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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023151536
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】設備機器及び設備機器システム
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/02 20060101AFI20231005BHJP
   F21V 21/00 20060101ALI20231005BHJP
   F21V 21/04 20060101ALI20231005BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20231005BHJP
【FI】
F21S8/02 420
F21V21/00 140
F21V21/00 300
F21V21/04 200
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022061202
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小澤 悠人
(72)【発明者】
【氏名】中村 信久
(72)【発明者】
【氏名】林 成
(72)【発明者】
【氏名】石川 孝一
(57)【要約】      (修正有)
【課題】コストを低減できる設備機器及び設備機器システムを提供する。
【解決手段】第1設備機器1Aは、ベース2と、バネ支持部材21と、を備える。ベース2は、照明器具3が取り付けられる第1板面部11と、第1板面部11に形成され照明器具3の機能を第1板面部11の前方に作用させるための第1開口部18と、を有する。バネ支持部材21は、第1板面部11の後面19に固定され、照明器具3が有する板バネ44、45を支持する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機能機器が取り付けられる板面部と、前記板面部に形成され前記機能機器の機能を前記板面部の前方に作用させるための開口部と、を有するベースと、
前記板面部の後面に固定され、前記機能機器が有する板バネを支持するバネ支持部材と、
を備える、
設備機器。
【請求項2】
前記バネ支持部材は、前記板バネの幅方向の移動を規制する切欠きを有する板材である、
請求項1に記載の設備機器。
【請求項3】
前記板材は、一方向に長く延びる部材である、
請求項2に記載の設備機器。
【請求項4】
前記開口部は複数設けられており、
前記板材には、前記複数の開口部に対応して前記切欠きが複数設けられている、
請求項2又は3に記載の設備機器。
【請求項5】
前記板面部の前面において前記切欠きの位置を示すマークをさらに備えている、
請求項2~4のいずれか1項に記載の設備機器。
【請求項6】
前記バネ支持部材を複数備え、
前記複数のバネ支持部材は、前記開口部を挟んで対向している、
請求項1~5のいずれか1項に記載の設備機器。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の設備機器と、
前記板面部に装着される機能機器と、
を備える、
設備機器システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、設備機器及び設備機器システムに関する。
【背景技術】
【0002】
システム天井は、断面T字型のバー状部材で組んだ天井枠を有しており、天井面材に加えて、照明器具及び空調機器等の設備機器を天井枠によって支持している。(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-179003号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に照明器具を天井に装着する場合には、天井の石膏ボードに孔を形成し、その孔に照明器具の板バネを支持させることが行われている。
【0005】
しかし、上記の場合、石膏ボードの準備、加工、設置が必要になりコストが高くなってしまう。
【0006】
本開示は上記事由に鑑みてなされ、コストを低減できる設備機器及び設備機器システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る設備機器は、ベースと、バネ支持部材と備えている。前記ベースは、機能機器が取り付けられる板面部と、前記板面部に形成され前記機能機器の機能を前記板面部の前方に作用させるための開口部と、を有する。バネ支持部材は、前記板面部の後面に固定され、前記機能機器が有する板バネを支持する。
