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特開2023-151680個片加工接着フィルム、接続構造体の製造方法、及び接続構造体
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  • 特開-個片加工接着フィルム、接続構造体の製造方法、及び接続構造体 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023151680
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】個片加工接着フィルム、接続構造体の製造方法、及び接続構造体
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/32 20060101AFI20231005BHJP
   C09J 7/00 20180101ALI20231005BHJP
   H01R 11/01 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
H05K3/32 B
C09J7/00
H01R11/01 501C
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022061428
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000108410
【氏名又は名称】デクセリアルズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100113424
【弁理士】
【氏名又は名称】野口 信博
(74)【代理人】
【識別番号】100185845
【弁理士】
【氏名又は名称】穂谷野 聡
(72)【発明者】
【氏名】田中 雄介
(72)【発明者】
【氏名】玉川 翔悟
【テーマコード(参考)】
4J004
5E319
【Fターム(参考)】
4J004CC08
4J004CE03
4J004EA01
4J004FA05
4J004FA08
5E319AA03
5E319AC02
5E319AC03
5E319AC04
5E319BB16
5E319CC12
5E319CD04
5E319GG20
(57)【要約】
【課題】部品が実装されている基板に対して、接着強度を向上させることができる個片加工接着フィルム、接続構造体の製造方法、及び接続構造体を提供する。
【解決手段】
個片加工接着フィルムは、部品が実装されている基板に対して、部品の周囲を囲む開口部を有する個片が基材フィルムの長手方向に配置されてなる。また、接続構造体の製造方法は、部品が実装されている基板に対して、部品の周囲を囲む開口部を有する個片を用いて、第1の電子部品の端子と第2の電子部品の端子とを接続させる。これにより、接着強度を向上させることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品が実装されている基板に対して、前記部品の周囲を囲む開口部を有する個片が基材フィルムの長手方向に配置されてなる個片加工接着フィルム。
【請求項2】
前記開口部が、前記基材フィルムが露出した露出部である請求項1記載の個片加工接着フィルム。
【請求項3】
前記開口部が、前記基材フィルムが存在しない空隙部である請求項1記載の個片加工接着フィルム。
【請求項4】
当該長尺フィルムが、リールに巻き回されてなる請求項1乃至3のいずれか1項に記載の個片加工接着フィルム。
【請求項5】
部品が実装されている基板に対して、前記部品の周囲を囲む開口部を有する接着フィルムの個片を用いて、前記基板の端子と電子部品の端子とを接続させる接続構造体の製造方法。
【請求項6】
部品が実装されている基板と、電子部品とを備え、前記部品の周囲を囲む開口部を有する接着フィルムの個片を用いて前記基板の端子と前記電子部品の端子とが接続されてなる接続構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、基材フィルムの長手方向に個片が配置された個片加工接着フィルム、接続構造体の製造方法、及び接続構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、異方性導電フィルム(ACF:Anisotropic Conductive Film)、導電性フィルム、接着剤フィルム(NCF:Non Conductive Film)などの接着フィルムを個片加工し、基材フィルムの長手方向に個片が配置された長尺フィルムをリールに巻き取り、出荷している(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
