(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023151677
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】廃棄物回収支援システム、廃棄物回収支援方法、管理サーバ及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20231005BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022061423
(22)【出願日】2022-03-31
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-05-15
(71)【出願人】
【識別番号】511090534
【氏名又は名称】株式会社グリーナー
(74)【代理人】
【識別番号】100163267
【弁理士】
【氏名又は名称】今中 崇之
(72)【発明者】
【氏名】三根 進也
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 和雄
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC12
(57)【要約】
【課題】事業系一般廃棄物の回収漏れを抑制できる廃棄物回収支援システム、廃棄物回収支援方法、管理サーバ及びプログラムを提供する。
【解決手段】廃棄物回収支援システム10は、事業系一般廃棄物の回収状況を管理する管理サーバ20と、管理サーバ20に接続され、事業系一般廃棄物を回収する廃棄物回収事業者によって操作される第1の端末30と、事業系一般廃棄物が排出された回収地点までの回収経路を生成する地図情報提供サービス50に接続され、廃棄物回収事業者の回収作業員が事業系一般廃棄物を回収する際に使用され、GPS機能を有する第2の端末40と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
事業系一般廃棄物の回収状況を管理する管理サーバと、
前記事業系一般廃棄物を回収する廃棄物回収事業者によって操作され、前記管理サーバに接続できる第1の端末と、
前記事業系一般廃棄物が排出された回収地点までの回収経路を生成する地図情報提供サービスに接続され、前記廃棄物回収事業者の回収作業員が前記事業系一般廃棄物を回収する際に使用され、GPS機能を有する第2の端末と、を備えた廃棄物回収支援システムであって、
前記管理サーバが、前記複数の回収地点の位置の情報及び該回収地点を経由する順序の情報を含む回収登録情報を管理する回収登録情報管理部と、
回収が完了した回収地点の情報及び当該回収地点にて回収された前記事業系一般廃棄物の回収量の情報を含む回収状況情報を管理する回収状況情報管理部と、を有し、
前記第1の端末が、前記管理サーバから、前記回収状況情報を取得する回収状況情報取得部を有し、
前記第2の端末が、前記管理サーバから、前記回収登録情報を取得する回収登録情報取得部と、
前記回収登録情報取得部が取得した前記回収登録情報に基づいて、前記地図情報提供サービスに対し、前記回収経路の生成を要求する経路生成要求部と、
前記地図情報提供サービスによって生成された前記回収経路を含む回収支援情報を表示する回収支援情報表示部と、
該第2の端末の端末位置情報に基づいて回収が完了した前記回収地点の情報を特定した後、前記回収状況情報を生成し、該回収状況情報を前記回収状況情報管理部に送信する回収状況情報生成部と、を有する廃棄物回収支援システム。
【請求項2】
請求項1記載の廃棄物回収支援システムにおいて、
前記回収状況情報が、前記回収作業員を識別するための回収作業員識別情報を含む廃棄物回収支援システム。
【請求項3】
請求項1又は2記載の廃棄物回収支援システムにおいて、
前記第2の端末が、前記端末位置情報に基づいて所定の回収漏れアラート出力条件が成立したと判断した場合に、警告を出力する回収漏れアラート出力部を更に有し、
前記所定の回収漏れアラート出力条件が、前記第2の端末の端末位置が、次の目的地となる前記回収地点から予め設定された距離の範囲内に入った後、該第2の端末に前記回収量の情報が入力されることなく、前記距離の範囲から外れたこと又は前記端末位置が、次の目的地とは異なる回収地点から予め設定された距離の範囲内に入ったことである廃棄物回収支援システム。
【請求項4】
請求項3記載の廃棄物回収支援システムにおいて、
前記第2の端末が、前記端末位置情報に基づいて所定の回収遅延アラート出力条件が成立したと判断した場合に、警告を出力する回収遅延アラート出力部を更に有し、
前記回収登録情報が、前記事業系一般廃棄物を回収すべき回収時間の情報を含み、
前記所定の回収遅延アラート出力条件が、前記回収時間までに、前記端末位置が次の目的地となる前記回収地点から予め設定された距離の範囲内に入らなかったことである廃棄物回収支援システム。
【請求項5】
請求項3又は4記載の廃棄物回収支援システムにおいて、
前記回収支援情報が、前記回収経路上に表示された前記回収地点を示すためのマーカーを含み、
前記回収支援情報表示部が、前記回収量が入力された際の前記第2の端末の端末位置が前記回収地点から前記予め設定された距離の範囲にある場合に、当該回収地点に対応する前記マーカーの色を変更する廃棄物回収支援システム。
【請求項6】
請求項5記載の廃棄物回収支援システムにおいて、
前記回収登録情報が、前記複数の回収地点についてそれぞれ前記事業系一般廃棄物を回収すべき回収日の情報を更に含み、
前記経路生成要求部が、前記地図情報提供サービスに対し、前記回収日に該当する前記回収地点のみを目的地とする前記回収経路の生成を要求する廃棄物回収支援システム。
【請求項7】
請求項6記載の廃棄物回収支援システムにおいて、
前記回収支援情報表示部が、前記回収日に該当する前記回収地点を示す前記マーカーのみを表示する廃棄物回収支援システム。
【請求項8】
請求項7記載の廃棄物回収支援システムにおいて、
前記回収登録情報が、前記事業系一般廃棄物の排出場所の位置を特定するための画像を更に含み、
前記回収支援情報表示部が、前記画像を表示する廃棄物回収支援システム。
【請求項9】
請求項8記載の廃棄物回収支援システムにおいて、
前記回収登録情報が、前記回収作業員に対する連絡事項としてのテキスト情報を更に含み、
前記回収支援情報表示部が、前記テキスト情報を表示する廃棄物回収支援システム。
【請求項10】
請求項9記載の廃棄物回収支援システムにおいて、
前記第2の端末が、前記端末位置情報を新たな回収地点の位置として回収登録情報管理部に送信する情報修正部を更に備え、
前記情報修正部によって送信された前記端末位置情報に基づいて、前記回収登録情報管理部が管理する前記回収地点の位置の情報が修正される廃棄物回収支援システム。
【請求項11】
請求項1記載の廃棄物回収支援システムが備える管理サーバ。
【請求項12】
請求項1記載の廃棄物回収支援システムが備える第2の端末を、
前記管理サーバから、前記回収登録情報を取得する回収登録情報取得手段、
前記回収登録情報取得手段が取得した前記回収登録情報に基づいて、前記地図情報提供サービスに対し、前記回収経路の生成を要求する経路生成要求手段、
前記地図情報提供サービスによって生成された前記回収経路を含む回収支援情報を表示する回収支援情報表示手段、
該第2の端末の端末位置情報に基づいて回収が完了した前記回収地点の情報を特定した後、前記回収状況情報を生成し、該回収状況情報を前記回収状況情報管理部に送信する回収状況情報生成手段、として機能させるためのプログラム。
【請求項13】
請求項1記載の廃棄物回収支援システムを使用した廃棄物回収支援方法であって、
前記回収登録情報管理部が、前記複数の回収地点の位置の情報及び回収順序の情報を含む回収登録情報を管理する管理ステップと、
前記回収登録情報取得部が、前記回収登録情報管理部から、前記回収登録情報を取得する情報取得ステップと、
前記経路生成要求部が、取得した前記回収登録情報に基づいて、前記地図情報提供サービスに対し、前記回収経路の生成を要求する経路生成要求ステップと、
前記回収支援情報表示部が、該地図情報提供サービスによって生成された前記回収経路を含む前記回収支援情報を表示する回収支援情報表示ステップと、
前記回収作業員が、前記回収経路に基づいて前記事業系一般廃棄物を回収する回収ステップと、
前記回収状況情報生成部が、前記回収状況情報管理部に対し、前記回収状況情報を送信する回収状況情報生成ステップと、
前記回収状況情報取得部が、前記回収状況情報管理部から、前記回収状況情報を取得する回収状況情報取得ステップと、を含む廃棄物回収支援方法。
【請求項14】
事業系一般廃棄物の回収状況を管理する管理サーバと、
前記事業系一般廃棄物を回収する廃棄物回収事業者によって操作され、前記管理サーバに接続できる第1の端末と、
前記事業系一般廃棄物が排出された回収地点までの回収経路を生成する地図情報提供サービスに接続され、前記廃棄物回収事業者の回収作業員が前記事業系一般廃棄物を回収する際に使用され、GPS機能を有する第2の端末と、を備えた廃棄物回収支援システムを使用した廃棄物回収支援方法であって、
前記管理サーバが、前記複数の回収地点の位置の情報及び回収順序の情報を含む回収登録情報を管理する管理ステップと、
前記第2の端末が、前記管理サーバから、前記回収登録情報を取得する情報取得ステップと、
前記第2の端末が、取得した前記回収登録情報に基づいて、前記地図情報提供サービスに対し、前記回収経路の生成を要求する経路生成要求ステップと、
前記第2の端末が、該地図情報提供サービスによって生成された前記回収経路を含む回収支援情報を表示する回収支援情報表示ステップと、
前記回収作業員が、前記回収経路に基づいて前記事業系一般廃棄物を回収し、回収した前記事業系一般廃棄物の回収量の情報を前記第2の端末に入力する回収ステップと、
前記第2の端末が、前記管理サーバに対し、該第2の端末の位置情報及び前記回収量の情報を含む回収状況情報を送信する回収状況情報生成ステップと、
前記第1の端末が、前記管理サーバから、前記回収状況情報を取得する回収状況情報取得ステップと、を含む廃棄物回収支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃棄物回収支援システム、廃棄物回収支援方法、管理サーバ及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数の廃棄物収集運搬業者に対して、効率的な収集を支援する廃棄物収集支援方法が記載されている。この廃棄物収集支援方法は、廃棄物を収集し運搬する複数の廃棄物収集運搬業者に関連付けられた、廃棄物収集運搬車両毎の収集運搬開始地点の収集開始位置情報及び収集運搬終了地点の収集終了位置情報を取得するステップと、収集する廃棄物の廃棄物位置情報、収集する廃棄物の重量情報、及び収集する廃棄物の取扱金額情報を取得する、廃棄物情報取得ステップと、収集開始位置情報、収集終了位置情報、廃棄物位置情報、重量情報、取扱金額情報、及び地図情報に基づいて、収集運搬時に個々の廃棄物収集運搬車両の移動距離が最短となるように収集運搬経路を決定する経路決定ステップとを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで一般に、事業系一般廃棄物の回収地点は、一つの回収経路につき、数十箇所以上に及ぶ場合があり、回収作業員による廃棄物の回収漏れが発生する場合がある。
