(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023151529
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】コンセントシステム
(51)【国際特許分類】
G01R 21/00 20060101AFI20231005BHJP
【FI】
G01R21/00 L
G01R21/00 Z
G01R21/00 R
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022061195
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】塩川 明実
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼山 晋治
(57)【要約】
【課題】特定の分岐回路と特定計量用コンセントとの間で電流が実際に分流していないことを確認する処理を行うことが可能なコンセントシステムを提供する。
【解決手段】コンセントシステムは、第1検出部と、第2検出部22と、判定部24と、を備える。第1検出部は、特定計量対象機器が特定計量対象機器のプラグを介して接続可能な特定計量用コンセント又は特定計量用コンセントに接続された特定計量対象機器を流れる電流の特徴量である第1特徴量を検出する。第2検出部22は、分電盤の複数の分岐回路のうち特定計量用コンセントに接続された特定の分岐回路133aを流れる電流の特徴量である第2特徴量を検出する。判定部24は、第1検出部が検出した第1特徴量と第2検出部22が検出した第2特徴量とが一致するか否かを判定する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定計量対象機器が前記特定計量対象機器のプラグを介して接続可能な特定計量用コンセント又は前記特定計量用コンセントに接続された前記特定計量対象機器を流れる電流の特徴量である第1特徴量を検出する第1検出部と、
分電盤の複数の分岐回路のうち前記特定計量用コンセントに接続された特定の分岐回路を流れる電流の特徴量である第2特徴量を検出する第2検出部と、
前記第1検出部が検出した前記第1特徴量と前記第2検出部が検出した前記第2特徴量とが一致するか否かを判定する判定部と、を備える、
コンセントシステム。
【請求項2】
前記電流の前記特徴量は、前記電流の電流波形である、
請求項1に記載のコンセントシステム。
【請求項3】
前記第1検出部を含む検出ユニットと、
前記第2検出部及び前記判定部を含む特定計量ユニットと、を備え、
前記検出ユニットは、前記第1検出部が検出した前記第1特徴量を前記特定計量ユニットに送信する送信部を更に含み、
前記特定計量ユニットは、
前記送信部から前記第1特徴量を受信する受信部と、
前記特定の分岐回路を流れる電流に基づいて電力を算出する電力算出部と、
少なくとも前記判定部の判定結果に基づいて、前記電力算出部が算出した電力を特定計量として計測する特定計量部と、を更に備える、
請求項1又は2に記載のコンセントシステム。
【請求項4】
前記送信部は、前記特定の分岐路と前記特定計量用コンセントとを結ぶ分岐路を通信回線とする電力線通信によって前記第1特徴量を前記特定計量ユニットに送信する、
請求項3に記載のコンセントシステム。
【請求項5】
前記分岐路は、中性線及び電圧線を有し、
前記送信部は、
前記中性線と前記電圧線との間を接続する電路に設けられた抵抗と、
前記電路を導通及び遮断するスイッチ部と、
前記スイッチ部を制御する送信制御部と、を有し、
前記送信制御部は、前記第1特徴量に応じて前記スイッチ部をスイッチングすることで、前記第1特徴量を前記分岐路を流れる電流に重畳して送信する、
請求項4に記載のコンセントシステム。
【請求項6】
前記特定計量用コンセントに接続された機器が前記特定計量対象機器であるか否かの認証を行い、その認証結果を前記特定計量ユニットに送信する認証ユニットを更に備え、
前記特定計量ユニットにおいて、
前記受信部は、前記第1特徴量の他に前記認証結果を受信し、
前記判定部は、前記受信部が受信した前記第1特徴量と前記第2検出部が検出した前記第2特徴量とが一致するか否かを判定し、
前記特定計量部は、前記認証ユニットの認証結果及び前記判定部の判定結果に基づいて、前記電力算出部が算出した電力を特定計量として計測する、
請求項3~5のいずれか1項に記載のコンセントシステム。
【請求項7】
前記検出ユニット及び前記認証ユニットは、前記特定計量用コンセントに配置され、
前記特定計量ユニットは、前記分電盤に配置されている、
請求項6に記載のコンセントシステム。
【請求項8】
前記検出ユニットは、前記特定計量対象機器側に配置されている、
請求項3~6のいずれか1項に記載のコンセントシステム。
【請求項9】
前記特定計量用コンセントと前記プラグとの間に電気的に接続可能であって前記プラグに固定された中継アダプタを更に備え、
前記検出ユニットは、前記中継アダプタに配置されている、
請求項8に記載のコンセントシステム。
【請求項10】
前記特定計量ユニットは、前記分電盤に配置されている、
請求項8又は9に記載のコンセントシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コンセントシステムに関する。より詳細には、本開示は、特定計量用コンセントに接続された特定計量対象機器に供給される電力を特定計量として計量するコンセントシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の電化住宅は、居住者が生活する居住区画と、居住区画に連続し、EV(Electric Vehicle:電気自動車)を収容するガレージと、EV充電用の充電装置とを備え、居住区画への電力供給およびEVの充電を、充電装置からの電力を使用して行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のように、近年、EVの普及に伴ってEV充電器の利用が多くなっており、需要家で特定計量対象機器(例えばEV)を充電するケースが増加している。このため、需要家が消費する電力のうち、特定計量対象機器の充電による消費電力だけを別料金とし、特定計量対象機器の充電以外の需要家内消費分の電力量について、差分計量を用いて算出したいという要求がある。
【0005】
通常、特定計量対象機器に電力を供給するときは、特定計量用コンセントから特定計量対象機器に電力を供給する。特定計量用コンセントは、分電盤の複数の分岐回路のうちの特定の分岐回路に接続されている。特定計量用コンセントから特定計量対象機器に供給される電力は、上記特定の分岐回路を流れる電流に基づいて算出される。このため、上記の要求を実現するには、特定の分岐回路と特定計量用コンセントとの間で電流が実際に分流していないことを確認する処理が必要である。
【0006】
本開示は上記事由に鑑みたものであり、その目的は、特定の分岐回路と特定計量用コンセントとの間で電流が実際に分流していないことを確認する処理を行うことが可能なコンセントシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一の態様のコンセントシステムは、第1検出部と、第2検出部と、判定部と、を備える。前記第1検出部は、特定計量対象機器が前記特定計量対象機器のプラグを介して接続可能な特定計量用コンセント又は前記特定計量用コンセントに接続された前記特定計量対象機器を流れる電流の特徴量である第1特徴量を検出する。前記第2検出部は、分電盤の複数の分岐回路のうち前記特定計量用コンセントに接続された特定の分岐回路を流れる電流の特徴量である第2特徴量を検出する。前記判定部は、前記第1検出部が検出した前記第1特徴量と前記第2検出部が検出した前記第2特徴量とが一致するか否かを判定する。
【発明の効果】
【0008】
