(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023151807
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】作業管理システムおよび作業管理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/02 20120101AFI20231005BHJP
G06Q 50/04 20120101ALI20231005BHJP
【FI】
G06Q50/02
G06Q50/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022061634
(22)【出願日】2022-04-01
(71)【出願人】
【識別番号】501203344
【氏名又は名称】国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 仁
(72)【発明者】
【氏名】関 正裕
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC01
5L049CC04
(57)【要約】
【課題】作業場に取り付けられるタグの数を減少させる。
【解決手段】本実施形態に係る作業管理システムは、タグ31と、タグ31に作業内容を示すデータを書き込む書込部24と、タグ31に書き込まれた作業内容を示すデータを読み取る読取部25と、読取部25の読み取り結果に基づき、作業内容を管理するサーバ装置1とを備える。タグ31には、複数の作業内容を示すデータが書き込み可能である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業を管理するための作業管理システムであって、
タグと、
前記タグに作業内容を示すデータを書き込む書込部と、
前記タグに書き込まれた前記データを読み取る読取部と、
前記読取部の読み取り結果に基づき、前記作業内容を管理する管理部とを備え、
前記タグには、複数の前記データが書き込み可能である、作業管理システム。
【請求項2】
前記読取部および前記書込部を備える携帯端末をさらに備え、
前記携帯端末は、前記タグに前記複数のデータが書き込まれている場合、前記複数のデータから管理する前記データの選択を受け付ける、請求項1に記載の作業管理システム。
【請求項3】
複数の前記タグを備え、
前記複数のタグは作業機ごとに取り付けられている、請求項1または請求項2に記載の作業管理システム。
【請求項4】
前記読取部および前記書込部を備える携帯端末をさらに備え、
前記携帯端末は、作業者を示す識別番号の入力を受け付ける、請求項1~3のいずれか1項に記載の作業管理システム。
【請求項5】
前記読取部および前記書込部を備える携帯端末をさらに備え、
前記携帯端末は、前記管理部が新たに管理する前記データの入力を受け付ける、請求項1~4のいずれか1項に記載の作業管理システム。
【請求項6】
作業を管理するための作業管理方法であって、
書込部が、タグに作業内容を示すデータを書き込むステップと、
読取部が、前記タグに書き込まれた前記データを読み取るステップと、
サーバ装置が、前記読取部の読み取り結果に基づき、前記作業内容を管理するステップとを備え、
前記タグには、複数の前記データが書き込み可能である、作業管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、作業管理システムおよび作業管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
農場や工場などでは、製品や農作物などの商品を生産するために、各種の作業が作業者によって行われる。この作業の進捗状況を管理することが、商品を生産するためには必要である。
【0003】
例えば、特許文献1では、作業区画毎および作業内容毎にデータの保持内容を異ならせた複数の作業内容認識タグが作業区画毎に取り付けられている。作業者が、行った作業に対応する作業内容認識タグを携帯端末装置に読み取らせることにより、サーバに農作業の作業内容に関する管理データが送信される。これにより、作業の進捗状況が管理される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では、作業内容ごとにタグ(作業内容認識タグ)が必要となる。このため、管理しなければならない作業内容が増加すると、コストが増加する。また、管理しなければならない作業内容が増加すると、作業者が作業内容に対応するタグを探す手間が増える。
