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特開2023-151544操作システム、制御方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023151544
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】操作システム、制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04Q 9/00 20060101AFI20231005BHJP
【FI】
H04Q9/00 331Z
H04Q9/00 301C
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022061210
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005821
【氏名又は名称】パナソニックホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小原 和晃
(72)【発明者】
【氏名】米倉 宗孝
(72)【発明者】
【氏名】侯 柏丞
(72)【発明者】
【氏名】笹子 達也
(72)【発明者】
【氏名】長嶺 博斗
(72)【発明者】
【氏名】居相 かほる
(72)【発明者】
【氏名】小川 慧
【テーマコード(参考)】
5K048
【Fターム(参考)】
5K048AA05
5K048BA01
5K048BA07
5K048BA08
5K048EB02
5K048FB10
5K048FB15
5K048FC01
5K048HA01
5K048HA02
5K048HA23
(57)【要約】
【課題】本開示の課題は、作業を適切に行うことが可能な環境の設定を簡易に行うことである。
【解決手段】本開示に係る操作システム1は、認証部171と、表示処理部174と、環境制御部179と、を備える。認証部171は、施設の空間5で作業を行う作業者を認証する。表示処理部174は、認証部171で作業者の認証が成功すると、作業に関する作業情報を表示部14に表示する。環境制御部179は、認証部171で作業者の認証が成功すると、空間5を作業に応じた作業環境に制御する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設の空間で作業を行う作業者を認証する認証部と、
前記認証部で前記作業者の認証が成功すると、前記作業に関する作業情報を表示部に表示する表示処理部と、
前記認証部で前記作業者の認証が成功すると、前記空間を前記作業に応じた作業環境に制御する環境制御部と、を備える、
操作システム。
【請求項2】
前記空間の利用者に応じた前記作業情報を外部装置から取得する作業情報取得部を更に備える、
請求項1に記載の操作システム。
【請求項3】
前記作業者の前記空間からの退室を検知する退室検知部を更に備え、
前記環境制御部は、前記退室検知部が前記作業者の退室を検知すると、前記作業者による前記作業に応じた前記作業環境としての第1環境とは異なる第2環境となるよう前記空間を制御する、
請求項1又は2に記載の操作システム。
【請求項4】
前記空間の利用者に応じた前記第2環境を表す環境情報を外部装置から取得する環境情報取得部を更に備え、
前記環境制御部は、前記環境情報取得部が取得した前記環境情報で表される前記第2環境となるように前記空間を制御する、
請求項3に記載の操作システム。
【請求項5】
前記作業は前記空間での清掃であり、
前記表示処理部は、前記清掃に関する清掃項目を前記作業情報として前記表示部に表示する、
請求項1~4のいずれか一項に記載の操作システム。
【請求項6】
前記空間における前記作業を行う領域は複数の作業領域に区切られており、
前記表示処理部は、前記複数の作業領域のそれぞれについて、当該作業領域における前記清掃項目を前記表示部に表示する、
請求項5に記載の操作システム。
【請求項7】
前記表示処理部は、前記空間におけるすべての清掃項目を前記作業情報として前記表示部に表示する、
請求項5に記載の操作システム。
【請求項8】
前記作業の完了を検知する作業完了検知部と、
前記作業完了検知部が前記作業の完了を検知した場合、前記作業が完了した旨の完了情報を外部装置に送信する送信処理部と、を更に備える、
請求項1~7のいずれか一項に記載の操作システム。
【請求項9】
前記環境制御部は、前記空間を前記作業に応じた作業環境となるように、前記空間に設けられた複数の機器のうち少なくとも1つの機器を制御する、
請求項1~8のいずれか一項に記載の操作システム。
【請求項10】
前記複数の機器は、照明機器、空調機器及び換気機器を含み、
前記環境制御部は、前記空間を前記作業に応じた作業環境となるように、前記照明機器、前記空調機器及び前記換気機器を制御する、
請求項9に記載の操作システム。
【請求項11】
操作システムに用いられる制御方法であって、
施設の空間で作業を行う作業者を認証する認証ステップと、
前記認証ステップで前記作業者の認証が成功すると、前記作業に関する作業情報を表示部に表示する表示処理ステップと、
前記認証ステップで前記作業者の認証が成功すると、前記空間を前記作業に応じた作業環境に制御する環境制御ステップと、を含む、
制御方法。
【請求項12】
請求項11に記載の制御方法を、1つ以上のプロセッサに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に操作システム、制御方法及びプログラムに関し、より詳細には施設の空間の環境を制御する操作システム、制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、施設の空間の環境を制御する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1では、多室宿泊施設(施設)の部屋(空間)に配備され、室内装置を監視制御するスマート照明スイッチ(操作システム)が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2021-517350号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
