(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023151504
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】計量容器
(51)【国際特許分類】
B65D 1/02 20060101AFI20231005BHJP
B65D 41/26 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
B65D1/02 210
B65D41/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022061132
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100154003
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 憲一郎
(72)【発明者】
【氏名】宮入 圭介
【テーマコード(参考)】
3E033
3E084
【Fターム(参考)】
3E033AA02
3E033BA15
3E033BA16
3E033BA22
3E033DA03
3E033DA09
3E033DB01
3E033DD01
3E033FA03
3E033GA02
3E084AA04
3E084AA12
3E084AA24
3E084AA25
3E084AA26
3E084AB01
3E084BA01
3E084CA01
3E084CB02
3E084CC03
3E084DA01
3E084DB12
3E084DC03
3E084EA03
3E084EB02
3E084FA09
3E084FB01
3E084GA01
3E084GB01
3E084JA07
3E084KB01
3E084LA17
3E084LB02
3E084LB07
3E084LC01
3E084LD01
3E084LF01
(57)【要約】
【課題】使用する樹脂量を削減しつつ、計量キャップの装着性を向上させた計量容器を提供する。
【解決手段】本開示に係る計量容器1は、筒状の口部13を備えた容器本体10と、ノズルキャップ20と、計量キャップ30とを有する計量容器1であって、ノズルキャップ20は、口部13と第1係合部E1により固定される外周壁23と天壁26とを有する装着キャップ部21と、口部13の径方向内側を下方に延在する内周壁27aと、内周壁27aの下端部を閉塞する底壁27bとを有し、有底筒状形状を有する隔壁27と、樋状に突出するノズル28とを有し、計量キャップ30は、内周壁27aに対して第2係合部E2により装着される筒状壁32と、筒状壁32の上端部を閉塞する頂壁31とを有し、口部13は、径方向内側に突出し、第2係合部E2が設けられた高さ位置において内周壁27aが径方向外側に変位することを抑制する補強凸部13cを有することを特徴とする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容液の収容空間に連なる筒状の口部を備えた容器本体と、前記口部に装着されるノズルキャップと、該ノズルキャップを閉塞する計量キャップとを有する計量容器であって、
前記ノズルキャップは、
前記口部と第1係合部により固定される外周壁と、該外周壁の上部に連なる天壁とを有する装着キャップ部と、
前記天壁に連なり、前記口部の径方向内側を下方に延在する内周壁と、該内周壁の下端部を閉塞する底壁とを有し、有底筒状形状を有する隔壁と、
前記底壁に形成された注出孔の縁部から上方に向けて樋状に突出するノズルと
を有し、
前記計量キャップは、
前記内周壁に対して第2係合部により着脱可能に装着される筒状壁と、
前記筒状壁の上端部を閉塞する頂壁とを有し、
前記口部は、径方向内側に突出し、前記第2係合部が設けられた高さ位置において前記内周壁が径方向外側に変位することを抑制する補強凸部を有することを特徴とする計量容器。
【請求項2】
前記第1係合部は、前記補強凸部よりも上方に配置されている、請求項1に記載の計量容器。
【請求項3】
前記第1係合部は、前記補強凸部と上下方向にオーバーラップして設けられている、請求項1に記載の計量容器。
【請求項4】
