(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023151402
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】バルブ装置
(51)【国際特許分類】
F16K 27/00 20060101AFI20231005BHJP
【FI】
F16K27/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022060992
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】ニデック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100188673
【弁理士】
【氏名又は名称】成田 友紀
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(72)【発明者】
【氏名】荻野 良
【テーマコード(参考)】
3H051
【Fターム(参考)】
3H051AA08
3H051AA11
3H051BB10
3H051CC01
3H051FF08
(57)【要約】 (修正有)
【課題】汎用性を向上できるバルブ装置を提供する。
【解決手段】本発明のバルブ装置10の一つの態様は、バルブ11と、吐出口を有するポンプ12と、バルブ11およびポンプ12が固定されたベース13と、を備える。バルブ11は、バルブ本体部14と、バルブ本体部14に繋がるコントローラ部15と、開口部16aを有するコネクタ部16と、を有する。ベース13が第1状態である場合と、ベース13が第1状態に対して水平方向に延びる軸線回りに所定の角度回転した第2状態である場合と、において、コントローラ部15は、バルブ本体部14に対して鉛直方向下方に位置する位置とは異なる位置に配置され、開口部16aは、鉛直方向上方向きとは異なる向きに開口し、吐出口12aは、鉛直方向下方向きとは異なる向きに開口する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バルブと、
吐出口を有するポンプと、
前記バルブおよび前記ポンプが固定されたベースと、
を備え、
前記バルブは、
バルブ本体部と、
前記バルブ本体部に繋がるコントローラ部と、
開口部を有するコネクタ部と、
を有し、
前記ベースが第1状態である場合と、前記ベースが前記第1状態に対して水平方向に延びる軸線回りに所定の角度回転した第2状態である場合と、において、
前記コントローラ部は、前記バルブ本体部に対して鉛直方向下方に位置する位置とは異なる位置に配置され、
前記開口部は、鉛直方向上方向きとは異なる向きに開口し、
前記吐出口は、鉛直方向下方向きとは異なる向きに開口する、バルブ装置。
【請求項2】
前記ベースが前記第1状態である場合と前記ベースが前記第2状態である場合とにおいて、
前記コントローラ部は、前記バルブ本体部に対して鉛直方向上方または水平方向に位置し、
前記開口部は、鉛直方向下方または水平方向に開口し、
前記吐出口は、鉛直方向上方または水平方向に開口する、請求項1に記載のバルブ装置。
【請求項3】
前記第1状態における前記ベースの鉛直方向の寸法は、前記第2状態における前記ベースの鉛直方向の寸法と異なる、請求項1または2に記載のバルブ装置。
【請求項4】
前記ポンプは、前記バルブに対して、前記開口部と対向する位置とは異なる位置に配置されている、請求項1から3のいずれか一項に記載のバルブ装置。
【請求項5】
前記ベースが前記第1状態である場合に、前記バルブは前記ポンプよりも鉛直方向下方に位置し、かつ、前記開口部は鉛直方向下方を向く、請求項4に記載のバルブ装置。
【請求項6】
前記吐出口は、前記バルブ本体部に対して前記コントローラ部が位置する側に開口している、請求項1から5のいずれか一項に記載のバルブ装置。
【請求項7】
前記開口部が開口する向きと前記吐出口が開口する向きとは、互いに逆向きである、請求項6に記載のバルブ装置。
【請求項8】
前記バルブ本体部は、モータを有する、請求項1から7のいずれか一項に記載のバルブ装置。
【請求項9】
前記バルブは、四方弁である、請求項8に記載のバルブ装置。
【請求項10】
前記ベースに固定される取付部材を備え、
前記取付部材は、前記ベースに対して、前記第1状態と前記第2状態とで互いに異なる位置に固定可能である、請求項1から9のいずれか一項に記載のバルブ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バルブ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