本発明は、事業系一般廃棄物の回収漏れを抑制できる廃棄物回収支援方法及び廃棄物回収支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、事業系一般廃棄物の回収状況を管理する管理サーバと、前記事業系一般廃棄物を回収する廃棄物回収事業者によって操作され、前記管理サーバに接続できる第1の端末と、前記事業系一般廃棄物が排出された回収地点までの回収経路を生成する地図情報提供サービスに接続され、前記廃棄物回収事業者の回収作業員が前記事業系一般廃棄物を回収する際に使用され、GPS機能を有する第2の端末と、を備えた廃棄物回収支援システムであって、前記管理サーバが、前記複数の回収地点の位置の情報及び該回収地点を経由する順序の情報を含む回収登録情報を管理する回収登録情報管理部と、回収が完了した回収地点の情報及び当該回収地点にて回収された前記事業系一般廃棄物の回収量の情報を含む回収状況情報を管理する回収状況情報管理部と、を有し、前記第1の端末が、前記管理サーバから、前記回収状況情報を取得する回収状況情報取得部を有し、前記第2の端末が、前記管理サーバから、前記回収登録情報を取得する回収登録情報取得部と、前記回収登録情報取得部が取得した前記回収登録情報に基づいて、前記地図情報提供サービスに対し、前記回収経路の生成を要求する経路生成要求部と、前記地図情報提供サービスによって生成された前記回収経路を含む回収支援情報を表示する回収支援情報表示部と、該第2の端末の端末位置情報に基づいて回収が完了した前記回収地点の情報を特定した後、前記回収状況情報を生成し、該回収状況情報を前記回収状況情報管理部に送信する回収状況情報生成部と、を有する廃棄物回収支援システムである。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の廃棄物回収支援システムにおいて、前記回収状況情報が、前記回収作業員を識別するための回収作業員識別情報を含む。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2記載の廃棄物回収支援システムにおいて、前記第2の端末が、前記端末位置情報に基づいて所定の回収漏れアラート出力条件が成立したと判断した場合に、警告を出力する回収漏れアラート出力部を更に有し、前記所定の回収漏れアラート出力条件が、前記第2の端末の端末位置が、次の目的地となる前記回収地点から予め設定された距離の範囲内に入った後、該第2の端末に前記回収量の情報が入力されることなく、前記距離の範囲から外れたこと又は前記端末位置が、次の目的地とは異なる回収地点から予め設定された距離の範囲内に入ったことである。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項3記載の廃棄物回収支援システムにおいて、前記第2の端末が、前記端末位置情報に基づいて所定の回収遅延アラート出力条件が成立したと判断した場合に、警告を出力する回収遅延アラート出力部を更に有し、前記回収登録情報が、前記事業系一般廃棄物を回収すべき回収時間の情報を含み、前記所定の回収遅延アラート出力条件が、前記回収時間までに、前記端末位置が次の目的地となる前記回収地点から予め設定された距離の範囲内に入らなかったことである。
【0009】
請求項5に記載の発明は、請求項3又は4記載の廃棄物回収支援システムにおいて、前記回収支援情報が、前記回収経路上に表示された前記回収地点を示すためのマーカーを含み、前記回収支援情報表示部が、前記回収量が入力された際の前記第2の端末の端末位置が前記回収地点から前記予め設定された距離の範囲にある場合に、当該回収地点に対応する前記マーカーの色を変更する。
【0010】
請求項6に記載の発明は、請求項5記載の廃棄物回収支援システムにおいて、前記回収登録情報が、前記複数の回収地点についてそれぞれ前記事業系一般廃棄物を回収すべき回収日の情報を更に含み、前記経路生成要求部が、前記地図情報提供サービスに対し、前記回収日に該当する前記回収地点のみを目的地とする前記回収経路の生成を要求する。
【0011】
請求項7に記載の発明は、請求項6記載の廃棄物回収支援システムにおいて、前記回収支援情報表示部が、前記回収日に該当する前記回収地点を示す前記マーカーのみを表示する。
【0012】
請求項8に記載の発明は、請求項7記載の廃棄物回収支援システムにおいて、前記回収登録情報が、前記事業系一般廃棄物の排出場所の位置を特定するための画像を更に含み、前記回収支援情報表示部が、前記画像を表示する。
【0013】
請求項9に記載の発明は、請求項8記載の廃棄物回収支援システムにおいて、前記回収登録情報が、前記回収作業員に対する連絡事項としてのテキスト情報を更に含み、前記回収支援情報表示部が、前記テキスト情報を表示する。
【0014】
請求項10に記載の発明は、請求項9記載の廃棄物回収支援システムにおいて、前記第2の端末が、前記端末位置情報を新たな回収地点の位置として回収登録情報管理部に送信する情報修正部を更に備え、前記情報修正部によって送信された前記端末位置情報に基づいて、前記回収登録情報管理部が管理する前記回収地点の位置の情報が修正される。
【0015】
請求項11に記載の発明は、請求項1記載の廃棄物回収支援システムが備える管理サーバである。
【0016】
請求項12に記載の発明は、請求項1記載の廃棄物回収支援システムが備える第2の端末を、前記管理サーバから、前記回収登録情報を取得する回収登録情報取得手段、前記回収登録情報取得手段が取得した前記回収登録情報に基づいて、前記地図情報提供サービスに対し、前記回収経路の生成を要求する経路生成要求手段、前記地図情報提供サービスによって生成された前記回収経路を含む回収支援情報を表示する回収支援情報表示手段、該第2の端末の端末位置情報に基づいて回収が完了した前記回収地点の情報を特定した後、前記回収状況情報を生成し、該回収状況情報を前記回収状況情報管理部に送信する回収状況情報生成手段、として機能させるためのプログラムである。
【0017】
請求項13に記載の発明は、請求項1記載の廃棄物回収支援システムを使用した廃棄物回収支援方法であって、前記回収登録情報管理部が、前記複数の回収地点の位置の情報及び回収順序の情報を含む回収登録情報を管理する管理ステップと、前記回収登録情報取得部が、前記回収登録情報管理部から、前記回収登録情報を取得する情報取得ステップと、前記経路生成要求部が、取得した前記回収登録情報に基づいて、前記地図情報提供サービスに対し、前記回収経路の生成を要求する経路生成要求ステップと、前記回収支援情報表示部が、該地図情報提供サービスによって生成された前記回収経路を含む前記回収支援情報を表示する回収支援情報表示ステップと、前記回収作業員が、前記回収経路に基づいて前記事業系一般廃棄物を回収する回収ステップと、前記回収状況情報生成部が、前記回収状況情報管理部に対し、前記回収状況情報を送信する回収状況情報生成ステップと、前記回収状況情報取得部が、前記回収状況情報管理部から、前記回収状況情報を取得する回収状況情報取得ステップと、を含む廃棄物回収支援方法である。
【0018】
請求項14に記載の発明は、事業系一般廃棄物の回収状況を管理する管理サーバと、前記事業系一般廃棄物を回収する廃棄物回収事業者によって操作され、前記管理サーバに接続できる第1の端末と、前記事業系一般廃棄物が排出された回収地点までの回収経路を生成する地図情報提供サービスに接続され、前記廃棄物回収事業者の回収作業員が前記事業系一般廃棄物を回収する際に使用され、GPS機能を有する第2の端末と、を備えた廃棄物回収支援システムを使用した廃棄物回収支援方法であって、前記管理サーバが、前記複数の回収地点の位置の情報及び回収順序の情報を含む回収登録情報を管理する管理ステップと、前記第2の端末が、前記管理サーバから、前記回収登録情報を取得する情報取得ステップと、前記第2の端末が、取得した前記回収登録情報に基づいて、前記地図情報提供サービスに対し、前記回収経路の生成を要求する経路生成要求ステップと、前記第2の端末が、該地図情報提供サービスによって生成された前記回収経路を含む回収支援情報を表示する回収支援情報表示ステップと、前記回収作業員が、前記回収経路に基づいて前記事業系一般廃棄物を回収し、回収した前記事業系一般廃棄物の回収量の情報を前記第2の端末に入力する回収ステップと、前記第2の端末が、前記管理サーバに対し、該第2の端末の位置情報及び前記回収量の情報を含む回収状況情報を送信する回収状況情報生成ステップと、前記第1の端末が、前記管理サーバから、前記回収状況情報を取得する回収状況情報取得ステップと、を含む廃棄物回収支援方法である。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、事業系一般廃棄物の回収漏れを抑制できる廃棄物回収支援システム、廃棄物回収支援方法、管理サーバ及びプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の一実施の形態に係る廃棄物回収支援システムの構成図である。
【
図2】(A)、(B)は、同廃棄物回収支援システムが備える作業員端末にて実行されたアプリケーションプログラムによって表示された画面例(その1)及び画面例(その2)を示す説明図である。
【
図3】(A)、(B)は、同廃棄物回収支援システムが備える作業員端末にて実行されたアプリケーションプログラムによって表示された画面例(その3)画面例(その4)を示す説明図である。
【
図4】同廃棄物回収支援システムが備える作業員端末にて実行されたアプリケーションプログラムによって表示された画面例(その5)を示す説明図である。
【
図5A】同廃棄物回収支援システムの情報登録処理を示すフロー図である。
【
図5B】同廃棄物回収支援システムの回収支援情報表示処理を示すフロー図である。
【
図5C】同廃棄物回収支援システムの回収作業支援処理を示すフロー図である。
【
図6】(A)、(B)は、それぞれ、同廃棄物回収支援システムの回収漏れアラート出力処理及び回収遅延アラート出力処理を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。なお、図において、説明に関連しない部分は図示を省略する場合がある。
【0022】
本発明の一実施の形態に係る廃棄物回収支援システム10は、
図1に示すように、廃棄物管理事業者が管理し、事業系一般廃棄物の回収状況を管理する管理サーバ20、事業系一般廃棄物を回収する回収事業者が操作する回収事業者端末30及び回収事業者の回収作業員が使用する作業員端末40を備え、回収車両に乗って事業系一般廃棄物を回収する回収作業員の作業を支援できる。
管理サーバ20、回収事業者端末30及び作業員端末40は互いにインターネットを介して接続され、管理サーバ20及び作業員端末40は、それぞれ、地図情報提供サービス50を利用できる。
【0023】
ここで、この地図情報提供サービス50は、クラウドサービスとして提供され、指定された目的地までの経路を生成できるサービスであり、生成した経路の情報を提供できる。
地図情報提供サービス50の一例として、例えば、Gooogle Maps Paltformが挙げられる。
なお、以下、事業系一般廃棄物を単に「廃棄物」という場合がある。
【0024】
管理サーバ20は、回収登録情報管理部202と、回収状況情報管理部204と、を有している。
回収登録情報管理部202は、回収事業者端末30から設定された事前登録情報に情報を追加して回収登録情報を生成し、生成した回収登録情報を管理できる。
回収登録情報は、廃棄物の回収作業を支援するために必要な情報であって、1)店舗情報と、2)コース情報と、3)回収作業員情報と、を含んでいる。
店舗情報は、必要に応じて作業員端末40に表示され、回収作業員が回収地点の詳細を確認するための情報であり、例えば表1に示すように、次の情報を含んでいる。
【0025】
【0026】
(1)回収地点の名称
回収地点の名称は、例えば、廃棄物を排出する排出事業者の店舗等の名称であり、回収事業者によって任意に付与される。
(2)回収地点の所在地
回収地点の所在地は、廃棄物の排出場所がある排出事業者の店舗等の所在地である。
(3)回収地点の電話番号
回収地点の電話番号は、排出事業者の店舗等の連絡先となる電話番号である。
(4)排出場所特定情報
排出場所特定情報は、廃棄物の具体的な回収地点(排出場所)を特定しやすくするための画像であり、例えば、ゴミ集積庫がある場所の入り口を示す写真や回収車両を降りてからゴミ集積庫までの経路を撮影した動画である。排出場所特定情報として、複数の画像(写真や動画)が登録されてもよい。
排出場所特定情報を参照することにより、例えば不慣れな回収作業員が、広い敷地の中に設置されたゴミ集積庫を見つけやすくなり、回収作業の効率が向上する。
排出場所特定情報は、必要に応じて登録される。
(5)連絡事項
連絡事項は、その回収地点において回収作業をする際の注意事項等のテキスト情報である。
【0027】
コース情報は、複数存在する回収コースごとに登録される。コース情報は、例えば表2に示すように、次の情報を含んでいる。
なお、表2は、回収事業者により名称「Aコース」(
図2及び
図3参照)として設定されたコース情報を示している。
【0028】
【0029】
(1)コースの名称
コースの名称は、回収事業者により設定された回収コースの名称である。一般に、回収コースは、廃棄物の種類や回収エリアに応じて複数設定される。
(2)廃棄物の種類
廃棄物の種類は、例えば、可燃ごみ、不燃ごみ、段ボール、新聞、雑誌、ペットボトル、ビニール、缶及び発泡スチロールであり、これらの一部(例えば、段ボール、新聞及び雑誌の一群)が一つの廃棄物の種類として設定されてもよい。
廃棄物の種類の情報は、後に詳述するように、作業員端末40にて実行されるアプリケーションプログラムにおける廃棄物の回収量の入力項目として設定される。
(3)回収順序
回収順序は、各回収地点を経由する順序である。
(4)回収地点の名称
回収地点の名称は、前述の店舗情報に含まれる情報である。
(5)回収曜日(回収日の一例)
回収曜日は、廃棄物を回収する曜日である。回収曜日は、廃棄物を排出する排出事業者と廃棄物回収事業者との間で事前に取り決められる。
なお、回収日は、曜日に代えて、具体的な日にちであってもよい。
(6)回収時間
回収時間は、回収事業者が廃棄物を回収できる時間である。回収時間は、廃棄物を排出する排出事業者と廃棄物回収事業者との間で事前に取り決められる。回収時間の情報は、必要に応じて登録される。
