(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023151794
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/14 20060101AFI20231005BHJP
G03G 21/20 20060101ALI20231005BHJP
G03G 21/16 20060101ALI20231005BHJP
G03G 21/18 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
G03G21/14
G03G21/20
G03G21/16 171
G03G21/18 178
G03G21/16 133
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022061610
(22)【出願日】2022-04-01
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116034
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 啓輔
(74)【代理人】
【識別番号】100144624
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 達也
(72)【発明者】
【氏名】柴田 千晴
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 啓太
【テーマコード(参考)】
2H171
2H270
【Fターム(参考)】
2H171FA02
2H171FA06
2H171FA09
2H171FA13
2H171FA19
2H171GA24
2H171HA08
2H171HA23
2H171JA23
2H171JA29
2H171JA50
2H171NA01
2H171NA02
2H171QA03
2H171QA08
2H171QB32
2H171QC03
2H171QC36
2H171SA10
2H171SA12
2H171SA18
2H171SA19
2H171SA26
2H171SA32
2H270KA04
2H270LA28
2H270LA53
2H270LA54
2H270LA76
2H270LA80
2H270LA93
2H270MC44
2H270MC78
2H270MD17
2H270MD22
2H270MD29
2H270MF14
2H270MF17
2H270NB02
2H270NB04
2H270NB10
2H270PA49
2H270PA50
2H270SA13
2H270SB17
2H270SB19
2H270SB23
2H270SC01
2H270SC06
2H270SC16
2H270ZC03
2H270ZC04
(57)【要約】
【課題】感光ドラム上の異物に対応したドット状の画像がシートに形成されるのを抑制すること。
【解決手段】画像形成装置(カラープリンタ1)は、本体筐体10に着脱可能なドラムカートリッジ60と、ヒータHを有する定着装置80と、本体筐体10内を換気するファン14と、制御部100を備える。ドラムカートリッジ60は、感光ドラム61とドラムメモリ63を有する。制御部100は、印刷処理時に、湿度センサ16で検出した湿度が第1所定値以上の場合、湿度が第1所定値以上の環境下での印刷枚数である高湿時印刷枚数に関連した高湿時情報をドラムメモリ63に記憶する。画像形成装置の電源がオンにされた場合、または、カバー11が閉じられた場合、制御部100は、ドラムメモリ63から読み取った高湿時情報に基づいて、高湿時印刷枚数が閾値以上であるという第1条件を満たしたと判定すると、ファン14を回転、または、ヒータHを発熱させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を有する本体筐体と、
前記開口を開閉するカバーと、
前記開口を通して前記本体筐体に着脱可能なドラムカートリッジであって、
感光ドラムと、
ドラムメモリと、を有するドラムカートリッジと、
シートにトナー像を定着させる定着装置であって、ヒータを有する定着装置と、
前記本体筐体内を換気するファンと、
前記本体筐体外の湿度を検出する湿度センサと、
制御部と、を備え、
前記制御部が印刷処理を行う場合には、前記制御部は、
前記湿度センサで検出した湿度が第1所定値以上であるかを判定する判定処理と、
湿度が第1所定値以上であると判定した場合に、湿度が第1所定値以上となる環境下での印刷枚数である高湿時印刷枚数、湿度が第1所定値以上となる環境下での前記感光ドラムの回転回数である高湿時ドラム回転回数、および、前記高湿時印刷枚数または前記高湿時ドラム回転回数が閾値以上であることを示すフラグ、の少なくとも一つを含む高湿時情報を前記ドラムメモリに記憶する記憶処理と、を実行し、
画像形成装置の電源がオンにされた場合、または、前記カバーが閉じられた場合には、前記制御部は、
前記ドラムメモリに記憶された前記高湿時情報を読み取る読取処理と、
