(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023151791
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/20 20060101AFI20231005BHJP
G03G 21/14 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
G03G21/20
G03G21/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022061601
(22)【出願日】2022-04-01
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103517
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 寛之
(72)【発明者】
【氏名】岡部 祐介
【テーマコード(参考)】
2H270
【Fターム(参考)】
2H270KA04
2H270LA26
2H270LA28
2H270LA64
2H270LA66
2H270LA72
2H270LA80
2H270MC78
2H270MD10
2H270MD29
2H270MH09
2H270MH18
2H270SA11
2H270SB17
2H270SB24
2H270SC01
2H270SC06
2H270ZC03
2H270ZC04
(57)【要約】
【課題】感光ドラム表面の結露を抑制できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】
画像形成装置1は、本体筐体2と、感光ドラム41Yと、定着部8と、ファン13と、制御部14とを備える。印刷継続中において、制御部14は、累積印刷ページ数Nをカウントする。累積印刷ページ数Nとは、画像形成装置1が第1時間内に印刷したページ数の累積である。印刷継続中において、累積印刷ページ数Nが第1ページ数N1未満である場合、制御部14は、ファン13を第1速度で回転させる。印刷継続中において、累積印刷ページ数Nが第1ページ数N1以上である場合、制御部14は、ファン13を第2速度で回転させる。第2速度は、第1速度よりも速い。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
排気口を有する本体筐体と、
感光ドラムと、
前記感光ドラムからシートに転写されたトナーを加熱により前記シートに定着させる定着部と、
前記排気口に向かう気流を発生させるファンと、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、印刷継続中において、
画像形成装置が印刷したページ数の累積である累積印刷ページ数をカウントし、
前記累積印刷ページ数が第1ページ数未満である場合、前記ファンを第1速度で回転させ、
前記累積印刷ページ数が前記第1ページ数以上である場合、前記ファンを前記第1速度よりも速い第2速度で回転させる、画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、
印刷処理を実行せずに第1時間が経過した場合、前記累積印刷ページ数を0にする、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、
複数のページを含む印刷ジョブの途中で前記累積印刷ページ数が前記第1ページ数に達した場合、前記印刷ジョブの途中で、前記ファンの回転速度を前記第1速度から前記第2速度に変更する、請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記本体筐体は、第1方向における一方の外壁に前記排気口を有し、前記ファンによって前記排気口を介して排気するように構成され、
前記画像形成装置は、
前記第1方向において前記本体筐体の前記一方の外壁の近傍に位置し、温度および相対湿度を測定可能な第1センサと、
前記第1方向において前記本体筐体の他方の側で、前記定着部よりも前記感光ドラムに近い位置の温度を測定可能な第2センサと、
をさらに備え、
前記制御部は、
前記第1センサが測定した温度を、第1雰囲気温度として処理し、
前記第2センサが測定した温度に基づいて、前記感光ドラム周辺の温度である第2雰囲気温度を推定する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、
印刷開始時には、前記第1雰囲気温度に基づいて、前記ファンの回転速度を設定し、
印刷継続中には、前記第2雰囲気温度に基づいて、前記ファンの回転速度を設定する、請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記画像形成装置は、
現像ローラを有し、前記感光ドラムにトナーを供給可能な現像ユニットを、さらに備え、
前記第2雰囲気温度は、前記現像ローラ近傍の温度である、請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記現像ユニットは、前記現像ローラ上のトナーの層厚を規制する層厚規制ブレードを、さらに備え、
前記第2雰囲気温度は、前記層厚規制ブレードの温度である、請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記制御部は、印刷継続中において、
前記第2雰囲気温度が第1温度未満であり、かつ、前記累積印刷ページ数が前記第1ページ数未満である場合、前記ファンを第1速度で回転させ、
前記第2雰囲気温度が前記第1温度未満であり、かつ、前記累積印刷ページ数が前記第1ページ数以上である場合、前記ファンを前記第2速度で回転させ、
前記第2雰囲気温度が前記第1温度以上である場合、前記ファンを前記第2速度で回転させる、請求項4から請求項7のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記制御部は、印刷継続中において、
前記第2雰囲気温度が前記第1温度よりも高い第2温度以上である場合、前記ファンを前記第2速度よりも速い第3速度で回転させる、請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記制御部は、印刷継続中において、