本開示に係るコンセントシステムは、特定の分岐回路と特定計量用コンセントとの間で電流が実際に分流していないことを確認する処理を行うことが可能であるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態1に係るコンセントシステムを説明する説明図である。
【
図2】
図2A~
図2Cは、要件A及び要件Bを同時に満たさない場合の事例を説明する説明図である。
【
図3】
図3は、同上のコンセントシステムの認証ユニットの構成を説明する構成図である。
【
図4】
図4Aは、同上のコンセントシステムの検出ユニットの構成を説明する構成図である。
図4Bは、同上のコンセントシステムの特定計量ユニットの構成を説明する構成図である。
【
図5】
図5は、実施形態1の変形例1の認証ユニットの構成を説明する構成図である。
【
図6】
図6は、実施形態1の変形例2の検出ユニットの構成を説明する構成図である。
【
図7】
図7は、実施形態2のコンセントユニットを説明する説明図である。
【
図8】
図8は、同上のコンセントユニットの中継アダプタの構成を説明する構成図である。
【
図9】
図9は、実施形態2の変形例1のコンセントユニットを説明する説明図である。
【
図10】
図10は、実施形態2の変形例2のコンセントユニットを説明する説明図である。
【
図11】
図11は、実施形態3のコンセントユニットを説明する構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施形態1)
図1~
図4を参照して、本実施形態に係るコンセントシステム1について説明する。
【0011】
図1に示すように、本実施形態に係るコンセントシステム1は、需要家2で消費される電力のうち、特定計量対象機器(例えばEV(Electric Vehicle:電気自動車))7aに供給される電力を、特定計量として、一般機器7b(すなわち特定計量対象機器7a以外の機器)に供給される電力と分けて計測するシステムである。このように、特定計量対象機器7aと一般機器7bとで供給される電力を分けて計測する。これにより、特定計量対象機器7aへの電力供給による消費電力の料金と、一般機器7bへの電力供給による消費電力の料金とを分けて請求する等の各種サービスを提供することが可能になる。なお、特定計量対象機器7aとは、特定計量を行う特定計量器(本実施形態では後述の特定計量ユニット20)による計量の対象となる機器である。
【0012】
なお、以下の説明では、特定計量対象機器7aと一般機器7bとを区別しないときは、機器7と記載する。
【0013】
まず、コンセントシステム1について説明する前に、
図1を参照して、需要家2の建物に設置された系統配電システム10について説明する。系統配電システム10は、電力系統8からの電力を需要家2の建物に設置された複数のコンセント3に分配するシステムである。
【0014】
系統配電システム10は、柱上トランス6を介して電力系統8からの電力を受電する。電力系統8からの電力は、高電圧(例えば6600V)の単相2線式の交流電力である。2本の電路で電力系統8から柱上トランス6に送電される。柱上トランス6は、電力系統8からの電力を単相3線式の所定電圧(例えば100V又は200V)の交流電力に降圧する。柱上トランス6で降圧された電力は、3本の電路で柱上トランス6から系統配電システム10に送電される。上記3本の電路はそれぞれ、L1相電路、L2相電路及びN相電路である。N相電路は、接地されて電位ゼロの電路である。L1相電路及びL2相電路はそれぞれ、N相電路を基準として100Vの電圧が印加されている。
【0015】
系統配電システム10は、主電路11、複数の分岐路12、分電盤13、複数のコンセント3を備える。
【0016】
主電路11は、柱上トランス6と系統配電システム10とを結ぶ電路であり、系統配電システム10の内部に引き込まれている。主電路11は、上記の3本の電路(L1相電路、L2相電路及びN相電路)で構成されている。
【0017】
複数の分岐路12は、主電路11上の複数の分岐点から分岐した電路であり、主電路11と複数のコンセント3とを接続する電路である。複数の分岐路12はそれぞれ、2本の電路(すなわちL相電路(L1側電路又はL2側電路)及びN相電路)で構成されている。
【0018】
分電盤13は、主電路11を通じて柱上トランス6から送電された電力を複数のコンセント3に分配する装置である。分電盤13は、主幹ブレーカ132、複数の分岐回路133及び接地端子134を備えている。
【0019】
主幹ブレーカ132は、主電路11における上記複数の分岐点の上流側に設けられている。主幹ブレーカ132は、主電路11に流れる電流の電流量が規定値を超えるか否かに応じて開状態又は閉状態に切り替わる。そして、主幹ブレーカ132は、閉状態及び開状態に応じて、主電路11を導通及び遮断する。主幹ブレーカ132は、複数のコンセント3に送電される電力を、一括して導通及び遮断する。
【0020】
複数の分岐回路133は、複数の分岐路12に1対1に対応し、対応する分岐路12に設けられている。複数の分岐回路133は、対応する分岐路12に流れる電流の電流量が所定条件を満たすか否かに応じて開状態又は閉状態に切り替わり、閉状態及び開状態に応じて対応する分岐路12を導通及び遮断する。複数の分岐回路133は、複数のコンセント3に送電される電力を、コンセント3毎に個別に導通及び遮断する。
【0021】
接地端子134は、各コンセント3の後述のE相極(接地極)を接地するときに使用される端子である。接地端子134は、地面に接地されている。各コンセント3のE相極は、電路16を介して接地端子134に接続されており、接地端子134を介して地面に接地される。
【0022】
複数のコンセント3は、需要家2の内部又は外部に設置されている。複数のコンセント3は、機器7の電源プラグが差し込まれる差込口であり、差し込まれた電源プラグを介して機器7に電力を供給する。機器7は、例えば、照明器具、冷蔵庫、テレビ、EV(電気自動車)などである。複数のコンセント3は、特定計量用コンセント3aと、汎用コンセント3bとを含む。特定計量用コンセント3aは、特定計量対象機器7a専用のコンセントであり、一般機器7b(特定計量対象機器7a以外の機器)への電力供給と区別して、特定計量対象機器7aに電力を供給するためのコンセントである。また、特定計量用コンセント3aは、特定計量器の特定計量機能を内蔵したコンセント、又は、特定計量対象機器が接続されているかを認証する機能を有するコンセントである。汎用コンセント3bは、一般機器5b用のコンセントである。
【0023】
本実施形態では、特定計量対象機器7aは、例えばEVであり、例えば3極の電源プラグ71を有する。3極の電源プラグ71は、3つの栓刃を有し、それら3つの栓刃がそれぞれL相極、N相極及びE相極(接地極)に対応する電源プラグである。特定計量用コンセント3aは、特定計量対象機器7aの電源プラグ71の極数に合わせて、例えば3極のコンセントである。3極のコンセントは、3極の電源プラグの3つの栓刃に対応する3つの差込口を有するコンセントである。3つの差込口には、電源プラグの3つの栓刃と接続する3つの受刃3L,3N,3E(
図3参照)が配置されている。受刃3Lは、電源プラグ71の3つの栓刃のうち、L相極に対応する栓刃と接続し、受刃3Nは、電源プラグ71の3つの栓刃のうち、N相極に対応する栓刃と接続し、受刃3Eは、電源プラグ71の3つの栓刃のうち、E相極に対応する栓刃と接続する。受刃3L,3Nはそれぞれ、分岐路12を構成する電路(L相電路12L及びN相電路12N)と接続されている。L相電路12L及びN相電路12Nはそれぞれ、主電路11のL相電路(L1相電路又はL2相電路)及びN相電路に接続されている。受刃3Eは、電路16を介して接地端子134に接続されている。
【0024】
