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特開2023-151588仮想同乗者システム、仮想同乗者方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023151588
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】仮想同乗者システム、仮想同乗者方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20231005BHJP
   G01C 21/34 20060101ALI20231005BHJP
   G09B 29/00 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
G08G1/16 D
G01C21/34
G09B29/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022061278
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000153546
【氏名又は名称】ロジスティード株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100177220
【弁理士】
【氏名又は名称】小木 智彦
(72)【発明者】
【氏名】阿部 友梨子
(72)【発明者】
【氏名】後藤 直子
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 直美
(72)【発明者】
【氏名】中村 あみ
(72)【発明者】
【氏名】福長 由貴
(72)【発明者】
【氏名】田尻 美千代
【テーマコード(参考)】
2C032
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2C032HB05
2C032HC08
2C032HC31
2C032HD17
2F129AA03
2F129BB03
2F129DD20
2F129DD21
2F129EE02
2F129EE29
2F129EE90
2F129EE95
2F129GG17
2F129HH12
2F129HH29
5H181AA01
5H181CC04
5H181FF05
5H181FF22
5H181FF24
5H181FF25
5H181FF32
5H181LL07
5H181LL08
5H181LL14
(57)【要約】
【課題】同乗者がドライバーに休憩を促す状況を仮想的に実現するシステムを提供する。
【解決手段】仮想同乗者システム1は、仮想同乗者60の音声データを記憶する仮想同乗者記憶部と、休憩エリア情報と、ドライバーの運転状況を取得する運転状況取得部(ドライブレコーダ)30と、インシデント発生情報と、ドライバー50が運転する車両20の位置情報に少なくとも基づいてインシデント発生情報からインシデントを選択する選択部と、運転状況に基づいて選択されたインシデントの発生の有無を判定する判定部14と、発生したと判定された数を算出する算出部15と、算出された値が閾値を超えた場合に、車両の位置情報に少なくとも基づいて、休憩エリア情報から休憩エリアを抽出する休憩エリア抽出部16と、抽出した休憩エリアへの案内を、記憶された仮想同乗者による音声データでドライバーに出力する出力部と、を備える。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想同乗者が休憩エリアを音声案内する仮想同乗者システムであって、
前記仮想同乗者の音声データを記憶する仮想同乗者記憶部と、
休憩エリアを位置情報に対応付けて記憶する休憩エリア記憶部と、
ドライバーの運転状況を取得する運転状況取得部と、
予め登録したインシデントと、当該インシデントを登録した車両の位置情報とを関係づけて記憶するインシデント記憶部と、
前記ドライバーが運転する車両の位置情報に少なくとも基づいて、前記インシデント記憶部に記憶されたインシデントを選択する選択部と、
前記運転状況に基づいて、選択された前記インシデントの発生の有無を判定する判定部と、
前記判定部でインシデントが発生したと判定された数を算出する算出部と、
前記算出された値が閾値を超えた場合に、前記車両の位置情報に少なくとも基づいて、前記休憩エリア記憶部から休憩エリアを抽出する休憩エリア抽出部と、
前記抽出した休憩エリアへの案内を、前記仮想同乗者記憶部に記憶された仮想同乗者による音声で、前記ドライバーに出力する出力部と、
を備える、仮想同乗者システム。
【請求項2】
前記インシデント記憶部は、前記予め登録したインシデントに、当該インシデントを登録した車両の特徴および/または当該車両のドライバーの特徴を更に関連付けて記憶し、
前記選択部は、前記位置情報と併せて、前記車両の特徴および/または前記ドライバーの特徴に基づいて、前記インシデントを選択する請求項1に記載の仮想同乗者システム。
【請求項3】
前記インシデント記憶部は、更に、前記インシデントにランクを関連付けて記憶し、
前記算出部は、前記判定された数、および前記判定部で発生したと判定されたインシデントのランクに基づいて算出する請求項1または請求項2に記載の仮想同乗者システム。