バルブを含む複数の流体機器が一つの部品に統合されたバルブ装置が提案されている。
例えば特許文献1~3には、ヒートポンプサイクルに使用される統合バルブが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-196880号公報
【特許文献2】国際公開第2021/064812号公報
【特許文献3】特開2011-235753号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
バルブ装置は、コストの低減及び組立容易性の向上のために、バルブおよびポンプを含む複数の流体機器を1つの部品に統合する。バルブ装置は、限られた配置空間に配置されて所定の取付位置に固定されている。そのためバルブ装置は、たとえ使用される複数の流体機器が同じであっても、配置空間や取付位置等の条件に合わせて、別々に設計する必要があった。しかもバルブ等の流体機器は液体の漏洩が生じる虞がある。また、ポンプ等の流体機器は気泡の滞留が生じる虞がある。このため、バルブ装置の設計では複数の流体機器における液体の漏洩や気泡の滞留を考慮することも必要であった。そのため従来のバルブ装置は汎用性に劣るという問題があった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みて、汎用性を向上できるバルブ装置を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のバルブ装置は、バルブと、吐出口を有するポンプと、前記バルブおよび前記ポンプが固定されたベースと、を備える。前記バルブは、バルブ本体部と、前記バルブ本体部に繋がるコントローラ部と、開口部を有するコネクタ部と、を有する。前記ベースが第1状態である場合と、前記ベースが前記第1状態に対して水平方向に延びる軸線回りに所定の角度回転した第2状態である場合と、において、前記コントローラ部は、前記バルブ本体部に対して鉛直方向下方に位置する位置とは異なる位置に配置され、前記開口部は、鉛直方向上方向きとは異なる向きに開口し、前記吐出口は、鉛直方向下方向きとは異なる向きに開口する。
【発明の効果】
【0007】
本発明のバルブ装置によれば、汎用性を向上できるバルブ装置を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態のバルブ装置の要部を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、実施形態のバルブ装置の要部を模式的に示す正面図であり、ベース部の第1状態を示す。
【
図3】
図3は、実施形態のバルブ装置の要部を模式的に示す正面図であり、ベース部の第2状態を示す。
【
図4a】
図4aは、バルブの向きを説明する模式図である。
【
図4b】
図4bは、バルブの向きを説明する模式図である。
【
図4c】
図4cは、バルブの向きを説明する模式図である。
【
図5a】
図5aは、ポンプの向きを説明する部分断面図である。
【
図5b】
図5bは、ポンプの向きを説明する部分断面図である。
【
図5c】
図5cは、ポンプの向きを説明する部分断面図である。
【
図5d】
図5dは、ポンプの向きを説明する部分断面図である。
【
図6】
図6は、変形例のバルブ装置の要部を模式的に示す正面図であり、ベース部の第1状態を示す。
【
図7】
図7は、変形例のバルブ装置の要部を模式的に示す正面図であり、ベース部の第2状態を示す。
【
図8】
図8は、変形例のバルブ装置の要部を模式的に示す正面図であり、ベース部の第3状態を示す。
【
図9】
図9は、別の変形例のバルブ装置の要部を模式的に示す正面図であり、ベース部の第1状態を示す。
【
図10】
図10は、別の変形例のバルブ装置の要部を模式的に示す正面図であり、ベース部の第2状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態のバルブ装置の要部を示す。
バルブ装置10は、バルブ11と、吐出口12a(
図2参照)を有するポンプ12と、複数のバルブ11及び複数のポンプ12が固定されたベース13と、を備える。
バルブ装置10は、例えば車体に搭載されるものであるが、それ以外の用途に用いてもよい。本実施形態のバルブ装置10は、例えばヒートポンプシステムの冷却水回路に使用する装置の例である。バルブ装置10は、周囲の部材等により制約が多い配置空間に配置して使用されるものである。
【0010】
