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▶ 田村 友隆の特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023151698
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】自転車
(51)【国際特許分類】
   B62K 15/00 20060101AFI20231005BHJP
   B62K 17/00 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
B62K15/00
B62K17/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022061452
(22)【出願日】2022-04-01
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年1月22日・23日に、2022ハンドメイドバイシクル展にて、田村友隆が発明した自転車を公開
(71)【出願人】
【識別番号】522132063
【氏名又は名称】田村 友隆
(74)【代理人】
【識別番号】100148862
【弁理士】
【氏名又は名称】赤塚 正樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179811
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 良和
(72)【発明者】
【氏名】田村 友隆
【テーマコード(参考)】
3D212
【Fターム(参考)】
3D212BA11
3D212BB03
3D212BB07
(57)【要約】
【課題】輸送中にホイールとフレーム同士が接触することが防止され、初心者でも自転車の部品を容易にコンパクトにまとめて輪行袋に収納することが可能な自転車を提供する。
【解決手段】本発明に係る自転車100は、シートチューブ13の自転車の横方向に貫通し、ホイールを固定するための固定孔131と、シートチューブ13にホイールを固定する長尺状の固定治具7とを備え、固定孔131の中心からボトムブランケットハンガー17の外周までの距離Aは、ホイールの中心からタイヤの外周までの距離Bよりも長く、固定孔131とホイールのハブの孔とを合わせてできる連通孔に固定治具7を挿入して、ホイールをシートチューブ13に固定する。
【選択図】図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホイールが脱着可能な自転車であって、
シートチューブの前記自転車の横方向に貫通し、前記ホイールを固定するための固定孔と、
前記シートチューブに前記ホイールを固定する長尺状の固定治具と
を備え、
前記固定孔の中心からボトムブランケットハンガーの外周までの距離Aは、タイヤを装着した状態の前記ホイールの中心から前記タイヤの外周までの距離Bよりも長く、
前記固定孔と前記ホイールのハブの孔とを合わせてできる連通孔に前記固定治具を挿入して、前記ホイールを前記シートチューブに固定する
自転車。
【請求項2】
前記ボトムブランケットハンガーに接続したシートチューブ及びダウンチューブを備え、
前記ダウンチューブ側から前記ボトムブランケットハンガーに向かって前記固定治具を挿入して収容可能な収容部を備える
請求項1に記載の自転車。
【請求項3】
前記距離Aは、前記距離Bよりも5~60mm長い
請求項1に記載の自転車。
【請求項4】
前記固定治具は、シャフトと、前記シャフトの一端に設けられたレバーと、前記シャフトの他端にネジ式で着脱可能なナットとを備える
請求項1に記載の自転車。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自転車に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、電車やバスなどの公共交通機関を利用して、目的地まで自転車を運搬し現地でサイクリングを楽しむことが行われている。このように公共交通機関を利用して自転車を運搬することを輪行と呼ばれている。輪行する場合、一般に、自転車を分解して、輪行袋に収納して自転車を運搬する。この輪行袋に収納した状態で所定の大きさよりも小さくないと利用する交通機関によっては別料金を支払う必要がある。そのため、分解した自転車をできるだけコンパクトに収納するような工夫が従来から試みられている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3224201号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の自転車では、分解したホイールを紐なのでフレームに括り付けて固定して輪行袋に収納するため、ホイールがフレームにあたって、フレームやホイールが傷ついてしまう問題があった。また、輪行袋に収納できるように自転車の部品をコンパクトにまとめることは初心者には難しいといった問題もあった。
【0005】
そこで、本発明では、輸送中にホイールとフレーム同士が接触することが防止され、初心者でも自転車の部品を容易にコンパクトにまとめて輪行袋に収納することが可能な自転車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る自転車は、ホイールが脱着可能な自転車であって、
シートチューブの前記自転車の横方向に貫通し、前記ホイールを固定するための固定孔と、
前記シートチューブに前記ホイールを固定する長尺状の固定治具と
を備え、
前記固定孔の中心からボトムブランケットハンガーの外周までの距離Aは、タイヤを装着した状態の前記ホイールの中心から前記タイヤの外周までの距離Bよりも長く、
前記固定孔と前記ホイールのハブの孔とを合わせてできる連通孔に前記固定治具を挿入して、前記ホイールを前記シートチューブに固定する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、輸送中にホイールとフレーム同士が接触することが防止され、初心者でも自転車の部品を容易にコンパクトにまとめて輪行袋に収納することが可能な自転車を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に係る自転車の一実施形態を示す側面図である。
図2図1に示す自転車のホイールを外してフレームに固定した状態を示す側面図(a)、上面図(b)である。