【請求項4】
前記インシデントが、犯罪、事故、運転アドバイスのうち少なくとも1つである請求項1から請求項3のいずれかに記載の仮想同乗者システム。
【請求項5】
前記出力部が、前記休憩エリア記憶部に基づいて、前記予め登録された休憩エリアを当該休憩エリアの位置情報でプロットした地図を出力する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の仮想同乗者システム。
【請求項6】
前記選択部が、前記ドライバーが運転する車両の位置情報、および当該車両の進行方向に基づいて、前記インシデント記憶部に記憶されたインシデントを選択する請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の仮想同乗者システム。
【請求項7】
前記休憩エリア抽出部が、前記算出された値が閾値を超えた場合に、前記車両の位置情報および当該車両の進行方向に基づいて、前記休憩エリア記憶部から休憩エリアを抽出する請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の仮想同乗者システム。
【請求項8】
前記出力部が、前記ドライバーが選択した仮想同乗者の音声データに基づいて前記案内を音声出力する請求項1から請求項7のいずれかに記載の仮想同乗者システム。
【請求項9】
前記出力部が、前記算出された値に基づいて、複数の仮想同乗者から選択した仮想同乗者の音声データに基づいて、前記案内を音声出力する請求項1から請求項7のいずれかに記載の仮想同乗者システム。
【請求項10】
仮想同乗者が休憩エリアを音声案内する仮想同乗者システムが実行する方法であって、
前記仮想同乗者システムは、休憩エリアを位置情報に対応付けて記憶する休憩エリア記憶部と、予め登録したインシデントと、当該インシデントを登録した車両の位置情報とを関係づけて記憶するインシデント記憶部と、を備え、
前記仮想同乗者の音声データを記憶するステップと、
ドライバーの運転状況を取得するステップと、
前記ドライバーが運転する車両の位置情報に少なくとも基づいて、前記インシデント記憶部に記憶されたインシデントを選択するステップと、
前記運転状況に基づいて、選択された前記インシデントの発生の有無を判定するステップと、
前記インシデントが発生したと判定された数を算出するステップと、
前記算出された値が閾値を超えた場合に、前記車両の位置情報に少なくとも基づいて、前記休憩エリア記憶部から休憩エリアを抽出するステップと、
前記抽出した休憩エリアへの案内を、記憶された仮想同乗者による音声データで、前記ドライバーに出力するステップと、
を含む仮想同乗者システム。
【請求項11】
仮想同乗者が休憩エリアを音声案内する仮想同乗者システムを、
前記仮想同乗者の音声データを記憶する仮想同乗者記憶部、
休憩エリアを位置情報に対応付けて記憶する休憩エリア記憶部、
ドライバーの運転状況を取得する運転状況取得部、
予め登録したインシデントと、当該インシデントを登録した車両の位置情報とを関係づけて記憶するインシデント記憶部、
前記ドライバーが運転する車両の位置情報に少なくとも基づいて、前記インシデント記憶部に記憶されたインシデントを選択する選択部、
前記運転状況に基づいて、選択された前記インシデントの発生の有無を判定する判定部、
前記判定部でインシデントが発生したと判定された数を算出する算出部、
前記算出された値が閾値を超えた場合に、前記車両の位置情報に少なくとも基づいて、前記休憩エリア記憶部から休憩エリアを抽出する休憩エリア抽出部、
前記抽出した休憩エリアへの案内を、記憶された仮想同乗者による音声データで、前記ドライバーに出力する出力部、
として機能させるためのプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドライバーに仮想的な同乗者として音声案内する仮想同乗者システム、仮想同乗者方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば、車両のドライバーに対し、設定された休憩時刻に、休憩時刻である旨を報知する休憩時間報知装置が提案されている(特許文献1参照)。当該休憩時間報知装置は、また、車両周辺で休憩できる場所を探索し、その休憩場所までの推奨経路を探索し、休憩場所までの推奨経路にしたがって車両が走行できるように、経路案内も行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009―085728号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の装置は休憩を促すことはできるが、この休憩を報知するのは予め装置に登録されている複数の機械的な音声である。そのため、運転者は、報知に対して次第に慣れてしまい、注意喚起への意識が薄れ、漫然運転になりやすいという課題がある。また、特許文献1の装置は、設定時刻になると一律に休憩を促すために、ドライバーの疲労が蓄積された状態でも、報知されなかったり、ドライバーが疲労していない状態でも報知されたりするため、ドライバーは、注意喚起への意識が薄れ、漫然運転になりやすいという課題もある。