この系統配電システム10では、電力系統8からの電力(例えば6600V)は、柱上トランス6で所定電力(例えば100V/200V、15A)に降圧された後、主電路11を通じて分電盤13に送電される。分電盤13に送電された電力は、主幹ブレーカ132を経由した後に複数の分岐路12を通じて複数のコンセント3に分配される。各コンセント3からは所定規格(例えば100V、15A)の電力が出力可能である。各コンセント3に送電された電力は、コンセント3に接続された機器7に供給される。
【0025】
次に
図1を参照して、コンセントシステム1について説明する。
【0026】
コンセントシステム1では、複数のコンセント3のうちの特定のコンセントを特定計量用コンセント3aとし、それ以外のコンセント3を汎用コンセント3bとして扱う。特定計量用コンセント3aは、特定計量対象機器7aに電力を供給するための専用のコンセント3であり、特定計量対象機器7aの電源プラグ71と着脱可能に接続される。汎用コンセント3bは、一般機器7b(特定計量対象機器7a以外の機器)に電力を供給するためのコンセント3であり、一般機器7bの電源プラグ71と着脱可能に接続される。
【0027】
機器7(7a,7b)は、例えば、電源プラグ71を有し、電源プラグ71を介して外部から供給される電力で作動する電気機器である。本実施形態では、電源プラグ71は、例えば3極の電源プラグであるが、2極の電源プラグであってもよいし、4極以上の電源プラグでもよい。なお、3極の電源プラグとは、3つの栓刃(L相s極、N相極及びE相極(接地極))を有する電源プラグであり、2極の電源プラグとは、2つの栓刃(L相極及びN相極)を有する電源プラグである。
【0028】
コンセントシステム1では、特定計量用コンセント3aに特定計量対象機器7aの電源プラグ71が接続されると、特定計量用コンセント3aから特定計量対象機器7aに電力を供給する。そして、コンセントシステム1は、特定計量用コンセント3aから供給される電力量を特定計量として個別に計測する。なお、特定計量とは、特定計量対象機器7aに供給される電力を、一般機器7bに供給される電力と区別して計測することである。
【0029】
このため、コンセントシステム1は、特定計量ユニット20を備える。特定計量ユニット20は、例えば、分電盤13の内部に配置されている。特定計量ユニット20は、特定の分岐回路133aを流れる電流を計測する。特定の分岐回路133aは、複数の分岐回路133のうち、分岐路12a(12)によって特定計量用コンセント3aと接続された分岐回路133である。特定の分岐回路133aを流れる電流は、特定の分岐回路133aと特定計量用コンセント3aとの間の分岐路12aにおいて電流が分流していなければ、特定計量用コンセント3aを流れる電流と同じ電流(すなわち同じ電流量)である。特定計量ユニット20は、特定計量ユニット20の計測結果(すなわち特定の分岐回路133aを流れる電流)に基づいて特定計量用コンセント3aから供給される電力(又は電力量)を計測し、その計測結果を特定計量として計測する。
【0030】
このように、本実施形態のコンセントシステム1は、特定の分岐回路133aを流れる電流に基づいて特定計量用コンセント3aから特定計量対象機器7aに供給される電力を計測し、その計測結果を特定計量として計測する。すなわち、コンセントシステム1は、特定計量用コンセント3aから特定計量対象機器7aに供給される電流に基づいて直接、特定計量用コンセント3aから特定計量対象機器7aに供給される電力量を計測するのではなく、特定の分岐回路133aを流れる電流に基づいて間接的に、特定計量用コンセント3aから特定計量対象機器7aに供給される電力を計測する。
【0031】
このため、特定の分岐回路133aを流れる電流に基づく電力が、正しく、特定計量用コンセント3aから特定計量対象機器7aに供給された電力であることを確実にするために、下記の要件A及び要件Bが必要である。
【0032】
次に、上記の要件A及び要件Bについて説明する。
【0033】
本実施形態では、特定計量ユニット20で、特定の分岐回路133aを流れる電流に基づいて、特定計量用コンセント3aから特定計量対象機器7aに供給される電力を特定計量として計測するときに、下記の要件A及び要件Bを要求する。
【0034】
要件A:特定計量を行うときに、特定計量用コンセント3aに特定計量対象機器7aの電源プラグ71が接続されていること。つまり、本実施形態の特定計量は、特定計量用コンセント3aから特定計量対象機器7aへの電力供給を対象とするため、要件Aによって、特定計量を行うときに特定計量用コンセント3aに特定計量対象機器7aが接続されていることを担保している。
【0035】
要件B:特定計量を行っているときに、特定の分岐回路133aと特定計量用コンセント3aとの間に所定の対応関係に関して1対1の対応関係があること。上記所定の対応関係とは、特定の分岐回路133aと、特定の分岐回路133aから実際に電流が供給されているコンセント3との対応関係である。つまり、本実施形態の特定計量は、特定の分岐回路133aを流れた電流の全てを特定計量用コンセント3aに供給する電力供給を対象とする。このため、要件Bによって、特定の分岐回路133aを流れた電流の全てが特定計量用コンセント3aに供給されることを担保している。すなわち、特定の分岐回路133aと特定計量用コンセント3aとの間で電流が分流し、その分流が汎用コンセント3bから機器7に供給されるときは、上記所定の対応関係が1対2となり、この場合の電力供給は、要件Bによって、特定計量の対象から除外される。要件Bによって、上記所定の対応関係が1対1を満たさない場合は、その場合が検出可能である。
【0036】
このように、コンセントシステム1では、上記2つの要件(要件A及び要件B)を同時に満たすときだけ、特定の分岐回路133aを流れる電流に基づいて計測した電力を、特定計量用コンセント3aから特定計量対象機器7aに供給された電力と見なし、その見なした電力を特定計量として計測する。
【0037】
次に
図2A~
図2Cに基づいて、上記2つの要件(要件A及び要件B)を同時に満たさない事例を説明する。
【0038】
図2Aの例では、特定の分岐回路133aは、特定計量用コンセント3aのみに接続されている。しかし、特定計量を行っているときに、特定計量用コンセント3aには、特定計量対象機器7a以外の一般機器7bが接続される。この場合は、要件Bは満たすが要件Aは満たさない。
【0039】
図2Bの例では、特定の分岐回路133aは、特定計量用コンセント3aのみに接続されている。特定計量用コンセント3aは、2つの口31a,32aを有する2個口コンセントである。
図2Bの例では、特定計量用コンセント3aの一方の口31aには特定計量対象機器7aが接続され、他方の口32aには一般機器7b(特定計量対象機器7a以外の機器)が接続される。すなわち、特定計量を行っているときに、特定計量用コンセント3aに特定計量対象機器7a及び一般機器7bが同時に接続される。この場合は、要件Bは満たすが要件Aは満たさない。
【0040】
図2Cの例では、特定の分岐回路133aは、特定計量用コンセント3aと汎用コンセント3bとに接続されている。そして、特定計量を行っているとき、特定計量用コンセント3aには機器7は接続されず、汎用コンセント3bに一般機器7b(特定計量対象機器7a以外の機器7b)が接続される。この場合は、要件A及び要件Bともに満たさない。
【0041】
次に
図3に基づいて、上記要件Aを満たしていることを確認するための構成要素について説明する。
【0042】
本実施形態では、特定計量用コンセント3aに接続された機器7が特定計量対象機器7aであるか否かの認証を行うことで、上記要件Aを満たしているか否かを確認する。このために、コンセントシステム1は、特定計量ユニット20に加えて、上記の認証を行う認証ユニット30を更に備える。すなわち、コンセントシステム1は、特定計量ユニット20と、認証ユニット30とを備える。
【0043】