前記第2雰囲気温度が前記第2温度よりも高い第3温度以上である場合、前記ファンを前記第3速度よりも速い第4速度で回転させる、請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記制御部は、印刷開始時において、
前記第1センサが測定した前記相対湿度が所定湿度以上である場合、前記ファンの回転速度を前記第2速度以上に設定する、請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記制御部は、印刷開始時において、
前記第1センサが測定した前記相対湿度が前記所定湿度未満であり、かつ、前記第1雰囲気温度が所定温度未満である場合、前記ファンの回転速度を前記第1速度以上に設定する、請求項11に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記第1センサおよび前記第2センサは、サーミスタである、請求項4に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置は、本体筐体と、感光ドラムと、定着部と、本体筐体内の空気を排気するためのファンとを備える。
【0003】
例えば、下記特許文献1では、本体筐体内の温度が外気温よりも低い場合に、外気温と感光ドラムとの温度差が十分に小さくなるまでファンを停止させた状態で印刷し、感光ドラム表面の結露を抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の画像形成装置では、印刷用紙が定着部によって加熱されることにより、印刷用紙に含まれていた水分が蒸発して水蒸気が発生する。
【0006】
そのため、ファンを停止させた状態での印刷において、印刷用紙から発生した水蒸気により、本体筐体内の相対湿度が過度に上昇する可能性がある。
【0007】
本体筐体内の相対湿度が過度に上昇した状態で、停止させていたファンを駆動させると、本体筐体内の高湿の空気が感光ドラムの表面に接触して、感光ドラム表面が結露する可能性がある。
【0008】
そこで、本開示の目的は、感光ドラム表面の結露を抑制できる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)本開示の画像形成装置は、本体筐体と、感光ドラムと、定着部と、ファンと、制御部とを備える。本体筐体は、排気口を有する。定着部は、感光ドラムからシートに転写されたトナーを加熱によりシートに定着させる。ファンは、排気口に向かう気流を発生させる。
【0010】
制御部は、印刷継続中において、累積印刷ページ数をカウントする。累積印刷ページ数とは、画像形成装置が印刷したページ数の累積である。
【0011】
制御部は、印刷継続中において、累積印刷ページ数が第1ページ数未満である場合、ファンを第1速度で回転させる。
【0012】
制御部は、印刷継続中において、累積印刷ページ数が第1ページ数以上である場合、ファンを第2速度で回転させる。第2速度は、第1速度よりも速い。
【0013】
このような構成によれば、累積印刷ページ数が第1ページ数に到達するまでは、印刷処理によって発生した水蒸気による本体筐体内の相対湿度の上昇の程度が低いので、印刷処理を実行するときに、ファンの回転速度を第1速度に抑制する。
【0014】
これにより、ファンの回転で生じた気流によって定着部付近の空気が感光ドラムまで運ばれることを抑制しつつ、本体筐体内の相対湿度の上昇を抑制できる。
【0015】
また、ファンの回転速度を第1速度に抑制している間、ファンの駆動音を抑制できる。
【0016】
そして、累積印刷ページ数が第1ページ数に到達した後は、印刷処理によって本体筐体内の相対湿度が高くなっている可能性があるので、ファンを、第1速度よりも速い第2速度で回転させる。
【0017】
これにより、本体筐体内の相対湿度が過度に上昇することを抑制して、感光ドラム表面の結露を抑制できる。
【0018】
(2)制御部は、印刷処理を実行せずに第1時間が経過した場合、累積印刷ページ数を0にしてもよい。
【0019】
このような構成によれば、印刷処理によって上昇した本体筐体内の相対湿度が、印刷処理を実行せずに第1時間が経過することによって低下した場合に、累積印刷ページ数を0にする。
【0020】
これにより、本体筐体内の相対湿度が低下した状態で、再度、ファンの回転速度を第1速度に抑制することができる。
【0021】
(3)複数のページを含む印刷ジョブの途中で累積印刷ページ数が第1ページ数に達した場合、制御部は、印刷ジョブの途中で、ファンの回転速度を第1速度から第2速度に変更してもよい。
【0022】
このような構成によれば、印刷ジョブの途中でも、印刷処理によって本体筐体内の相対湿度が高くなっている可能性がある場合には、ファンを、第1速度よりも速い第2速度で回転させて、本体筐体内の相対湿度が過度に上昇することを抑制できる。
【0023】
(4)本体筐体は、第1方向における一方の外壁に排気口を有する。本体筐体は、ファンによって排気口を介して排気するように構成される。画像形成装置は、第1センサと、第2センサとをさらに備えてもよい。第1センサは、第1方向において、本体筐体の一方の外壁の近傍に位置する。第1センサは、温度および相対湿度を測定可能である。第2センサは、第1方向において、本体筐体の他方の側で、定着部よりも感光ドラムに近い位置の温度を測定可能である。制御部は、第1センサが測定した温度を第1雰囲気温度として処理する。制御部は、第2センサが測定した温度に基づいて、感光ドラム周辺の温度である第2雰囲気温度を推定する。
【0024】
(5)制御部は、印刷開始時には、第1雰囲気温度に基づいて、ファンの回転速度を設定してもよい。制御部は、印刷継続中には、第2雰囲気温度に基づいて、ファンの回転速度を設定してもよい。
【0025】
(6)画像形成装置は、現像ユニットをさらに備える。現像ユニットは、現像ローラを有する。現像ユニットは、感光ドラムにトナーを供給可能である。第2雰囲気温度は、現像ローラ近傍の温度であってもよい。
【0026】
(7)現像ユニットは、層厚規制ブレードをさらに備えてもよい。層厚規制ブレードは、現像ローラ上のトナーの層厚を規制する。第2雰囲気温度は、層厚規制ブレードの温度であってもよい。
【0027】
(8)制御部は、印刷継続中において、第2雰囲気温度が第1温度未満であり、かつ、累積印刷ページ数が第1ページ数未満である場合、印刷処理を実行するときに、ファンを第1速度で回転させてもよい。制御部は、印刷継続中において、第2雰囲気温度が第1温度未満であり、かつ、累積印刷ページ数が第1ページ数以上である場合、印刷処理を実行するときに、ファンを第2速度で回転させてもよい。制御部は、印刷継続中において、第2雰囲気温度が第1温度以上である場合、印刷処理を実行するときに、ファンを第2速度で回転させてもよい。
