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特開2023-151496処理シリカ分散単量体組成物の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023151496
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】処理シリカ分散単量体組成物の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C01B 33/145 20060101AFI20231005BHJP
   A61K 6/887 20200101ALI20231005BHJP
   A61K 6/76 20200101ALI20231005BHJP
   A61K 6/871 20200101ALI20231005BHJP
【FI】
C01B33/145
A61K6/887
A61K6/76
A61K6/871
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022061122
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】515279946
【氏名又は名称】株式会社ジーシー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】上野 貴之
(72)【発明者】
【氏名】高田 大輔
【テーマコード(参考)】
4C089
4G072
【Fターム(参考)】
4C089AA01
4C089BA13
4C089BD02
4C089BE03
4C089CA08
4G072AA25
4G072AA28
4G072BB05
4G072CC02
4G072CC16
4G072DD06
4G072GG03
4G072HH28
4G072JJ41
4G072JJ45
4G072KK01
4G072MM02
4G072MM31
4G072RR05
4G072UU09
4G072UU23
(57)【要約】
【課題】シラン処理されたシリカ粒子が重合体単量体中に分散されてなる組成物の製造方法において、シリカ粒子のより良好な分散状態を得る。
【解決手段】処理シリカ分散単量体組成物の製造方法が、水を10質量%以上含む溶媒にシリカが分散した塩基性のシリカ分散液と、シランカップリング剤とを混合して、シラン処理シリカ分散液を調製し、前記シラン処理シリカ分散液と、重合性単量体とを混合して、混合物を得て、前記混合物から水相を除去し、シランカップリング剤で処理されたシリカが重合性単量体中に分散された組成物を得ることを含む。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を10質量%以上含む溶媒にシリカが分散した塩基性のシリカ分散液と、シランカップリング剤とを混合して、シラン処理シリカ分散液を調製し、
前記シラン処理シリカ分散液と重合性単量体とを混合して、混合物を得て、
前記混合物から水相を除去し、シランカップリング剤で処理されたシリカが重合性単量体中に分散された組成物を得ることを含む、処理シリカ分散単量体組成物の製造方法。
【請求項2】
前記重合性単量体は、(メタ)アクリロイルオキシ基を有する重合性単量体である、請求項1に記載の処理シリカ分散単量体組成物の製造方法。
【請求項3】
前記(メタ)アクリロイルオキシ基を有する重合性単量体は、ジ(メタ)アクリレートである、請求項2に記載の処理シリカ分散単量体組成物の製造方法。
【請求項4】
前記シランカップリング剤は、(メタ)アクリロイルオキシ基を有するシランカップリング剤である、請求項1から3のいずれか一項に記載の処理シリカ分散単量体組成物の製造方法。
【請求項5】
前記シリカ分散液のpHは9~11である、請求項1から4のいずれか一項に記載の処理シリカ分散単量体組成物の製造方法。
【請求項6】
前記シリカはコロイダルシリカである、請求項1から5のいずれか一項に記載の処理シリカ分散単量体組成物の製造方法。
【請求項7】
前記溶媒がナトリウムイオンを含有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の処理シリカ分散単量体組成物の製造方法。
【請求項8】
前記混合物から水相を除去することが、水又は酸性水を加え撹拌することで分離した水相を除去することを含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の処理シリカ分散単量体組成物の製造方法。
【請求項9】
前記水相を除去した後、80℃~150℃で加熱することを含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の処理シリカ分散単量体組成物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理シリカ分散単量体組成物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
