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特開2023-151488評価システム、サーバ装置、評価プログラム、通信端末、アプリケーションプログラムおよび評価方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023151488
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】評価システム、サーバ装置、評価プログラム、通信端末、アプリケーションプログラムおよび評価方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0207 20230101AFI20231005BHJP
【FI】
G06Q30/02 320
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022061112
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167438
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100166800
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 裕治
(72)【発明者】
【氏名】原 英克
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB07
(57)【要約】
【課題】ユーザの日々の行動から直感的に理解しやすい指標に基づき、節電や節水などへの貢献度を評価するシステムを提供する。
【解決手段】ユーザの宅内には、無線通信網に接続され、使用状況をサーバ装置に送信する家電機器が備えられており、サーバ装置は、ユーザと家電機器とを対応付けて登録している登録部と、家電機器から使用状況を受信する受信部と、受信した使用状況を記憶する記憶部と、所定の評価基準に基づき、家電機器の使用状況を評価し、使用状況に応じたポイントを付与する解析部と、使用状況に応じた前記ポイントを、前記ユーザが所有する通信端末に送信するポイント送信部とを備え、通信端末は、前記サーバ装置からポイントを受信する受信部と、受信した前記ポイントを表示する表示部とを備えることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによる家電機器の使用状況を評価する評価システムであって、
前記ユーザの宅内には、無線通信網に接続され、使用状況を外部のサーバ装置に送信する家電機器が備えられており、
前記サーバ装置は、
前記ユーザと前記家電機器とを対応付けて登録している登録部と、
前記家電機器から前記使用状況を受信する受信部と、
受信した前記使用状況を記憶する記憶部と、
所定の評価基準に基づき、前記家電機器の使用状況を評価し、使用状況に応じたポイントを付与する解析部と、
使用状況に応じた前記ポイントを、前記ユーザが所有する通信端末に送信するポイント送信部とを備え、
前記通信端末は、
前記サーバ装置からポイントを受信する受信部と、
受信した前記ポイントを表示する表示部とを備える
ことを特徴とする評価システム。
【請求項2】
ユーザによる家電機器の使用状況を評価するサーバ装置であって、
複数のユーザと各ユーザが所有する家電機器とを対応付けて登録している登録部と、
複数のユーザが所有する複数の家電機器から使用状況を受信する受信部と、
受信した複数の使用状況を記憶する記憶部と、
所定の評価基準に基づき、前記記憶部に記憶されている複数の使用状況を評価し、各使用状況に応じたポイントを付与する解析部と、
使用状況に応じたポイントを各ユーザが所有する通信端末に送信するポイント送信部と
を備えることを特徴とするサーバ装置。
【請求項3】
ユーザによる家電機器の使用状況を評価するサーバ装置で動作する評価プログラムであって、
前記評価プログラムは、前記サーバ装置の記憶部にインストールされており、前記サーバ装置のプロセッサが前記評価プログラムを実行することにより、
複数のユーザと各ユーザが所有する家電機器とを対応付けて登録する登録ステップと、
複数のユーザが所有する複数の家電機器から使用状況を受信する受信ステップと、
受信した前記複数の使用状況を前記記憶部に記録する記録ステップと、
所定の評価基準に基づき、前記記憶部に記憶されている複数の使用状況を評価し、各使用状況に応じたポイントを付与する解析ステップと、
使用状況に応じたポイントを各ユーザが所有する通信端末に送信する送信ステップと
を含むことを特徴とする評価プログラム。
【請求項4】
ユーザの宅内にある家電機器の使用状況に応じて獲得したポイントをサーバ装置へ要求する通信端末であって、
前記ユーザと前記家電機器とを前記サーバ装置へ登録する登録部と、
前記サーバ装置から前記家電機器の使用状況に応じて獲得したポイントを受信する受信部と、
受信した前記ポイントを表示する表示部と
から構成される通信端末。
【請求項5】
ユーザの宅内にある家電機器をサーバ装置に登録し、前記家電機器の使用状況に応じて獲得したポイントを前記サーバ装置へ要求するアプリケーションプログラムであって、
前記アプリケーションプログラムは、前記ユーザの所有する通信端末にインストールされており、前記通信端末のプロセッサが前記アプリケーションプログラムを実行することにより、
前記ユーザのユーザIDと前記家電機器の識別IDとを前記サーバ装置へ登録する登録ステップと、
前記サーバ装置に対してポイント送信要求を送信するポイント要求ステップと、
前記ポイント送信要求への応答として前記サーバ装置から前記家電機器の使用状況に応じて獲得したポイントを受信するポイント受信ステップと、
受信した前記ポイントを前記通信端末のディスプレイに表示する表示ステップと、
前記ポイントと交換可能な商品を販売するショッピングサイトを前記ディスプレイに表示するポイント利用ステップと
を含むことを特徴とするアプリケーションプログラム。
【請求項6】
ユーザによる家電機器の使用状況を評価する評価方法であって、
前記ユーザの宅内には、無線通信網に接続され、使用状況を外部のサーバ装置に送信する家電機器が備えられており、
前記サーバ装置が、
前記ユーザと前記家電機器とを対応付けて登録する登録ステップと、
前記家電機器から前記使用状況を受信する受信ステップと、
受信した前記使用状況を記録する記録ステップと、
所定の評価基準に基づき、前記家電機器の使用状況を評価し、使用状況に応じたポイントを付与する解析ステップと、
使用状況に応じた前記ポイントを、前記ユーザが所有する通信端末に送信する送信ステップとを含み、
前記通信端末が、
前記サーバ装置からポイントを受信する受信ステップと、
