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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023151585
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】建設機械の作業支援システム
(51)【国際特許分類】
   E02F 3/43 20060101AFI20231005BHJP
   E02F 9/22 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
E02F3/43 A
E02F9/22 C
E02F9/22 A
E02F9/22 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022061275
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000002107
【氏名又は名称】住友重機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】中森 啓太
【テーマコード(参考)】
2D003
【Fターム(参考)】
2D003AA01
2D003AB01
2D003AB02
2D003AB03
2D003AB04
2D003BA07
2D003BB11
2D003CA02
2D003DA02
2D003DB05
2D003FA02
(57)【要約】
【課題】自由かつ簡便に仮想壁を設定することを目的とする。
【解決手段】建設機械と、管理装置と、支援装置とを含む建設機械の作業支援システムであって、前記管理装置は、前記支援装置において取得された、空間中の点の軌跡情報に基づき特定された面を、仮想壁として前記建設機械に設定させる設定指示部を有する、建設機械の作業支援システムである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建設機械と、管理装置と、支援装置とを含む建設機械の作業支援システムであって、
前記管理装置は、
前記支援装置において取得された、空間中の点の軌跡情報に基づき特定された面を、仮想壁として前記建設機械に設定させる設定指示部を有する、建設機械の作業支援システム。
【請求項2】
建設機械と、支援装置とを含む建設機械の作業支援システムであって、
前記支援装置は、
空間中の点の軌跡情報を取得し、前記軌跡情報に基づき特定された面を仮想壁として前記建設機械に設定させる設定指示部を有する、建設機械の作業支援システム。
【請求項3】
前記建設機械は、
前記仮想壁と前記建設機械との位置関係に基づいて、前記建設機械の動きを制限する動作制御部を有する、請求項1又は2記載の建設機械の作業支援システム。
【請求項4】
前記支援装置は、
特定された前記面の画像を、前記仮想壁の画像として表示させる、請求項3記載の建設機械の作業支援システム。
【請求項5】
前記支援装置は、
前記軌跡情報から推定された、複数パターンの形状の前記仮想壁の画像を表示させる、請求項3又は4記載の建設機械の作業支援システム。
【請求項6】
前記仮想壁は、複数の前記面を含む、請求項5記載の建設機械の作業支援システム。
【請求項7】
前記支援装置は、
前記仮想壁の画像が表示された後に、前記仮想壁の位置を変更する操作を受け付けて、前記仮想壁の画像の位置を変更させる、請求項4乃至6の何れか一項記載の建設機械の作業支援システム。
【請求項8】
前記建設機械は、
撮像装置を有し、前記撮像装置により撮像された画像と、設定された前記仮想壁の画像とを重畳して表示装置に表示させる、請求項3乃至7の何れか一項に記載の建設機械の作業支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設機械の作業支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来では、ショベル等の掘削機の作業範囲を区切る仮想的な壁である仮想壁を設定し、仮想壁の外側にある物体とショベルとの接触を防止する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開2019/189030号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の技術では、仮想壁を設定するために、ショベルの作業範囲にロードコーン等の目印を設置する必要があり、自由かつ簡便に仮想壁を設定することができない。
【0005】
そこで、上記課題に鑑み、自由かつ簡便に仮想壁を設定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態に係る建設機械の作業支援システムは、建設機械と、管理装置と、支援装置とを含む建設機械の作業支援システムであって、前記管理装置は、前記支援装置において取得された、空間中の点の軌跡情報に基づき特定された面を、仮想壁として前記建設機械に設定させる設定指示部を有する、建設機械の作業支援システムである。
【0007】
本発明の実施形態に係る建設機械の作業支援システムは、建設機械と、支援装置とを含む建設機械の作業支援システムであって、前記支援装置は、空間中の点の軌跡情報を取得し、前記軌跡情報に基づき特定された面を仮想壁として前記建設機械に設定させる設定指示部を有する、建設機械の作業支援システムである。
【発明の効果】
【0008】
自由かつ簡便に仮想壁を設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】建設機械の作業支援システムのシステム構成の一例を示す図である。
図2】ショベルに搭載される油圧システムの構成例を示す図である。
図3】管理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図4】作業支援システムの有する各装置の機能構成を説明する図である。
図5】仮想壁の設定の仕方を説明する図である。
図6】作業支援システムの動作を説明するシーケンス図である。
図7】支援装置の画面遷移を説明する第一の図である。
図8】支援装置の画面遷移を説明する第二の図である。
図9】支援装置の画面遷移を説明する第三の図である。
図10】ショベルの表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、図面を参照して、本実施形態の建設機械の作業支援システムについて説明する。図1は、建設機械の作業支援システムのシステム構成の一例を示す図である。本実施形態では、ショベル100を建設機械の一例として説明する。

本実施形態の建設機械の作業支援システムSYSは、ショベル100と、管理装置200と、支援装置300とを含む。以下の説明では、建設機械の作業支援システムSYSを、単に作業支援システムSYSと表現する。
【0011】
本実施形態の作業支援システムSYSにおいて、ショベル100と、管理装置200と、支援装置300とは、ネットワーク等を介して接続される。
【0012】
本実施形態のショベル100は、自機の稼働状況を示す稼働情報を取得し、管理装置200に送信し、管理装置200から各種の情報を受信する。
【0013】
ショベル100の稼働情報とは、具体的には、自機の現在位置を示す位置情報、自機の向きを示す向き情報、自機の姿勢を示す姿勢情報、作業内容を示す作業内容情報、負荷率を記す負荷率情報、稼働時間の累積時間を示す累積時間情報、燃料噴射量を含む燃料情報、CO排出量、作業量等を含む。
【0014】
また、本実施形態のショベル100は、支援装置300を用いて設定された仮想壁に自機が接触しないように、動作を制御する。本実施形態の仮想壁とは、ショベル100の作業範囲を区切る仮想的な壁である。言い換えれば、仮想壁とは、ショベル100が跨ぐことが禁止された面である。
【0015】
本実施形態のショベル100は、支援装置300を用いて仮想壁が設定されると、仮想壁の位置にあたかも実際の壁が存在するかのように周囲の環境を認識し、ショベル100がその(実在しない)壁に接触しないようにショベル100の動きを制限する。つまり、仮想壁は、仮想壁の先にある物体とショベル100との接触を防止する仮想的な防護壁として機能する。
【0016】
管理装置200は、ショベル100から、稼働情報を受信し、稼働情報に含まれる状態情報が示すショベル100の作業内容毎に、稼働情報を集計する。そして、管理装置200は、ショベル100が作業を休止している状態である期間の内、エンジンが駆動中に各アクチュエータ動作を停止している期間(アイドリング状態の期間)を特定し、特定された期間における燃料に関する情報を、ショベル100の表示装置40に表示させる。
【0017】
ショベル100が作業を休止している状態である期間には、エンジン駆動中に各アクチュエータ動作を停止している期間(アイドリング状態の期間)の他に、エンジンを停止している期間も存在する。
【0018】
上記の如く、ショベル100の各アクチュエータ動作を停止している状態とは、ショベル100の原動機としてのエンジン11がオンとされ、且つ、レバー操作が行われていない状態と、エンジン11がオフとされている状態と、を含む。
【0019】
尚、原動機として、エンジンを用いずに電動モータを利用してもよい。この場合、電動モータへ電力を供給するため蓄電装置も搭載される。蓄電装置は、電力を蓄えるための装置であり、例えば、電気二重層キャパシタ、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池等である。この場合、ショベル100は、インバータを用いて電動モータを制御することで、蓄電装置にて蓄電された電力によりメインポンプ14を回転駆動させる。
【0020】
また、本実施形態の管理装置200は、支援装置300において、仮想壁とされる面が特定されると、特定された面を示す情報を、仮想壁を示す情報として取得する。そして、管理装置200は、仮想壁を示す情報をショベル100に送信し、ショベル100に仮想壁を設定させる。
【0021】
支援装置300は、例えば、ショベル100の作業を支援するための端末装置である。具体的には、本実施形態の支援装置300は、ショベル100の作業を支援する作業者Pに装着される眼鏡型のウェアラブル端末等であり、拡張現実機能を有するAR(Augmented Reality)グラスであってもよい。作業者Pは、ショベル100を操作するオペレータとは別の人物であってもよい。
【0022】
