(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023151435
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】ショベル
(51)【国際特許分類】
E02F 9/00 20060101AFI20231005BHJP
B60K 11/04 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
E02F9/00 N
B60K11/04 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022061037
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】502246528
【氏名又は名称】住友建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】三須 伸介
(72)【発明者】
【氏名】田村 謙太郎
【テーマコード(参考)】
2D015
3D038
【Fターム(参考)】
2D015CA02
3D038AA04
3D038AB09
3D038AC10
3D038AC27
(57)【要約】
【課題】防塵フィルタを容易に清掃できるショベルを提供する。
【解決手段】本開示の一態様によるショベルは、上部旋回体と、前記上部旋回体に取り付けられ、開口部を有するドアと、前記ドアの外側に取り付けられ、前記開口部を覆うフィルタと、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部旋回体と、
前記上部旋回体に取り付けられ、開口部を有するドアと、
前記ドアの外側に取り付けられ、前記開口部を覆うフィルタと、
を備える、ショベル。
【請求項2】
前記フィルタは、前記ドアを閉じた状態で前記ドアに対して着脱可能である、
請求項1に記載のショベル。
【請求項3】
前記フィルタは、プリーツ形状を有する、
請求項1又は2に記載のショベル。
【請求項4】
前記ドアの内面の外周部分には、前記ドアと前記上部旋回体との隙間を塞ぐ第1シール部材が設けられる、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載のショベル。
【請求項5】
前記ドアには、前記フィルタが取り付けられる取付面を有する取付座が設けられる、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載のショベル。
【請求項6】
前記取付座には、前記取付面と前記フィルタとの隙間を塞ぐ第2シール部材が設けられる、
請求項5に記載のショベル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ショベルに関する。
【背景技術】
【0002】
上部旋回体に設けられるカバーの内側や内面に防塵フィルタが取り付けられたショベルが知られている(例えば、特許文献1参照)。防塵フィルタが目詰まりすると、エンジンの冷却水が十分に冷却できずに高温となる。この場合、冷却水が冷めるまでショベルの動作を停止させたり、出力を低下させたりする必要があり、作業性が低下する。このため、防塵フィルタが目詰まりする前に、防塵フィルタの清掃や交換が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のショベルでは、防塵フィルタを清掃する際に、カバーを開けて防塵フィルタを取り外す必要がある。また、カバーの内側に防塵フィルタが取り付けられている場合には、エンジン室のファンが停止すると、防塵フィルタに付着した粉塵等がカバー内に落下し、ファンが再度回転したときに再びフィルタに付着し得る。この状態を放置すると防塵フィルタが詰まり、熱交換器の効率が低下する。カバーの内面に防塵フィルタが取り付けられている場合には、カバーを開けた際に粉塵等が作業者の足元に落下し、作業者の衣服等が汚れ得る。
【0005】
そこで、上記課題に鑑み、防塵フィルタを容易に清掃できるショベルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様によるショベルは、上部旋回体と、前記上部旋回体に取り付けられ、開口部を有するドアと、前記ドアの外側に取り付けられ、前記開口部を覆うフィルタと、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、防塵フィルタを容易に清掃できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図4】上部旋回体をショベルの左側後方から見た斜視図である。