しかしながら、図8に記載のように、基板上に部品101が実装されている基板100の場合、部品を避けて端子列102上にACF103を設置することは可能であるが、基板全面にフルラミネーションすることができなくなり、基板に接続する部品への仮固定が不安定になったり、得られた接続構造体の接着強度が低下したりする懸念がある。また、図9に記載のように、部品を避けて剥離基材上に全面に設けられた接着フィルムを基板のレイアウトに合わせて全面にフルラミネーションする場合、例えば4回に分けてACF1031~1034を貼り合わせしなくてはならず、工数が増加してしまう。また、数回に分けてACFを貼り合わせる場合、貼り合わせ誤差(例えば±50μm)+ACFの形状誤差(例えば片側±50μm)が大きくなってしまうため、誤差を少なくしてACFを貼り合わせることが困難となる。また、仮にフルラミネーションができたとしても、極度に生産性が悪化する懸念が発生してしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2018/066411号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本技術は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、部品が実装されている基板に対して、接着強度を向上させることができる個片加工接着フィルム、接続構造体の製造方法、及び接続構造体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技術に係る個片加工接着フィルムは、部品が実装されている基板に対して、前記部品の周囲を囲む開口部を有する個片が基材フィルムの長手方向に配置されてなる。
【0007】
本技術に係る接続構造体の製造方法は、部品が実装されている基板に対して、前記部品の周囲を囲む貫通部を有する個片を介して、前記基板の端子と電子部品の端子とを接続させる。
【0008】
本技術に係る接続構造体は、部品が実装されている基板と、電子部品とを備え、前記部品の周囲を囲む開口部を有する接着フィルムの個片を用いて前記基板の端子と前記電子部品の端子とが接続されてなる。
【発明の効果】
【0009】
本技術によれば、部品の周囲を囲む開口部を有する個片を用いることにより、接着強度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、個片加工接着フィルムの第1の例を示す図である。
図2図2は、個片加工接着フィルムの第2の例を示す図である。
図3図3は、開口部の設計例を説明するための図である。
図4図4は、部品が実装されている基板に対して、部品の周囲を囲む開口部を有する個片の形状例を示す図である。
図5図5は、個片加工接着フィルムの第1の変形例を示す図である。
図6図6は、個片加工接着フィルムの第2の変形例を示す図である。
図7図7(A)は、部品が実装されている基板を示し、図7(B)は、部品が実装されている基板に個片を貼り付けた状態を示す図である。
図8図8は、従来のACFの貼り付け方法を示す図である。
図9図9は、従来のフルラミネーションする場合のACFの貼り付け方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら下記順序にて詳細に説明する。
1.個片加工接着フィルム
2.接続構造体の製造方法
【0012】
<1.個片加工接着フィルム>
本実施の形態に係る個片加工接着フィルムは、部品が実装されている基板に対して、前記部品の周囲を囲む開口部を有する個片が基材フィルムの長手方向に配置されてなる。これにより、部品を避けて基板全面もしくは必要箇所にフルラミネーション(個片接着フィルムと設置する部品の接地面にほぼ隙間がなくなる)することができ、基板に接続する部品への仮固定を安定させ、接続構造体の接着強度を向上させることができる。
【0013】
図1は、個片加工接着フィルムの第1の例を示す図であり、図2は、個片加工接着フィルムの第2の例を示す図である。図1及び図2に示すように、個片加工接着フィルム10は、長尺の基材フィルム11と、基材フィルム11の長手方向に配置された接着フィルムの個片20を有する。基材フィルム11の長手方向に配置される個片のピッチ(個片間距離)の下限値は、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.2mm以上、さらに好ましくは0.3mm以上であり、個片のピッチ上限値は、好ましくは10mm以下、より好ましくは2mm以下、さらに好ましくは1mm以下である。
【0014】