本実施形態では、例えば、支援装置300を装着した作業者Pとは別の作業者が、マーカが配置された器具を所持した状態で移動し、作業者Pがマーカの移動を追跡する。支援装置300は、作業者Pによるマーカの追跡により、マーカによって指定される空間中の任意の点が描く軌跡を取得し、管理装置200に送信する。このとき、支援装置300には、取得した軌跡を示す画像を表示させてもよい。
【0023】
本実施形態の管理装置200は、取得された軌跡に基づき、仮想壁となる面を特定し、ショベル100に対して仮想壁の設定指示を送信する。仮想壁の設定の仕方の詳細は後述する。
【0024】
なお、図1の例では、管理装置200は1台の情報処理装置により実現されるものとしたが、これに限定されない。管理装置200は、複数の情報処理装置により実現されてもよい。言い換えれば、管理装置200により実現される機能は、複数の情報処理装置により実現されてもよい。
【0025】
また、図1の例では、支援装置300は、作業者Pに装着されるARグラスとしたが、これに限定されない。本実施形態の支援装置300は、例えば、スマートフォン等のような、可搬型のタブレット型端末であってもよい。
【0026】
次に、本実施形態のショベル100について説明する。図1では、ショベル100の側面図を示す。
【0027】
ショベル100は、下部走行体1、旋回機構2、上部旋回体3を有する。ショベル100において、下部走行体1には旋回機構2を介して上部旋回体3が旋回可能に搭載されている。上部旋回体3にはブーム4が取り付けられている。ブーム4の先端にはアーム5が取り付けられ、アーム5の先端にはエンドアタッチメントとしてのバケット6が取り付けられている。
【0028】
ブーム4、アーム5、バケット6は、アタッチメントの一例としての掘削アタッチメントを構成している。そして、ブーム4は、ブームシリンダ7により駆動され、アーム5は、アームシリンダ8により駆動され、バケット6は、バケットシリンダ9により駆動される。ブーム4にはブーム角度センサS1が取り付けられ、アーム5にはアーム角度センサS2が取り付けられ、バケット6にはバケット角度センサS3が取り付けられている。
【0029】
ブーム角度センサS1はブーム4の回動角度を検出するように構成されている。本実施形態では、ブーム角度センサS1は加速度センサであり、上部旋回体3に対するブーム4の回動角度(以下、「ブーム角度」とする。)を検出できる。ブーム角度は、例えば、ブーム4を最も下げたときに最小角度となり、ブーム4を上げるにつれて大きくなる。
【0030】
アーム角度センサS2はアーム5の回動角度を検出するように構成されている。本実施形態では、アーム角度センサS2は加速度センサであり、ブーム4に対するアーム5の回動角度(以下、「アーム角度」とする。)を検出できる。アーム角度は、例えば、アーム5を最も閉じたときに最小角度となり、アーム5を開くにつれて大きくなる。
【0031】
バケット角度センサS3はバケット6の回動角度を検出するように構成されている。本実施形態では、バケット角度センサS3は加速度センサであり、アーム5に対するバケット6の回動角度(以下、「バケット角度」とする。)を検出できる。バケット角度は、例えば、バケット6を最も閉じたときに最小角度となり、バケット6を開くにつれて大きくなる。
【0032】
ブーム角度センサS1、アーム角度センサS2、及び、バケット角度センサS3はそれぞれ、可変抵抗器を利用したポテンショメータ、対応する油圧シリンダのストローク量を検出するストロークセンサ、連結ピン回りの回動角度を検出するロータリエンコーダ、ジャイロセンサ、又は、加速度センサとジャイロセンサの組み合わせ等であってもよい。
【0033】
ブームシリンダ7にはブームロッド圧センサS7R及びブームボトム圧センサS7Bが取り付けられている。アームシリンダ8にはアームロッド圧センサS8R及びアームボトム圧センサS8Bが取り付けられている。
【0034】
バケットシリンダ9にはバケットロッド圧センサS9R及びバケットボトム圧センサS9Bが取り付けられている。ブームロッド圧センサS7R、ブームボトム圧センサS7B、アームロッド圧センサS8R、アームボトム圧センサS8B、バケットロッド圧センサS9R及びバケットボトム圧センサS9Bは、集合的に「シリンダ圧センサ」とも称される。
【0035】
ブームロッド圧センサS7Rはブームシリンダ7のロッド側油室の圧力(以下、「ブームロッド圧」とする。)を検出し、ブームボトム圧センサS7Bはブームシリンダ7のボトム側油室の圧力(以下、「ブームボトム圧」とする。)を検出する。アームロッド圧センサS8Rはアームシリンダ8のロッド側油室の圧力(以下、「アームロッド圧」とする。)を検出し、アームボトム圧センサS8Bはアームシリンダ8のボトム側油室の圧力(以下、「アームボトム圧」とする。)を検出する。
【0036】
バケットロッド圧センサS9Rはバケットシリンダ9のロッド側油室の圧力(以下、「バケットロッド圧」とする。)を検出し、バケットボトム圧センサS9Bはバケットシリンダ9のボトム側油室の圧力(以下、「バケットボトム圧」とする。)を検出する。
【0037】
上部旋回体3には運転室であるキャビン10が設けられ且つエンジン11等の動力源が搭載されている。また、エンジン11の排出機構の近傍には、CO排出量を検出するためのセンサが設けられていてもよい。
【0038】
さらに、上部旋回体3には、コントローラ30、表示装置40、入力装置42、音声出力装置43、記憶装置47、測位装置P1、機体傾斜センサS4、旋回角速度センサS5、撮像装置S6及び通信装置T1が取り付けられている。
【0039】
上部旋回体3には、電力を供給する蓄電部、及び、エンジン11の回転駆動力を用いて発電する電動発電機等が搭載されていてもよい。蓄電部は、例えば、キャパシタ、又は、リチウムイオン電池等である。電動発電機は、電動機として機能して機械負荷を駆動してもよく、発電機として機能して電気負荷に電力を供給してもよい。
【0040】
コントローラ30は、ショベル100の駆動制御を行う主制御部として機能する。本実施形態では、コントローラ30は、CPU、RAM及びROM等を含むコンピュータで構成されている。コントローラ30の各種機能は、例えば、ROMに格納されたプログラムをCPUが実行することで実現される。各種機能は、例えば、オペレータによるショベル100の手動操作をガイド(案内)するマシンガイダンス機能、及び、オペレータによるショベル100の手動操作を自動的に支援するマシンコントロール機能の少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0041】
表示装置40は、各種情報を表示するように構成されている。表示装置40は、CAN等の通信ネットワークを介してコントローラ30に接続されていてもよく、専用線を介してコントローラ30に接続されていてもよい。
【0042】
入力装置42は、オペレータが各種情報をコントローラ30に入力できるように構成されている。入力装置42は、キャビン10内に設置されたタッチパネル、ノブスイッチ及びメンブレンスイッチ等の少なくとも1つを含む。
【0043】
音声出力装置43は、音声を出力するように構成されている。音声出力装置43は、例えば、コントローラ30に接続される車載スピーカであってもよく、ブザー等の警報器であってもよい。本実施形態では、音声出力装置43は、コントローラ30からの音声出力指令に応じて各種情報を音声出力するように構成されている。
【0044】
記憶装置47は、各種情報を記憶するように構成されている。記憶装置47は、例えば、半導体メモリ等の不揮発性記憶媒体である。記憶装置47は、ショベル100の動作中に各種機器が出力する情報を記憶してもよく、ショベル100の動作が開始される前に各種機器を介して取得する情報を記憶してもよい。
【0045】
記憶装置47は、例えば、通信装置T1等を介して取得される目標施工面に関するデータを記憶していてもよい。目標施工面は、ショベル100のオペレータが設定したものであってもよく、施工管理者等が設定したものであってもよい。
【0046】
測位装置P1は、上部旋回体3の位置を測定するように構成されている。測位装置P1は、上部旋回体3の向きを測定できるように構成されていてもよい。本実施形態では、測位装置P1は、例えばGNSSコンパスであり、上部旋回体3の位置及び向きを検出し、検出値をコントローラ30に対して出力する。そのため、測位装置P1は、上部旋回体3の向きを検出する向き検出装置としても機能し得る。向き検出装置は、上部旋回体3に取り付けられた方位センサであってもよい。
【0047】
機体傾斜センサS4は上部旋回体3の傾斜を検出するように構成されている。本実施形態では、機体傾斜センサS4は仮想水平面に対する上部旋回体3の前後軸回りの前後傾斜角及び左右軸回りの左右傾斜角を検出する加速度センサである。上部旋回体3の前後軸及び左右軸は、例えば、ショベル100の旋回軸上の一点であるショベル中心点で互いに直交する。
【0048】
旋回角速度センサS5は、上部旋回体3の旋回角速度を検出するように構成されている。旋回角速度センサS5は、上部旋回体3の旋回角度を検出或いは算出するように構成されていてもよい。本実施形態では、旋回角速度センサS5は、ジャイロセンサである。旋回角速度センサS5は、レゾルバ、ロータリエンコーダ等であってもよい。
【0049】
撮像装置S6は、空間認識装置の一例であり、ショベル100の周辺の画像を取得するように構成されている。本実施形態では、撮像装置S6は、ショベル100の前方の空間を撮像する前カメラS6F、ショベル100の左方の空間を撮像する左カメラS6L、ショベル100の右方の空間を撮像する右カメラS6R、及び、ショベル100の後方の空間を撮像する後カメラS6Bを含む。
【0050】
撮像装置S6は、例えば、CCD又はCMOS等の撮像素子を有する単眼カメラであり、撮像した画像を表示装置40に出力する。撮像装置S6は、ステレオカメラ、距離画像カメラ等であってもよい。また、撮像装置S6は、3次元距離画像センサ、超音波センサ、ミリ波レーダ、LIDAR又は赤外線センサ等の他の空間認識装置で置き換えられてもよく、他の空間認識装置とカメラとの組み合わせで置き換えられてもよい。
【0051】
前カメラS6Fは、例えば、キャビン10の天井、すなわちキャビン10の内部に取り付けられている。但し、前カメラS6Fは、キャビン10の屋根、ブーム4の側面等、キャビン10の外部に取り付けられていてもよい。左カメラS6Lは、上部旋回体3の上面左端に取り付けられ、右カメラS6Rは、上部旋回体3の上面右端に取り付けられ、後カメラS6Bは、上部旋回体3の上面後端に取り付けられている。
【0052】