歯科分野において、シラン処理されたシリカ粒子が重合性単量体中に分散されてなる組成物が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。当該組成物は、良好な機械的特性や適度な流動性(稠度等)を有するため、歯科用材料に好適に応用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4748938号公報
【特許文献2】特許第4800535号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のような、シラン処理されたシリカ粒子が重合性単量体中に分散されてなる組成物においては、シリカ粒子の重合性単量体中の分散状態が良好であるものほど、すなわち、シリカ粒子が重合性単量体により均一に分散されているものほど、材料に応用した際に当該材料中のシリカ粒子の分散状態も向上し、材料の特性が向上する。しかしながら、従来の製造方法によって得られる組成物におけるシリカ粒子の分散状態には、改善の余地があった。
【0005】
上記に鑑みて、本発明の一態様は、シラン処理されたシリカ粒子が重合性単量体中に分散されてなる組成物の製造方法であって、シリカ粒子のより良好な分散状態を得ることのできる方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様による処理シリカ分散単量体組成物の製造方法は、水を10質量%以上含む溶媒にシリカが分散した塩基性のシリカ分散液と、シランカップリング剤とを混合して、シラン処理シリカ分散液を調製し、前記シラン処理シリカ分散液と重合性単量体とを混合して、混合物を得て、前記混合物から水相を除去し、シランカップリング剤で処理されたシリカが重合性単量体中に分散された組成物を得ることを含む。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、シラン処理されたシリカ粒子が重合体単量体中に分散されてなる組成物の製造方法において、シリカ粒子のより良好な分散状態を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の一実施形態は、シラン処理されたシリカ粒子が重合性単量体中に分散されてなる組成物(以下、処理シリカ分散単量体組成物ともいう)を製造する方法である。本形態による製造方法は、少なくとも、水を含む溶媒中にシリカを分散させたシリカ分散液と、シランカップリング剤とを混合することによってシリカを処理して、シラン処理シリカ分散液(単に、処理シリカ分散液という場合がある)を調製する第1工程と、上記シラン処理シリカ分散液に重合性単量体を添加して、混合物を得る第2工程と、上記混合物から水相を除去し、シランカップリング剤で処理されたシリカが重合性単量体中に分散された組成物(シラン処理シリカ分散単量体組成物、若しくは処理シリカ分散単量体組成物)を得ることを含む第3工程と含む。
【0009】
<第1工程:シラン処理シリカ分散液の調製>
第1工程は、シリカの表面をシランカップリング剤で処理する工程、すなわち、シランとシランカップリング剤とを反応させる工程である。本工程では、水を含む溶媒にシリカを分散させた塩基性のシリカ分散液を用いる。すなわち、シリカに直接シランカップリング剤を接触させるのではなく、分散液中で既に分散されているシリカにシランカップリング剤を作用させる。これにより、分散液中でシリカとシランカップリング剤とが反応できるので、粒径の小さいシリカであっても、シリカの凝集を抑制することができ、本形態の製造方法により得られる処理シリカ分散単量体組成物中のシリカの分散状態を良好にできる。すなわち、シリカの凝集を抑え、シリカが組成物中に均一に分散した状態を得ることができる。
【0010】
また、シリカ分散液の溶媒は水を含み、水の量は、シリカ分散液の溶媒全量に対して10質量%以上である。シリカ分散液において上記量の水を用いることで、第1工程で得られる処理シリカ分散液におけるシリカの分散状態をより良好にでき、ひいては処理シリカ分散単量体組成物におけるシリカの分散状態をより良好することができる。
【0011】
シリカ分散液で用いられる溶媒中の水の量は、溶媒の全量に対して、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは50質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上であってよい。また、溶媒が、実質的に水からなる、若しくは水であることが好ましい。
【0012】