多室宿泊施設(施設)では、部屋(空間)において作業者による作業が行われることがある。作業者は、部屋で作業を行う際には、特許文献1のスマート照明スイッチを操作して部屋の環境を作業者が作業を適切に行うことが可能な環境に設定する必要がある。作業を適切に行うことが可能な環境に設定する操作を簡易に行いたいという要望がある。
【0006】
本開示は上記課題に鑑みてなされ、作業を適切に行うことが可能な環境の設定を簡易に行うことができる操作システム、制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る操作システムは、認証部と、表示処理部と、環境制御部と、を備える。前記認証部は、施設の空間で作業を行う作業者を認証する。前記表示処理部は、前記認証部で前記作業者の認証が成功すると、前記作業に関する作業情報を表示部に表示する。前記環境制御部は、前記認証部で前記作業者の認証が成功すると、前記空間を前記作業に応じた作業環境に制御する。
【0008】
本開示の一態様に係る制御方法は、操作システムに用いられる制御方法である。前記制御方法は、認証ステップと、表示処理ステップと、環境制御ステップと、を含む。前記認証ステップは、施設の空間で作業を行う作業者を認証する。前記表示処理ステップは、前記認証ステップで前記作業者の認証が成功すると、前記作業に関する作業情報を表示部に表示する。前記環境制御ステップは、前記認証ステップで前記作業者の認証が成功すると、前記空間を前記作業に応じた作業環境に制御する。
【0009】
本開示の一態様に係るプログラムは、制御方法を1つ以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本開示によると、作業を適切に行うことが可能な環境の設定を簡易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、一実施形態に係る操作システムとしての操作装置の構成を示すブロック図である。
図2図2は、同上の操作装置が設けられる空間の一例を示す空間の平面図である。
図3図3は、同上の操作装置が表示する清掃リスト画面を示す図である。
図4図4は、同上の操作装置が表示するウェルカムメッセージ画面を示す図である。
図5図5は、同上の操作装置が表示する忘れ物メッセージ画面を示す図である。
図6図6は、同上の操作装置が表示する設定画面を示す図である。
図7図7は、空間における作業時の同上の操作装置10の動作を示す流れ図である。
図8図8は、ウェルカムメッセージの表示に係る同上の操作装置10の動作を示す流れ図である。
図9図9は、忘れ物に関するメッセージの表示に係る同上の操作装置10の動作を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に説明する実施形態及び変形例は、本開示の一例に過ぎず、本開示は、以下の実施形態及び変形例に限定されない。以下の実施形態及び変形例以外であっても、本開示に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0013】
(実施形態)
以下、本実施形態に係る操作システム1について、図1図9を用いて説明する。
【0014】
(1)概要
本実施形態に係る操作システム1としての操作装置10は、図1に示すように、認証部171と、表示部14と、環境制御部179と、を備える。認証部171は、施設の空間5で作業を行う作業者を認証する。表示部14は、認証部171で作業者の認証が成功すると、作業に関する作業情報を表示する。環境制御部179は、認証部171で作業者の認証が成功すると、空間5を作業に応じた作業環境に制御する。
【0015】
この構成によると、認証が成功すると、空間5を作業に応じた作業環境に制御するので、作業を適切に行うことが可能な環境に作業者が設定する必要がない。したがって、作業を適切に行うことが可能な環境の設定を簡易に行うことができる。
【0016】
ここで、施設は、ホテル、旅館、オフィス、店舗、事業所、工場、ビル、学校、福祉施設又は病院等の非住宅施設、及び戸建住宅、集合住宅、又は集合住宅の各住戸等の住宅施設を含む。非住宅施設は、劇場、映画館、公会堂、遊技場、複合施設、飲食店、百貨店、幼稚園、図書館、博物館、美術館、地下街、駅及び空港等も含む。本実施形態では、施設は、ホテルである。また、施設の空間とは、例えばホテルの客室である。さらに、空間5の作業は、例えば空間5(客室)の清掃である。
【0017】
(2)構成
(2.1)操作装置
ここでは、本実施形態に係る操作装置10の構成について、図1を用いて説明する。
【0018】
操作装置10は、例えば配線器具である。操作装置10は、図1に示すように、第1通信部11と、第2通信部12と、第3通信部13と、表示部14と、入力部15と、記憶部16と、制御部17と、を備える。
【0019】
操作装置10は、例えばプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを有している。そして、プロセッサがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが制御部17として機能する。プロセッサが実行するプログラムは、ここではコンピュータシステムのメモリに予め記録されているが、メモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて提供されてもよい。
【0020】
第1通信部11は、認証用装置20と通信するための通信インタフェースを有している。第1通信部11は、認証用装置20と無線による通信が可能に構成されている。ここで、認証用装置20は、IC(Integrated Circuit)カードである。認証用装置20は、空間5で作業を行う作業者が所持する。また、認証用装置20は、空間5を利用する利用者(例えば、宿泊者)が所持する。作業者が所持する認証用装置20は、作業者によって用いられる装置であることを示す用途情報、及び作業者を識別する認証情報(例えば、作業者の識別子)を記憶している。利用者が所持する認証用装置20は、利用者によって用いられる装置であることを示す用途情報、利用者を識別する認証情報、及び認証情報の有効期間(利用期間)を表す有効期間情報を記憶している。
【0021】