【0008】
本開示の他の一態様に係る設備機器システムは、前記設備機器と、前記板面部に装着される機能機器と、を備えている。
【発明の効果】
【0009】
本開示に係る設備機器及び設備機器システムでは、コストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本開示に係る実施形態としての複数の設備機器システムが取り付けられたシステム天井を上方から見た部分斜視図である。
図2図2は、同上のシステム天井を下方から見た部分斜視図である。
図3図3は、同上の複数の設備機器システムのうちの1台の斜視図である。
図4図4は、同上の設備機器システムの斜視図である。
図5図5は、同上の設備器システムの第1設備機器の支持部材と板バネの斜視図である。
図6図6は、同上の第1設備機器のベース及び支持部材の斜視図である。
図7図7は、同上の第1設備機器のカバーの斜視図である。
図8図8は、同上の第1設備機器において同上のカバーを取り付ける前の下面図である。
図9図9は、同上の第1設備機器において同上のカバーを取り付けた後の下面図である。
図10図10は、同上のベース及びカバーの正面図である。
図11図11は、同上の複数の設備機器システムのうちの1台の斜視図である。
図12図12は、同上の設備機器システムの第2設備機器において同上のカバーを取り付ける前の下面図である。
図13図13は、同上の第2設備機器においてカバーを取り付けた後の下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施形態)
以下、実施形態に係る設備機器及び設備機器システムについて、図面を参照して説明する。下記の実施形態において説明する各図は模式的な図であり、各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。また、下記の実施形態で説明する構成は本開示の一例にすぎない。本開示は、下記の実施形態に限定されず、本開示の効果を奏することができれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0012】
(1)システム天井
システム天井100は、例えばオフィスビル内の天井として提供され、支持フレーム91と、複数の天井面材92(図1及び図2では、1つだけ図示)と、を備える。
【0013】
支持フレーム91は、グリッドタイプであり、縦方向及び横方向に並ぶように互いに結合された、複数の第1Tバー101及び複数の第2Tバー102を有している。複数の第1Tバー101及び複数の第2Tバー102によって、複数の四角形状の区画103が形成されている。天井面材92は、複数の区画103を埋めるように配置され、第1Tバー101及び第2Tバー102によって下方から支持される。複数の天井面材92の各々は、例えば、意匠性、不燃性、吸音性、断熱性等を有したロックウール化粧吸音板からなる、いわゆる天井パネルである。
【0014】
支持フレーム91には、後述するように、第1設備機器1A、第2設備機器1B、及び第3設備機器1Cも設置される。
【0015】
(2)設備機器システム
第1設備機器1A、第2設備機器1B、及び第3設備機器1Cは、支持フレーム91に対して上方から装着されて、支持フレーム91によって支持される。第1設備機器1A及び第2設備機器1Bには、照明器具3(機能機器の一例)が装着されており、第1設備機器1Aと照明器具3の組合わせ及び第2設備機器1Bと照明器具3の組み合わせが、各々、設備機器システム107を構成している。
【0016】
図1及び図2では、1つのシステム天井100において第1設備機器1A、第2設備機器1B、及び第3設備機器1Cが設けられているが、これは説明の便宜のためである。実際は、システム天井100には、第1設備機器1Aのみが配置されていてもよいし、第2設備機器1Bのみが配置されていてもよいし、又は第3設備機器1Cのみが配置されていてもよい。さらに、2種類以上の設備機器が適宜配置されてもよい。つまり、設備機器の数、種類、配置位置は特に限定されない。
【0017】
(2-1)設備機器
第1設備機器1Aを説明する。第1設備機器1Aは、例えば図3に示すように、ベース2と、カバー6と、バネ支持部材21とを備えている。
【0018】
(2-1-1)ベース
