(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023151812
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G16H 10/00 20180101AFI20231005BHJP
【FI】
G16H10/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022061640
(22)【出願日】2022-04-01
(71)【出願人】
【識別番号】000183462
【氏名又は名称】日本製紙クレシア株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】522494282
【氏名又は名称】Lasiina株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】前田 智恵子
(72)【発明者】
【氏名】黒須 一博
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】軽失禁に悩むユーザにとって有用となりうる情報提供を可能とする。
【解決手段】ユーザが装着可能な吸収性物品に設けられる軽失禁検出手段の測定データを取得する測定データ取得部と、ユーザ及びユーザが使用した吸収性物品の種類に対応付けて測定データを記憶する測定データ記憶部と、測定データに基づいて、パッドに係る推奨情報を生成する推奨情報生成部と、を備える。複数種類の吸収性物品についての商品データを記憶する商品データ記憶部を備え、推奨情報生成部は、商品データに基づいて、推奨情報を生成してもよい。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが装着可能な吸収性物品に設けられる軽失禁検出手段の測定データを取得する測定データ取得部と、
ユーザ及びユーザが装着した前記吸収性物品の種類に対応付けて前記測定データを記憶する測定データ記憶部と、
前記測定データ記憶部に記憶された前記測定データに基づいて、前記吸収性物品に係る推奨情報を生成する推奨情報生成部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
複数種類の前記吸収性物品についての商品データを記憶する商品データ記憶部を備え、
前記推奨情報生成部は、前記商品データ記憶部に記憶された前記商品データに基づいて、前記推奨情報を生成する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記推奨情報生成部により生成された過去の前記推奨情報を記憶する推奨情報記憶部を備え、
前記推奨情報生成部は、前記推奨情報記憶部に記憶された過去の前記推奨情報に基づいて、前記推奨情報を生成する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記推奨情報は、ユーザに対して推奨される前記吸収性物品の種類を含む、請求項1から3のうちのいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記推奨情報をユーザに通知する通知処理部を更に備える、請求項1から3のうちのいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
ユーザ端末及びサーバコンピュータのうちのいずれか一方又は双方の組み合わせより実現される、請求項1から5のうちのいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
ユーザが装着可能な吸収性物品に設けられる軽失禁検出手段の測定データを取得し、
ユーザ及びユーザが使用した前記吸収性物品の種類に対応付けて前記測定データを記憶し、
前記測定データに基づいて、前記パッドに係る推奨情報を生成する処理を含む、コンピュータにより実行される情報処理方法。
【請求項8】
ユーザが装着可能な吸収性物品に設けられる軽失禁検出手段の測定データを取得し、
ユーザ及びユーザが使用した前記吸収性物品の種類に対応付けて前記測定データを記憶し、
前記測定データに基づいて、前記パッドに係る推奨情報を生成する
処理をコンピュータに実行させる、情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