第2通信部12は、空間5に設けられた1つ以上(図1では、3つ)の機器30、及びセンサ40と通信するための通信インタフェースを有している。1つ以上の機器30は、照明機器31、空調機器32及び換気機器33を含む。また、センサ40は、例えば電流センサであり、空間5に設けられたコンセント(outlet)50から出力される電流を検知する。
【0022】
第3通信部13は、インターネット等のネットワークNT1を介して施設外に設置されたサーバ60と通信するための通信インタフェースを有している。なお、サーバ60は、施設内に設けられてもよい。サーバ60が施設内に設けられる場合、第3通信部13は、ネットワークNT1としてLAN(Local Area Network)を介してサーバ60と通信を行う。
【0023】
表示部14は、例えば液晶ディスプレイや有機EL(electro-luminescence)ディスプレイのような薄型のディスプレイ装置である。入力部15は、ユーザ操作を受け付ける機能を有している。本実施形態の操作装置10はタッチパネルディスプレイ100を搭載した装置である。そのため、タッチパネルディスプレイ100が表示部14及び入力部15として機能する。
【0024】
記憶部16は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、又はEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等から選択されるデバイスで構成される。記憶部16は、作業者の認証に係る情報を予め記憶している。記憶部16は、空間5を作業に応じた作業環境に制御するための情報を記憶している。例えば、記憶部16は、空間5を作業に応じた作業環境に制御するための情報として、空間5に設けられた機器30について作業時(清掃時)での設定に関する作業用設定情報を記憶している。作業用設定情報は、作業時での照明機器31の色温度、作業時での空調機器32の風量、作業時での換気機器33の換気の程度を含む。例えば、作業時での照明機器31の色温度は昼白色である。換気機器33に対して換気の程度は“強”である。
【0025】
制御部17は、図1に示すように、認証部171、第1取得部172(作業情報取得部)、第2取得部173(環境情報取得部)、及び表示処理部174を有する。さらに、制御部17は、第1検知部175(退室検知部)、第2検知部176(作業完了検知部)、接続判定部177、送信処理部178及び環境制御部179を有する。
【0026】
認証部171は、施設の空間で作業を行う作業者を認証する。認証部171は、認証用装置20から第1通信部11を介して作業者の認証に用いる認証情報(例えば、作業者の識別子)を取得する。認証部171は、取得した認証情報が記憶部16に予め登録されている場合に作業者の認証が成功したと判定する。認証部171は、取得した認証情報が記憶部16に予め登録されていない場合に作業者の認証は失敗したと判定する。
【0027】
認証部171は、認証用装置20との通信において、用途情報を取得する。認証部171は、用途情報が、認証用装置20が作業者によって用いられる装置であることを表すか、認証用装置20が利用者によって用いられる装置であることを表すか、を判別する。認証部171は、認証用装置20が作業者によって用いられる装置であることを用途情報が表すと判別した場合に、施設の空間で作業を行う作業者の認証を行う。
【0028】
第1取得部172は、作業情報をサーバ60(外部装置)から取得する。ここで、作業情報は、作業に関する作業項目を含む。すなわち、本実施形態では、作業情報は、清掃に関する清掃項目を含む。なお、本実施形態では、空間5における作業を行う領域は複数の作業領域に区切られている。例えば、図2に示すように、空間5における作業を行う領域は、ベッドの周辺の作業領域5a、机の周辺の作業領域5b、クローゼット内の作業領域5c、浴室内の作業領域5d、及びその他床等の作業領域5eを含む。清掃項目は、作業領域5a~5eのいずれかにグループ化されている。
【0029】
第2取得部173は、作業者による作業に応じた作業環境としての第1環境とは異なる第2環境を表す環境情報をサーバ60(外部装置)から取得する。ここで、例えば、第2環境とは、利用者(宿泊者)が空間5を利用する環境である。環境情報は、空間5に設けられた1つ以上の機器30のそれぞれに対する制御情報を含む。照明機器31に対する制御情報は、照明機器31の照度を含む。空調機器32の制御情報は、設定温度、風量及び風向を含む。換気機器33の制御情報は、換気の程度を含む。
【0030】
表示処理部174は、認証部171で作業者の認証が成功すると、作業に関する作業情報を表示部14に表示する。表示処理部174は、清掃に関する清掃項目を作業情報として表示する。具体的には、表示処理部174は、複数の作業領域5a~5eのそれぞれについて、当該作業領域における清掃項目を表示部14に表示する。言い換えると、表示処理部174は、作業領域ごとにグループ化された清掃項目を表示部14に表示する。例えば、表示処理部174は、図3に示すように、作業領域ごとにグループ化された清掃項目を含む清掃リスト画面G10を表示部14に表示する。清掃リスト画面G10は、作業領域ごとにグループ化された清掃項目を含む。清掃項目は1画面で表示できない場合には、清掃リスト画面G10には、スクロールバーG11が表示される。作業者がスクロールバーG11を操作することで、表示処理部174は、清掃リスト画面G10で表示されていない清掃項目を表示部14に表示する。また、清掃リスト画面G10では、清掃項目にそれぞれ一対一に対応付けられたチェックボックスG12が表示される。作業が完了した清掃項目を作業者がタップすると、表示処理部174は、対応するチェックボックスG12の表示態様を変更して表示部14に表示する。例えば、図3では、ベッドの枕カバー交換に対応するチェックボックスの表示態様が変更されており、表示態様が変更されたチェックボックスは、ベッドの枕カバー交換が完了していることを表している。
【0031】
さらに、表示処理部174は、清掃リスト画面G10の他、完了ボタンB10を表示部14に表示する。完了ボタンB10は、作業(清掃)が完了した際に作業者によって操作される。
【0032】