読み取った前記高湿時情報に基づいて、前記高湿時印刷枚数または前記高湿時ドラム回転回数が閾値以上であるという第1条件を満たしたと判定した場合に、前記ファンを回転させる、または、前記ヒータを発熱させる作動処理と、を実行することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記作動処理において、前記ファンを回転させ、かつ、前記ヒータを発熱させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記作動処理において、前記感光ドラムを回転させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記高湿時情報は、前記高湿時印刷枚数を含むことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部が印刷処理を終了する場合には、前記制御部は、前記高湿時印刷枚数が前記閾値以上であるかを判定し、前記高湿時印刷枚数が前記閾値以上であると判定した場合に、前記高湿時印刷枚数が前記閾値以上であることを示すフラグを、前記高湿時情報として前記ドラムメモリに記憶することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記第1条件を満たし、かつ、前記湿度センサで検出した湿度が第2所定値以上であるという第2条件を満たしたと判定した場合に、前記作動処理を実行することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記ドラムメモリには、前記ドラムカートリッジを識別するための識別情報が記憶され、
画像形成装置の電源がオンにされた場合、または、前記カバーが閉じられた場合には、前記制御部は、
前記ドラムメモリの前記識別情報に基づいて、前記ドラムカートリッジが交換されたかを判定し、
前記第1条件を満たし、かつ、前記ドラムカートリッジが交換されたという第3条件を満たしたと判定した場合に、前記作動処理を実行することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
トナーが収容されたトナーカートリッジをさらに備え、
前記ドラムカートリッジは、前記トナーカートリッジと共に使用されることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
トナーが収容され、現像ローラを有する現像カートリッジをさらに備え、
前記ドラムカートリッジは、前記現像カートリッジと共に使用されることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記感光ドラムを複数有し、
前記制御部は、
1つの感光ドラムで印刷処理を行うモノクロモードと、複数の感光ドラムで印刷処理を行うカラーモードと、を実行可能であり、
前記モノクロモードにおいて前記高湿時情報をカウントアップする場合には、前記カラーモードにおいて前記高湿時情報をカウントアップするよりも小さな値でカウントアップすることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記感光ドラムを複数有し、
前記制御部は、
1つの感光ドラムで印刷処理を行うモノクロモードと、複数の感光ドラムで印刷処理を行うカラーモードと、を実行可能であり、
湿度が第1所定値以上となる環境下で前記モノクロモードを実行する場合には、前記高湿時情報として、高湿時モノクロ情報をカウントアップし、
湿度が第1所定値以上となる環境下で前記カラーモードを実行する場合には、前記高湿時情報として、高湿時カラー情報をカウントアップし、
前記第1条件は、
前記高湿時モノクロ情報が第1閾値以上、または、前記高湿時カラー情報が第2閾値以上であることであり、
前記第2閾値は、前記第1閾値より小さいことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置として、感光ドラム上のトナー像をシートに転写するものが知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、感光ドラムを備える画像形成装置では、高湿の環境下で感光ドラムが長期間使用されると、紙粉やトナー由来のシリカ等の異物が感光ドラムに付着しやすいという問題がある。そして、感光ドラムに異物が付着すると、異物に対応したドット状の画像がシートに形成されてしまうという問題が生じる。
【0005】
そこで、本開示は、感光ドラムに付着した異物に対応したドット状の画像がシートに形成されるのを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本開示の第1態様に係る画像形成装置は、開口を有する本体筐体と、前記開口を開閉するカバーと、前記開口を通して前記本体筐体に着脱可能なドラムカートリッジと、シートにトナー像を定着させる定着装置と、前記本体筐体内を換気するファンと、前記本体筐体外の湿度を検出する湿度センサと、制御部と、を備える。
前記ドラムカートリッジは、感光ドラムと、ドラムメモリと、を有する。
前記定着装置は、ヒータを有する。
前記制御部が印刷処理を行う場合には、前記制御部は、前記湿度センサで検出した湿度が第1所定値以上であるかを判定する判定処理と、湿度が第1所定値以上であると判定した場合に、湿度が第1所定値以上となる環境下での印刷枚数である高湿時印刷枚数、湿度が第1所定値以上となる環境下での前記感光ドラムの回転回数である高湿時ドラム回転回数、および、前記高湿時印刷枚数または前記高湿時ドラム回転回数が閾値以上であることを示すフラグ、の少なくとも一つを含む高湿時情報を前記ドラムメモリに記憶する記憶処理と、を実行する。
画像形成装置の電源がオンにされた場合、または、前記カバーが閉じられた場合には、前記制御部は、前記ドラムメモリに記憶された前記高湿時情報を読み取る読取処理と、読み取った前記高湿時情報に基づいて、前記高湿時印刷枚数または前記高湿時ドラム回転回数が閾値以上であるという第1条件を満たしたと判定した場合に、前記ファンを回転させる、または、前記ヒータを発熱させる作動処理と、を実行する。