尿の広がりをインピーダンスを用いて測定可能な排尿センサを設けた吸収性物品を利用して、ユーザの総排尿量と吸収性物品の尿吸収容量との関係を比較することで、ユーザの介護スケジュールを提案するシステムが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような従来技術は、吸収性物品の装着者(ユーザ)として要介護者を想定した技術であり、軽失禁に悩むユーザにとって有用な情報を提供可能とすることが難しい。
【0005】
そこで、本開示は、軽失禁に悩むユーザにとって有用となりうる情報提供を可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの側面では、ユーザが装着可能な吸収性物品に設けられる軽失禁検出手段の測定データを取得する測定データ取得部と、
ユーザ及びユーザが装着した前記吸収性物品の種類に対応付けて前記測定データを記憶する測定データ記憶部と、
前記測定データ記憶部に記憶された前記測定データに基づいて、前記吸収性物品に係る推奨情報を生成する推奨情報生成部と、
を備える、情報処理装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、軽失禁に悩むユーザにとって有用となりうる情報提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態による情報送信システムのシステム構成を概略的に示す図である。
【
図2】軽失禁検出手段付きの吸収性物品の一例を概略的に示す平面図である。
【
図3】サーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】ユーザ端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図5】ユーザ端末及びサーバのそれぞれの各種機能の一例を示す機能ブロック図である。
【
図6】ユーザ端末からサーバへの送信データの説明図である。
【
図8】ユーザデータ記憶部内のデータの一例の説明図である。
【
図9】測定データ記憶部内のデータの一例の説明図である。
【
図10】アンケート回答情報の一例の説明図である。
【
図11】測定データに基づく個別吸収量の算出方法の説明図である。
【
図13】推奨情報記憶部内のデータの一例の説明図である。
【
図14】商品データ記憶部内のデータの一例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら各実施例について詳細に説明する。
【0010】
図1は、一実施形態による情報処理システム1のシステム構成を概略的に示す図である。
図2は、軽失禁検出手段付きの吸収性物品7の一例を概略的に示す平面図である。
【0011】
情報処理システム1は、以下で説明するように、ユーザに装着されている吸収性物品7に対する測定データに基づいて、パッドに係る推奨情報を生成する機能(以下、「推奨情報生成機能」とも称する)を備える。
【0012】
情報処理システム1は、ユーザ端末21と、サーバ31と、測定装置41と、を含む。
【0013】
ユーザ端末21とサーバ31とは、ネットワーク4を介して通信可能に接続される。
【0014】
ネットワーク4は、インターネット、WAN(Wide Area Network)、無線通信網、有線ネットワーク、又はこれらの任意の組み合わせ等を含んでもよい。
【0015】
ユーザ端末21は、ユーザが所持する端末である。ユーザ端末21は、通信機能を有する。ユーザ端末21は、例えば携帯端末であり、この場合、ユーザ端末21は、例えば、スマートフォンや携帯電話、タブレット端末であるが、ウエアラブル端末(例えばスマートウオッチ等)等であってもよい。また、ユーザ端末21は、固定端末(例えばパーソナルコンピュータ)であってもよい。
【0016】
なお、ユーザは、典型的には、複数(多数)存在しうるが、各ユーザに係るユーザ端末21の処理は実質的に同じであるので、以下の説明では、特に言及しない限り、ユーザとは、ある一のユーザ(例えば軽失禁の悩みを有するユーザ)を指す。
【0017】
測定装置41は、吸収性物品7に対応付けられる。吸収性物品7は、任意であるが、軽失禁用のパッドが好適である。軽失禁用のパッドは、複数種類の製品があり、多様な軽失禁用のパッドに設けられてもよい。軽失禁用のパッドは、内層に、綿状パルプや合成パルプ、高分子吸水材等のような吸収体を含み、液体を吸収可能である。