ベース2は、支持フレーム91に固定される部材であり、照明器具3が取り付けられる部材である。ベース2は、例えばアルミ等の金属製である。
【0019】
ベース2は、第1板面部11を有している。第1板面部11は、照明器具3が取り付けられる部分であり、一方向に長く延びる矩形状の板部材である。
【0020】
第1板面部11は、後面19と、前面20とを有する。後面19は上方を向く面であり、前面20は下方つまり室内側を向く面である。
【0021】
第1板面部11には、複数の(本実施形態では3個の)第1開口部16、17、18が形成されている。第1開口部16、17、18は、照明器具3の機能を第1板面部11の前方に(部屋側に)作用させるための構造である。第1開口部16、17、18は、円形であり、第1板面部11の長手方向に並んで配置されている。
【0022】
ベース2は、図6に示すように、下方及び長手方向の両端が開いた箱状である。つまり、ベース2は、第1板面部11の長手縁から下方に延びる一対の側壁12、13を有している。一対の側壁12、13の下端には、それぞれ、浮き上がり防止のために支持フレーム51に係止されるためのフランジ14、15が設けられている。なお、ベース2は、図3及び図4に示すように、第1板面部11の長手方向両端の上面が、金具28によってシステム天井100の第1Tバー101に固定されている。
【0023】
第1板面部11の前面20には、図8に示すように、切欠き24(後述)の位置又は設置方向を示すマーク61、62が形成されている。具体的には、マーク61、62は、模様であり、第1開口部16、17、18の両側に(第1板面部11の短手方向両側に)設けられている。なお、マークは、模様以外に、凹みや切欠きでもよい。マークは、第1開口部の周縁部分に設けられた切欠きであってもよい。
【0024】
(2-1-2)カバー
カバー6は、図7に示すように、第1板面部11の前面20を覆うことで美観を向上させるための部材である。
【0025】
カバー6は、第1板面部11の前方に対向する第2板面部31を有している。第2板面部31は、第1板面部11と概ね同じ形状及び面積であり、第1板面部11を全面的に覆っている。第2板面部31は、例えば、金属製であり、前面38が塗装されて化粧面となっている。
【0026】
第2板面部31には、図7に示すように、第1開口部16、17、18にそれぞれ対向する第2開口部32、33、34が形成されている。具体的には、第2開口部32、33、34は、円形であり、カバー6がベース2に装着された状態で中心が第1開口部16、17、18の中心とほぼ一致しており、内径が第1開口部16、17、18の内径より小さい。
【0027】
第2板面部31は、後面37と、前面38とを有する。後面37は上方を向く面であり、前面38は下方つまり部屋側を向く面である。
【0028】
第2板面部31は、図9に示すように、前方からの正面視において第1開口部16、17、18の第1周縁部分27(図8を参照)を覆っている。具体的には、第2開口部32、33、34の第2周縁部分39が、第1開口部16、17、18の第1周縁部分27を覆っている。ここで、「開口部の周縁部分」とは、開口部の周縁とその径方向外側の環状領域を意味する。
【0029】
図10に示すように、カバー6がベース2に取り付けられた状態で、カバー6とベース2とに囲まれた空間25を形成している。具体的には、カバー6には、四辺から上側に延びる周壁35と、長手方向に延びる周壁35から内側に延びる長手縁36とが形成されており、それらがベース2の前面20に当接している。これにより、ベース2の前面20とカバー6の後面37との間に、空間25が確保されている。この空間25の長さ(ベース2とカバー6との距離)を変更することによって、意匠性を改善できる。さらに、空間25を長く設定することで、照明器具3のグレアを抑制できたり、ユニバーサルダウンライトの光源の向きを容易に変更できたりする。なお、空間25の縦方向長さ調整のためには、ベース2とカバー6の間にスペーサ(図示せず)を配置する。
【0030】
カバー6は、ベース2に着脱自在である。したがって、ベース2に装着される機能機器の数又は種類に応じて、カバー6の種類を変更できる。具体的には、カバー6は、ネジ(図示せず)によってベース2に固定されている。なお、第1板面部11には4つの貫通孔29が形成され、第2板面部31の長手縁36には4つのネジ孔30が形成されており、ネジは第1板面部11の上方から貫通孔29を通ってネジ孔30に螺合される。この構造では、カバー6によって、ネジやネジ孔30は前方からの正面視において隠されている。