通信装置T1は、ショベル100の外部にある外部機器との通信を制御するように構成されている。本実施形態では、通信装置T1は、衛星通信網、携帯電話通信網又はインターネット網等を介した外部機器との通信を制御する。外部機器は、例えば、外部施設に設置されたサーバ等の管理装置200や、ショベル100の周囲の作業者が携帯しているスマートフォン等の支援装置300である。
【0053】
次に図2を参照し、ショベル100に搭載される油圧システムの構成例について説明する。図2は、ショベルに搭載される油圧システムの構成例を示す図である。図2は、機械的動力伝達ライン、作動油ライン、パイロットライン、及び電気制御ラインを、それぞれ二重線、実線、破線及び点線で示している。
【0054】
油圧システムは、エンジン11によって駆動される左メインポンプ14Lから、左センターバイパス管路40L又は左パラレル管路42Lを経て作動油タンクまで作動油を循環させ、且つ、エンジン11によって駆動される右メインポンプ14Rから右センターバイパス管路40R又は右パラレル管路42Rを経て作動油タンクまで作動油を循環させている。
【0055】
左センターバイパス管路40Lは、コントロールバルブユニット17内に配置された制御弁171、173、175L及び176Lを通る作動油ラインである。右センターバイパス管路40Rは、コントロールバルブユニット17内に配置された制御弁172、174、175R及び176Rを通る作動油ラインである。
【0056】
制御弁171は、左メインポンプ14Lが吐出する作動油を左側走行用油圧モータ1Lへ供給し、且つ、左側走行用油圧モータ1Lが吐出する作動油を作動油タンクへ排出するために作動油の流れを切り換えるスプール弁である。
【0057】
制御弁172は、右メインポンプ14Rが吐出する作動油を右側走行用油圧モータ1Rへ供給し、且つ、右側走行用油圧モータ1Rが吐出する作動油を作動油タンクへ排出するために作動油の流れを切り換えるスプール弁である。
【0058】
制御弁173は、左メインポンプ14Lが吐出する作動油を旋回用油圧モータ2Aへ供給し、且つ、旋回用油圧モータ2Aが吐出する作動油を作動油タンクへ排出するために作動油の流れを切り換えるスプール弁である。
【0059】
制御弁174は、右メインポンプ14Rが吐出する作動油をバケットシリンダ9へ供給し、且つ、バケットシリンダ9内の作動油を作動油タンクへ排出するために作動油の流れを切り換えるスプール弁である。
【0060】
制御弁175Lは、左メインポンプ14Lが吐出する作動油をブームシリンダ7へ供給するために作動油の流れを切り換えるスプール弁である。
【0061】
制御弁175Rは、右メインポンプ14Rが吐出する作動油をブームシリンダ7へ供給し、且つ、ブームシリンダ7内の作動油を作動油タンクへ排出するために作動油の流れを切り換えるスプール弁である。
【0062】
制御弁176Lは、左メインポンプ14Lが吐出する作動油をアームシリンダ8へ供給し、且つ、アームシリンダ8内の作動油を作動油タンクへ排出するために作動油の流れを切り換えるスプール弁である。
【0063】
制御弁176Rは、右メインポンプ14Rが吐出する作動油をアームシリンダ8へ供給し、且つ、アームシリンダ8内の作動油を作動油タンクへ排出するために作動油の流れを切り換えるスプール弁である。
【0064】
左パラレル管路42Lは、左センターバイパス管路40Lに並行する作動油ラインである。左パラレル管路42Lは、制御弁171、173、175Lの何れかによって左センターバイパス管路40Lを通る作動油の流れが制限或いは遮断された場合に、より下流の制御弁に作動油を供給できる。右パラレル管路42Rは、右センターバイパス管路40Rに並行する作動油ラインである。右パラレル管路42Rは、制御弁172、174、175Rの何れかによって右センターバイパス管路40Rを通る作動油の流れが制限或いは遮断された場合に、より下流の制御弁に作動油を供給できる。
【0065】
左レギュレータ13Lは、左メインポンプ14Lの吐出量を制御できるように構成されている。本実施形態では、左レギュレータ13Lは、例えば、左メインポンプ14Lの吐出圧に応じて左メインポンプ14Lの斜板傾転角を調節することによって、左メインポンプ14Lの吐出量を制御する。右レギュレータ13Rは、右メインポンプ14Rの吐出量を制御できるように構成されている。本実施形態では、右レギュレータ13Rは、例えば、右メインポンプ14Rの吐出圧に応じて右メインポンプ14Rの斜板傾転角を調節することによって、右メインポンプ14Rの吐出量を制御する。左レギュレータ13Lは、例えば、左メインポンプ14Lの吐出圧の増大に応じて左メインポンプ14Lの斜板傾転角を調節して吐出量を減少させる。右レギュレータ13Rについても同様である。吐出圧と吐出量との積で表されるポンプ吸収馬力がエンジン11の出力馬力を超えないようにするためである。なお、ポンプ吸収馬力は、左メインポンプ14Lの吸収馬力と右メインポンプ14Rの吸収馬力との合計である。
【0066】
左吐出圧センサ28Lは、吐出圧センサ28の一例であり、左メインポンプ14Lの吐出圧を検出し、検出した値をコントローラ30に対して出力する。右吐出圧センサ28Rについても同様である。
【0067】
ここで、図2の油圧システムで採用されるネガティブコントロール制御について説明する。
【0068】
左センターバイパス管路40Lには、最も下流にある制御弁176Lと作動油タンクとの間に左絞り18Lが配置されている。左メインポンプ14Lが吐出した作動油の流れは、左絞り18Lで制限される。そして、左絞り18Lは、左レギュレータ13Lを制御するための制御圧を発生させる。左制御圧センサ19Lは、制御圧を検出するためのセンサであり、検出した値をコントローラ30に対して出力する。右センターバイパス管路40Rには、最も下流にある制御弁176Rと作動油タンクとの間に右絞り18Rが配置されている。右メインポンプ14Rが吐出した作動油の流れは、右絞り18Rで制限される。そして、右絞り18Rは、右レギュレータ13Rを制御するための制御圧を発生させる。右制御圧センサ19Rは、制御圧を検出するためのセンサであり、検出した値をコントローラ30に対して出力する。
【0069】
コントローラ30は、制御圧に応じて左メインポンプ14Lの斜板傾転角を調節することによって、左メインポンプ14Lの吐出量を制御する。コントローラ30は、制御圧が大きいほど左メインポンプ14Lの吐出量を減少させ、制御圧が小さいほど左メインポンプ14Lの吐出量を増大させる。右メインポンプ14Rの吐出量も同様に制御される。
【0070】
具体的には、図2で示されるように、ショベル100における油圧アクチュエータが何れも操作されていない待機状態の場合、左メインポンプ14Lが吐出する作動油は、左センターバイパス管路40Lを通って左絞り18Lに至る。そして、左メインポンプ14Lが吐出する作動油の流れは、左絞り18Lの上流で発生する制御圧を増大させる。その結果、コントローラ30は、左メインポンプ14Lの吐出量を許容最小吐出量まで減少させ、吐出した作動油が左センターバイパス管路40Lを通過する際の圧力損失(ポンピングロス)を抑制する。一方、何れかの油圧アクチュエータが操作された場合、左メインポンプ14Lが吐出する作動油は、操作対象の油圧アクチュエータに対応する制御弁を介して、操作対象の油圧アクチュエータに流れ込む。そして、左メインポンプ14Lが吐出する作動油の流れは、左絞り18Lに至る量を減少或いは消失させ、左絞り18Lの上流で発生する制御圧を低下させる。その結果、コントローラ30は、左メインポンプ14Lの吐出量を増大させ、操作対象の油圧アクチュエータに十分な作動油を循環させ、操作対象の油圧アクチュエータの駆動を確かなものとする。右メインポンプ14Rが吐出する作動油についても同様である。
【0071】
上述のような構成により、図2の油圧システムは、待機状態においては、左メインポンプ14L及び右メインポンプ14Rのそれぞれにおける無駄なエネルギ消費を抑制できる。無駄なエネルギ消費は、左メインポンプ14Lが吐出する作動油が左センターバイパス管路40Lで発生させるポンピングロス、及び、右メインポンプ14Rが吐出する作動油が右センターバイパス管路40Rで発生させるポンピングロスを含む。また、図2の油圧システムは、油圧アクチュエータを作動させる場合には、左メインポンプ14L及び右メインポンプ14Rのそれぞれから必要十分な作動油を作動対象の油圧アクチュエータに供給できる。
【0072】
次に、アクチュエータを自動的に動作させる構成について説明する。ブーム操作レバー26Aは、操作装置26としての電気式操作レバーの一例であり、ブーム4を操作するために用いられる。ブーム操作レバー26Aは、操作方向及び操作量を検出し、検出した操作方向及び操作量を操作データ(電気信号)としてコントローラ30に対して出力する。手動制御時において、ブーム上げ方向にブーム操作レバー26Aが操作された場合、コントローラ30は、ブーム操作レバー26Aの操作量に応じて比例弁31ALの開度を制御する。
【0073】
これにより、パイロットポンプ15が吐出する作動油を利用し、ブーム操作レバー26Aの操作量に応じたパイロット圧を制御弁175Lの右側パイロットポートと制御弁175Rの左側パイロットポートに作用させる。また、手動制御時において、ブーム下げ方向にブーム操作レバー26Aが操作された場合、コントローラ30は、ブーム操作レバー26Aの操作量に応じて比例弁31ARの開度を制御する。これにより、パイロットポンプ15が吐出する作動油を利用し、ブーム操作レバー26Aの操作量に応じたパイロット圧を制御弁175Rの右側パイロットポートに作用させる。
【0074】
比例弁31AL、31ARは、電磁弁としての比例弁31の一例であるブーム比例弁31Aを構成する。比例弁31ALは、コントローラ30が調節する電流指令に応じて動作する。コントローラ30は、パイロットポンプ15から比例弁31ALを介して制御弁175Lの右側パイロットポート及び制御弁175Rの左側パイロットポートに導入される作動油によるパイロット圧を調節する。
【0075】
比例弁31ARは、コントローラ30が調節する電流指令に応じて動作する。コントローラ30は、パイロットポンプ15から比例弁31ARを介して制御弁175Rの右側パイロットポートに導入される作動油によるパイロット圧を調節する。比例弁31AL、31ARは、制御弁175L、175Rを任意の弁位置で停止できるようにパイロット圧を調節可能である。
【0076】
この構成により、コントローラ30は、自動掘削制御の際には、操作者によるブーム上げ操作とは無関係に、パイロットポンプ15が吐出する作動油を、比例弁31ALを介し、制御弁175Lの右側パイロットポート及び制御弁175Rの左側パイロットポートに供給できる。すなわち、コントローラ30は、ブーム4を自動的に上げることができる。また、コントローラ30は、操作者によるブーム下げ操作とは無関係に、パイロットポンプ15が吐出する作動油を、比例弁31ARを介し、制御弁175Rの右側パイロットポートに供給できる。すなわち、コントローラ30は、ブーム4を自動的に下げることができる。