【0018】
測定装置41は、センシング部410と、通信モジュール420とを含む。
【0019】
センシング部410は、軽失禁検出手段として吸収性物品7と一体的に設けられる。センシング部410は、軽失禁に起因した状態変化を検出する。センシング部410は、導電性を有する物質(例えば導電性のインク)からなる電極であってよく、吸収性物品7の内層(例えば非肌面側に近い層)に設けられてもよい。本実施例では、一例として、センシング部410は、
図2に示すように、吸収性物品7の幅方向の中心に対して両側で、長手方向に延在する2本の線状の形態である。すなわち、センシング部410は、対の線状の電極を含む。
【0020】
吸収性物品7における対の線状の電極間の領域に、排尿がなされると、排尿に起因して、対の線状の電極における電流の流れやすさに変化が発生する。このようにして、センシング部410を介して、吸収性物品7に吸収される排尿に起因した状態変化に係る測定データを得ることができる。
【0021】
なお、センシング部410における軽失禁に係る体液(尿)の検出方法は、任意であり、上述したような電気的な特性の変化を利用する方法に代えて又は加えて、湿気や臭気の変化を検出する方法が利用されてもよい。以下では、測定データに係る測定値は、排尿量に相関する任意のパラメータに係る測定値である。また、本実施例では、一例として、測定値に係るパラメータは、その大きさ(以下、「測定値」レベルとも称する)が排尿量の増加に伴い増加するパラメータであるとする。
【0022】
通信モジュール420は、センシング部410に電気的に接続される。例えば、通信モジュール420は、センシング部410にコネクタ412や配線414を介して接続されてよい。
【0023】
通信モジュール420は、通信機能を有し、センシング部410を介して得られる上述した測定データをサーバ31に送信する。なお、本実施例では、測定装置41は、ユーザ端末21を介してサーバ31に測定データ等を送信するが、ユーザ端末21を介さずにサーバ31に測定データ等を送信してもよい。
【0024】
サーバ31は、1つ以上のサーバコンピュータにより形成されてよい。サーバ31は、測定装置41から送信されるユーザの測定データ等に基づいて、ユーザの軽失禁に係る症状分析結果等を生成する。
【0025】
図3は、サーバ31のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0026】
図3に示す例では、サーバ31は、制御部101、主記憶部102、補助記憶部103、ドライブ装置104、ネットワークI/F部106、及び入力部107を含む。
【0027】
制御部101は、主記憶部102や補助記憶部103に記憶されたプログラムを実行する演算装置であり、入力部107や記憶装置からデータを受け取り、演算、加工した上で、記憶装置などに出力する。
【0028】
主記憶部102は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などである。主記憶部102は、制御部101が実行する基本ソフトウェアであるOS(Operating System)やアプリケーションソフトウェア(以下、単に「アプリ」又は「アプリケーション」と省略する場合がある)などのプログラムやデータを記憶又は一時保存する記憶装置である。
【0029】
補助記憶部103は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などであり、アプリなどに関連するデータを記憶する記憶装置である。
【0030】
ドライブ装置104は、記録媒体105、例えばフレキシブルディスクからプログラムを読み出し、記憶装置にインストールする。
【0031】
記録媒体105は、所定のプログラムを格納する。この記録媒体105に格納されたプログラムは、ドライブ装置104を介してサーバ31にインストールされる。インストールされた所定のプログラムは、サーバ31により実行可能となる。
【0032】
ネットワークI/F部106は、ネットワーク4を介して接続されたユーザ端末21等とのインターフェースである。
【0033】
入力部107は、カーソルキー、数字入力及び各種機能キー等を備えたキーボード、マウスやタッチパッド等を有する。
【0034】
なお、