【0005】
一般に、ドライバーは、同乗者がいると注意喚起の意識が高まる傾向がある。運転を確認できる同乗者は、ドライバーの状態や、周囲の状況などから休憩の必要性を判定して、ドライバーに言葉をかけて、休憩を促すことができる。そして、これに応えて、ドライバーは、休憩を取る場合がある。
【0006】
そこで、本発明は、これらの課題に鑑み、疲労等が蓄積したと想定されるドライバーに休憩を促す状況を、仮想的に実現することができる仮想同乗者システム、仮想同乗者方法、およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、仮想同乗者が休憩エリアを音声案内する仮想同乗者システムであって、
前記仮想同乗者の音声データを記憶する仮想同乗者記憶部と、
休憩エリアを位置情報に対応付けて記憶する休憩エリア記憶部と、
ドライバーの運転状況を取得する運転状況取得部と、
予め登録したインシデントと、当該インシデントを登録した車両の位置情報とを関係づけて記憶するインシデント記憶部と、
前記ドライバーが運転する車両の位置情報に少なくとも基づいて、前記インシデント記憶部に記憶されたインシデントを選択する選択部と、
前記運転状況に基づいて、選択された前記インシデントの発生の有無を判定する判定部と、
前記判定部でインシデントが発生したと判定された数を算出する算出部と、
前記算出された値が閾値を超えた場合に、前記車両の位置情報に少なくとも基づいて、前記休憩エリア記憶部から休憩エリアを抽出する休憩エリア抽出部と、
前記抽出した休憩エリアへの案内を、前記仮想同乗者記憶部に記憶された仮想同乗者による音声で、前記ドライバーに出力する出力部と、を備える仮想同乗者システムを提供する。
【0008】
また、本発明は、前記インシデント記憶部は、前記予め登録したインシデントに、当該インシデントを登録した車両の特徴および/または当該車両のドライバーの特徴を更に関連付けて記憶し、前記選択部は、前記位置情報と併せて、前記車両の特徴および/または前記ドライバーの特徴に基づいて、前記インシデントを選択する仮想同乗者システムを提供する。
【0009】
また、本発明は、前記インシデント記憶部は、更に、前記インシデントにランクを関連付けて記憶し、前記算出部は、前記判定された数、および前記判定部で発生したと判定されたインシデントのランクを算出する仮想同乗者システムを提供する。
【0010】
また、本発明は、前記インシデントが、犯罪、事故、運転アドバイスのうち少なくとも1つである仮想同乗者システムを提供する。
【0011】
また、本発明は、前記出力部が、前記休憩エリア記憶部に基づいて、前記予め登録された休憩エリアを当該休憩エリアの位置情報でプロットした地図を出力する仮想同乗者システムを提供する。
【0012】
また、本発明は、前記選択部が、前記ドライバーが運転する車両の位置情報、および当該車両の進行方向に基づいて、前記インシデント記憶部に記憶されたインシデントを選択する仮想同乗者システムを提供する。
【0013】
また、本発明は、前記休憩エリア抽出部が、前記算出された値が閾値を超えた場合に、前記車両の位置情報および当該車両の進行方向に基づいて、前記休憩エリア記憶部から休憩エリアを抽出する仮想同乗者システムを提供する。
【0014】
また、本発明は、前記仮想同乗者記憶部が、複数の仮想同乗者の音声データを記憶し、前記出力部が、前記ドライバーが選択した仮想同乗者の音声データに基づいて前記案内を音声出力する仮想同乗者システムを提供する。
【0015】
また、本発明は、前記出力部が、前記算出された値に基づいて、複数の仮想同乗者から選択した仮想同乗者の音声データに基づいて、前記案内を音声出力する仮想同乗者システムを提供する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、同乗者がドライバーに休憩を促す状況を仮想的に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態に係る仮想同乗者システムの概要を説明する図である。
図2】本発明の実施形態に係る仮想同乗者システムの機能構成を示す図である。
図3】本発明の実施形態に係る仮想同乗者データベースを模式的に示す図である。
図4】本発明の実施形態に係るインシデントデータベースを模式的に示す図である。
図5】本発明の実施形態に係る休憩エリアデータベースを模式的に示す図である。
図6】本発明の実施形態に係る仮想同乗者システムが実行する仮想同乗者処理フローを示す図である。
図7】本発明の実施形態に係る休憩エリアマップの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。以降の図においては、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号または符号を付している。
【0019】
[基本概念/基本構成]
図1は、本発明の実施形態に係る仮想同乗者システム1の概要を説明するための図である。仮想同乗者システム1は、インシデントの発生に基づいて休憩の必要性を判断し、必要と判断した場合に、実際には同乗していない同乗者である仮想同乗者がドライバーに休憩を案内するシステムである。