【0077】
アーム操作レバー26Bは、操作装置26としての電気式操作レバーの別の一例であり、アーム5を操作するために用いられる。アーム操作レバー26Bは、操作方向及び操作量を検出し、検出した操作方向及び操作量を操作データ(電気信号)としてコントローラ30に対して出力する。手動制御時において、アーム開き方向にアーム操作レバー26Bが操作された場合、コントローラ30は、アーム操作レバー26Bの操作量に応じて比例弁31BRの開度を制御する。
【0078】
これにより、パイロットポンプ15が吐出する作動油を利用し、アーム操作レバー26Bの操作量に応じたパイロット圧を制御弁176Lの左側パイロットポートと制御弁176Rの右側パイロットポートに作用させる。また、手動制御時において、アーム閉じ方向にアーム操作レバー26Bが操作された場合、コントローラ30は、アーム操作レバー26Bの操作量に応じて比例弁31BLの開度を制御する。これにより、パイロットポンプ15が吐出する作動油を利用し、アーム操作レバー26Bの操作量に応じたパイロット圧を制御弁176Lの右側パイロットポートと制御弁176Rの左側パイロットポートとに作用させる。
【0079】
比例弁31BL、31BRは、比例弁31の一例であるアーム比例弁31Bを構成する。比例弁31BLは、コントローラ30が調節する電流指令に応じて動作する。コントローラ30は、パイロットポンプ15から比例弁31BLを介して制御弁176Lの右側パイロットポート及び制御弁176Rの左側パイロットポートに導入される作動油によるパイロット圧を調節する。比例弁31BRは、コントローラ30が調節する電流指令に応じて動作する。コントローラ30は、パイロットポンプ15から比例弁31BRを介して制御弁176Lの左側パイロットポート及び制御弁176Rの右側パイロットポートに導入される作動油によるパイロット圧を調節する。比例弁31BL、31BRは、制御弁176L、176Rを任意の弁位置で停止できるようにパイロット圧を調節可能である。
【0080】
この構成により、コントローラ30は、操作者によるアーム閉じ操作とは無関係に、パイロットポンプ15が吐出する作動油を、比例弁31BLを介し、制御弁176Lの右側パイロットポート及び制御弁176Rの左側パイロットポートに供給できる。すなわち、コントローラ30は、アーム5を自動的に閉じることができる。また、コントローラ30は、操作者によるアーム開き操作とは無関係に、パイロットポンプ15が吐出する作動油を、比例弁31BRを介し、制御弁176Lの左側パイロットポート及び制御弁176Rの右側パイロットポートに供給できる。すなわち、コントローラ30は、アーム5を自動的に開くことができる。
【0081】
これにより、自動掘削制御においては、アーム操作レバー26Bの操作量に応じて、アームシリンダ8及びブームシリンダ7が自動で動作することにより、作業部位の速度制御、若しくは、位置制御が実行される。
【0082】
ショベル100は、上部旋回体3を自動的に左旋回・右旋回させるための構成、バケット6を自動的に開閉させるための構成、及び、下部走行体1を自動的に前進・後進させるための構成を備えていてもよい。この場合、旋回用油圧モータ2Aに関する油圧システム部分、バケットシリンダ9の操作に関する油圧システム部分、左側走行用油圧モータ1Lの操作に関する油圧システム部分、及び、右側走行用油圧モータ1Rの操作に関する油圧システム部分は、ブームシリンダ7の操作に関する油圧システム部分等と同じように構成されてもよい。
【0083】
次に、図3を参照して、本実施形態の管理装置200のハードウェア構成について説明する。図3は、管理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0084】
本実施形態の管理装置200は、それぞれバスBで相互に接続されている入力装置201、出力装置202、ドライブ装置203、補助記憶装置204、メモリ装置205、演算処理装置206及びインターフェース装置207を含むコンピュータである。
【0085】
入力装置201は、各種の情報の入力を行うための装置であり、例えばタッチパネル等により実現される。出力装置202は、各種の情報の出力を行うためものであり、例えばディスプレイ等により実現される。インターフェース装置207は、ネットワークに接続する為に用いられる。
【0086】
後述する各部により実現される作業支援プログラムは、管理装置200を制御する各種プログラムの少なくとも一部である。作業支援プログラムは、例えば、記憶媒体208の配布やネットワークからのダウンロード等によって提供される。作業支援プログラムを記録した記憶媒体208は、情報を光学的、電気的或いは磁気的に記録する記憶媒体、ROM、フラッシュメモリ等の様に情報を電気的に記録する半導体メモリ等、様々なタイプの記憶媒体を用いることができる。
【0087】
また、作業支援プログラムは、作業支援プログラムを記録した記憶媒体208がドライブ装置203にセットされると、記憶媒体208からドライブ装置203を介して補助記憶装置204にインストールされる。ネットワークからダウンロードされた作業支援プログラムは、インターフェース装置207を介して補助記憶装置204にインストールされる。
【0088】
補助記憶装置204は、管理装置200にインストールされた作業支援プログラムを格納すると共に、管理装置200による各種の必要なファイル、データ等を格納する。メモリ装置205は、管理装置200の起動時に補助記憶装置204から作業支援プログラムを読み出して格納する。そして、演算処理装置206はメモリ装置205に格納された作業支援プログラムに従って、後述するような各種処理を実現している。
【0089】
また、本実施形態の支援装置300は、管理装置200と同様に、演算処理装置とメモリ装置とを含むコンピュータである。また、支援装置300は、出力装置としての表示装置を含み、入力装置としてのハードウェアスイッチ等を有してもよい。ハードウェアスイッチは、例えば、支援装置300において、空間中の点を設定する際に操作される操作ボタン等であってよい。
【0090】
また、支援装置300は、図3に示す各装置に加え、GPS(Global Positioning System)機能を実現するGPS受信部や、IMU(Inertial Measurement Unit)、撮像装置を含む。GPS受信部は、GPS衛星からGPS信号を受信する。IMUは、支援装置300の加速度と、支援装置300が向いている方向とを検出する慣性計測装置である。さらに、本実施形態の支援装置300は、集音装置を有しており、音声データを取得してもよい。
【0091】
次に、図4を参照して、本実施形態の作業支援システムSYSの有する各装置の機能構成について説明する。図4は、作業支援システムの有する各装置の機能構成を説明する図である。
【0092】
はじめに、支援装置300の機能構成から説明する。本実施形態の支援装置300は、入力受付部310、表示制御部320、軌跡取得部330、通信制御部340を有する。
【0093】
入力受付部310は、支援装置300に対する各種の入力を受け付ける。具体的には、入力受付部310は、入力装置に対する作業者Pからの入力操作や、集音装置により取得された音声データによる操作指示を受け付ける。
【0094】
表示制御部320は、仮想壁を設定するための画面を表示装置に表示させる。より具体的には、表示制御部320は、空間中の任意の点を目印とし、目印の軌跡の画像を表示装置に表示させる。また、表示制御部320は、軌跡の画像に基づく仮想壁のプレビュー画面を表示装置に表示させる。ここで、プレビュー画面に表示される軌跡の画像や仮想壁の画像は、AR画像であってもよい。
【0095】
軌跡取得部330は、軌跡を取得する対象となる空間中の任意の点を目印とし、目印の動きを追跡して、目印の軌跡を示す情報を取得する。具体的には、軌跡取得部330は、目印の位置を示す座標値を取得し、目印の移動が開始されると、移動に応じて目印の座標値を取得する。つまり、本実施形態の軌跡を示す情報とは、時系列に取得された複数の座標値を含む座標値群である。以下の説明では、軌跡を示す情報を軌跡情報と表現する場合がある。また、本実施形態の座標値とは、空間中の点を示す3次元座標であり、世界座標系の座標値である。
【0096】
通信制御部340は、支援装置300と管理装置200との通信を制御する。また、通信制御部340は、支援装置300とショベル100との通信を制御してもよい。
【0097】
次に、管理装置200の機能構成について説明する。管理装置200は、表示制御部210、通信制御部220、軌跡保持部230、面特定部240、設定指示部250を有する。
【0098】
表示制御部210は、設定指示部250により設定される仮想壁の画像をショベル100の表示装置40に表示させる。また、表示制御部210は、設定指示部250により設定された仮想壁の画像を支援装置300に表示させる。
【0099】
通信制御部220は、管理装置200と支援装置300との通信を制御する。また、通信制御部220は、管理装置200とショベル100との通信を制御する。また、通信制御部220は、支援装置300から送信される軌跡情報を受信する。
【0100】
軌跡保持部230は、通信制御部220が支援装置300から受信した軌跡情報を取得して保持する。
【0101】
面特定部240は、軌跡保持部230に保持された軌跡情報に基づき面を特定する。言い換えれば、面特定部240は、目印の複数の座標値を含む座標値群が示す面を特定する。
【0102】
設定指示部250は、特定された面を仮想壁とし、仮想壁を示す情報を支援装置300とショベル100とに送信する。仮想壁を示す情報とは、面を特定する3点の座標値であってもよい。つまり、仮想壁を示す情報とは、軌跡情報に含まれる座標値のうち、3点の座標値であってもよい。また、仮想壁を示す情報は、軌跡情報に含まれる座標値のうち、2点の座標値と、重力方向を示す情報であってもよい。
【0103】
次に、ショベル100の機能構成について説明する。ショベル100の機能構成は、コントローラ30が、ROM等の記憶装置に格納されたプログラムを読み込むことで実現される。
【0104】
ショベル100は、仮想壁設定部110、動作制御部120、表示制御部130を有する。
【0105】