図3に示す例において、以下で説明する各種処理等は、プログラムをサーバ31に実行させることで実現することができる。また、プログラムを記録媒体105に記録し、このプログラムが記録された記録媒体105をサーバ31に読み取らせて、以下で説明する各種処理等を実現させることも可能である。なお、記録媒体105は、様々なタイプの記録媒体を用いることができる。例えば、記録媒体105は、CD(Compact Disc)-ROM、フレキシブルディスク、光磁気ディスク等のように情報を光学的、電気的あるいは磁気的に記録する記録媒体、ROM、フラッシュメモリ等のように情報を電気的に記録する半導体メモリ等であってよい。
【0035】
図4は、ユーザ端末21のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0036】
図4に示す例では、ユーザ端末21は、制御部201、主記憶部202、補助記憶部203、ドライブ装置204、ネットワークI/F部206、入力部207、及び出力装置208を含む。
【0037】
制御部201は、主記憶部202や補助記憶部203に記憶されたプログラムを実行する演算装置であり、入力部207や記憶装置からデータを受け取り、演算、加工した上で、記憶装置などに出力する。
【0038】
主記憶部202は、ROMやRAMなどである。主記憶部202は、制御部201が実行する基本ソフトウェアであるOSやアプリなどのプログラムやデータを記憶又は一時保存する記憶装置である。
【0039】
補助記憶部203は、HDDやSSDなどであり、アプリなどに関連するデータを記憶する記憶装置である。
【0040】
ドライブ装置204は、記録媒体205、例えばフレキシブルディスクからプログラムを読み出し、記憶装置にインストールする。
【0041】
記録媒体205は、所定のプログラムを格納する。この記録媒体205に格納されたプログラムは、ドライブ装置204を介してユーザ端末21にインストールされる。インストールされた所定のプログラムは、ユーザ端末21により実行可能となる。
【0042】
ネットワークI/F部206は、ネットワーク4を介して接続されたサーバ31等とのインターフェースである。また、ネットワークI/F部206は、測定装置41とのインターフェースを含んでよい。ユーザ端末21と測定装置41との間の接続は、ネットワーク4とは異なるネットワークによる有線接続であってもよいし、ネットワーク4を介した接続であってもよい。例えば、測定装置41は、Bluetooth(登録商標)のような無線通信技術を利用して、ユーザ端末21に接続されてもよい。
【0043】
入力部207は、カーソルキー、数字入力及び各種機能キー等を備えたキーボード、マウスやタッチパッド等を有する。なお、入力部207は、出力装置208のディスプレイ装置に設けられるタッチパネルにより実現されてもよい。
【0044】
出力装置208は、液晶ディスプレイや、有機ELディスプレイ等のディスプレイ装置や、スピーカー等の音声出力装置等を含んでよい。
【0045】
なお、
図4に示す例において、以下で説明する各種処理等は、プログラム(アプリ)をユーザ端末21に実行させることで実現することができる。また、プログラムを記録媒体205に記録し、このプログラムが記録された記録媒体205をユーザ端末21に読み取らせて、以下で説明する各種処理等を実現させることも可能である。なお、記録媒体205は、様々なタイプの記録媒体を用いることができる。例えば、記録媒体205は、CD-ROM、フレキシブルディスク、光磁気ディスク等のように情報を光学的、電気的あるいは磁気的に記録する記録媒体、ROM、フラッシュメモリ等のように情報を電気的に記録する半導体メモリ等であってよい。
【0046】
次に、
図5以降を参照して、上述した情報処理システム1の構成例を順に説明していく。
【0047】
以下では、サーバ31が、情報処理装置の一例を実現するが、後述するように、一のユーザ端末21が、情報処理装置の一例を実現してもよいし、サーバ31とユーザ端末21が、連携して情報処理装置の一例を実現してもよい。
【0048】
図5は、ユーザ端末21及びサーバ31のそれぞれの各種機能(推奨情報生成機能に関連した各種機能)の一例を示す機能ブロック図である。
図6は、ユーザ端末21からサーバ31への送信データの説明図である。
図7は、測定データの一例を示す図である。
図8は、ユーザデータ記憶部312内のデータの一例の説明図である。
図9は、測定データ記憶部320内のデータの一例の説明図である。
図10は、アンケート回答情報の一例の説明図である。