【0006】
そこで、本開示は、作業場に取り付けられるタグの数を減少させた作業管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明の一実施形態に係る作業管理システムは、作業を管理するための作業管理システムであって、タグと、前記タグに作業内容を示すデータを書き込む書込部と、前記タグに書き込まれた前記データを読み取る読取部と、前記読取部の読み取り結果に基づき、前記作業内容を管理する管理部とを備え、前記タグには、複数の前記データが書き込み可能である。
【0008】
こうすることで、タグには、複数の作業内容を示すデータを書き込み可能であるため、作業内容ごとにタグを用意する必要がなくなる。これにより、作業場に取り付けられるタグの数を削減することができるため、コストを抑えることができるとともに、作業者が作業内容に対応するタグを探す手間が省ける。
【0009】
また、前記読取部および前記書込部を備える携帯端末をさらに備え、前記携帯端末は、前記タグに前記複数のデータが書き込まれている場合、前記複数のデータから管理する前記データの選択を受け付ける、としてもよい。
【0010】
こうすることで、タグに複数のデータが書き込まれていても、作業者が希望する作業内容を管理することができる。
【0011】
また、複数の前記タグを備え、前記複数のタグは作業機ごとに取り付けられている、としてもよい。
【0012】
こうすることで、作業機ごとにタグが取り付けられるため、作業者が作業内容に対応するタグを探す手間が省ける。
【0013】
また、前記読取部および前記書込部を備える携帯端末をさらに備え、前記携帯端末は、作業者を示す識別番号の入力を受け付ける、としてもよい。
【0014】
こうすることで、1の携帯端末を複数の作業者が共用することができる。
【0015】
また、前記読取部および前記書込部を備える携帯端末をさらに備え、前記携帯端末は、前記管理部が新たに管理する前記データの入力を受け付ける、としてもよい。
【0016】
こうすることで、作業者が管理を希望する作業内容を新たに作成することができる。
【0017】
また、本開示の他の実施形態に係る作業管理方法は、作業を管理するための作業管理方法であって、書込部が、タグに作業内容を示すデータを書き込むステップと、読取部が、前記タグに書き込まれた前記データを読み取るステップと、サーバ装置が、前記読取部の読み取り結果に基づき、前記作業内容を管理するステップとを備え、前記タグには、複数の前記データが書き込み可能である。
【0018】
こうすることで、タグには、複数の作業内容を示すデータを書き込み可能であるため、作業内容ごとにタグを用意する必要がなくなる。これにより、作業場に取り付けられるタグの数を削減することができるため、コストを抑えることができるとともに、作業者が作業内容に対応するタグを探す手間が省ける。
【発明の効果】
【0019】
本開示によれば、作業場に取り付けられるタグの数を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本実施形態に係る作業管理システムの構成を示すブロック図。
【
図2】本実施形態に係る作業者ID管理DBの一例を示す概念図。
【
図3】本実施形態に係る作業内容管理DBの一例を示す概念図。
【
図4】本実施形態に係る作業状況管理DBの一例を示す概念図。
【
図5】本実施形態に係る携帯端末の表示部に表示される第1画面の一例を示す図。
【
図6】本実施形態に係る作業管理システムにおける書き込み処理の流れを示すフローチャート。
【
図7】本実施形態に係る作業管理システムにおける書き込み処理の流れを示すフローチャート。
【
図8】本実施形態に係る作業管理システムにおける書き込み処理の流れを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0022】
なお、以下の説明では、本実施形態に係る作業管理システムが、農場における農作業の進捗状況を管理するために用いられる場合を例に説明する。
【0023】
(作業管理システムの全体構成について)
図1に本実施形態に係るブロック図を示す。本実施形態に係る作業管理システムは、サーバ装置1および複数の携帯端末2を備える。サーバ装置1は、通信ネットワーク4を介して、複数の携帯端末2と通信可能に構成されている。
【0024】
また、本実施形態に係る作業管理システムは、複数のタグ31を含む。複数のタグ31は、例えば、作業区画や農業機械ごとに取り付けられる。