【0020】
仮想同乗者システム1は、仮想同乗者装置10と、車両20に搭載されたドライブレコーダ30と、当該車両20内にある端末40とを含む。仮想同乗者装置10は、ドライブレコーダ30および端末40それぞれと無線通信ネットワークを介して接続される。仮想同乗者装置10は、オンプレミスでもクラウドサーバであってもよいが、本実施形態ではクラウドサーバとする。
【0021】
また、車両20は、本実施形態では自動車とするが、ドライバー50が必要な車両であればよく、自転車やオートバイであってもよい。また、本実施形態では端末40はドライバー50が保持するモバイル端末であるが、車両に搭載されているカーナビ端末などであってもよい。
【0022】
端末40は、ドライバー50の操作入力に基づいて、仮想同乗者60を設定する。仮想同乗者60には、ドライバーの家族・友人・上司や、芸能人、有名人などの実在する人物や、キャラクターなどを設定することができる。詳細には、端末40にインストールされたアプリ起動して、端末40に記憶されている音声データを仮想同乗者装置10に記憶することで、仮想同乗者60を設定することができる。なお、仮想同乗者装置10に記憶されている仮想同乗者から選択して設定することや、複数人を仮想同乗者60として設定することもできる。
【0023】
ドライブレコーダ30は、車両20の運転状況を取得して、所定のタイミングにて当該運転状況を仮想同乗者装置10に送信する。運転状況には、位置測位センサ(例えば、GNSSセンサやGPSセンサ)で取得した位置情報と、車載カメラにより撮影された車内外の動/静止画像とが少なくとも含まれるが、GPSセンサ以外の車載センサから取得した車両に関する各種状況を含んでもよい。
【0024】
仮想同乗者装置10は、車両20から取得した運転状況の位置情報に基づいて予め記憶しているインシデント情報から、車両20に発生する可能性のあるインシデントを選択する。そして、仮想同乗者装置10は、選択したインシデントが発生しているか否かを、車両20から取得した運転状況に含まれる車内外の動/静止画像などから判定する。
【0025】
ここで、インシデント情報は、過去に発生したインシデント、および当該インシデントの発生場所などを含み、通信ネットワークを介して、車両20や端末40から取得された情報や、WebサイトおよびSNS等から取得された情報から作成された情報である。
【0026】
仮想同乗者装置10は、車両20にインシデントが発生したと判定すると、インシデントの発生回数などからインシデントポイントを算出する。仮想同乗者装置10は、算出したインシデントポイントが予め設定した閾値を超えたと判定した場合、予め記憶している休憩エリア情報に基づいて、休憩エリアを案内する音声メッセージを生成し、端末40に送信する。そして、音声メッセージを受信した端末40は、当該音声メッセージを仮想同乗者60に発話させ、ドライバーに休憩エリアを案内する。
【0027】
このような仮想同乗者システムによれば、インシデントの発生回数などによってドライバーの疲労度を推定することで、ドライバーが疲労してきた際に、仮想同乗者の発話によって休憩を案内することができる。それにより、同乗者がドライバーに休憩を促す状況を仮想的に実現することができ、適切なタイミングでドライバーに休憩を取らせて、ドライバーの状態を適切に保つことができる。
【0028】
[仮想同乗者システムの機能構成]
図2は、本発明の実施形態に係る仮想同乗者システム1の機能構成を示す図である。仮想同乗者システム1は、仮想同乗者装置10と、仮想同乗者装置10に無線通信ネットワークを介して接続された、ドライブレコーダ30と、端末40と、を備える。
【0029】
(ドライブレコーダの機能構成)
ドライブレコーダ30は、車両20を運転するドライバー50の運転状況を取得する運転状況取得部の機能を有する。ドライブレコーダ30は、仮想同乗者装置10とデータの送受信を行う送受信部31と、制御部32と、記憶部33と、各種センサ34と、カメラ35と、を備える。各種センサ34は、例えば、GPS(Global Positioning System)センサ、音検出センサ、車速センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ、温度センサ、圧力センサ、赤外線センサ、光センサなどがある。
【0030】
制御部32は、カメラ35から車内外の動画像や静止画像(以下、車内外、動/静止画像を区別しない場合には、単に画像という)を取得し、当該画像が撮影された日時と対応付けて記憶部33に記憶する。また、制御部32は、各種センサ34から、位置情報(緯度、経度)、進行方向、音声、速度、加速度、ハンドル回転角度、ブレーキ踏込量、車内/外温度などの車両状況を取得し、当該車両状況が検知された日時と対応付けて記憶部33に記憶する。
【0031】
記憶部33は、画像および車両状況の他に、ドライバーID、車両種別、車両IDなどの車両に関する車両情報を記憶している。車両情報は、ドライバーIDと対応付けてドライバーの特徴を示すドライバー情報(年代、ドライバー歴、業種など)を保持していてもよい。また、車両情報は、車両IDと対応付けて、車両の特徴を示す車両情報(車格、車両の整備情報、走行距離など)を保持していてもよい。送受信部31は、記憶部33に記憶された画像および車両状況と、記憶部33に記憶されている車両情報とを運転状況として、遂次または所定のタイミングで仮想同乗者装置10に送信する。