バルブ11は、バルブ本体部14と、バルブ本体部14に繋がるコントローラ部15と、開口部16aを有するコネクタ部16と、を有する。本実施形態のバルブ11は四方弁であるが、三方弁など別の種類のバルブであってもよい。バルブ本体部14は、流路を切替える弁体がモータ17により駆動される構造を有する。
【0011】
コントローラ部15は、バルブ本体部14の動作を制御するもので、バルブ本体部14に固定されている。複数のバルブ11において、バルブ本体部14に対して同じ側にコントローラ部15が固定されている。コントローラ部15の内部には基板等が収容されている。
【0012】
コントローラ部15の外部にはコネクタ部16を有する。コネクタ部16は配線を接続するための開口部16aを有する。複数のバルブ11において、コネクタ部16の開口部16aは同じ向きに開口している。なお、複数のバルブ11のコネクタ部16の開口部16aの向きは、後述する設置条件を満たせばバルブごとに異なっていてもよい。
【0013】
ポンプ12は、図示しない吸引口及び吐出口12aを有する。内部に作動部が設けられ、吐出口12aから液体が吐出される。複数のポンプ12において、吐出口12aが同じ向きに開口している。なお、複数のポンプ12の吐出口12aの開口の向きは、後述する設置条件を満たせばポンプごとに異なっていてもよい。
【0014】
ベース13は、複数のバルブ11及び複数のポンプ12等の流体機器を支持可能な剛性を有する部材である。ベース13は、正面視形状における互いに直交する2方向の寸法に比べ、厚みが薄い扁平形状を有している。ベース13は、正面視形状が略長方形の板状部材である。ベース13は、例えば樹脂成形品であるが、金属製であってもよい。複数のバルブ11及び複数のポンプ12はベース13の正面に固定されている。なお、複数のバルブ11及び複数のポンプ12が、ベース13の背面に固定されていてもよい。また、複数のバルブ11及び複数のポンプ12の一部がベース13の正面に固定され、残りがベース13の背面に固定されていてもよい。
【0015】
ベース13には、ベース13を所定の取付位置に取り付けるために、図示しない取付部材が固定されている。取付部材は、ベース13を立てた姿勢で、所定の取付位置に取り付けることができる。取付部材はベース13に対して互いに異なる複数の位置に固定可能である。ベース13に対する取付部材の固定位置を変えることで、ベース13の姿勢を変更することができる。
【0016】
具体的には、
図2に示すように、ベース13が立てた状態で配置される第1状態と、
図3に示すように、ベース13が立てた状態のまま、第1状態に対して水平方向に延びる軸線L回りに所定の角度回転した第2状態と、にベース13の姿勢を変更可能である。ベース13の姿勢を変更することで、ベース13の鉛直方向の寸法及びベース13の水平方向の寸法が変化する。即ち、第1状態におけるベース13の鉛直方向の寸法が、第2状態におけるベース13の鉛直方向の寸法と異なる。本実施形態のベース13は、第1状態および第2状態のいずれの状態においても所定の取付位置に取り付け可能である。なお、本実施形態では、第2状態は、第1状態に対して水平方向に延びる軸線L回りに90°回転した状態となっている。
【0017】
第1状態および第2状態において、バルブ装置10を構成するバルブ11及びポンプ12は、所定の配置条件を満たすように配置されている。
コントローラ部15はバルブ本体部14に対して鉛直方向下方に位置する位置とは異なる位置に配置される。好ましくは、コントローラ部15は、バルブ本体部14に対して鉛直方向上方または水平方向側方に位置する。例えば、
図4aに示すように、コントローラ部15がバルブ本体部14の鉛直方向上方に位置するとよい。また、
図4bに示すように、コントローラ部15がバルブ本体部14の斜め上方に位置するとよい。また、
図4cに示すように、コントローラ部15がバルブ本体部14の水平方向側方に位置するとよい。
なお、コントローラ部15がバルブ本体部14の下方に位置すると、バルブ本体部14から漏れた液体がコントローラ部15に浸入するおそれがあり、コントローラ部15内に浸入した液体により短絡するおそれがある。
【0018】
コネクタ部16の開口部16aは、鉛直方向上方向きとは異なる向きに開口する。好ましくは、
図4a~
図4cに示すように、開口部16aは鉛直方向下方または水平方向に向けて開口する。例えば、
図4aに示すように、開口部16aが水平方向に向けて開口しているとよい。また、
図4bに示すように、開口部16aが斜め下方に向けて開口するとよい。また、
図4cに示すように、開口部16aが鉛直方向下方に向けて開口するとよい。