【
図7】防塵フィルタの取付方法を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付の図面を参照しながら、本開示の限定的でない例示の実施形態について説明する。添付の全図面中、同一又は対応する部材又は部品については、同一又は対応する参照符号を付し、重複する説明を省略する。
【0010】
図1及び
図2を参照し、実施形態に係るショベルについて説明する。実施形態に係るショベルは、小旋回型ショベルである。実施形態に係るショベルは、例えば産業廃棄物処理の現場、木屑処理の現場等、粉塵の多い環境下で利用され得る。このため、高い防塵性が求められる。
【0011】
図1は、実施形態に係るショベルの側面図である。実施形態に係るショベルは、下部走行体1を備える。下部走行体1には、旋回機構2を介して上部旋回体3が搭載される。上部旋回体3には、ブーム4が取り付けられる。ブーム4の先端には、アーム5が取り付けられる。アーム5の先端には、エンドアタッチメントとしてのバケット6が取り付けられる。エンドアタッチメントとして、法面用バケット、浚渫用バケット等が用いられてもよい。
【0012】
ブーム4、アーム5、及びバケット6は、アタッチメントの一例として掘削アタッチメントを構成し、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9によりそれぞれ油圧駆動される。
【0013】
上部旋回体3にはキャビン10が設けられ、且つエンジン11等の動力源が搭載される。キャビン10内には、運転席やショベルに操作に必要な各種操作装置、及びショベルの駆動を制御するコントローラが設置される。
【0014】
図2は、
図1に示すショベルを上から見た平面図である。上部旋回体3の中央付近にブーム4が回動可能に支持される。キャビン10は、上部旋回体3の前側でブーム4の左側に設置される。上部旋回体3の前側でブーム4の右側には後述する尿素水タンク36をカバーする尿素水タンクカバー22が取り付けられる。尿素水タンクカバー22の後方に、燃料タンク24と作動油タンク26が配置される。燃料タンク24が外側に配置され、作動油タンク26は燃料タンク24の内側に配置される。
【0015】
尿素水タンクカバー22の上面及び作動油タンク26の上面は、メンテナンス時等に作業者が乗る通路として使用される。一方、燃料タンク24の上面は、作動油タンク26の上面より高い位置にあり、作業者が乗る通路としては使用されない。
【0016】
上部旋回体3の外周部分で、尿素水タンクカバー22から燃料タンク24にかけて、ハンドレール60が取り付けられている。ハンドレール60は作業者が上部旋回体3の上に登る際に転落しないように保護するためのレールである。ハンドレール60の上端は燃料タンク24の端部まで延在する。ハンドレール60が終端した位置からは、ハンドレール60の延長方向にハンドレール70が延在する。ハンドレール70は燃料タンク24の上面に取り付けられており、燃料タンク24の上面の角に沿って内側に向けて屈曲している。ハンドレール70は、作動油タンク26の上面に作業者が乗ったときに、作業者が掴まることのできるような位置に設けられる。
【0017】
燃料タンク24及び作動油タンク26の後方には、後述する排ガス処理装置50を覆うマフラーカバー90が設けられる。マフラーカバー90の燃料タンク24に近い部分には、排ガス処理装置50から延出する排気筒(マフラー)92が突出している。
【0018】
尿素水タンクカバー22、燃料タンク24、作動油タンク26、ハンドレール60、ハンドレール70、及びマフラーカバー90は、上部旋回体3の右側に配置されている。
【0019】
上部旋回体3の中央には、上述のようにブーム4が回動可能に取り付けられる。上部旋回体3の後部の形状は、ショベルの旋回半径で規制されており、旋回半径の円弧形状である。上部旋回体3の後部の中央には、カウンタウェイト28が配置される。そして、カウンタウェイト28とブーム4との間のスペースに、エンジン11が配置され固定されている。
図1及び
図2では、エンジン11の上部を覆うエンジンフード30があるため、エンジン11は現れていない。
【0020】