【0007】
第1態様によれば、高湿時印刷枚数または高湿時ドラム回転回数が閾値以上である場合、つまり高湿の環境下で感光ドラムが長期間使用されて感光ドラムに異物が付着した可能性が高い場合には、制御部が、ファンを回転させる、または、ヒータを発熱させる。ここで、感光ドラムに異物が付着している場合において、印刷する前に、ファンを回転させる、または、ヒータを発熱させると、異物に対応したドット状の画像がシートに形成されないことが実験等により確認されている。そのため、高湿時印刷枚数または高湿時ドラム回転回数が閾値以上である場合に、制御部が、ファンを回転させる、または、ヒータを発熱させることで、感光ドラムに付着した異物に対応したドット状の画像がシートに形成されるのを抑制することができる。
【0008】
第2態様の画像形成装置は、第1態様の画像形成装置であって、前記制御部が、前記作動処理において、前記ファンを回転させ、かつ、前記ヒータを発熱させる。
【0009】
第2態様によれば、作動処理においてファンとヒータの両方を作動させるので、感光ドラムに付着した異物に対応したドット状の画像がシートに形成されるのをより抑制することができる。
【0010】
第3態様の画像形成装置は、第1態様の画像形成装置であって、前記制御部が、前記作動処理において、前記感光ドラムを回転させる。
【0011】
第3態様によれば、作動処理において、ファンまたはヒータを作動させるとともに、感光ドラムを回転させるので、感光ドラムに付着した異物に対応したドット状の画像がシートに形成されるのをより抑制することができる。
【0012】
第4態様の画像形成装置は、第1態様の画像形成装置であって、前記高湿時情報は、前記高湿時印刷枚数を含む。
【0013】
第5態様の画像形成装置は、第4態様の画像形成装置であって、前記制御部が印刷処理を終了する場合に、前記制御部は、前記高湿時印刷枚数が前記閾値以上であるかを判定し、前記高湿時印刷枚数が前記閾値以上であると判定した場合に、前記高湿時印刷枚数が前記閾値以上であることを示すフラグを、前記高湿時情報として前記ドラムメモリに記憶する。
【0014】
第6態様の画像形成装置は、第1態様から第5態様のいずれかの画像形成装置であって、前記制御部が、前記第1条件を満たし、かつ、前記湿度センサで検出した湿度が第2所定値以上であるという第2条件を満たしたと判定した場合に、前記作動処理を実行する。
【0015】
第6態様によれば、湿度が第2所定値以上である場合、つまり感光ドラムに付着した異物に対応したドット状の画像がシートに形成されやすい環境下である場合に、作動処理を実行するので、無駄に作動処理が実行されるのを抑制することができる。ここで、湿度が第2所定値以上である場合に、異物に対応したドット状の画像がシートに形成されやすいことは実験等により確認されている。
【0016】
第7態様の画像形成装置は、第1態様から第5態様のいずれかの画像形成装置であって、前記ドラムメモリには、前記ドラムカートリッジを識別するための識別情報が記憶され、画像形成装置の電源がオンにされた場合、または、前記カバーが閉じられた場合には、前記制御部は、前記ドラムメモリの前記識別情報に基づいて、前記ドラムカートリッジが交換されたかを判定し、前記第1条件を満たし、かつ、前記ドラムカートリッジが交換されたという第3条件を満たしたと判定した場合に、前記作動処理を実行する。
【0017】
第7態様によれば、ドラムカートリッジが交換された場合、つまり高湿の環境下で異物が付着した感光ドラムが長期間放置された可能性がある場合に、作動処理を実行するので、無駄に作動処理が実行されるのを抑制することができる。ここで、高湿の環境下で異物が付着した感光ドラムが長期間放置されると、異物に含まれる水分が多くなることで、異物に対応したドット状の画像がシートに形成されやすいことは実験等により確認されている。
【0018】
第8態様の画像形成装置は、第1態様から第5態様のいずれかの画像形成装置であって、トナーが収容されたトナーカートリッジをさらに備え、前記ドラムカートリッジは、前記トナーカートリッジと共に使用される。
【0019】
第9態様の画像形成装置は、トナーが収容され、現像ローラを有する現像カートリッジをさらに備え、前記ドラムカートリッジは、前記現像カートリッジと共に使用される。
【0020】
第10態様の画像形成装置は、前記感光ドラムを複数有し、前記制御部は、1つの感光ドラムで印刷処理を行うモノクロモードと、複数の感光ドラムで印刷処理を行うカラーモードと、を実行可能であり、前記モノクロモードにおいて前記高湿時情報をカウントアップする場合には、前記カラーモードにおいて前記高湿時情報をカウントアップするよりも小さな値でカウントアップする。
【0021】
第10態様によれば、カラーモードよりも感光ドラムに異物が付着しにくいモノクロモードにおいて、高湿時情報を小さな値でカウントアップするので、感光ドラムに異物が付着していない状況で作動処理が無駄に行われるのを抑制することができる。
【0022】
第11態様の画像形成装置は、前記感光ドラムを複数有し、前記制御部は、1つの感光ドラムで印刷処理を行うモノクロモードと、複数の感光ドラムで印刷処理を行うカラーモードと、を実行可能であり、湿度が第1所定値以上となる環境下で前記モノクロモードを実行する場合には、前記高湿時情報として、高湿時モノクロ情報をカウントアップし、湿度が第1所定値以上となる環境下で前記カラーモードを実行する場合には、前記高湿時情報として、高湿時カラー情報をカウントアップし、前記第1条件は、前記高湿時モノクロ情報が第1閾値以上、または、前記高湿時カラー情報が第2閾値以上であることであり、前記第2閾値は、前記第1閾値より小さい。