前記第1係合部における前記口部側の係合部は周方向に間欠配置されており、前記補強凸部は、前記口部側の係合部が形成されていない周方向位置に配置されている、請求項3に記載の計量容器。
【請求項5】
前記第2係合部は、前記内周壁と前記筒状壁とをねじ係合によって固定するねじ係合部である、請求項1から4のいずれか一項に記載の計量容器。
【請求項6】
前記計量キャップは、前記筒状壁から径方向外側に延在し、装着時に前記装着キャップ部の前記天壁に上方から当接するフランジ部を備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の計量容器。
【請求項7】
前記補強凸部には、径方向内側端において上下方向に延びる平坦部が設けられている、請求項1から6のいずれか一項に記載の計量容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、内容液の収容空間に連なる筒状の口部を備えた容器本体と、口部に装着されるノズルキャップと、ノズルを閉塞する計量キャップとを有する計量容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、洗濯用の液体洗剤や柔軟剤等の比較的粘度の高い内容液を収容する容器として、内容液の収容空間を備えた容器本体の口部にノズルを備えたノズルキャップが装着されるとともに、このノズルキャップを計量キャップで閉塞した構成の液体計量容器が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
このような液体計量容器では、ノズルは樋状に形成され、ノズルキャップの隔壁により支持されてその先端がノズルキャップの先端開口から外側に向けて突出するとともにノズルキャップの内周面に対して間隔を空けて配置されるのが一般的である。これにより、ノズルを通して内容液を狙った場所に容易に注出させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の液体計量容器において、使用する樹脂量の削減を目的としてノズルキャップを薄肉化すると、計量キャップをノズルキャップに装着する際にノズルキャップ側の係合部が計量キャップ側の係合部から径方向に離隔して装着できない場合があったため、この点において改善の余地があった。
【0006】
本開示は、このような問題点を解決することを課題とするものであり、その目的は、使用する樹脂量を削減しつつ、計量キャップの装着性を向上させた計量容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の計量容器は、
内容液の収容空間に連なる筒状の口部を備えた容器本体と、前記口部に装着されるノズルキャップと、該ノズルキャップを閉塞する計量キャップとを有する計量容器であって、
前記ノズルキャップは、
前記口部と第1係合部により固定される外周壁と、該外周壁の上部に連なる天壁とを有する装着キャップ部と、
前記天壁に連なり、前記口部の径方向内側を下方に延在する内周壁と、該内周壁の下端部を閉塞する底壁とを有し、有底筒状形状を有する隔壁と、
前記底壁に形成された注出孔の縁部から上方に向けて樋状に突出するノズルと
を有し、
前記計量キャップは、
前記内周壁に対して第2係合部により着脱可能に装着される筒状壁と、
前記筒状壁の上端部を閉塞する頂壁とを有し、
前記口部は、径方向内側に突出し、前記第2係合部が設けられた高さ位置において前記内周壁が径方向外側に変位することを抑制する補強凸部を有することを特徴とする。
【0008】
また、本開示の計量容器は、上記構成において、前記第1係合部は、前記補強凸部よりも上方に配置されていることが好ましい。
【0009】
また、本開示の計量容器は、上記構成において、前記第1係合部は、前記補強凸部と上下方向にオーバーラップして設けられていることが好ましい。
【0010】
また、本開示の計量容器は、上記構成において、前記第1係合部における前記口部側の係合部は周方向に間欠配置されており、前記補強凸部は、前記口部側の係合部が形成されていない周方向位置に配置されていることが好ましい。
【0011】
また、本開示の計量容器は、上記構成において、前記第2係合部は、前記内周壁と前記筒状壁とをねじ係合によって固定するねじ係合部であることが好ましい。
【0012】