また、シリカ分散液(シランカップリング剤及び/単量体の添加前の液)には、水以外の溶媒が含まれていてもよい。水以外の溶媒は、水と混合可能な、水より沸点の低い両親性溶媒(親水性及び疎水性の両方の性質を有する溶媒)であってよく、具体例としては、エタノール、メタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール等のアルコール類、アセトン類、エーテル類等が挙げられる。本形態により得られる処理シリカ分散単量体組成物を歯科用材料等に利用する場合には、溶媒が残存した場合の安全性の観点から、エタノールを用いることが好ましい。
【0013】
シリカは、本形態による製造方法で得られる処理シリカ単量体組成物中の無機フィラーとして添加される。本形態で用いられるシリカは、ナノスケールの、すなわち一次粒子の平均粒径が1μm未満であるシリカ粒子である。シリカの平均粒径は、好ましくは1~500nm、より好ましくは1~200nmであってよい。上記のような平均粒径を有するシリカ粒子は、例えば、製造される処理シリカ分散単量体組成物が歯科用材料に適用された場合、歯科用材料の審美性を向上させるという観点から好ましい。また、シリカの粒度分布を測定した場合、粒径ピークを1つ有するものであっても、2以上有するものであってもよい。なお、本明細書における粒子の粒径は、レーザー回折散乱法又は電子顕微鏡観察により測定されるものであってよく、平均粒径は体積平均径であってよい。
【0014】
本形態で用いられるシリカは、非凝集シリカであってよい。本明細書において、非凝集シリカは、球形、若しくは実質的に球形を有するものである。また、シリカのBET比表面積は、20~500m/g程度であってよい。
【0015】
シリカ分散液は塩基性であり、これにより、シリカとシランカップリング剤とを塩基性条件下で反応させることができる。塩基性条件下での反応は、シリカ粒子の凝集を抑えつつシリカ表面カップリング反応を進めることができるので、得られる処理シリカ分散単量体組成物においてシリカの分散状態を良好にできることから、好ましい。シリカ分散液のpHは、好ましくは8~12、より好ましくは9~11であってよい。
【0016】
シリカ分散液は、水を含む溶媒にシリカが分散されてなるシリカゾル、コロイダルシリカ等であってよい。シリカ分散液としては、例えば、W.R.GRACE社製のLudox(登録商標)PW-50(pH9.8~10.6)、CL-X、PX-30、日産化学社製のスノーテックス(登録商標)ST-ZL(pH9.0~11.0)、ST-YL、ST-30L等が挙げられる。また、フュームドシリカ等の乾式シリカ粒子を、水を含む溶媒中に分散させて調製することもできる。その場合、乾式シリカ粒子としては、EVONIK社製のAEROSIL(登録商標)OX-50、AEROSIL(登録商標)200、AEROSIL(登録商標)380等が挙げられる。
【0017】
シリカ分散液を調製するための溶媒には、塩基性塩が添加され、塩基性の水溶液が調製されていてもよい。塩基性塩は無機塩であっても有機塩であってもよく、例えば、水酸化ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム等であってよい。塩基性塩を添加することによってシリカ分散液を塩基性にすることで、温度変化等による揮発等によりシリカ分散液の塩基性が変化する可能性を低減でき、処理工程中のpHを塩基性領域に安定的に維持できる。また、シリカ分散液がナトリウムイオンを含むことにより、ひいてはシリカ分散液とシランカップリング剤とが混合した混合液がナトリウムイオンを含むことによって、液中のシリカ粒子の凝集をより一層抑制できる。
【0018】
シリカ分散液におけるシリカの濃度は、好ましくは20~70質量%、より好ましくは30~60質量%であってよい。濃度を上記範囲とすることで、シリカの凝集を抑えるとともに、シリカとシランカップリング剤との反応の効率を上げることができる。
【0019】
第1工程では、シリカ分散液とシランカップリング剤とを混合する。その際、シランカップリング剤は未処理の状態で、シリカ分散液に直接添加してもよいし、加水分解性基の少なくとも一部を加水分解してから添加してもよい。予め加水分解したシランカップリング剤を用いることで、シリカの表面処理がより迅速になる、可燃性溶媒の使用量を減らすことができるという観点から好ましい。
【0020】
シランカップリング剤を予め加水分解する場合、水、アルコール等の水性溶媒にシランカップリング剤を分散させる。その場合、シランカップリング剤を分散させる溶媒のpHを酸性又は塩基性とすることもできるが、上述のようにシリカとシランカップリング剤との反応を塩基性条件下で進めることが好ましいことから、シランカップリング剤を分散させる溶媒を中性又は塩基性とすることが好ましい。また、加水分解反応の促進のために、シランカップリング剤を分散させる液に、上記水性溶媒以外の酸成分又は塩基性成分を加えることもできるが、シランカップリング剤を分散させてなる液とシリカ分散液と混合した後の混合液が、塩基性となっていることが好ましい。また、シランカップリング剤を加水分解させた後にシリカ分散液と混合する場合、シランカップリング剤は、濃度20~50質量%程度の分散液として添加することができる。