受信した前記ポイントを表示する表示ステップとを含む
評価方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザが家庭内で使用する家電機器の使用状況を評価する評価システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)への関心が高まっている。SDGsは、気候変動、紛争、貧困、感染症等、多くの課題に直面している人類が今後も安定して暮らし続けることができるように、世界の様々な問題を整理し、その解決に向けて達成すべき具体的な目標を示したものである。SDGsへの関心が高まるにつれて国を始め多くの企業で達成に向けた取り組みが始まっている。また国や企業だけではなく、個人にもできる取り組みとして、節電、節水などが推奨されている。
特許文献1には、グリーン生活によってポイントを発行する技術が開示されている。この技術は、ユーザのエネルギー使用量情報(ガス、電気、水道など)に基づいて、ユーザにポイント支給することにより、グリーン生活の促進とグリーン製品の愛用を促進して低炭素グリーン社会を実現することを目的としている。ここで、「グリーン生活」とは、気候変化の深刻性を認識し、日常生活で省エネルギーを実践して温室ガスおよび汚染物質の発生を最小化する生活のことをいう(段落0002)。また、「グリーン製品」とは、エネルギーおよび資源の投入と温室ガスおよび汚染物質の発生を最小化する製品のことをいう(段落0003)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2015―510185号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の技術では、ユーザが自身の端末を用いて管理サーバにアクセスし、積み立てられたポイントを照会することが可能であり、積み立てられたポイントの内訳が端末に表示される(図8、段落0079参照)。このとき、端末には、温室ガス排出量、グリーン製品の購入履歴、および、公共サービスの利用に関する情報等が表示される。
しかしながら、「温室ガス排出量」の情報が、ユーザの日々の生活や活動と直感的に結びつけにくく、自身がどのように低炭素グリーン社会に貢献しているのかユーザには分かり難いという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記の課題を解決するためのものであって、ユーザの日々の行動から直感的に理解しやすい指標に基づき、節電や節水などへの貢献度を評価することにより、ユーザが自らの行動を見直し、地球環境の保全のためにより良い動機付けとなる評価システムを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の評価システムは、ユーザによる家電機器の使用状況を評価する評価システムであって、前記ユーザの宅内には、無線通信網に接続され、使用状況を外部のサーバ装置に送信する家電機器が備えられており、前記サーバ装置は、前記ユーザと前記家電機器とを対応付けて登録している登録部と、前記家電機器から前記使用状況を受信する受信部と、受信した前記使用状況を記憶する記憶部と、所定の評価基準に基づき、前記家電機器の使用状況を評価し、使用状況に応じたポイントを付与する解析部と、使用状況に応じた前記ポイントを、前記ユーザが所有する通信端末に送信するポイント送信部とを備え、前記通信端末は、前記サーバ装置からポイントを受信する受信部と、受信した前記ポイントを表示する表示部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の評価システムによると、ユーザによる家電機器の使用状況という日々の生活行動と直感的に結びつきやすい指標を用いてポイントを支給することにより、地球環境の保全のためにユーザが自らの生活行動を見直し、節電や節水などへの取り組みの動機付けとなり得る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、評価システム1のシステム構成図である。
図2図2は、家電機器10aの機能ブロック図である。
図3図3は、通信端末20aの機能ブロック図である。
図4図4は、サーバ装置50の機能ブロック図である。
図5図5は、評価システム1の全体の動作を示すフローチャートである。
図6図6は、登録処理の動作を示すフローチャートである。
図7図7は、サーバ装置50が生成するペアリング情報である。
図8図8は、家電使用処理の動作を示すフローチャートである。
図9図9は、サーバ装置50が生成する使用状況テーブルである。
図10図10は、使用状況評価処理の動作を示すフローチャートである。
図11図11は、サーバ装置50が生成するポイントテーブルである。
図12図12は、ポイント要求処理の動作を示すフローチャートである。
図13図13は、通信端末に表示されるトップ画面、家電登録画面、ポイン要求画面、ショッピングサイト画面である。
図14図14は、SDGsについて説明するための図である。
図15図15は、SDGsポイントテーブル(判断基準)である。
図16図16は、実施形態2のサーバ装置による使用状況評価処理の動作を示すフローチャートである。
図17図17は、実施形態2のサーバ装置が生成するポイントテーブルである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<概要>
本実施形態の一態様に係る評価システムは、ユーザによる家電機器の使用状況を評価する評価システムであって、前記ユーザの宅内には、無線通信網に接続され、使用状況を外部のサーバ装置に送信する家電機器が備えられており、前記サーバ装置は、前記ユーザと前記家電機器とを対応付けて登録している登録部と、前記家電機器から前記使用状況を受信する受信部と、受信した前記使用状況を記憶する記憶部と、所定の評価基準に基づき、前記家電機器の使用状況を評価し、使用状況に応じたポイントを付与する解析部と、使用状況に応じた前記ポイントを、前記ユーザが所有する通信端末に送信するポイント送信部とを備え、前記通信端末は、前記サーバ装置からポイントを受信する受信部と、受信した前記ポイントを表示する表示部とを備えることを特徴とする。
【0009】
これにより、家電機器の使用状況というユーザの日々の生活行動と直感的に結びつきやすい指標を用いてポイントを支給することにより、ユーザが自らの生活行動を見直し、節電や節水などへの取り組みのより良い動機付けとなる。