【0028】
(9)制御部は、印刷継続中において、第2雰囲気温度が第2温度以上である場合、ファンを第3速度で回転させてもよい。第2温度は、第1温度よりも高い。第3速度は、第2速度よりも速い。
【0029】
(10)制御部は、印刷継続中において、第2雰囲気温度が第3温度以上である場合、ファンを第4速度で回転させてもよい。第3温度は、第2温度よりも高い。第4速度は、第3速度よりも速い。
【0030】
(11)制御部は、印刷開始時において、第1センサが測定した相対湿度が所定湿度以上である場合、ファンの回転速度を第2速度以上に設定してもよい。
【0031】
このような構成によれば、第1センサが測定した相対湿度が高い場合、画像形成装置が設置された環境の相対湿度が高く、印刷処理を実行する前から本体筐体内の湿度が高い可能性がある。
【0032】
そのため、累積印刷ページ数に関わらず、印刷処理を実行するときに、ファンを第2速度以上で回転させる。
【0033】
これにより、画像形成装置が設置された環境の相対湿度が高い場合でも、感光ドラム表面の結露を抑制できる。
【0034】
(12)制御部は、印刷開始時において、第1センサが測定した相対湿度が所定湿度未満であり、かつ、第2雰囲気温度が所定温度未満である場合、ファンの回転速度を第1速度以上に設定してもよい。
【0035】
このような構成によれば、第1センサが測定した相対湿度が低く、画像形成装置が設置された環境の相対湿度が低い場合でも、第2雰囲気温度が低い場合には、感光ドラム表面の温度が低く、感光ドラム表面が結露する可能性が高い。
【0036】
そのため、累積印刷ページ数に関わらず、印刷処理を実行するときに、ファンを第1速度以上で回転させる。
【0037】
これにより、第2雰囲気温度が低い場合でも、感光ドラム表面の結露を抑制できる。
【0038】
(13)第1センサおよび第2センサは、サーミスタであってもよい。
【発明の効果】
【0039】
本開示の画像形成装置によれば、感光ドラム表面の結露を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図2】
図2は、
図1に示す画像形成装置において、第1センサ、第2センサ、ファン、および、制御部の配置を説明するための説明図である。
【
図3】
図3は、
図1に示す画像形成装置の本体筐体の斜視図である。
【
図4】
図4は、
図1に示す画像形成装置の制御を説明するためのブロック図である。
【
図5】
図5は、
図1に示す画像形成装置の制御を説明するためのフローチャートである。
【
図6】
図6は、
図5に示す印刷開始時のファンの回転速度の設定を説明するためのフローチャートである。
【
図7】
図7は、
図5に示す印刷継続中のファンの回転速度の設定を説明するためのフローチャートである。
【
図8】
図8は、
図5に示す印刷終了後のファン制御を説明するためのフローチャートである。
【
図9】
図9は、第2実施形態における印刷開始時のファンの回転速度の設定を説明するためのフローチャートである。
【
図10】
図10は、第2実施形態における印刷継続中のファンの回転速度の設定を説明するためのフローチャートである。
【
図11】
図11は、第3実施形態における印刷開始時のファンの回転速度の設定を説明するためのフローチャートである。
【
図12】
図12は、参考形態における印刷継続中のファンの回転速度の設定を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0041】
1.画像形成装置1の概略
図1を参照して、画像形成装置1の概略について説明する。
【0042】
画像形成装置1は、本体筐体2と、シート収容部3と、複数のドラムユニット4Y,4M,4C,4Kと、複数の露光ヘッド5Y,5M,5C,5Kと、複数の現像ユニット6Y,6M,6C,6Kと、転写装置7と、定着部8と、読取装置9とを備える。
【0043】
1.1 本体筐体2
本体筐体2は、シート収容部3と、ドラムユニット4Y,4M,4C,4Kと、露光ヘッド5Y,5M,5C,5Kと、現像ユニット6Y,6M,6C,6Kと、転写装置7と、定着部8とを収容する。
【0044】
1.2 シート収容部3
シート収容部3は、シートSを収容可能である。シートSは、例えば、印刷用紙である。シートSは、ドラムユニット4Yの感光ドラム41Yに向かって搬送される。
【0045】
1.3 ドラムユニット4Y,4M,4C,4K
ドラムユニット4Yは、感光ドラム41Yと、帯電装置42Yとを備える。言い換えると、画像形成装置1は、感光ドラム41Yを備える。
【0046】
感光ドラム41Yは、円筒形状を有する。感光ドラム41Yは、第1方向に延びる。感光ドラム41Yは、軸A1について回転可能である。軸A1は、第1方向に延びる。
【0047】
帯電装置42Yは、感光ドラム41Yの表面を帯電させる。帯電装置42Yは、スコロトロン型帯電器である。帯電装置42Yは、帯電ローラであってもよい。
【0048】
ドラムユニット4Y,4M,4C,4Kは、第2方向に並ぶ。第2方向は、第1方向と交差する。好ましくは、第2方向は、第1方向と直交する。ドラムユニット4Y,4M,4C,4Kは、定着部8に近づく方向において、ドラムユニット4Y、ドラムユニット4M、ドラムユニット4C、ドラムユニット4Kの順に並ぶ。ドラムユニット4M,4C,4Kについての説明は、ドラムユニット4Yと同様であるため、省略する。
【0049】
1.4 露光ヘッド5Y,5M,5C,5K
露光ヘッド5Yは、帯電装置42Yによって帯電された感光ドラム41Yの表面を露光する。露光ヘッド5Mは、帯電装置42Mによって帯電された感光ドラム41Mの表面を露光する。露光ヘッド5Cは、帯電装置42Cによって帯電された感光ドラム41Cの表面を露光する。露光ヘッド5Kは、帯電装置42Kによって帯電された感光ドラム41Kの表面を露光する。
【0050】
1.5 現像ユニット6Y,6M,6C,6K
現像ユニット6Yは、感光ドラム41Yにトナーを供給可能である。詳しくは、現像ユニット6Yは、露光ヘッド5Yによって露光された感光ドラム41Yの表面上にトナーを供給する。現像ユニット6Yは、現像筐体61Yと、現像ローラ62Yと、層厚規制ブレード63Yとを有する。