【0021】
シランカップリング剤は特に限定されないが、重合性の二重結合、より具体的にはラジカル重合可能な不飽和二重結合を有するものが好ましい。ラジカル重合可能な不飽和二重結合を有するシランカップリング剤は、透明性という観点から歯科分野で好適な、(メタ)アクリロイルオキシ基を有するシランカップリング剤であると好ましい。(メタ)アクリロイルオキシ基を有するシランカップリング剤の具体例としては、メタクリロイルオキシメチルトリメトキシシラン、2-メタクリロイルオキシエチルトリメトキシシラン、3-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン)、4-メタクリロイルオキシブチルトリメトキシシラン、5-メタクリロイルオキシペンチルトリメトキシシラン、6-メタクリロイルオキシヘキシルトリメトキシシラン、7-メタクリロイルオキシヘプチルトリメトキシシラン、8-メタクリロイルオキシオクチルトリメトキシシラン(θ-メタクリロキシオクチルトリメトキシシラン)、9-メタクリロイルオキシノニルトリメトキシシラン、10-メタクリロイルオキシデシルトリメトキシシラン、11-メタクリロイルオキシウンデシルトリメトキシシラン、12-メタクリロイルオキシドデシルトリメトキシシラン、13-メタクリロイルオキシトリデシルトリメトキシシラン、11-メタクリロイルオキシウンデシルジクロロメチルシラン、11-メタクリロイルオキシウンデシルトリクロロシラン、12-メタクリロイルオキシドデシルジメトキシメチルシラン、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピルエチルジエトキシシラン、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、2-(メタ)アクリロイルオキシエトキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。このうち、一般に流通して入手しやすいことから、3-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン)及び8-メタクリロイルオキシオクチルトリメトキシシラン(θ-メタクリロキシオクチルトリメトキシシラン)の1以上が好ましい。また、上記シランカップリング剤は、1種又は2種以上組み合わせて用いることがでる。
【0022】
シリカ分散液にシランカップリング剤を混合する場合、シランカップリング剤若しくはシランカップリング剤の分散液の所要量を一度に投入してもよいし、シリカ分散液を撹拌しながら、シランカップリング剤若しくはシランカップリング剤の分散液を少量ずつ滴下してもよい。また、シリカ分散液とシランカップリング剤とを撹拌する場合には、マグネティックスターラー等の撹拌装置を用いて行うことができ、また超音波照射等を行ってもよい。
【0023】
<第2工程:重合性単量体の添加>
第2工程は、第1工程で得られたシラン処理されたシリカの分散液(処理シリカ分散液)に、さらに重合性単量体を混合して混合物を得る工程である。本形態では、処理されたシリカが液体中で分散しているので、単量体を加えても撹拌が容易である。シリカと単量体と先立って混ぜ合わせるインテグラルブレンド法等に比べて、混合物中においてシリカが均一に分散された状態が維持される。
【0024】
重合性単量体は、重合性二重結合含有単量体、より具体的には、ラジカル重合可能な不飽和二重結合を有する単量体である。重合性二重結合含有単量体は、特に限定されないが、透明性が高いという観点から歯科分野で好適な(メタ)アクリロイルオキシ基を有する重合性単量体が好ましい。なお、本明細書中で「(メタ)アクリロイルオキシ基を有する」とは、アクリロイルオキシ基若しくはメタクリロイル基、又はその両方を有することを指す。また、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及び/又はメタクリレートのモノマー、オリゴマー、又はプレポリマーを意味する。
【0025】