個片20は、部品が実装されている基板に対して、部品の周囲を囲む開口部を有する。開口部は、図1に示すように、基材フィルム11のハーフカットにより基材フィルム11が露出した露出部21であってもよく、図2に示すように、基材フィルム11のフルカットにより基材フィルム11が存在しない空隙部22であってもよい。
【0015】
図3は、開口部の設計例を説明するための図である。開口部の個片端部からの最小距離Dの下限値は、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.2mm以上、さらに好ましくは0.3mm以上であり、開口部の個片端部からの最小距離Dの上限値は、好ましくは100mm以下、より好ましくは20mm以下、さらに好ましくは10mm以下である。
【0016】
開口部の面積S2の下限値は、好ましくは0.01mm以上、より好ましくは0.04mm以上、さらに好ましくは0.09mm以上であり、開口部の面積S2の上限値は、好ましくは400mm以下、より好ましくは225mm以下、さらに好ましくは100mm以下である。また、個片の面積S1に対する開口部の面積S2の比(S1:S2)の下限値は、好ましくは40000:1以上、より好ましくは10000:1以上、さらに好ましくは4000:9以上であり、S1:S2の上限値は、好ましくは400:392.04以下、より好ましくは16:9以下、さらに好ましくは4:1以下である。
【0017】
個片加工接着フィルム10は、幅方向の端部に基材フィルム11からなる端部領域が設けられることが好ましい。基材フィルム11からなる端部領域の幅方向の長さWは、好ましくは100μm以上、より好ましくは500μm以上、さらに好ましくは1000μm以上である。このような端部領域があることで、長尺になった場合に発生し易い、接着剤のはみ出しが起こり難くなる。接着剤が基材フィルム端部まで届き難いためであり、所謂、ブロッキングが発生し難くなることから、実用上の利便性が向上する。後述するように、個片が基材フィルムの端部から離れている場合、ブロッキングは発生し難くなることから、生産性にも寄与できる。
【0018】
個片加工接着フィルム10は、個片20が長手方向に単位領域毎に連続して配置され、リールに巻き回されたものであってもよい。ここで、「単位領域」とは、基材の長さ方向に所定長さを有し、例えば矩形状の領域を示し、個片間の中心線と隣接する個片間の中心線とからなる領域、又は個片一つが個片間中心線に挟まれた領域、と考えてもよい。この接着フィルムは、基材フィルムから剥離して分離されるものとなる。本技術では、個片の接着フィルムには、これに対応した支持体はなく、接着剤からなる層のみで構成されているものになる(基材と略同じ幅のカバーフィルムが積層されている場合はある)。
【0019】
基材フィルム11は、複数の個片を支持する支持フィルムである。基材フィルム11としては、例えば、PET(Poly Ethylene Terephthalate)、OPP(Oriented Polypropylene)、PMP(Poly-4-methylpentene-1)、PTFE(Polytetrafluoroethylene)などが挙げられる。また、基材フィルム11は、少なくとも個片側の面が例えばシリコーン樹脂により剥離処理されたものを好適に用いることができる。
【0020】
基材フィルム11の厚みは、特に限定されるものではない。基材フィルム11の厚みの下限は、剥離の観点からは、好ましくは10μm以上、より好ましくは25μm以上、さらに好ましくは38μm以上である。基材フィルムの厚みの上限は、厚すぎると過度に接着フィルムに圧力がかかりすぎることが懸念されるため、好ましくは200μm以下、より好ましくは100μm以下、さらに好ましくは75μm以下であり、50μm以下としてもよい。また、接着フィルムの個片上にカバーフィルムを設ける場合、カバーフィルムの厚みも同様の範囲となるが、カバーフィルムは、基材フィルムより薄い方が好ましい。
【0021】
また、基材フィルム11の幅も、特に限定されるものではない。基材フィルム11の幅の下限は、巻き回す観点からは、好ましくは1mm以上、より好ましくは2mm以上、さらに好ましくは4mm以上である。基材フィルム11の幅の上限は、大きすぎると持ち運びや取り扱いが困難となることが懸念されるため、好ましくは500mm以下、より好ましくは250mm以下、さらに好ましくは120mm以下である。
【0022】
接着フィルムとしては、特に制限はなく、異方性導電フィルム(ACF:Anisotropic Conductive Film)、導電粒子が接着剤に含有された導電性フィルム、接着剤フィルム(NCF:Non Conductive Film)、半田粒子を含有する半田含有フィルムなどが挙げられる。接着フィルムのバインダーは、熱硬化性であっても、熱可塑性であっても構わない。