表示処理部174は、利用者が最初に空間5に入室する際に、ウェルカムメッセージを表示部14に表示する。例えば、表示処理部174は、図4に示すように、ウェルカムメッセージ画面G20を表示部14に表示する。ウェルカムメッセージ画面G20では、利用者に応じた言語でウェルカムメッセージが表示される。表示処理部174は、利用者に関する利用者情報をサーバ60から取得する。ここで、利用者情報は、少なくとも利用者の母国語を含む。表示処理部174は、利用者情報に含まれる利用者の母国語に応じたウェルカムメッセージを取得し、表示部14に表示する。ここで、言語ごとに対応付けられたウェルカムメッセージを記憶部16が予め記憶してもよいし、サーバ60が記憶してもよい。表示処理部174は、ウェルカムメッセージを表示した後、所定時間が経過すると、ウェルカムメッセージの表示を終了する。
【0033】
表示処理部174は、利用者が空間5の利用を終了する際に、すなわちチェックアウトを行う際に、忘れ物がある場合には忘れ物に関するメッセージを表示部14に表示する。具体的には、表示処理部174は、チェックアウトの際に、接続判定部177がコンセント50に電気機器が接続されていることを検知すると、忘れ物に関するメッセージを表示部14に表示する。例えば、表示処理部174は、図5に示すように、忘れ物メッセージ画面G30を表示部14に表示する。忘れ物メッセージ画面G30では、利用者に応じた言語で忘れ物の確認を促すメッセージ(忘れ物確認メッセージ)が表示される。表示処理部174は、利用者に関する利用者情報をサーバ60から取得する。表示処理部174は、利用者情報に含まれる利用者の母国語に応じた忘れ物確認メッセージを取得し、表示部14に表示する。ここで、言語ごとに対応付けられた忘れ物確認メッセージを記憶部16が予め記憶してもよいし、サーバ60が記憶してもよい。表示処理部174は、忘れ物メッセージ画面G30の他、確認ボタンB30を表示部14に表示する。確認ボタンB30は、例えば、忘れ物の確認後、忘れ物メッセージ画面G30の表示を終了する際に操作される。
【0034】
表示処理部174は、図6に示すように、操作装置10が制御可能な空間5の機器30及び空間5に設けられた設備に対して動作設定を行う設定画面G40を表示部14に表示する。空間5に設けられた設備は、例えば、スピーカ及びカーテンを含む。表示処理部174は、利用者が初めて空間(客室)に入室した場合であって、ウェルカムメッセージの表示が終了した後、設定画面G40を表示部14に表示する。設定画面G40では、利用者に応じた言語で機器30及び設備の設定を促すメッセージG41が表示される。さらに、設定画面G40では、設定対象の機器及び設備を表すアイコンと、アイコンに対する設定対象の現在の動作状況を表す情報とを含む画像が表示される。図6では、画像G42~G45が表示される。画像G42は、BGMを出力するスピーカを表すアイコンであり、現在、音楽の出力を停止している状況を表している。画像G43は、照明機器31を表すアイコンであり、現在、照明機器31はオフである状況を表している。画像G44は、カーテンを表すアイコンであり、現在、カーテンは閉じた状況を表している。画像G45は、空調機器32を表すアイコンであり、現在、空調機器32はオフである状況を表している。利用者は、機器30及び設備の設定を変更する際には、画像G42~G45のうち設定を変更する機器30及び設備のアイコンを含む画像をタップする。スピーカ、照明機器31及び空調機器32の設定が変更される場合には詳細な設定を行うために、表示処理部174は、設定画面G40から詳細設定画面に遷移して表示部14に表示する。例えば、スピーカの設定が変更される場合には、表示処理部174は、スピーカから出力される音量の設定を行う詳細設定画面に遷移して表示部14に表示する。照明機器31の設定が変更される場合には、表示処理部174は、照明機器31の照度、色温度の設定を行う詳細設定画面に遷移して表示部14に表示する。空調機器32の設定が変更される場合には、表示処理部174は、空調機器32の設定温度、風量及び風向の設定を行う詳細設定画面に遷移して表示部14に表示する。
【0035】
第1検知部175は、空間5における人の入退を検知する。第1検知部175は、認証部171による用途情報が表す内容の判別結果に基づいて、空間5における人の入退を検知する。
【0036】
第1検知部175は、認証用装置20が作業者によって用いられる装置であることを用途情報が表すと認証部171が判別した場合に、作業者の入室を検知する。第1検知部175は、認証用装置20が利用者によって用いられる装置であることを用途情報が表すと認証部171が判別した場合に、利用者の入室を検知する。
【0037】
第1検知部175は、作業時において、作業者の空間5からの退室を検知する。具体的には、第1検知部175は、表示部14で表示される完了ボタンB10に対する操作を入力部15が受け付けた後に空間5に設けられたドアの鍵の状態が、解錠状態から施錠状態へと変更された場合に、作業者の空間5からの退室を検知する。
【0038】
第2検知部176は、作業(清掃)の完了を検知する。具体的には、第2検知部176は、表示部14で清掃リスト画面G10及び完了ボタンB10が表示されている場合に、入力部15が完了ボタンB10に対する操作を受け付けると、作業(清掃)が完了したことを検知する。
【0039】
接続判定部177は、入力部15がチェックアウトに係る操作を受け付けると、センサ40の検知結果を基に、コンセント50に電気機器が接続されているか否かを判定する。接続判定部177は、コンセント50から電流が出力されていることをセンサ40が検知すると、コンセント50に電気機器が接続されていると判定する。接続判定部177がコンセント50に電気機器が接続されていると判定した場合、上述したように、表示処理部174は、忘れ物メッセージ画面G30を表示部14に表示する。
【0040】
送信処理部178は、第2検知部176が作業の完了を検知した場合、作業が完了した旨の完了情報をサーバ60(外部装置)に送信する。完了情報は、清掃情報を含む。清掃情報は、複数の清掃項目と、対応する複数のチェックボックスで表される作業の状態(完了、未完了)とを対応付けた情報を含む。さらに、操作装置10は作業者を認証してから作業が完了するまでの時間を計時する。清掃情報は、計時した時間(作業時間)を含む。
【0041】