本実施形態の一態様に係るサーバ装置は、ユーザによる家電機器の使用状況を評価するサーバ装置であって、複数のユーザと各ユーザが所有する家電機器とを対応付けて登録している登録部と、複数のユーザが所有する複数の家電機器から使用状況を受信する受信部と、受信した複数の使用状況を記憶する記憶部と、所定の評価基準に基づき、前記記憶部に記憶されている複数の使用状況を評価し、各使用状況に応じたポイントを付与する解析部と、使用状況に応じたポイントを各ユーザが所有する通信端末に送信するポイント送信部とを備えることを特徴とする。
【0010】
これにより、家電機器の使用状況というユーザの日々の生活行動と直感的に結びつきやすい指標を用いてポイントを支給することが可能となる。
本実施形態の別態様に係るサーバ装置において、前記所定の評価基準は、複数のユーザによる使用状況の平均値であって、前記解析部は、前記使用状況を前記平均値を用いて相対評価することを特徴とする。
これにより、他のユーザによる家電機器の使用状況と比較することによって、より節電や節水に貢献しているユーザにポイントを支給することが可能となる。
本実施形態の別態様に係るサーバ装置において、前記所定の評価基準は、SDGs(Sustainable Development Goals)であって、前記解析部は、前記使用状況がSDGsの達成に貢献するか否かにより評価することを特徴とする。
これにより、家電機器の使用状況によりSDGsの達成に貢献しているユーザにポイントを支給することが可能となる。
【0011】
本実施形態の別態様に係るサーバ装置において、前記受信部は、前記複数の家電機器のそれぞれから、当該家電機器を所有しているユーザのユーザIDと当該家電機器の識別IDと前記使用状況とを含む使用状況情報を受信し、前記記憶部は、受信した前記複数の使用状況情報を記憶し、前記解析部は、内部に時計を保持しており、所定時刻になると前記憶部に記憶されている前記複数の使用状況情報のそれぞれに含まれる使用状況を評価し、評価に応じたポイントをそれぞれの使用状況情報と対応付けて、前記記憶部に格納することを特徴とする。
これにより、複数のユーザのそれぞれが複数の家電機器を所有している場合であっても、適切に使用状況を評価することが可能となる。
【0012】
本実施形態の別態様に係るサーバ装置において、前記受信部は、1の通信端末から当該通信端末を所有するユーザのユーザIDを含むポイント送信要求を受信し、前記ポイント送信部は、前記ポイント送信要求に含まれるユーザIDと対応付けられて前記記憶部に記憶されているポイントを合算し、合算した総ポイント数を前記通信端末に送信することを特徴とする。
これにより、ユーザが複数の家電機器を所有している場合であっても、各家電機器の使用により獲得したポイントを合算した総ポイント数を送信するので、受信するユーザ側においてポイントを利用しやすくなる。
本実施形態の一多様に係る評価プログラムは、ユーザによる家電機器の使用状況を評価するサーバ装置で動作する評価プログラムであって、前記評価プログラムは、前記サーバ装置の記憶部にインストールされており、前記サーバ装置のプロセッサが前記評価プログラムを実行することにより、複数のユーザと各ユーザが所有する家電機器とを対応付けて登録する登録ステップと、複数のユーザが所有する複数の家電機器から使用状況を受信する受信ステップと、受信した前記複数の使用状況を前記記憶部に記録する記録ステップと、所定の評価基準に基づき、前記記憶部に記憶されている複数の使用状況を評価し、各使用状況に応じたポイントを付与する解析ステップと、使用状況に応じたポイントを各ユーザが所有する通信端末に送信する送信ステップとを含むことを特徴とする。
これにより、ユーザの日々の生活行動と直感的に結びつきやすい家電機器の使用状況という指標を用いてポイントを支給するようにサーバ装置を制御することが可能となる。
本実施形態の一態様に係る通信端末は、ユーザの宅内にある家電機器の使用状況に応じて獲得したポイントをサーバ装置へ要求する通信端末であって、前記ユーザのユーザIDと前記家電機器の識別IDとを前記サーバ装置へ登録する登録部と、前記サーバ装置に対してポイント送信要求を送信するポイント要求部と、前記ポイント送信要求への応答として前記サーバ装置から前記家電機器の使用状況に応じて獲得したポイントを受信する受信部と、受信した前記ポイントを表示する表示部とから構成されることを特徴とする。
これにより、家電機器の使用状況というユーザの日々の生活行動と直感的に結びつきやすい指標を用いて支給されたポイントをユーザに提示することが可能となる。
【0013】
本実施形態の一態様に係るアプリケーションプログラムは、ユーザの宅内にある家電機器をサーバ装置に登録し、前記家電機器の使用状況に応じて獲得したポイントを前記サーバ装置へ要求するアプリケーションプログラムであって、前記アプリケーションプログラムは、前記ユーザの所有する通信端末にインストールされており、前記通信端末のプロセッサが前記アプリケーションプログラムを実行することにより、前記ユーザのユーザIDと前記家電機器の識別IDとを前記サーバ装置へ登録する登録ステップと、前記サーバ装置に対してポイント送信要求を送信するポイント要求ステップと、前記ポイント送信要求への応答として前記サーバ装置から前記家電機器の使用状況に応じて獲得したポイントを受信するポイント受信ステップと、受信した前記ポイントを前記通信端末のディスプレイに表示する表示ステップと、前記ポイントと交換可能な商品を販売するショッピングサイトを前記ディスプレイに表示するポイント利用ステップとを含むことを特徴とする。
【0014】
これにより、ユーザはスマートフォン等の自身の通信端末にアプリケーションプログラムをインストールすることにより手軽に評価システムを利用することが可能となる。
本実施形態の一態様に係る評価方法は、ユーザによる家電機器の使用状況を評価する評価方法であって、前記ユーザの宅内には、無線通信網に接続され、使用状況を外部のサーバ装置に送信する家電機器が備えられており、前記サーバ装置が、前記ユーザと前記家電機器とを対応付けて登録する登録ステップと、前記家電機器から前記使用状況を受信する受信ステップと、受信した前記使用状況を記録する記録ステップと、所定の評価基準に基づき、前記家電機器の使用状況を評価し、使用状況に応じたポイントを付与する解析ステップと、使用状況に応じた前記ポイントを、前記ユーザが所有する通信端末に送信する送信ステップとを含み、前記通信端末が、前記サーバ装置からポイントを受信する受信ステップと、受信した前記ポイントを表示する表示ステップとを含むことを特徴とする。
これにより、家電機器の使用状況というユーザの日々の生活行動と直感的に結びつきやすい指標を用いてポイントを支給することにより、ユーザが自らの生活行動を見直し、節電や節水などへの取り組みのより良い動機付けとなる。
【0015】
<実施形態1>
ここでは、実施形態1の評価システム1について説明する。評価システム1は、ユーザによる家電機器の使用状況(使用時間や使用方法など)を所定の判断基準に基づき評価し、ポイントを付与するシステムである。ユーザは獲得したポイントをショッピングなどに使用することができる。