また、本開示の計量容器は、上記構成において、前記計量キャップは、前記筒状壁から径方向外側に延在し、装着時に前記装着キャップ部の前記天壁に上方から当接するフランジ部を備えることが好ましい。
【0013】
また、本開示の計量容器は、上記構成において、前記補強凸部には、径方向内側端において上下方向に延びる平坦部が設けられていることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本開示によれば、使用する樹脂量を削減しつつ、計量キャップの装着性を向上させた計量容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本開示の第1実施形態である計量容器の断面図である。
【
図2】本開示の第1実施形態である計量容器の要部を拡大して示す断面図である。
【
図3】本開示の第2実施形態である計量容器の要部を拡大して示す断面図である。
【
図4】本開示の第2実施形態である計量容器を構成する容器本体の口部を拡大して示す正面拡大図である。
【
図5】本開示の第2実施形態である計量容器を構成する容器本体の口部における雄ねじ及び補強凸部部分を示す平面拡大図である。
【
図6】本開示の補強凸部を設けていない場合に、内周壁が径方向外側に変位して第2係合部が係合していない状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本開示をより詳細に例示説明する。
【0017】
図1に示す本開示の第1実施形態である計量容器1は、例えば洗濯用の液体洗剤や柔軟剤等の比較的粘度の高い内容液を収容する用途に用いられるものであり、容器本体10、ノズルキャップ20及び計量キャップ30を有している。なお、本明細書、特許請求の範囲、要約書および図面では、計量キャップ30が位置する側を上方(
図1における上側)とし、容器本体10が位置する側を下方(
図1における下側)とする。また、径方向外側とは、
図1において上下方向に延びる計量容器1の中心軸線Oを通り中心軸線Oに垂直な直線に沿って中心軸線Oから離れる方向であり、径方向内側とは、当該直線に沿って中心軸線Oに向かう方向を指すものとする。なお、
図1における中心軸線Oは、径方向外側、及び径方向内側の定義に用いており、本実施形態の計量容器1の各部材が、常にこの中心軸線O周りに軸対称に形成されていることを意味するものではない。
【0018】
容器本体10は、内側に収容空間Sを備える胴部11と、該胴部11の下端を閉塞する底部12と、収容空間Sに連なる筒状の口部13とを備えたボトル形状に形成されており、その収容空間Sに内容液(不図示)を収容することができる。この容器本体10としては、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)等の合成樹脂製のものを用いることができる。なお、口部13は円筒状に限らず、例えば楕円筒状や角筒状など筒状であれば他の形状に形成することもできる。容器本体10は、例えばパイプ状に押し出されたパリソンを用いた押出しブロー成形(ダイレクトブロー成形)によって形成することができる。
【0019】
ノズルキャップ20は、
図2に示すように、容器本体10の口部13に装着される外周壁23と外周壁23の上部に連なる天壁26とを有する装着キャップ部21と、天壁26に連なり、口部13の径方向内側を下方に延在する内周壁27aと、内周壁27aの下端部を閉塞する底壁27bとを有し、有底筒状形状を有する隔壁27と、隔壁27の底壁27bに形成された注出孔27cの縁部から上方に向けて樋状に突出するノズル28とを備えている。本実施形態において、装着キャップ部21、隔壁27及びノズル28は、一体に形成されており、例えば合成樹脂製とすることができる。
【0020】
より具体的に説明すると、装着キャップ部21は口部13よりも大径の円筒状の外周壁23を備え、この外周壁23の内周面に一体に設けられた雌ねじ23aが口部13の外周面に一体に設けられた雄ねじ13aにねじ結合することで、装着キャップ部21は口部13に装着されている。本実施形態において、この雌ねじ23a及び雄ねじ13aが、容器本体10にノズルキャップ20を装着するための第1係合部E1を構成している。外周壁23の下端には複数の凹溝23bが設けられ、口部13の根元部分に設けられた係止リブ13b(