図1では、複数のタグ31が、農業機械3ごとに取り付けられている。農業機械3は、例えば、乾燥機や軽トラックなど、農作業に用いられる農業機械である。また、タグ31は、例えば、NFC(Near Field Communication)タグなどのRFID(Radio Frequency Identification)タグである。なお、タグ31は、近距離通信可能であれば、どのようなタグであってもよい。詳しくは後述するが、携帯端末2は、タグ31にデータを書き込むための書込部24と、タグ31からデータを読み取るための読取部25を備える。このため、作業者は、携帯端末2を操作することにより、タグ31へのデータの書き込みおよびタグ31からのデータの読み取りが可能となっている。
【0025】
(サーバ装置の構成について)
図1に示すように、サーバ装置1は、通信部11、記憶部12および制御部13を備える。
【0026】
通信部11は、例えば、電気回路などで構成され、通信ネットワーク4を介して、携帯端末2と通信を行う。
【0027】
記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)およびSSD(Solid State Drive)等によって構成される記憶媒体である。記憶部12には、制御部13によって実行される各種プログラムが記憶されている。
【0028】
また、記憶部12には、作業者ID管理DB、作業内容管理DBおよび作業状況管理DBが格納されている。
【0029】
作業者ID管理DBは、後述するログイン処理を行う際に用いられるデータベースである。
図2に示すように、作業者ID管理DBには、作業者IDごとに、作業者の姓・名を示すデータが関連付けられている。
【0030】
作業内容管理DBは、後述する書き込み処理を行う際に用いられるデータベースである。
図3に示すように、作業内容管理DBには、作業名ごとに複数の作業内容を示すデータが関連付けられている。
【0031】
作業状況管理DBは、農作業の進捗状況を管理するために用いられるデータベースである。
図4に示すように、作業状況管理DBには、作業名および作業内容ごとに、作業年月日、時刻、作業者IDおよび作業内容に関する備考(詳しくは後述)などのデータが関連付けられる。
【0032】
なお、作業名には、作業自体の名称としての「作業名」や、農業機械3の名称を示す「作業機名」などが含まれる。作業自体の名称を示す「作業名」の例としては、「乾燥機清掃」、「籾摺り機清掃」、「トラクタ点検」、「コンバイン清掃」などが挙げられる。これらの「作業名」に関連付けられる作業内容の例としては、「開始」、「終了」、「記録」などが挙げられる。また、農業機械3の名称を示す「作業機名」の例としては、「トラクタ」、「田植機」、「コンバイン」、「軽トラック」、「乾燥機」、「籾摺り機」、草刈り機や道具箱などの「農具」などが挙げられる。「トラクタ」、「田植機」、「コンバイン」、「軽トラック」に関連付けられる作業内容の例としては、「乗車」、「降車」、「記録」などが挙げられる。「乾燥機」、「籾摺り機」に関連付けられる作業内容の例としては、「稼働」、「停止」、「記録」などが挙げられる。「農具」に関連付けられる作業内容の例としては、「持出」、「返却」、「記録」などが挙げられる。なお、作業名には、農作業に関連する施設名(会議室)なども含まれ、作業内容として使用履歴などを関連付けることが可能である。
【0033】
(携帯端末の構成について)
携帯端末2は、スマートフォンなどの通信機器であり、作業者によって操作される端末である。携帯端末2は、例えば、無線通信などにより、通信ネットワーク4と接続されている。
【0034】
図1に示すように、携帯端末2は、通信部21、表示部22、操作部23、書込部24、読取部25、記憶部26および制御部27を備える。
【0035】
通信部21は、例えば、電気回路などで構成され、通信ネットワーク4を介して、サーバ装置1と通信を行う。
【0036】
表示部22は、例えば、ディスプレイなどの表示装置である。操作部23は、例えば、タッチパッドなどの操作装置である。
【0037】
書込部24は、後述する書込制御部272の制御に応じて、農業機械3のタグ31と近距離通信を行い、タグ31にデータを書き込む。また、読取部25は、後述する読取制御部273の制御に応じて、農業機械3のタグ31と近距離通信を行い、タグ31からデータを読み出す。具体的には、携帯端末2は、図略のアンテナを備えている。このアンテナを介して、書込部24および読取部25は、タグ31と近距離通信を行い、タグ31に対するデータの書き込みおよびタグ31からのデータの読み取りを行う。すなわち、携帯端末2は、タグ31のリーダおよびライタとして機能する。