より詳細には、本実施形態1では、特定計量対象機器7aは、非接触型ICタグ72を備える。非接触型ICタグ72は、例えば特定計量対象機器7aの電源プラグ71に内蔵されている。非接触型ICタグ72には、特定計量対象機器7aであることを証明するための認証情報が記憶されている。
【0044】
認証情報は、例えば、特定計量対象機器7aの電源プラグ71を流れる電流の特徴量に関する電流情報である。上記電流情報は、上記電流の電流波形に関する情報(例えば数ミリ秒程度の波形情報)、又は、上記電流の時間変動に関する情報(例えば数時間程度の波形情報)である。
【0045】
上記電流の電流波形に関する情報は、例えば、上記電流の実効値、ピーク値、波高値、歪み率等の情報を含む。特に、特定計量対象機器7aがEV(電気自動車)の場合は、上記電流の電流波形に関する情報は、「電流実効値は20A以上でかつ波形歪み10%以下」という情報であってもよい。
【0046】
なお、認証情報として上記電流の電流波形に関する情報を用いるのは、特定計量対象機器7aの電源プラグ71を流れる電流の電流波形は、一般に、個別の機器7毎に異なり、同種類の機器7であっても異なる。つまり、上記電流の電流波形を用いることで、特定計量対象機器7aを個別の機器7毎に識別可能だからである。また、認証情報として上記電流の時間変動に関する情報を用いるのは、特定計量対象機器7aの充電開始タイミング、充電終了タイミング及び1回の充電時間は、個別の機器7毎に異なる。つまり、上記電流の時間変動に関する情報を用いることで、特定計量対象機器7aを個別の機器7毎に識別可能だからである。
【0047】
認証ユニット30は、例えば、特定計量用コンセント3aの内部に配置されている。認証ユニット30は、情報取得部31と、認証部32と、送信部33と、電源部34とを備える。
【0048】
情報取得部31は、特定計量用コンセント3aに接続された特定計量対象機器7aの非接触型ICタグ72から認証情報を非接触で取得する非接触型の読取部である。情報取得部31の通信距離は、例えば数十cm程度であり、これにより、特定計量対象機器7aの電源プラグ71が特定計量用コンセント3aに接続されているときだけ、電源プラグ71内の非接触型ICタグ72との間で認証のための通信を行うことが可能である。
【0049】
認証部32は、情報取得部31が取得した認証情報と、認証部32に予め登録された登録情報とが一致するか否かの認証を行う。すなわち、認証部32には、非接触型ICタグ72に記憶された認証情報と同じ認証情報が登録情報として予め登録(記憶)されている。認証部32の認証の結果、取得した認証情報と登録情報とが一致する場合は、認証部32は、特定計量用コンセント3aに接続された機器7は特定計量対象機器7aであることを確認する。すなわち、要件Aを満たすことが確認される。他方、認証部32の認証の結果、取得した認証情報と登録情報とが一致しない場合は、認証部32は、特定計量用コンセント3aに接続された機器7は特定計量対象機器7aではないことを確認する。すなわち、要件Aを満たさないことが確認される。
【0050】
送信部33は、認証部32の認証結果を特定計量ユニット20に送信する。より詳細には、送信部33は、特定計量用コンセント3aと特定の分岐回路133aとを結ぶ分岐路12aを通信回線とする電力線通信を用いて、認証部32の認証結果を特定計量ユニット20に送信する。特定計量ユニット20は、後述のように、送信部33からの認証結果及び後述の判定部24の判定結果に基づいて、特定計量ユニット20で計測した電力(すなわと特定の分岐回路133aを流れる電流に基づいて計測された電力)を特定計量として計測する。
【0051】
電源部34は、認証ユニット30の電源電圧を確保する回路である。電源部34は、特定計量用コンセント3aと特定の分岐回路133aとを結ぶ分岐路12aと接続されており、上記分岐路12aに印加されている電圧から電源電圧を生成し、生成した電源電圧を各構成部(情報取得部31、認証部32及び送信部33)に供給する。
【0052】
次に
図4A及び
図4Bに基づいて、上記要件Bを満していることを確認するための構成要素について説明する。
【0053】
本実施形態では、特定計量用コンセント3aを流れる電流と特定の分岐回路133aを流れる電流との各特徴量が互いに一致するか否かを判定することで、上記要件Bを満たしているか否かを確認する。このために、
図4Aに示すように、コンセントシステム1は、上記の特定計量ユニット20及び上記の認証ユニット30に加えて、上記の判定を行うために検出ユニット40を更に備える。すなわち、コンセントシステム1は、特定計量ユニット20と、認証ユニット30と、検出ユニット40とを備える。
【0054】
検出ユニット40は、例えば特定計量用コンセント3aの内部に配置されている。検出ユニット40は、特定計量用コンセント3aを流れる電流の特徴量である第1特徴量を検出する。第1特徴量は、例えば、上記電流の電流波形(例えば電流波形の歪み率など)である。検出ユニット40は、電流センサ41と、第1検出部42と、送信部43と、電源部44とを備える。
【0055】
電源部44は、検出ユニット40の電源電圧を確保する回路である。電源部44は、特定計量用コンセント3aと特定の分岐回路133aとを結ぶ分岐路12aに印加されている電圧から電源電圧を生成し、生成した電源電圧を各構成部(第1検出部42及び送信部43)に供給する。
【0056】
電流センサ41は、特定計量用コンセント3aの内部を流れる電流であって分岐路12a(例えばL相電路12L)を流れる電流を検出する。
【0057】
第1検出部42は、電流センサ41の検出結果に基づいて、特定計量用コンセント3aの内部を流れる電流であって分岐路12aを流れる電流の特徴量である第1特徴量を検出する。
【0058】
送信部43は、第1検出部42の検出結果(第1特徴量)を特定計量ユニット20に送信する。送信部43は、特定計量用コンセント3aと特定の分岐回路133aとを結ぶ分岐路12aを通信回線とする電力線通信を用いて、第1検出部42の検出結果を特定計量ユニット20に送信する。特定計量ユニット20は、後述のように、特定の分岐回路133aを流れる電流の特徴量である第2特徴量を検出し、検出した第2特徴量と送信部43からの第1特徴量とが一致するか否かに応じて要件Bを満たすか否かを判定する。そして、特定計量ユニット20は、その判定結果と認証ユニット30からの認証結果とに基づいて、特定計量ユニット20で計測した電力(すなわち特定の分岐回路133aを流れる電流に基づいて計測された電力)を特定計量として計測する。
【0059】
なお、本実施形態では、検出ユニット40及び認証ユニット30はともに、特定計量用コンセント3a内に配置される。このため、検出ユニット40の構成のうち、認証ユニット30の構成(送信部33及び電源部34)と同じ構成(送信部43及び電源部44)については、省略して、認証ユニット30の構成と共通の構成にしてもよい。
【0060】
次に
図4Bを参照して、特定計量ユニット20の構成について説明する。
【0061】
特定計量ユニット20は、電流センサ21と、第2検出部22と、受信部23と、判定部24と、電力算出部25と、特定計量部26と、電源部27とを備える。
【0062】
電源部27は、特定計量ユニット20の電源電圧を確保する回路である。電源部27は、特定計量用コンセント3aと特定の分岐回路133aとを結ぶ分岐路12aに印加されている電圧から電源電圧を生成し、生成した電源電圧を各構成部(第2検出部22、受信部23、判定部24、電力算出部25及び特定計量部26)に供給する。
【0063】
電流センサ21は、特定の分岐回路133aの内部を流れる電流であって、特定の分岐回路133aと特定計量用コンセント3aとを結ぶ分岐路12a(例えばL相電路12L)を流れる電流を検出する。
【0064】
第2検出部22は、電流センサ21の検出結果に基づいて、特定の分岐回路133aを流れる電流であって分岐路12aを流れる電流の特徴量である第2特徴量を検出する。第2特徴量は、第1特徴量と同じ特徴量であり、例えば上記電流の電流波形である。