図2参照)が凹溝23bに係合して回り止めの機能を果たしている。これにより、装着キャップ部21は口部13に対して装着状態に保持され、口部13から容易に取り外されないようになっている。
【0021】
図示する場合では、装着キャップ部21は口部13にねじ結合によって装着される構成となっているが、これに限らず、例えばアンダーカット等の他の手段により口部13に装着される構成とすることもできる。この場合、口部13の形状に合わせて、外周壁23を例えば楕円筒状や角筒状などの他の形状に形成することもできる。
【0022】
装着キャップ部21は外周壁23の上部に連結する天壁26を備えている。天壁26における外周壁23の径方向内側からシール壁26aが垂下しており、このシール壁26aが口部13の内周面に嵌合することで、装着キャップ部21は、口部13の上端開口を液密にシールしている。天壁26の径方向内側端には、隔壁27が形成されている。隔壁27は、
図2に示すように有底筒状形状を有しており、内周壁27aと内周壁27aの下端部を閉塞する底壁27bとを有している。底壁27bの径方向中央には、収容空間Sを外部と連通させ、収容空間S内の内容液を外部に注出する注出孔27cが設けられている。
【0023】
ノズル28は側面に軸方向に沿って一端から他端にまで延びるスリット28aを備えた断面C字形状つまり樋状に形成されている。ノズル28は、計量キャップ30装着時において、計量キャップ30の筒状壁32の内周面に対して径方向に間隔を空けて配置されている。ノズル28の先端部は、スリット28aが設けられる側が容器本体10の収容空間Sに向けて下がるように口部13の上端開口に対して斜めに傾斜する形状とされており、当該先端部は装着キャップ部21の天壁26よりも上方に向けて突出している。また、この傾斜部は、利用者が取り扱い易いようにR面処理されている。このような構成により、容器本体10の収容空間Sに収容された内容液を、ノズル28を通して所望の位置に容易に注出させることができる。
【0024】
なお、ノズル28の先端は、斜めに傾斜する形状に限らず、口部13の上部開口に平行な形状や、側方から見て丸みを帯びるようにカットした形状とするなど、種々の形状とすることができる。
【0025】
隔壁27は、ノズル28のスリット28a側に向けて下方に傾斜する底壁27bを有しており、その外周縁において天壁26から下方に延びる内周壁27aに連なっている。内容液の注出後にノズル28の外周面に沿って垂れ落ちる内容液は、傾斜する隔壁27の最下部に集めてスリット28aを通して収容空間Sに戻すことができる。
【0026】
計量キャップ30は、例えば透明ないし半透明の樹脂製となっており、筒状壁32と、筒状壁32の上端部を閉塞する頂壁31と、筒状壁32の略中央高さから径方向外側に延在するフランジ部33とを備えている。筒状壁32及び頂壁31は、内容物を計量可能な計量空間を区画形成している。
【0027】
本実施形態において、筒状壁32は円筒形状を有しており、
図2に示すように計量キャップ30がノズルキャップ20に装着された状態において、内周壁27aの内側かつノズル28の外側の径方向位置において上下方向に延びている。
【0028】
筒状壁32の下部における外面には、隔壁27の内周壁27aの内面に設けられた雌ねじ27eにねじ係合する雄ねじ32aが設けられている。本実施形態では、計量キャップ30を使用して内容物を計量して対象物に注いだ後、筒状壁32の下部を内周壁27aとノズル28との間の径方向位置において下降させ、筒状壁32の雄ねじ32aを内周壁27aの雌ねじ27eに当接させながら平面視で時計回りに回動させてねじ係合させる。本実施形態において、筒状壁32の雄ねじ32aと内周壁27aの雌ねじ27eは、第2係合部E2を構成している。
【0029】
本実施形態では、
図2に示すように、容器本体10の口部13には、径方向内側に突出する補強凸部13cが設けられている。本実施形態では、補強凸部13cは、容器本体10の口部13の内面から径方向内側に突出する環状凸部であり、
図2に示すように、補強凸部13cの径方向内側端が、第2係合部E2が設けられた高さ位置において内周壁27aに当接、又は当接可能に構成されている。この構成によって、計量キャップ30の筒状壁32を第2係合部E2によって内周壁27aにねじ係合させるとき、薄肉形成された内周壁27aが