【0023】
金属粒子、樹脂コア金属被覆粒子、半田粒子などの導電粒子を含有する場合、個片は、導電粒子を含有する領域と、導電粒子を含有しない領域とを有していてもよい。また、個片は、2層以上の構成であってもよく、導電粒子や半田粒子を含む層と含まない層の2層以上の構成であってもよく、導電粒子を含む層同士の2層以上の構成であってもよく、導電粒子を含まない層同士の2層以上の構成であってもよい。また、接着フィルムのバインダーは、熱硬化性であっても、熱可塑性であっても構わない。また、単層であってもよく、複数層に積層されていてもよい。
【0024】
個片の厚みは、特に限定されるものではなく、薄すぎると加工時に基材を破損し易くなるため個片の厚みの下限は、好ましくは1μm以上、より好ましくは3μm以上、さらに好ましくは4μm以上であり、厚すぎると加工時に窓枠部の抜き取りが難しくなるため個片の厚みの上限は、好ましくは50μm以下、より好ましくは20μm以下、さらに好ましくは10μm以下である。
【0025】
個片の厚みは、公知のマイクロメータやデジタルシックネスゲージ(例えば、最小表示量0.0001mm)を用いて測定することができる。但し、導電粒子が含有される場合、導電粒子の粒子径よりも個片の厚みが薄い場合には、接触式の厚み測定器は適さないので、レーザー変位計(例えば、分光干渉変位タイプなど)を用いることが好ましい。ここで、個片の厚みとは、バインダー樹脂層のみの厚みであり、導電粒子の粒子径は含まない。
【0026】
[変形例1]
図4は、部品が実装されている基板に対して、部品の周囲を囲む開口部を有する個片の形状例を示す図である。開口部の形状は、例えば個片31のように四角形、個片32のように丸、個片33のように三角、個片34のようにハート、個片35のように八角形などであってもよい。開口部の大きさ(寸法)の下限は、100μm以上であることが好ましい。
【0027】
また、開口部の形状は、例えば個片36のように接着フィルム部分と空隙部分とが交互になっていてもよい。この場合、接着フィルム部分の最小幅は、100μm以上であることが好ましい。また、開口部の開口数は、例えば個片37のように2以上であっても構わない。また、例えば個片38のように開口部が大きい場合、接着フィルム部分の最小幅は、100μm以上であることが好ましい。また、例えば個片39のように開口部の幅は、100μm以上であることが好ましく、開口部が複数あっても構わない。なお、上記のような開口部は、基材フィルムを貫通したものであっても構わないが、個片36のように接着フィルム部分と空隙部分とが交互になっている場合、接着フィルム部分がバラバラにならないように基材フィルムを貫通させないことが好ましい。
【0028】
また、個片は、部品の周囲を囲む開口部以外に他の形状部を有していてもよい。例えば特開2020-198422号公報に記載されているように、水平2辺及び垂直1辺のコの字型、J字型、L字型、Uの字型、Cの字型などの形状部を有していてもよい。また、導電粒子を含有する場合、特許第6187665号公報に記載されているように、導電粒子が絶縁性樹脂に埋め込まれていてもよい。また、導電粒子は、ランダム又は規則的に配置してもよく、導電粒子は、フィルム厚方向の位置が揃っていることが好ましい。また、半田粒子を含有する場合、特許第6898413号公報に記載されているように、常温で固形であり、温度190℃、荷重2.16kgの条件で測定されたメルトフローレートが10g/10min以上である熱可塑性樹脂を配合し、半田粒子の平均粒径の50%以上300%以下の厚みとすることが好ましく、特許第7032367号公報に記載されているように、接着フィルムの最低溶融粘度が100Pa・s未満であることが好ましい。なお、接着フィルムのバインダーは、熱硬化性であっても、熱可塑性であっても構わない。また、単層であってもよく、複数層に積層されていてもよい。
【0029】
[変形例2]
図5は、個片加工接着フィルムの第1の変形例を示す図であり、図6は、個片加工接着フィルムの第2の変形例を示す図である。図5及び図6示すように、個片加工接着フィルム40は、接着フィルム41の長手方向に所定間隔で開口部を有するものであってもよい。これにより、個片加工接着フィルムの使用時に基材フィルムをハーフカットして個片を形成することができる。
【0030】
また、開口部は、図5に示すように、基材フィルムのハーフカットにより基材フィルムが露出した露出部42であってもよく、図6に示すように、基材フィルムのフルカットにより基材フィルムが存在しない空隙部43であってもよい。また、基材フィルムには、個片接着フィルムの作成時に形成されたハーフカットがあってもよい。