【0065】
受信部23は、認証ユニット30の送信部33及び検出ユニット40の送信部43との間で、特定計量用コンセント3aと特定の分岐回路133aとを結ぶ分岐路12aを通信回線とする電力線通信を用いて通信を行う。受信部23は、認証ユニット30の送信部33から上記の認証結果及び検出ユニット40の送信部43から上記の第1特徴量を受信する。
【0066】
判定部24は、第2検出部22の検出結果(第2特徴量)と受信部23が受信した第1特徴量とが一致するか否かを判定する。この判定の結果、第1特徴量と第2特徴量とが一致する場合は、判定部24は、特定の分岐回路133aを流れる電流と、特定計量用コンセント3aを流れる電流とは一致する(すなわち、特定の分岐回路133aと特定計量用コンセント3aとの間で分岐路12aを流れる電流は分流していない)ことを確認する。すなわち、要件Bが満たされていることが確認される。他方、上記の判定の結果、第1特徴量と第2特徴量とが一致しない場合は、判定部24は、特定の分岐回路133aを流れる電流と、特定計量用コンセント3aを流れる電流とが一致しない(すなわち、特定の分岐回路133aと特定計量用コンセント3aとの間で分岐路12aを流れる電流が分流し、その分流した電流が特定計量用コンセント3a以外の汎用コンセント3bから機器7に供給されている)ことを確認する。すなわち、要件Bが満たされていないことが確認される。
【0067】
電力算出部25は、電流センサ21の検出結果(特定の分岐回路133aを流れる電流)に基づいて、特定計量用コンセント3aから供給される電力(又は電力量)を算出する。
【0068】
特定計量部26は、受信部23が受信する上記の認証結果及び判定部24の判定結果に基づいて、電力算出部25が算出した電力(又は電力量)を特定計量として計測する。より詳細には、上記の認証結果が要件Aを満たす結果であり、かつ、判定部24の判定結果が要件Bを満たす結果である場合は、特定計量部26は、電力算出部25で算出された電力(又は電力量)を特定計量として計測する。他方、上記の認証結果が要件Aを満たさない結果であり、又は、判定部24の判定結果が要件Bを満たさない結果である場合は、特定計量部26は、電力算出部25で算出された電力(又は電力量)を特定計量として計測しない。
【0069】
本実施形態では、認証ユニット30の認証部32による認証、検出ユニット40の第1検出部42による検出、特定計量ユニット20の第2検出部22による検出、及び判定部24による判定は、一定時間毎(例えば数ミリ秒毎)に繰り返し行われる。これにより、要件A及び要件Bを満たすように、特定計量用コンセント3aに特定計量対象機器7aが接続されると、特定計量部26において、電流センサ21の検出結果(すなわち特定の分岐回路133aを流れる電流)に基づいて、特定計量用コンセント3aから供給される電力(又は電力量)が特定計量として計測され始める。そして、特定計量用コンセント3aから特定計量対象機器7aが外されると、要件Aを満たさなくなって、特定計量部26による特定計量が停止される。すなわち、特定計量の途中で要件A及び要件Bの少なくとも一方を満たさなくなると、特定計量部26は、特定計量を停止する。
【0070】
本実施形態では、特定計量用コンセント3aに機器7が接続されると、その機器7が特定計量対象機器7aであるか否かを問わず、特定計量用コンセント3aからその機器7に電力が供給される。そして、上述のように、コンセントシステム1の特定計量部26において、要件A及び要件Bの両方を満たすと判定した時点から特定計量の計測が開始され、要件A及び要件Bの少なくとも一方を満たさないと判定した時点で、特定計量の計測が停止される。
【0071】
(主要な効果)
以上、本実施形態のコンセントシステム1は、認証ユニット30を備える。認証ユニット30は、機器7の電源プラグ71を介して特定計量用コンセント3aに接続された機器7が特定計量対象機器7aであるか否かの認証を行う。認証ユニット30は、情報取得部31と、認証部32とを備える。情報取得部31は、特定計量用コンセント3aに接続された機器7から、その機器7が特定計量対象機器7aであることを認証するための認証情報を取得する。認証部32は、情報取得部31が取得した認証情報と予め登録された登録情報とが一致するか否かの認証を行う。
【0072】
この構成によれば、認証ユニット30によって、特定計量用コンセント3aに接続された機器7が特定計量対象機器7aであるか否か(すなわち要件Aを満たすか否か)を確認できる。これにより、特定計量用コンセント3aに特定計量対象機器7aが接続されたときだけ(すなわち要件Aを満たすときだけ)、特定計量用コンセント3aから供給される電力を特定計量として計測できる。
【0073】
また、本実施形態のコンセントシステム1は、第1検出部42と、第2検出部22と、判定部24とを備える。第1検出部42は、特定計量対象機器7aが特定計量対象機器7aの電源プラグ71を介して接続可能な特定計量用コンセント3aを流れる電流の特徴量である第1特徴量を検出する。第2検出部22は、分電盤13の複数の分岐回路133のうち特定計量用コンセント3aに接続された特定の分岐回路133aを流れる電流の特徴量である第2特徴量を検出する。判定部24は、第1検出部42が検出した第1特徴量と第2検出部22が検出した第2特徴量とが一致するか否かを判定する。
【0074】
この構成によれば、判定部24によって、特定の分岐回路133aと特定計量用コンセント3aとの間で電流が実際に分流しているか否か(すなわち要件Bを満たすか否か)を確認できる。これにより、特定の分岐回路133aと特定計量用コンセント3aとの間で実際に電流が分流していないときだけ(すなわち要件Bを満たすときだけ)、特定計量用コンセント3aから供給される電力を特定計量として計量できる。
【0075】
(実施形態1の変形例)
実施形態1の変形例を説明する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0076】
(変形例1)
実施形態1では、認証ユニット30の情報取得部31は、特定計量対象機器7aの電源プラグ71に配置された非接触型ICタグ72から認証情報を非接触で読み取る非接触型読取部として構成される。これに対し、本変形例の情報取得部31は、特定計量用コンセント3aに接続された機器7を流れる電流から直接に、その電流の特徴量を認証情報として検出する。
【0077】
より詳細には、
図5に示すように、本変形例の情報取得部31は、電流センサ35と、特徴量検出部36とを備える。
【0078】
電流センサ35は、特定計量用コンセント3aの内部を流れる電流であって分岐路12a(例えばL相電路)を流れる電流を検出する。
【0079】
特徴量検出部36は、電流センサ35の検出結果に基づいて、特定計量用コンセント3aの内部を流れる電流であって分岐路12aを流れる電流の特徴量を検出する。上記電流の特徴量は、例えば、上記電流の電流波形である。特定計量用コンセント3aの内部を流れる電流は、特定計量用コンセント3aに接続された機器7の電源プラグ71を流れる電流に一致する。このため、特徴量検出部36は、電流センサ35の検出結果に基づいて電流の特徴量を認証情報として検出することで、特定計量用コンセント3aに接続された機器7の電源プラグ71を流れる電流の特徴量を認証情報として検出する。
【0080】
本変形例の認証部32は、実施形態1の認証部32と同様に、情報取得部31が取得した認証情報と、認証部32に予め登録された登録情報とが一致するか否かの認証を行う。すなわち、認証部32には、特徴量検出部36が検出する特徴量と同じ特量量が登録情報として予め登録(記憶)されている。そして、実施形態1と同様に、認証部32の認証の結果が、検出した特徴量と登録情報とが一致するか否かに応じて、特定計量用コンセント3aに接続された機器7が特定計量対象機器7aであるか否かが確認される。すなわち、要件Aを満たすか否かが確認される。