エンジンフード30の前側には、エンジンフード30を開けてエンジン11のメンテナンス作業を行なう際に操作者が乗る通路32が設けられる。また、通路32の前側には、通路32より低い位置に作業用足場34が設けられる。作業用足場34は作動油タンク26の横に配置された旋回モータを覆うように設けられており、旋回モータカバーとしても機能する。作業者は、上段の通路32に登るときに、まず低い方の作業用足場34に乗ってから、高いほうの通路32に登る。このとき、作業者は上述のハンドレール70の端部の垂直方向に延在する部分に手をかけることで、作業用足場34から通路32まで容易に登ることができる。
【0021】
図3及び
図4を参照し、上部旋回体3における各構成部品の配置についてさらに詳しく説明する。
図3は上部旋回体3の内部を示す平面図である。
図4は上部旋回体3をショベルの左側後方から見た斜視図である。なお、
図3は、尿素水タンクカバー22、マフラーカバー90、エンジンフード30等のカバー類が全て取り外された状態で、内部を簡略化して示している。
【0022】
図3に示すように、上部旋回体3の旋回フレーム上で前部の右側に、尿素水タンク36が配置され、その後方に燃料タンク24及び作動油タンク26が配置される。尿素水タンク36の後方で、作動油タンク26の前方に、尿素水を後述の排ガス処理装置に供給するための尿素水ポンプ38が配置される。
【0023】
エンジン11は、上部旋回体3の後部の中央に配置される。エンジン11のファン46が設けられた側(エンジン11の左側)に、エンジン用冷却器40及びインタクーラ42が配置される。インタクーラ42のさらに外側に、エンジン11に供給する空気を濾過するためのエアフィルタ44が配置される。インタクーラ42の外側には、防塵ネットが設けられてもよい。防塵ネットは、エンジン用冷却器40及びインタクーラ42への粉塵等の侵入を防止する。防塵ネットは、後述する防塵フィルタ120よりも目の粗いろ材を有する。このように、エンジン11の左側にはエンジン11に付随する様々な機器が配置されている。
【0024】
排ガス処理装置50はエンジン11の右側のポンプ室の上方に配置されている。ただし、排ガス処理装置50は比較的大きな装置であるため、その長手方向軸が上部旋回体3の前後方向に対して傾斜するように、斜めに配置されている。このように、排ガス処理装置50を斜めに配置することにより、排ガス処理装置50全体を、ポンプ室の上方において、上部旋回体3の旋回半径内に収容することができる。また、排ガス処理装置50をポンプ室の上方に配置することで、排ガス処理装置50をエンジン11に対して比較的低い位置に配置することができる。このため、排ガス処理装置50から上方に延出する排気筒(マフラー)92を、小旋回型ショベルに求められる所定の高さより低くすることができる。
【0025】
上部旋回体3の後方左側面には、開閉可能な左後ドア48Lが設けられる。左後ドア48Lの前方であって、且つエンジンフード30の左方には、エンジン用冷却器40、インタクーラ42、エアフィルタ44及びファン46を覆う左上面カバー49Lが設けられる。左上面カバー49Lは、左後ドア48Lと共に、エンジン用冷却器40、インタクーラ42、エアフィルタ44及びファン46への粉塵等の侵入を防止する。このため、左上面カバー49Lには開口部が形成されていない。
【0026】
上部旋回体3の後方右側面には、開閉可能な右後ドア48Rが設けられる。右後ドア48Rの前方であって、且つエンジンフード30の右方には、上述のマフラーカバー90が設けられる。右後ドア48Rには、メッシュ状の開口48R1が設けられる。
【0027】
図4に加えて
図5を参照し、左後ドア48Lの具体的な構成について説明する。
図5は、左後ドア48Lを示す概略図であり、上部旋回体3から取り外された左後ドア48Lを示す図である。
図5(a)は左後ドア48Lを外側から見た斜視図であり、
図5(b)は左後ドア48Lを内側から見た斜視図である。
【0028】
左後ドア48Lは、略矩形状の開口部110を有する。左後ドア48Lには、ロック機構111、ヒンジ機構112、ドア用シール部材113、取付座114、フィルタ用シール部材115、ラッチ用ブラケット116及びキーシリンダ117が設けられる。
【0029】
ロック機構111は、左後ドア48Lの後方側(エンジンフード30に近い側)であって、且つ左後ドア48Lの高さ方向における略中央に設けられる。ロック機構111は、上部旋回体3のブラケットと係合し、上部旋回体3に対して左後ドア48Lをロックする。
【0030】