【0031】
(2-1-3)バネ支持部材
バネ支持部材21は、図3図6に示すように、照明器具3が有する一対の板バネ44、45(後述)を支持する部材である。バネ支持部材21は、第1板面部11の後面19に固定されている。この構成によれば、少ない部品点数つまり簡単な構造によって照明器具3(後述)を支持可能になる。その結果、第1設備機器1A、第2設備機器1B、第3設備機器1Cのコストが低減される。
【0032】
バネ支持部材21は、具体的には、第1板面部11の長手方向に沿って長く延びる一対の板材である。このようにバネ支持部材21が長尺部材であるので、剛性が高くなっている。一対のバネ支持部材21は、第1開口部16、17、18を挟んで互いに対向している。バネ支持部材21は、第1板面部11に固定された第1板部分22と、第1板部分22の長手縁から上方に延びて第1板面部11に立設された第2板部分23とを有している。
【0033】
第2板部分23は、一対の板バネ44、45が係合される切欠き24を有する。切欠き24は、バネ支持部材21の長手方向に延びる幅長さを有している。なお、一対のバネ支持部材21において、切欠き24は、第1開口部16、17、18に対応して3対設けられている。このようにバネ支持部材21に複数の切欠き24を設けているので、部品点数を増やすことなく複数の照明器具3を支持できる。
【0034】
(2-2)照明器具
照明器具3は、例えば建物の天井板等の造営材に埋め込み配設されることにより下方(床や壁等)に光を照射するダウンライト等の埋込型照明器具である。
【0035】
照明器具3は、器具本体41と、器具本体41に収容された光源42と、器具本体41の外側壁に設けられたつば43と、器具本体41の外側壁に取り付けられる一対の板バネ44、45とを備える。
【0036】
なお、図3及び図4に示すように、3台の照明器具3に対応する3台の電源ユニット4が、第1設備機器1Aに隣接して配置されている。電源ユニット4は、システム天井100に装着された支持プレート7に搭載されている。なお、他の例として、電源ユニットは、設備機器の第1板面部の後面に搭載されてもよい。
【0037】
(2-2-1)器具本体及び光源
器具本体41は、有底筒状の部材である。器具本体41の外側壁の外径は、第1開口部16、17、18の径よりも短い。
【0038】
つば43は、ベース2を保持する円環状の部分である。つば43は、第1開口部16、17、18の第1周縁部分27の前面側に位置しており、第1開口部16、17、18の前面20の第1周縁部分27に当接している。つまり、つば13の外径は、第1開口部16、17、18の径より長い。
【0039】
光源42は、発光素子(LED)、レンズ、拡散プレートなどを有する。光源42からの光は、第1開口部16、17、18及び第2開口部32、33、34を通って前方に照射される。
【0040】
(2-2-2)板バネ
一対の板バネ44、45は、ベース2に形成された第1開口部16、17、18に照明器具3を取り付けるための弾性部材である。具体的には、一対の板バネ44、45は、例えば鋼材などの金属材料で形成され、略一定の幅を有する板状の部材である。一対の板バネ44、45は、切欠き24の幅より短い幅を有している。
【0041】
一対の板バネ44、45は、器具本体41の両側の外面に、径方向に対向して位置させて嵌め込みによって固定される。
【0042】
板バネ44の構造を詳細に説明する。なお、板バネ45の構造は板バネ44の構造と同じである。板バネ44は、図5に示すように、器具本体41に固定される固定部43と、固定部43の下端から上方に向かって延びる第1部分46とを有している。第1部分46は、鉛直方向に延びている。第2部分47は、斜め外側に(第1開口部16から離れる側に)延びており、切欠き24に係止している。板バネ44は、さらに、第3部分48と、第4部分49と、第5部分50と、を有している。第3部分48は、鉛直方向に延びている。第4部分49は、斜め外側に長く延びている。第5部分50は、外側に90度に折り曲げられている。
【0043】
一対の板バネ44、45は、互いに内方に撓まされた状態で器具本体41と共に、ベース2の第1板面部11の第1開口部16、17、18に挿入されている。その状態で、一対の板バネ44、45は、自らの弾性によりバネ支持部材21の切欠き24に当接し、その圧接力により第1設備機器1Aをつば13との間で挟んでいる。この結果、照明器具3は、第1板面部11における第1開口部16、17、18の第1周縁部分27に固定されている。なお、切欠き24によって、一対の板バネ44、45は幅方向の移動を規制されている。したがって、板バネ44、45の位置や姿勢が大きく変化することがない。