(7)回収地点の座標(回収地点の位置の情報の一例)
回収地点の座標は、排出事業者の店舗の所在地に対応する位置の情報である。座標は、回収登録情報(店舗情報)に含まれる回収地点の所在地の情報に基づいて求められ、地図情報提供サービス50から取得される。
なお、この座標は、地図情報提供サービス50が回収経路を生成するために指定する目的地を特定するための情報であり、回収地点の位置の情報は座標に限定されるものではない。従って、地図情報提供サービス50が回収経路を生成できるのであれば、回収地点の座標に代えて所在地の情報やマップコードであってもよい。
(8)回収地点識別コード
回収地点識別コードは、各回収地点を識別するための情報であり、各回収地点に関する店舗情報は、この回収地点識別コードに関連付けられている。
回収地点識別コードは、回収登録情報管理部202によって生成されるコードである。
【0030】
回収作業員情報は、1)回収作業員名の情報と、2)回収作業員識別コードと、を含んでいる。回収作業員識別コードは、回収作業員を識別するための情報であり、回収作業員名が関連付けられている。
回収作業員識別コード(回収作業員識別情報の一例)は、回収登録情報管理部202によって生成されるコードである。
【0031】
回収状況情報管理部204は、作業員端末40から送信された回収状況情報を保存し、管理できる。回収状況情報は、回収状況に関する情報であり、その詳細については、後述する。
【0032】
回収事業者端末(第1の端末の一例)30は、例えば、回収事業者の事務所に設置され、
図1に示すように、事前登録情報設定部302と、回収状況情報取得部304と、を有している。
【0033】
事前登録情報設定部302は、事前登録情報が入力され、入力された事前登録情報を管理サーバ20に送信できる。事前登録情報は、
図5Aに示すように、前述の回収登録情報に含まれる複数の情報のうち、管理サーバ20にて追加される情報以外の情報である。
【0034】
回収状況情報取得部304は、管理サーバ20にアクセスすることによって、後述する回収状況情報を取得できる。
【0035】
作業員端末(第2の端末の一例)40は、GPS機能、カメラ及び表示画面を有し、廃棄物回収事業者の回収作業員が廃棄物の回収作業の際に使用する端末である。作業員端末40は、例えばスマートフォンやタブレットのようなモバイル端末であることが好ましい。
作業員端末40は、回収登録情報取得部402と、入力項目表示部404と、経路生成要求部406と、回収支援情報表示部408と、情報修正部410と、回収量入力受付部412と、回収状況情報生成部414と、回収漏れアラート出力部416と、回収遅延アラート出力部418と、を有している。
なお、作業員端末40においては、例えば
図2~
図4に示すような画面を表示する廃棄物回収支援アプリケーションプログラムが実行され、回収登録情報取得部402、入力項目表示部404、経路生成要求部406、回収支援情報表示部408、情報修正部410、回収量入力受付部412、回収状況情報生成部414、回収漏れアラート出力部416及び回収遅延アラート出力部418の機能が実現される。
【0036】
回収登録情報取得部(回収登録情報取得手段の一例)402は、管理サーバ20から、回収登録情報に含まれる店舗情報、コース情報及び回収作業員識別コードを取得できる。
【0037】
入力項目表示部(入力項目表示手段の一例)404は、コース情報に含まれる廃棄物の種類の情報に基づいて、回収量の入力項目を設定し、表示できる。
すなわち、入力項目表示部404は、廃棄物の種類が、例えば、1)可燃ごみと、2)段ボール・新聞・雑誌の一群と、である場合は、
図4に示すように、1)可燃ごみについての回収量が入力される第1の入力項目と、2)段ボール・新聞・雑誌の一群についての回収量が入力される第2の入力項目と、を設定し表示できる。
【0038】
経路生成要求部(経路生成要求手段の一例)406は、回収登録情報取得部402が取得した回収登録情報(コース情報)に基づいて、地図情報提供サービス50に対し、回収経路の生成を要求できる。
【0039】
回収支援情報表示部(回収支援情報表示手段の一例)408は、画面に回収支援情報を表示できる。回収支援情報は、回収作業を支援するために表示される情報であって、次の情報を含んでいる。
(1)次の回収地点の名称
次の回収地点の名称は、次に回収に向かう目的地となる回収地点の名称である(
図2(A)上部参照)。
(2)進捗率
進捗率は、回収経路上の全ての回収地点の数Aに対する回収済みの回収地点の数Bであり、例えば、B/A(
図2(A)の右上部分参照)や百分率で表示される。
その回収地点の廃棄物が回収済みであることは、回収完了判定条件が成立することによって判断される。回収完了判定条件は、GPS機能により得られた作業員端末40の端末位置が、その回収地点の予め設定された距離Dの範囲内にあり、作業員端末40に廃棄物の種類ごとの回収量の情報が入力されたことである。
(3)経路案内情報
経路案内情報は、地図情報提供サービス50によって提供される情報である。経路案内情報は、1)作業員端末40の現在位置から次に向かうべき回収地点までの地図上の回収経路R1と、2)次に向かうべき回収地点以後の回収地点を全て順に通る回収経路R2と、3)各回収地点までの到着予定時刻の情報と、が含まれる。
(4)マーカー(現在地マーカー及び各目的地マーカー)
マーカーは、地図上に表示され、位置を示すための標識であり、作業員端末40の現在位置を示す現在地マーカー及び目的地となる各回収地点を示す目的地マーカーである。目的地マーカーは、回収順序を示す番号1、2、3、4・・・が付されて表示される。
マーカーの表示方法は、任意の方法とすることができる。例えば、回収支援情報表示部408が、地図情報提供サービス50から取得した地図上にマーカーを表示してもよいし、回収支援情報表示部408が、地図情報提供サービス50に対して必要なマーカーの表示を要求し、地図情報提供サービス50からマーカーが表示された地図を取得し、これを表示してもよい。
(5)店舗情報
店舗情報は、前述とおり、回収登録情報取得部402が取得した情報であり、
図3(A)に示すように、必要に応じてサブウィンドウに表示される。
【0040】
情報修正部(情報修正手段の一例)410は、回収支援情報(表1参照)に含まれる店舗情報の連絡事項を回収作業員が入力した内容に修正できる。修正された連絡事項は、管理サーバ20に送信され、回収登録情報管理部202が管理する回収登録情報(店舗情報)に含まれる、対応する回収地点に関する連絡事項が修正される。
また、情報修正部410は、回収作業員の操作により、回収地点の位置をGPS機能により取得された作業員端末40の端末位置に修正できる。修正のために取得された端末位置情報は、管理サーバ20に送信され、回収登録情報管理部202が管理する回収登録情報(コース情報)に含まれる、対応する回収地点の座標が修正される。
更に、情報修正部410は、回収作業員の操作により、排出場所特定情報である画像を追加又は削除できる。追加された画像は、管理サーバ20に送信され、回収登録情報管理部202が管理する回収登録情報(店舗情報)に含まれる、対応する回収地点の排出場所特定情報が修正される。
【0041】
回収量入力受付部(回収量入力受付手段の一例)412は、
図4に示すように、廃棄物の種類ごとの入力項目として入力された具体的な数量を受け付ける。
【0042】
回収状況情報生成部(回収状況情報生成手段の一例)414は、廃棄物を回収した際の次の情報を回収状況情報として生成し、回収状況情報管理部204に送信できる。
(1)回収作業員識別コード(回収作業員識別情報の一例)
回収作業員識別コードは、前述の回収登録情報(回収作業員情報)に含まれる情報であり、管理サーバ20から取得された情報である。
なお、回収作業員識別情報は、この回収作業員識別コードに限定されるものではなく、回収作業員を識別できる情報であれば任意の情報でよい。
(2)車両番号
車両番号は、廃棄物の回収作業に使用される車両を識別するための情報であり、アプリケーションプログラムの起動後に、初期設定情報として入力される。車両番号は、車両を識別することができれば、自動車登録番号に限定されるものではなく、任意の情報でよい。
(3)回収時刻
回収時刻は、廃棄物の回収量が入力されてから予め決められた時間が経過するまでの時刻である。
(4)回収済み回収地点識別コード(回収が完了した回収地点の情報の一例)
回収済み回収地点識別コードは、管理サーバ20から取得された回収登録情報(コース情報)に含まれる回収地点識別コードのうち、回収済みと判断された回収地点に対応する回収地点識別コードである。
回収済み回収地点識別コードは、回収量が入力された際に作業員端末40のGPS機能により取得された端末位置情報に基づいて特定される。詳細には、前述の回収完了判定条件が成立すると、その回収地点の廃棄物は回収済みであると判断され、対応する回収地点識別コードが、回収済み回収地点識別コードとして特定される。
なお、回収が完了した回収地点の情報は、回収済み回収地点識別コードに限定されるものではなく、回収が完了した回収地点を識別できる情報であれば任意の情報でよい
(5)廃棄物の種類ごとの回収量
廃棄物の種類ごとの回収量は、回収作業員によって、
図4に示すように、回収量入力受付部412によって受け付けられた廃棄物の種類ごとの数量である。
【0043】
回収漏れアラート出力部(回収漏れアラート出力手段の一例)416は、端末位置情報に基づいて所定の回収漏れアラート出力条件が成立したと判断した場合に、廃棄物の回収の漏れが発生したことを警告する回収漏れアラートを出力できる。
この回収漏れアラート出力条件は、1)GPS機能により取得された作業員端末40の端末位置が、次の目的地となる回収地点から予め設定された距離Dの範囲内に入った後、廃棄物の回収量の情報が入力されることなく、距離Dの範囲から外れたこと又は2)GPS機能により取得された作業員端末40の端末位置が、次の目的地とは異なる回収地点から予め設定された距離Dの範囲内に入ったことである。
【0044】
回収遅延アラート出力部(回収遅延アラート出力手段の一例)418は、端末位置情報に基づいて所定の回収遅延アラート出力条件が成立したと判断した場合に、廃棄物の回収の遅延が発生したことを警告する回収遅延アラートを出力できる。
この回収遅延アラート出力条件は、作業員端末40の端末位置が、回収登録情報(コース情報)に含まれる回収曜日(回収日)の回収時間までに、次の目的地となる回収地点から予め設定された距離Dの範囲内に入らなかったことである。
【0045】
次に、廃棄物回収支援システム10を用いた廃棄物回収支援方法について、
図5A~
図5Cに基づいて説明する。なお、以下に示す各ステップは、可能な場合は、順番が入れ替えて実行されてもよいし、並行して実行されてもよい。
【0046】
まず、
図5Aに示す事前準備としての情報登録処理が実行される。
(ステップS1-1)
回収事業者端末30に前述の事前登録情報が入力される。
【0047】
(ステップS1-2)
事前登録情報設定部302が、入力された事前登録情報を管理サーバ20に送信する。
【0048】
(ステップS1-3)
回収登録情報管理部202が、事前登録情報に基づいて、回収地点識別コード及び回収作業員識別コードを生成する。
その後、回収登録情報管理部202が、地図情報提供サービス50に対し、事前登録情報に含まれる回収地点の所在地に対応する座標の取得を要求する。
【0049】
(ステップS1-4)
回収登録情報管理部202が、回収地点の所在地の情報を地図情報提供サービス50に送信する。
【0050】
(ステップS1-5)
地図情報提供サービス50が、回収地点の所在地を対応する地図上の座標に変換する。
【0051】
(ステップS1-6)
回収登録情報管理部202が、地図情報提供サービス50から、回収地点の座標の情報を取得する。
【0052】
(ステップS1-7)
回収登録情報管理部202によって、事前登録情報に対して、回収地点識別コード、回収作業員識別コード及び回収地点の座標の情報が追加され、1)店舗情報と、2)コース情報と、3)回収作業員情報と、を含む回収登録情報として管理される。
【0053】
次に、廃棄物の回収作業が開始され、
図5Bに示す回収支援情報を表示するための処理が実行される。
【0054】
(ステップS2-1)
作業員端末40にてアプリケーションプログラムが起動されると、表示画面にログイン画面(不図示)が表示される。回収作業員によって自身のユーザ名及びパスワードを含むログイン情報が入力される。
【0055】
(ステップS2-2)
ログイン情報が管理サーバ20に送信されると、管理サーバ20は、認証を行う。
【0056】
(ステップS2-3)
管理サーバ20の回収登録情報管理部202が、認証したユーザ名に基づいて、回収登録情報(回収作業員情報)から、対応する作業員識別コードを読み込む。
【0057】
(ステップS2-4)
管理サーバ20の回収登録情報管理部202が、作業員端末40に、回収作業員識別コードを送信する。