ヒンジ機構112は、左後ドア48Lの前方側(エンジンフード30から遠い側)であって、左後ドア48Lの内面に取り付けられる。ヒンジ機構112は、左後ドア48Lの高さ方向に沿って延在する。ヒンジ機構112は、上部旋回体3に対して左後ドア48Lを開閉可能に保持する。換言すれば、左後ドア48Lは、ヒンジ機構112を回転軸として上部旋回体3に対して開閉可能である。
【0031】
ドア用シール部材113は、左後ドア48Lの内面の外周部分に全周にわたって取り付けられる。ドア用シール部材113は、左後ドア48Lが閉じられた状態において、上部旋回体3と左後ドア48Lとの隙間を塞ぐことで、上部旋回体3と左後ドア48Lとの隙間から左後ドア48Lの内側へ粉塵等が進入することを防止する。ドア用シール部材113は、例えばゴム、ウレタン等の弾性体からなるスポンジにより形成される。ドア用シール部材113は、第1シール部材の一例である。
【0032】
取付座114は、左後ドア48Lの内面であって、且つ開口部110の周囲に取り付けられる。取付座114は、上部材114aと、下部材114bと、前部材114cと、後部材114dとを有する。上部材114aは、開口部110よりも上側に取り付けられる。下部材114bは、開口部110よりも下側に取り付けられる。前部材114cは、開口部110よりも前側に取り付けられる。後部材114dは、開口部110よりも後側に取り付けられる。上部材114a、下部材114b、前部材114c及び後部材114dは、各々が左後ドア48Lの外側に向けて露出する取付面を有する。取付面には、後述する防塵フィルタ120が取り付けられる。取付面は、例えば左後ドア48Lの外面よりも内側に位置する。換言すれば、取付面は左後ドア48Lの外面に対して窪んでいる。この場合、取付面に取り付けられる防塵フィルタ120が左後ドア48Lの外面から突出することを防止できる。取付面は、例えば平坦面である。この場合、取付面に取り付けられる防塵フィルタ120と取付面との隙間を小さくできる。下部材114bには、後述する防塵フィルタ120を位置決めするための位置決め穴114b1が形成される。位置決め穴114b1は、例えば前後方向に沿って2つ形成される。各位置決め穴114b1は、円形状を有する。
【0033】
フィルタ用シール部材115は、取付座114の取付面に環状に取り付けられる。フィルタ用シール部材115は、取付座114の取付面と後述する防塵フィルタ120との隙間を塞ぐことで、取付面と防塵フィルタ120との隙間から左後ドア48Lの内側へ粉塵等が侵入することを防止する。フィルタ用シール部材115は、例えばゴム、ウレタン等の弾性体からなるスポンジにより形成される。フィルタ用シール部材115は、第2シール部材の一例である。
【0034】
ラッチ用ブラケット116は、上部材114aの取付面に取り付けられる。ラッチ用ブラケット116には、後述する防塵フィルタ120のラッチ126が係合する。ラッチ用ブラケット116は、例えば前後方向に沿って2つ設けられる。
【0035】
キーシリンダ117は、上部材114aの上面であって、開口部110の前後方向における略中央に取り付けられる。開口部110は、キーシリンダ117が取り付けられる位置において上側に窪んだ切欠きを有する。このため、キーシリンダ117の鍵穴が露出する。キーシリンダ117は、係合爪117aが後述する防塵フィルタ120の係合穴127と係合する。
【0036】
図5に加えて
図6を参照し、防塵フィルタ120について説明する。
図6は、防塵フィルタ120を示す概略図である。
図6(a)は防塵フィルタ120を外側から見た斜視図であり、
図6(b)は防塵フィルタ120のろ材122の一部を拡大した斜視図であり、
図6(c)は防塵フィルタ120の突起124を拡大した斜視図である。
【0037】
防塵フィルタ120は、左後ドア48Lを閉じた状態で左後ドア48Lに対して着脱可能である。防塵フィルタ120は、開口部110を覆うように左後ドア48Lの外側に取り付けられる。防塵フィルタ120は、左後ドア48Lの内側への粉塵等の侵入を防止する。防塵フィルタ120は、外枠121と、ろ材122と、支持棒123と、突起124と、ブラケット125と、ラッチ126と、係合穴127とを有する。
【0038】
外枠121は、開口部110よりも大きい外形を有する。外枠121は、フィルタ用シール部材115を介して取付座114の取付面に取り付けられる。
【0039】