【0081】
(変形例2)
実施形態1の検出ユニット40の送信部43は、分岐路12aを通信回線とする電力線通信を行うが、具体的には、例えば
図6に示すように構成されてもよい。より詳細には、送信部43は、電流重畳部43aと、送信制御部43bとを備える。電流重畳部43aは、抵抗R1と、スイッチ部SW1とを備える。抵抗R1は、分岐路12aの2つの電路(L相電路12LとN相電路12N)の間を接続する電路43cに設けられている。スイッチ部SW1は、電路43cを導通及び遮断する電子部品(例えばトランジスタ)である。送信制御部43bは、送信情報(第1検出部42が検出した第1特量量)に応じてスイッチ部SW1をスイッチング制御(すなわちオンオフ制御)することで、上記送信情報を分岐路12aを流れる電流に重畳して送信する。本変形例2によれば、電力線通信方式の送信部43を簡単な構成で実現できる。
【0082】
なお、実施形態1の認証ユニット30の送信部33も、変形例2の送信部43と同様に、電流重畳部と、送信制御部とを備えてもよい。
【0083】
(その他の変形例)
実施形態1では、認証ユニット30の送信部33及び検出ユニット40の送信部43は、分岐路12aを通信回線とする電力線通信を行うが、専用の通信線を用いた有線方式、又は無線方式の通信を行ってもよい。この場合は、特定計量ユニット20の受信部23も、送信部33,43の通信方式と同じ通信方式の通信を行う。
【0084】
また、実施形態1のコンセントシステム1は、特定計量ユニット20、認証ユニット30及び検出ユニット40を1組だけ備えるが、複数組を備えてもよい。この場合、各組の特定計量ユニット20、認証ユニット30及び検出ユニット40は、複数の分岐回路133のうちの互いに異なる分岐回路133に設けられる。
【0085】
また、実施形態1では、分電盤13は、需要家2の建物の内部の分電盤であるが、需要家2の建物の外部に配置された分電盤でもよい。
【0086】
また、実施形態1では、特定計量ユニット20は、分電盤13の内部に配置されるが、分電盤13の外部に配置されてもよい。
【0087】
(実施形態2)
実施形態2のコンセントシステム1は、実施形態1のコンセントシステム1と比べて、認証ユニット30を省略し、検出ユニット40を特定計量対象機器7aの電源プラグ71に配置した点が異なる。
【0088】
すなわち、実施形態1では、検出ユニット40が特定計量用コンセント3aの内部に配置されるため、特定計量用コンセント3aに接続された機器7が特定計量対象機器7aであるか否かに関係無く、検出ユニット40の検出結果(第1特徴量)が特定計量ユニット20に送信される。このため、特定計量用コンセント3aに認証ユニット30を配置して、特定計量用コンセント3aに接続された機器7が特定計量対象機器7aであることを確認する必要がある。実施形態2では、検出ユニット40を特定計量対象機器7aに配置する。このため、特定計量ユニット20に第1特徴量を送信するのは、特定計量対象機器7aに限定されるため、認証ユニット30が省略される。
【0089】
以下、実施形態2のコンセントシステム1を詳しく説明する。以下の説明では、実施形態1と異なる構成を中心に説明し、実施形態1と同じ構成は実施形態1の構成と同じ符号を付して説明を省略する場合がある。
【0090】
図7に示すように、実施形態2のコンセントシステム1は、特定計量ユニット20と、検出ユニット40と、中継アダプタ50とを備える。
【0091】
特定計量ユニット20は、実施形態1の場合と同様に構成され、実施形態1の場合と同様に、特定の分岐回路133aに配置されている。
【0092】
検出ユニット40は、実施形態1の場合と同様に構成され、本実施形態2では、特定計量対象機器7a側に配置される。より詳細には、検出ユニット40は、中継アダプタ50の内部に配置されて、特定計量対象機器7aの電源プラグ71に固定される。
【0093】
中継アダプタ50は、検出ユニット40が配置される中継機器である。中継アダプタ50は、特定計量対象機器7aの電源プラグ71と特定計量用コンセント3aとの間に電気的に接続され、電源プラグ71と特定計量用コンセント3aとの間を中継する。本実施形態では、検出ユニット40は、中継アダプタ50の内部に配置され、その中継アダプタ50が電源プラグ71に取外不能に固定される。これにより、検出ユニット40は特定計量対象機器7aに固定されて配置される。
【0094】
中継アダプタ50と電源プラグ71との取外不能な固定方法としては、例えば、封止テープで中継アダプタ50と電源プラグ71とを固定してもよいし、ビス等の締結部品で中継アダプタ50を電源プラグ71に締結固定してもよい。
【0095】
図8に示すように、中継アダプタ50は、コンセント部51と、プラグ部52と、3つの中継電路53と、検出ユニット40とを備える。検出ユニット40は、中継アダプタ50の構成要素でなくてもよい。
【0096】
コンセント部51は、特定計量対象機器7aの電源プラグ71が接続される部分である。コンセント部51は、3つの刃受51N,51L,51Eを備える。3つの刃受51N,51L,51Eはそれぞれ、特定計量対象機器7aの電源プラグ71の3つの栓刃と電気的に接続する部分である。
【0097】
プラグ部52は、特定計量用コンセント3aに接続される部分である。プラグ部52は、3つの栓刃52N,52L,52Eを備える。3つの栓刃52N,52L,52Eは、特定計量用コンセント3aの3つの受刃3N,3E,3Lと接続する部分である。
【0098】
3つの中継電路53N,53L,53Eはそれぞれ、3つの刃受51N,51L,51Eと3つの栓刃52N,52L,52Eとを接続する電路である。中継電路53L及び中継電路53Nはそれぞれ、分岐路12aのL相電路12L及びN相電路12Nに対応する。中継電路53Eは、接地されて電路16に対応する。
【0099】
検出ユニット40は、実施形態1と同様に、電流センサ41、第1検出部42、送信部43及び電源部44を備える。電源部44は、2つの中継電路53L,53Nに印加されている電圧から電源電圧を生成し、生成した電源電圧を各構成部(第1検出部42及び送信部43)に供給する。電流センサ41は、中継電路(例えば53L)を流れる電流を検出する。第1検出部42は、電流センサ41の検出結果に基づいて、中継電路53Lを流れる電流の特徴量を検出することで、特定計量対象機器7aの電源プラグ71を流れる電流特徴量である第1特徴量を検出する。すなわち、中継電路53L,53N,53Eを流れる電流と電源プラグ71を流れる電流は同じであることを利用して、中継電路53Lを流れる電流から電源プラグ71を流れる電流の特徴量を検出している。送信部43は、特定計量用コンセント3aと特定の分岐回路133aとを結ぶ分岐路12a及びそれに接続された3つの中継電路53N,53L,36Eを通信回線とする電力線通信を用いて、第1検出部42の検出結果(第1特徴量)を特定計量ユニット20に送信する。
【0100】
実施形態2の特定計量ユニット20では、特定計量部26は、判定部24の判定結果に基づいて、電力算出部25が算出した電力(又は電力量)を特定計量として計測する。より詳細には、判定部24の判定結果が要件Bを満たす結果である場合は、特定計量部26は、電力算出部25で算出された電力(電力量)を特定計量として計測する。他方、判定部24の判定結果が要件Bを満たさない結果である場合は、特定計量部26は、電力算出部25で算出された電力(電力量)を特定計量として計測しない。すなわち、実施形態1では、特定計量部26は、受信部23が受信する上記の認証結果及び判定部24の判定結果の両方に基づいて特定計量を行うが、実施形態2では、特定計量部26は、判定部24の判定結果のみに基づいて特定計量を行う。
【0101】
実施形態2によれば、認証ユニット30を省略できるため、コストを削減できる。