仮想壁設定部110は、管理装置200から取得した仮想壁を示す情報を取得し、仮想壁を設定する。具体的には、仮想壁設定部110は、管理装置200から取得した仮想壁を示す情報を記憶装置47に格納し、ショベル100が動作する際に、仮想壁となる面とショベル100との位置関係とに基づき動作を制御させる。
【0106】
動作制御部120は、仮想壁設定部110が設定した仮想壁に自機が接触しないように、動作を制御する。言い換えれば、本実施形態の動作制御部120は、仮想壁とショベル100との位置関係に基づいてアクチュエータの動きを制限する。具体的には、動作制御部120は、ショベル100が、仮想壁までの距離が所定の距離以内となる位置まで仮想壁に接近した場合に、ショベル100の動作を停止させてもよい。
【0107】
表示制御部130は、ショベル100の表示装置40における表示を制御する。具体的には、表示制御部130は、ショベル100の表示装置40に、設定情報に基づき設定れる仮想壁の画像を表示させる。
【0108】
ここで、図5を参照して、本実施形態の仮想壁の設定の仕方について説明する。図5は、仮想壁の設定の仕方を説明する第一の図である。
【0109】
図5の例では、器具を持って移動する作業者Paと、支援装置300を装着した作業者Pとにより、仮想壁の設定が行われる場合について説明する。
【0110】
図5(A)は、仮想壁を設定するための器具51を示す。器具51は、棒51aと棒51bとをT字状に接合し、棒51bの両端にマーカM1とマーカM2とを配置したものである。つまり、マーカM1とマーカM2とは、直線上に配置されている。また、本実施形態では、マーカM1とマーカM2との中点M3を、軌跡情報を取得する対象の目印とする。
【0111】
図5(B)は、器具51を用いて中点M3の軌跡Kaを示す情報を取得する様子を説明する図である。
【0112】
図5(B)では、作業者Paが、器具51の棒51aの部分を持って移動し、支援装置300を装着している作業者Pが、器具51の中点M3の動きを追跡することで、中点M3の軌跡Kaを示す情報を取得する。
【0113】
具体的には、支援装置300の軌跡取得部330は、支援装置300の位置を示す位置情報と、支援装置300の向きと、直線上に配置されたマーカM1とマーカM2の位置を示す座標値と、に基づき、マーカM1とマーカM2との中点M3の座標値を取得する。そして、支援装置300の軌跡取得部330は、器具51の移動に合わせて変化する中点M3の座標値を時系列に取得することで、中点M3の軌跡情報を取得する。
【0114】
ここで、マーカM1とマーカM2の座標値について説明する。
【0115】
本実施形態では、支援装置300において、予め、器具51に関する情報が格納されていてもよい。器具51に関する情報とは、棒51a、棒51bの長さを示す情報と、器具51の画像とを含んでよい。
【0116】
支援装置300は、支援装置300が有する撮像装置に撮像された撮像画像において、器具51の画像を認識する。そして、支援装置300は、撮像画像における器具51の画像の大きさ(長さ)と、支援装置300の位置情報と、支援装置300が向いている方向を示す情報と、に基づいて、棒51bの両端の座標値を、マーカM1とマーカM2の座標値として取得する。
【0117】
なお、本実施形態では、支援装置300には、器具51に関する情報の代わりに、マーカM1、M2の画像が、撮像画像において認識すべき画像として格納されていてもよい。このきと、支援装置300には、マーカM1、M2の画像を撮像したときの撮像地点から各マーカまでの距離が、マーカM1、M2の画像と共に格納されていてもよい。
【0118】
この場合、支援装置300は、撮像画像において認識されたマーカM1の画像及びマーカM2の画像の大きさと、マーカM1の画像及びマーカM2の画像の位置関係と、に基づき、マーカM1及びマーカM2の座標値を取得してもよい。このとき。マーカM1の画像及びマーカM2の画像との位置関係とは、2つの画像の間の距離、2つの画像同士の角度等を示す。
【0119】
本実施形態の支援装置300は、このようにしてマーカM1とマーカM2の座標値を取得する。そして、支援装置300は、マーカM1とマーカM2の座標値から、マーカM1とマーカM2の中点M3の座標値を取得し、中点M3を、軌跡を取得する対象の目印とする。
【0120】
本実施形態では、このように、棒51bの両端に配置されたマーカM1、M2の中点M3を、軌跡情報を取得する対象の目印とすることで、作業者Pから見たときの横方向(X方向)の動きに加え、奥行き方向(Y方向)の動きも追跡することができる。
【0121】
なお、本実施形態では、棒51bの両端に、マーカを配置するものとして説明したが、これに限定されない。本実施形態では、マーカが設置されていなくてもよく、棒51bの両端の位置を支援装置300に認識させることができればよい。
【0122】
また、図5の例では、器具51の形状をT字状としたが、これに限定されない。器具51の形状は、目印の横方向(X方向)の動きと、奥行き方向(Y方向)の動きとの両方を追跡できる形状であれば、どのような形状であってもよい。
【0123】
また、図5の例では、支援装置300を装着した作業者Pとは別の作業者Paが、器具51を保持して移動するものとしたが、これに限定されない。本実施形態では、支援装置300を装着している作業者Pが、器具51を保持して移動することで、中点M3の軌跡情報を取得してもよい。
【0124】
さらに、本実施形態では、器具51を作業者Paが保持して移動するもとしたが、これに限定されない。本実施形態では、例えば、2つのマーカが付与された飛行体(ドローン)等を飛行させ、支援装置300を装着した作業者Pが飛行体を視認することで、空間中の任意の点の軌跡情報を取得してもよい。
【0125】
このように、本実施形態では、作業環境内に予めマーカを配置しなくても、仮想壁の設定を行うことができる。また、本実施形態では、作業者Pが、作業領域内の特定の点を視認するだけで仮想壁を設定することができ、仮想壁を設定するための設備(ロードコーン等)が不要となる。
【0126】
次に、図6を参照して、本実施形態の作業支援システムSYSの動作について説明する。図6は、作業支援システムの動作を説明するシーケンス図である。
【0127】
本実施形態の作業支援システムSYSにおいて、支援装置300は、管理装置200に対して、仮想壁の設定の開始要求を送信する(ステップS601)。なお、設定の開始要求は、支援装置300の入力装置に対する操作によって行われてもよい。
【0128】
管理装置200は、開始要求を受けて、支援装置300に対してメニュー画面の表示指示を送信する(ステップS602)。支援装置300は、表示指示を受けて、表示装置にメニュー画面を表示させる(ステップS603)。
【0129】
支援装置300は、メニュー画面において、仮想壁の設定の選択を受け付けると、管理装置200に対して仮想壁の設定要求を送信する(ステップS604)。管理装置200は、この要求を受けて、設定画面の表示指示を支援装置300に送信する(ステップS605)。
【0130】
支援装置300は、表示指示を受け付けて、仮想壁の設定画面を表示装置に表示させる(ステップS606)。続いて、支援装置300は、仮想壁を設定するための操作を受け付ける(ステップS607)。
【0131】
具体的には、支援装置300は、入力受付部310により、目印の軌跡を取得する操作を受け付けて、軌跡取得部330により、目印の軌跡情報を取得する。
【0132】
続いて、支援装置300は、取得した軌跡情報を管理装置200に送信する(ステップS608)。
【0133】
管理装置200は、軌跡情報を取得すると、軌跡保持部230により、取得した軌跡情報を保持する(ステップS609)。続いて、管理装置200は、面特定部240により、保持された軌跡情報に基づき、仮想壁となる面を特定する(ステップS610)。
【0134】
続いて、管理装置200は、表示制御部210により、支援装置300に対して、仮想壁の表示指示を送信する(ステップS611)。仮想壁の表示指示には、仮想壁を示す情報が含まれてよい。
【0135】
支援装置300は、この表示指示を受け付けて、表示制御部320により、仮想壁を示す情報に基づき表示装置に仮想壁の画像を表示させる(ステップS612)。なお、仮想壁の画像は、管理装置200において生成されて、支援装置300に仮想壁の画像を示す画像データが送信されてもよい。また、このとき、支援装置300は、仮想壁を示す情報に基づき、複数種類の形状の仮想壁の画像を含むプレビュー画面を生成して表示させてもよい。
【0136】
また、管理装置200は、設定指示部250により、ショベル100に対して、仮想壁の設定指示を送信する(ステップS613)。仮想壁の設定指示には、仮想壁を示す情報が含まれてよい。
【0137】
ショベル100は、仮想壁設定部110により、仮想壁の設定指示を受け付けると、動作制御部120により、仮想壁を示す情報に基づき仮想壁を設定する(ステップS614)。このとき、ショベル100は、表示制御部130により、設定された仮想壁の画像を表示装置40に表示させてもよい。
【0138】
続いて、ショベル100は、動作制御部120により、仮想壁から自機までの距離が所定の距離未満となった場合に、自機の動作を停止させる動作制御を開始する(ステップS615)。
【0139】
次に、図7乃至図9を参照して、支援装置300の表示装置における画面遷移について説明する。図7は、支援装置の画面遷移を説明する第一の図である。図8は、支援装置の画面遷移を説明する第二の図である。なお、図7及び図8に示す画面302から画面304までは、図6のステップS607において行われる設定において、支援装置300に表示される画面の例である。
【0140】
図7に示す画面301は、図6のステップS603において、支援装置300の表示装置に表示されるメニュー画面の一例である。
【0141】
画面301には、作業支援の種類を示す一覧301aが表示されている。作業支援の種類としては、例えば、既存仮想壁表示、新規仮想壁設定、メンテナンス情報表示等が含まれる。画面301では、「新規仮想壁設定」が選択されている。
【0142】
なお、支援装置300が透過型の表示装置を有するARグラスである場合には、一覧301aは、支援装置300を装着している作業者Pが見ている風景の上に重ねて表示されるAR画像として表示される。
【0143】
また、支援装置300が一般的なスマートフォンである場合には、一覧301aは、スマートフォンのディスプレイに表示される。
【0144】
画面301において、「新規仮想壁設定」が選択された状態で、支援装置300から設定要求を送信する操作が行われると、画面301は、画面302に遷移する。
【0145】