実施形態1では、所定の判断基準として、複数ユーザによる家電機器の使用状況の平均値を用いる。あるユーザによる家電機器の使用状況を平均値と比較することにより評価し、評価に応じたポイントを付与する。
(1)システム構成
図1は、評価システム1のシステム構成図である。ユーザA、ユーザB、ユーザCのそれぞれの宅内には、各ユーザが所有する複数の家電機器、通信端末、ゲートモジュールが存在している。
【0016】
一例として、ユーザAの宅内には、家電機器10a、11a、12aと、通信端末20a、ゲートモジュール30aがあり、ユーザBの宅内には、家電機器13b、14bと、通信端末20bと、ゲートモジュール30bとがある。同様に、ユーザCの宅内には、家電機器15c、16c、17cと、通信端末20cと、ゲートモジュール30cとがあるとする。
各家電機器10a~17cは、ネットワーク接続機能を有する所謂IoT家電であって、冷蔵庫、洗濯機、エアコン、炊飯器、電子レンジ等の調理家電、照明機器、空気清浄機、サーキュレータ、空気清浄機などを含む。
通信端末20a、20b、20cは、スマートフォン、タブレット端末、パソコンなどである。
ゲートモジュール30a、30b、30cは、一例としてWi-Fiルータである。各ゲートモジュールは、各ユーザの宅内にある家電機器や通信端末と無線通信網を構築すると共に、インターネットなどの外部のネットワーク40を介して、サーバ装置50およびショッピングサイトサーバ装置60と通信する機能を有する。
【0017】
サーバ装置50は、ネットワーク40を介して各ユーザ宅内のゲートモジュールから家電機器の使用状況を示すデータを受信して、受信したデータを基に各ユーザの家電機器の使用状況を評価し、ポイントを算出する。そして、各ユーザの所有す通信端末20a、20b、20cからポイント表示要求を受け付けると、当該ユーザの通信端末20a、20b、20cへ、獲得ポイントを送信する機能を有する。なお、サーバ装置50は、その機能の一部又は全部がクラウド上で管理されるクラウドサーバであってもよい。
ショッピングサイトサーバ装置60は、ユーザが獲得ポイントを使用して商品を購入することができるショッピングサイトを管理しているサーバ装置である。
続いて、各装置の構成について説明する。
(2)家電機器の構成
図2は、家電機器10aの機能構成を示すブロック図である。同図に示すように、家電機器10aは、操作部101、無線通信部102、制御部103、稼働部104および電源部105から構成される。家電機器10aは、実際には、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、通信モジュール、各種電気部品などのハードウェアから構成される。ここでは家電機器の一例としてエアコンである家電機器10aについて説明するが、当該システムに含まれる他の家電機器も同様の構成を有する。
【0018】
操作部101は、ユーザによって操作可能な操作部であって、家電機器10aに設けられた物理的なボタンやスイッチなどでもよいし、家電機器10aとは別体のリモコンでもよい。また、操作部101は、表示部を含んでいてもよい。操作部101が表示部を備えている場合、操作部101は、表示部に重ねて配置されたタッチセンサ(タッチパネル)でもよい。すなわち、操作部101は、CPUの制御に基づき表示部の表示画面上に実現されるソフトウェアスイッチでもよい。
無線通信部102は、ゲートモジュール30aと通信を行う通信モジュールである。一例として、無線LANモジュールであるとする。
【0019】
制御部103は、CPU、ROM、RAMなどから構成され、プロセッサと記憶部とを含む。CPUは、ROMに記憶されたプログラムをRAMにロードして実行することにより、操作部101、無線通信部102、稼働部104を制御し、家電機器10aを動作させる。
稼働部104は、家電機器10aの主機能を実現するために家電機器10aを動作させる装置であって、エアコンの圧縮機や送風機で構成される。家電機器が洗濯機である場合には洗濯槽駆動モータなど、掃除機である場合には電動送風機やブラシモータなど、炊飯器である場合にはヒータ、電子レンジである場合にはマイクロ波発信装置やテーブル駆動モータなどである。
電源部105は、商用電源(例えば50Hz又は60Hzで、電圧100V又は200V)と電気的に接続されており、商用電源からの電力供給を受けて、家電機器10aの各構成要素に電力を供給する電源回路を備える。なお、電源部105は、一次電池又は二次電池を用いることで各構成要素に電力を供給してもよい。
【0020】
(3)通信端末の構成
図3は、通信端末20aの機能構成を示すブロック図である。同図に示すように、通信端末20aは、記憶部201、制御部202、操作部203、表示部204、カメラ205、通信部206、マイク207、スピーカ208、電源部209から構成される。
通信装置20aは、実際には、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、通信モジュール、表示デバイスなどのハードウェアから構成されるコンピュータシステムである。ここでは通信端末の一例としてスマートフォンである通信端末20aについて説明するが、通信端末20b、20cも同様の構成を有する。
記憶部201は、ROMなどの不揮発性メモリで構成され、通信端末20aを動作させる各種のプログラムやデータを記憶する。
【0021】
制御部202は、プロセッサの一例であるCPUおよび作業用のRAMなどで構成され、記憶部201に格納されているプログラムを実行して各種機能を実現する。制御部202は、図3に示すように、家電登録部211,ポイント要求部212、ポイント利用部213を含む。家電登録部211は、ユーザAが新たな家電機器を購入した場合に、ユーザAと当該家電機器とを紐づけてサーバ装置50に登録する機能を有する。ポイント要求部212は、各種家電機器の使用状況に応じてユーザAが獲得したポイントをサーバ装置50に対して要求する機能を有する。ポイント利用部213は、獲得したポイントをショッピングなどに利用する機能を有する。
操作部203は、ユーザによって操作可能な操作部であって、通信端末20aに設けられた物理的なボタンやスイッチと、表示部204に重ねて配置されたタッチセンサ(タッチパネル)とから構成される。
表示部204は、液晶ディスプレイまたは有機EL(ElectroLuminescence)ディスプレイなどであり、ディスプレイに各種画面を表示する。
カメラ205は、レンズ、アクチュエータ、イメージセンサなどから構成されるカメラモジュールである。
【0022】