【0032】
(仮想同乗者装置の機能構成)
仮想同乗者装置10は、ドライブレコーダ30および端末40とデータの送受信を行う送受信部11と、管理部12と、選択部13と、判定部14と、算出部15と、休憩エリア抽出部16と、案内生成部17と、記憶部18と、を備える。
【0033】
記憶部18は、端末40で設定された仮想同乗者60の音声データを格納する仮想同乗者データベース(本明細書中において、データベースをDBと記載することがある)180と、過去に発生したインシデントに関するインシデント情報を格納するインシデントデータベース181と、休憩エリアに関する休憩エリア情報を格納する休憩エリアデータベース182と、を備える。なお、本実施形態において、仮想同乗者装置10はクラウドサーバであるため、記憶部18は、クラウドストレージや分散型台帳で構成されるのが望ましい。
【0034】
管理部12は、端末40から送受信部11を介して取得した仮想同乗者情報に基づいて、仮想同乗者DB180を生成・更新し、記憶部18に記録し管理する。
【0035】
図3は、本実施形態に係る仮想同乗者DBを模式的に示す図である。仮想同乗者DB180の仮想同乗者情報には、仮想同乗者を識別する仮想同乗者ID、仮想同乗者を設定したドライバを識別するドライバID、仮想同乗者名称、仮想同乗者の音声データ、などを示す情報が含まれている。
【0036】
また、管理部12は、インシデントが発生した車両20のドライブレコーダ30から送受信部11を介して取得した運転状況に基づいてインシデント情報を作成する。そして、管理部12は、作成したインシデント情報に基づいて、インシデントDB181を生成・更新し、記憶部18に記録し管理する。なお、インシデント情報は、仮想同乗者システム1が搭載された車両に限らず、他の車両のドライブレコーダから取得したものを含んでいてもよい。また、管理部12は、運転状況以外に、WebサイトおよびSNS等に掲載されたインシデントに関する情報からインシデント情報を作成してもよい。
【0037】
本実施形態において、インシデントとは、事故などの危難が発生するおそれのある、ヒヤリハットとも言われる事態と、アクシデントの両方を含む。詳細には、インシデントは、車両に関する犯罪、車両に関する事故、車両に関する犯罪や事故になり得る状況や引き起こし得る状況などを示す運転アドバイスなどを含む。運転アドバイスには、例えば、天候情報、歩行者確認、通学ゾーン、路駐多い、飛出し注意、道路幅狭い、離合できない、高さ制限、安全運転項目などである。
【0038】
図4は、本発明の実施形態に係るインシデントDBを模式的に示す図である。インシデントDB181のインシデント情報には、インシデントを識別するインシデントID、インシデントが発生した場所の緯度/経度、インシデントの区分、インシデント名称、インシデントの開始時刻、インシデントの終了時刻、ランクなどを示す情報が含まれている。更に、インシデント情報には、インシデントを発生させたドライバーの特徴(年代、ドライバー歴、業種など)、車両の特徴(車格、車両の整備情報、車両の点検情報、走行距離など)、車種などの情報が含まれていてもよい。ここで、ランクとは、インシデントの内容に応じて設定された数値であって、重大なインシデントほど数値が大きくなるよう設定される。なお、インシデント情報には、少なくともインシデント名称と、インシデントが発生した場所の緯度/経度が含まれればよい。
【0039】
図2に戻って、選択部13は、車両20のドライブレコーダ30から取得した運転状況の位置情報に基づいて、インシデントDB181からインシデントを選択する。詳細には、選択部13は、取得した位置情報と一致する位置情報を有するインシデント情報を、インシデントDB181から取得する。
【0040】
選択部13は、取得した位置情報と一致しなくても、取得した位置情報含む所定の範囲内の位置情報を有するインシデント情報を、インシデントDB181から取得してもよい。それにより、車両の現在位置で発生するインシデントだけでなく、現在位置付近で発生するインシデントも取得でき、車両20に発生する可能性のあるインシデントを広範に選択することができる。なお、所定の範囲は、予め設定され、インシデント毎に設定されてもよい。
【0041】
また、選択部13は、運転状況に含まれる車両20の進行方向を位置情報と併せて選択条件に含めてもよく、車両の進行方向にあるインシデントのみを選択することもできる。それにより、車両が走行する可能性の高い場所のインシデントに限定して選択することができる。さらに、選択部13は、現在時刻を位置情報と併せて選択条件に含めてもよく、現在時刻にのみ発生するインシデント、例えば20時には夜に発生するインシデント、に限定して選択することができる。
【0042】