図11は、測定データに基づく個別吸収量の算出方法の説明図である。
図12は、軽失禁イベント情報の一例の説明である。
図13は、推奨情報記憶部333内のデータの一例の説明図である。
図14は、商品データ記憶部334内のデータの一例の説明図である。なお、
図8等において、表内の“***”は何らかの情報が入っていることを示し、“・・・”は同様の態様で連続する場合があることを示す省略記号を表す。
【0049】
ユーザ端末21は、測定データ取得部210と、測定データ送信部212と、行動関連情報生成/送信部213と、アンケート回答送信部214と、推奨情報出力部221と、通知処理部218と、を含む。測定データ取得部210から通知処理部218の各機能は、
図4に示したユーザ端末21の制御部201が、記憶装置(例えば補助記憶部203)内のプログラムを実行することで実現できる。以下では、一例として、ユーザ端末21には、専用のアプリケーション(以下、「推奨情報生成アプリ」と称する)が実装されており、ユーザ端末21の制御部201が推奨情報生成アプリを実行することで、測定データ取得部
210から通知処理部218の各機能が実現されるものとする。なお、ユーザは、推奨情報生成アプリをユーザ端末21にダウンロードする際に、ユーザID等の初期登録を行うものとする。なお、推奨情報生成アプリは、ユーザ端末21にインストールされるネイティブアプリの形態に代えて、Webアプリの形態であってもよい。
【0050】
測定データ取得部210は、測定装置41から上述した測定データを取得する。
図7では、横軸に時間を取り、縦軸に測定データの測定値レベル(測定値の大きさ)を取り、測定値レベルの変化態様(時系列波形)が模式的に示されている。測定データは、例えば
図7に示すような時系列データであってよいし、当該時系列データから抽出された特徴量のデータであってもよい。
【0051】
測定データ送信部212は、測定データ取得部210により取得された測定データをサーバ31に送信する。この場合、測定データ送信部212は、測定データを、ユーザIDに紐付けて送信してよい。なお、測定データは、加工等の処理を受けることなくサーバ31に送信されてもよいし、圧縮処理等の処理を経てサーバ31に送信されてもよい。
【0052】
図6の上側には、ユーザ端末21からサーバ31に送信される一例による送信データ600の説明図として、送信データ600に含まれてよい各種情報が示されている。この場合、送信データは、ユーザID、パッドID、種別情報(
図6には、「パッド種別」と表記)、測定データ、時間情報、行動関連情報、及び外部環境情報を含む。
【0053】
パッドIDは、ユーザ端末21において吸収性物品7ごとに付与されるIDであってよく、吸収性物品7を交換するごとに新規に発行される。
【0054】
種別情報は、現在装着中の吸収性物品7の種別(複数種類の製品のうちの、一の種類)を表す情報である。吸収性物品7の種別は、新たな吸収性物品7の装着の際に、当該新たな吸収性物品7に付与されてよい二次元バーコードをユーザ端末21が読み取ることで、ユーザ端末21側で取得されてもよいし、ユーザにより入力されてもよい。二次元バーコードは、吸収性物品7の包装、例えば、外箱や個包装、または、吸収性物品7自体に付することができる。この場合、新たな吸収性物品7の装着の際に、ユーザ端末21による二次元バーコードの読み取りがされなかったり、ユーザによる新たな入力が行われなかったりする場合には、継続して同じ種別の吸収性物品7が使用されていると看做してもよい。なお、二次元バーコードに替えて、吸収性物品7の種別を識別可能な任意の画像を用いてもよい。また、吸収性物品7に種別を自動識別可能としてもよい。この場合、例えば、吸収性物品7に種別を示す識別信号を送信可能なチップを埋め込み、通信モジュール420をセンシング部410に電気的に接続したときに、通信モジュール420に対してチップから識別信号を送信するようにしてもよい。通信モジュール420が取得した識別信号(種別)は、最終的にサーバ31に送信される。あるいは、吸収性物品7の種別は、予め登録されていてもよい(
図8の製品情報参照)。この場合、吸収性物品7の種別情報は、送信データに含められなくてもよい。時間情報は、測定データの取得された時間を表す。測定データは、
図7に示すような時系列のデータであってもよく、この場合、時間情報は、測定データの開始時点と終了時点を表してよい。行動関連情報は、後述する。