通信部206は、携帯電話網に接続するための通信モジュールとWi-Fiなどのネットワークに接続するための通信モジュールとを含む。本システムでは、ユーザAの宅内にはゲートモジュール30aによって無線通信網が構築されており、通信部206は、制御部202から受け取る情報を、ゲートモジュール30aを介して外部ネットワーク40へ送信する。
電源部209は、充電可能な二次電池であって、通信端末20aの各構成要素に電力を供給する。
(4)サーバ装置50の構成
図4は、サーバ装置50の機能構成を示すブロック図である。同図に示すように、サーバ装置50は、記憶部501、送受信部502、制御部503、電源部504から構成される。サーバ装置50は、具体的には、CPU、ROM、RAM、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)などを備えるコンピュータシステムである。
【0023】
記憶部501は、HDD、SSD、ROMなどから構成され、各種プログラム511、制御部503により生成されるペアリング情報600、使用状況テーブル700およびポイントテーブル710などを記憶する。各種プログラム511には、ユーザの通信端末にダウンロードされ、ユーザに対し評価システムを提供するためのシステム利用プログラム(アプリケーションプログラム)や、サーバ装置50を機能させるための評価プログラムを含む。
送受信部502は、ネットワーク40に接続する通信モジュールであって、ネットワーク40を介して、各ユーザの宅内に設置されたゲートモジュールと通信する。
制御部503は、プロセッサの一例であるCPUおよび作業用のRAMを含み、記憶部501に格納されている評価プログラムを実行して各種機能を実現する。制御部503は、ペアリング部514、解析部515、ポイント送信部516を含み、これらの機能ブロックはCPUが評価プログラムを実行することにより以下の機能を達成する。ペアリング部514は、ユーザが新たな家電機器を購入した場合に、ユーザと当該家電機器とを紐づけたペアリング情報を生成する。ペアリング部514は、生成したペアリング情報を記憶部501に格納する。解析部515は、所定の時刻になると、ユーザによる家電機器の使用状況を評価して、使用状況に応じたポイントを算出する。解析部515は、算出したポイントを書き込んだポイントテーブルを生成して、生成したポイントテーブルを記憶部501に格納する。ポイント送信部516は、ユーザからポイント表示要求を受け付けると、当該ユーザが、その時点までに獲得している総ポイント数を計算して、ユーザの通信端末に送信する。
電源部506は、商用電源に接続され、サーバ装置50の各構成要素に電力を供給する。
【0024】
(5)評価システム1の全体フロー
図5は、評価システム1の全体の動作を示すフローチャートである。
図5のフローチャートは、ユーザが新たな家電機器を購入後に開始される。評価システム1は、先ず家電機器の登録処理を行う(ステップS1)。続いて、評価システム1は、家電使用処理を行い(ステップS2)、続いて、使用状況評価処理を行う(ステップS3)。ユーザからポイント表示要求があれば(ステップS4でY)、ポイント表示処理を行う(ステップS5)。ユーザからポイント表示要求が無ければ(ステップS4でN)、ステップS2に戻り処理を継続する。ポイント表示処理の後、ユーザからポイント使用要求があれば(ステップS6でY)、ショッピング処理を行う(ステップS7)。ユーザからポイント使用要求が無ければ(ステップ6でN)、ステップ2に戻り処理を継続する。
【0025】
ここで、ユーザが更に新たな家電機器を購入する場合には、ステップS1から処理を行う。また、図5のフローチャートにおいてステップS2とステップS3は順序を逆にしてもよい。
(6)登録処理の動作
図6は、家電機器の登録処理の動作を示すフローチャートである。この動作は、図5のステップS1の詳細である。ここでは具体例としてユーザAが家電機器10aを購入して登録する場合について説明する。ユーザAは、家電機器10aを購入後、自身の保有する通信端末20aを用いて、家電機器10aの登録処理を行う。
先ず、通信端末20aの操作部203を操作し、サーバ装置50に対して当該システムを利用するためのアプリケーションプログラムであるシステム利用プログラムのダウンロード要求を行う。(ステップS11)、一例として、家電機器10aの本体、梱包材または取扱説明書などに二次元コードを付しておき、通信端末20aのカメラ205で二次元コードを読み込むことによりサーバ装置50が提供するウェブサイトに誘導するとしてもよい。通信端末20aの制御部202は、通信部206を介してサーバ装置50に評価システム1を利用するためのシステム利用プログラムのダウンロード要求を送信し、サーバ装置50の送受信部502は、ダウンロード要求を受信する(ステップS12)。
【0026】
なお、宅内の機器(家電機器10a、11a、12aおよび通信端末20a)とサーバ装置50とは、特に記載していない場合であってもゲートモジュール30aおよびネットワーク40を介して通信する。
送受信部502は、受信したダウンロード要求を制御部503に出力すると、制御部503は、記憶部501からシステム利用プログラムを読み出す(ステップS13)。送受信部502は、システム利用プログラムを通信端末20aへ送信し、通信端末20aの通信部206にて受信する(ステップS14)。
ダウンロードされたシステム利用プログラムは、いわゆるアプリケーションプログラムであって、特定のアイコンに対応付けて記憶される。
【0027】
制御部202は、システム利用プログラムを実行することにより、表示部204にトップ画面を表示する。トップ画面の一例を図13(a)に示す。トップ画面は、家電登録ボタン221、ポイント要求ボタン222、ポイント利用ボタン223を含む。ユーザAがタッチパネルである操作部203を操作しながら家電登録ボタン221を選択すると(ステップS15)、トップ画面は、図13(b)に示す家電登録画面に遷移する。家電登録画面は、一例としてユーザID記入欄224、識別ID記入欄225、設定ボタン226を含む。
ユーザAが操作部203を操作しながら、ユーザAを一意に識別するユーザIDや家電機器10aを一意に識別する識別IDなどを入力して、設定ボタン226を選択すると、入力したユーザID等がサーバ装置50に送信される。(ステップS17)。
サーバ装置50は、通信端末20aからユーザID等を受信すると、制御部503のペアリング部514が、図7に示すペアリング情報600を生成する(ステップS18)。ペアリング情報600は、一例として、ユーザ名、ユーザID、家電種別、識別IDから構成される。ペアリング部514は、生成したペアリング情報を記憶部501に格納する。
【0028】