【0058】
(ステップS2-5)
作業員端末40が、回収作業員識別コードを取得し、保存する。
【0059】
(ステップS2-6)
作業員端末40の表示画面に初期設定画面(不図示)が表示され、回収作業員が、初期設定情報として、1)回収作業を実施するコースの名称と、2)回収作業に使用する車両番号と、を入力する。
【0060】
(ステップS2-7)
管理サーバ20の回収登録情報管理部202が、入力された初期設定情報を取得する。
【0061】
(ステップS2-8)
回収登録情報管理部202が、初期設定情報に含まれるコースの名称から、対応するコース情報(表2参照)を読み出す。
【0062】
(ステップS2-9)
回収登録情報管理部202が、読み出したコース情報を送信する。
【0063】
(ステップS2-10)
作業員端末40の回収登録情報取得部402が、コース情報を取得し、取得したコース情報を保存する。
【0064】
(ステップS2-11)
作業員端末40の経路生成要求部406が、地図情報提供サービス50に対し、コース情報に含まれる排出事業者の店舗の座標及び回収順序の情報に基づいて、次に向かうべき回収地点を目的地とする回収経路R1の生成を要求する。
また、経路生成要求部406は、次に向かうべき回収地点以後の回収地点を全て順に通る回収経路R2の生成を要求する。
ここで、経路生成要求部406は、現在の曜日を確認し、コース情報に含まれる回収地点のうち、回収曜日(回収日)に該当する回収地点のみを目的地として指定する。
従って、例えば、表2に示した4つの回収地点のうち、現在が金曜日であれば、4つの回収地点が目的地として指定され、現在が火曜日である場合は、回収順序が第3番目のC運輸P3支社は、目的地の指定から除外される。
このように、回収日に該当する回収地点のみが目的地として指定されるため、回収日に該当しない回収地点に向かう回収経路が生成されることがない。
【0065】
(ステップS2-12)
経路生成要求部406から、地図情報提供サービスに対し、指定した目的地(回収地点)の情報が送信される。
【0066】
(ステップS2-13)
地図提供サービスが、指定された目的地の情報に基づいて、現在地から次に向かうべき回収地点までの回収経路R1及び次に向かうべき回収地点以後の回収地点を全て順に通る回収経路R2をそれぞれ生成する。
なお、回収経路R1、R2が生成されるとともに、各回収地点までの到着予定時刻も計算される。
【0067】
(ステップS2-14)
生成された各回収経路R1、R2は、各回収地点までの到着予定時刻とともに、経路案内情報として作業員端末40に送信される。
【0068】
(ステップS2-15)
作業員端末40の回収支援情報表示部408が、送信された経路案内情報を取得した後、回収支援情報のうち、1)次の回収地点の名称と、2)進捗率と、3)経路案内情報と、4)マーカー(現在地マーカー及び目的地マーカー)と、を表示画面に表示する。
具体的には、
図2(A)に示すように、実行されたアプリケーションプログラムによって表示された画面の上部に、次の回収地点の名称及び進捗率が表示される。なお、
図2及び
図3に示した画面においては、前述のステップS2-6にて、5つの回収地点を回るAコースが指定され、第1番目の回収地点に向かう前の状態であるため、進捗率として「0/5」が表示されている。
【0069】
また、
図2(A)に示すように、画面の中央部の地図上に、丸で示された現在地マーカーM0及び各目的地マーカーが、回収経路及び到着予想時刻の情報とともに表示される。
経路案内情報が示された地図は、回収作業員の操作により、任意の地点を拡大又は縮小して表示することが可能である。
ここで、回収経路については、同
図2(A)に示すように、回収地点を全て順に通る回収経路R2ではなく、現在地から次の回収地点までの回収経路R1のみが表示される。
回収地点を全て順に通る回収経路R2は、地図情報提供サービス50から各回収地点までの到着予定時刻の情報を得るために生成されものであるため、到着予定時刻の情報が得られるのであれば、必ずしも回収経路R2は生成されなくてもよい。
【0070】
画面下部に表示された「現在地」ボタンが押されると、作業員端末40の端末位置を中心とした地図が表示される。
「現在地」ボタンの右側にある「コース」ボタンが押されると、
図2(B)に示すように、サブウィンドウが現れ、回収地点のリストが回収順に表示される。回収地点のリストは、目的地マーカーの番号に対応しており、各回収地点の到着予定時刻とともに表示される。
【0071】
また、回収支援情報表示部408は、回収作業員の操作に応じて、回収支援情報に含まれる店舗情報(回収地点の名称、回収地点の所在地、電話番号、排出場所特定情報及び連絡事項)を表示できる。
具体的には、目的地マーカーがタップされると、回収登録情報取得部402が、管理サーバ20に対し、店舗情報の提供を要求し、管理サーバ20の回収登録情報管理部202から、作業員端末40の回収登録情報取得部402に対し、店舗情報が送信される。
その結果、回収支援情報表示部408によって、
図3(A)に示すようなサブウィンドウに回収地点の詳細な情報(店舗情報)が表示される。なお、矢印で示すように、サブウィンドウが更に上方に引き出されると、同
図3(B)に示すように、回収地点の名称のみならず、回収地点の所在地、電話番号、排出場所特定情報(画像)及び連絡事項が表示される。
【0072】
従って、例えば、回収地点に初めて向かうような不慣れな回収作業員であっても、排出場所特定情報(画像)を参照することで、効率的にゴミ集積庫(排出場所)を見つけることができる。
また、日によって異なる回収作業員が回収を担当する場合であっても、作業員端末40により連絡事項が共有される。
【0073】
次に、
図5Cに示す回収作業を支援するための処理が実行される。
(ステップS3-1)
回収地点にて廃棄物を回収する際、回収作業員が、アプリケーションプログラム上に表示されたサブウィンドウ中の回収地点のリスト(
図2(B)参照)をタップすると、入力項目表示部404によって、廃棄物の種類ごとに回収量を入力するための画面(
図4参照)が表示される。
回収作業員が、廃棄物の種類ごとに回収量を入力すると、入力された回収量は、回収量入力受付部412より受け付けられる。
回収量が受け付けられると、回収状況情報生成部414によって、回収時刻及び回収済み回収地点識別コードが特定され、1)回収作業員識別コードと、2)車両番号と、3)回収時刻と、4)回収済み回収地点識別コードと、5)廃棄物の種類ごとの回収量と、を含む情報が前述の回収状況情報(
図5C参照)として生成される。
【0074】
(ステップS3-2)
生成された回収状況情報が、管理サーバ20に送信される。
【0075】
(ステップS3-3)
送信された回収状況情報が、管理サーバ20の回収状況情報管理部204によって保存される。
その後、回収状況情報管理部204では、回収状況情報に含まれる回収量に基づいて、廃棄物の種類ごとの回収費用が計算される。
また、回収状況情報管理部204では、回収状況情報に基づいて、行政や排出事業者に提出する所定の報告書に報告事項として記載すべき情報が生成される。
【0076】
(ステップS3-4)
回収事業者端末30の回収状況情報取得部304が、必要に応じて回収状況情報管理部204にアクセスすることにより、保存された回収状況情報を取得する。
【0077】
(ステップS3-5)
回収状況情報が、回収事業者端末30のディスプレイに表示され、回収事業者が、回収済み回収地点識別コードに対応する回収済みの回収地点及び回収量、すなわち現在の回収状況を把握できる。
また、回収状況情報に回収作業員識別コード及び回収時刻が含まれているので、担当した回収作業員の回収作業に要する時間が可視化され、回収作業における各回収作業員の能率を分析できる。
なお、回収事業者は、回収事業者端末30のディスプレイに、ステップS3-3にて計算された廃棄物の種類ごとの回収費用を表示したり、生成された情報を所定の報告書として表示したりすることもできる。
【0078】
(ステップS3-6)
回収支援情報表示部408が、前述の回収完了判定条件を満たすか否かを確認する。
回収完了判定条件が成立すると、再度ステップS2-11(
図5B参照)以降のステップが実行される。
その後、回収支援情報表示部408は、回収済みの回収地点を示す目的地マーカーの色を変更して表示するとともに、次の回収地点の名称、次の回収地点までの回収経路、進捗率の表示を更新して表示する。すなわち、回収完了判定条件が成立すると、回収支援情報が更新して表示される。
従って、回収作業が進むに従って、進捗率や目的地マーカーの色が順次変化していくので、回収の進捗状況が把握される。また、作業員端末40には、次の回収地点までの経路のみが表示されるので、回収漏れの発生が抑制される。
【0079】
ここで、廃棄物回収支援システム10を使用して回収作業を行っている際に、作業員端末40に表示される情報と回収現場における情報とが一致しなかったり、必要な情報が不足していたりする場合がある。
特に、1)回収作業員に対する連絡事項(
図3(B)参照)が実情と異なっている場合と、2)回収地点を示す目的地マーカー位置と実際の排出位置とが大きく離れている場合と、3)排出場所特定情報である画像を追加する場合と、について、それぞれ説明する。
【0080】
回収作業員に対する連絡事項(
図3(B)参照)が実情と異なっている場合は、回収作業員が、作業員端末40からその連絡事項を修正したり、追加したりできる。
連絡事項が表示されている箇所の左側に表示されたアイコンがタップされると、編集画面(不図示)が表示され、回収作業員が直接その内容を編集することで適切な連絡事項に修正される。修正された連絡事項は、管理サーバ20に送信され、回収登録情報管理部202によって管理されている元の連絡事項(店舗情報)が更新される。
【0081】
回収地点を示す目的地マーカー位置と実際の排出位置とが大きく離れている場合は、作業員端末40から、回収地点の座標の情報を変更することができる。
回収作業員が、
図4に示す画面の下部に表示された有効スイッチをオンに設定すると、作業員端末40が有する情報修正部410が、GPS機能により端末位置情報を取得する。取得された端末位置情報は、管理サーバ20に送信され、回収登録情報管理部202によって管理されている回収地点の座標(コース情報)が新たな回収地点の座標として修正される。
その後、ステップS2-1に従って、コース情報が再送され、ステップS2-2~S2-5が実行されることにより、目的地マーカーの位置が修正された回収経路が作業員端末40に表示される。
【0082】
排出場所特定情報である画像を追加する場合は、作業員端末40が用いられる。
回収作業員が、
図3(B)に示す画像を左方向にスワイプすると、画像の追加を示すアイコン(不図示)が現れ、このアイコンをタップすることで作業員端末40のカメラが起動され、追加する画像を撮像することができる。撮像された画像は、管理サーバ20に送信され、回収登録情報管理部202によって管理されている排出場所特定情報(店舗情報)として追加される。
このように、回収作業員により、回収現場の実情に即して対応する店舗情報又はコース情報が更新される。
【0083】
次に、回収漏れアラート出力部416及び回収遅延アラート出力部418によるアラート出力処理について説明する。
【0084】
回収漏れアラート出力部416は、
図6(A)に示すように、全ての回収地点についての回収作業が完了するまで(ステップS5-3)、前述の回収漏れアラート出力条件の成否を監視し(ステップS5-1)、成立したと判断すると、回収漏れアラートを出力する(ステップS5-2)。
回収漏れアラートは、作業員端末40の画面上にメッセージとして表示されてもよいし、音声や警告音として出力されてもよい。
【0085】
回収遅延アラート出力部418は、
図6(B)に示すように、全ての回収地点についての回収作業が完了するまで(ステップS6-3)、前述の回収遅延アラート出力条件の成否を監視し(ステップS6-1)、成立したと判断すると、回収遅延アラートを出力する(ステップS6-2)。
回収遅延アラートは、作業員端末40の画面上にメッセージとして表示されてもよいし、音声や警告音として出力されてもよい。
【0086】
従って、回収漏れアラート出力部416及び回収遅延アラート出力部418によって、それぞれ回収漏れ及び回収漏れの発生が抑制される。
【0087】
以上説明したように、廃棄物回収支援システム10によれば、廃棄物の回収漏れが抑制される。
【0088】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上記した形態に限定されるものでなく、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用範囲である。
【符号の説明】
【0089】
10 廃棄物回収支援システム
20 管理サーバ
30 回収事業者端末
40 作業員端末