【0044】
上記の構成によれば、一対の板バネ44、45は、第1開口部16、17、18の両側にある一対のバネ支持部材21によって安定的に支持される。
【0045】
(3)照明器具及びカバーの装着作業
(3-1)照明器具の装着
システム天井100に照明器具3を取り付ける際には、ベース2の第1開口部16、17、18に器具本体41が挿入される。すなわち、作業者が、一対の板バネ44、45を押え内方に撓ませながら、器具本体41と共に第1設備機器1Aの第1開口部16、17、18に挿入し、その後に手を離す。この結果、一対の板バネ44、45が自らの弾性により照明器具3をベース2に固定する。つまり、つば43と一対の板バネ44、45とが、ベース2を挟持する。これにより、照明器具3を第1設備機器1Aに安定的に固定できる。上記作業中に、作業者は、マーク61、62を用いて切欠き24の位置を確認することによって、一対の板バネ44、45を切欠き24に容易に合わせることができる。
【0046】
なお、上記の照明器具3の取付け後には、図8に示すように、前方からの正面視において、つば43は前方からの正面視において露出した状態である。
【0047】
また、照明器具3の取付けは、第1設備機器1Aがシステム天井100に取り付けられた状態で行ってもよいし、第1設備機器1Aがシステム天井100に取り付けられる前の状態で行ってもよい。
【0048】
(3-2)カバーの装着
続いて、作業者は、カバー6をベース2の前面20に装着する。すると、図9に示すように、カバー6によってベース2の第1板面部11の前面20が覆われた状態になる。上記のカバー6取付け後には、図9に示すように、つば43(図8を参照)は、前方からの正面視において、カバー6の第2板面部31の第2周縁部分39によって覆われている。
【0049】
また、カバー6の取付けは、第1設備機器1Aがシステム天井100に取り付けられた状態で行ってもよいし、第1設備機器1Aがシステム天井100に取り付けられる前の状態で行ってもよい。
【0050】
(4)第2設備機器
図11図13を用いて、第2設備機器1Bを説明する。第2設備機器1Bは、第1設備機器1Aと同じ構造を有している。
【0051】
第2設備機器1Bに装着される照明器具の数は、第1設備機器1Aとは異なり、第2設備機器1Bの第1開口部16、17、18の数より少ない。具体的には、照明器具3の数は1つであり、第1開口部17に装着されている。このように、第1開口部16、17、18を複数設けているので、第1開口部(16、17,18)の数内で、照明器具の数を調整できる。
【0052】
カバー6Aは、カバー6とは異なり、第1開口部17(図11を参照)に対応する第2開口部33(図13を参照)だけを有している。つまり、第1板面部11の第1開口部16及び第1開口部18は、図13に示すように、カバー6Aによって完全に覆われている。このように、機能機器が装着されない開口部は、カバーによって塞がれる。
【0053】
照明器具3のつば43(図12を参照)は、図13に示すように、前方からの正面視において、カバー6Aの第2開口部33の第2周縁部分39によって覆われる。
【0054】
(5)第3設備機器
第3設備機器1Cは、第1設備機器1A及び第2設備機器1Bと同じ構造を有している。第3設備機器1Cには、図1及び図2に示すように、第1設備機器1A及び第2設備機器1Bとは異なり、照明器具3が装着されていない。
【0055】
そして、カバー6Bは、カバー6又はカバー6Aとは異なり、開口部を全く有していない。そのため、3つの第1開口部16、17、18は、前方からの正面視において、カバー6Bによって完全に覆われている。このように、機能機器が装着されない開口部は、カバーによって塞がれる。
【0056】
(変形例)
上述の各実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上述の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下、上述の実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0057】
(1)基本構成の変形例
設備機器は、天井以外の造営材に設置されていてもよい。例えば、設備器機器は、壁、柱、床に設置されてもよい。
【0058】
