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  • 特開-電界効果トランジスタ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023151403
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】電界効果トランジスタ
(51)【国際特許分類】
   H01L 29/78 20060101AFI20231005BHJP
   H01L 29/12 20060101ALI20231005BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
H01L29/78 652M
H01L29/78 652J
H01L29/78 652T
H01L29/78 658K
H01L29/78 652C
H01L29/78 658A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022060993
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】515277942
【氏名又は名称】株式会社ノベルクリスタルテクノロジー
(74)【代理人】
【識別番号】110002583
【氏名又は名称】弁理士法人平田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 公平
(72)【発明者】
【氏名】三井田 高
(57)【要約】
【課題】酸化ガリウム系半導体が半導体層に用いられた縦型の電界効果トランジスタであって、低コストかつ量産性に優れた、高耐圧な電界効果トランジスタを提供する。
【解決手段】n型の酸化ガリウム系半導体からなる第1のn型半導体層10と、その表層の一部に設けられた、p型の半導体からなるp型半導体層11と、前記表層上の、n型の酸化ガリウム系半導体からなる第2のn型半導体層12と、第2のn型半導体層12に接続されたソース電極13と、第2のn型半導体層12中の、p型半導体層11上の、ソース電極13に接触する第1のn型領域121と、第2のn型半導体層12中の界面17上の第2のn型領域122と、第1のn型領域121と第2のn型領域122の間のアクセプター注入領域123と、アクセプター注入領域123上にゲート絶縁膜16を介して設けられたゲート電極14と、を備えた電界効果トランジスタ1を提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
n型の酸化ガリウム系半導体からなる第1のn型半導体層と、
前記第1のn型半導体層の表層の一部に設けられた、p型の半導体からなるp型半導体層と、
前記表層上の、n型の酸化ガリウム系半導体からなる第2のn型半導体層と、
前記第2のn型半導体層に接続されたソース電極と、
前記第2のn型半導体層中の、前記p型半導体層上の、前記ソース電極に接触する第1のn型領域と、
前記第2のn型半導体層中の、前記第1のn型半導体層と前記第2のn型半導体層の界面上の第2のn型領域と、
前記第2のn型半導体層中の、前記第1のn型領域と前記第2のn型領域の間のアクセプター注入領域と、
前記アクセプター注入領域上にゲート絶縁膜を介して設けられたゲート電極と、
前記第2のn型半導体層の反対側から前記第1のn型半導体層に接続されたドレイン電極と、
を備えた電界効果トランジスタ。
【請求項2】
前記p型半導体層が、p型の酸化物半導体からなる、
請求項1に記載の電界効果トランジスタ。
【請求項3】
前記p型半導体層が、p型のNiO又はp型のCuOからなる、
請求項2に記載の電界効果トランジスタ。
【請求項4】
前記アクセプター注入領域が前記p型半導体層上に位置する、
請求項1~3のいずれか1項に記載の電界効果トランジスタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電界効果トランジスタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ワイドバンドギャップ半導体であるGaが半導体層に用いられた縦型の電界効果トランジスタの試作が報告されている(特許文献1、2を参照)。非特許文献1に記載の電界効果トランジスタは、プレーナゲート構造を有する縦型の電界効果トランジスタであり、非特許文献2に記載の電界効果トランジスタは、フィン構造を有する縦型の電界効果トランジスタである。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】“Current Aperture Vertical β-Ga2O3MOSFETs Fabricated by N- and Si-Ion implantation Doping” M. Wong et. al., IEEE EDL Vol. 40 No. 3 Mar 2019
【非特許文献2】”Enhancement-Mode Ga2O3 Vertical Transistors With Breakdown Voltage >1kV” Z. Hu, et.al. IEEE EDL Vol, 39 No. 6 Jun 2018