環境制御部179は、認証部171で作業者の認証が成功すると、空間5を作業に応じた作業環境に制御する。環境制御部179は、認証部171で作業者の認証が成功すると、空間5を作業に応じた作業環境となるように、空間5に設けられた複数の機器30のうち少なくとも1つの機器を制御する。本実施形態では、環境制御部179は、認証部171で作業者の認証が成功すると、空間5を作業に応じた作業環境となるように、照明機器31、空調機器32及び換気機器33を制御する。より詳細には、環境制御部179は、認証部171で作業者の認証が成功すると、機器30に対する制御モードを作業用の制御モード(第1制御モード)とする。環境制御部179は、制御モードを第1制御モードとした後、記憶部16で記憶されている作業用設定情報に基づいて、空間5を作業に応じた作業環境となるように、照明機器31に対して昼白色となるように、空調機器32に対して作業に適した風量となるように、換気機器33に対して換気の程度が“強”となるように、それぞれ制御する。
【0042】
環境制御部179は、第1検知部175が作業者の退室を検知すると、作業者による作業に応じた作業環境としての第1環境とは異なる第2環境となるよう空間を制御する。例えば、環境制御部179は、第2取得部173が取得した環境情報で表される第2環境に空間を制御する。より詳細には、環境制御部179は、第2取得部173が取得した環境情報で表される第2環境となるように、空間5に設けられた複数の機器30のうち少なくとも1つの機器を制御する。本実施形態では、環境制御部179は、制御モードを第2環境用の制御モード(第2制御モード)とする。環境制御部179は、制御モードを第2制御モードとした後、空間5が第2環境となるように、照明機器31、空調機器32及び換気機器33を制御する。
【0043】
(2.2)サーバ
サーバ60は、例えばプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを有している。そして、プロセッサがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、コンピュータシステムがサーバ60の機能を実現する。プロセッサが実行するプログラムは、ここではコンピュータシステムのメモリに予め記録されているが、メモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて提供されてもよい。
【0044】
サーバ60は、ネットワークNT1を介して、操作装置10と通信可能に構成されている。
【0045】
サーバ60は、操作装置10へ送信する情報を記憶している。操作装置10へ送信する情報は、例えば作業情報、環境情報、利用者情報である。サーバ60は、施設(ここでは、ホテル)のロビーのカウンタに設けられた装置から、チェックインを行った利用者(宿泊者)の利用者の氏名、利用者の母国語、利用期間(宿泊期間)を含む情報を利用者情報としてネットワークNT1を介して取得する。サーバ60は、取得した利用者情報を記憶する。
【0046】
サーバ60は、操作装置10からネットワークNT1を介して取得した情報を記憶する。操作装置10から取得した情報は、例えば、完了情報に含まれる清掃情報である。すなわち、サーバ60は、清掃情報を記憶することで、作業に関する履歴を管理することができる。サーバ60は、清掃情報を記憶することで、空間5の作業を管理することができる。例えば、清掃情報は、複数の清掃項目と、対応する複数のチェックボックスで表される作業の状態(完了、未完了)とを対応付けた情報を含む。そのため、サーバ60は、作業に漏れが発生していないか否かを管理することができる。また、清掃情報は、作業時間を含むので、作業者の業務推進度を管理することができる。
【0047】
(3)動作
ここでは、操作装置10の動作について、図7図9を用いて説明する。
【0048】
(3.1)動作1
空間5における作業時(清掃時)の操作装置10の動作について、図7を用いて説明する。なお、ここでは、認証部171は、認証用装置20が作業者によって用いられる装置であることを用途情報が表すと判別している。
【0049】
認証部171は、認証用装置20から認証情報(例えば、作業者の識別子)を取得する(ステップS1)。
【0050】
認証部171は、施設の空間で作業を行う作業者を認証し、認証が成功したか否かを判定する(ステップS2)。
【0051】
認証部171が認証に失敗したと判定する場合(ステップS2における「No」)、処理は、ステップS1に戻る。
【0052】
認証部171が認証に成功したと判定する場合(ステップS2における「Yes」)、環境制御部179は、モード切替を行う(ステップS3)。具体的には、環境制御部179は、機器30に対する制御モードを第1制御モードに変更する。
【0053】
環境制御部179は、第1制御処理を行う(ステップS4)。環境制御部179は、空間5を作業に応じた作業環境となるように、空間5に設けられた複数の機器30のうち少なくとも1つの機器を制御する。より詳細には、環境制御部179は、制御モードを第1制御モードとした後、記憶部16で記憶されている作業用設定情報に基づいて、空間5を作業に応じた作業環境となるように、照明機器31、空調機器32及び換気機器33のそれぞれを制御する。
【0054】
第1取得部172は、作業項目を取得する(ステップS5)。第1取得部172は、作業項目(清掃項目)を含む作業情報をサーバ60から取得する。
【0055】
表示処理部174は、表示処理を行う(ステップS6)。すなわち、表示処理部174は、認証部171で作業者の認証が成功すると、作業情報を表示部14に表示する。より詳細には、表示処理部174は、清掃リスト画面G10を表示部14に表示する。
【0056】
入力部15は、作業が完了した作業項目(清掃項目)に対する操作の受付処理を行う(ステップS7)。入力部15が作業項目(清掃項目)を作業者がタップすると、表示処理部174は、対応するチェックボックスG12の表示態様を変更して表示部14に表示する。
【0057】
第2検知部176は、作業(清掃)が完了したか否かを検知する(ステップS8)。具体的には、第2検知部176は、入力部15が完了ボタンB10に対する操作を受け付けた場合に、作業(清掃)が完了したことを検知する。
【0058】
第2検知部176が作業完了を検知していない場合(ステップS8における「No」)、すなわち入力部15が完了ボタンB10に対する操作を受け付けていない場合、処理は、ステップS7に戻る。
【0059】
第2検知部176が作業完了を検知した場合(ステップS8における「Yes」)、すなわち入力部15が完了ボタンB10に対する操作を受け付けた場合、送信処理部178は、送信処理を行う(ステップS9)。送信処理部178は、完了情報をサーバ60に送信する。