【0023】
第11態様によれば、カラーモードよりも感光ドラムに異物が付着しにくいモノクロモードにおいて、高湿時モノクロ情報と比較する第1閾値を、第2閾値よりも大きくするので、感光ドラムに異物が付着していない状況で作動処理が無駄に行われるのを抑制することができる。
【発明の効果】
【0024】
本開示によれば、感光ドラムに付着した異物に対応したドット状の画像がシートに形成されるのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図2】ドラムカートリッジを本体筐体から引き出した状態を示す図である。
【
図3】感光ドラムと現像ローラの離間・接触の状態を説明する図である。
【
図6】印刷処理の変形例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
次に、本開示の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、画像形成装置の一例としてのカラープリンタ1は、本体筐体10と、カバー11と、シートPを供給する供給部20と、シートPに画像を形成する画像形成部30と、画像が形成されたシートPを排出する搬送部90と、制御部100とを備えている。
【0027】
本体筐体10は、開口10Aを有する。開口10Aは、後述するユニットUが通過可能な開口である。カバー11は、開口10Aを開閉する。
【0028】
供給部20は、シートPを収容する供給トレイ21と、供給トレイ21からシートPを画像形成部30へ搬送するシート搬送機構22とを備えている。
【0029】
画像形成部30は、スキャナユニット40と、ユニットUと、転写ユニット70と、定着装置80とを備えている。
【0030】
スキャナユニット40は、図示しないレーザ発光部、ポリゴンミラー、レンズおよび反射鏡などを備えている。スキャナユニット40は、レーザビームを各感光ドラム61の表面上に照射する。
【0031】
ユニットUは、開口10Aを通して本体筐体10から引き出し可能となっている(
図2参照)。ユニットUは、4つの現像カートリッジ50と、ドラムカートリッジ60とを備えている。
【0032】
現像カートリッジ50は、ドラムカートリッジ60に着脱可能となっている。現像カートリッジ50は、トナーを収容する収容部51と、現像ローラ52と、現像ローラ52に接触して現像ローラ52上のトナーの層厚を規制する層厚規制ブレード53とを備えている。4つの現像カートリッジ50の収容部51内には、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの各色のトナーが収容されている。
【0033】
現像カートリッジ50は、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの各色のトナーが入った50Y,50M,50C,50Kの符号で示すものがシートPの搬送方向上流からこの順で並んで配置されている。なお、本明細書および図面において、トナーの色に対応した感光ドラム61や現像ローラ52などを特定する場合には、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのそれぞれに対応させて、Y,M,C,Kの記号を付することとする。
【0034】
ドラムカートリッジ60は、開口10Aを通して本体筐体10に着脱可能である。印刷時において、ドラムカートリッジ60は、現像カートリッジ50と共に使用される。ドラムカートリッジ60は、感光ドラム61と、図示せぬ帯電器と、4つの現像カートリッジ50を着脱可能に保持するフレーム62と、ドラムメモリ63とを有する。ドラムカートリッジ60は、感光ドラム61および帯電器を4つ備えている。
【0035】
ドラムメモリ63には、ドラムカートリッジ60を識別するための識別情報が記憶されている。本体筐体10は、ドラムメモリ63から情報を読み取るための電気接点12を備えている。ドラムカートリッジ60が本体筐体10に装着された状態において、電気接点12は、ドラムメモリ63に接触する。電気接点12は、配線を介して制御部100に接続されている。
【0036】
転写ユニット70は、駆動ローラ71と、従動ローラ72と、搬送ベルト73と、転写ローラ74とを備えている。搬送ベルト73は、エンドレスベルトである。駆動ローラ71および従動ローラ72は、搬送ベルト73を回転させるローラである。転写ローラ74は、対応する感光ドラム61との間で搬送ベルト73を挟むローラであり、各感光ドラム61に対応して4つ配置されている。
【0037】
定着装置80は、シートPにトナー像を定着させる装置である。定着装置80は、ヒータHと、ヒータHで加熱される加熱ローラ81と、加熱ローラ81との間でシートPを挟む加圧ローラ82とを有する。
【0038】
画像形成部30では、まず、各感光ドラム61の表面が、帯電器により一様に帯電された後、スキャナユニット40で露光される。これにより、各感光ドラム61上に画像データに基づく静電潜像が形成される。その後、現像ローラ52によって、収容部51内のトナーが、感光ドラム61上の静電潜像に供給されることで、感光ドラム61上にトナー像が形成される。
【0039】
次に、搬送ベルト73上に供給されたシートPが感光ドラム61と転写ローラ74との間を通過することで、感光ドラム61上に形成されたトナー像がシートP上に転写される。そして、シートPが加熱ローラ81と加圧ローラ82との間を通過することで、シートP上に転写されたトナー像が熱定着される。