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、非特許文献1に記載の電界効果トランジスタは、オフリーク電流の抑制機能が低いため、高耐圧化することが困難であるという問題がある。また、非特許文献2に記載の電界効果トランジスタは、微細なフィン構造を作製するために、速度が非常に遅い電子線露光装置による加工が必要であるため、量産が困難であるという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、酸化ガリウム系半導体が半導体層に用いられた縦型の電界効果トランジスタであって、低コストかつ量産性に優れた、高耐圧な電界効果トランジスタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、上記目的を達成するために、下記[1]~[4]の電界効果トランジスタを提供する。
【0007】
[1]n型の酸化ガリウム系半導体からなる第1のn型半導体層と、前記第1のn型半導体層の表層の一部に設けられた、p型の半導体からなるp型半導体層と、前記表層上の、n型の酸化ガリウム系半導体からなる第2のn型半導体層と、前記第2のn型半導体層に接続されたソース電極と、前記第2のn型半導体層中の、前記p型半導体層上の、前記ソース電極に接触する第1のn型領域と、前記第2のn型半導体層中の、前記第1のn型半導体層と前記第2のn型半導体層の界面上の第2のn型領域と、前記第2のn型半導体層中の、前記第1のn型領域と前記第2のn型領域の間のアクセプター注入領域と、前記アクセプター注入領域上にゲート絶縁膜を介して設けられたゲート電極と、前記第2のn型半導体層の反対側から前記第1のn型半導体層に接続されたドレイン電極と、を備えた電界効果トランジスタ。
[2]前記p型半導体層が、p型の酸化物半導体からなる、上記[1]に記載の電界効果トランジスタ。
[3]前記p型半導体層が、p型のNiO又はp型のCuOからなる、上記[2]に記載の電界効果トランジスタ。
[4]前記アクセプター注入領域が前記p型半導体層上に位置する、上記[1]~[3]のいずれか1項に記載の電界効果トランジスタ。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、酸化ガリウム系半導体が半導体層に用いられた縦型の電界効果トランジスタであって、低コストかつ量産性に優れた、高耐圧な電界効果トランジスタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の実施の形態に係る電界効果トランジスタの垂直断面図である。
図2図2(a)、(b)は、本発明の実施の形態に係る電界効果トランジスタの製造工程の一例を示す垂直断面図である。
図3図3(a)、(b)は、本発明の実施の形態に係る電界効果トランジスタの製造工程の一例を示す垂直断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(電界効果トランジスタの構成)
図1は、本発明の実施の形態に係る電界効果トランジスタ1の垂直断面図である。電界効果トランジスタ1は、プレーナ構造を有する縦型の電界効果トランジスタである。
【0011】
電界効果トランジスタ1は、n型の酸化ガリウム系半導体からなる第1のn型半導体層10と、第1のn型半導体層10の表層の一部に設けられた、p型の半導体からなるp型半導体層11と、第1のn型半導体層10の表層上の、n型の酸化ガリウム系半導体からなる第2のn型半導体層12と、第2のn型半導体層12に接続されたソース電極13と、第2のn型半導体層12中の、p型半導体層11上の、ソース電極13に接触する第1のn型領域121と、第2のn型半導体層12中の、第1のn型半導体層10と第2のn型半導体層12の界面17上の第2のn型領域122と、第2のn型半導体層12中の、第1のn型領域121と第2のn型領域122の間のアクセプター注入領域123と、アクセプター注入領域123上にゲート絶縁膜16を介して設けられたゲート電極14と、第2のn型半導体層12の反対側から第1のn型半導体層10に接続されたドレイン電極15と、を備える。
【0012】
第1のn型半導体層10と第2のn型半導体層12は、β型の結晶構造を有する酸化ガリウム系半導体の単結晶からなる。ここで、酸化ガリウム系半導体とは、Ga、又は、Al、Inなどの元素が添加されたGaをいう。例えば、酸化ガリウム系半導体は、(GaAlIn(1-x-y)(0<x≦1、0≦y≦1、0<x+y≦1)で表される組成を有する。GaにAlを添加した場合にはバンドギャップが広がり、Inを添加した場合にはバンドギャップが狭くなる。また、第1のn型半導体層10と第2のn型半導体層12は、Si、Snなどのドナー不純物を含む。
【0013】
第1のn型半導体層10は、典型的には、図1に示されるように、ドレイン電極15をオーミック接続するためのドナー濃度の高い層101と、その上の層102を含む。例えば、層101は1×1018cm-3以上、1×1021cm-3以下のドナー濃度を有し、層102は1×1015cm-3以上、1×1017cm-3以下のドナー濃度を有する。また、例えば、層101の厚さは30μm以上、600μm以下であり、層102の厚さは3μm以上、50μm以下である。
【0014】
第1のn型半導体層10の層101は、典型的には、酸化ガリウム系半導体の基板からなる。この場合の基板は、例えば、FZ(Floating Zone)法やEFG(Edge Defined Film Fed Growth)法、VB(Vertical Bridgman)法等の融液成長法により育成した酸化ガリウム系単結晶のバルク結晶をスライスし、表面を研磨することにより形成される。また、第1のn型半導体層10の層102は、典型的には、層101の上面を下地面として成膜されたエピタキシャル膜である。