図6に示すように径方向外側に変形して第2係合部E2による筒状壁32と内周壁27aとの係合が外れてしまうことを抑制することができる。したがって、第2係合部E2による係合時のオーバーラン(雄ねじ32aが係合されずに雌ねじ27eを通過してしまうこと)を抑制することができる。
【0030】
本実施形態では、
図2に示すように、補強凸部13cの径方向内側端が、第2係合部E2が設けられた高さ位置において内周壁27aの外面に当接するように構成しているが、この態様には限定されない。補強凸部13cの径方向内側端が、ねじ山の高さ未満の僅かな隙間だけ内周壁27aから離隔していてもよい。
【0031】
本実施形態では、補強凸部13cは、
図2に示すように径方向内側が短辺となる略台形形状をなす断面形状を有するように形成しているが、この態様には限定されない。補強凸部13cは、例えば径方向内側端がR面形状を有していてもよいし、略矩形形状であってもよい。補強凸部13cは、第2係合部E2が形成された上下方向の所定範囲において内周壁27aが径方向外側に変位するのを効果的に抑制するために、径方向内側端において上下方向に延びる平坦部13c1が形成されている。ここでいう平坦とは、中心軸線Oを含む平面による断面において、平坦部13c1が中心軸線Oに沿う直線部分を有することを意味している。
【0032】
本実施形態において、フランジ部33は、
図2に示す例では、筒状壁32の略中央高さ位置から径方向外側に延びており、計量キャップ30をノズルキャップ20に装着する際に、装着キャップ部21の天壁26に上方から当接する。フランジ部33の下面が天壁26に当接するまで筒状壁32を平面視で時計回りに回転させて第2係合部E2をねじ係合させることによって、計量キャップ30の高さ位置が定まるとともに計量キャップ30とノズルキャップ20とが固定される。フランジ部33の下面には、下方に垂下するシール筒33aが設けられており、隔壁27の内周壁27aの上部内面に嵌合することによってノズル28を液密にシールしている。
【0033】
計量キャップ30がノズルキャップ20に装着されると、ノズル28が筒状壁32及び頂壁31により覆われ、注出孔27cが閉塞される。一方、計量キャップ30がノズルキャップ20から取り外されると、ノズル28が露出し、内容液を注出可能な状態となる。
【0034】
計量キャップ30は、筒状壁32及び頂壁31により計量空間が区画形成されている。内容物を定量的に計量するために、筒状壁32の側面には、例えばリブ状の突起ないし印刷等で表示された計量用の目盛が設けられていてもよい。
【0035】
計量キャップ30は、頂壁31を下側とし、筒状壁32の下端開口を上側とした姿勢とすることにより、液体を計量する計量カップとして用いることができる。
【0036】
図1に示すノズルキャップ20に計量キャップ30が装着された状態から、筒状壁32を把持して平面視で反時計回りに回して第2係合部E2における雄ねじ32aと雌ねじ27eとのねじ係合を解除する。計量キャップ30とノズルキャップ20とのねじ結合を解除すると、ノズルキャップ20に対して計量キャップ30が上方に移動する。そして、ねじ係合が完全に解除された状態で筒状壁32を摘んだまま上方に引き抜くことで計量キャップ30をノズルキャップ20から取り外すことができる。
【0037】
計量キャップ30をノズルキャップ20から取り外し、ノズル28を露出させた状態で、容器本体10をノズル28の先端部が上方を向く正立姿勢からスリット28aが上方となる傾斜姿勢とすることにより、収容空間S内の内容液を、注出孔27cを通じてノズル28の先端部から外部に注出することができる。このとき、口部13の内側に隔壁27が設けられるとともにノズル28が隔壁27の内周縁から起立する構成とされているので、容器本体10の収容空間Sの内容液は、樋状に形成されたノズル28に沿って案内されて当該ノズル28の先端から注出されることになる。また、内容液の注出後に、容器本体10を正立姿勢に戻したときに、ノズル28の先端に付着した内容液がノズル28の外周面に沿って垂れ落ちても、当該内容液は口部13の外側に垂れ落ちることなく、ノズル28に沿って下方に垂れ落ちて隔壁27の上面で受けられ、ノズル28のスリット28aの部分から容器本体10の収容空間Sに戻されることになる。したがって、この計量容器1によれば、ノズル28から内容液を注出させつつ当該内容液の外部への液垂れを防止することができる。