【0040】
搬送部90は、画像形成部30から搬出されたシートPを本体筐体10の排出トレイ13に排出する機構である。具体的に、搬送部90は、搬送経路91と、排出ローラ92とを備えている。
【0041】
搬送経路91は、定着装置80から排出トレイ13に向けてシートPを案内する経路である。
【0042】
排出ローラ92は、画像形成部30から搬出されたシートPを排出トレイ13に排出する。
【0043】
本体筐体10は、ファン14と、吸気口15と、湿度センサ16と、カバーセンサ17とをさらに有している。
【0044】
ファン14は、本体筐体10内を換気するファンである。ファン14は、定着装置80よりも上方に配置されている。ファン14は、定着装置80とドラムカートリッジ60の間に配置されている。ファン14は、本体筐体10内の空気を吸引して外部に排出するように構成されている。
【0045】
吸気口15は、外部から本体筐体10内に空気を取り込むための開口である。吸気口15は、定着装置80に対して、ドラムカートリッジ60とは反対側に配置されている。吸気口15は、定着装置80よりも下方に配置されている。
【0046】
湿度センサ16は、例えば、サーミスタであり、吸気口15の内側に対面して配置されている。湿度センサ16は、吸気口15から取り込まれた空気の湿度を検出することで、本体筐体10の外の湿度を検出する。湿度センサ16は、配線を介して制御部100に接続されている。
【0047】
カバーセンサ17は、カバー11が閉じているときにカバー11の一部と接触することで制御部100にON信号を出力する。カバーセンサ17は、カバー11が開いているときにカバー11が離間することで制御部100にOFF信号を出力する。
【0048】
図3に示すように、制御部100は、CPU110と、ROMやRAMなどからなる本体メモリ120とを有し、予め用意されたプログラムなどに従い、様々な処理を実行するように構成されている。制御部100は、多色の画像を形成するカラーモードと、単色の画像を形成するモノクロモードと、全離間モードとを実行可能である。制御部100は、現像ローラ52を感光ドラム61に対して接触または離間させるための離間機構200を制御することで、各モードを切り替えている。
【0049】
具体的に、制御部100は、カラーモードを実行する場合、離間機構200に第1動作指令を送る。離間機構200は、第1動作指令を受けると、すべての現像ローラ52Y,52M,52C,52Kを、それぞれ対応する感光ドラム61Y,61M,61C,61Kに接触させる。また、カラーモードにおいては、制御部100によってモータが駆動されることで、すべての現像ローラ52とすべての感光ドラム61が回転する。つまり、制御部100は、カラーモードにおいて、複数の感光ドラム61で印刷処理を行う。
【0050】
制御部100は、モノクロモードを実行する場合、離間機構200に第2動作指令を送る。離間機構200は、第2動作指令を受けると、ブラック用の現像ローラ52Kのみを感光ドラム61Kに接触させ、その他の3色の現像ローラ52Y,52M,52Cについては、対応する感光ドラム61Y,61M,61Cから離間させる。なお、3色の現像ローラ52Y,52M,52Cは、回転した状態で感光ドラム61Y,61M,61Cから離間してもよいし、回転が止められた状態で感光ドラム61Y,61M,61Cから離間してもよい。また、モノクロモードにおいては、制御部100によってモータが駆動されることで、現像ローラ52Kとすべての感光ドラム61が回転する。つまり、制御部100は、モノクロモードにおいて、1つの感光ドラム61で印刷処理を行う。
【0051】
制御部100は、例えば感光ドラム61をクリーニングする場合などには、全離間モードを実行する。制御部100は、全離間モードを実行する場合、離間機構200に第3動作指令を送る。離間機構200は、第3動作指令を受けると、すべての現像ローラ52Y,52M,52C,52Kを、それぞれ対応する感光ドラム61Y,61M,61C,61Kから離間させる。
【0052】
制御部100は、印刷指令を受けると、シートPに画像を形成するための印刷処理を実行する機能を有する。制御部100が印刷処理を行う場合には、制御部100は、判定処理と、記憶処理とを実行する機能を有する。
【0053】
判定処理は、湿度センサ16で検出した湿度が第1所定値以上であるかを判定する処理である。ここで、第1所定値は、ある程度高い値、例えば、60%以上の値に設定する。
【0054】
制御部100は、湿度が第1所定値以上であると判定した場合に、記憶処理を実行する。記憶処理は、湿度が第1所定値以上となる高湿環境下での印刷枚数である高湿時印刷枚数に関連した高湿時情報をドラムメモリ63に記憶する処理である。本実施形態では、高湿時情報は、高湿時印刷枚数と、高湿時印刷枚数が閾値以上であることを示すフラグFとを含む。
【0055】
詳しくは、高湿環境下での印刷処理中において、制御部100は、シートPを1枚印刷するごとに、高湿時印刷枚数をカウントアップして本体メモリ120に書き込む。また、制御部100は、モノクロモードにおいて高湿時印刷枚数をカウントアップする場合には、カラーモードにおいて高湿時印刷枚数をカウントアップするよりも小さな値でカウントアップする。また、制御部100が印刷処理を終了する場合には、制御部は100、高湿時印刷枚数が閾値以上であるかを判定し、高湿時印刷枚数が閾値以上であると判定した場合に、フラグFを、高湿時情報としてドラムメモリ63に記憶する。