【0055】
測定データ送信部212は、測定データ取得部210が測定装置41を介して取得している測定データをリアルタイムにサーバ31に送信してもよいし、測定データ取得部210が測定装置41を介して取得した測定データを所定の記憶領域に格納した上で、オフラインで測定データをサーバ31に送信してもよい。
【0056】
なお、上述したように測定装置41がサーバ31に測定データを送信するような変形例も可能であり、かかる変形例の場合、測定データ取得部210及び測定データ送信部212は省略されてもよい。
【0057】
行動関連情報生成/送信部213は、ユーザに係る行動関連情報を生成し、生成した行動関連情報をサーバ31に送信する。行動関連情報は、吸収性物品7を装着したユーザの行動に関連する情報である。行動関連情報は、移動履歴や行き先を特定する情報、滞在時間等を含んでよい。例えば、行動関連情報は、ユーザ端末21に備わる各種センサ(例えばGPS(Global Positioning System)等に基づく位置センサや加速度センサ等)により取得される位置情報や加速度情報に基づいて生成されてよい。この場合、行動関連情報は、ユーザ端末21の位置情報の履歴、位置情報の変化態様(例えば移動速度)等を含んでよい。また、行動関連情報は、ユーザの姿勢(立位、座位、背臥位等)を表す姿勢情報を含んでもよい。
【0058】
行動関連情報生成/送信部213は、行動関連情報に加えて、外部環境情報を生成し、生成した外部環境情報をサーバ31に送信してもよい。外部環境情報は、ユーザを取り巻く外部環境に関する情報であり、気温、湿度、天気等を含んでよい。外部環境情報は、ユーザ端末21に備わる各種センサや外部データ(例えば外部から入手可能な気象情報)に基づいて取得されてもよい。なお、変形例では、外部環境情報は、サーバ31側で取得されてもよい。サーバ31は、一のユーザに係る行動関連情報と、外部から入手可能な気象情報とに基づいて、当該一のユーザの周辺環境を特定できるためである。
【0059】
アンケート回答送信部214は、一の吸収性物品7の装着終了時(例えば交換による装着終了時)にユーザ入力に基づいて、所定アンケートに対する回答情報を生成し、生成した回答情報をサーバ31に送信する。所定アンケートは、今回使用した吸収性物品7に対する使用感等に関するアンケートであってよい。所定アンケートは、例えば、むれ、かぶれ、下着への漏れ、におい、ずれ、めくれ、余力(吸収性物品7の表示吸収目安に対する余力)等に関するアンケートであってよい。
【0060】
図6の下側には、ユーザ端末21のアンケート回答送信部214からサーバ31に送信される一例による送信データ602の説明図として、送信データ602に含まれてよい各種情報が示されている。所定アンケートに対する回答情報は、
図6に示される、ユーザIDや、使用した吸収性物品7に係るパッドIDとともにサーバ31に送信されてよい。
【0061】
推奨情報出力部221は、後述するようにサーバ31から送信されるパッドに係る推奨情報を出力(通知)する。
【0062】
通知処理部218は、後述するようにサーバ31から送信される通知情報の出力指示を受信すると、当該出力指示に応答して、各種通知を行う。各種通知情報は、出力装置208を介して出力されてよい。各種通知の出力方法の一例は、後出の
図14を参照して後述する。
【0063】
サーバ31は、ユーザデータ管理部310、ユーザデータ記憶部312と、測定データ取得部314、記憶処理部316、軽失禁イベント検出部317、軽失禁イベント情報生成部318、総吸収量情報生成部319、測定データ記憶部320、推奨情報生成部331、推奨情報記憶部333、商品データ管理部332、通知生成部324及び商品データ記憶部334を含む。
【0064】
ユーザデータ管理部310、測定データ取得部314、記憶処理部316、軽失禁イベント検出部317、軽失禁イベント情報生成部318、総吸収量情報生成部319、推奨情報生成部331、商品データ管理部332、及び通知生成部324の各機能は、
図3に示したサーバ31の制御部101が、記憶装置(例えば主記憶部102等)内のプログラムを実行することで実現できる。ユーザデータ記憶部312、測定データ記憶部320、推奨情報記憶部333及び商品データ記憶部334は、
図3に示したサーバ31の記憶装置(例えば補助記憶部103)により実現できる。
【0065】