【0051】
現像筐体61Yは、トナーを収容可能である。
【0052】
現像ローラ62Yは、現像筐体61Y内のトナーを感光ドラム41Yの表面に供給可能である。現像ローラ62Yは、感光ドラム41Yと接触する。現像ローラ62Yは、所定の間隔をあけて感光ドラム41Yから離れていてもよい。現像ローラ62Yは、円柱形状を有する。現像ローラ62Yは、第1方向に延びる。現像ローラ62Yは、軸A2について回転可能である。軸A2は、第1方向に延びる。
【0053】
層厚規制ブレード63Yは、現像ローラ62Y上のトナーの層厚を規制する。
【0054】
現像ユニット6M,6C,6Kについての説明は、現像ユニット6Yと同様であるため、省略する。
【0055】
1.6 転写装置7
転写装置7は、ベルト71と、複数の転写ローラ72Y,72M,72C,72Kを有する。
【0056】
ベルト71は、シート収容部3からのシートSを定着部8に向けて搬送する。ベルト71は、感光ドラム41Y、41M、41C、41Kと接触する。
【0057】
転写ローラ72Yは、感光ドラム41Y上のトナーを、ベルト71によって搬送されているシートSに転写する。転写ローラ72Mは、感光ドラム41M上のトナーを、ベルト71によって搬送されているシートSに転写する。転写ローラ72Cは、感光ドラム41C上のトナーを、ベルト71によって搬送されているシートSに転写する。転写ローラ72Kは、感光ドラム41K上のトナーを、ベルト71によって搬送されているシートSに転写する。
【0058】
1.7 定着部8
定着部8は、トナーが転写されたシートSを加熱および加圧する。定着部8は、感光ドラム41Y,41M,41C,41KのそれぞれからシートSに転写されたトナーを、加熱により、シートSに定着させる。詳しくは、定着部8は、加熱ローラ81と、ヒータ82と、加圧ローラ83とを有する。シートSが加熱ローラ81と加圧ローラ83との間を通るときに、加熱ローラ81は、シートSを加熱する。ヒータ82は、加熱ローラ81内に位置する。ヒータ82は、加熱ローラ81を加熱する。シートSが加熱ローラ81と加圧ローラ83との間を通るときに、加圧ローラ83は、シートSを加熱ローラ81に向けて加圧する。定着部8を通過したシートSは、本体筐体2と読取装置9との間に排出される。
【0059】
1.8 読取装置9
読取装置9は、原稿の画像を読み取り可能である。読取装置9は、本体筐体2の上に位置する。読取装置9が本体筐体2の上に位置することにより、画像形成装置1は、本体筐体2内に湿気が籠もりやすい構造を有している。なお、画像形成装置1は、読取装置9を備えていなくてもよい。
【0060】
2.画像形成装置1の詳細
次に、
図2から
図4を参照して、画像形成装置1の詳細について説明する。
【0061】
図2に示すように、画像形成装置1は、第1センサ11と、第2センサ12と、ファン13と、制御部14とを、さらに備える。
【0062】
2.1 本体筐体2の詳細
本体筐体2は、本体フレーム21と、本体カバー22とを有する。
【0063】
2.1.1 本体フレーム21
本体フレーム21は、ドラムユニット4Y,4M,4C,4K、転写装置7、および、定着部8を支持する。本体フレーム21は、2つの側板211A,211Bと、2つのフレーム212A,212Bとを有する。
【0064】
側板211Aは、第1方向において、本体筐体2の一端部に位置する。側板211Aは、第2方向および上下方向に延びる。側板211Aは、例えば、鉄またはステンレスからなる板金である。
【0065】
側板211Bは、第1方向において、本体筐体2の他端部に位置する。側板211Bは、第1方向において、側板211Aから離れて位置する。側板211Bは、第2方向および上下方向に延びる。側板211Bは、例えば、鉄、ステンレスからなる板金である。
【0066】
フレーム212Aは、第1方向において、側板211Aと側板211Bとの間に位置する。フレーム212Aは、第2方向および上下方向に延びる。フレーム212Aは、例えば、樹脂成型品である。フレーム212Aは、側板211Aに取り付けられている。
【0067】
フレーム212Bは、第1方向において、側板211Aと側板211Bとの間に位置する。フレーム212Bは、第1方向において、フレーム212Aから離れて位置する。フレーム212Bは、第2方向および上下方向に延びる。フレーム212Bは、例えば、樹脂成型品である。フレーム212Bは、側板211Bに取り付けられている。
【0068】
ドラムユニット4Y,4M,4C,4K、転写装置7、および、定着部8は、第1方向において、フレーム212Aとフレーム212Bとの間に位置する。ドラムユニット4Y,4M,4C,4K、転写装置7、および、定着部8は、フレーム212Aとフレーム212Bとによって支持される。
【0069】
2.1.2 本体カバー22
本体カバー22は、画像形成装置1の外装を構成する。本体カバー22は、本体フレーム21を覆う。本体カバー22は、第1方向において、一方の外壁22Aと、他方の外壁22Bとを有する。
【0070】
外壁22Aは、第1方向において、本体カバー22の一端部に位置する。外壁22Aは、第1方向において、側板211Aに対して、側板211Bの反対側に位置する。外壁22Aは、側板211Aを覆う。外壁22Aは、上下方向および第2方向に延びる。
図3に示すように、外壁22Aは、排気口23を有する。言い換えると、本体筐体2は、第1方向における一方の外壁22Aに排気口23を有する。これにより、本体筐体2は、ファン13によって排気口23を介して排気するように構成される。また、外壁22Aは、通気口221を有する。通気口221は、後述する第1センサ11周辺が外気と通気できるように構成される。
【0071】
図2に示すように、外壁22Bは、第1方向において、本体筐体2の他端部に位置する。外壁22Bは、第1方向において、外壁22Aから離れて位置する。外壁22Bは、第1方向において、側板211Bに対して、側板211Aの反対側に位置する。外壁22Bは、側板211Bを覆う。外壁22Bは、上下方向および第2方向に延びる。
【0072】
2.2 第1センサ11
第1センサ11は、第1方向において、本体筐体2の一方の外壁22Aの近傍に位置する。第1センサ11は、第1方向において、外壁22Aと側板211Aとの間に位置する。第1センサ11は、第2方向において、通気口221に近接して配置される。また、第1センサ11は、複数のドラムユニット4Y,4M,4C,4Kのうち、定着部8から最も離れたドラムユニット4Y(