図3】本発明に係る自転車が備える固定治具の一例を示す側面図である。。
図4図1に示す自転車のボトムブランケットハンガー近傍の拡大側面図(a)、拡大下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る自転車の好適な実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は、本発明に係る自転車の一実施形態を示す側面図、図2は、図1に示す自転車のホイールを外してフレームに固定した状態を示す側面図(a)、上面図(b)、図3は、本発明に係る自転車が備える固定治具の一例を示す側面図、図4は、図1に示す自転車のボトムブランケットハンガー近傍の拡大側面図(a)、拡大下面図である。
【0010】
本実施形態に係る自転車100は、図1に示すように、フレーム1と、ハンドル2と、サドル3と、ホイール4a及びホイール4bと、ホイール4a及びホイール4bに装着されたタイヤ5a及びタイヤ5bとを備えている。また、自転車100は、長尺状の固定治具7を備えている。なお、本発明に係る自転車100は、上記部材以外にも、ブレーキ、クランク、ペダル、チェーンリング、カセットスプロケットなどの一般的な部材を装備しているが、図中では、説明の都合上、省略している。また、本発明に係る自転車100は、一般にロードバイクと呼ばれる自転車であることが好ましい。このロードバイクは、道路を安定して走行するのに適した構造を備えている。
【0011】
フレーム1は、図1に示すように、トップチューブ11と、ダウンチューブ12と、シートチューブ13と、ヘッドチューブ14と、チェーンステー15と、シートステー16と、ボトムブランケットハンガー17と、フロントフォーク18とを備えている。なお、ボトムブランケットハンガーは、ボトムブランケットシェルともいう。フレーム1を構成する部材は、一般的な自転車と同様にそれぞれ接続されている。
【0012】
自転車100では、ホイール4a及びホイール4bがフレーム1から脱着可能となっている。輪行を行う際には、フレーム1からホイール4a及びホイール4bを外して、シートチューブ13に設けられた固定孔131を利用してフレーム1にホイール4a及びホイール4bを固定する。固定孔131は、シートチューブ13の自転車100の横方向に貫通し、ホイールを固定する際に使用される。固定孔131を利用したホイール4a及びホイール4bの固定は、固定孔131と、ホイール4a及びホイール4bのハブの孔51a及び孔51bとを合わせてできる連通孔に、長尺状の固定治具7を図2に示すように挿入することにより行われる。
【0013】
ところで、自転車100では、固定孔の中心からボトムブランケットハンガー17の外周までの距離A(図1中のA)が、タイヤを装着した状態のホイール4a(4b)の中心からタイヤ5a(5b)の外周までの距離B(図1中のB)よりも長くなるように調整されている。これにより、図2に示すように固定治具7によって、各ホイールをシートチューブ13に固定する際に、各ホイールに装着したタイヤ5a及び5bが、ボトムブランケットハンガー17やクランク(図示せず)に干渉することなく、各ホイールが自転車100の横面と略平行に固定される。その結果、輸送中に各ホイールとフレーム1同士が接触することが防止され、各ホイールやフレーム1が輪行中に傷つくことが防止される。また、各ホイールがシートチューブ13に安定して固定されるため、グラつかず、図2(a)の状態で自立させることも可能である。さらに、固定治具7によってフレームの所定の位置に容易に各ホイールを固定することができるため、初心者でも容易に分解した自転車をコンパクトにまとめられ、輪行袋へ収納することができる。なお、距離Aは、具体的には、距離Bよりも3~60mm長いことが好ましく、5~40mm長いことがより好ましい。
【0014】
固定治具7の好ましい実施形態としては、例えば、図3に示すようなクイックリリース形式が挙げられる。クイックリリース形式では、図3に示すように、固定治具7は、レバー71と、シャフト72と、ナット73と、2つのスプリング74を有している。図3のように、シャフト72の一端にレバー71が設けられている。シャフト72の他端は、雄ネジが形成され、ナット73が取り付けられるよう構成されている。2つのスプリング74は、シャフト72に挿通されており、一方がレバー71側、他方がナット73側に配置されている。クイックリリース形式では、シャフト72を、固定孔131と、ホイール4a及びホイール4bのハブの孔51a及び孔51bとを合わせてできる連通孔に挿通し、レバー71を立てた状態で、ナットを締め、レバー71を横に倒すことにより、グラつきなく、より容易に各ホイールを固定することができる。また、固定後に、レバー71を立て、ナットを緩めて外すことで、各ホイールをシートチューブ13から外すことができる。なお、固定治具7は、クイックリリース形式に限定されず、スキュワー形式に適した形状であってもよいし、スルーアクスル形式に適した形状であってもよい。
【0015】
また、自転車100、図4に示すように、ボトムブランケット17の下部に近接した位置に固定治具7を収容する収容部8を備えていることが好ましい。本実施形態では、収容部8は、ダウンチューブ12側からシートチューブ13に向かって固定治具7(シャフト72)が挿入可能となっている。本実施形態では、収容部8の入口は、ダウンチューブ12とボトムブランケット17との境目に設けられている。収容部8は、図4(a)に示すように、内部がシートチューブ13方向に向かって筒状になっている。この筒に固定治具7のシャフト72を挿入した状態で、筒の内部に形成した雌ネジとシャフト72先端の雄ネジとをかみ合わせることで、固定治具7を固定・収容することができる。これにより、自転車100で走行している際に、固定治具7が不本意に落下することを防止するとともに、走行中の固定治具7がガタつくことを防止することができる。以上、本発明に係る自転車について説明したが、本発明はこれに限定されない。
【符号の説明】
【0016】
1 フレーム
11 トップチューブ
12 ダウンチューブ
13 シートチューブ
131 固定孔
14 ヘッドチューブ
15 チェーンステー
16 シートステー
17 ボトムブランケットハンガー
18 フロントフォーク
2 ハンドル
3 サドル
4a、4b ホイール
5a、5b タイヤ
51a、51b ハブの孔
7 固定治具
71 レバー
72 シャフト
73 ナット
74 スプリング
8 収容部
100 自転車
図1
図2
図3
図4