【0038】
ノズルキャップ20から取り外された計量キャップ30は、頂壁31を下側とし、筒状壁32の下部開口を上側とした姿勢とすることで、液体を計量する計量カップとして用いることができる。
【0039】
使用後には、筒状壁32の下端部を内周壁27aとノズル28との間の空間に挿入し、計量キャップ30をノズルキャップ20に再び装着することで、ノズル28を閉塞させることができる。
【0040】
以上述べたように、本実施形態は、内容液の収容空間Sに連なる筒状の口部13を備えた容器本体10と、口部13に装着されるノズルキャップ20と、ノズルキャップ20を閉塞する計量キャップ30とを有する計量容器1であって、ノズルキャップ20は、口部13と第1係合部E1により固定される外周壁23と、外周壁23の上部に連なる天壁26とを有する装着キャップ部21と、天壁26に連なり、口部13の径方向内側を下方に延在する内周壁27aと、内周壁27aの下端部を閉塞する底壁27bとを有し、有底筒状形状を有する隔壁27と、底壁27bに形成された注出孔27cの縁部から上方に向けて樋状に突出するノズル28とを有し、計量キャップ30は、内周壁27aに対して第2係合部E2により着脱可能に装着される筒状壁32と、筒状壁32の上端部を閉塞する頂壁31とを有し、口部13は、径方向内側に突出し、第2係合部E2が設けられた高さ位置において内周壁27aが径方向外側に変位することを抑制する補強凸部13cを有するように構成した。このような構成の採用によって、樹脂の使用量削減を目的としてノズルキャップ20を薄肉化しても、容器本体10の口部13に設けた補強凸部13cが第2係合部E2の高さ位置において内周壁27aが径方向外側に変位するのを抑制する。そのため、計量キャップ30の筒状壁32の雄ねじ32aを内周壁27aの雌ねじ27eに確実に係合させることができるため、ねじ係合時のオーバーランの発生を抑制することができる。したがって、計量容器1に使用する樹脂量を削減しつつ、計量キャップ30の装着性を向上させることができる。
【0041】
また、本実施形態では、第1係合部E1は、補強凸部13cよりも上方に配置されるように構成した。このような構成の採用によって、口部13において雄ねじ13aと補強凸部13cの高さ位置を異ならせることで補強凸部13cを容易に形成することができる。
【0042】
また、本実施形態では、第2係合部E2は、内周壁27aと筒状壁32とをねじ係合によって固定するねじ係合部であるように構成した。このような構成の採用によって、計量容器1を持ち上げる際に計量キャップ30の筒状壁32を把持して持ち上げても、内周壁27aと筒状壁32とのねじ係合が打栓係合などと比較して外れにくい。したがって、計量容器1の持ち運びや操作時の意図しない係合解除を抑制することができる。
【0043】
また、本実施形態では、計量キャップ30は、筒状壁32から径方向外側に延在し、装着時に装着キャップ部21の天壁26に上方から当接するフランジ部33を備えるように構成した。このような構成の採用によって、先行技術(特許文献1)のように計量キャップをノズルキャップに装着するための装着筒やネジ筒部を設けることなく、計量キャップ30の高さ位置を定めて第2係合部E2によりノズルキャップ20に装着することができる。したがって、ノズルキャップ20や計量キャップ30の構成を簡素化して使用する樹脂量を削減することができる。
【0044】
また、本実施形態では、補強凸部13cには、径方向内側端において上下方向に延びる平坦部13c1が設けられるように構成した。このような構成の採用によって、第2係合部E2の延在方向である上下方向に沿って平坦部13c1が設けられているので、第2係合部E2の所定の高さ領域において内周壁27aが径方向外側に変位しないように径方向外側から第2係合部E2の係合を確実に補助することができる。
【0045】
次に、本開示の第2実施形態である計量容器2について、図面を参照して例示説明する。
【0046】