なお、コネクタ部16の開口部16aが上方向きに開口すると、コネクタ部16に上方から液体が流下したときに、液体がコネクタ部16の内部に流入するおそれがある。また、コネクタ部16に配線が接続された状態では、バルブ11又は他の機器から漏れた液体が配線を伝ってコネクタ部16周辺に到達したとき、開口部16a周辺に液溜りができるおそれがある。
【0019】
ポンプ12の吐出口12aは、鉛直方向下方向きとは異なる向きに開口する。好ましくは、吐出口12aは鉛直方向上方または水平方向に開口する。例えば、
図5aに示すように、吐出口12aが水平方向の一方側に開口しているとよい。また、
図5bに示すように、吐出口12aが斜め上方に開口しているとよい。また、
図5cに示すように、吐出口12aが斜め上方に開口しているとよい。また、
図5dに示すように、吐出口12aが水平方向の他方側に開口しているとよい。
なお、吐出口12aが下向きに開口すると、ポンプ12の吐出口付近の流路内にエアだまりが発生するおそれがある。
【0020】
ポンプ12は、バルブ11に対して、コネクタ部16の開口部16aと対向する位置とは異なる位置に配置されているのがよい。例えば、
図2に示すように、バルブ11がポンプ12よりも鉛直方向下方に位置するときには、開口部16aは鉛直方向下方を向くのがよい。このように配置することで、コネクタ部16に配線を接続する際に、ポンプ12が邪魔にならない。
また、ポンプ12の吐出口12aは、バルブ本体部14に対してコントローラ部15が位置する側に開口するのがよい。このように配置することで、ポンプ12の吐出口12aの配置とコントローラ部15の配置とを同時に好ましい配置にすることができる。
【0021】
本実施形態のバルブ装置10は、複数のバルブ11及びポンプ12を固定したベース13が立てた状態で姿勢を変化させたときにも、バルブ11及びポンプ12に要求される配置条件を満たす。即ち、ベース13が、
図2に示すように第1状態である場合と、ベース13が
図3に示すように、第1状態に対して水平方向に延びる軸線L回りで反時計回りに90°回転した第2状態である場合と、において、所定の配置条件を同時に満たす。
配置条件は、バルブ11のバルブ本体部14に対するコントローラ部15の位置と、バルブ11のコネクタ部16の開口部16aの向きと、ポンプ12の吐出口12aの向きと、を上述のような関係にすることである。
【0022】
具体的には、第1に、第1状態と第2状態との何れにおいても、コントローラ部15がバルブ本体部14に対して鉛直方向下方に位置する位置とは異なる位置に配置される。コントローラ部15は、バルブ本体部14に対して鉛直方向上方または水平方向側方に位置する。
【0023】
第2に、第1状態と第2状態との何れにおいても、コネクタ部16の開口部16aが鉛直方向上方向きとは異なる向きに開口する。開口部16aは鉛直方向下方または水平方向側方に向けて開口する。
【0024】
第3に、第1状態と第2状態との何れにおいても、ポンプ12の吐出口12aが鉛直方向下方向きとは異なる向きに開口する。吐出口12aは、鉛直方向上方または水平方向側方に開口する。
【0025】
以上の構成を有する本実施形態のバルブ装置10では、バルブ11及びポンプ12が固定されベース13を立てた状態で所定の取付位置に取り付けて使用される。取付部材によりベース13が第1状態である場合と、ベース13が第1状態に対して90°回転した第2状態である場合と、で姿勢を調整できる。そのため制約が多い各種の配置空間にバルブ装置10を配置することができる。
【0026】
その際、第1状態と第2状態との何れにおいても、バルブ11のコントローラ部15が、バルブ本体部14に対して鉛直方向下方に位置する位置とは異なる位置に配置される。同時にバルブ11のコネクタ部16の開口部16aが、鉛直方向上方向きとは異なる向きに開口する。そのためバルブ11などから漏れた液体がコントローラ部15内に浸入することを抑制できる。また、コネクタ部16の開口部16a周辺に液溜りが生じたり、コネクタ部16を介してコントローラ部15内に液体が浸入したりすることを抑制できる。
したがって、コントローラ部15内に液体が浸入して短絡するのを抑制できる。また、浸入した液体が基盤回路に接触して生じる腐食等の劣化を抑制できる。
【0027】
さらに、第1状態と第2状態との何れにおいても、ポンプ12の吐出口12aは、鉛直方向下方向きとは異なる向きに開口する。そのため、ポンプ12の吐出口12aから流路内の気泡が外部へ吐き出され易い。結果として、ポンプ12の流路内にエア溜まりが生じることを抑制でき、エア溜まりによるノイズの発生及びベアリング摩耗等のリスクが低減でき、ポンプの寿命が向上する。