(メタ)アクリロイルオキシ基を有する重合性単量体の具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、2-エトキシエチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-1,3-ジ(メタ)アクリロキシプロパン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,3-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジル(メタ)アクリレート、ビスメタクリル酸[(ジメチルメチレン)ビス(4,1-フェニレンオキシエチレン)](Bis-MEPP)が挙げられる。さらに、(メタ)アクリロイルオキシ基を有する重合性単量体の具体例として、ウレタン結合を持つ(メタ)アクリレートとして、ジ-2-(メタ)アクリロキシエチル-2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジカルバメート、1,3,5-トリス[1,3-ビス{(メタ)アクリロイルオキシ}-2-プロポキシカルボニルアミノヘキサン]-1,3,5-(1H,3H,5H)トリアジン-2,4,6-トリオン、2,2-ビス[4-{3-(メタ)アクリロイルオキシ-2-ヒドロキシプロピル}フェニル]プロパン、2,2-ビス[4-{(メタ)アクリロキシエトキシ}フェニル]プロパン等が挙げられる。また、2,2'-ジ(4-ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンと2-オキシパノンとヘキサメチレンジイソシアネートと2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとからなるウレタンオリゴマーの(メタ)アクリレート、1,3-ブタンジオールとヘキサメチレンジイソシアネートと2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとからなるウレタンオリゴマーの(メタ)アクリレート等が挙げられ、ウレタンジメタクリレート(UDMA)もが挙げられる。これらの中でも、多官能(メタ)アクリレート、特にジ(メタ)アクリレートが好ましく、ビスメタクリル酸[(ジメチルメチレン)ビス(4,1-フェニレンオキシエチレン)](Bis-MEPP)、ウレタンジメタクリレート(UDMA)が好ましい。多官能(メタ)アクリレートは、単官能(メタ)アクリレートに比べ沸点が高いため、後続の80℃~150℃で加熱する工程(第4工程にて後述)で揮発、沸騰しにくく好ましい。上記の重合性単量体は、1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0026】
重合性単量体の量及びシリカの量は、得ようとする処理シリカ分散単量体組成物若しくはその硬化物の特性に応じて調整することができるが、重合性単量体100質量部に対するシリカの量を、好ましくは50~300質量部、より好ましくは100~250質量部とすることができる。
【0027】
本第2工程では、第1工程で得られた処理シリカ分散液と、重合性単量体を混合する場合には、自転公転ミキサー等の混合機を用いて行うことができる。
【0028】
<第3工程:水相の除去>
上述の第2工程で得られた処理シリカ分散液と重合性単量体との混合物から、不要成分を除去し、処理シリカ分散単量体組成物を取り出す工程である。第2工程終了時の混合物は油相と水相とを含んでいる。油相には、重合性単量体及びシラン処理されたシリカ、残留したシランカップリング剤が主として含まれる。一方、水相には、水、水性溶媒、及びナトリウムイオン等のイオン、シラン処理されなかったシリカ等が主として含まれる。
【0029】
第2工程終了時の混合物が、目視で明確に油相と水相とに分離している場合には、上澄みの油相を傾斜法等の公知の方法によって取り出し、水相を除去することができる。また、第2工程終了時の混合物が、油相及び水相に明確に分離している場合でも、分離していない場合であっても、必要に応じて、混合物に対して機械エネルギー、熱エネルギー等の何等かのエネルギーを加える処理を行うことによって、油相と水相とを分離する且つ/又は水相を除去できる。上記処理は、例えば、遠心分離、濾過、加熱、凍結乾燥、溶媒留去等であってよい。上述の油相と水相との分離のために遠心分離をする場合には、重合性単量体の比重が1以上であることが好ましい。また、特に油相と水相との分離が目視で確認できないような場合には、混合物に超音波を照射して、油相と水相とを分離することもできる。
【0030】
さらに、当該第3工程の水相の除去においては、上述のようにして一旦取り出した油相に、水又は酸性水を加えて、油相中の不要成分(例えば、残留した未反応のシランカップリング剤、残留した未処理シリカ、残留したナトリウムイオン等のイオン等)を水相に分散させ、その水相を除去することもできる。このような水又は酸性水の添加は、第2工程終了時に得られる混合物に対して行うこともできる。
【0031】
第3工程にて水相を除去して残された油相が、処理シリカ分散単量体組成物となる。第3工程によって水相は完全に除去されていなくてもよく、得られた処理シリカ分散単量体組成物(油相)中には、水相が残留していてもよい。但し、処理シリカ分散単量体組成物には相分離が観察されないことが好ましい。処理シリカ分散単量体組成物(油相)の性状は、ある程度流動性を有しているのであれば、スラリー状、ペースト状、或いは粘土状であってよい。