図1参照)に対して、第1方向の一方側に位置する。第1センサ11は、第2方向において、定着部8から離れて位置する。第1センサ11は、第2方向において、第2センサ12よりも定着部8から離れて位置する。言い換えると、第2方向における第1センサ11と定着部8との距離は、第2方向における第2センサ12と定着部8との距離よりも長い。第1センサ11は、温度および相対湿度を測定可能である。第1センサ11は、サーミスタである。
【0073】
2.3 第2センサ12
第2センサ12は、第1方向において、本体筐体2の他方の側に配置される。詳しくは、第2センサ12は、第1方向において、本体筐体2の他方の外壁22Bの近傍に位置する。第2センサ12は、ファン13から離れて位置することにより、ファン13が起こす気流の影響を受けにくくしている。第2センサ12は、第1方向において、外壁22Bと側板211Bとの間に位置する。第2センサ12は、ドラムユニット4Mに対して、第1方向の他方側に位置する。第2センサ12は、第2方向において、定着部8から離れて位置する。第2センサ12は、定着部8よりも感光ドラム41M(
図1参照)に近い位置の温度を測定可能である。第2センサ12は、サーミスタである。
【0074】
2.4 ファン13
ファン13は、本体筐体2内において、排気口23に向かう気流を発生させる。ファン13は、第1方向において、本体筐体2の一方の外壁22Aの近傍に位置する。ファン13は、第1方向において、外壁22Aと定着部8との間に位置する。ファン13は、排気口23(
図3参照)に対向して配置される。
【0075】
2.5 制御部14
制御部14は、第1方向において、外壁22Bと側板211Bとの間に位置する。制御部14は、
図4に示すように、第1センサ11、第2センサ12、および、ファン13と電気的に接続される。制御部14は、制御回路基板である。制御部14は、プロセッサとメモリとを有する。プロセッサとして、例えば、CPUが挙げられる。メモリは、揮発性メモリであってもよく、不揮発性メモリであってもよい。メモリとして、例えば、RAM、ROMが挙げられる。
【0076】
制御部14は、第1センサ11が測定した温度を、第1雰囲気温度T1として処理する。第1雰囲気温度T1とは、画像形成装置1が待機状態である場合における疑似的な本体筐体2外の温度を指す。上記したように第1センサ11は、本体筐体2内に位置するが、定着部8から離れて位置し、かつ、外壁22Aの通気口221の近傍に位置するので、画像形成装置1が待機状態である場合には、第1センサ11が測定した温度を、本体筐体2外の温度とみなすことができる。
【0077】
制御部14は、第2センサ12が測定した温度に基づいて、第2雰囲気温度T2を推定する。第2雰囲気温度T2は、感光ドラム41Y,41M,41C,41K周辺の温度である。詳しくは、第2雰囲気温度T2は、現像ローラ62Y,62M,62C,62K近傍の温度である。より詳しくは、第2雰囲気温度T2は、層厚規制ブレード63Y,63M,63C,63Kの温度である。
【0078】
制御部14は、以下の計算式により、第2雰囲気温度T2を計算する。
【0079】
第2雰囲気温度T2の計算式:
第2雰囲気温度T2=a×log(第2センサ12が測定した温度)2+b×log(第2センサ12が測定した温度)+c
計算式(1)中、a、b、cは、実験値の重回帰分析によって求められた係数である。
【0080】
3.画像形成装置1の制御
次に、
図5から
図8を参照して、画像形成装置1の制御について説明する。
【0081】
3.1 印刷開始時のファンの回転速度の設定
図5に示すように、制御部14は、印刷ジョブを含む印刷指令を受信すると、印刷開始時のファン13の回転速度を設定する(S1)。
【0082】
図6に示すように、制御部14は、印刷開始時には、第1雰囲気温度T1、および、第1センサ11が測定した相対湿度H1の少なくとも1つに基づいて、ファン13の回転速度を設定する。
【0083】
詳しくは、印刷開始時において、第1雰囲気温度T1が所定温度T未満であり(S11:NO)、第1センサ11が測定した相対湿度H1が所定湿度H未満である場合(S12:NO)、制御部14は、ファン13の回転速度を、第1速度に設定する(S13)。
【0084】
所定温度Tは、例えば、32℃である。所定湿度Hは、例えば、60%である。
【0085】
一方、印刷開始時において、第1雰囲気温度T1が所定温度T未満であり(S11:NO)、第1センサ11が測定した相対湿度H1が所定湿度H以上である場合(S12:YES)、制御部14は、ファン13の回転速度を、第2速度に設定する(S14)。第2速度は、第1速度よりも速い。つまり、印刷開始時において、第1雰囲気温度T1が所定温度T未満であり(S11:NO)、第1センサ11が測定した相対湿度H1が所定湿度H以上である場合(S12:YES)、制御部14は、ファン13の回転速度を、第1速度以上に設定する。
【0086】
第1センサ11が測定した相対湿度H1が所定湿度H以上である場合、画像形成装置1の設置環境の湿度(環境湿度)が高く、印刷処理を実行する前から本体筐体2内の湿度が高い可能性がある。
【0087】
そのため、制御部14は、印刷開始前に、ファン13の回転速度を第1速度以上に設定する。
【0088】
これにより、印刷開始からファン13を第1速度以上で回転させて、環境湿度が高い場合でも、感光ドラム41Y,41M,41C,41K表面の結露を抑制できる。
【0089】
また、印刷開始時において、第1雰囲気温度T1が所定温度T以上である場合(S11:YES)、制御部14は、ファン13の回転速度を、第3速度に設定する(S15)。第3速度は、第2速度よりも速い。
【0090】
3.2 累積印刷ページ数のカウント
次に、
図5に示すように、制御部14は、印刷指令に基づいて、印刷処理を実行する。印刷処理を実行するとき、制御部14は、設定されたファン13の回転速度でファン13を回転させる。
【0091】
印刷継続中において、制御部14は、1ページ印刷する毎に、累積印刷ページ数Nをカウントする(S2、S3)。累積印刷ページ数Nとは、画像形成装置1が印刷したページ数の累積である。
【0092】
3.3 印刷継続中のファン13の回転速度の設定
次に、印刷継続中において、制御部14は、1ページ印刷する毎に、ファン13の回転速度を設定する(S4)。
【0093】