画面302は、軌跡情報の取得が開始された状態を示している。画面302には、軌跡情報を取得する対象の目印を示すガイド画像302aが表示されている。
【0146】
なお、画面302の例では、器具51に取り付けられたマーカM1とマーカM2との中点M3を軌跡の取得の対象となる目印とする。画面302では、中点M3とガイド画像302aとが重なっている。画面302に示すガイド画像302aは、これから取得される中点M3の軌跡の始点を示す。
【0147】
本実施形態では、中点M3と重なる位置にガイド画像302aが表示された状態において、作業者Pが、支援装置300に対し、軌跡情報の取得開始を指示する操作を行うと、メッセージ302bが表示されてもよい。
【0148】
また、支援装置300は、マーカM1とマーカM2のそれぞれが個別に認識されない場合、器具51を保持する角度の変更を指示するメッセージなどを表示させてもよい。マーカM1とマーカM2のそれぞれが個別に認識されない場合とは、例えば、支援装置300の撮像装置で撮像した撮像画像において、マーカM1の画像とマーカM2の画像の一部や全部が重なっている場合等である。
【0149】
ここで、支援装置300が透過型の表示装置を有するARグラスである場合には、一覧301a、ガイド画像302a、メッセージ302bは、支援装置300を装着している作業者Pが見ている風景の上に重ねて表示されるAR画像として画面301、302のそれぞれに表示される。
【0150】
つまり、一覧301a、ガイド画像302a、メッセージ302bは、実際の風景である器具51に重畳された状態で作業者Pに視認される。
【0151】
また、支援装置300が一般的なスマートフォンである場合には、画面301、302に表示される画像は、支援装置300が有する撮像装置により撮像された風景の画像と、AR画像である一覧301a、ガイド画像302a、メッセージ302bとが重畳された画像となる。
【0152】
図8に示す画面303は、器具51を保持している作業者Paが移動を開始した状態を示す。本実施形態では、器具51が指移動されると、中点M3の移動と共にガイド画像302aも移動する。また、本実施形態では、ガイド画像302aが移動すると、中点M3の軌跡を示す画像が表示される。
【0153】
画面303では、軌跡の始点となるガイド画像302aと、中点M3の移動先の位置を示すガイド画像302a-1とが表示されている。また、画面303では、ガイド画像302aとガイド画像302a-1とをつなぐ軌跡の画像303aが表示されている。
【0154】
本実施形態では、このようにして、器具51の移動に合わせて、目印となる中点M3の軌跡の画像を表示させる。
【0155】
図8に示す画面304は、軌跡情報の取得が終了した状態を示している。画面304は、軌跡情報の取得を終了した状態を示している。画面304には、軌跡情報を取得する対象の目印を示すガイド画像302a-eと、ガイド画像302a-eまでの中点M3の軌跡を示す画像304aと、が表示されている。画面304に示すガイド画像302a-eは、中点M3の軌跡の終点を示す。
【0156】
また、画面304には、軌跡情報の取得を終了したことを示すメッセージ304bが表示されている。メッセージ304bは、作業者Pによって、軌跡情報の取得終了を指示する操作を受け付けて、画面304に表示される。
【0157】
なお、本実施形態では、軌跡情報の取得開始の指示と、軌跡情報の取得終了の指示とは、例えば、音声データや、作業者Pのジェスチャ等によって行われてもよい。
【0158】
ここで、支援装置300が透過型の表示装置を有するARグラスである場合には、ガイド画像302a、302a-1、軌跡の画像303a、ガイド画像302a-e、軌跡の画像304a、メッセージ304bは、支援装置300を装着している作業者Pが見ている風景の上に重ねて表示されるAR画像として画面303、304のそれぞれに表示される。
【0159】
つまり、ガイド画像302a、302a-1、軌跡の画像303a、ガイド画像302a-e、軌跡の画像304a、メッセージ304bは、実際の風景である器具51に重畳された状態で作業者Pに視認される。
【0160】
また、支援装置300が一般的なスマートフォンである場合には、画面303に表示される画像は、支援装置300が有する撮像装置により撮像された風景の画像と、AR画像であるガイド画像302a、302a-1、軌跡の画像303aとが重畳された画像となる。また、支援装置300が一般的なスマートフォンである場合には、画面304に表示される画像は、支援装置300が有する撮像装置により撮像された風景の画像と、AR画像であるガイド画像302a-e、軌跡の画像304a、メッセージ304bとが重畳された画像となる。
【0161】
図9は、支援装置の画面遷移を説明する第三の図である。図9に示す画面は、図6のステップS612において、支援装置300に表示される画面の一例である。
【0162】
図9に示す画面305は、軌跡取得部330により取得された目印(中点M3)の軌跡情報に基づき特定された面である仮想壁の画像VMが表示されている。画面305では、軌跡情報から3つの面が特定され、各面が仮想壁とされた状態を示している。
【0163】
なお、本実施形態の支援装置300では、軌跡情報の取得が完了した時点で、表示制御部320により、軌跡情報から推測される面の画像を生成し、プレビュー画面として表示させてもよい。
【0164】
図9に示す画面306と、画面307は、プレビュー画面の例を示す。画面306では、取得された軌跡情報に基づく軌跡を示す画像306aと、軌跡情報から推測される仮想壁の画像VM1とが表示されている。画面306では、軌跡情報から、3つの面を含む仮想壁が推定されたことがわかる。
【0165】
画面307では、取得された軌跡情報に基づく軌跡を示す画像306aと、軌跡情報から推測される仮想壁の画像VM2とが表示されている。画面307では、画面306と同様の軌跡情報から、1つの面を仮想壁として推定されたことがわかる。
【0166】
ここで、支援装置300が透過型の表示装置を有するARグラスである場合には、仮想壁の画像VM、VM1、VM2、軌跡の画像306aは、支援装置300を装着している作業者Pが見ている風景の上に重ねて表示されるAR画像として画面305、306、307のそれぞれに表示される。
【0167】
つまり、仮想壁の画像VM、VM1、VM2、軌跡の画像306aは、実際の風景に重畳された状態で作業者Pに視認される。
【0168】
また、支援装置300が一般的なスマートフォンである場合には、画面305に表示される画像は、支援装置300が有する撮像装置により撮像された風景の画像と、AR画像である仮想壁の画像VMとが重畳された画像となる。また、支援装置300が一般的なスマートフォンである場合には、画面306、307に表示される画像は、支援装置300が有する撮像装置により撮像された風景の画像と、AR画像である仮想壁の画像VM1、VM2のそれぞれと、軌跡の画像306aとが重畳された画像となる。
【0169】
本実施形態では、このように、同一の軌跡情報から、複数パターンの仮想壁を推定し、それぞれのプレビュー画面を支援装置300に表示させることができる。また、本実施形態では、プレビュー画面を切り換える操作と、プレビュー画面を選択する操作と、を受け付ける。そして、支援装置300は、プレビュー画面が選択されると、選択さけたプレビュー画面に表示された仮想壁の画像の画像データを管理装置200に送信してもよい。
【0170】
管理装置200は、受信した仮想壁の画像データに基づいて、ショベル100に対して仮想壁の設定指示を送信してもよい。
【0171】
本実施形態では、このように、軌跡情報から複数パターンの仮想壁の形状を推測し、作業者Pに提示することで、例えば、目印の軌跡が作業者Pの意図しない軌跡となった場合であっても、作業者Pの意図する形状の仮想壁を設定させることができる。
【0172】
なお、本実施形態では、仮想壁が設定されときに、仮想壁に対して規制される方向が設定されてもよい。具体的には、例えば、画面305において、仮想壁は、矢印B1が示す方向への進入を禁止し、矢印B2方向への進入は許容するように設定されてもよいし、矢印B2が示す方向への進入を禁止し、矢印B1方向への進入は許容するように設定されてもよい。この設定は、例えば、画面301に示すメニュー画面などにおいて、設定項目として設けられていてもよいし、画面305に示すように、仮想壁の画像VMが表示された状態において、作業者Pによって行われてもよい。
【0173】
また、本実施形態では、仮想壁の画像VMが表示された後に、支援装置300を装着した作業者Pが移動した場合に、仮想壁の画像VMを作業者Pの視点に合わせた形状にして表示させてもよい。
【0174】
また、本実施形態では、仮想壁の画像VMが表示された後に、仮想壁の画像VMを移動させる指示を受け付けて、仮想壁の画像VMの位置を移動させてもよい。言い換えれば、本実施形態の支援装置300は、画面305が表示された状態において、作業者Pにより、仮想壁の画像VMの位置を変更する操作を受け付けて、仮想壁の画像VMの表示位置を変更させてもよい。
【0175】
仮想壁の画像VMの表示位置を変更することとは、具体的には、仮想壁を示す情報に含まれる座標値を、表示位置の変更後と対応する座標値に変換することである。
【0176】
仮想壁の画像VMを移動させる距離と方向を指示する操作(仮想壁の位置を変更する操作)は、例えば、音声データによって行われてもよい。この場合、支援装置300は、集音装置により音声データを取得して音声認識を行い、認識結果に応じて仮想壁の画像VMを移動させてもよい。
【0177】
この処理は、管理装置200において行われてもよい。具体的には、管理装置200は、支援装置300から音声データを受信し、受信した音声データに対する音声認識を行った結果が示す指示を支援装置300に送信してもよい。支援装置300は、管理装置200から送信された指示に応じて、仮想壁の画像VMを移動させてもよい。
【0178】
このように、本実施形態では、仮想壁が設定された後に、仮想壁の位置等を修正することができる。
【0179】
このため、本実施形態では、目印の軌跡情報から特定された面と離れた位置に仮想壁を設定することができる。このように仮想壁を設定することで、例えば、ショベル100のアタッチメントの一部が仮想壁の近傍に設置されている物体(例えば電柱等)に接触することを防止でき、より安全性を向上させることができる。
【0180】
次に、仮想壁がショベル100に設定された場合について説明する。図10は、ショベルの表示例を示す図である。図10に示す画像表示部41は、図6のステップS614において、ショベル100に表示装置40に表示される画面の一例である。