【0060】
第1検知部175は、作業時において、作業者が空間5から退室したか否かを検知する(ステップS10)。具体的には、第1検知部175は、表示部14で表示される完了ボタンB10に対する操作を入力部15が受け付けた後に空間5の設けられたドアの鍵の状態が、解錠状態から施錠状態へと変更された場合に、作業者の空間5からの退室を検知する。
【0061】
環境制御部179は、第1検知部175が作業者の退室を検知していない場合(ステップS10における「No」)、処理は、ステップS10を繰り返す。
【0062】
環境制御部179は、第1検知部175が作業者の退室を検知すると、モード切替を行う(ステップS11)。環境制御部179は、制御モードを第2制御モードとする。
【0063】
環境制御部179は、第2制御処理を行う(ステップS12)。環境制御部179は、空間5が第2環境となるよう空間5を制御する。環境制御部179は、空間5が第2環境となるように、照明機器31、空調機器32及び換気機器33を制御する。
【0064】
(3.2)動作2
ウェルカムメッセージの表示に係る操作装置10の動作について、図8を用いて説明する。
【0065】
第1検知部175は、利用者が入室したか否かを検知する(ステップS101)。第1検知部175は、認証用装置20が利用者によって用いられる装置であることを用途情報が表すと認証部171が判別した場合に、利用者の入室を検知する。
【0066】
表示処理部174は、利用者の入室が最初であるか否かを判断する(ステップS102)。表示処理部174は、制御モードが第1制御モードから第2制御モードへと切り替わった後、第1検知部175が初めて利用者の入室を検知した場合に、利用者の入室が最初であると判断する。
【0067】
利用者の入室が最初でないと表示処理部174が判断した場合(ステップS102における「No」)、処理は終了する。
【0068】
利用者の入室が最初であると判断した場合(ステップS102における「Yes」)、表示処理部174は、ウェルカムメッセージ画面G20を表示部14に表示する(ステップS103)。具体的には、表示処理部174は、利用者に関する利用者情報をサーバ60から取得する。表示処理部174は、取得した利用者情報に含まれる利用者の母国語に応じたウェルカムメッセージを取得し、表示部14に表示する。
【0069】
表示処理部174は、ウェルカムメッセージを表示した後、所定時間が経過したか否かを判断する(ステップS104)。
【0070】
所定時間が経過していないと判断する場合(ステップS104における「No」)、表示処理部174は、ウェルカムメッセージの表示を継続する。
【0071】
所定時間が経過したと判断する場合(ステップS104における「Yes」)、表示処理部174は、ウェルカムメッセージの表示を終了する(ステップS105)。
【0072】
(3.3)動作3
忘れ物に関するメッセージの表示に係る操作装置10の動作について、図9を用いて説明する。
【0073】
接続判定部177は、入力部15がチェックアウトに係る操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS201)。
【0074】
入力部15がチェックアウトに係る操作を受け付けていないと接続判定部177が判定する場合(ステップS201における「No」)、処理はステップS201を繰り返す。
【0075】
入力部15がチェックアウトに係る操作を受け付けたと判定する場合(ステップS201における「Yes」)、接続判定部177は、センサ40の検知結果を基に、コンセント50に電気機器が接続されているか否かを判定する(ステップS202)。
【0076】
コンセント50に電気機器が接続されていないと接続判定部177が判定する場合(ステップS202における「No」)、処理は終了する。
【0077】
コンセント50に電気機器が接続されていると接続判定部177が判定する場合(ステップS202における「Yes」)、表示処理部174は、忘れ物に関するメッセージを表示部14に表示する。具体的には、表示処理部174は、忘れ物メッセージ画面G30を表示部14に表示する。
【0078】
(4)効果
以上説明したように、本実施形態に係る操作システム1は、認証部171と、表示処理部174と、環境制御部179と、を備える。認証部171は、施設の空間5で作業を行う作業者を認証する。表示処理部174は、認証部171で作業者の認証が成功すると、作業に関する作業情報を表示部14に表示する。環境制御部179は、認証部171で作業者の認証が成功すると、空間5を作業に応じた作業環境に制御する。
【0079】
この構成によると、認証が成功すると、空間5を作業に応じた作業環境に制御するので、作業を適切に行うことが可能な環境に作業者が設定する必要がない。したがって、作業を適切に行うことが可能な環境の設定を簡易に行うことができる。
【0080】
また、作業情報を表示するので、作業忘れが発生する可能性を低くすることができる。さらに、作業情報を表示することで、作業の均一化、効率化を図ることができる。
【0081】
本実施形態に係る操作システム1は、利用者に応じた言語でウェルカムメッセージを表示部14に表示する。従来の操作装置(比較例の配線器具)は、空間に設けられた機器の制御が可能であるが、利用者に安心感を与えることができない。本実施形態の操作システム1は、利用者に応じた言語でウェルカムメッセージを表示するので、安心感を与えることができる。
【0082】
本実施形態の操作システム1は、チェックアウト時に忘れ物がある場合には忘れ物に関するメッセージを表示部14に表示する。これにより、利用者の忘れ物が発生する可能性を低くすることができる。
【0083】
本実施形態の操作システム1は、利用者に応じた言語で機器30及び設備の設定を促すメッセージG41を表示する。これにより、利用者は、スムーズに機器30及び設備の設定を行うことができる。
【0084】
(5)変形例
以下に、変形例を列記する。なお、以下に説明する変形例は、上記実施形態と適宜組み合わせて適用可能である。
【0085】
(5.1)変形例1
上記実施形態では、操作装置10の表示処理部174は、ウェルカムメッセージの表示においは所定時間が経過すると、ウェルカムメッセージの表示を終了する構成としているが、この構成に限定されない。
