部892上に載置される。
【0062】
上下2段に重ねられたバッテリ50は、上段のバッテリケース60の脚部683の貫通孔685(図3参照)と、下段のバッテリケース60の脚部684の貫通孔686(図3参照)とを重ねて、ボルト87によって固定される。上段のバッテリケース60の脚部712の貫通孔714(図3参照)と、下段のバッテリケース60の脚部713の貫通孔715(図3参照)とを重ねて、ボルト85によって固定される。上段のバッテリケース60の脚部722の貫通孔724(図3参照)と、下段のバッテリケース60の脚部723の貫通孔725(図3参照)とを重ねて、ボルト84によって固定される。
【0063】
バッテリユニット50Uは、台座81F及び台座81R上に載置されて、ショベルのフレーム11上に載置される。台座81F及び台座81Rは、板状に形成される。バッテリユニット50Uは、下段のバッテリケース60のリブ部68の貫通孔685(図3参照)と台座81Fに設けられた図示しない貫通孔とに挿通されたボルト83によって台座81F上に固定される。バッテリユニット50Uは、下段のバッテリケース60のリブ部71の貫通孔714(図3参照)と台座81Rに設けられた図示しない貫通孔とに挿通されたボルト85によって台座81R上に固定される。バッテリユニット50Uは、下段のバッテリケース60のリブ部72の貫通孔724(図3参照)と台座81Rに設けられた図示しない貫通孔とに挿通されたボルト84によって台座81R上に固定される。このようにして、バッテリユニット50Uは、台座81F及び台座81R上に固定される。
【0064】
[ショベル用のバッテリの配置例2]
図10を用いて、バッテリ50の配置の他の例を説明する。図10は、作業車両用バッテリの配置の他の例を左前方からみた斜視図である。図10に示す例では、1つのバッテリ50が配置される。図10においては、配線の一部の図示を省略している。
【0065】
バッテリユニット50Uと台座81F及び台座81Rとショベル1のフレーム11との固定方法は、配置例1と同様である。
【0066】
[効果]
以上説明したように、実施形態によれば、ショベル1の搭載アプリケーションに応じて、バッテリ50を1つのユニットとして1つ又は複数を組み合わせて使用することができる。
【符号の説明】
【0067】
1…フォークリフト(作業車両)、10…車体、11…フレーム、50…バッテリ、50U…バッテリユニット、51…バッテリセル、52…モジュールケース、53…モジュール、60…バッテリケース、61…側壁、62…側壁、63…側壁、64…側壁、65…底部、66…蓋部、67…貫通孔、68…リブ部、681…リブ本体部、682…リブ本体部、683…脚部、684…脚部、685…貫通孔、686…貫通孔、69…凸部、71…リブ部、711…リブ本体部、712…脚部、713…脚部、72…リブ部、721…リブ本体部、722…脚部、723…脚部、73…孔、100…収納ケース、110…充電口。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10