図7に示すように、制御部14は、印刷継続中には、第2雰囲気温度T2、第1センサ11が測定した相対湿度H1、および、累積印刷ページ数Nの少なくとも1つに基づいて、ファン13の回転速度を設定する。
【0094】
画像形成装置1が待機状態である場合、相対湿度H1は、環境湿度を示す。一方、画像形成装置1が印刷中である場合、印刷によって発生した水蒸気によって本体筐体2内の相対湿度が上がる。そのため、画像形成装置1が印刷中である場合、相対湿度H1は、印刷中の本体筐体2内の相対湿度とみなすことができる。第1センサ11は、第1方向において、ファン13と同じ側に位置する。そのため、第1センサ11は、ファン13の起こした気流の影響を受けやすく、第1方向においてファン13の反対側に位置する場合と比べて、本体筐体2内の湿度変化を早期に検知できる。
【0095】
詳しくは、印刷継続中において、第2雰囲気温度T2が第1温度T1未満であり(S21:NO,S22:NO,S23:NO)、第1センサ11が測定した相対湿度H1が所定湿度H未満であり(S24:NO)、累積印刷ページ数Nが第1ページ数N1未満である場合(S25:NO)、制御部14は、ファン13の回転速度を、第1速度に設定する(S26)。つまり、印刷継続中において、第2雰囲気温度T2が第1温度T1未満であり(S21:NO,S22:NO,S23:NO)、第1センサ11が測定した相対湿度H1が所定湿度H未満であり(S24:NO)、累積印刷ページ数Nが第1ページ数未満である場合(S25:NO)、制御部14は、印刷処理を実行するときに、ファン13を第1速度で回転させる。
【0096】
第1温度T1は、例えば、31℃である。第2温度T2は、第1温度T1よりも高い。第2温度T2は、例えば、36℃である。第3温度T3は、第2温度T2よりも高い。第3温度T3は、例えば、39℃である。第1ページ数N1は、例えば、60ページである。
【0097】
累積印刷ページ数Nが第1ページ数N1に到達するまでは、印刷処理によって発生した水蒸気による本体筐体2内の相対湿度の上昇の程度が低いので、印刷処理を実行するときに、ファン13の回転速度を第1速度に抑制する。
【0098】
これにより、ファン13の回転で生じた気流によって定着部8付近の空気が感光ドラム41Y,41M,41C,41Kまで運ばれることを抑制しつつ、本体筐体2内の相対湿度の上昇を抑制できる。
【0099】
なお、ファン13の回転速度を第1速度に抑制している間、ファン13の駆動音を抑制できる。
【0100】
一方、印刷継続中において、第2雰囲気温度T2が第1温度T1未満であり(S21:NO,S22:NO,S23:NO)、第1センサ11が測定した相対湿度H1が所定湿度H未満であり(S24:NO)、累積印刷ページ数Nが第1ページ数N1以上である場合(S25:YES)、制御部14は、ファン13の回転速度を、第2速度に設定する(S27)。つまり、印刷継続中において、第2雰囲気温度T2が第1温度T1未満であり(S21:NO,S22:NO,S23:NO)、第1センサ11が測定した相対湿度H1が所定湿度H未満であり(S24:NO)、累積印刷ページ数Nが第1ページ数N1以上である場合(S25:YES)、制御部14は、ファン13を第2速度で回転させる。
【0101】
なお、複数のページを含む印刷ジョブの途中で累積印刷ページ数Nが第1ページ数N1に達した場合、制御部14は、印刷ジョブの途中で、ファン13の回転速度を第1速度から第2速度に変更する。
【0102】
累積印刷ページ数Nが第1ページ数N1に到達した後は、印刷処理によって本体筐体2内の相対湿度が高くなっている可能性があるので、ファン13を、第1速度よりも速い第2速度で回転させる。
【0103】
これにより、本体筐体2内の相対湿度が過度に上昇することを抑制して、感光ドラム41Y表面の結露を抑制できる。
【0104】
また、印刷継続中において、第2雰囲気温度T2が第1温度T1未満であり(S21:NO,S22:NO,S23:NO)、第1センサ11が測定した相対湿度H1が所定湿度H以上である場合(S24:YES)も、制御部14は、ファン13の回転速度を、第2速度に設定する(S27)。
【0105】
また、印刷継続中において、第2雰囲気温度T2が第1温度T1以上、第2温度T2未満である場合(S21:NO,S22:NO,S23:YES)も、制御部14は、ファン13の回転速度を、第2速度に設定する(S27)。つまり、印刷継続中において、第2雰囲気温度T2が第1温度T1以上、第2温度T2未満である場合(S21:NO,S22:NO,S23:YES)、制御部14は、ファン13を第2速度で回転させる。
【0106】
また、印刷継続中において、第2雰囲気温度T2が第2温度T2以上、第3温度T3未満である場合(S21:NO,S22:YES)、制御部14は、ファン13の回転速度を、第3速度に設定する(S28)。つまり、印刷継続中において、第2雰囲気温度T2が第2温度T2以上、第3温度T3未満である場合(S21:NO,S22:YES)、制御部14は、ファン13を第3速度で回転させる。
【0107】
また、印刷継続中において、第2雰囲気温度T2が第3温度T3以上である場合(S21:YES)、制御部14は、ファン13の回転速度を、第4速度に設定する(S29)。つまり、印刷継続中において、第2雰囲気温度T2が第3温度T3以上である場合(S21:YES)、制御部14は、ファン13を第4速度で回転させる。第4速度は、第3速度よりも速い。
【0108】
第2雰囲気温度T2の上昇に応じて段階的にファン13の回転速度を速くすることにより、ファン13の駆動音を抑制しつつ、必要に応じて、本体筐体2内を冷却できる。
【0109】
制御部14は、
図5に示すように、印刷ジョブを終了するまで(S5:NO)、1ページ印刷する毎に(S2)、累積印刷ページ数Nのカウント(S3)、および、ファン13の回転速度の設定(S4)を繰り返し実行する。
【0110】
3.4 印刷ジョブ終了後のファン制御
次に、印刷ジョブが終了した場合(S5:YES)、制御部14は、時間計測を開始し(S6)、印刷ジョブ終了後のファン制御を開始する(S7)。
【0111】
図7に示すように、印刷ジョブ終了後のファン制御では、印刷ジョブが終了してから所定時間以内において(S31:NO)、第2雰囲気温度T2が第3温度T
3以上である場合(S32:NO)、制御部14は、ファン13を第1速度で回転させる(S33)。
【0112】
所定時間は、例えば、20分である。
【0113】