【0086】
表示処理部174は、ウェルカムメッセージの表示中に操作装置10に対する操作を受け付けた場合には、ウェルカムメッセージの表示を終了してもよい。
【0087】
(5.2)変形例2
人の入退の検知に人感センサを用いてもよい。人感センサは、空間の出入り口(ドア)の付近に設けて人の入室及び退出を検知する。
【0088】
操作装置10の第1検知部175は、人感センサが人の入室を検知した場合には、人感センサの検知結果と認証部171の判別結果とに基づいて、作業者の入室及び利用者の入室を検知する。
【0089】
操作装置10の第1検知部175は、作業時において完了ボタンB10に対する操作が受け付けられ、かつ人感センサが人の退室を検知した場合に、作業者の退室を検知する。
【0090】
(5.3)変形例3
第1取得部172は、空間5の利用者に応じた作業情報をサーバ60(外部装置)から取得してもよい。
【0091】
例えば、サーバ60は、利用者が過去に施設を利用した際に、施設関係者が受けた要望、及び利用した空間での備品の利用状況を、履歴として記憶する。サーバ60は、利用者の履歴を基に、利用者に適した作業情報を生成する。例えば、利用者が、過去の利用時に毛布の追加を要望した場合には、作業情報に含まれる作業項目に、毛布の追加する作業項目を加える。これにより、サーバ60は、利用者に応じた作業情報を生成することができる。すなわち、操作装置10の第1取得部172は、空間5の利用者に応じた作業情報を取得することができる。
【0092】
(5.4)変形例4
第2取得部173は、空間5の利用者に応じた環境情報をサーバ60(外部装置)から取得してもよい。
【0093】
例えば、サーバ60は、利用者が過去に施設を利用した際に、空間の機器30の設定に係る操作履歴を記憶する。サーバ60は、利用者の操作履歴を基に、利用者に適した環境情報を生成する。例えば、利用者が、過去の利用時に照明機器31の色温度をオレンジ(電球色)に、空調機器32の設定温度を通常よりも高めに、風量を“弱”に、それぞれ設定した場合、これらの設定内容を含む環境情報を生成する。これにより、第2取得部173は、利用者が利用する当日での作業(清掃)が終了した後、空間5の利用者に応じた環境情報を取得することができる。
【0094】
(5.5)変形例5
実施形態では、表示処理部174が表示部14で清掃リスト画面G10として表示する作業項目(清掃項目)は、作業領域ごとにグループ化されている構成としているが、この構成に限定されない。
【0095】
表示処理部174は、作業項目(清掃項目)を作業領域ごとにグループ化することなく、全ての作業項目を、清掃リスト画面G10として表示部14に表示してもよい。
【0096】
(5.6)変形例6
上記実施形態では、操作装置10は、サーバ60から作業情報を取得する構成としているが、この構成に限定されない。操作装置10は、作業情報を予め記憶しておいてもよい。
【0097】
(5.7)変形例7
操作装置10は、表示部14における背景色(壁紙)を、利用者に応じて変更してもよい。
【0098】
例えば、操作装置10は、利用者の出身地(母国)をイメージする壁紙に変更してもよい。または、操作装置10は、利用者が過去に施設を利用した際における壁紙の変更に係る操作履歴を基に、利用者が好む壁紙に変更してもよい。
【0099】
(5.8)変形例8
実施形態では、認証用装置20の一例としてICカードを用いて説明した。しかしながら、認証用装置20はICカードに限定されない。
【0100】
認証用装置20は、スマートフォン、タブレット端末、ビーコンを発振する発振器、スマートウォッチ等、操作装置10と通信が可能な装置であればよい。
【0101】
(5.9)変形例9
操作装置10は、利用者に関する情報を表示してもよいし、ニュースを表示してもよい。例えば、認証用装置20がスマートフォン及びスマートウォッチである場合には、認証用装置20が計測した利用者の歩数を利用者に関する情報として表示する。
【0102】
なお、利用者に関する情報及びニュースを表示する場合、操作装置10(の表示処理部174)は、利用者の母国語で表示することが好ましい。
【0103】
(5.10)変形例10
実施形態では、作業の一例として空間5の清掃を用いて説明した。しかしながら、作業は空間5の清掃に限定されない。作業は、空間5に設けられた機器30及び設備の点検であってもよい。
【0104】
(その他の変形例)
上記実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、操作システム1と同様の機能は、制御方法、コンピュータプログラム、又はプログラムを記録した非一時的な記録媒体等で具現化されてもよい。一態様に係る制御方法は、操作システムに用いられる。制御方法は、認証ステップと、表示処理ステップと、環境制御ステップと、を含む。認証ステップは、施設の空間5で作業を行う作業者を認証する。表示処理ステップは、認証ステップで作業者の認証が成功すると、作業に関する作業情報を表示部14に表示する。環境制御ステップは、認証部171で作業者の認証が成功すると、空間5を作業に応じた作業環境に制御する。一態様に係るプログラムは、1つ以上のプロセッサ(コンピュータシステム)に、上述した制御方法を実行させるためのプログラムである。
【0105】
本開示における操作システム1は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における操作システム1としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
【0106】
また、操作システム1における複数の機能が、1つの筐体内に集約されていることは操作システム1に必須の構成ではなく、操作システム1の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。さらに、操作システム1の少なくとも一部の機能、例えば、操作装置10の一部の機能がクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
【0107】
(6)まとめ
以上説明した実施形態等から本明細書には以下の態様が開示されている。
【0108】