50 地図情報提供サービス
202 回収登録情報管理部
204 回収状況情報管理部
302 事前登録情報設定部
304 回収状況情報取得部
402 回収登録情報取得部
404 入力項目表示部
406 経路生成要求部
408 回収支援情報表示部
410 情報修正部
412 回収量入力受付部
414 回収状況情報生成部
416 回収漏れアラート出力部
418 回収遅延アラート出力部
【手続補正書】
【提出日】2022-12-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
事業系一般廃棄物の回収状況を管理する管理サーバと、
前記事業系一般廃棄物を回収する廃棄物回収事業者によって操作され、前記管理サーバに接続できる第1の端末と、
前記事業系一般廃棄物が排出された回収地点までの回収経路を生成するクラウドサービスである地図情報提供サービスに接続され、前記廃棄物回収事業者の回収作業員が前記事業系一般廃棄物を回収する際に使用され、GPS機能を有する第2の端末と、を備えた廃棄物回収支援システムであって、
前記管理サーバが、前記複数の回収地点の位置の情報及び該回収地点を経由する順序の情報を含む回収登録情報を管理する回収登録情報管理部と、
回収が完了した回収地点の情報及び当該回収地点にて回収された前記事業系一般廃棄物の回収量の情報を含む回収状況情報を管理する回収状況情報管理部と、を有し、
前記第1の端末が、前記管理サーバから、前記回収状況情報を取得する回収状況情報取得部を有し、
前記第2の端末が、前記管理サーバから、前記回収登録情報を取得する回収登録情報取得部と、
前記回収登録情報取得部が取得した前記回収登録情報に基づいて、前記地図情報提供サービスに対し、前記回収経路の生成を要求する経路生成要求部と、
前記地図情報提供サービスによって生成された前記回収経路を含む回収支援情報を表示する回収支援情報表示部と、
該第2の端末の端末位置情報に基づいて回収が完了した前記回収地点の情報を特定した後、前記回収状況情報を生成し、該回収状況情報を前記回収状況情報管理部に送信する回収状況情報生成部と、
前記GPS機能による端末位置情報に基づいて所定の回収漏れアラート出力条件が成立したと判断した場合に、警告を出力する回収漏れアラート出力部と、を有する廃棄物回収支援システム。
【請求項2】
請求項1記載の廃棄物回収支援システムにおいて、
前記所定の回収漏れアラート出力条件が、前記第2の端末の端末位置が、次の目的地となる前記回収地点から予め設定された距離の範囲内に入った後、該第2の端末に前記回収量の情報が入力されることなく、前記距離の範囲から外れたこと又は前記端末位置が、次の目的地とは異なる回収地点から予め設定された距離の範囲内に入ったことである廃棄物回収支援システム。
【請求項3】
請求項1又は2記載の廃棄物回収支援システムにおいて、
前記第2の端末が、前記端末位置情報に基づいて所定の回収遅延アラート出力条件が成立したと判断した場合に、警告を出力する回収遅延アラート出力部を更に有する廃棄物回収支援システム。
【請求項4】
請求項3記載の廃棄物回収支援システムにおいて、
前記回収登録情報が、前記事業系一般廃棄物を回収すべき回収時間の情報を含み、
前記所定の回収遅延アラート出力条件が、前記回収時間までに、前記端末位置が次の目的地となる前記回収地点から予め設定された距離の範囲内に入らなかったことである廃棄物回収支援システム。
【請求項5】
請求項4記載の廃棄物回収支援システムにおいて、
前記回収支援情報が、前記回収経路上に表示された前記回収地点を示すためのマーカーを含み、
前記回収支援情報表示部が、前記回収量が入力された際の前記第2の端末の端末位置が前記回収地点から前記予め設定された距離の範囲にある場合に、当該回収地点に対応する前記マーカーの色を変更する廃棄物回収支援システム。
【請求項6】
請求項5記載の廃棄物回収支援システムにおいて、
前記回収登録情報が、前記複数の回収地点についてそれぞれ前記事業系一般廃棄物を回収すべき回収日の情報を更に含み、
前記経路生成要求部が、前記地図情報提供サービスに対し、前記回収日に該当する前記回収地点のみを目的地とする前記回収経路の生成を要求する廃棄物回収支援システム。
【請求項7】
請求項6記載の廃棄物回収支援システムにおいて、
前記回収支援情報表示部が、前記回収日に該当する前記回収地点を示す前記マーカーのみを表示する廃棄物回収支援システム。
【請求項8】
請求項7記載の廃棄物回収支援システムにおいて、
前記回収登録情報が、前記事業系一般廃棄物の排出場所の位置を特定するための画像を更に含み、
前記回収支援情報表示部が、前記画像を表示する廃棄物回収支援システム。
【請求項9】
請求項8記載の廃棄物回収支援システムにおいて、
前記回収登録情報が、前記回収作業員に対する連絡事項としてのテキスト情報を更に含み、
前記回収支援情報表示部が、前記テキスト情報を表示する廃棄物回収支援システム。
【請求項10】
請求項9記載の廃棄物回収支援システムにおいて、
前記第2の端末が、前記端末位置情報を新たな回収地点の位置として回収登録情報管理部に送信する情報修正部を更に備え、
前記情報修正部によって送信された前記端末位置情報に基づいて、前記回収登録情報管理部が管理する前記回収地点の位置の情報が修正される廃棄物回収支援システム。
【請求項11】
請求項1記載の廃棄物回収支援システムが備える管理サーバ。
【請求項12】
請求項1記載の廃棄物回収支援システムが備える第2の端末を、
前記管理サーバから、前記回収登録情報を取得する回収登録情報取得手段、
前記回収登録情報取得手段が取得した前記回収登録情報に基づいて、前記地図情報提供サービスに対し、前記回収経路の生成を要求する経路生成要求手段、
前記地図情報提供サービスによって生成された前記回収経路を含む回収支援情報を表示する回収支援情報表示手段、
該第2の端末の端末位置情報に基づいて回収が完了した前記回収地点の情報を特定した後、前記回収状況情報を生成し、該回収状況情報を前記回収状況情報管理部に送信する回収状況情報生成手段、
前記GPS機能による端末位置情報に基づいて所定の回収漏れアラート出力条件が成立したと判断した場合に、警告を出力する回収漏れアラート出力手段、として機能させるためのプログラム。
【請求項13】
請求項1記載の廃棄物回収支援システムを使用した廃棄物回収支援方法であって、
前記回収登録情報管理部が、前記複数の回収地点の位置の情報及び回収順序の情報を含む回収登録情報を管理する管理ステップと、
前記回収登録情報取得部が、前記回収登録情報管理部から、前記回収登録情報を取得する情報取得ステップと、
前記経路生成要求部が、取得した前記回収登録情報に基づいて、前記地図情報提供サービスに対し、前記回収経路の生成を要求する経路生成要求ステップと、
前記回収支援情報表示部が、該地図情報提供サービスによって生成された前記回収経路を含む前記回収支援情報を表示する回収支援情報表示ステップと、
前記回収作業員が、前記回収経路に基づいて前記事業系一般廃棄物を回収する回収ステップと、
前記回収状況情報生成部が、前記回収状況情報管理部に対し、前記回収状況情報を送信する回収状況情報生成ステップと、
前記回収状況情報取得部が、前記回収状況情報管理部から、前記回収状況情報を取得する回収状況情報取得ステップと、
前記回収漏れアラート出力部が、前記GPS機能による端末位置情報に基づいて所定の回収漏れアラート出力条件が成立したと判断した場合に、警告を出力する回収漏れアラート出力ステップと、を含む廃棄物回収支援方法。
【請求項14】
事業系一般廃棄物の回収状況を管理する管理サーバと、
前記事業系一般廃棄物を回収する廃棄物回収事業者によって操作され、前記管理サーバに接続できる第1の端末と、
前記事業系一般廃棄物が排出された回収地点までの回収経路を生成するクラウドサービスである地図情報提供サービスに接続され、前記廃棄物回収事業者の回収作業員が前記事業系一般廃棄物を回収する際に使用され、GPS機能を有する第2の端末と、を備えた廃棄物回収支援システムを使用した廃棄物回収支援方法であって、
前記管理サーバが、前記複数の回収地点の位置の情報及び回収順序の情報を含む回収登録情報を管理する管理ステップと、
前記第2の端末が、前記管理サーバから、前記回収登録情報を取得する情報取得ステップと、
前記第2の端末が、取得した前記回収登録情報に基づいて、前記地図情報提供サービスに対し、前記回収経路の生成を要求する経路生成要求ステップと、
前記第2の端末が、該地図情報提供サービスによって生成された前記回収経路を含む回収支援情報を表示する回収支援情報表示ステップと、
前記回収作業員が、前記回収経路に基づいて前記事業系一般廃棄物を回収し、回収した前記事業系一般廃棄物の回収量の情報を前記第2の端末に入力する回収ステップと、
前記第2の端末が、前記管理サーバに対し、該第2の端末の位置情報及び前記回収量の情報を含む回収状況情報を送信する回収状況情報生成ステップと、
前記第1の端末が、前記管理サーバから、前記回収状況情報を取得する回収状況情報取得ステップと、
前記第2の端末が、前記GPS機能による端末位置情報に基づいて所定の回収漏れアラート出力条件が成立したと判断した場合に、警告を出力する回収漏れアラート出力ステップと、を含む廃棄物回収支援方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃棄物回収支援システム、廃棄物回収支援方法、管理サーバ及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数の廃棄物収集運搬業者に対して、効率的な収集を支援する廃棄物収集支援方法が記載されている。この廃棄物収集支援方法は、廃棄物を収集し運搬する複数の廃棄物収集運搬業者に関連付けられた、廃棄物収集運搬車両毎の収集運搬開始地点の収集開始位置情報及び収集運搬終了地点の収集終了位置情報を取得するステップと、収集する廃棄物の廃棄物位置情報、収集する廃棄物の重量情報、及び収集する廃棄物の取扱金額情報を取得する、廃棄物情報取得ステップと、収集開始位置情報、収集終了位置情報、廃棄物位置情報、重量情報、取扱金額情報、及び地図情報に基づいて、収集運搬時に個々の廃棄物収集運搬車両の移動距離が最短となるように収集運搬経路を決定する経路決定ステップとを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで一般に、事業系一般廃棄物の回収地点は、一つの回収経路につき、数十箇所以上に及ぶ場合があり、回収作業員による廃棄物の回収漏れが発生する場合がある。
本発明は、事業系一般廃棄物の回収漏れを抑制できる廃棄物回収支援方法及び廃棄物回収支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、事業系一般廃棄物の回収状況を管理する管理サーバと、前記事業系一般廃棄物を回収する廃棄物回収事業者によって操作され、前記管理サーバに接続できる第1の端末と、前記事業系一般廃棄物が排出された回収地点までの回収経路を生成するクラウドサービスである地図情報提供サービスに接続され、前記廃棄物回収事業者の回収作業員が前記事業系一般廃棄物を回収する際に使用され、GPS機能を有する第2の端末と、を備えた廃棄物回収支援システムであって、前記管理サーバが、前記複数の回収地点の位置の情報及び該回収地点を経由する順序の情報を含む回収登録情報を管理する回収登録情報管理部と、回収が完了した回収地点の情報及び当該回収地点にて回収された前記事業系一般廃棄物の回収量の情報を含む回収状況情報を管理する回収状況情報管理部と、を有し、前記第1の端末が、前記管理サーバから、前記回収状況情報を取得する回収状況情報取得部を有し、前記第2の端末が、前記管理サーバから、前記回収登録情報を取得する回収登録情報取得部と、前記回収登録情報取得部が取得した前記回収登録情報に基づいて、前記地図情報提供サービスに対し、前記回収経路の生成を要求する経路生成要求部と、前記地図情報提供サービスによって生成された前記回収経路を含む回収支援情報を表示する回収支援情報表示部と、該第2の端末の端末位置情報に基づいて回収が完了した前記回収地点の情報を特定した後、前記回収状況情報を生成し、該回収状況情報を前記回収状況情報管理部に送信する回収状況情報生成部と、前記GPS機能による端末位置情報に基づいて所定の回収漏れアラート出力条件が成立したと判断した場合に、警告を出力する回収漏れアラート出力部と、を有する廃棄物回収支援システムである。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の廃棄物回収支援システムにおいて、前記所定の回収漏れアラート出力条件が、前記第2の端末の端末位置が、次の目的地となる前記回収地点から予め設定された距離の範囲内に入った後、該第2の端末に前記回収量の情報が入力されることなく、前記距離の範囲から外れたこと又は前記端末位置が、次の目的地とは異なる回収地点から予め設定された距離の範囲内に入ったことである。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2記載の廃棄物回収支援システムにおいて、前記第2の端末が、前記端末位置情報に基づいて所定の回収遅延アラート出力条件が成立したと判断した場合に、警告を出力する回収遅延アラート出力部を更に有する。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項3記載の廃棄物回収支援システムにおいて、前記回収登録情報が、前記事業系一般廃棄物を回収すべき回収時間の情報を含み、前記所定の回収遅延アラート出力条件が、前記回収時間までに、前記端末位置が次の目的地となる前記回収地点から予め設定された距離の範囲内に入らなかったことである。