さらにまた、選択部13は、位置情報と併せて車両の特徴やドライバーの特徴を選択条件に含めてもよく、車両やドライバーに合致したインシデントを限定して選択することができる。例えば、車両がトラックの場合にトラックで発生するインシデントを、ドライバーが初心者の場合に、初心者に発生するインシデントを選択できる。更に、その各条件について重み付けして判定してもよい。このように、時間情報、車両の特徴、ドライバーの特徴等を複合的に勘案して判定することにより、そのドライバーや車両に対して真に注意が必要であったインシデントを選択することができるようになる。
【0043】
判定部14は、車両20のドライブレコーダ30から取得した運転状況に基づいて、選択部13で選択されたインシデントの発生の有無を判定する。詳細には、判定部14は、運転状況の画像を解析して、選択されたインシデントが発生しているか否かを判定する。また、記憶部18に各インシデントの車両状況によるインシデント判定条件を格納する判定条件DB(図示せず)を備え、判定部14は、判定条件DBを参照して、運転状況の車両状況が判定条件を満たすか否かによって、選択されたインシデントが発生しているか否かを判定してもよい。
【0044】
例えば、インシデント名称が通学ゾーンの車両状況による判定条件は、ブレーキ踏込量が所定値以上であるか否かである。ブレーキ踏込量が所定値以上であるか否かとはドライバー50が急ブレーキをかけたか否かであって、急ブレーキが必要なインシデント、車両20が子供と接触しそうになったなどのインシデントが発生したか否かを、車両状況から判定することができる。
【0045】
また、判定部14は、インシデントが発生した画像や運転状況から作成した学習データに基づいて、インシデントの発生の有無を判定してもよい。
【0046】
なお、判定部14は、選択部13で、取得した位置情報含む所定の範囲内の位置情報を有するインシデント情報を、インシデントDB161から取得する場合には、選択部13で同一のインシデント情報が取得されなくなるまでの運転状況全てについて、選択部13で選択されたインシデントの発生の有無を判定する。すなわち、インシデントが発生した場所だけでなく発生した場所付近まで広げた範囲において、インシデントの発生の有無を判定する。
【0047】
算出部15は、判定部14で発生したと判定されたインシデントに基づいて、インシデントポイントを算出する。詳細には、算出部15は、判定部14でインシデントが発生したと判定された回数をインシデントポイントとして算出する。また、算出部15は、判定部14でインシデントが発生したと判定された回数、および発生したと判定されたインシデントのランクに基づいて、インシデントポイントを算出してもよい。インシデントのランクは、インシデントDB181を参照し、算出部15が取得する。算出部15は、インシデント情報の車両の特徴やドライバーの特徴に応じて、インシデントポイントに重み付けをしてもよい。例えば、ドライバーが高齢者や初心者の場合や車両がトラックといった大型車の場合には、疲労がたまりやすいとして、インシデントポイントを1.1倍する重み付けをする。
【0048】
ここで、インシデントポイントは、インシデントの発生回数やインシデントのランクに基づき、インシデントの発生状況を数値化したものである。そして、インシデントの発生はドライバー50の疲労が背景にあることから、インシデントポイントはドライバー50の疲労度を示すことができる。
【0049】
また、算出部15は、車両20が停止したことに応じて、インシデントポイントを減少または0にする。インシデントポイントは、ドライバー50の疲労度を示すので、車両が停止、すなわちドライバーが休憩して疲労が回復したことに応じて、減少または0にする。減少値については、任意でよく、例えば、車両の停止時間に応じて決定してもよい。
【0050】
休憩エリア抽出部16は、算出部15で算出したインシデントポイントが予め設定された閾値を超えた場合に、車両20の位置情報に基づいて休憩エリアを抽出する。詳細には、まず、休憩エリア抽出部16は、算出部15でインシデントポイントが算出されたことに応じて、当該インシデントポイントが予め設定された閾値を超えたか否か判定する。
【0051】
次に、休憩エリア抽出部16は、閾値を超えたと判定した場合、運転状況の位置情報に基づいて、休憩エリアDB182から休憩エリアを抽出する。それにより、車両20に最も近い休憩エリアを抽出できる。また、休憩エリア抽出部16は、位置情報および運転状況に含まれる車両の走行方向に基づいて休憩エリアDB182から休憩エリアを抽出してもよい。それにより、車両20に近く、車両20の走行方向にある休憩エリアを抽出できる。さらに、休憩エリア抽出部16は、現在日時、車両の特徴、車種などを抽出条件とし、現在利用可能な休憩エリアのみを抽出してもよい。
【0052】
図5は、本発明の実施形態に係る休憩エリアDBを模式的に示す図である。休憩エリアDB182の休憩エリア情報には、休憩エリアを識別する休憩エリアID、休憩エリアの位置情報である緯度/経度、休憩エリア名称、休憩エリアの利用可能日時、駐車台数、休憩エリアの設備などを示す情報が含まれている。なお、休憩エリア情報には、少なくとも休憩エリア名称と、休憩エリアの緯度/経度が含まれればよい。
【0053】
図2に戻って、休憩エリア抽出部16は、インシデントポイントが閾値を超えていないと判定した場合、処理を終了する。
【0054】