【0181】
図10に示す表示装置40は、画像表示部41と、入力装置42とを有する。画像表示部41は、各種の画像が表示される画面である。入力装置42は、各種のメニュースイッチが含まれる。
【0182】
まず、画像表示部41について説明する。図10に示されるように、画像表示部41は、日時表示領域41a、走行モード表示領域41b、アタッチメント表示領域41c、燃費表示領域41d、エンジン制御状態表示領域41e、エンジン稼働時間表示領域41f、冷却水温表示領域41g、燃料残量表示領域41h、回転数モード表示領域41i、尿素水残量表示領域41j、作動油温表示領域41k、エアコン運転状態表示領域41m、画像表示領域41n、及びメニュー表示領域41pを含む。
【0183】
走行モード表示領域41b、アタッチメント表示領域41c、エンジン制御状態表示領域41e、回転数モード表示領域41i、及びエアコン運転状態表示領域41mは、ショベル100の設定状態に関する情報である設定稼働情報を表示する領域である。燃費表示領域41d、エンジン稼働時間表示領域41f、冷却水温表示領域41g、燃料残量表示領域41h、尿素水残量表示領域41j、及び作動油温表示領域41kは、ショベル100の稼動状態に関する情報である稼動稼働情報を表示する領域である。
【0184】
具体的には、日時表示領域41aは、現在の日時を表示する領域である。走行モード表示領域41bは、現在の走行モードを表示する領域である。アタッチメント表示領域41cは、現在装着されているアタッチメントを表す画像を表示する領域である。燃費表示領域41dは、コントローラ30によって算出された燃費情報を表示する領域である。燃費表示領域41dは、生涯平均燃費又は区間平均燃費を表示する平均燃費表示領域41d1、瞬間燃費を表示する瞬間燃費表示領域41d2を含む。
【0185】
エンジン制御状態表示領域41eは、エンジン11の制御状態を表示する領域である。エンジン稼働時間表示領域41fは、エンジン11の累積稼働時間を表示する領域である。冷却水温表示領域41gは、現在のエンジン冷却水の温度状態を表示する領域である。燃料残量表示領域41hは、燃料タンクに貯蔵されている燃料の残量状態を表示する領域である。
【0186】
回転数モード表示領域41iは、エンジン回転数調整ダイヤル75によって設定された現在の回転数モードを画像で表示する領域である。尿素水残量表示領域41jは、尿素水タンクに貯蔵されている尿素水の残量状態を画像で表示する領域である。作動油温表示領域41kは、作動油タンク内の作動油の温度状態を表示する領域である。
【0187】
エアコン運転状態表示領域41mは、現在の吹出口の位置を表示する吹出口表示領域41m1、現在の運転モードを表示する運転モード表示領域41m2、現在の設定温度を表示する温度表示領域41m3、及び現在の設定風量を表示する風量表示領域41m4を含む。
【0188】
画像表示領域41nは、撮像装置S6が撮像した画像を表示する領域である。図6の例では、画像表示領域41nは、設定された仮想壁の画像VMを含む画像FV1及び後方画像CBTを表示している。
【0189】
画像FV1は、例えば、前カメラS6Fによって撮像された画像に、仮想壁を示す情報に基づき生成された仮想壁の画像VMを重畳した画像である。仮想壁の画像VMは、例えば、仮想壁を示す情報と、ショベル100の現在の位置を示す位置情報と、ショベル100の向きと、に基づき、表示制御部130により、AR画像として生成された画像である。
【0190】
また、画像表示領域41nは、上方に位置する第1画像表示領域41n1と下方に位置する第2画像表示領域41n2を有する。図10の例では、仮想壁の画像VMを含む画像FV1を第1画像表示領域41n1に配置し、且つ、後方画像CBTを第2画像表示領域41n2に配置している。但し、画像表示領域41nは、仮想壁の画像VMを含む画像FV1を第2画像表示領域41n2に配置し、且つ、後方画像CBTを第1画像表示領域41n1に配置してもよい。
【0191】
また、画像表示領域41nでは、第1画像表示領域41n1に表示させる画像を、仮想壁の画像VMを含む画像FV1から俯瞰画像へ、また、俯瞰画像から仮想壁の画像VMを含む画像FV1へ、切り換えることができる。切り換えの操作は、入力装置42の何れかのスイッチにより行われてもよい。
【0192】
本実施形態の俯瞰画像とは、例えば、表示制御部130によって生成される仮想視点画像であり、後カメラS6B、左カメラS6L、及び右カメラS6Rのそれぞれが取得した画像に基づいて生成される。
【0193】
また、図10の例では仮想壁の画像VMを含む画像FV1又は俯瞰画像と後方画像CBTとは上下に隣接して配置されているが、間隔を空けて配置されていてもよい。また、図10の例では、画像表示領域41nが縦長の領域であるが、画像表示領域41nは横長の領域であってもよい。
【0194】
画像表示領域41nが横長の領域である場合、画像表示領域41nは、左側に第1画像表示領域41n1として仮想壁の画像VMを含む画像FV1又は俯瞰画像を配置し、右側に第2画像表示領域41n2として後方画像CBTを配置してもよい。この場合、左右に間隔を空けて配置してもよいし、仮想壁の画像VMを含む画像FV1又は俯瞰画像と、後方画像CBTと、の位置を入れ換えてもよい。
【0195】
さらに、本実施形態では、第1画像表示領域41n1と第2画像表示領域41n2のそれぞれに、アイコン画像41xが表示される。アイコン画像41xは、撮像装置S6の位置と上部旋回体3のアタッチメントの向きとの相対的関係を表す画像である。
【0196】
本実施形態のアイコン画像41xは、ショベル100の画像41xMと、ショベル100の前方を示す画像41xF、ショベル100の後方を示す画像41xB、を含む。また、アイコン画像41xは、ショベル100の左側を示す画像41xL、ショベル100の右側を示す画像41xR、キャビン10内を示す画像41xIを含む。
【0197】
画像41xF、41xB、41xL、41xR、41xIは、それぞれが、ショベル100の前方を撮像する前カメラS6F、ショベル100の後方を撮像する後カメラS6B、ショベル100の左方を撮像する左カメラS6L、ショベル100の右方を撮像する右カメラS6Rに対応している。また、画像41xIは、キャビン10内部のカメラに対応している。
【0198】
本実施形態では、アイコン画像41xにおいて、各カメラと対応付けられた画像が選択されると、選択された画像と対応するカメラによって撮像された画像データが画像表示領域41nに表示される。
【0199】
図10の例では、第1画像表示領域41n1では、画像41xFの表示態様が、画像41xB、41xL、41xR、画像41xIの表示態様と異なっている。このため、第1画像表示領域41n1には、画像41xFと対応する前カメラS6Fで撮像された画像データに基づく画像FV1が表示されていることがわかる。
【0200】
また、第2画像表示領域41n2では、画像41xBの表示態様が、画像41xF、41xL、41xR、41xIの表示態様と異なっている。このため、第2画像表示領域41n2には、画像41xBと対応する後カメラS6Bで撮像された画像データが示す画像が表示されていることがわかる。
【0201】
メニュー表示領域41pは、タブ41p1~41p7を有する。図10の例では、画像表示部41の最下部に、タブ41p1~41p7が左右に互いに間隔を空けて配置されている。タブ41p1~41p7には、各種情報を表示するためのアイコン画像が表示される。
【0202】
タブ41p1には、メニュー詳細項目を表示するためのメニュー詳細項目アイコン画像が表示されている。オペレータによりタブ41p1が選択されると、タブ41p2~41p7に表示されているアイコン画像がメニュー詳細項目に関連付けされたアイコン画像に切り換わる。
【0203】
タブ41p4には、デジタル水準器に関する情報を表示するためのアイコン画像が表示されている。オペレータによりタブ41p4が選択されると、後方画像CBTがデジタル水準器に関する情報を示す画面に切り換わる。但し、後方画像CBTに重畳したり、後方画像CBTが縮小したりしてデジタル水準器に関する情報を示す画面が表示されてもよい。
【0204】
また、本実施形態では、俯瞰画像を表示させた際に、俯瞰画像がデジタル水準器に関する情報を示す画面に切り換わってもよく、俯瞰画像に重畳したり、俯瞰画像が縮小したりしてデジタル水準器に関する情報を示す画面が表示されてもよい。
【0205】
タブ41p5には、画像表示部41に表示されているメイン画面を積み込み作業画面に遷移させるためのアイコン画像が表示されている。オペレータにより、後述するタブ41p5と対応する入力装置42が選択されると、画像表示部41に表示されたメイン画面が積み込み作業画面に遷移する。なお、このとき、画像表示領域41nは継続して表示され、メニュー表示領域41pが、積み込み作業に関する情報を表示させる領域に切り替わる。
【0206】
タブ41p6には、情報化施工に関する情報を表示するためのアイコン画像が表示されている。オペレータによりタブ41p6が選択されると、後方画像CBTが情報化施工に関する情報を示す画面に切り換わる。但し、後方画像CBTに重畳したり、後方画像CBTが縮小したりして情報化施工に関する情報を示す画面が表示されてもよい。また、俯瞰画像又は仮想壁の画像VMを含む画像FV1が情報化施工に関する情報を示す画面に切り換わってもよく、仮想壁の画像VMを含む画像FV1又は俯瞰画像に重畳したり、仮想壁の画像VMを含む画像FV1又は俯瞰画像が縮小したりしてデジタル水準器に関する情報を示す画面が表示されてもよい。
【0207】
タブ41p7には、クレーンモードに関する情報を表示するためのアイコン画像が表示されている。オペレータによりタブ41p7が選択されると、後方画像CBTがクレーンモードに関する情報を示す画面に切り換わる。但し、後方画像CBTに重畳したり、後方画像CBTが縮小したりしてクレーンモードに関する情報を示す画面が表示されてもよい。
【0208】
また、仮想壁の画像VMを含む画像FV1又は俯瞰画像がクレーンモードに関する情報を示す画面に切り換わってもよく、仮想壁の画像VMを含む画像FV1又は俯瞰画像に重畳したり、仮想壁の画像VMを含む画像FV1又は俯瞰画像が縮小したりしてクレーンモードに関する情報を示す画面が表示されてもよい。タブ41p2、41p3には、アイコン画像が表示されていない。このため、オペレータによりタブ41p2、41p3が操作されても、画像表示部41に表示される画像に変化は生じない。
【0209】