【0009】
請求項5に記載の発明は、請求項4記載の廃棄物回収支援システムにおいて、前記回収支援情報が、前記回収経路上に表示された前記回収地点を示すためのマーカーを含み、前記回収支援情報表示部が、前記回収量が入力された際の前記第2の端末の端末位置が前記回収地点から前記予め設定された距離の範囲にある場合に、当該回収地点に対応する前記マーカーの色を変更する。
【0010】
請求項6に記載の発明は、請求項5記載の廃棄物回収支援システムにおいて、前記回収登録情報が、前記複数の回収地点についてそれぞれ前記事業系一般廃棄物を回収すべき回収日の情報を更に含み、前記経路生成要求部が、前記地図情報提供サービスに対し、前記回収日に該当する前記回収地点のみを目的地とする前記回収経路の生成を要求する。
【0011】
請求項7に記載の発明は、請求項6記載の廃棄物回収支援システムにおいて、前記回収支援情報表示部が、前記回収日に該当する前記回収地点を示す前記マーカーのみを表示する。
【0012】
請求項8に記載の発明は、請求項7記載の廃棄物回収支援システムにおいて、前記回収登録情報が、前記事業系一般廃棄物の排出場所の位置を特定するための画像を更に含み、前記回収支援情報表示部が、前記画像を表示する。
【0013】
請求項9に記載の発明は、請求項8記載の廃棄物回収支援システムにおいて、前記回収登録情報が、前記回収作業員に対する連絡事項としてのテキスト情報を更に含み、前記回収支援情報表示部が、前記テキスト情報を表示する。
【0014】
請求項10に記載の発明は、請求項9記載の廃棄物回収支援システムにおいて、前記第2の端末が、前記端末位置情報を新たな回収地点の位置として回収登録情報管理部に送信する情報修正部を更に備え、前記情報修正部によって送信された前記端末位置情報に基づいて、前記回収登録情報管理部が管理する前記回収地点の位置の情報が修正される。
【0015】
請求項11に記載の発明は、請求項1記載の廃棄物回収支援システムが備える管理サーバである。
【0016】
請求項12に記載の発明は、請求項1記載の廃棄物回収支援システムが備える第2の端末を、前記管理サーバから、前記回収登録情報を取得する回収登録情報取得手段、前記回収登録情報取得手段が取得した前記回収登録情報に基づいて、前記地図情報提供サービスに対し、前記回収経路の生成を要求する経路生成要求手段、前記地図情報提供サービスによって生成された前記回収経路を含む回収支援情報を表示する回収支援情報表示手段、該第2の端末の端末位置情報に基づいて回収が完了した前記回収地点の情報を特定した後、前記回収状況情報を生成し、該回収状況情報を前記回収状況情報管理部に送信する回収状況情報生成手段、前記GPS機能による端末位置情報に基づいて所定の回収漏れアラート出力条件が成立したと判断した場合に、警告を出力する回収漏れアラート出力手段、として機能させるためのプログラムである。
【0017】
請求項13に記載の発明は、請求項1記載の廃棄物回収支援システムを使用した廃棄物回収支援方法であって、前記回収登録情報管理部が、前記複数の回収地点の位置の情報及び回収順序の情報を含む回収登録情報を管理する管理ステップと、前記回収登録情報取得部が、前記回収登録情報管理部から、前記回収登録情報を取得する情報取得ステップと、前記経路生成要求部が、取得した前記回収登録情報に基づいて、前記地図情報提供サービスに対し、前記回収経路の生成を要求する経路生成要求ステップと、前記回収支援情報表示部が、該地図情報提供サービスによって生成された前記回収経路を含む前記回収支援情報を表示する回収支援情報表示ステップと、前記回収作業員が、前記回収経路に基づいて前記事業系一般廃棄物を回収する回収ステップと、前記回収状況情報生成部が、前記回収状況情報管理部に対し、前記回収状況情報を送信する回収状況情報生成ステップと、前記回収状況情報取得部が、前記回収状況情報管理部から、前記回収状況情報を取得する回収状況情報取得ステップと、前記回収漏れアラート出力部が、前記GPS機能による端末位置情報に基づいて所定の回収漏れアラート出力条件が成立したと判断した場合に、警告を出力する回収漏れアラート出力ステップと、を含む廃棄物回収支援方法である。
【0018】
請求項14に記載の発明は、事業系一般廃棄物の回収状況を管理する管理サーバと、前記事業系一般廃棄物を回収する廃棄物回収事業者によって操作され、前記管理サーバに接続できる第1の端末と、前記事業系一般廃棄物が排出された回収地点までの回収経路を生成するクラウドサービスである地図情報提供サービスに接続され、前記廃棄物回収事業者の回収作業員が前記事業系一般廃棄物を回収する際に使用され、GPS機能を有する第2の端末と、を備えた廃棄物回収支援システムを使用した廃棄物回収支援方法であって、前記管理サーバが、前記複数の回収地点の位置の情報及び回収順序の情報を含む回収登録情報を管理する管理ステップと、前記第2の端末が、前記管理サーバから、前記回収登録情報を取得する情報取得ステップと、前記第2の端末が、取得した前記回収登録情報に基づいて、前記地図情報提供サービスに対し、前記回収経路の生成を要求する経路生成要求ステップと、前記第2の端末が、該地図情報提供サービスによって生成された前記回収経路を含む回収支援情報を表示する回収支援情報表示ステップと、前記回収作業員が、前記回収経路に基づいて前記事業系一般廃棄物を回収し、回収した前記事業系一般廃棄物の回収量の情報を前記第2の端末に入力する回収ステップと、前記第2の端末が、前記管理サーバに対し、該第2の端末の位置情報及び前記回収量の情報を含む回収状況情報を送信する回収状況情報生成ステップと、前記第1の端末が、前記管理サーバから、前記回収状況情報を取得する回収状況情報取得ステップと、前記第2の端末が、前記GPS機能による端末位置情報に基づいて所定の回収漏れアラート出力条件が成立したと判断した場合に、警告を出力する回収漏れアラート出力ステップと、を含む廃棄物回収支援方法である。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、事業系一般廃棄物の回収漏れを抑制できる廃棄物回収支援システム、廃棄物回収支援方法、管理サーバ及びプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の一実施の形態に係る廃棄物回収支援システムの構成図である。
【
図2】(A)、(B)は、同廃棄物回収支援システムが備える作業員端末にて実行されたアプリケーションプログラムによって表示された画面例(その1)及び画面例(その2)を示す説明図である。
【
図3】(A)、(B)は、同廃棄物回収支援システムが備える作業員端末にて実行されたアプリケーションプログラムによって表示された画面例(その3)画面例(その4)を示す説明図である。
【
図4】同廃棄物回収支援システムが備える作業員端末にて実行されたアプリケーションプログラムによって表示された画面例(その5)を示す説明図である。
【
図5A】同廃棄物回収支援システムの情報登録処理を示すフロー図である。
【
図5B】同廃棄物回収支援システムの回収支援情報表示処理を示すフロー図である。
【
図5C】同廃棄物回収支援システムの回収作業支援処理を示すフロー図である。
【
図6】(A)、(B)は、それぞれ、同廃棄物回収支援システムの回収漏れアラート出力処理及び回収遅延アラート出力処理を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。なお、図において、説明に関連しない部分は図示を省略する場合がある。
【0022】
本発明の一実施の形態に係る廃棄物回収支援システム10は、
図1に示すように、廃棄物管理事業者が管理し、事業系一般廃棄物の回収状況を管理する管理サーバ20、事業系一般廃棄物を回収する回収事業者が操作する回収事業者端末30及び回収事業者の回収作業員が使用する作業員端末40を備え、回収車両に乗って事業系一般廃棄物を回収する回収作業員の作業を支援できる。
管理サーバ20、回収事業者端末30及び作業員端末40は互いにインターネットを介して接続され、管理サーバ20及び作業員端末40は、それぞれ、地図情報提供サービス50を利用できる。
【0023】
ここで、この地図情報提供サービス50は、クラウドサービスとして提供され、指定された目的地までの経路を生成できるサービスであり、生成した経路の情報を提供できる。
地図情報提供サービス50の一例として、例えば、Gooogle Maps Paltformが挙げられる。
なお、以下、事業系一般廃棄物を単に「廃棄物」という場合がある。
【0024】
管理サーバ20は、回収登録情報管理部202と、回収状況情報管理部204と、を有している。
回収登録情報管理部202は、回収事業者端末30から設定された事前登録情報に情報を追加して回収登録情報を生成し、生成した回収登録情報を管理できる。
回収登録情報は、廃棄物の回収作業を支援するために必要な情報であって、1)店舗情報と、2)コース情報と、3)回収作業員情報と、を含んでいる。
店舗情報は、必要に応じて作業員端末40に表示され、回収作業員が回収地点の詳細を確認するための情報であり、例えば表1に示すように、次の情報を含んでいる。
【0025】
【0026】
(1)回収地点の名称
回収地点の名称は、例えば、廃棄物を排出する排出事業者の店舗等の名称であり、回収事業者によって任意に付与される。
(2)回収地点の所在地
回収地点の所在地は、廃棄物の排出場所がある排出事業者の店舗等の所在地である。
(3)回収地点の電話番号
回収地点の電話番号は、排出事業者の店舗等の連絡先となる電話番号である。
(4)排出場所特定情報
排出場所特定情報は、廃棄物の具体的な回収地点(排出場所)を特定しやすくするための画像であり、例えば、ゴミ集積庫がある場所の入り口を示す写真や回収車両を降りてからゴミ集積庫までの経路を撮影した動画である。排出場所特定情報として、複数の画像(写真や動画)が登録されてもよい。
排出場所特定情報を参照することにより、例えば不慣れな回収作業員が、広い敷地の中に設置されたゴミ集積庫を見つけやすくなり、回収作業の効率が向上する。
排出場所特定情報は、必要に応じて登録される。
(5)連絡事項
連絡事項は、その回収地点において回収作業をする際の注意事項等のテキスト情報である。
【0027】
コース情報は、複数存在する回収コースごとに登録される。コース情報は、例えば表2に示すように、次の情報を含んでいる。
なお、表2は、回収事業者により名称「Aコース」(
図2及び
図3参照)として設定されたコース情報を示している。
【0028】
【0029】
(1)コースの名称
コースの名称は、回収事業者により設定された回収コースの名称である。一般に、回収コースは、廃棄物の種類や回収エリアに応じて複数設定される。
(2)廃棄物の種類
廃棄物の種類は、例えば、可燃ごみ、不燃ごみ、段ボール、新聞、雑誌、ペットボトル、ビニール、缶及び発泡スチロールであり、これらの一部(例えば、段ボール、新聞及び雑誌の一群)が一つの廃棄物の種類として設定されてもよい。
廃棄物の種類の情報は、後に詳述するように、作業員端末40にて実行されるアプリケーションプログラムにおける廃棄物の回収量の入力項目として設定される。
(3)回収順序
回収順序は、各回収地点を経由する順序である。
(4)回収地点の名称
回収地点の名称は、前述の店舗情報に含まれる情報である。
(5)回収曜日(回収日の一例)
回収曜日は、廃棄物を回収する曜日である。回収曜日は、廃棄物を排出する排出事業者と廃棄物回収事業者との間で事前に取り決められる。
なお、回収日は、曜日に代えて、具体的な日にちであってもよい。
(6)回収時間
回収時間は、回収事業者が廃棄物を回収できる時間である。回収時間は、廃棄物を排出する排出事業者と廃棄物回収事業者との間で事前に取り決められる。回収時間の情報は、必要に応じて登録される。
(7)回収地点の座標(回収地点の位置の情報の一例)
回収地点の座標は、排出事業者の店舗の所在地に対応する位置の情報である。座標は、回収登録情報(店舗情報)に含まれる回収地点の所在地の情報に基づいて求められ、地図情報提供サービス50から取得される。