【0031】
前述した個片加工接着フィルムによれば、部品が実装されている基板に対して、部品の周囲を囲む開口部を有する個片が基材フィルムの長手方向に配置されているため、部品を避けて基板全面にフルラミネーションすることができ、基板に接続する部品への仮固定を安定させ、接続構造体の接着強度を向上させることができる。基材フィルムに全面に設けられた接着フィルムのみを使用すると、接続部品のレイアウトによってフィルム幅の種類が増えたり、フィルムを貼り付ける方向が増えるため接続装置設備が複雑になったり、基板に貼着する工程が煩雑になったりして、コストの増加を招く。本技術は、接着フィルムを一面に一括して(所謂、ベタ貼り)貼着すると生産性が悪化してしまう、平坦ではない接続面を持つ部品(基板)に対して、予め開口加工していることで、接続時の生産性を向上させるものであり、開口加工した接着フィルムを別の目的に流用できる(管理用に供給側で保管し、不要な樹脂材料を削減する、など)といった、環境に配慮した使い方も可能になる。
【0032】
また、接着フィルムの個片に開口部を設けることによって、より顧客のデザインに沿った形状の個片を提供することができ、より安定的に工数を掛けずに個片を貼り合わせることができる。また、部品部分を避けるように個片を設置できるようになるため、部品を設置した状態で圧着できるようになり、接続構造体の製造工程をより自由に設計でき、自由度を向上させることができる。
【0033】
<2.接続構造体の製造方法>
本実施の形態に係る接続構造体の製造方法は、部品が実装されている基板に対して、部品の周囲を囲む開口部を有する個片を用いて、基板の端子と電子部品の端子とを接続させる。基板の端子と電子部品の端子との接続は、特開2020-198422号公報の記載に準じて行うことができる。
【0034】
図7(A)は、部品が実装されている基板を示し、図7(B)は、部品が実装されている基板に個片を貼り付けた状態を示す図である。図7(A)に示すように、基板50は、部品51が実装され、部品51の周囲に端子列52を備える。基板50としては、例えば、セラミック基板、リジット基板、フレキシブル基板(FPC:Flexible Printed Circuits)、ガラス基板、プラスチック基板、樹脂多層基板などが挙げられ、部品51としては、例えば、イメージセンサ、IC(Integrated Circuit)モジュール、ICチップなどが挙げられる。カメラモジュールなどの機能性モジュールでは、電気的絶縁性、熱的絶縁性に優れる観点からセラミック基板が使用されることがある。セラミック基板は、小型化(例えば1cm以下)での寸法安定性に優れるなどの利点がある。
【0035】
次に、図7(B)に示すように、開口部を部品51に位置合わせして個片53を貼り付ける。例えば、貼付装置を用いて基材フィルム側から押圧し、ステージ上の基板50に個片を貼り付ける。これにより、開口部に部品51が位置して部品51の周囲を個片53の接着フィルムで囲むことができる。また、個片が転着された個片加工接着フィルムは、基材フィルムのみとなって巻き取られる。
【0036】
次に、個片53を介して、基板50の端子列52と電子部品の端子とを接続させる。例えば、緩衝材を介して、基板及び電子部品の端子列上を圧着ツールで押圧する。また、個片の接着フィルムの硬化型に応じて、加熱、光照射などを行い、個片を硬化させる。これにより、接続構造体を得ることができる。電子部品としては、例えば、セラミック基板、リジット基板、フレキシブル基板(FPC:Flexible Printed Circuits)、ガラス基板、プラスチック基板、樹脂多層基板などが挙げられる。
【0037】
このような接続構造体の製造方法によれば、部品を避けて基板全面にフルラミネーションすることができ、基板に接続する部品への仮固定を安定させ、接続構造体の接着強度を向上させることができる。
【0038】
本技術は、このようにして得られた接続構造体も包含する。すなわち、本実施の形態に係る接続構造体は、部品が実装されている基板と、電子部品とを備え、部品の周囲を囲む開口部を有する接着フィルムの個片を用いて基板の端子と電子部品の端子とが接続されてなる。
【符号の説明】
【0039】
10 個片加工接着フィルム、11 基材フィルム、20 個片、21 露出部、22 空隙部、31~39 個片、40 個片加工接着フィルム、41 基材フィルム、42 露出部、43 空隙部、50 基板、51 部品、52 端子列、53 個片、100 基板、101 部品、102 端子列、103 ACF、1031~1034 ACF
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9