機能機器は、照明器具以外に、例えば、センサ(人感センサなど)、空調機器の吹出口、リターン、スプリンクラー、スピーカー、感知器(火災感知器など)であってもよい。
【0059】
設備機器のベースの第1開口部の数は、2以下又は4以上でもよい。
【0060】
設備機器のベースの第1開口部の形状は、円形に限定されず、四角、三角、楕円、その他の形状でもよい。
【0061】
1台の設備機器のベースの複数の第1開口部に設けられる複数の機能機器は、同じでもよく、異なっていてもよい。
【0062】
(2)板バネ及び板バネ支持部材の変形例
各機能機器は、三つ以上の板バネを備えてもよい。
【0063】
板バネ支持部材における切欠きの数や形状は特に限定されない。切欠きは、異なる幅の板バネに対応可能なように複数段階の凹部を有していてもよい。
【0064】
板バネ支持部材は、長尺の板部材でなくてもよい。板バネ支持部材は、例えば、複数の開口に対応して個別に設けられていてもよい。
【0065】
(態様)
本明細書には、以下の態様が開示されている。
【0066】
第1態様に係る設備機器(1A、1B、1C)は、ベース(2)と、バネ支持部材(21)と、を備える。ベース(2)は、機能機器(3)が取り付けられる板面部(1A、1B、1C)と、板面部(11)に形成され機能機器(3)の機能を板面部(11)の前方に作用させるための開口部(16、17、18)と、を有する。バネ支持部材(21)は、板面部(11)の後面(19)に固定され、機能機器(3)が有する板バネ(44、45)を支持する。
【0067】
この態様によれば、板面部(11)の後面(19)にバネ支持部材(21)を設けているので、少ない部品点数つまり簡単な構造によって機能機器(3)を支持可能になる。その結果、設備機器(1A、1B、1C)のコストが低減される。
【0068】
第2態様に係る設備機器(1A、1B、1C)では、第1態様において、バネ支持部材(21)は、板バネ(44、45)の幅方向の移動を規制する切欠き(24)を有する板材(21)である。
【0069】
この態様によれば、板バネ(44、45)は切欠き(24)によって幅方向の移動が規制されるので、板バネ(44、45)の位置や姿勢が大きく変化することがない。
【0070】
第3態様に係る設備機器(1A、1B、1C)では、第2態様において、板材(21)は、一方向に長く延びる部材である。
【0071】
この態様によれば、板材(21)が一方向に長く延びているので、ばね支持部材(21)の強度が高くなる。
【0072】
第4態様に係る設備機器(1A、1B、1C)では、第2又は第3態様において、開口部(16、17、18)は複数設けられている。板材(21)には、複数の開口部(16、17、18)に対応して切欠き(24)が複数設けられている。
【0073】
この態様によれば、板材(21)に複数の切欠き(24)を設けているので、部品点数を増やすことなく複数の機能機器(3)を支持できる。
【0074】
第5態様に係る設備機器(1A、1B、1C)は、第2~第4態様のいずれかにおいて、板面部(11)の前面(20)において切欠き(24)の位置を示すマーク(61、62)をさらに備えている。
【0075】
この態様によれば、作業者は機能機器(3)を開口部(16、17、18)装着する際に、マーク(61、62)を用いて切欠き(24)の位置を確認することによって、板バネ(44、45)を切欠き(24)に容易に合わせることができる。
【0076】
第6態様に係る設備機器(1A、1B、1C)は、第1~第5態様のいずれか1つにおいて、バネ支持部材(21)を複数備えている。複数のバネ支持部材(21)は、開口部(16、17、18)を挟んで対向している。
【0077】
この態様によれば、例えば一対の板バネ(44、45)を開口部(16、17、18)の両側にあるバネ支持部(21)によって安定的に支持できる。
【0078】
第7態様に係る設備機器システム(107)は、第1~第6のいずれか1つに係る設備機器(1A、1B)と、板面部(11)に装着される機能機器(3)と、を備えている。
【0079】
この態様によれば、設備機器システム(107)のコストが低減される。
【符号の説明】
【0080】
1A:第1設備機器
1B:第2設備機器
2:ベース
3:照明器具
11:第1板面部
16:第1開口部
17:第1開口部
18:第1開口部
21:バネ支持部材
24:切欠き
32:第2開口部
33:第2開口部
34:第2開口部
44:板バネ
45:板バネ
107:設備機器システム
図1
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