案内生成部17は、端末40で設定された仮想同乗者が、休憩エリア抽出部16で抽出した休憩エリアを案内する音声メッセージを生成する。詳細には、まず、案内生成部17は、休憩エリア抽出部16で抽出された休憩エリアの位置情報と運転状況の位置情報とに基づいて、車両案内用の地図情報を参照し、車両20の現在位置から休憩エリアまでの走行経路を取得する。なお、走行経路の取得は外部システムを利用してもよく、走行経路は現在位置から休憩エリアへの最短経路であればよい。
【0055】
案内生成部17は、端末40に設定された仮想同乗者60の音声データを仮想同乗者DB180から取得する。続いて、案内生成部17は、取得した音声データに基づいて、取得した走行経路から仮想同乗者60の音声メッセージを生成する。音声メッセージには、休憩エリアDB182に記憶されている休憩エリア名称、利用可能時間、駐車台数、設備などの情報や、休憩を促すメッセージが含まれてもよい。
【0056】
それにより、仮想同乗者60とした人物やキャラクターの口調、言い回し、声のトーンなどの特徴を反映させた、休憩エリアを案内する音声メッセージを作成することができる。そして、案内生成部17は、生成した音声メッセージを、送受信部11を介して端末40に送信する。
【0057】
(端末の機能構成)
端末40は、ドライバー50に操作され、例えば、モバイル端末、カーナビ端末などであって、仮想同乗者装置10とネットワークを介して情報を送受信可能に接続される。端末40は、例えばタッチパネルで構成される表示入出力部(図示せず)と、例えばスピーカーで構成される音出力部(図示せず)を備える。
【0058】
ドライバー50は、車両に乗車した際に、入出力部を操作して所定のアプリを起動し、アプリを用いて仮想同乗者60を設定する。その後、ドライバー50が車両20を始動させると、ドライブレコーダ30から仮想同乗者装置10への運転状況の送信が開始される。仮想同乗者装置10でドライバが疲労していると判定されると、ドライバに休憩を促すために、仮想同乗者装置10から受信した、仮想同乗者60の音声メッセージが音出力部から出力される。
【0059】
上記の本システムの機能構成は、あくまで一例であり、1つの機能ブロック(データベース及び機能処理部)を分割したり、複数の機能ブロックをまとめて1つの機能ブロックとして構成したりしてもよい。各機能処理部は、装置や端末に内蔵されたCPU(Central Processing Unit)が、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)、ハードディスク等の記憶装置(記憶部)に格納されたコンピュータ・プログラム(例えば、基幹ソフトや上述の各種処理をCPUに実行させるアプリ等)を読み出し、CPUにより実行されたコンピュータ・プログラムによって実現される。すなわち、各機能処理部は、このコンピュータ・プログラムが、記憶装置に格納されたデータベース(DB;Data Base)やメモリ上の記憶領域からテーブル等の必要なデータを読み書きし、場合によっては、関連するハードウェア(例えば、入出力装置、表示装置、通信インターフェース装置)を制御することによって実現される。また、本発明の実施形態におけるデータベース(DB)は、商用データベースであってよいが、単なるテーブルやファイルの集合体をも意味し、データベースの内部構造自体は問わないものとする。
【0060】
[処理フロー]
図6は、本発明の実施形態に係る仮想同乗者システムが実行する仮想同乗者処理フローを示す図である。仮想同乗者処理は、本実施形態では、仮想同乗者装置が実行する。
【0061】
まず、管理部12は、端末40から送受信部11を介して取得した仮想同乗者情報に基づいて、仮想同乗者DB180(図3参照)を生成・更新し、記憶部18に記憶し管理する(S1)。次に、選択部13は、ドライブレコーダ30から運転状況を取得する(S2)。続いて、選択部13は、S2で取得した運転状況に含まれる位置情報に基づいて、インシデントDB181(図4参照)から、位置情報が一致または所定範囲内であるインシデントを選択する(S3)。
【0062】
次に、判定部14は、S2で取得した運転状況に基づいて、S3で選択したインシデントの発生の有無を判定する(S4)。インシデントが発生している(YES)場合、S5に処理を進め、インシデントが発生していない(NO)場合、S10に処理を進める。
【0063】
次に、算出部15は、S4で発生したと判定されたインシデントに基づいて、インシデントポイントを算出する(S5)。次に、休憩エリア抽出部16が、インシデントポイントが閾値を超えたか否かを判定する(S6)。インシデントポイントが閾値を超えた場合(YES)、S7に処理を進め、一方、発生回数が閾値を超えない場合(NO)、S10に処理を進める。
【0064】
次に、休憩エリア抽出部16は、S2で取得した運転状況に含まれる位置情報に少なくとも基づいて、休憩エリアDB182から休憩エリアを抽出する(S7)。次に、案内生成部17は、仮想同乗者DB180および地図情報に基づいて、端末40で設定された仮想同乗者が、S7で抽出した休憩エリアを案内する音声メッセージを生成する(S8)。次に、送受信部11は、S8で生成された音声メッセージを端末40に送信し、端末40の音出力部から出力することで、仮想同乗者60に発話させる(S9)。