【0056】
制御部100は、カラープリンタ1の電源がオンにされた場合、または、カバー11が閉じられた場合に、読取処理と、第2判定処理と、作動処理と、を実行する機能を有する。なお、カバー11が閉じられたかの判定は、カバーセンサ17からの信号に基づいて行われる。
【0057】
読取処理は、ドラムメモリ63に記憶された高湿時情報を読み取る処理である。第2判定処理は、作動処理を実行するかを決定するための処理である。制御部100は、第2判定処理において、以下に示す第1条件、第2条件および第3条件をすべて満たすか否かを判定する。
【0058】
第1条件は、高湿時印刷枚数が閾値以上であるという条件である。制御部100は、読取処理で読み取った高湿時情報、詳しくはフラグFに基づいて、高湿時印刷枚数が閾値以上であるか否かを判定する。
【0059】
第2条件は、湿度センサ16で検出した湿度が第2所定値以上であるという条件である。ここで、第2所定値は、ある程度高い値、例えば、60%以上の値に設定することができる。第2所定値は、第1所定値と同じ値であってもよいし、第1所定値とは異なる値であってもよい。
【0060】
第3条件は、ドラムカートリッジ60が交換されたという条件である。制御部100は、ドラムメモリ63に記憶された識別情報に基づいて、ドラムカートリッジ60が交換されたか否かを判定する。
【0061】
制御部100は、第1条件、第2条件および第3条件をすべて満たすと判定すると、作動処理を実行する。作動処理は、ファン14を回転させ、かつ、ヒータHを発熱させ、かつ、感光ドラム61を回転させる処理である。具体的に、制御部100は、作動処理において、ファン14を回転させるためのモータを駆動させ、かつ、ヒータHに電流を供給し、かつ、感光ドラム61を回転させるためのモータを駆動させる。
【0062】
次に、制御部100の動作について詳細に説明する。なお、ドラムメモリ63には、前述した識別情報、高湿時印刷枚数およびフラグFが記憶される。また、ドラムメモリ63には、総印刷枚数が記憶されている。総印刷枚数は、ドラムカートリッジ60が未使用の状態から現在までの印刷枚数である。また、本体メモリ120にも、前述した識別情報、高湿時印刷枚数およびフラグFが記憶される他、総印刷枚数が記憶されている。
【0063】
制御部100は、印刷指令を受けると、
図4に示す印刷処理を実行する。印刷処理において、制御部100は、まず、1枚のシートPに対して画像を形成する画像形成処理を実行する(S1)。
【0064】
制御部100がステップS1を実行した後、制御部100は、湿度センサ16で湿度を検出し、検出した湿度が第1所定値以上であるか否かを判定する(S2)。ここで、ステップS2は、判定処理である。制御部100がステップS2において湿度が第1所定値以上であると判定した場合には(Yes)、制御部100は、印刷指令で指定されている印刷モードがカラーモードであるか否かを判定する(S3)。
【0065】
制御部100がステップS3において印刷モードがカラーモードであると判定した場合には(Yes)、制御部100は、本体メモリ120の高湿時印刷枚数を通常の値でカウントアップする(S4)。具体的には、例えば、ステップS4において、制御部100は、1ずつカウントアップする。
【0066】
制御部100がステップS3において印刷モードがカラーモードでないと判定した場合には(No)、制御部100は、本体メモリ120の高湿時印刷枚数を小さな値でカウントアップする(S5)。ここで、高湿時印刷枚数を小さな値でカウントアップする方法としては、例えば、1ずつカウントアップした値に、0.5などの1未満の係数をかけることで行うことができる。
【0067】
制御部100がステップS4またはステップS5を実行した後、または、制御部100がステップS2でNoと判定した場合には、制御部100は、本体メモリ120の総印刷枚数をカウントアップする(SS6)。具体的には、制御部100は、ステップS6において、総印刷枚数を1ずつカウントアップする。
【0068】
制御部100がステップS6を実行した後、制御部100は、印刷指令で指定された枚数分の印刷が終了したか否かを判定する(S7)。制御部100がステップS7において印刷が終了していないと判定した場合には(No)、制御部100は、ステップS1の処理に戻る。
【0069】
制御部100がステップS7において印刷が終了したと判定した場合には(Yes)、制御部100は、本体メモリ120の高湿時印刷枚数が閾値以上であるか否かを判定する(S8)。制御部100がステップS8において高湿時印刷枚数が閾値以上であると判定した場合には(Yes)、制御部100は、本体メモリ120のフラグFを1の値にする(S9)。
【0070】
制御部100がステップS9を実行した後、または、制御部100がステップS8でNoと判定した場合には、制御部100は、本体メモリ120に記憶されている高湿時印刷枚数、フラグFおよび総印刷枚数の各情報を、ドラムメモリ63に記憶して(S10)、本処理を終了する。ここで、ステップS10は、記憶処理である。また、フラグFの初期値は、0である。制御部100は、ステップS8でNoと判定した場合には、本体メモリ120に記憶されている、0の値のフラグFを、ドラムメモリ63に記憶する。制御部100は、ステップS9でフラグFを1の値にした場合には、本体メモリ120に記憶されている、1の値のフラグFを、ドラムメモリ63に記憶する。
【0071】
制御部100は、カラープリンタ1の電源がオンにされた場合、または、カバー11が閉じられた場合には、