次に、ペアリング部514は、生成したペアリング情報600を、送受信部502を介して家電機器10aに送信する(ステップS19)。家電機器10aは、ペアリング情報600を受信すると、受信したペアリング情報600を制御部103内部の記憶部に格納する。このときペアリング情報600の加えてゲートモジュール30aの情報も記憶するとしてもよい。制御部103は、ペアリング情報600を格納すると、設定完了通知をサーバ装置50へ送信する(ステップS21)。サーバ装置50のペアリング部514は、家電機器10aから設定完了通知を受信すると、設定を完了する(ステップS22)。そして、通信端末20aに対して設定完了通知を送信する(ステップS23)。通信端末20aは、サーバ装置50から設定完了通知を受信すると、表示部204に設定完了を表示し(ステップS24)、家電登録処理を終了する。
【0029】
(7)家電使用処理
図8は、家電使用処理の動作を示すフローチャートである。この動作は、図5のステップS2の詳細である。ここでは具体例としてユーザAが家電機器10aを使用した場合について説明する。
家電機器10aの制御部103は、ユーザAの操作内容に応じて、稼働部104を稼働させる(ステップS31)。制御部103は、稼働開始から稼働終了までの時間を計測しており、終了すると、内部に保持している登録情報に稼働モードと使用状況とを付加して使用状況情報を生成する(ステップS32)。
エアコンは各機器の仕様により「通常」、「エコ」、「おめざめ」など複数のモードを備えている。使用状況情報には、ステップS31の稼働において使用したモードが含まれる。また、使用状況は設定温度や稼働時間などを含む。
【0030】
制御部103は、無線通信部102を介して生成した使用状況情報をサーバ装置50へ送信する(ステップS33)。サーバ装置50の制御部503は、送受信部502を介して使用状況情報を受信すると、使用状況テーブル700を生成する(ステップS34)。使用状況テーブル700は、図9に示すように、複数の使用状況情報をまとめたテーブルである。制御部503は、使用状況テーブル700を記憶部501に格納する。
サーバ装置50は、複数のユーザのそれぞれが保有する複数の家電機器から使用状況情報を受信する都度、記憶部501に格納されている使用状況テーブル700に、新たな使用状況情報を追加して記録する。
【0031】
(8)使用状況評価処理
図10は、使用状況評価処理の動作を示すフローチャートである。ここに示す動作は、図5のフローチャートのステップS3の詳細である。
サーバ装置50の解析部515は内部に時計を保持しており、所定の時刻になると使用状況の評価を開始する(ステップS41でY)。本実施形態では一例として、解析部515は一日ごとに、24時になると0時から24時までの使用状況を用いて評価処理を行う。
先ず、解析部515は、記憶部501に格納されている使用状況テーブル700を参照し、使用状況テーブル700の家電種別ごとにステップS42からステップS51までを繰り返す。解析部515は、対象データを記憶部501から抽出する(ステップS43)。例えば、エアコンについて評価処理を行う場合、解析部515は、家電種別がエアコンである使用状況情報のうち、冬であれば暖房を20度以下で運転させている使用状況情報を抽出し、夏であれば冷房を28度以上で運転させている使用状況情報を抽出することとする。図9の使用状況テーブル700を用いてエアコンについて評価する場合、解析部515は、使用状況情報701、702、703、704、705を抽出する。
【0032】
本実施形態の解析部515は、家電機器の使用状況を他のユーザの使用状況と比較し、相対評価によって、ポイントを付与する。そのアルゴリズムの一例として、以下の具体例について説明する。
解析部515は、評価対象である使用状況の平均値μと標準偏差σとを算出する(ステップ44)。ここでは、「評価対象である使用状況」の一例として、エアコンの連続稼働時間を用いる。また、平均値μは相加平均を用いることとする。次に、使用状況情報の識別IDごとにステップS45からステップS51までを繰り返す。解析部515は、評価対象である使用状況を、平均値μと比較する(ステップS46)。
【0033】
使用状況がμ±σの範囲に含まれる場合、1ポイントを付与する(ステップS47)。使用状況が、μ-σからμ-2σまたはμ+σからμ+2σの範囲に含まれる場合、2ポイントを付与する(ステップS48)。使用状況がμ-2σからμ-3σまたはμ+2σからμ+3σの範囲に含まれる場合、3ポイントを付与する(ステップS48)。この方法は一例であり他の方法を用いてもよいが、エアコンの場合、実際の稼働時間を平均値と比較して、稼働時間が平均値より短いほど多くポイントを付与するものとする。
解析部515は、使用状況テーブル700に付与したポイントを書き込む(ステップS50)。解析部515はすべての識別IDについてポイント書き込み処理を終えると、他の家電種別の評価処理を行う。解析部515は、使用状況テーブル700に含まれるすべての家電種別について評価処理を終えると、ステップS41に戻り、次の評価時刻まで待機する。
【0034】
解析部515が使用状況テーブル700について評価処理を行った結果、図11に示すポイントテーブル710が生成される。ポイントテーブル710は、使用状況テーブル700にポイントの欄が追加されたテーブルである。同図に示すように、評価処理の結果、ユーザBは、識別IDが「E-B01」のエアコンの使用で2ポイント獲得し、識別ID「E-B02」のエアコンの使用で1ポイントを獲得した。ユーザCは、識別ID「E-C01」のエアコンの使用で1ポイントを獲得した。
(9)ポイント表示処理
図12は、ポイント表示処理の動作を示すフローチャートである。ここに示す動作は、図5のステップS5の詳細である。
【0035】
通信端末20aの表示部204に図13(a)に示すトップ画面が表示されている状態において、ユーザAがポイント要求ボタン222を選択すると、通信端末20aのポイント要求部212は、ポイント要求コマンドを生成する(ステップS61)。ポイント要求コマンドはユーザIDを含む。ポイント要求部212は、生成したポイント要求コマンドを、通信部206を介してサーバ装置50へ送信する(ステップS62)。
サーバ装置50の制御部503がポイント要求コマンドを受信すると、ポイント送信部516がコマンドに含まれるユーザIDと一致するユーザIDを含む対象データを記憶部501に格納されているポイントテーブルから抽出する(ステップS63)。そして、抽出した対象データに含まれるすべてのポイントを合算する(ステップS64)。ポイント送信部516は、送受信部502を介し合算した総ポイント数を通信端末20aに送信する(ステップS65)。
【0036】