【0038】
記憶部26は、ROM、RAM、HDDおよびSSD等によって構成される記憶媒体である。記憶部26には、制御部27によって実行される各種プログラムが記憶されている。
【0039】
制御部27は、例えば、CPUおよび半導体メモリ等を含むマイクロコンピュータで構成される。制御部27は、記憶部26に記憶されたプログラムなどを実行することにより、携帯端末2の各部を制御する。
【0040】
また、制御部27は、ログイン制御部271、書込制御部272、読取制御部273および作業内容生成部274を備える。
【0041】
ログイン制御部271は、ユーザからの操作に応じて、ログイン処理を実行する。具体的には、ログイン制御部271は、操作部23を介して、ログイン処理を行うための操作を受けた場合、表示部22に作業者IDを入力するためのログイン画面を表示させる。作業者がログイン画面に自己に割り付けられた作業者IDを入力すると、ログイン制御部271はログイン処理を実行する。これにより、後述する書き込み処理、読み取り処理および作業内容生成処理が可能となる。
【0042】
書込制御部272は、ユーザからの操作に応じて、書き込み処理を実行する。具体的には、書込制御部272は、ログイン処理後に、操作部23を介して、作業者から書き込み操作を受けると、サーバ装置1に作業内容管理DBに格納されたデータを要求する。書込制御部272は、サーバ装置1から作業内容管理DBに格納されたデータを受信すると、作業内容管理DBに含まれる作業名および作業内容を示すデータを表示部22に表示させ、作業者からタグ31に書き込むデータ(作業内容を示すデータ)の選択を受け付ける。このとき、作業者は、複数の作業内容を示すデータを選択することが可能である。書込制御部272は、書込部24を制御して、選択された作業内容を示すデータをタグ31に書き込む。
【0043】
読取制御部273は、ユーザからの操作に応じて、読み取り処理を実行する。具体的には、読取制御部273は、ログイン処理後に、操作部23を介して、作業者から読み取り操作を受けると、読取制御部273を制御して、タグ31から格納されたデータ(作業内容を示すデータ)を読み取る。そして、読取制御部273は、表示部22に第1画面Sc1(
図5参照)を表示させる。第1画面Sc1には、タグ31から読み取られた、作業名、作業内容などが表示される。
【0044】
例えば、
図5では、第1画面Sc1には、作業名A1、作業者名A2、備考A3などが表示される。また、第1画面Sc1には、作業内容を選択するための複数のボタンが表示される。
図5では、第1画面Sc1には、開始ボタンB1、終了ボタンB2、記録ボタンB3が表示される。作業者は、第1画面Sc1に表示されたボタンB1~B3のうち、作業内容として管理する必要のあるボタンを選択する。例えば、
図5では、作業者は、乾燥機清掃を開始する際には、開始ボタンB1を選択し、乾燥機清掃を終了した際には、終了ボタンB2を選択する。
【0045】
さらに、読取制御部273は、操作部23を介して、サーバ装置1の作業状況管DBに格納する作業内容を示すデータの選択を受け付けるとともに、作業内容に関する備考を示すデータの入力を受け付ける。作業内容に関する備考としては、例えば、作業者が他の作業者に作業を引き継ぐ際の引継事項などである。
【0046】
読取制御部273は、選択されたボタン(B1~B3)に対応する作業内容を示すデータ、および、作業に関する備考を示すデータを、携帯端末2を操作する作業者の作業者IDとともに、サーバ装置1に送信する。サーバ装置1は、当該データを受信すると、当該データを当該データの受信年月日および受信時刻と関連付けて、作業状況管理DBに格納する。
【0047】
作業内容生成部274は、ユーザからの操作に応じて、作業内容生成処理を実行する。具体的には、作業内容生成部274は、ログイン処理後に、操作部23を介して、作業者から作業内容生成操作を受けると、作業者から新たに作成する作業内容を示すデータの入力を受け付ける。例えば、作業内容生成部274は、新たに作成する作業内容を示すデータとして、作業名と作業内容の名称の入力を受け付ける。作業内容生成部274は、作業内容を示すデータの入力を受け付けると、当該データをサーバ装置1に送信する。サーバ装置1は、当該データを受信すると、当該データを作業内容管理DBに格納する。