【0102】
(実施形態2の変形例)
(変形例1)
実施形態2では、検出ユニット40は中継アダプタ50の内部に配置されるが、検出ユニット40は、特定計量対象機器7aの電源プラグ71の内部に配置されてもよい。また、
図9に示すように、特定計量対象機器7aの機器本体73と電源プラグ71とを結ぶケーブル74の途中に回路部品75が設けられている場合は、検出ユニット40は、その回路部品75に配置されてもよい。なお、
図9の例では、回路部品75は、ケーブル74を導通及び遮断することでケーブル74を流れる電流を制御する制御器(例えばCCID:Charge Circuit Interrupt Device)である。
【0103】
(変形例2)
実施形態1では、特定の分岐回路133aと特定計量用コンセント3aとを結ぶ分岐路12aは、分岐していない。ただし、
図10に示すように、分岐路12aから1つ以上(
図10の例では1つ)の分岐路12cが分岐し、分岐した分岐路12cの端部に別の特定計量用コンセント3cが接続されていてもよい。この場合、別の特定計量用コンセント3cは、特定計量対象機器7aとは別の特定計量対象機器7c専用のコンセントである。この場合は、別の特定計量対象機器7cには、別の中継アダプタ50cが取外不能に固定されている。別の中継アダプタ50cは、中継アダプタ50と同じ構成である。各中継アダプタ50,50cで検出された各第1特徴量は、特定計量ユニット20に送信される。
【0104】
すなわち本変形例2では、特定の分岐回路133aに、複数(例えば2つ)の特定計量対象機器7a,7cが接続される複数の特定計量用コンセント3a,3cが分岐接続されている。そして、複数の特定計量対象機器7a,7cは、同時又は非同時に、対応する特定計量用コンセント3a,3cに接続されて、接続された特定計量用コンセント3a,3cから同時又は非同時に電力の供給を受けることが可能である。
【0105】
なお、上記「同時」とは、複数の特定計量対象機器7a,7cのうちの2つ以上において、対応する特定計量用コンセント3a,3cへの接続期間が少なくとも一部重なることである。上記「非同時」とは、複数の特定計量対象機器7a,7cにおいて、対応する特定計量用コンセント3a,3cへの接続期間が互いに全く重ならないことである。
【0106】
図10において、2つの特定計量対象機器7a,7cが、非同時に、対応する特定計量用コンセント3a,3cに接続される場合は、それぞれの場合で、実施形態2の場合と同様に、中継アダプタ50,50cで検出された第1特徴量と特定計量ユニット20で計測された第2特徴量とが一致することで、特定計量ユニット20の特定計量部26は、電力算出部25で算出された電力(又は電力量)と特定計量として計量する。
【0107】
他方、2つの特定計量対象機器7a,7cが、同時に、対応する特定計量用コンセント3a,3cに接続される場合は、特定計量ユニット20の判定部24は、受信部23が各中継アダプタ50,50cから受信する各第1特徴量を時刻毎に加算して合成する。そして、判定部24は、第2検出部22が検出した第2特徴量と、上記の合成した第1特徴量とが一致するか否かを判定する。つまり、本変形例2では、特定の分岐回路133aを流れる電流は、各特定計量用コンセント3a,3cから各特定計量対象機器7a,7cに供給される各電流の和である。このため、判定部24は、第2検出部22が検出した第2特徴量と、上記の合成した第1特徴量とが一致するか否かを判定する。この判定の結果、上記の第2特徴量と上記の合成した第1特徴量とが一致する場合は、要件Bは満たされていると見なし、他方、上記の判定の結果、上記の第2特徴量と上記の合成した第1特徴量とが一致しない場合は、要件Bは満たされていないと見なす。そして、特定計量部26は、実施形態2の場合と同様に、判定部24の判定結果に基づいて、電力算出部25が算出した電力(又は電力量)を特定計量として計測する。この場合の特定計量は、各中継アダプタ50,50cから供給される各電力(又は電力量)の和である。
【0108】
特定計量部26は、上記「非同時」の場合に中継アダプタ50,50c毎に計測した特定計量と、上記「同時」の場合に各中継アダプタ50,50cの全体でまとめて計測した特定計量とを合算して、最終的な特定計量を算出する。すなわち、本変形例では、特定計量ユニット20で計測される特定計量は、上記の「同時」及び「非同時」を問わず、各特定計量用コンセント3a,3cから各特定計量対象機器7a,7cに供給された電力(又は電力量)の和である。
【0109】
この変形例2によれば、1つの特定計量ユニット20で、複数の特定計量対象機器7a,7cに供給される電力(又は電力量)の合計を特定計量として計測できる。
【0110】
(実施形態3)
実施形態3に係るコンセントシステム1は、実施形態1と比べて、特定計量ユニット20が電力算出部25を備える代わりに、認証ユニット30が電力算出部37を備える点が異なる。この点に伴って、さらに、実施形態3のコンセントシステム1は、実施形態1と比べて、特定計量ユニット20において、電流センサ21、第2検出部22及び判定部24が省略される点、及び、検出ユニット40全体が省略される点が異なる。以下、実施形態3に係るコンセントシステム1について詳しく説明する。
【0111】
図11に示すように、実施形態3に係るコンセントシステム1は、特定計量ユニット20と、認証ユニット30とを備える。実施形態3でも実施形態1と同様に、特定計量ユニット20は、特定の分岐回路133aに配置され、認証ユニット30は特定計量用コンセント3aに配置されている。
【0112】
実施形態3の認証ユニット30は、実施形態1の認証ユニット30において、電流センサ35と、電力算出部37とを更に備える。
【0113】
電流センサ35は、特定計量用コンセント3aの内部を流れる電流であって分岐路12a(例えばL相電路12L)を流れる電流を検出する。
【0114】
電力算出部37は、電流センサ35の検出結果(特定計量用コンセント3aを流れる電流)に基づいて、特定計量用コンセント3aから供給される電力(又は電力量)を算出する。
【0115】
認証ユニット30の送信部33は、認証部32の認証結果及び電力算出部37の電力算出結果を特定計量ユニット20に送信する。
【0116】
認証ユニット30の電源部34は、分岐路12aに印加されている電圧から生成した電源電圧を、情報取得部31、認証部32及び送信部33の他に電力算出部37にも供給する。
【0117】
実施形態3の特定計量ユニット20は、実施形態1の特定計量ユニット20において、電流センサ21,判定部24及び電力算出部25が省略された構成である。
【0118】
実施形態3の特定計量ユニット20の受信部23は、認証ユニット30の送信部33から上記の認証結果及び上記の電力算出結果を受信する。
【0119】
実施形態3の特定計量ユニット20の特定計量部26は、受信部23が受信する上記の認証結果に基づいて、受信部23が受信する上記の電力算出結果(電力又は電力量)を特定計量として計測する。より詳細には、上記の認証結果が要件Aを満たす結果である場合は、特定計量部26は、上記の電力算出結果を特定計量として計測する。他方、上記の認証結果が要件Aを満たさない結果である場合は、特定計量部26は、上記の電力算出結果を特定計量として計測しない。
【0120】
実施形態3では、認証ユニット30に配置された電力算出部37によって、特定計量用コンセント3aを流れる電流に基づいて、特定計量用コンセント3aから特定計量対象機器7aに供給される電力(又は電力量)が直接算出される。このため、実施形態3では、実施形態1の要件Bを確認する必要がなく、実施形態1の要件Aのみを確認すればよい。このため、実施形態3では、実施形態1において要件Bを確認するための構成(特定計量ユニット20の電流センサ21、第2検出部22及び判定部24、並びに検出ユニット40)が省略されている。
【0121】