第1の態様の操作システム(1)は、認証部(171)と、表示処理部(174)と、環境制御部(179)と、を備える。認証部(171)は、施設の空間(5)で作業を行う作業者を認証する。表示処理部(174)は、認証部(171)で作業者の認証が成功すると、作業に関する作業情報を表示部(14)に表示する。環境制御部(179)は、認証部(171)で作業者の認証が成功すると、空間(5)を作業に応じた作業環境に制御する。
【0109】
この態様によると、認証が成功すると、空間(5)を作業に応じた作業環境に制御するので、作業を適切に行うことが可能な環境に作業者が設定する必要がない。したがって、作業を適切に行うことが可能な環境の設定を簡易に行うことができる。
【0110】
第2の態様の操作システム(1)は、第1の態様において、作業情報取得部(第1取得部172)を更に備える。作業情報取得部は、空間(5)の利用者に応じた作業情報を外部装置(サーバ60)から取得する。
【0111】
この態様によると、空間(5)の利用者に応じた作業情報を基に、作業を行うことができる。
【0112】
第3の態様の操作システム(1)は、第1又は第2の態様において、退室検知部(第1検知部175)を更に備える。退室検知部は、作業者の空間(5)からの退室を検知する。環境制御部(179)は、退室検知部が作業者の退室を検知すると、作業者による作業に応じた作業環境としての第1環境とは異なる第2環境となるよう空間(5)を制御する。
【0113】
この態様によると、作業者が空間(5)から退室すると、作業に応じた環境とは異なる環境となるよう空間(5)を制御することができる。
【0114】
第4の態様の操作システム(1)は、第3の態様において、環境情報取得部(第2取得部173)を更に備える。環境情報取得部は、空間(5)の利用者に応じた第2環境を表す環境情報を外部装置から取得する。環境制御部(179)は、環境情報取得部が取得した環境情報で表される第2環境となるように空間を制御する。
【0115】
この態様によると、作業者が空間(5)から退室すると、利用者に応じた環境となるよう空間(5)を制御することができる。
【0116】
第5の態様の操作システム(1)では、第1~第4のいずれかの態様において、作業は空間(5)での清掃である。表示処理部(174)は、清掃に関する清掃項目を作業情報として表示部(14)に表示する。
【0117】
この態様によると、清掃項目を表示するので、清掃作業の漏れが発生する可能性を低くすることができる。さらに、作業情報を表示することで、作業の均一化、効率化を図ることができる。
【0118】
第6の態様の操作システム(1)では、第5の態様において、空間(5)における作業を行う領域は複数の作業領域(5a~5e)に区切られている。表示処理部(174)は、複数の作業領域(5a~5e)のそれぞれについて、当該作業領域における清掃項目を表示部(14)に表示する。
【0119】
この態様によると、作業領域ごとに清掃項目を表示するので、作業領域ごとに、清掃作業の漏れが発生する可能性を低くすることができる。さらに、作業領域ごとに、作業の均一化、効率化を図ることができる。空間(5)における作業の均一化、効率化を図ることができる。
【0120】
第7の態様の操作システム(1)では、第5の態様において、表示処理部(174)は、空間(5)におけるすべての清掃項目を作業情報として表示部(14)に表示する。
【0121】
この態様によると、すべての清掃項目を表示するので、清掃作業の漏れが発生する可能性を低くすることができる。
【0122】
第8の態様の操作システム(1)は、第1~第7のいずれかの態様において、作業完了検知部(第2検知部176)と、送信処理部(178)と、を更に備える。作業完了検知部は、作業の完了を検知する。送信処理部(178)は、作業完了検知部が作業の完了を検知した場合、作業が完了した旨の完了情報を外部装置に送信する。
【0123】
この態様によると、空間(5)での作業を外部装置で管理することができる。
【0124】
第9の態様の操作システム(1)では、第1~第8のいずれかの態様において、環境制御部(179)は、空間(5)を作業に応じた作業環境となるように、空間(5)に設けられた複数の機器(30)のうち少なくとも1つの機器(30)を制御する。
【0125】
この態様によると、空何(5)に設けられた複数の機器(30)のうち少なくとも1つの機器(30)を制御することで、空間(5)を作業に応じた作業環境となるように空間(5)を制御することができる。
【0126】
第10の態様の操作システム(1)では、第9の態様において、複数の機器(30)は、照明機器(31)、空調機器(32)及び換気機器(33)を含む。環境制御部(179)は、空間(5)を作業に応じた作業環境となるように、照明機器(31)、空調機器(32)及び換気機器(33)を制御する。
【0127】
この態様によると、照明機器(31)、空調機器(32)及び換気機器(33)を制御することで、空間(5)を作業に応じた作業環境となるように空間(5)を制御することができる。
【0128】
第11の態様の制御方法は、操作システム(1)に用いられる。制御方法は、認証ステップと、表示処理ステップと、環境制御ステップと、を含む。認証ステップは、施設の空間(5)で作業を行う作業者を認証する。表示処理ステップは、認証ステップで作業者の認証が成功すると、作業に関する作業情報を表示部(14)に表示する。環境制御ステップは、認証ステップで作業者の認証が成功すると、空間(5)を作業に応じた作業環境に制御する。
【0129】
この態様によると、作業を適切に行うことが可能な環境の設定を簡易に行うことができる。
【0130】
第12の態様のプログラムは、第11の態様の制御方法を、1つ以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
【0131】
この態様によると、作業を適切に行うことが可能な環境の設定を簡易に行うことができる。
【符号の説明】
【0132】
1 操作システム
5 空間
5a,5b,5c,5d,5e 作業領域
10 操作装置
14 表示部
30 機器
31 照明機器
32 空調機器
33 換気機器
60 サーバ(外部装置)
171 認証部
172 第1取得部(作業情報取得部)
173 第2取得部(環境情報取得部)
174 表示処理部
175 第1検知部(退室検知部)
176 第2検知部(作業完了検知部)
178 送信処理部
179 環境制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9