図3に示す本開示の第2実施形態である計量容器2は、容器本体110、ノズルキャップ20及び計量キャップ30を有している。なお、本実施形態は、容器本体110の口部13の構成(
図4及び
図5参照)を除いては、第1実施形態と近似している。従って、主に容器本体110の構成について詳説する。
【0047】
本実施形態では、
図3に示すように、容器本体110の口部13には、径方向内側に突出する補強凸部13cが設けられている。本実施形態では、補強凸部13cは、容器本体10の口部13の内面から径方向内側に突出する凸部であり、
図4及び
図5に示すように、周方向4箇所に等間隔で間欠配置されている。また、補強凸部13cは、第1実施形態とは異なり、外面の雄ねじ13aと略同一高さに配置されている。すなわち、第1係合部E1における口部13側の係合部である雄ねじ13aは、補強凸部13cと上下方向にオーバーラップして配置されている。また、
図3及び
図4に示すように、雄ねじ13aは、周方向に間欠配置されており、雄ねじ13aが形成されていない周方向位置に補強凸部13cを配置するようにしている。
【0048】
上記の構成によって、補強凸部13cと雄ねじ13aを略同一高さに配置することができるので、第1実施形態と同様の効果(第2係合部E2による係合時のオーバーランを抑制する)を備えつつ、口部13、装着キャップ部21及び計量キャップ30の上下方向の寸法を小さくして、計量容器2に使用する樹脂量の削減、及び計量容器2の小型化を実現することができる。
【0049】
なお、雄ねじ13aと補強凸部13cは、それらの一部が上下方向にオーバーラップしていればよく、雄ねじ13a又は補強凸部13cにおいて、上下方向にオーバーラップしていない部分があってもよい。
【0050】
以上述べたように、本実施形態では、第1係合部E1は、補強凸部13cと上下方向にオーバーラップして設けられるように構成した。このような構成の採用によって、第1実施形態と同様の効果を備えつつ、口部13、装着キャップ部21及び計量キャップ30の上下方向の寸法を小さくして、計量容器2に使用する樹脂量の削減及び計量容器2の小型化を実現することができる。
【0051】
また、本実施形態では、第1係合部E1における口部13側の係合部は周方向に間欠配置されており、補強凸部13cは、口部13側の係合部が形成されていない周方向位置に配置されるように構成した。このような構成の採用によって、第1係合部E1における雄ねじ13aと補強凸部13cとを上下方向にオーバーラップさせつつ、補強凸部13cを容易に形成することができる。
【0052】
本開示を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部に含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。本発明の範囲にはこれらも包含されるものと理解されたい。
【0053】
例えば、第1実施形態では、第1係合部E1は、補強凸部13cよりも上方に配置されるように構成したが、この態様には限定されず、第1係合部E1は、補強凸部13cよりも下方に配置されるように構成してもよい。
【0054】
また、第1及び第2実施形態では、第1係合部E1はねじ係合部として構成したが、この態様には限定されず、例えば打栓係合などの他の種類の係合部であってもよい。
【0055】
また、第1及び第2実施形態では、計量キャップ30のフランジ部33が装着キャップ部21の天壁26に当接することで計量キャップ30の上下方向位置が定まるよう構成したが、この態様には限定されず、他の部位が装着キャップ部21等に当接することで計量キャップ30の上下方向位置が定まるよう構成してもよい。
【符号の説明】
【0056】
1,2 計量容器
10 容器本体
11 胴部
12 底部
13 口部
13a 雄ねじ
13b 係止リブ
13c 補強凸部
13c1 平坦部
20 ノズルキャップ
21 装着キャップ部
23 外周壁
23a 雌ねじ
23b 凹溝
26 天壁
26a シール壁
27 隔壁
27a 内周壁
27b 底壁
27c 注出孔
28 ノズル
28a スリット
30 計量キャップ
31 頂壁
32 筒状壁
32a 雄ねじ
33 フランジ部
33a シール筒
110 容器本体
E1 第1係合部
E2 第2係合部
O 中心軸線
S 収容空間