一方、印刷ジョブが終了してから所定時間以内に(S31:NO)、第2雰囲気温度T2が第2温度T2未満になった場合(S32:YES、S34:YES)、制御部14は、ファン13を停止させる(S35)。
【0114】
なお、印刷ジョブが終了してから所定時間以内に(S31:NO)、第2雰囲気温度T2が第3温度T3未満、第2温度T2以上になった場合(S32:YES、S34:NO)、制御部14は、ファン13の回転速度を第1速度に維持する。
【0115】
また、印刷ジョブが終了してから所定時間が経過した場合(S31:YES)、制御部14は、ファン13を停止させる(S35)。
【0116】
次に、
図5に示すように、印刷ジョブが終了してから第1時間が経過した場合(S8:YES)、制御部14は、累積印刷ページ数Nを0にする(S9)。言い換えると、制御部14は、印刷処理を実行せずに第1時間が経過した場合(S8:YES)、累積印刷ページ数を0にする(S9)。
【0117】
第1時間は、本体筐体2内の相対湿度を低下させるために十分な時間に設定される。例えば、第1時間は、2時間である。
【0118】
印刷処理を実行せずに第1時間が経過した場合(S8:YES)に累積印刷ページ数を0にすることにより、本体筐体2内の相対湿度が低下した状態で、再度、ファン13の回転速度を第1速度に抑制することができる。
【0119】
なお、制御部14は、印刷ジョブが終了してから第1時間が経過する前に(S8:NO)、新たな印刷指令を受信した場合(S10:YES)、再度、印刷開始時のファン13の回転速度を設定する(S1)。
【0120】
また、制御部14は、印刷ジョブが終了してから第1時間が経過する前(S8:NO)であって、新たな印刷指令を受信していない場合(S10:NO)、印刷ジョブ終了後のファン制御を継続する(S7)。
【0121】
4.作用効果
(1)画像形成装置1によれば、
図7に示すように、印刷継続中において、累積印刷ページ数Nが第1ページ数N1に到達する(S25:YES)までは、印刷処理によって発生した水蒸気による本体筐体2内の相対湿度の上昇の程度が低いので、ファン13の回転速度を第1速度に抑制する(S26)。
【0122】
これにより、ファン13の回転で生じた気流によって定着部8付近の空気が感光ドラム41Y,41M,41C,41Kまで運ばれることを抑制しつつ、本体筐体2内の相対湿度の上昇を抑制する。
【0123】
なお、ファン13の回転速度を第1速度に抑制している間、ファン13の駆動音を抑制できる。
【0124】
一方、印刷継続中において、累積印刷ページ数Nが第1ページ数N1以上である場合(S25:YES)、制御部14は、ファン13を、第1速度よりも速い第2速度で回転させる(S27)。
【0125】
つまり、累積印刷ページ数Nが第1ページ数N1に到達した後は、印刷処理によって本体筐体2内の相対湿度が高くなっている可能性があるので、ファン13を、第1速度よりも速い第2速度で回転させる。
【0126】
これにより、本体筐体2内の相対湿度が過度に上昇することを抑制して、感光ドラム41Y,41M,41C,41K表面の結露を抑制できる。
【0127】
(2)画像形成装置1によれば、
図5に示すように、制御部14は、印刷処理を実行せずに第1時間が経過した場合(S8:YES)、累積印刷ページ数Nを0にする(S9)。
【0128】
つまり、印刷処理によって上昇した本体筐体2内の相対湿度が、印刷処理を実行せずに第1時間が経過することによって低下した場合に、累積印刷ページ数を0にする。
【0129】
これにより、本体筐体2内の相対湿度が低下した状態で、再度、ファン13の回転速度を第1速度に抑制することができる。
【0130】
(3)画像形成装置1によれば、
図7に示すように、複数のページを含む印刷ジョブの途中で累積印刷ページ数Nが第1ページ数N1に達した場合(S25:YES)、制御部14は、印刷ジョブの途中で、ファン13の回転速度を第1速度から第2速度に変更する。
【0131】
これにより、印刷ジョブの途中でも、印刷処理によって本体筐体2内の相対湿度が高くなっている可能性がある場合には、ファン13を、第1速度よりも速い第2速度で回転させて、本体筐体2内の相対湿度が過度に上昇することを抑制できる。
【0132】
(4)画像形成装置1によれば、
図7に示すように、印刷継続中において、第2雰囲気温度T2が第1温度T
1以上である場合(S23:YES)、制御部14は、ファン13を第2速度で回転させる(S25)。
【0133】
さらに、印刷継続中において、第2雰囲気温度T2が第2温度T2以上である場合(S22:YES)、制御部14は、ファン13を第3速度で回転させる(S28)。第2温度T2は、第1温度T1よりも高い。第3速度は、第2速度よりも速い。
【0134】
さらに、印刷継続中において、第2雰囲気温度T2が第3温度T3以上である場合(S21:YES)、制御部14は、ファン13を第4速度で回転させる(S29)。第3温度T3は、第2温度T2よりも高い。第4速度は、第3速度よりも速い。
【0135】
第2雰囲気温度T2の上昇に応じて段階的にファン13の回転速度を速くすることにより、ファン13の駆動音を抑制しつつ、必要に応じて、本体筐体2内を冷却できる。
【0136】
(5)画像形成装置1によれば、
図6に示すように、印刷開始時において、第1センサ11が測定した相対湿度H1が所定湿度H以上である場合(S12:YES)、制御部14は、ファン13を第2速度で回転させる(S14)。
【0137】
このような構成によれば、第1センサ11が測定した相対湿度H1が高い場合、画像形成装置1が設置された環境の相対湿度が高く、印刷処理を実行する前から本体筐体2内の湿度が高い可能性がある。
【0138】
そのため、印刷開始時において、ファン13を第2速度で回転させる。
【0139】
これにより、画像形成装置1が設置された環境の相対湿度が高い場合でも、感光ドラム41Y,41M,41C,41K表面の結露を抑制できる。
【0140】
5.第2実施形態
次に、
図9および
図10を参照して第2実施形態について説明する。第2実施形態において、上記した第1実施形態と同様の部材および処理には、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0141】
図9に示すように、第2実施形態では、印刷開始時のファン13の回転速度設定(S1)において、制御部14は、第1雰囲気温度T1が所定温度T未満であり、第1センサ11が測定した相対湿度H1が所定湿度H未満である場合(S11:NO、S12:NO)、印刷開始時に、ファン13を駆動させない(S41)。