なお、この座標は、地図情報提供サービス50が回収経路を生成するために指定する目的地を特定するための情報であり、回収地点の位置の情報は座標に限定されるものではない。従って、地図情報提供サービス50が回収経路を生成できるのであれば、回収地点の座標に代えて所在地の情報やマップコードであってもよい。
(8)回収地点識別コード
回収地点識別コードは、各回収地点を識別するための情報であり、各回収地点に関する店舗情報は、この回収地点識別コードに関連付けられている。
回収地点識別コードは、回収登録情報管理部202によって生成されるコードである。
【0030】
回収作業員情報は、1)回収作業員名の情報と、2)回収作業員識別コードと、を含んでいる。回収作業員識別コードは、回収作業員を識別するための情報であり、回収作業員名が関連付けられている。
回収作業員識別コード(回収作業員識別情報の一例)は、回収登録情報管理部202によって生成されるコードである。
【0031】
回収状況情報管理部204は、作業員端末40から送信された回収状況情報を保存し、管理できる。回収状況情報は、回収状況に関する情報であり、その詳細については、後述する。
【0032】
回収事業者端末(第1の端末の一例)30は、例えば、回収事業者の事務所に設置され、
図1に示すように、事前登録情報設定部302と、回収状況情報取得部304と、を有している。
【0033】
事前登録情報設定部302は、事前登録情報が入力され、入力された事前登録情報を管理サーバ20に送信できる。事前登録情報は、
図5Aに示すように、前述の回収登録情報に含まれる複数の情報のうち、管理サーバ20にて追加される情報以外の情報である。
【0034】
回収状況情報取得部304は、管理サーバ20にアクセスすることによって、後述する回収状況情報を取得できる。
【0035】
作業員端末(第2の端末の一例)40は、GPS機能、カメラ及び表示画面を有し、廃棄物回収事業者の回収作業員が廃棄物の回収作業の際に使用する端末である。作業員端末40は、例えばスマートフォンやタブレットのようなモバイル端末であることが好ましい。
作業員端末40は、回収登録情報取得部402と、入力項目表示部404と、経路生成要求部406と、回収支援情報表示部408と、情報修正部410と、回収量入力受付部412と、回収状況情報生成部414と、回収漏れアラート出力部416と、回収遅延アラート出力部418と、を有している。
なお、作業員端末40においては、例えば
図2~
図4に示すような画面を表示する廃棄物回収支援アプリケーションプログラムが実行され、回収登録情報取得部402、入力項目表示部404、経路生成要求部406、回収支援情報表示部408、情報修正部410、回収量入力受付部412、回収状況情報生成部414、回収漏れアラート出力部416及び回収遅延アラート出力部418の機能が実現される。
【0036】
回収登録情報取得部(回収登録情報取得手段の一例)402は、管理サーバ20から、回収登録情報に含まれる店舗情報、コース情報及び回収作業員識別コードを取得できる。
【0037】
入力項目表示部(入力項目表示手段の一例)404は、コース情報に含まれる廃棄物の種類の情報に基づいて、回収量の入力項目を設定し、表示できる。
すなわち、入力項目表示部404は、廃棄物の種類が、例えば、1)可燃ごみと、2)段ボール・新聞・雑誌の一群と、である場合は、
図4に示すように、1)可燃ごみについての回収量が入力される第1の入力項目と、2)段ボール・新聞・雑誌の一群についての回収量が入力される第2の入力項目と、を設定し表示できる。
【0038】
経路生成要求部(経路生成要求手段の一例)406は、回収登録情報取得部402が取得した回収登録情報(コース情報)に基づいて、地図情報提供サービス50に対し、回収経路の生成を要求できる。
【0039】
回収支援情報表示部(回収支援情報表示手段の一例)408は、画面に回収支援情報を表示できる。回収支援情報は、回収作業を支援するために表示される情報であって、次の情報を含んでいる。
(1)次の回収地点の名称
次の回収地点の名称は、次に回収に向かう目的地となる回収地点の名称である(
図2(A)上部参照)。
(2)進捗率
進捗率は、回収経路上の全ての回収地点の数Aに対する回収済みの回収地点の数Bであり、例えば、B/A(
図2(A)の右上部分参照)や百分率で表示される。
その回収地点の廃棄物が回収済みであることは、回収完了判定条件が成立することによって判断される。回収完了判定条件は、GPS機能により得られた作業員端末40の端末位置が、その回収地点の予め設定された距離Dの範囲内にあり、作業員端末40に廃棄物の種類ごとの回収量の情報が入力されたことである。
(3)経路案内情報
経路案内情報は、地図情報提供サービス50によって提供される情報である。経路案内情報は、1)作業員端末40の現在位置から次に向かうべき回収地点までの地図上の回収経路R1と、2)次に向かうべき回収地点以後の回収地点を全て順に通る回収経路R2と、3)各回収地点までの到着予定時刻の情報と、が含まれる。
(4)マーカー(現在地マーカー及び各目的地マーカー)
マーカーは、地図上に表示され、位置を示すための標識であり、作業員端末40の現在位置を示す現在地マーカー及び目的地となる各回収地点を示す目的地マーカーである。目的地マーカーは、回収順序を示す番号1、2、3、4・・・が付されて表示される。
マーカーの表示方法は、任意の方法とすることができる。例えば、回収支援情報表示部408が、地図情報提供サービス50から取得した地図上にマーカーを表示してもよいし、回収支援情報表示部408が、地図情報提供サービス50に対して必要なマーカーの表示を要求し、地図情報提供サービス50からマーカーが表示された地図を取得し、これを表示してもよい。
(5)店舗情報
店舗情報は、前述とおり、回収登録情報取得部402が取得した情報であり、
図3(A)に示すように、必要に応じてサブウィンドウに表示される。
【0040】
情報修正部(情報修正手段の一例)410は、回収支援情報(表1参照)に含まれる店舗情報の連絡事項を回収作業員が入力した内容に修正できる。修正された連絡事項は、管理サーバ20に送信され、回収登録情報管理部202が管理する回収登録情報(店舗情報)に含まれる、対応する回収地点に関する連絡事項が修正される。
また、情報修正部410は、回収作業員の操作により、回収地点の位置をGPS機能により取得された作業員端末40の端末位置に修正できる。修正のために取得された端末位置情報は、管理サーバ20に送信され、回収登録情報管理部202が管理する回収登録情報(コース情報)に含まれる、対応する回収地点の座標が修正される。
更に、情報修正部410は、回収作業員の操作により、排出場所特定情報である画像を追加又は削除できる。追加された画像は、管理サーバ20に送信され、回収登録情報管理部202が管理する回収登録情報(店舗情報)に含まれる、対応する回収地点の排出場所特定情報が修正される。
【0041】
回収量入力受付部(回収量入力受付手段の一例)412は、
図4に示すように、廃棄物の種類ごとの入力項目として入力された具体的な数量を受け付ける。
【0042】
回収状況情報生成部(回収状況情報生成手段の一例)414は、廃棄物を回収した際の次の情報を回収状況情報として生成し、回収状況情報管理部204に送信できる。
(1)回収作業員識別コード(回収作業員識別情報の一例)
回収作業員識別コードは、前述の回収登録情報(回収作業員情報)に含まれる情報であり、管理サーバ20から取得された情報である。
なお、回収作業員識別情報は、この回収作業員識別コードに限定されるものではなく、回収作業員を識別できる情報であれば任意の情報でよい。
(2)車両番号
車両番号は、廃棄物の回収作業に使用される車両を識別するための情報であり、アプリケーションプログラムの起動後に、初期設定情報として入力される。車両番号は、車両を識別することができれば、自動車登録番号に限定されるものではなく、任意の情報でよい。
(3)回収時刻
回収時刻は、廃棄物の回収量が入力されてから予め決められた時間が経過するまでの時刻である。
(4)回収済み回収地点識別コード(回収が完了した回収地点の情報の一例)
回収済み回収地点識別コードは、管理サーバ20から取得された回収登録情報(コース情報)に含まれる回収地点識別コードのうち、回収済みと判断された回収地点に対応する回収地点識別コードである。
回収済み回収地点識別コードは、回収量が入力された際に作業員端末40のGPS機能により取得された端末位置情報に基づいて特定される。詳細には、前述の回収完了判定条件が成立すると、その回収地点の廃棄物は回収済みであると判断され、対応する回収地点識別コードが、回収済み回収地点識別コードとして特定される。
なお、回収が完了した回収地点の情報は、回収済み回収地点識別コードに限定されるものではなく、回収が完了した回収地点を識別できる情報であれば任意の情報でよい
(5)廃棄物の種類ごとの回収量
廃棄物の種類ごとの回収量は、回収作業員によって、
図4に示すように、回収量入力受付部412によって受け付けられた廃棄物の種類ごとの数量である。
【0043】
回収漏れアラート出力部(回収漏れアラート出力手段の一例)416は、端末位置情報に基づいて所定の回収漏れアラート出力条件が成立したと判断した場合に、廃棄物の回収の漏れが発生したことを警告する回収漏れアラートを出力できる。
この回収漏れアラート出力条件は、1)GPS機能により取得された作業員端末40の端末位置が、次の目的地となる回収地点から予め設定された距離Dの範囲内に入った後、廃棄物の回収量の情報が入力されることなく、距離Dの範囲から外れたこと又は2)GPS機能により取得された作業員端末40の端末位置が、次の目的地とは異なる回収地点から予め設定された距離Dの範囲内に入ったことである。
【0044】
回収遅延アラート出力部(回収遅延アラート出力手段の一例)418は、端末位置情報に基づいて所定の回収遅延アラート出力条件が成立したと判断した場合に、廃棄物の回収の遅延が発生したことを警告する回収遅延アラートを出力できる。
この回収遅延アラート出力条件は、作業員端末40の端末位置が、回収登録情報(コース情報)に含まれる回収曜日(回収日)の回収時間までに、次の目的地となる回収地点から予め設定された距離Dの範囲内に入らなかったことである。
【0045】
次に、廃棄物回収支援システム10を用いた廃棄物回収支援方法について、
図5A~
図5Cに基づいて説明する。なお、以下に示す各ステップは、可能な場合は、順番が入れ替えて実行されてもよいし、並行して実行されてもよい。
【0046】
まず、
図5Aに示す事前準備としての情報登録処理が実行される。
(ステップS1-1)
回収事業者端末30に前述の事前登録情報が入力される。
【0047】
(ステップS1-2)
事前登録情報設定部302が、入力された事前登録情報を管理サーバ20に送信する。
【0048】
(ステップS1-3)
回収登録情報管理部202が、事前登録情報に基づいて、回収地点識別コード及び回収作業員識別コードを生成する。
その後、回収登録情報管理部202が、地図情報提供サービス50に対し、事前登録情報に含まれる回収地点の所在地に対応する座標の取得を要求する。
【0049】
(ステップS1-4)
回収登録情報管理部202が、回収地点の所在地の情報を地図情報提供サービス50に送信する。
【0050】
(ステップS1-5)
地図情報提供サービス50が、回収地点の所在地を対応する地図上の座標に変換する。
【0051】
(ステップS1-6)
回収登録情報管理部202が、地図情報提供サービス50から、回収地点の座標の情報を取得する。
【0052】
(ステップS1-7)
回収登録情報管理部202によって、事前登録情報に対して、回収地点識別コード、回収作業員識別コード及び回収地点の座標の情報が追加され、1)店舗情報と、2)コース情報と、3)回収作業員情報と、を含む回収登録情報として管理される。
【0053】
次に、廃棄物の回収作業が開始され、
図5Bに示す回収支援情報を表示するための処理が実行される。
【0054】
(ステップS2-1)
作業員端末40にてアプリケーションプログラムが起動されると、表示画面にログイン画面(不図示)が表示される。回収作業員によって自身のユーザ名及びパスワードを含むログイン情報が入力される。
【0055】
(ステップS2-2)
ログイン情報が管理サーバ20に送信されると、管理サーバ20は、認証を行う。
【0056】
(ステップS2-3)
管理サーバ20の回収登録情報管理部202が、認証したユーザ名に基づいて、回収登録情報(回収作業員情報)から、対応する作業員識別コードを読み込む。
【0057】
(ステップS2-4)
管理サーバ20の回収登録情報管理部202が、作業員端末40に、回収作業員識別コードを送信する。
【0058】
(ステップS2-5)
作業員端末40が、回収作業員識別コードを取得し、保存する。
【0059】
(ステップS2-6)
作業員端末40の表示画面に初期設定画面(不図示)が表示され、回収作業員が、初期設定情報として、1)回収作業を実施するコースの名称と、2)回収作業に使用する車両番号と、を入力する。
【0060】
(ステップS2-7)