ユーザデータ管理部310は、情報処理システム1の各ユーザに係る各種基本情報を管理する。本実施例では、一例として、ユーザデータ管理部310は、ユーザデータ記憶部312内のユーザデータを管理(生成や更新)する。例えば、ユーザデータ管理部310は、新たなユーザの初期登録の際、ユーザデータ記憶部312内のユーザデータに、当該新たなユーザに係る各種基本情報を追加する。また、ユーザデータ管理部310は、登録済のユーザに係る各種基本情報の更新や変更等を行う。
【0066】
ユーザデータ記憶部312には、情報処理システム1の各ユーザに係るユーザデータが記憶される。
図8に示す例では、ユーザデータ記憶部312内のユーザデータは、ユーザIDに対応付けられる態様で、ユーザ名、認証情報、年齢、性別、製品情報等を含む。製品情報は、ユーザが使用している吸収性物品7の種別(複数種類の製品のうちの、一の種類)を表す情報であってよい。なお、認証情報は、推奨情報生成アプリのログインの際のパスワード等の情報を含んでよい。
【0067】
測定データ取得部314は、上述したユーザ端末21から送信される送信データ600(
図6参照)を受信することで、送信データ600内の測定データを取得する。測定データ取得部314は、受信した測定データに対して、後述する推奨情報生成部331による算出用の前処理を実行してもよい。かかる前処理は、フィルタリング処理等を含んでよい。
【0068】
記憶処理部316は、上述したユーザ端末21から送信される送信データ600(
図6参照)を受信すると、送信データ600を測定データ記憶部320に記憶してよい。
【0069】
図9に示す例では、測定データ記憶部320内のデータは、パッドIDごとに、種別情報(
図9には、「パッド種別」と表記)と、測定データと、時間情報と、行動関連情報と、総吸収量情報とを含む。測定データ記憶部320内のデータのうちの、総吸収量情報以外のデータ又は情報は、送信データ600内の同データ又は同情報に対応してよく、総吸収量情報は、後述する総吸収量情報生成部319により生成される。
【0070】
また、記憶処理部316は、上述したユーザ端末21から送信される送信データ602(
図6参照)を受信すると、送信データ602(以下、アンケート回答情報)を測定データ記憶部320に記憶してよい。
図10に示す例では、アンケート回答情報は、パッドIDごとに、蒸れ、かぶれ、下着への漏れ、におい、ズレ、めくれ、表示吸収目安に対する余力、及び取替理由を含む。なお、表示吸収目安に対する余力は、ユーザの目視による判断に基づいてよい。
【0071】
また、記憶処理部316は、後述する推奨情報生成部331がパッドに係る推奨情報を生成すると、推奨情報を推奨情報記憶部333に記憶する。推奨情報の詳細は、推奨情報生成部331に関連して後述する。
【0072】
軽失禁イベント検出部317は、測定データ記憶部320内の測定データに基づいて、吸収性物品7における体液の吸収イベントを検出する。本明細書では、吸収性物品7における体液の吸収イベントは、ユーザの軽失禁イベントに起因して生じることを想定しており、従って、以下では、吸収イベントを、軽失禁イベントとも称する。
【0073】
ところで、測定データは、軽失禁イベントに起因した液体(尿)に応じた特有の変化が発生する。軽失禁イベント検出部317は、かかる変化に基づいて、軽失禁イベントを検出できる。例えば、
図7に示した測定データの場合、測定データに係る測定値レベルは、軽失禁イベントごとに、
図7に示すような特有の変化を示す。具体的には、軽失禁イベントが発生すると、急激に立ち上がり、その後減少して、比較的変動が少ない値に収束する。この際、収束する値は、当該軽失禁イベントが発生する前の値よりも有意に大きい。このようにして、測定データに係る測定値レベルは、軽失禁イベントごとに、急激な立ち上がりピークを伴いつつ、増加していく。この場合、軽失禁イベント検出部317は、急激な立ち上がりピークに基づいて、軽失禁イベントを検出できる。
【0074】
軽失禁イベント情報生成部318は、軽失禁イベント検出部317が一の軽失禁イベントを検出すると、当該一の軽失禁イベントに係る軽失禁イベント情報を生成する。
図12に示す例では、軽失禁イベント情報は、軽失禁イベントIDごとに、パッドID、日時情報、場所情報、外部環境情報、個別吸収量情報、吸収位置情報、及び態様情報を含む。
【0075】