【0065】
次に、選択部13が、ドライブレコーダ30から新たに運転状況が取得できたか、または運転状況が取得できた場合には取得した運転状況に基づいて、車両20が停止しているか否かを判定する。車両20のエンジンが停止されるとドライブレコーダ30から新たに運転状況が取得できないため、車両20が停止していると判定する。また、車両20が停止していてもエンジンが停止されていない場合には、運転状況が取得されるため、取得した運転状況に基づいて、例えば、画像や位置情報が同じままである、車速や加速度が0であることに基づいて、車両20が停止していると判定する。
【0066】
選択部13が車両20が停止していると判定した場合(YES)には、S11に処理を進め、車両20が停止していないと判定した場合(NO)には、運転が継続されていると判断してS3に処理を戻す(S10)。そして、算出部15は、インシデントポイントを減少または0にする(S11)。
【0067】
このような仮想同乗者システムによれば、インシデントの発生回数および/またはインシデントの重大度を示すランクによってドライバーの疲労度を推定し、ドライバーが疲労してきたと判定した際に、仮想同乗者の発話によって休憩エリアを案内することができる。それにより、同乗者がドライバーに休憩を促す状況を仮想的に実現して、休憩に関する案内への注意喚起に対するドライバーの意識を高めることができ、適切なタイミングでドライバーに休憩を取らせてることができる。その結果、ドライバーの状態を適切に保つことができ、ドライバーの漫然運転を防止できる。
【0068】
また、車両の進行方向に基づいて、車両から最も近くかつ車両の進行方向にある休憩エリアを案内することができる。さらに、現在日時、車両の特徴、車種などに基づいて、利用可能な休憩エリアを案内することができる。
【0069】
また、仮想同乗者システムによれば、仮想同乗者が発話することによって、ドライバーに同乗者がいる感覚を感じさせることでもドライバーの安全運転の意識向上を図ることができる。仮想同乗者は、ドライバーが設定することができ、身近な家族、好きな芸能人やキャラクター、改まった気持ちになる上司などを任意に選択できることで、その時の気分に合わせて仮想同乗者を選択することができる。
【0070】
[変形例]
(1)例えば、仮想同乗者システムは、仮想同乗者情報に、ドライバー名称を含めてもよい。それにより、案内生成部は、ドライバー名称を入れたメッセージ、例えば、「太郎、休憩しよう。次の信号を左。」を作成することができる。それにより、ドライバーは自分に話しかけられていることを実感しやすくなり、休憩を促す効果が向上する。また、同乗者がいる感覚も高まる。
【0071】
(2)例えば、仮想同乗者システムは、記憶部に地図情報を記憶し、地図情報と休憩エリア情報とに基づいて、地図上の休憩エリアの位置情報に休憩エリアを示すアイコンを表示した休憩エリアマップ(図6参照)を生成して、ドライバーの端末等に送信してもよい。それにより、ドライバーに、車両近傍の休憩エリアを提示することができ、休憩を促すことができる。休憩エリアマップは、ジャンル毎(例えば、コンビニエンスストアや駐車場など)に異なるアイコンを表示したり、設備や利用時間で検索できるようにしてもよい。また、休憩エリアを利用した車両のドライバーから収集したコメントなども併せて表示してもよい。
【0072】
(3)例えば、仮想同乗者システムは、インシデントポイントに基づいて仮想同乗者を選択し、選択した仮想同乗者が休憩エリアを案内する音声メッセージを生成することができる。例えば、インシデントポイントが閾値をわずかに上回った時には、家族・友人・芸能人などの音声によりゆとりある感じで休憩を案内し、インシデントポイントが閾値を大きく上回った時には、上司などの音声で差し迫った感じで休憩を案内することができる。それにより、仮想同乗者の属性により、休憩を急かすことができる。
【0073】
(4)例えば、仮想同乗者システムは、案内された休憩エリアで停止した場合に、ポイントを付与するポイント付与部を備えてもよい。ポイントがたまるとプレゼントがもらえたりすることで、休憩の取得を向上させることができる。
【0074】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。なお、上記の実施形態では、本発明を物の発明として、仮想同乗者システムについて説明したが、本発明において仮想同乗者システムが実行する方法や、仮想同乗者システムを各種手段として機能させるプログラムの発明と捉えることもできる。
【符号の説明】
【0075】
1 仮想同乗者システム
10 仮想同乗者装置
11 送受信部
12 管理部
13 選択部
14 判定部
15 算出部
16 休憩エリア抽出部
17 案内生成部
18 記憶部
180 仮想同乗者DB
181 インシデントDB
182 休憩エリアDB
20 車両
30 ドライブレコーダ
31 送受信部
32 制御部
33 記憶部
34 各種センサ
35 カメラ
40 端末
50 ドライバー
60 仮想同乗者
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7