【0032】
このように、少なくとも上記の第1工程~第3工程を含む製造方法によって、シランカップリング剤で処理されたシリカが重合性単量体に分散してなる組成物(処理シリカ分散単量体組成物)が得られる。このような処理シリカ分散単量体組成物におけるシリカ(フィラー)の分散状態の評価は、当該組成物を直接観察することによって行ってもよいし、処理シリカ分散単量体組成物の良好な分散状態は、その硬化物における良好な分散状態に反映されることから、処理シリカ分散単量体組成物を硬化させて得られる硬化物を観察してもよい。その場合、例えば、硬化物の平坦な表面又は断面を電子顕微鏡等によって硬化物内の凝集物を観察することで評価できる。
【0033】
<第4工程:加熱>
第4工程は、必要に応じて第3工程で得られた油相を加熱する工程である。加熱することによって、シランカップリング剤の脱水縮合が進む。シランカップリギング剤が脱水縮合することで、シランカップリング剤がシリカ表面に固定化され、組成物中でのシリカの分散性が向上する。また、第4工程の加熱により、溶媒が残留している場合にはその溶媒を蒸発により除去できる。
【0034】
加熱温度は、好ましくは80℃~150℃、より好ましくは100~130℃であってよい。また、加熱時間は、30~360分間程度が好ましい。
【0035】
[処理シリカ分散単量体組成物の用途]
得られたシ処理シリカ分散単量体組成物は、歯科用硬化性材料、例えば光重合性歯科用硬化材料のために利用できる。特に、歯科用コンポジットレジン、一剤型の歯科用コンポジットレジンのために好適に利用できる。歯科用コンポジットレジンとして使用される場合、上述の処理シリカ分散単量体組成物に、追加成分、例えば、光重合開始剤、バリウムガラス等のフィラー、重合禁止剤、紫外線吸収剤、蛍光剤、顔料等を添加することができる。よって、本発明の一形態は、上述の処理シリカ分散単量体組成物に、追加成分を添加して、歯科用硬化性材料を製造する方法であってよい。
【実施例0036】
以下の各例では、異なる方法によって、処理シリカが単量体中に分散した組成物(処理シリカ単量体組成物)を得た。また、得られた組成物の硬化物を作製し、硬化物中のシリカの分散状態について評価を行った。
【0037】
<シリカ分散性評価方法>
上述の各例で得られた組成物に、光重合開始剤(カンファーキノン/ジメチルアミノエチルメタクリレートを溶解したトリエチレングリコールジメタクリレート(TEGDMA)を、〔組成物中の単量体の量〕:〔TEGDMAの量〕=80:20となる比率で混合し、光重合可能な組成物を得た。当該光重合可能な組成物を可視光照射により重合して硬化物を作製し、硬化物の表面を耐水研磨紙により鏡面研磨して滑沢面を形成し、当該滑沢面を走査電子顕微鏡(SEM)を用いて観察した。具体的には、滑沢面の任意の3か所において、50μm×40μmの範囲が確認できる倍率で像を得た。得られた3つの像においてそれぞれ3μm以上の凝集物の数をカウントし、1つの像当たりの凝集物の数の平均値を算出した。評価基準は以下の通りとした:
優:平均値が1未満
良:平均値が1以上3未満
不可:平均値が3以上
【0038】
(実施例1)
コロイダルシリカ水分散液(W.R.GRACE社製「Ludox(登録商標)PW-50」、シリカ濃度:50質量%、ナトリウムイオン安定化、pH9.8~10.6、20~30nm及び50nm付近にシリカの粒径ピーク)20gと、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製「KBM-503」)3.5gとを、マグネティックスターラーにより23℃環境下で10分間撹拌した後、発振周波数38kHz、120Wで30分間超音波を照射することによって混合し、処理シリカ分散液を得た。
【0039】
次いで、ビスメタクリル酸[(ジメチルメチレン)ビス(4,1-フェニレンオキシエチレン)](Bis-MEPP、ジメタクリレートモノマー)5.5gを添加し、さらに自転公転ミキサーを用い公転回転数1000rpmで10分間撹拌して、混合物を得た。
【0040】
さらに、油相と水相とに分離していた混合物から水相を除去して、油相を得た。得られた油相にはさらに酸性水(pH3.5の酢酸水溶液)25mLを加えて撹拌し、分離した水相を除去した。蒸気乾燥器により120℃で120分間加熱し、処理シリカ分散単量体組成物(γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシランで処理されたシリカがBis-MEPP中に分散された組成物)を得た。得られた処理シリカ分散単量体組成物を用いて硬化物を作製し、上述のようにシリカの分散状態を評価したところ、結果は「優」であった。