【0015】
第2のn型半導体層12は、表面活性化接合法による接合とスマートカット法などによる薄膜化により第1のn型半導体層10上に形成される。第1のn型半導体層10上に結晶をエピタキシャル成長させる方法では、p型半導体層11上に酸化ガリウム系単結晶を成長させることができない、又は、低品質の酸化ガリウム系単結晶を成長させることしかできない。そのため、第2のn型半導体層12のp型半導体層11上の部分は形成されない、又は低品質になり、第1のn型領域121やアクセプター注入領域123を形成することができなくなる。
【0016】
p型半導体層11は、p型の半導体からなり、第1のn型半導体層10及び第2のn型半導体層12を構成する酸化ガリウム系半導体と反応し難いという点では、p型のNiOやp型のCuOなどのp型の酸化物半導体からなることが好ましい。さらに、p型の酸化物半導体の中でも、特にp型になりやすく(n型になりにくく)、高アクセプタ濃度ドーピングが可能なNiOをp型半導体層11の材料に用いることが好ましい。
【0017】
p型半導体層11の厚さは特に限定されないが、作りやすさの観点からは、0.5μm以上であることが好ましい。また、厚さを増すことによる利点も特にないため、例えば、1μm以下に設定される。
【0018】
p型半導体層11は、典型的には、図1に示されるように、第1のn型半導体層10の横方向の両端から中心に向かって延び、第1のn型半導体層10と第2のn型半導体層12の界面17を両側から挟む2つの部分からなる。そして、これらp型半導体層11の2つの部分の各々の上に、第1のn型領域121とアクセプター注入領域123が形成される。すなわち、第1のn型領域121とアクセプター注入領域123は、第2のn型領域122の両側に1つずつ形成される。
【0019】
第1のn型領域121は、ソース電極13がオーミック接続されるソース領域であり、例えば、1×1018cm-3以上、1×1020cm-3以下の実効ドナー濃度を有する。ここで、実効ドナー濃度は、ドナー濃度からアクセプター濃度を引いたものである。第1のn型領域121は、例えば、第2のn型半導体層12にSiやSn、Geなどのドナー不純物をイオン注入することにより形成される。
【0020】
第2のn型領域122は、第1のn型半導体層10と第2のn型半導体層12の界面17上の領域であり、典型的には、第2のn型半導体層12の導電型不純物がイオン注入されていない領域である。
【0021】
アクセプター注入領域123は、第1のn型領域121と第2のn型領域122の間に、これらを隔離するように設けられており、ウェル領域として機能する。アクセプター注入領域123は、例えば、1×1015cm-3以上、1×1018cm-3以下の実効アクセプター濃度を有する。ここで、実効アクセプター濃度は、アクセプター濃度からドナー濃度を引いたものである。アクセプター注入領域123は、例えば、第2のn型半導体層12にNなどのアクセプター不純物をイオン注入することにより形成される。
【0022】
ゲート電極14は、例えば、高濃度のドナーが添加された多結晶Siや、Ti、W、Niなどの金属からなる。ゲート絶縁膜16は、例えば、Al、SiO、HfOなどの絶縁体からなる。ゲート電極14の上面と側面は、SiOなどの絶縁体からなる絶縁層18に覆われ、ソース電極13と絶縁される。ソース電極13及びドレイン電極15は、例えば、TiやAl、Pt、Ni、Auなどの金属からなる。
【0023】
(電界効果トランジスタの動作)
電界効果トランジスタ1をオンにするときには、ゲート電極14とソース電極13の間に閾値電圧以上の電圧を印加すると、アクセプター注入領域123の表層、すなわちゲート絶縁膜16と接触する部分に横方向のn型のチャネルが形成され、電子がソース電極13から第1のn型領域121、第2のn型領域122、第1のn型半導体層10を通ってドレイン電極15まで移動する。なお、閾値電圧は、例えば、Nの注入によりアクセプター注入領域123を形成する場合には、5Vを超える値が得られる。
【0024】
上述の非特許文献1に記載された電界効果トランジスタにおいては、ソース電極が接続されたソース領域の下側がアクセプター注入領域で覆われており、ソース領域から下方向への電子の移動を妨げている。しかしながら、酸化ガリウム系半導体をp型化させることは非常に困難であり、アクセプター不純物を注入しても高い導電性を有するp型領域を得ることはできない。そのため、非特許文献1に記載された構造では、アクセプター注入領域の電流分離層としての効果は限定的であり、高い耐圧を得ることが難しい。
【0025】
本発明の実施の形態に係る電界効果トランジスタ1においては、第1のn型領域121の下側がp型半導体層11に覆われているため、電界効果トランジスタ1がオフ状態のときに、ソース電極13とドレイン電極15の間に高い電圧が印加されても、第1のn型領域121から下方向への電子の移動を第1のn型領域121とp型半導体層11のヘテロpn接合が抑制できる。このため、電界効果トランジスタ1は高い耐圧を得ることができる。第1のn型領域121から下方向への電子の移動をより効果的に抑えるためには、アクセプター注入領域123も第1のn型領域121と同様にp型半導体層11上に位置することが好ましい。
【0026】
(電界効果トランジスタの製造方法)