図5に示す起動時処理を実行する。起動時処理において、制御部100は、まず、ドラムメモリ63から、識別情報、高湿時印刷枚数、フラグFおよび総印刷枚数の各情報を読み取る(S31)。ここで、ステップS31は、読取処理である。制御部100は、ドラムメモリ63から読み取った高湿時印刷枚数および総印刷枚数を、本体メモリ120に記憶する。
【0072】
制御部100がステップS31を実行した後、制御部100は、ドラムメモリ63から読み取った識別情報が、本体メモリ120に記憶されている識別情報と異なるか否かを判定することで(S32)、ドラムカートリッジ60が交換されたか否かを判定する。制御部100がステップS32において識別情報が異なると判定した場合(Yes)、つまりドラムカートリッジ60が交換された場合には、制御部100は、ドラムメモリ63から読み取ったフラグFが1であるか否かを判定する(S33)。なお、ステップS32でYesと判定した場合、制御部100は、ドラムメモリ63から読み取った識別情報を本体メモリ120の識別情報に上書きする。
【0073】
制御部100がステップS33においてF=1であると判定した場合には(Yes)、制御部100は、湿度センサ16で湿度を検出し、検出した湿度が第2所定値以上であるか否かを判定する(S34)。制御部100がステップS34において湿度が第2所定値以上であると判定した場合には(Yes)、制御部100は、作動処理を所定時間実行して(S35)、本処理を終了する。ここで、所定時間は、例えば180秒とすることができる。ステップS32、ステップS33またはステップS34でNoと判定した場合には、制御部100は、作動処理を実行せずに、本処理を終了する。
【0074】
次に、制御部100の動作の具体例について説明する。
制御部100は、高湿環境下で印刷指令を受けると、ステップS2の判定処理においてYesと判定する。制御部100は、印刷指令がカラーモードの印刷指令である場合(S3:Yes)、高湿時印刷枚数を例えば1ずつカウントアップする(S4)。また、制御部100は、印刷指令がモノクロモードの印刷指令である場合(S3:No)、高湿時印刷枚数を例えば0.5ずつカウントアップする(S5)。印刷ジョブの終了時に高湿時印刷枚数が閾値以上となっている場合には(S8:Yes)、制御部100は、フラグFを1にして(S9)、ステップS10の記憶処理においてフラグFをドラムメモリ63に記憶する。
【0075】
カバー11が開放されてドラムカートリッジ60が交換され、その後カバー11が閉じられた場合には、制御部100は、ステップS31の読取処理において、識別情報、高湿時印刷枚数、フラグFおよび総印刷枚数を読み取る。その後、制御部100は、ステップS32において、識別情報が異なると判定する。本体筐体10に新たに装着されたドラムカートリッジ60のドラムメモリ63に記憶されたフラグFが1であり、かつ、現在の本体筐体10の外の湿度が第2所定値以上である場合には、制御部100は、ステップS33,S34でともにYesと判定して、作動処理を実行する。
【0076】
作動処理では、ファン14の回転、ヒータHの発熱および感光ドラム61の回転が所定時間行われる。これにより、感光ドラム61に付着した異物の水分が蒸発して、異物の抵抗値が高くなるので、異物に対応したドット状の画像がシートPに形成されるのを抑制することができる。なお、高湿環境下での印刷時において、異物の抵抗値が低い場合に異物に対応したドット状の画像が形成されやすく、異物の抵抗値が高い場合に異物に対応したドット状の画像が形成されにくいことは、実験により確認されている。
【0077】
以上によれば、本実施形態において以下のような効果を得ることができる。
高湿時印刷枚数が閾値以上である場合、つまり高湿環境下で感光ドラム61が長期間使用されて感光ドラム61に異物が付着した可能性が高い場合には、制御部100が、作動処理を実行するので、異物に対応したドット状の画像がシートPに形成されるのを抑制することができる。
【0078】
作動処理において、ファン14およびヒータHを作動させるとともに、感光ドラム61を回転させるので、感光ドラム61に付着した異物に対応したドット状の画像がシートPに形成されるのをより抑制することができる。
【0079】
湿度が第2所定値以上である場合、つまり感光ドラム61に付着した異物に対応したドット状の画像がシートPに形成されやすい環境下である場合に、作動処理を実行するので、異物に対応したドット状の画像がシートPに形成されにくい湿度環境下で、作動処理を実行してしまうことを抑制できる。
【0080】
ドラムカートリッジ60が交換された場合、つまり高湿の環境下で異物が付着した感光ドラム61が長期間放置された可能性がある場合に、作動処理を実行するので、異物に対応したドット状の画像がシートPに形成されにくい状況で、作動処理を実行してしまうことを抑制できる。
【0081】
カラーモードよりも感光ドラム61に異物が付着しにくいモノクロモードにおいて、高湿時印刷枚数を小さな値でカウントアップするので、感光ドラム61に異物が付着していない状況で作動処理を実行してしまうことを抑制できる。
【0082】
なお、本開示は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように様々な形態で利用できる。以下の説明においては、前記実施形態と略同様の構成や処理には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0083】