【0041】
(実施例2)
実施例1のコロイダルシリカ水分散液に代えて、別のコロイダルシリカ水分散液(日産化学社製「スノーテックス(登録商標)ST-ZL」、シリカ濃度:40質量%、ナトリウムイオン安定化、pH:9.0~11.0、シリカ平均粒径:70~100nm)20gを用い、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製「KBM-503」)の量を2.4gとし、且つBis-MEPPの量を5.0gとしたこと以外は、実施例1と同様にして、処理シリカ分散単量体組成物(γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシランで処理されたシリカがBis-MEPP中に分散された組成物)を得た。得られた処理シリカ分散単量体組成物を用いて硬化物を作製し、上述のようにシリカの分散状態を評価したところ、結果は「良」であった。
【0042】
(実施例3)
pH10に調整した水酸化ナトリウム水溶液20gに、フュームドシリカ(EVONIK社製「AEROSIL(登録商標)OX-50」、シリカの平均粒径40nm程度、10~100nmの粒度分布)10gを加え、マグネティックスターラーにより23℃環境下で10分間撹拌することによって混合した。さらに、発振周波数38kHz、120Wで30分間超音波を照射して、シリカをほぼ一次粒子まで分散させ、シリカ水分散液(シリカスラリー)を得た。得られたシリカ水分散液30gに、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製「KBM-503」)4.0gを添加し、マグネティックスターラーにより23℃環境下で10分間撹拌し、さらに発振周波数38kHz、120Wで30分間超音波を照射することによって混合し、処理シリカ分散液を得た。
【0043】
次いで、添加するBis-MEPPの量を6.0gとしたこと以外は、実施例1と同様にして、混合物を得て、さらに処理シリカ分散単量体組成物(γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシランで処理されたシリカがBis-MEPP中に分散された組成物)を得た。得られた処理シリカ分散単量体組成物を用いて硬化物を作製し、上述のようにシリカの分散状態を評価したところ、結果は「良」であった。
【0044】
(実施例4)
コロイダルシリカ水分散液(W.R.GRACE社製「Ludox PW-50」)20gを準備した。一方、θ-メタクリロキシオクチルトリメトキシシラン(信越化学社製「KBM-5803」)3.0gを、エタノール40g及び蒸留水10gの混合溶媒に溶解し、室温で24時間撹拌して、θ-メタクリロキシオクチルトリメトキシシランを加水分解させた。さらに、上記のコロイダルシリカ水分散液と、加水分解させたθ-メタクリロキシオクチルトリメトキシシランの溶液とを撹拌により混合して、処理シリカ分散液を得た。
【0045】
次いで、当該シリカ分散液に、Bis-MEPP6.0gを添加して撹拌し、混合物を得た。
【0046】
得られた混合物をエバポレートすることでエタノールを留去し、油相と水相とに分離した混合物を得た。混合物から油相を取り出し、さらに得られた油相に酸性水を加えて撹拌し、その後、水相を除去した。蒸気乾燥器により120℃で120分間加熱し、処理シリカ分散単量体組成物(γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシランで処理されたシリカがBis-MEPP中に分散された組成物)を得た。得られた処理シリカ分散単量体組成物を用いて硬化物を作製し、上述のようにシリカの分散状態を評価したところ、結果は「優」であった。
【0047】
(実施例5)
コロイダルシリカ水分散液(W.R.GRACE社製「Ludox PW-50」)20gを準備した。一方、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製「KBM-503」)3.5gを、エタノール40g及び蒸留水10gの混合溶媒に溶解し、室温で24時間撹拌して、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを加水分解させた。そして、上記のコロイダルシリカ水分散液と、加水分解させたγ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの溶液とを撹拌により混合して、処理シリカ分散液を得た。
【0048】
次いで、当該シリカ分散液に、ウレタンジメタクリレート(UDMA、ジメタクリレートモノマー)5.5gを添加しして撹拌し、混合物を得た。
【0049】