【0028】
本実施形態のバルブ装置10によれば、ベース13が第1状態となる姿勢と、第2状態となる姿勢と、の何れであっても、コントローラ部15内の液体の浸入及びポンプ12の流路内のエア溜まりの発生を抑制できる。したがって、各種の配置空間にバルブ装置10を正常な動作を確保して配置することができ、ベース13の配置姿勢の自由度を向上してバルブ装置10の汎用性を向上することが可能である。
【0029】
特に、第1状態と第2状態との何れにおいても、コントローラ部15がバルブ本体部14に対して鉛直方向上方または水平方向に位置する。開口部16aが鉛直方向下方または水平方向に開口する。吐出口12aが鉛直方向上方または水平方向に開口する。そのためコントローラ部15内への液体の浸入、ポンプ12の流路内のエア溜まりをより抑制できる。
【0030】
本実施形態のバルブ装置10によれば、第1状態におけるベース13の鉛直方向の寸法が第2状態におけるベース13の鉛直方向の寸法と異なる。そのため第1状態と第2状態とが選択されることで、バルブ装置10の縦横寸法を容易に逆転させることができる。バルブ装置10を配置空間に適した姿勢で配置することができる。
【0031】
本実施形態のバルブ装置10によれば、ポンプ12がバルブ11に対して開口部16aと対向する位置とは異なる位置に配置されている。例えば、ベース13が第1状態である場合、バルブ11がポンプ12よりも鉛直方向下方に位置し、かつ、開口部16aは鉛直方向下方を向いている。そのためコネクタ部16に配線等を接続する際、ポンプ12が邪魔にならず、配線等の作業性を向上できる。
【0032】
本実施形態のバルブ装置10によれば、バルブ本体部14に対してコントローラ部15が位置する側にポンプ12の吐出口12aが開口している。コントローラ部15をバルブ本体部14に対して鉛直方向上方または水平方向側方に位置させれば、ポンプの吐出口12aも鉛直方向上方または水平方向側方に開口させることができる。そのためポンプ12の吐出口12aの配置とコントローラ部15の配置とを同時に好ましい配置することができる。
【0033】
本実施形態のバルブ装置10によれば、バルブ本体部14がモータ17を有する。バルブ本体部14に回転する機構が存在するため、バルブ本体部14から液体の漏れが生じるおそれがある。しかしながら、バルブ装置10は所定の配置条件を満たすため、バルブ本体部14から液体が漏れても、コントローラ部15やコネクタ部16内に液体が浸入することを抑制できる。
【0034】
本実施形態のバルブ装置10によれば、バルブ11が四方弁である。バルブ本体部14から液体の漏れが生じるおそれがあるが、所定の配置条件を満たすため、バルブ本体部14から液体が漏れても、コントローラ部15やコネクタ部16内に液体が浸入することを抑制できる。
【0035】
本実施形態のバルブ装置10によれば、ベース13に固定される取付部材を備えている。取付部材がベース13に対して、第1状態と第2状態とで互いに異なる位置に固定可能である。取付部材の固定位置を替えることで、ベース13を第1状態および第2状態のいずれの状態においても所定の性能を満たした状態でバルブ装置10を配置することができる。つまり、簡易な構造によりバルブ装置10を配置空間に適した姿勢で配置することができる。
【0036】
[変形例]
次に変形例について説明する。
図6乃至
図8は上記実施形態の一つの変形例を示している。なお、上記実施形態と同じ構成部位に関しては同じ符号を付して説明は省略する。
本変形例のバルブ装置10Aでは、複数のバルブ11Aにおけるコネクタ部16の開口部16aが開口する向きと、複数のポンプ12の吐出口12aが開口する向きとが互いに逆向きである。
【0037】
図6に示すように、バルブ11Aは、バルブ11とはコントローラ部15Aおよびコネクタ部16Aの構成が異なっている。コントローラ部15Aは、バルブ本体部14の水平方向側方に連結されている。コントローラ部15Aの下端は、バルブ本体部14の下端よりも下方まで延びている。コントローラ部15Aの下端にコネクタ部16Aが連結されている。コネクタ部16Aは、開口部16aが水平方向側方を向くように配置されている。
【0038】
バルブ装置10Aにおいても、上記実施形態の作用効果は実現できる。
さらに本変形例では、ポンプ12の吐出口12aがバルブ本体部14に対してコントローラ部15Aの位置された側に開口している。また、コネクタ部16Aの開口部16aが開口する向きとポンプ12の吐出口12aが開口する向きとが互いに逆向きである。