図2(a)、(b)、図3(a)、(b)は、本発明の実施の形態に係る電界効果トランジスタ1の製造工程の一例を示す垂直断面図である。
【0027】
まず、図2(a)に示されるように、第1のn型半導体層10の表層、すなわち層102の表層にp型半導体層11を形成する。p型半導体層11は、例えば、層102の表層にエッチングにより形成された窪み103内にCVD法やスパッタ法などによりp型半導体を堆積させ、窪み103の外側のp型半導体を平坦化処理などで除去することにより、形成される。
【0028】
次に、図2(b)に示されるように、面状のイオン注入領域125が形成されたn型の酸化ガリウム系半導体からなるn型半導体基板120を第1のn型半導体層10の表層、すなわち層102の表層に貼り合わせ、接合する。ここで、n型半導体基板120の層102の表層に接合される面を接合面124とする。
【0029】
まず、貼り合わせる前に、層102の上面、すなわち表層側の面と、n型半導体基板120の接合面124にCMP(chemical mechanical polishing)、機械研磨などによる平坦化処理を施す。次に、表面活性化接合法により、層102の上面と、n型半導体基板120の接合面124とを真空中で接触させ接合する。例えば、5×10-6Pa程度の圧力下の超高真空中チャンバー内において、1.5keVのエネルギーで加速したAr原子ビームを照射することにより、層102の上面とn型半導体基板120の接合面124の最表面を除去して、それらのダングリングボンドが露出した新生面同士を接触させて接合する。
【0030】
イオン注入領域125は、n型半導体基板120の接合面124から所定の深さの位置に、水素イオンを面状にイオン注入することにより形成される。後述するように、イオン注入領域125を分割面としてn型半導体基板120を分割し、n型半導体基板120から分離される層が電界効果トランジスタ1の第2のn型半導体層12となる。そのため、n型半導体基板120の接合面124からのイオン注入領域125の深さは、目的とする第2のn型半導体層12の厚さに応じて決定される。
【0031】
イオン注入領域125を形成するためにイオン注入される水素イオンのドーズ量は、例えば、1×1016~1×1018/cmである。また、イオン注入の注入エネルギーは、イオン注入領域125の接合面124からの深さによって決定される。
【0032】
次に、図3(a)に示されるように、第1のn型半導体層10に接合されたn型半導体基板120をイオン注入領域125で分割し、第1のn型半導体層10上に残った部分を第2のn型半導体層12とする。n型半導体基板120の分割は、熱処理を施して、イオン注入領域125において水素脆化を生じさせることにより行う。
【0033】
n型半導体基板120を分割する際の熱処理は、例えば、N又はAr雰囲気下で、400℃以上、700℃以下の温度で1~10分間行われる。なお、熱処理は、減圧下の真空チャンバー内で行われてもよいし、真空チャンバー以外の他の炉内で行われてもよい。
【0034】
n型半導体基板120を分割した後には、再度の熱処理を施すことにより、イオン注入や分割の工程において生じた第2のn型半導体層12のダメージを回復することができる。また、ダメージを回復した後には、第2のn型半導体層12の表面にCMPなどの研磨処理を施して平坦化してもよい。
【0035】
次に、図3(b)に示されるように、エッチングマスク20を用いて、第1のn型領域121とアクセプター注入領域123を形成する領域にそれぞれドナー不純物とアクセプター不純物を選択的にイオン注入して、第1のn型領域121とアクセプター注入領域123を形成する。
【0036】
その後、第2のn型半導体層12上にゲート絶縁膜16を介してゲート電極14を形成し、ゲート電極14の上面と側面を絶縁層18で覆った後、ソース電極13を形成する。なお、図1に示されるように、ソース電極13を形成する前に、第2のn型半導体層12の両側をエッチングにより除去して、メサ形状に加工し、第1のn型領域121の側面と上面にソース電極13が接続されるようにしてもよい。
【0037】
(実施の形態の効果)
上記本発明の実施の形態に係る電界効果トランジスタ1によれば、第1のn型領域121とp型半導体層11のヘテロpn接合を用いて、ソース電極とゲート電極の間に逆バイアスを印加するときの第1のn型領域121からの電子の下方向への移動を抑えることにより、高い耐圧を実現することができる。また、電界効果トランジスタ1は、高い耐圧を得るためにフィン構造などの微細な構造を必要としないため、低コストかつ量産性に優れる。
【0038】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されず、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施が可能である。また、発明の主旨を逸脱しない範囲内において上記実施の形態の構成要素を任意に組み合わせることができる。
【0039】
また、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
【符号の説明】
【0040】
1…電界効果トランジスタ、 10…第1のn型半導体層、 11…p型半導体層、 12…第2のn型半導体層、 121…第1のn型領域、 122…第2のn型領域、 123…アクセプター注入領域、 13…ソース電極、 14…ゲート電極、 15…ドレイン電極、 16…ゲート絶縁膜
図1
図2
図3