得られた混合物を、実施例4と同様に、エバポレートし、油相を取り出し、処理シリカ分散単量体組成物(γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシランで処理されたシリカがUDMA中に分散された組成物)を得た。得られた処理シリカ分散単量体組成物を用いて硬化物を作製し、上述のようにシリカの分散状態を評価したところ、結果は「優」であった。
【0050】
(比較例1)
フュームドシリカ(EVONIK社製「AEROSIL OX‐50」)10gを乳鉢に取り、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製「KBM-503」)3.5gを少量ずつ滴下しながら乳鉢で撹拌した。シリカ(フィラー)のダマが目視でほぼ見えなくなるまで撹拌した後、蒸気乾燥器により120℃で120分間加熱し、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(シランカップリング剤)をシリカ表面に縮合させ、シランカップリング剤で処理されたシリカ(シラン処理シリカ)を得た。その後、当該シランカップリング剤で処理されたシリカ(シラン処理シリカ)に、Bis-MEPP5.5gを加え、混合し、処理シリカ分散単量体組成物(γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシランで処理されたシリカがBis-MEPP中に分散された組成物)を得た。得られた処理シリカ分散単量体組成物を用いて硬化物を作製し、上述のようにシリカの分散状態を評価したところ、結果は「不可」であった。
【0051】
(比較例2)
γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製「KBM-503」)3.5gに代えて、θ-メタクリロキシオクチルトリメトキシシラン(信越化学社製「KBM-5803」)3.0gを用いたこと、及びBis-MEPPの量を6.0gとしたこと以外は、比較例1と同様にして、処理シリカ分散単量体組成物(θ-メタクリロキシオクチルトリメトキシシランで処理されたシリカがUDMA中に分散された組成物)を得た。得られた処理シリカ分散単量体組成物を用いて硬化物を作製し、上述のようにシリカの分散状態を評価したところ、結果は「不可」であった。
【0052】
(比較例3)
実施例1のコロイダルシリカ水分散液20gに代えて、コロイダルシリカ水分散液(日産化学社社製「スノーテックス(登録商標)ST-OL」、シリカ濃度:20質量%、pH:2.0~4.0、平均粒径:40~50nm)40gを用い、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製「KBM-503」)の量を2.4gとしたこと以外は、実施例1と同様にして、処理シリカ分散単量体組成物(γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシランで処理されたシリカがBis-MEPP中に分散された組成物)を得た。得られた処理シリカ分散単量体組成物を用いて硬化物を作製し、上述のようにシリカの分散状態を評価したところ、結果は「不可」であった。
【0053】
(比較例4)
pH10に調整した水酸化ナトリウム水溶液20gに代えて、エタノール20gを使用したこと以外は、実施例3と同様にして、処理シリカ分散液を得た。
【0054】
次いで、Bis-MEPP6.0gを添加して撹拌して、混合物を得た。
【0055】
混合物をエバポレートしてエタノールを留去した後、蒸気乾燥器により120℃で120分間加熱し、処理シリカ分散単量体組成物(γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシランで処理されたシリカがBis-MEPP中に分散された組成物)を得た。得られた処理シリカ分散単量体組成物を用いて硬化物を作製し、上述のようにシリカの分散状態を評価したところ、結果は「不可」であった。
【0056】
このように、水を含む溶媒中にシリカを分散させたシリカ分散液とシランカップリング剤とを混合して塩基性条件下でシリカを処理する工程を含む実施例1~4では、得られた処理シリカ分散単量体組成物を用いて作製した硬化物中の分散状態は、いずれも良好であることが分かった。特に、コロイダルシリカを用い且つシリカの粒径も比較的小さい実施例1の結果は優れていた方、溶媒を用いずにシリカとシランカップリング剤とを混合した比較例1、2では、得られた処理シリカ分散単量体組成物を用いて作製した硬化物中のシリカの分散状態は、実施例1~4の結果よりも劣っていた。また、溶媒酸性条件下で反応をさせた比較例3、及び媒体をエタノールとした比較例4では、作製された光重合可能な組成物におけるシリカの分散状態は、実施例1~4の結果より劣っていた。
【0057】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。