実施形態3によれば、検出ユニット40を省略でき、かつ特定計量ユニット20の構成も簡素化できる。
【0122】
(実施形態1~3の組み合わせ)
実施形態1~3及びそれらの変形例を組み合わせて実施してもよい。
(態様)
以上説明した実施形態及び変形例から明らかなように、以下の態様を取り得る。
【0123】
第1の態様のコンセントシステム(1)は、第1検出部(42)と、第2検出部(22)と、判定部(24)と、を備える。第1検出部(42)は、特定計量対象機器(7a)が特定計量対象機器(7a)のプラグ(71)を介して接続可能な特定計量用コンセント(3a)又は特定計量用コンセント(3a)に接続された特定計量対象機器(7a)を流れる電流の特徴量である第1特徴量を検出する。第2検出部(22)は、分電盤(13)の複数の分岐回路(133)のうち特定計量用コンセント(3a)に接続された特定の分岐回路(133a)を流れる電流の特徴量である第2特徴量を検出する。判定部(24)は、第1検出部(42)が検出した第1特徴量と第2検出部(22)が検出した第2特徴量とが一致するか否かを判定する。
【0124】
この構成によれば、判定部(24)によって、特定の分岐回路(133a)と特定計量用コンセント(3a)との間で電流が実際に分流しているか否か(すなわち要件Bを満たすか否か)を確認できる。これにより、特定の分岐回路(133a)と特定計量用コンセント(3a)との間で実際に電流が分流していないときだけ(すなわち要件Bを満たすときだけ)、特定計量用コンセント(3a)から供給される電力を特定計量として計量できる。
【0125】
第2の態様のコンセントシステム(1)では、第1の態様において、上記電流の特徴量は、上記電流の電流波形である。
【0126】
この構成によれば、上記電流の特徴量として上記電流の電流波形の特徴量を用いるため、精度良く、特定の分岐回路(133a)と特定計量用コンセント(3a)との間で電流が実際に分流しているか否か(すなわち要件Bを満たすか否か)を確認できる。
【0127】
第3の態様のコンセントシステム(1)は、第1又は第2の態様において、第1検出部(42)を含む検出ユニット(40)と、第2検出部(22)及び判定部(24)を含む特定計量ユニット(20)と、を備える。検出ユニット(40)は、第1検出部(42)が検出した第1特徴量を特定計量ユニット(20)に送信する送信部(43)を更に含む。特定計量ユニット(20)は、受信部(23)と、電力算出部(25)と、特定計量部(26)と、を更に備える。受信部(23)は、送信部(43)から上記第1特徴量を受信する。電力算出部(25)は、特定の分岐回路(133a)を流れる電流に基づいて電力を算出する。特定計量部(26)は、少なくとも判定部(24)の判定結果に基づいて、電力算出部(25)が算出した電力を特定計量として計測する。
【0128】
この構成によれば、検出ユニット(40)とは別の特定計量ユニット(20)において、第1特徴量と第2特徴量とが一致するか否か(すなわち要件Bを満たすか否か)の判定を行い、その判定結果に基づいて、電力算出部(25)で算出した電力(すなわち特定の分岐回路(133a)を流れる電流に基づく電力)を特定計量として計測できる。
【0129】
第4の態様のコンセントシステム(1)では、第3の態様において、送信部(33)は、特定の分岐路(12a)と特定計量用コンセント(3a)とを結ぶ分岐路(12a)を通信回線とする電力線通信によって第1特徴量を検出ユニット(40)に送信する。
【0130】
この構成によれば、送信部(33)を、上記分岐路(12a)を通信回線とする電力線通信方式で構成できる。これにより、上記分岐路(12a)を利用して第1特徴量を検出ユニット(40)に送信できる。
【0131】
第5の態様のコンセントシステム(1)では、第4の態様において、分岐路(12a)は、中性線(12N)及び電圧線(12L)を有する。送信部(33)は、抵抗(R1)と、スイッチ部(SW1)と、送信制御部(43b)と、を有する。抵抗(R1)は、中性線(12N)と電圧線(12L)との間を接続する電路(43c)に設けられている。スイッチ部(SW1)は、電路(43c)を導通及び遮断する。送信制御部(43b)は、スイッチ部(SW1)を制御する。送信制御部(43b)は、上記第1特徴量に応じてスイッチ部(SW1)をスイッチングすることで、上記第1特徴量を分岐路(12a)を流れる電流に重畳して送信する。
【0132】
この構成によれば、電力線通信方式の送信部(33)を簡単な構成で実現できる。
【0133】
第6の態様のコンセントシステム(1)は、第3~第5の態様のいずれか1つにおいて、特定計量用コンセント(3a)に接続された機器(7)が特定計量対象機器(7a)であるか否かの認証を行い、その認証結果を特定計量ユニット(20)に送信する認証ユニット(30)を更に備える。特定計量ユニット(20)において、受信部(23)は、第1特徴量の他に認証結果を受信する。判定部(24)は、受信部(23)が受信した第1特徴量と第2検出部(22)が検出した第2特徴量とが一致するか否かを判定する。特定計量部(26)は、認証ユニット(30)の認証結果及び判定部(24)の判定結果に基づいて、電力算出部(25)が算出した電力を特定計量として計測する。
【0134】
この構成によれば、第1特徴量と第2特徴量とが一致するか否か(すなわち要件Bを満たすか否か)の判定の判定結果の他に、認証ユニット(30)の認証(すなわち要件Aを満たすか否か)の認証結果とに基づいて、電力算出部(25)で算出された電力を特定計量として計量できる。
【0135】
第7の態様のコンセントシステム(1)では、第6の態様において、検出ユニット(40)及び認証ユニット(30)は、特定計量用コンセント(3a)に配置されている。特定計量ユニット(20)は、分電盤(13)に配置されている。
【0136】
この構成によれば、検出ユニット(40)及び認証ユニット(30)を特定計量用コンセント(3a)に配置でき、かつ特定計量ユニット(20)を電盤に配置できる。
【0137】
第8の態様のコンセントシステム(1)では、第3~第6の態様のいずれか1つにおいて、検出ユニット(40)は、特定計量対象機器(7a)側に配置されている。
【0138】
この構成によれば、特定計量対象機器(7a)のみが第1特徴量を特定計量ユニット(20)に送信できる。この結果、特定計量ユニット(20)では、第1特徴量と第2特徴量とが一致するか否か(すなわち要件Bを満たすか否か)の判定の判定結果のみに基づいて、電力算出部(37)で算出された電力を特定計量として計測できる。
【0139】
第9の態様のコンセントシステム(1)は、第8の態様において、特定計量用コンセント(3a)とプラグ(71)との間に電気的に接続可能であってプラグ(71)に固定された中継アダプタ(50)を更に備える。検出ユニット(40)は、中継アダプタ(50)に配置されている。
【0140】
この構成によれば、中継アダプタ(50)によって検出ユニット(40)を特定計量対象機器(7a)に後付けできる。
【0141】
第10の態様のコンセントシステム(1)では、第8又は第9の態様において、特定計量ユニット(20)は、分電盤(13)に配置されている。
【0142】
この構成によれば、特定計量ユニット(20)を分電盤(13)に配置できる。
【符号の説明】
【0143】
1 コンセントシステム
3a 特定計量用コンセント
7 機器
7a 特定計量対象機器
12a 分岐路
12N N相電路(中性線)
12L L相電路(電圧線)
13 分電盤
20 特定計量ユニット
22 第2検出部
23 受信部
24 判定部
25,37 電力算出部
26 特定計量部
30 認証ユニット
31 情報取得部
32 認証部
33 送信部
40 検出ユニット
42 第1検出部
43b 送信制御部
43c 電路
50,50c 中継アダプタ
71 電源プラグ(プラグ)
133 分岐回路
133a 特定の分岐回路
R1 抵抗
SW1 スイッチ部