なお、タブ41p1~41p7に表示されるアイコン画像は上記した例に限定されるものではなく、他の情報を表示するためのアイコン画像が表示されていてもよい。
【0210】
次に、入力装置42について説明する。図10に示されるように、入力装置42は、オペレータによるタブ41p1~41p7の選択、設定入力等が行われる1又は複数のボタン式のスイッチにより構成されている。
【0211】
図10の例では、入力装置42は、上段に配置された7つのスイッチ42a1~42a7と、下段に配置された7つのスイッチ42b1~42b7と、を含む。スイッチ42b1~42b7は、スイッチ42a1~42a7のそれぞれの下方に配置されている。
【0212】
但し、入力装置42のスイッチの数、形態、及び配置は、上記した例に限定されるものではなく、例えば、ジョグホイール、ジョグスイッチ等により複数のボタン式のスイッチの機能を1つにまとめた形態であってもよいし、入力装置42が表示装置40と別体になっていてもよい。また、画像表示部41と入力装置42が一体となったタッチパネルでタブ41p1~41p7を直接操作する方式でもよい。
【0213】
スイッチ42a1~42a7は、タブ41p1~41p7の下方に、それぞれタブ41p1~41p7に対応して配置されており、それぞれタブ41p1~41p7を選択するスイッチとして機能する。
【0214】
スイッチ42a1~42a7がそれぞれタブ41p1~41p7の下方に、それぞれタブ41p1~41p7に対応して配置されているので、オペレータは直感的にタブ41p1~41p7を選択できる。
【0215】
図10では、例えば、スイッチ42a1が操作されるとタブ41p1が選択されて、メニュー表示領域41pが1段表示から2段表示に変更されて第1メニューに対応するアイコン画像がタブ41p2~41p7に表示される。また、メニュー表示領域41pが1段表示から2段表示に変更されたことに対応して、後方画像CBTの大きさが縮小される。このとき、仮想壁の画像VMを含む画像FV1又は俯瞰画像の大きさは変更されることなく維持されるので、オペレータがショベル100の周囲を確認するときの視認性が悪化しない。
【0216】
また、表示制御部130は、スイッチ42a5が操作されると、タブ41p5が選択されたものとし、画像表示部41の表示を積み込み作業画面に遷移させる。
【0217】
具体的には、表示制御部130は、スイッチ42a5が操作されると、画像表示領域41nは維持したまま、メニュー表示領域41pを積み込み作業に関する情報を表示させる作業情報表示領域とする。
【0218】
このように、本実施形態では、積み込み作業画面においても、画像表示領域41nに継続して撮像画像が表示されるため、オペレータがショベル100の周囲を確認するときの視認性が悪化させない。
【0219】
スイッチ42b1は、画像表示領域41nに表示される撮像画像を切り換えるスイッチである。スイッチ42b1が操作されるごとに画像表示領域41nの第1画像表示領域41n1に表示される撮像画像が、例えば、後方画像、左方画像、右方画像、及び俯瞰画像の間で切り換わるように構成されている。
【0220】
また、スイッチ42b1が操作されるごとに画像表示領域41nの第2画像表示領域41n2に表示される撮像画像が、例えば、後方画像、左方画像、右方画像、及び俯瞰画像の間で切り換わるように構成されていてもよい。
【0221】
また、表示制御部130は、スイッチ42b1の操作に応じて、アイコン画像41xにおける画像41xF、41xB、41xL、41xR、41xIの表示態様を変更してもよい。
【0222】
また、スイッチ42b1が操作されるごとに画像表示領域41nの第1画像表示領域41n1に表示される撮像画像と第2画像表示領域41n2に表示される撮像画像とが入れ換わるように構成されていてもよい。
【0223】
このように、入力装置42としてのスイッチ42b1は、第1画像表示領域41n1又は第2画像表示領域41n2に表示される画面を切り換えてもよいし、第1画像表示領域41n1と第2画像表示領域41n2に表示される画面を切り換えてもよい。また、第2画像表示領域41n2に表示される画面を切り換えるためのスイッチを別に設けてもよい。
【0224】
スイッチ42b2、42b3は、エアコンの風量を調節するスイッチである。図10の例では、スイッチ42b2が操作されるとエアコンの風量が小さくなり、スイッチ42b3が操作されるとエアコンの風量が大きくなるように構成されている。
【0225】
スイッチ42b4は、冷房・暖房機能のON・OFFを切り換えるスイッチである。図10の例では、スイッチ42b4が操作されるごとに冷房・暖房機能のON・OFFが切り換わるように構成されている。
【0226】
スイッチ42b5、42b6は、エアコンの設定温度を調節するスイッチである。図10の例では、スイッチ42b5が操作されると設定温度が低くなり、スイッチ42b6が操作されると設定温度が高くなるように構成されている。
【0227】
スイッチ42b7は、エンジン稼働時間表示領域41fの表示を切り換得るスイッチである。
【0228】
また、スイッチ42a2~42a6、42b2~42b6は、それぞれのスイッチ又はスイッチ近傍に表示された数字を入力可能に構成されている。また、スイッチ42a3、42a4、42a5、42b4は、メニュー画面にカーソルが表示された際、カーソルをそれぞれ左、上、右、下に移動させることが可能に構成されている。
【0229】
なお、スイッチ42a1~42a7、42b1~42b7に与えられる機能は一例であり、他の機能が実行できるように構成されていてもよい。
【0230】
このように、本実施形態では、画像表示領域41nに仮想壁の画像VMを含む画像FV1(又は俯瞰画像)及び後方画像CBTが表示されている状態で、タブ41p1が選択されると、これらの画像を表示した状態でタブ41p2~41p7に第1メニュー詳細項目が表示される。このため、オペレータは、仮想壁の画像VMを含む画像FV1(又は俯瞰画像)及び後方画像CBTを確認しながら、第1メニュー詳細項目を確認できる。
【0231】
また、画像表示領域41nには、タブ41p1が選択される前後で大きさが変更されることなく仮想壁の画像VMを含む画像FV1又は俯瞰画像が表示される。オペレータがショベル100の周囲を確認するときの視認性が悪化しない。
【0232】
以上のように、本実施形態では、仮想壁の画像VMを含む画像FV1をショベル100の表示装置40に表示させることで、ショベル100のオペレータに対して、仮想壁が設定されたことを把握させることができる。
【0233】
また、本実施形態では、例えば、ショベル100が仮想壁に接近し、ショベル100の動作が停止された場合に、ショベル100が仮想壁に接近したことを示す通知を表示させてもよい。このとき、表示装置40には、仮想壁の画像VMが共に表示されてもよい。
【0234】
本実施形態では、このように、仮想壁への接近をショベル100のオペレータに通知することで、オペレータに対し、ショベル100の動作が停止した理由を把握させることができる。
【0235】
このように、本実施形態では、AR機能を有する支援装置300を用いて、空間中の任意の点の軌跡情報を取得し、軌跡情報に基づき、ショベル100が跨ぐことが禁止された面である仮想壁を設定する。
【0236】
したがって、本実施形態によれば、仮想壁を設定するための事前の計測や設備の設置が不要となる。また、本実施形態では、支援装置300を装着した作業者Pが、視認できる点であれば軌跡情報を取得することができ、仮想壁を設定できる。したがって、本実施形態では、例えば、ロードコーン等の設備を設定することが困難な場所や、作業者Pが立ち入ることが困難な場所であっても、容易に仮想壁を設定することができる。
【0237】
また、本実施形態では、仮想壁を設定するめたに、ロードコーンやマーカ等を常設する必要がなく、作業環境に、仮想壁を設定するためだけに配置されるものをなくすことができ、作業環境を向上させることができる。
【0238】
さらに、本実施形態では、仮想壁を設定する作業と、ショベル100の操作とを独立として行うことができる。したがって、本実施形態によれば、ショベル100による作業を行う前の段階で、作業環境に仮想壁を設定することができる。
【0239】
また、本実施形態の作業支援システムSYSでは、支援装置300において取得された軌跡情報が、管理装置200に送信され、管理装置200を介して、ショベル100に仮想壁が設定されるものとしたが、これに限定されない。
【0240】
本実施形態では、支援装置300は、管理装置200の機能を有していてもよい。この場合、支援装置300は、軌跡情報を取得すると、軌跡情報に基づき特定された面を仮想壁とし、ショベル100に対して仮想壁の設定指示を行えばよい。つまり、本実施形態の支援装置300は、管理装置200の有する面特定部240、設定指示部250を有していてもよい。
【0241】
また、本実施形態では、ショベル100が管理装置200の機能を有してもよい。この場合、支援装置300は、軌跡情報を取得すると、取得した軌跡情報をショベル100に送信する。ショベル100は、支援装置300から軌跡情報を受信すると、軌跡情報に基づき面を特定し、特定された面を仮想壁として自機に設定する。つまり、本実施形態のショベル100は、管理装置200の有する面特定部240、設定指示部250を有していてもよい。
【0242】
このように、支援装置300とショベル100とが直接通信を行うようにすれば、通信の負荷を軽減することができる。また、例えば、インターネット等に接続することが困難な地域等においても、仮想壁を簡単に設定することができる。
【0243】
以上のように、本実施形態によれば、自由かつ簡便に仮想壁を設定することができる。
【0244】
なお、本実施形態では、ショベル100を建設機械の一例としたが、本実施形態は、ショベル100以外の建設機械にも適用することができる。具体的には、例えば、本実施形態は、クレーン等の建設機械にも適用することができる。
【0245】
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、上記内容は、発明の内容を限定するものではなく、本発明の範囲内で種々の変形及び改良が可能である。
【符号の説明】
【0246】
1 下部走行体
2 旋回機構
3 上部旋回体
30 コントローラ
40 表示装置
100 ショベル
110 仮想壁設定部
120 動作制御部
130 表示制御部
200 管理装置
230 軌跡保持部
240 面特定部
250 設定指示部
300 支援装置
320 表示制御部
330 軌跡取得部
図1
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図10