【0048】
(作業管理システムの動作について)
図6~
図8は本実施形態に係る作業管理システムの動作を示すフローチャートである。具体的には、
図6~
図8は、携帯端末2の動作を示す。
【0049】
まず、
図6における携帯端末2の動作を説明する。
図6は、携帯端末2の書き込み処理時の動作を示している。
【0050】
携帯端末2の書込制御部272は、ログイン制御部271がログイン処理を実行した後(ステップS1)に、操作部23を介して、作業者から書き込み操作を受け付けると(ステップS2)、作業者からタグ31に書き込む作業内容を示すデータの選択を受け付ける(ステップS3)。具体的には、書込制御部272は、サーバ装置1に作業者ID管理DBに格納されたデータを要求し、サーバ装置1から受信したデータを表示部22に表示させ、作業者からタグ31に書き込むデータ(作業内容)の選択を受け付ける。このとき、書込制御部272は、作業者からタグ31に書き込むデータを複数選択することができる。
【0051】
書込制御部272は、作業者から書き込むデータ(作業内容)の選択を受け付けると、書込部24を制御して、携帯端末2と近距離通信可能なタグ31に当該データを書き込む書き込み処理を実行する(ステップS4)。これにより、タグ31に作業内容を示すデータが書き込まれる。
【0052】
次に、
図7における携帯端末2の動作を説明する。
図7は、携帯端末2の読み取り処理時の動作を示している。
【0053】
携帯端末2の読取制御部273は、ログイン制御部271がログイン処理を実行した後(ステップS11)に、操作部23を介して、作業者から読み取り操作を受け付けると(ステップS12)、読取部25を制御して、タグ31から読み取り処理を実行する(ステップS13)。具体的には、読取制御部273は、読取部25を制御して、携帯端末2と近距離通信可能なタグ31からデータを読み取る。
【0054】
読取制御部273は、タグ31から読み取ったデータを含む第1画面Sc1(
図5参照)を表示部22に表示させる(ステップS14)。この第1画面Sc1には、作業名A1、作業者名A2、備考A3、開始ボタンB1、終了ボタンB2、記録ボタンB3などが表示される。このボタンB1~B3は、タグ31に格納された作業内容に示すデータに基づいて表示される。
【0055】
ここで、読取制御部273は、サーバ装置1の作業状況管理DBにおいて、タグ31から読み取った作業内容を示すデータに、備考を示すデータが関連付けられている場合、備考A3に当該データを表示させる。具体的には、読取制御部273は、タグ31から読み取った作業内容を示すデータを、サーバ装置1に送信する。そして、サーバ装置1は、作業内容管理DBにおいて、当該作業内容を示すデータに備考を示すデータが関連付けられている場合、当該備考を示すデータを携帯端末2に送信する。このとき、サーバ装置1は、作業内容管理DBに、同一の作業内容を示すデータにそれぞれ異なる備考を示すデータが関連付けられている場合、最新(関連付けられている年月日および時刻が最も新しい)の備考を示すデータをサーバ装置1に送信する。
【0056】
例えば、
図5では、備考A3には、作業内容(備考)を示すデータが作業状況管理DBに格納された年月日(「2021-9-25」)や時間、当該データを選択した作業者名(または作業者ID)、備考を示すデータ(「ベルト劣化」などの引継内容)などが表示される。
【0057】
読取制御部273は、操作部23を介して、作業状況管理DBに格納する作業内容の選択を受け付ける(ステップS15)。作業者は、ボタンB1~B3を押下することで、作業内容を示すデータの選択を行うことができる。例えば、
図5では、作業者は、乾燥機清掃を開始する際には、開始ボタンB1を選択し、乾燥機清掃を終了した際には、終了ボタンB2を選択する。
【0058】
読取制御部273は、選択された作業内容を示すデータを、サーバ装置1に送信する(ステップS16)。サーバ装置1は、当該データを受信すると、当該データを当該データの受信年月日および受信時刻と関連付けて、作業状況管理DBに格納する。
【0059】
なお、ステップS15において、読取制御部273は、操作部23を介して、作業内容を示すデータの選択を受け付けるとともに、作業内容に関する備考を示すデータの入力を受け付けた場合、ステップS16において当該データをサーバ装置1に送信する。
【0060】
次に、
図8における携帯端末2の動作を説明する。
図8は、携帯端末2の作業内容生成処理時の動作を示している。
【0061】