通信端末20aのポイント要求部212は、サーバ装置50から総ポイント数を受信すると、図13(c)に示すトップ画面の獲得ポイント表示欄227に受信した総ポイント数を書き込んで、表示部204に出力する。表示部204は、獲得ポイントを表示する(ステップS66)。
ステップS64のポイント合算について、図11に示したポイントテーブル710を例に説明すると、ユーザBについては、データ711とデータ712とのポイントを合算して獲得ポイントが3ポイントとなる。ユーザAについてはゼロとなる。
(10)ポイント使用処理
図13(c)に示すように、通信端末20aの表示部204に獲得ポイントが表示されている状態において、ユーザAがポイント利用ボタン223を選択すると、通信端末20aのポイント利用部213は、ショッピングサイトサーバ装置60に接続する。
【0037】
ユーザAは、ショッピングサイトサーバ装置60が提供するサービスを利用して買い物をする際に、獲得ポイントを支払いに使用することができる。ショッピングサイト画面の一例を図13(d)に示す。ショッピングサイト画面は、例えば商品の写真や説明とともに購入ボタン228を含む。ユーザAが購入ボタン228を選択すると、商品を購入することができる。ここで、ユーザAが獲得ポイントで商品を購入する場合、ショッピングサイトサーバ装置60は、サーバ装置50と通信をしてポイント数の確認や使用済みポイントの減算処理などを行ってもよい。
【0038】
このように、実施形態1の評価システム1は、ユーザによる家電機器の使用状況を他者と比較した相対評価によってポイントを付与し、ユーザは獲得したポイントをショッピングなどに利用するというものである。
なお、システム利用プログラムは所謂アプリケーションプログラムであって、特定のアイコンに紐づけられており、当該アイコンが通信端末の表示部に表示される。ユーザは当該アイコンを選択することによりいつでもトップ画面を表示して本システムを利用することが可能である。
<実施形態2>
実施形態1では、家電機器の使用状況を他者の使用状況との比較、すなわち相対評価によってポイントを付与している。これに対して、実施形態2は、ユーザによる家電機器の使用状況がSDGsに即しているか否かに応じて評価するシステムについて説明する。実施形態2の評価システムのシステム構成は、図1に示した評価システム1と同様である。
【0039】
(1)SDGsについて
SDGsは、目標1から目標17まで17個の達成すべき目標で構成されるが、実施形態2の評価システムの指標として用いるのは、目標2、目標3、目標7および目標12である。図14は、これらの目標のテーマとIoT家電の使用方法による貢献についてまとめた表である。
目標2(飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を推進する)を達成するために、調理家電を使用する際に、野菜中心のメニュー設定で調理することにより、肉の消費量を減らすことに貢献する。
目標3(あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する)を達成するために、空気清浄機、加湿器、サーキュレータなどを使用することにより、感染症対策となる。
目標7(すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的なエネルギーへのアクセスを確保する)を達成するために、冷蔵庫の使用では、ドアの開閉回数を減らして節電に貢献する。洗濯機の使用では、節水モード、すすぎ1回コースなどを選択することにより節水に貢献する。エアコンの使用では、冷房使用時は28℃以上の稼働、暖房使用時は20℃以下の稼働により節電に貢献する。サーキュレータを使用することにより空気を循環させて冷暖房費の削減、節電に貢献する。照明器具では、LED照明装置の使用によりエネルギー消費量を削減する。炊飯器の使用では、無洗米コースを選択することにより節水に貢献する。
目標12(持続可能な消費生産形態を確保する)を達成するために、炊飯器の使用、すなわちお米を消費(地産地消)することによりフードマイレージの削減に貢献する。
【0040】
(2)使用状況評価処理について
実施形態2では、これらの考え方を基に作成された評価基準を用いて、ユーザによる家電機器の使用状況を評価する。
図15に評価基準の一例であるSDGsポイントテーブル800を示す。SDGsポイントテーブル800は、サーバ装置50の記憶部501に格納されている。
SDGsポイントテーブル800は、家電種別と貢献するSDGsの目標番号とポイントを付与する使用状況とをまとめたテーブルである。例えば、冷蔵庫について一日のドアの開閉回数が10回以下である場合には、目標7に貢献しているため、ユーザに1ポイントが付与される。また、空気清浄機について一日3時間以上使用した場合には、目標3に貢献しているため、ユーザに1ポイントが付与される。
実施形態2の評価システムの全体の動作は、図5に示したフローチャートと同一である。図5に示した動作のうち、実施形態1と異なるのは、サーバ装置50による使用状況評価処理である。
【0041】
図16は、実施形態2における使用状況評価処理の動作を示すフローチャートである。実施形態2において、サーバ装置50は、SDGsポイントテーブル800を用いて使用状況評価処理を行う。以下、詳細に説明する。
サーバ装置50の解析部515は内部に時計を保持しており、所定の時刻になると使用状況の評価を開始する(ステップS61でY)。本実施形態においても実施形態1と同様に、解析部515は一日ごとに、24時になると0時から24時までの使用状況を用いて評価処理を行う。
解析部515は、記憶部501に格納されている使用状況テーブルを参照し、使用状況テーブルの識別IDごとにステップS62からステップS67までを繰り返す。解析部515は、対象データ(使用状況情報)を記憶部501から抽出し、その使用状況がSDGsの目標達成に即しており、ポイント付与の対象となるか否かを判断する。具体的には、記憶部501から抽出した対象データの使用状況が、SDGsポイントテーブル800に記載された使用状況に合致しているか否かを判断する(ステップS63)。
【0042】
ユーザによる家電の使用状況がSDGsの目標達成に即している場合(ステップS64でY)、解析部515は、1ポイントを付与すると判断し(ステップS65)、使用状況テーブルに付与したポイントを書き込む(ステップS66)。ユーザによる家電の使用状況がSDGsの目標達成に即していない場合(ステップS64でN)、ステップ67に進む。
解析部515は、使用状況テーブルに含まれるすべての家電種別について使用状況評価処理を終えると、ステップS61に戻り、次の評価時刻まで待機する。解析部515が使用状況評価処理を行った結果、図17に示すポイントテーブル720が生成される。ポイントテーブル720は、使用状況テーブルにポイントの欄が追加されたテーブルである。同図に示すように、使用状況評価処理の結果、ユーザA、ユーザC、ユーザDはそれぞれ1ポイントを獲得し、ユーザBは2ポイントを獲得したことが分かる。