【0142】
これにより、印刷開始時のファン13の駆動音をより低減できる。
【0143】
また、
図10に示すように、制御部14は、印刷継続中には、第1雰囲気温度T1、第2雰囲気温度T2、第1センサ11が測定した相対湿度H1、および、累積印刷ページ数Nの少なくとも1つに基づいて、ファン13の回転速度を設定する。
【0144】
詳しくは、制御部14は、第1雰囲気温度T1が所定温度T未満であり(S51:NO)、第2雰囲気温度T2が第1温度T1未満であり(S21:NO,S22:NO,S23:NO)、第1センサ11が測定した相対湿度H1が所定湿度H未満であり(S24:NO)、累積印刷ページ数Nが第1ページ数N1未満である場合(S52:NO)、ファン13を駆動させない(S53)。
【0145】
第2実施形態では、第1ページ数N1は、例えば、120ページである。
【0146】
また、第2実施形態では、制御部14は、第1雰囲気温度T1が所定温度T以上であり(S51:YES)、第2雰囲気温度T2が第4温度T4未満である場合(S54:NO)、ファン13の回転速度を第3速度に設定する。
【0147】
第4温度T4は、第3温度T3よりも高い。第4温度T4は、例えば、41.5℃である。
【0148】
一方、制御部14は、第1雰囲気温度T1が所定温度T以上であり(S51:YES)、第2雰囲気温度T2が第4温度T4以上である場合(S54:YES)、ファン13の回転速度を第4速度に設定する。
【0149】
第2実施形態でも、上記した第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0150】
6.第3実施形態
次に、
図11を参照して第3実施形態について説明する。第3実施形態において、上記した第1実施形態と同様の部材および処理には、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0151】
第3実施形態では、印刷開始時のファン13の回転速度設定(S1)において、第1雰囲気温度T1が所定温度T未満であり(S11:NO)、第1センサ11が測定した相対湿度H1が所定湿度H未満であり(S12:NO)、第1雰囲気温度T1が第2所定温度T10未満である場合(S61:NO)、制御部14は、ファン13の回転速度を第3速度に設定する(S62)。
【0152】
第3実施形態では、所定湿度Hは、例えば、55%である。第2所定温度T10は、例えば、20℃である。
【0153】
印刷開始時において、第1センサ11が測定した相対湿度H1が低い場合(S12:NO)でも、第1雰囲気温度T1が低い場合(S61:NO)には、感光ドラム41Y,41M,41C,41K表面の温度が低く、感光ドラム41Y,41M,41C,41K表面が結露する可能性が高い。
【0154】
そのため、印刷開始時に、ファン13を第1速度以上で回転させる。
【0155】
これにより、画像形成装置1の設置環境の温度が低い場合でも、感光ドラム41Y,41M,41C,41K表面の結露を抑制できる。
【0156】
一方、印刷開始時において、第1雰囲気温度T1が所定温度T未満であり(S11:NO)、第1センサ11が測定した相対湿度H1が所定湿度H未満であり(S12:NO)、第1雰囲気温度T1が第2所定温度T10以上である場合(S61:YES)、制御部14は、ファン13の回転速度を第2速度に設定する(S63)。
【0157】
また、印刷開始時において、第1雰囲気温度T1が所定温度T未満であり(S11:NO)、第1センサ11が測定した相対湿度H1が所定湿度H以上である場合(S12:YES)、制御部14は、ファン13の回転速度を第4速度に設定する(S64)。
【0158】
また、印刷開始時において、第1雰囲気温度T1が所定温度T以上である場合(S11:YES)も、制御部14は、ファン13の回転速度を第4速度に設定する(S64)。
【0159】
第3実施形態でも、第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0160】
7.参考形態
次に、
図12を参照して参考形態について説明する。参考形態において、上記した第1実施形態と同様の部材および処理には、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0161】
参考形態では、印刷継続中において、制御部14は、第2雰囲気温度T2、および、第1センサ11が測定した相対湿度H1の少なくとも1つに基づいて、ファン13の回転速度を設定する。
【0162】
印刷中のファン13の回転速度設定(S1)において、制御部14は、第2雰囲気温度T2が所定温度T11未満であり(S71:NO)、第1センサ11が測定した相対湿度H1が所定湿度H未満であり(S72:NO)、第2雰囲気温度T2が所定温度T12未満である場合(S73:NO)、ファン13の回転速度を第3速度に設定する(S74)。
【0163】
所定温度T11は、例えば、36℃である。参考形態における所定湿度Hは、例えば、55%である。所定温度T12は、例えば、20℃である。
【0164】
一方、制御部14は、第2雰囲気温度T2が所定温度T11未満であり(S71:NO)、第1センサ11が測定した相対湿度H1が所定湿度H未満であり(S72:NO)、第2雰囲気温度T2が所定温度T12以上である場合(S73:YES)、ファン13の回転速度を第2速度に設定する(S75)。
【0165】
また、制御部14は、第2雰囲気温度T2が所定温度T11未満であり(S71:NO)、第1センサ11が測定した相対湿度H1が所定湿度H以上である場合(S72:YES)、ファン13の回転速度を第4速度に設定する(S76)。
【0166】
制御部14は、第2雰囲気温度T2が所定温度T11以上である場合(S71:NO)も、ファン13の回転速度を第4速度に設定する(S76)。
【符号の説明】
【0167】
1 画像形成装置
2 本体筐体
4 感光ドラム
6 現像ユニット
8 定着部
11 第1センサ
12 第2センサ
13 ファン
14 制御部
22A 外壁
23 排気口
62 現像ローラ
N 累積印刷ページ数
N1 第1ページ数
T1 第1雰囲気温度
T 所定温度
T2 第2雰囲気温度
T1 第1温度
T2 第2温度
T3 第3温度
H1 相対湿度
H 所定湿度