前記実施形態では、モノクロモードとカラーモードとでカウントアップの単位を変えたが、カウントアップの単位を変える代わりに、モノクロモードとカラーモードとで閾値を変更してもよい。この場合、例えば、制御部100は、
図6に示す印刷処理を実行する。ここで、
図6に示す印刷処理は、
図4のステップS4,S5,S8の処理に代えて新たなステップS51,S52,S53の処理を加えたものであり、その他の処理は
図4と同様となっている。
【0084】
図6に示す印刷処理のステップS3においてカラーモードであると判定した場合には(Yes)、制御部100は、高湿時カラー情報の一例としての高湿時カラー印刷枚数をカウントアップする(S51)。つまり、制御部100は、湿度が第1所定値以上となる高湿環境下でカラーモードを実行する場合には、ステップS2,S3でともにYesと判定することで、高湿時情報として、高湿時カラー印刷枚数をカウントアップする(S51)。ここで、高湿時カラー印刷枚数は、高湿環境下においてカラーモードで印刷した枚数を示す。
【0085】
ステップS3においてカラーモードでないと判定した場合には(No)、制御部100は、高湿時モノクロ情報の一例としての高湿時モノクロ印刷枚数をカウントアップする(S52)。つまり、制御部100は、湿度が第1所定値以上となる高湿環境下でモノクロモードを実行する場合には、ステップS2でYes、ステップS3でNoと判定することで、高湿時情報として、高湿時モノクロ印刷枚数をカウントアップする(S52)。ここで、高湿時モノクロ印刷枚数は、高湿環境下においてモノクロモードで印刷した枚数を示す。
【0086】
ステップS51およびステップS52では、制御部100は、同じ単位で、カウントアップを行う。例えば、制御部100は、ステップS51およびステップS52において、1ずつカウントアップする。ステップS51またはステップS52の後、制御部100は、ステップS6の処理に移行する。
【0087】
ステップS7において印刷が終了したと判定した場合には(Yes)、制御部100は、高湿時モノクロ印刷枚数が第1閾値以上であるか、または、高湿時カラー印刷枚数が第2閾値以上であるかを判定する(S53)。つまり、この形態では、第1条件は、高湿時モノクロ印刷枚数が第1閾値以上、または、高湿時カラー印刷枚数が第2閾値以上であることである。第2閾値は、第1閾値より小さい値に設定されている。
【0088】
ステップS53において、高湿時モノクロ印刷枚数が第1閾値以上である、または、高湿時カラー印刷枚数が第2閾値以上であると判定した場合には(Yes)、制御部100は、ステップS9の処理に移行する。ステップS53において、高湿時モノクロ印刷枚数が第1閾値以上でなく、かつ、高湿時カラー印刷枚数が第2閾値以上でないと判定した場合には(No)、制御部100は、ステップS10の処理に移行する。なお、この形態では、ステップS10において、制御部100は、高湿時モノクロ印刷枚数および高湿時カラー印刷枚数を、ドラムメモリ63に書き込む。
【0089】
この形態によれば、カラーモードよりも感光ドラム61に異物が付着しにくいモノクロモードにおいて、高湿時モノクロ印刷枚数と比較する第1閾値を、第2閾値よりも大きくするので、感光ドラム61に異物が付着していない状況で作動処理が無駄に行われるのを抑制することができる。
【0090】
作動処理は、前記実施形態に限定されない。作動処理は、ファンの回転、ヒータの発熱および感光ドラムの回転のうち、少なくともファンの回転またはヒータの発熱を行う処理であればよい。
【0091】
高湿時情報は、高湿時印刷枚数およびフラグFに限らず、例えば、高湿時印刷枚数のみを高湿時情報としてもよい。この場合、
図4の処理におけるステップS8,S9の処理が不要になり、
図5に示すステップS33の処理の代わりに、高湿時印刷枚数が閾値以上であるかを判定する処理を設ければよい。
【0092】
また、高湿時情報は、高湿時印刷枚数に関連した情報であれば、どのような情報でもよい。高湿時情報は、高湿時印刷枚数の増加に応じて増加するパラメータであればよく、例えば、高湿環境下で感光ドラムが回転した回転回数である高湿時ドラム回転回数であってもよい。高湿時情報が高湿時ドラム回転回数の場合は、第1条件は、高湿時ドラム回転回数が閾値以上であるという条件にすればよい。また、フラグは、高湿時ドラム回転回数が閾値以上であることを示すフラグとすればよい。
【0093】
高湿時情報をドラムメモリに書き込むタイミングは、例えば、総印刷枚数が、前回ドラムメモリへの書き込みを行ったときの枚数から所定枚数増加したときであってもよい。
【0094】
画像形成装置は、トナーが収容されたトナーカートリッジをさらに備えていてもよい。この場合、ドラムカートリッジは、トナーカートリッジと共に使用されるものであってもよい。例えば、ドラムカートリッジは、現像ローラを有し、トナーカートリッジが着脱可能であってもよい。
【0095】
前記実施形態では、カラープリンタ1に本開示を適用したが、本開示はこれに限定されず、その他の画像形成装置、例えば、モノクロのプリンタ、複写機、複合機などに本開示を適用してもよい。
【0096】
作動処理中に印刷指令を受けた場合には、制御部は、作動処理を終了して、印刷処理を実行してもよい。
【0097】
前記した実施形態および変形例で説明した各要素を、任意に組み合わせて実施してもよい。
【符号の説明】
【0098】
1 カラープリンタ
10 本体筐体
10A 開口
11 カバー
14 ファン
16 湿度センサ
60 ドラムカートリッジ
61 感光ドラム
63 ドラムメモリ
80 定着装置
100 制御部
H ヒータ
P シート