ろ材122は、外枠121に保持される。ろ材122は、防塵フィルタ120の外側の頂部である山部122aと、防塵フィルタ120の内側の頂部である谷部122bとが繰り返されるプリーツ形状を有する。このため、単位体積あたりの表面積が増大し、ろ過性能が向上する。また、防塵フィルタ120の外側から内側に取り込まれる空気が含む粉塵等は、谷部122bに堆積し、山部122aには堆積しにくい。このため、ろ材122の寿命が長くなる。ろ材122は、例えば不織布により形成される。
【0040】
支持棒123は、山部122aと谷部122bとが繰り返される方向(前後方向)に沿って延在し、両端が外枠121に取り付けられる。支持棒123は、ろ材122のプリーツ形状を保持する。支持棒123は、延在する方向と直交する方向(上下方向)に沿って複数設けられる。
【0041】
突起124は、外枠121の下面から下方に突出する。突起124が位置決め穴114b1に嵌め込まれることで、左後ドア48Lに対して防塵フィルタ120が位置決めされる。突起124は、位置決め穴114b1に対応して2つ設けられる。各突起124は、例えば円柱形状を有する。
【0042】
ブラケット125は、外枠121の上面に取り付けられる。
【0043】
ラッチ126は、ブラケット125に取り付けられる。ラッチ126は、ラッチ用ブラケット116と係合することで、左後ドア48Lに対して防塵フィルタ120を固定する。ラッチ126は、ラッチ用ブラケット116に対応して2つ設けられる。
【0044】
係合穴127は、ブラケット125に設けられる。キーシリンダ117の係合爪117aが係合穴127に係合することで、左後ドア48Lに対して防塵フィルタ120がロックされる。
【0045】
図7を参照し、左後ドア48Lに防塵フィルタ120を取り付ける方法について説明する。
図7は、防塵フィルタ120の取付方法を示す斜視図である。
【0046】
まず、
図7(a)に示すように、左後ドア48Lを閉じた状態で、左後ドア48Lの外側から開口部110に防塵フィルタ120を近づけ、左後ドア48Lの位置決め穴114b1に防塵フィルタ120の突起124を嵌め込む。
【0047】
続いて、
図7(b)に示すように、位置決め穴114b1に突起124が嵌め込まれた状態で、防塵フィルタ120の外枠121をフィルタ用シール部材115に押し当てる。これにより、ラッチ126がラッチ用ブラケット116と係合し、左後ドア48Lに対して防塵フィルタ120が固定される。
【0048】
続いて、
図7(c)に示されるように、キーシリンダ117の鍵穴に鍵を差して回すことで、係合爪117aが係合穴127と係合し、左後ドア48Lに対して防塵フィルタ120がロックされる。以上により、左後ドア48Lに防塵フィルタ120が取り付けられる。
【0049】
なお、防塵フィルタ120の取付方法と逆の手順で防塵フィルタ120を取り外すことができる。
【0050】
以上に説明したように、実施形態のショベルによれば、防塵フィルタ120が左後ドア48Lの外側に取り付けられる。このため、左後ドア48Lを開けずに防塵フィルタ120の目詰まり具合を確認できる。また、防塵フィルタ120を左後ドア48Lに取り付けた状態で清掃できるので、防塵フィルタ120の清掃が容易である。
【0051】
また、実施形態のショベルによれば、左後ドア48Lを閉じた状態で左後ドア48Lに対して防塵フィルタ120を着脱可能である。このため、左後ドア48Lを開けることなく防塵フィルタ120を交換できるので、防塵フィルタ120の交換が容易である。
【0052】
これに対し、ドアの内側に防塵フィルタが取り付けられる場合には、エンジン室のファンが停止すると防塵フィルタに付着した粉塵等がドアの内側に落下し、ファンが再度回転したときに再び防塵フィルタに付着し得る。また、ドアの内面に防塵フィルタが取り付けられる場合には、ドアを開けた際に粉塵等が作業者の足元に落下し、作業者の衣服等が汚れ得る。
【0053】
以上、ショベルの実施形態等について説明したが、本発明は上記実施形態等に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、改良が可能である。
【0054】
上記の実施形態では、ラッチ126がラッチ用ブラケット116と係合し、左後ドア48Lに対して防塵フィルタ120が固定される場合を説明したが、これに限定されない。例えば、マグネット、両面テープ等の吸着部材により左後ドア48Lに対して防塵フィルタ120を固定してもよい。
【符号の説明】
【0055】
3 上部旋回体
48L 左後ドア
110 開口部
113 ドア用シール部材
114 取付座
115 フィルタ用シール部材
120 防塵フィルタ