管理サーバ20の回収登録情報管理部202が、入力された初期設定情報を取得する。
【0061】
(ステップS2-8)
回収登録情報管理部202が、初期設定情報に含まれるコースの名称から、対応するコース情報(表2参照)を読み出す。
【0062】
(ステップS2-9)
回収登録情報管理部202が、読み出したコース情報を送信する。
【0063】
(ステップS2-10)
作業員端末40の回収登録情報取得部402が、コース情報を取得し、取得したコース情報を保存する。
【0064】
(ステップS2-11)
作業員端末40の経路生成要求部406が、地図情報提供サービス50に対し、コース情報に含まれる排出事業者の店舗の座標及び回収順序の情報に基づいて、次に向かうべき回収地点を目的地とする回収経路R1の生成を要求する。
また、経路生成要求部406は、次に向かうべき回収地点以後の回収地点を全て順に通る回収経路R2の生成を要求する。
ここで、経路生成要求部406は、現在の曜日を確認し、コース情報に含まれる回収地点のうち、回収曜日(回収日)に該当する回収地点のみを目的地として指定する。
従って、例えば、表2に示した4つの回収地点のうち、現在が金曜日であれば、4つの回収地点が目的地として指定され、現在が火曜日である場合は、回収順序が第3番目のC運輸P3支社は、目的地の指定から除外される。
このように、回収日に該当する回収地点のみが目的地として指定されるため、回収日に該当しない回収地点に向かう回収経路が生成されることがない。
【0065】
(ステップS2-12)
経路生成要求部406から、地図情報提供サービスに対し、指定した目的地(回収地点)の情報が送信される。
【0066】
(ステップS2-13)
地図提供サービスが、指定された目的地の情報に基づいて、現在地から次に向かうべき回収地点までの回収経路R1及び次に向かうべき回収地点以後の回収地点を全て順に通る回収経路R2をそれぞれ生成する。
なお、回収経路R1、R2が生成されるとともに、各回収地点までの到着予定時刻も計算される。
【0067】
(ステップS2-14)
生成された各回収経路R1、R2は、各回収地点までの到着予定時刻とともに、経路案内情報として作業員端末40に送信される。
【0068】
(ステップS2-15)
作業員端末40の回収支援情報表示部408が、送信された経路案内情報を取得した後、回収支援情報のうち、1)次の回収地点の名称と、2)進捗率と、3)経路案内情報と、4)マーカー(現在地マーカー及び目的地マーカー)と、を表示画面に表示する。
具体的には、
図2(A)に示すように、実行されたアプリケーションプログラムによって表示された画面の上部に、次の回収地点の名称及び進捗率が表示される。なお、
図2及び
図3に示した画面においては、前述のステップS2-6にて、5つの回収地点を回るAコースが指定され、第1番目の回収地点に向かう前の状態であるため、進捗率として「0/5」が表示されている。
【0069】
また、
図2(A)に示すように、画面の中央部の地図上に、丸で示された現在地マーカーM0及び各目的地マーカーが、回収経路及び到着予想時刻の情報とともに表示される。
経路案内情報が示された地図は、回収作業員の操作により、任意の地点を拡大又は縮小して表示することが可能である。
ここで、回収経路については、同
図2(A)に示すように、回収地点を全て順に通る回収経路R2ではなく、現在地から次の回収地点までの回収経路R1のみが表示される。
回収地点を全て順に通る回収経路R2は、地図情報提供サービス50から各回収地点までの到着予定時刻の情報を得るために生成されものであるため、到着予定時刻の情報が得られるのであれば、必ずしも回収経路R2は生成されなくてもよい。
【0070】
画面下部に表示された「現在地」ボタンが押されると、作業員端末40の端末位置を中心とした地図が表示される。
「現在地」ボタンの右側にある「コース」ボタンが押されると、
図2(B)に示すように、サブウィンドウが現れ、回収地点のリストが回収順に表示される。回収地点のリストは、目的地マーカーの番号に対応しており、各回収地点の到着予定時刻とともに表示される。
【0071】
また、回収支援情報表示部408は、回収作業員の操作に応じて、回収支援情報に含まれる店舗情報(回収地点の名称、回収地点の所在地、電話番号、排出場所特定情報及び連絡事項)を表示できる。
具体的には、目的地マーカーがタップされると、回収登録情報取得部402が、管理サーバ20に対し、店舗情報の提供を要求し、管理サーバ20の回収登録情報管理部202から、作業員端末40の回収登録情報取得部402に対し、店舗情報が送信される。
その結果、回収支援情報表示部408によって、
図3(A)に示すようなサブウィンドウに回収地点の詳細な情報(店舗情報)が表示される。なお、矢印で示すように、サブウィンドウが更に上方に引き出されると、同
図3(B)に示すように、回収地点の名称のみならず、回収地点の所在地、電話番号、排出場所特定情報(画像)及び連絡事項が表示される。
【0072】
従って、例えば、回収地点に初めて向かうような不慣れな回収作業員であっても、排出場所特定情報(画像)を参照することで、効率的にゴミ集積庫(排出場所)を見つけることができる。
また、日によって異なる回収作業員が回収を担当する場合であっても、作業員端末40により連絡事項が共有される。
【0073】
次に、
図5Cに示す回収作業を支援するための処理が実行される。
(ステップS3-1)
回収地点にて廃棄物を回収する際、回収作業員が、アプリケーションプログラム上に表示されたサブウィンドウ中の回収地点のリスト(
図2(B)参照)をタップすると、入力項目表示部404によって、廃棄物の種類ごとに回収量を入力するための画面(
図4参照)が表示される。
回収作業員が、廃棄物の種類ごとに回収量を入力すると、入力された回収量は、回収量入力受付部412より受け付けられる。
回収量が受け付けられると、回収状況情報生成部414によって、回収時刻及び回収済み回収地点識別コードが特定され、1)回収作業員識別コードと、2)車両番号と、3)回収時刻と、4)回収済み回収地点識別コードと、5)廃棄物の種類ごとの回収量と、を含む情報が前述の回収状況情報(
図5C参照)として生成される。
【0074】
(ステップS3-2)
生成された回収状況情報が、管理サーバ20に送信される。
【0075】
(ステップS3-3)
送信された回収状況情報が、管理サーバ20の回収状況情報管理部204によって保存される。
その後、回収状況情報管理部204では、回収状況情報に含まれる回収量に基づいて、廃棄物の種類ごとの回収費用が計算される。
また、回収状況情報管理部204では、回収状況情報に基づいて、行政や排出事業者に提出する所定の報告書に報告事項として記載すべき情報が生成される。
【0076】
(ステップS3-4)
回収事業者端末30の回収状況情報取得部304が、必要に応じて回収状況情報管理部204にアクセスすることにより、保存された回収状況情報を取得する。
【0077】
(ステップS3-5)
回収状況情報が、回収事業者端末30のディスプレイに表示され、回収事業者が、回収済み回収地点識別コードに対応する回収済みの回収地点及び回収量、すなわち現在の回収状況を把握できる。
また、回収状況情報に回収作業員識別コード及び回収時刻が含まれているので、担当した回収作業員の回収作業に要する時間が可視化され、回収作業における各回収作業員の能率を分析できる。
なお、回収事業者は、回収事業者端末30のディスプレイに、ステップS3-3にて計算された廃棄物の種類ごとの回収費用を表示したり、生成された情報を所定の報告書として表示したりすることもできる。
【0078】
(ステップS3-6)
回収支援情報表示部408が、前述の回収完了判定条件を満たすか否かを確認する。
回収完了判定条件が成立すると、再度ステップS2-11(
図5B参照)以降のステップが実行される。
その後、回収支援情報表示部408は、回収済みの回収地点を示す目的地マーカーの色を変更して表示するとともに、次の回収地点の名称、次の回収地点までの回収経路、進捗率の表示を更新して表示する。すなわち、回収完了判定条件が成立すると、回収支援情報が更新して表示される。
従って、回収作業が進むに従って、進捗率や目的地マーカーの色が順次変化していくので、回収の進捗状況が把握される。また、作業員端末40には、次の回収地点までの経路のみが表示されるので、回収漏れの発生が抑制される。
【0079】
ここで、廃棄物回収支援システム10を使用して回収作業を行っている際に、作業員端末40に表示される情報と回収現場における情報とが一致しなかったり、必要な情報が不足していたりする場合がある。
特に、1)回収作業員に対する連絡事項(
図3(B)参照)が実情と異なっている場合と、2)回収地点を示す目的地マーカー位置と実際の排出位置とが大きく離れている場合と、3)排出場所特定情報である画像を追加する場合と、について、それぞれ説明する。
【0080】
回収作業員に対する連絡事項(
図3(B)参照)が実情と異なっている場合は、回収作業員が、作業員端末40からその連絡事項を修正したり、追加したりできる。
連絡事項が表示されている箇所の左側に表示されたアイコンがタップされると、編集画面(不図示)が表示され、回収作業員が直接その内容を編集することで適切な連絡事項に修正される。修正された連絡事項は、管理サーバ20に送信され、回収登録情報管理部202によって管理されている元の連絡事項(店舗情報)が更新される。
【0081】
回収地点を示す目的地マーカー位置と実際の排出位置とが大きく離れている場合は、作業員端末40から、回収地点の座標の情報を変更することができる。
回収作業員が、
図4に示す画面の下部に表示された有効スイッチをオンに設定すると、作業員端末40が有する情報修正部410が、GPS機能により端末位置情報を取得する。取得された端末位置情報は、管理サーバ20に送信され、回収登録情報管理部202によって管理されている回収地点の座標(コース情報)が新たな回収地点の座標として修正される。
その後、ステップS2-1に従って、コース情報が再送され、ステップS2-2~S2-5が実行されることにより、目的地マーカーの位置が修正された回収経路が作業員端末40に表示される。
【0082】
排出場所特定情報である画像を追加する場合は、作業員端末40が用いられる。
回収作業員が、
図3(B)に示す画像を左方向にスワイプすると、画像の追加を示すアイコン(不図示)が現れ、このアイコンをタップすることで作業員端末40のカメラが起動され、追加する画像を撮像することができる。撮像された画像は、管理サーバ20に送信され、回収登録情報管理部202によって管理されている排出場所特定情報(店舗情報)として追加される。
このように、回収作業員により、回収現場の実情に即して対応する店舗情報又はコース情報が更新される。
【0083】
次に、回収漏れアラート出力部416及び回収遅延アラート出力部418によるアラート出力処理について説明する。
【0084】
回収漏れアラート出力部416は、
図6(A)に示すように、全ての回収地点についての回収作業が完了するまで(ステップS5-3)、前述の回収漏れアラート出力条件の成否を監視し(ステップS5-1)、成立したと判断すると、回収漏れアラートを出力する(ステップS5-2)。
回収漏れアラートは、作業員端末40の画面上にメッセージとして表示されてもよいし、音声や警告音として出力されてもよい。
【0085】
回収遅延アラート出力部418は、
図6(B)に示すように、全ての回収地点についての回収作業が完了するまで(ステップS6-3)、前述の回収遅延アラート出力条件の成否を監視し(ステップS6-1)、成立したと判断すると、回収遅延アラートを出力する(ステップS6-2)。
回収遅延アラートは、作業員端末40の画面上にメッセージとして表示されてもよいし、音声や警告音として出力されてもよい。
【0086】
従って、回収漏れアラート出力部416及び回収遅延アラート出力部418によって、それぞれ回収漏れ及び回収漏れの発生が抑制される。
【0087】
以上説明したように、廃棄物回収支援システム10によれば、廃棄物の回収漏れが抑制される。
【0088】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上記した形態に限定されるものでなく、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用範囲である。
【符号の説明】
【0089】
10 廃棄物回収支援システム
20 管理サーバ
30 回収事業者端末
40 作業員端末
50 地図情報提供サービス
202 回収登録情報管理部
204 回収状況情報管理部
302 事前登録情報設定部
304 回収状況情報取得部
402 回収登録情報取得部
404 入力項目表示部
406 経路生成要求部
408 回収支援情報表示部
410 情報修正部
412 回収量入力受付部
414 回収状況情報生成部
416 回収漏れアラート出力部
418 回収遅延アラート出力部