携帯端末2の作業内容生成部274は、ログイン制御部271がログイン処理を実行した後(ステップS21)に、操作部23を介して、作業者から作業内容生成操作を受け付けると(ステップS22)、作業者から新たに作成する作業内容を示すデータの入力を受け付ける(ステップS23)。例えば、作業内容生成部274は、新たに作成する作業内容を示すデータとして、作業名と作業内容の名称の入力を受け付ける。
【0062】
作業内容生成部274は、作業内容を示すデータの入力を受け付けると、当該データをサーバ装置1に送信する(ステップS24)。サーバ装置1は、当該データを受信すると、当該データを作業内容管理DBに格納する。
【0063】
以上の構成により、本実施形態に係る作業管理システムは、タグ31と、タグ31に作業内容を示すデータを書き込む書込部24と、タグ31に書き込まれた作業内容を示すデータを読み取る読取部25と、読取部25の読み取り結果に基づき、作業内容を管理するサーバ装置1(管理部)とを備える。タグ31には、複数の作業内容を示すデータが書き込み可能である。
【0064】
すなわち、タグ31には、複数の作業内容を示すデータを書き込み可能であるため、作業内容ごとにタグを用意する必要がなくなる。これにより、作業場に取り付けられるタグの数を削減することができるため、コストを抑えることができるとともに、作業者が作業内容に対応するタグを探す手間が省ける。
【0065】
また、読取制御部273(携帯端末2)は、タグ31に複数の作業内容を示すデータが書き込まれている場合、複数の作業内容を示すデータから管理する作業内容を示すデータの選択を受け付ける。これにより、タグに複数のデータが書き込まれていても、作業者が希望する作業内容を管理することができる。
【0066】
また、複数のタグ31は農業機械3(作業機)ごとに取り付けられている。これにより、農業機械3ごとにタグ31が取り付けられるため、作業者が作業内容に対応するタグを探す手間が省ける。
【0067】
また、ログイン制御部271(携帯端末2)は、作業者ID(作業者を示す識別番号)の入力を受け付ける。これにより、1の携帯端末2を複数の作業者が共用することができる。
【0068】
また、作業内容生成部274(携帯端末2)は、サーバ装置1が新たに管理する作業内容を示すデータの入力を受け付ける。これにより、作業者が管理を希望する作業内容を新たに作成することができる。
【0069】
(その他の実施形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施形態について説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施形態にも適用可能である。
【0070】
なお、上記実施形態において、携帯端末2は、書込部24(書込制御部272)および読取部25(読取制御部273)をいずれも備えているが、いずれか一方のみを備えていてもよい。
【0071】
また、上記実施形態において、農業機械3ごとにタグ31が取り付けられているが、これに限られない。例えば、タグ31は、農場における壁や看板などに取り付けられていてもよい。すなわち、タグ31は、作業内容を管理するために必要な領域に取り付けられていればよい。
【0072】
また、上記実施形態では、作業管理システムが、農場における農作業の進捗状況を管理するために用いられる場合を例に説明したが、これに限られない。例えば、上記作業管理システムは、工場などにおける作業の進捗状況を管理することができる。
【0073】
また、上記実施形態では、操作部23は、タッチパッドなどの操作装置であるとしたが、これに限られず、音声操作やジェスチャー操作を受けるための装置であってもよい。
【0074】
また、サーバ装置1および携帯端末2は、それぞれ、複数の装置であってもよいし、1台であってもよい。サーバ装置1の各機能に対して1つのサーバ装置が設けられてもよい。また、サーバ装置1の各機能を複数の装置が共同して実現してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本実施形態に係る作業管理システムは、作業場に取り付けられるタグを削減しつつ、作業の進捗状況を管理することができる。
【符号の説明】
【0076】
1 サーバ装置
2 携帯端末
21 表示部
22 操作部
24 書込部
25 読取部
26 記憶部
27 制御部
271 ログイン制御部
272 書込制御部
273 読取制御部
274 作業内容生成部
3 農業機械
31 タグ