そのため、コントローラ部15Aをバルブ本体部14に対して水平方向のどちら側に位置させても、バルブ11及びポンプ12に要求される所定の配置条件を満たすことができる。
【0039】
具体的には、
図6に示す第1状態であっても、第1状態から水平方向に延びる軸線L回りで反時計回りに90°回転させた
図7に示す第2状態でも、第2状態から同軸線L周りで反時計回りに90°回転させた
図8に示す第3状態でも、所定の配置条件を満たしている。
【0040】
所定の配置条件は、第1に、コントローラ部15Aがバルブ本体部14に対して鉛直方向下方に位置する位置とは異なる位置に配置される。即ち、コントローラ部15Aがバルブ本体部14に対して鉛直方向上方または水平方向に位置する。
第2に、コネクタ部16Aの開口部16aが鉛直方向上方向きとは異なる向きに開口する。即ち、開口部16aが鉛直方向下方または水平方向に向けて開口する。
第3に、ポンプ12の吐出口12aが鉛直方向下方向きとは異なる向きに開口する。即ち、吐出口12aは、鉛直方向上方または水平方向に開口する。
【0041】
そのため、上記実施形態と同様に、コントローラ部15A内の液体の浸入及びポンプ12の流路内のエア溜まりの発生を抑制できる。また、ベース13が第1状態、第2状態、第3状態の何れの姿勢であっても、ベース13を所定位置に配置することができ、バルブ装置10Aの汎用性がより向上する。
【0042】
[別の変形例]
次に他の変形例について説明する。
図9及び
図10は上記実施形態の他の変形例を示している。
本変形例のバルブ装置10Bでは、複数のバルブ11の配列と複数のポンプ12の配列とが上下逆に配置されている他は、上記実施形態と同様である。
【0043】
本変形例のバルブ装置10Bであっても、上記実施形態と同様に、
図9に示すように、ベース13が第1状態となる姿勢であっても、
図10に示すように、ベース13が第2状態となる姿勢であっても、所定の配置条件を満たすことができる。
そのため、上記実施形態と同様に、コントローラ部15内の液体の浸入及びポンプ12の流路内のエア溜まりの発生を抑制できる。したがって、ベース13の配置姿勢の自由度を向上してバルブ装置10Bの汎用性を向上することが可能である。
【0044】
以上、本実施形態について説明をしたが、バルブ装置10の構成は、本発明の範囲内において適宜変更可能である。
例えば、上記実施形態および変形例では、ベース13、バルブ11、ポンプ12の形状や種類などは一例であり、上記以外の構成であってもよい。上記ではベース13が正面視形状が略長方形の板状形状の例を説明したが、長方形以外の形状であってもよいし、板状でなく立体形状等であってもよい。また複数のバルブ11が四方弁の例を説明したが、3方弁など他の形式のバルブであってもよい。
【0045】
また、上記実施形態及び変形例では、ベース13に2個のバルブ11及び2個のポンプ12を固定したが、バルブ11及びポンプ12の数は特に限定されない。ベース13に少なくとも一つのポンプ12と少なくとも一つのバルブ11とが固定されたバルブ装置10であれば本発明を好適に適用できる。
【0046】
さらに、上記実施形態及び変形例では、バルブ11及びポンプ12がベース13に2列に配置されたが、それに限定されるものではなく、1列に配置されていてもよく、3列以上に配置されていてもよい。
【0047】
また、上記実施形態及び変形例では、ベース13にバルブ11及びポンプ12のみが固定された例を説明したが、バルブ11及びポンプ12の他に、各種の他の流体機器やそれ以外の機器が固定されていてもよい。
【0048】
そして、上記実施形態及び変形例では、同一の取付部材をベース13に対して異なる位置に固定することで、第1状態、第2状態、第3状態に姿勢を変化させたが、特に限定されない。例えば、それぞれ異なる形状の取付部材をベース13に固定することで、姿勢を変化させて所定位置(例えば、車体)に取り付けることも可能である。また、上記実施形態及び変形例では、ベース13を90度ずつ回転させても設置可能である旨の説明をしたが、例えば、所定の角度として30度回転させた場合など90度以外の回転角度であっても設置条件を満たせば設置可能であることは言うまでもない。
【0049】
なお、以上に、本明細書において説明した各構成は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0050】
10…バルブ装置、11…バルブ、12…ポンプ、12a…吐出口、13…ベース、14…バルブ本体部、15…コントローラ部、16…コネクタ部、16a…開口部、17…モータ、L…水平方向に延びる軸線