このように、実施形態2ではユーザによる家電機器の使用状況がSDGsの目標達成に貢献しているか否かを判断基準としてポイントを付与する。
【0043】
実施形態1および実施形態2の評価システムを運用する家電機器メーカとしては、SDGs推進の姿勢をアピールすることができ、使用状況のビックデータが得られるというメリットがある。また、アプリケーションプログラムのダウンロードやユーザ情報の登録が面倒なユーザもいるが、家電機器の使用によりショッピングに利用可能なポイントを取得可能であることが、登録のモチベーションにつながる。また、ユーザは日々の生活における家電機器の使用方法によって環境に良い活動ができていること、SDGsに貢献していることを実感することができる。これにより、個々のユーザが日々の生活において地球環境への意識をより高めて行動することが可能となる。
<変形例>
ここでは、上記実施形態の変形例を説明する。上記実施形態と以下に説明する変形例とを如何様にも組み合わせることができる。
【0044】
(1)上記の実施形態では、サーバ装置50はユーザの通信端末からポイント表示要求を受信すると、ユーザがその時点までに獲得した総ポイント数を送信する構成であった。しかし、サーバ装置50は、ユーザが獲得した総ポイント数に加えて、他の情報も送信してもよい。例えば、実施形態1の場合には、ユーザの家電機器の使用状況と判断基準として用いた平均値とを獲得ポイントと対応付けて送信してもよい。通信端末は、総ポイント数に加えて、ポイントの内訳として、使用状況および平均値を表示してもよい。また、実施形態2の場合には、ユーザの家電機器の使用状況と貢献しているSDGsの番号やテーマ等を獲得ポイントと対応付けて送信してもよい。通信端末は、総ポイント数に加えて、ポイントの内訳として、使用状況とSDGs番号やテーマ等を表示してもよい。
このようにユーザ自身の家電機器の使用状況と判断基準となる情報とを組み合わせて表示することにより、ユーザは自身の日々の生活における行動がどのように地球環境の保全やSDGsに貢献しているのかをより具体的に理解することが可能となる。
【0045】
(2)実施形態1と実施形態2とを組み合わせた評価システムも本発明に含まれる。すなわち、ユーザによる家電機器の使用状況に対して他のユーザの使用状況との比較に基づくポイントと、SDGsへの貢献度に基づくポイントとを両方付与する構成としてもよい。
(3)実施形態1のサーバ装置50による使用状況評価処理のアルゴリズムは一例であって、上記のアルゴリズムに限定されないのはもちろんである。実施形態1では、ユーザによる家電機器の使用状況を他のユーザの使用状況と比較して、その相対評価に応じてポイントを付与するアルゴリズムであればよい。
(4)実施形態2のサーバ装置50による使用状況評価処理で用いる判断基準(図15のSDGsポイントテーブル800)は一例である。目標2、目標3、目標7、目標12以外にもIoT家電の使用方法と関連して目標達成に貢献できる項目があれば追加してもよい。
(5)上記の実施形態では一例として通信端末がスマートフォンであるとして説明したが、本発明で用いる通信端末は移動端末でなくてもよい。タブレット端末、ノート型パソコン、デスクトップパソコン、ラップトップコンピュータなど、少なくとも通信機能と表示機能とを備えるコンピュータシステムであればよい。
【0046】
(6)上記の実施形態では、ユーザは獲得したポイントをショッピングに利用できるとして説明したが、ショッピングによりユーザが更なるポイントを獲得できる構成としてもよい。例えば、ユーザが地産地消に即した食品(パック米など)を購入すれば更にポイントを付与する構成であってもよい。これによりSDGsの推進を講じることができる。
(7)本発明に係る評価システムの制御方法を、コンピュータプログラムを用いてコンピュータにより実現してもよいし、前記コンピュータプログラムからなるデジタル信号として伝送してもよい。また、本発明は、前記コンピュータプログラム又は前記デジタル信号をコンピュータ読み取り可能な記録媒体、例えば、フレキシブルディスク、HDD、SSD、CD-ROM、MO、DVD、DVD-ROM、DVD-RAM、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)、半導体メモリなどに記録したものとしてもよい。また、これらの記録媒体に記録されている前記コンピュータプログラム又は前記デジタル信号であるとしてもよい。
また、本発明に係るコンピュータプログラム又はデジタル信号を、電気通信回線、無線又は有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送するものとしてもよい。
(8)本発明に係るサーバ装置の制御方法を、サーバ装置で動作するコンピュータプログラムである評価プログラムを用いてコンピュータにより実現してもよいし、評価プログラムのデジタル信号として伝送してもよい。
また、本発明は、評価プログラム又は前記デジタル信号をコンピュータ読み取り可能な記録媒体、例えば、フレキシブルディスク、HDD、SSD、CD-ROM、MO、DVD、DVD-ROM、DVD-RAM、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)、半導体メモリなどに記録したものとしてもよい。また、これらの記録媒体に記録されている評価プログラム又は前記デジタル信号であるとしてもよい。
また、評価プログラム又はデジタル信号を、電気通信回線、無線又は有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送するものとしてもよい。
【符号の説明】
【0047】
1 評価システム
10a、11a、12a、13b、14b、15c、16c、17c 家電機器
20a、20b、20c 通信端末
30a、30b、30c ゲートモジュール
40 ネットワーク
50 サーバ装置
60 ショッピングサイトサーバ装置
101 操作部
102 無線通信部
103 制御部
104 稼働部
105 電源部
201 記憶部
202 制御部
203 操作部
204 表示部
205 カメラ
206 通信部
207 マイク
208 スピーカ
209 電源部
211 家電登録部
212 ポイント要求部
213 ポイント利用部
501 記憶部
502 送受信部
503 制御部
504 電源部
514 ペアリング部(登録部)
515 解析部
516 ポイント送信部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17