この場合、パッドIDは、軽失禁イベントの際に利用していた吸収性物品7に付与されたパッドIDに対応し、日時情報及び場所情報は、軽失禁イベントの発生日時及び発生場所(例えば自宅や、外出先、職場)を表し、外部環境情報は、軽失禁イベントの発生時の外部環境を表す。パッドID、日時情報、場所情報、外部環境情報は、上述した送信データ600内の、対応する同情報に対応してよい。
【0076】
個別吸収量情報は、軽失禁イベントごとの吸収性物品7における体液の吸収量(以下、「個別吸収量」とも称する)を表す。
【0077】
ところで、測定データは、吸収性物品7における体液の吸収量(軽失禁イベントに起因した液体(尿)の量)に応じた特有の変化が発生する。従って、個別吸収量は、測定データに基づいて算出できる。すなわち、測定データに係る測定値レベルは、軽失禁イベントごとに、特有の変化を示す。軽失禁イベント情報生成部318は、かかる変化に基づいて、吸収性物品7における体液の吸収量を算出できる。なお、
図7には、軽失禁イベントの発生タイミングが、EVT11からEVT15で示されている。
【0078】
具体的には、軽失禁イベントが発生すると、
図7に示すように、測定データに係る測定値レベルが急激に立ち上がり、その後減少して、比較的変動が少ない値に収束する。この際、収束する値は、当該軽失禁イベントが発生する前の値よりも有意に大きい。このようにして、測定データに係る測定値レベルは、軽失禁イベントごとに、急激な立ち上がりピークを伴いつつ、増加していく。
【0079】
軽失禁イベントごとの測定データに係る測定値レベルの増加態様は、各軽失禁イベントにおける体液の吸収量(すなわち軽失禁に起因した体液の量)に相関する。このような相関関係は、吸収性物品7の種別ごとに、試験結果に基づいて導出できる。軽失禁イベント情報生成部318は、このような相関関係に基づいて、軽失禁イベントごとの個別吸収量を算出してよい。なお、相関関係は、吸収性物品7の種別ごとに異なりうるので、種別情報ごとに適合されてよい。
【0080】
また、軽失禁イベントごとの個別吸収量は、所定パラメータの各値を入力とする機械学習モデルに基づいて算出されてもよい。機械学習モデルは、教師付き及び教師無しで構成されたモデルのいずれであってもよい。例えば、機械学習モデルは、人工知能を利用して、測定データ又はその特徴量を入力して軽失禁イベントごとの個別吸収量を算出することも可能である。人工知能の場合は、機械学習により得られる畳み込みニューラルネットワークを実装することで実現できる。機械学習では、例えば、測定データを用いて、軽失禁イベントごとの個別吸収量に係る誤差が最小になるような畳み込みニューラルネットワークの重み等が学習されてよい。
【0081】
態様情報は、どのような態様で軽失禁が発生したかを表す情報である。態様情報は、“ちょろちょろ”や“ある程度まとまって(ドバっと)”といった具合に、ユーザの感覚に基づく情報であってよい。この場合、態様情報は、上述した送信データ602(アンケート回答情報)に基づいて生成されてもよい。あるいは、態様情報は、ユーザからのアンケート回答情報に基づくことなく、個別吸収量の算出値に応じて生成されてもよい。例えば、個別吸収量の算出値が所定閾値よりも小さい軽失禁イベントの場合に、比較的少量の軽失禁態様を表す態様情報が対応付けられてもよく、個別吸収量の算出値が所定閾値よりも大きい軽失禁イベントの場合に、比較的大量の軽失禁態様を表す態様情報が対応付けられてもよい。
【0082】
総吸収量情報生成部319は、測定データ記憶部320内の測定データに基づいて、パッドIDごとに、吸収性物品7における体液の吸収量の積算値を算出し、当該積算値を表す総吸収量情報を生成(更新)する。具体的には、総吸収量情報生成部319は、パッドIDごとに、軽失禁イベント情報生成部318により算出される個別吸収量を積算することで、吸収性物品7における体液の吸収量の積算値を算出する。すなわち、総吸収量情報生成部319は、測定データ記憶部320内の測定データに基づいて軽失禁イベント検出部317が一の軽失禁イベントを検出すると、当該一の軽失禁イベントに関して軽失禁イベント情報生成部318が算出した個別吸収量を前回値(初期値は0)に積算することで、吸収量の積算値を算出する。
【0083】
なお、測定データが比較的短い更新周期で更新される場合、軽失禁イベント検出部317により比較的短時間で軽失禁イベントを検出されるので、総吸収量情報生成部319は、
図9に示した総吸収量情報を比較的短い更新周期で更新できる。この場合、
図9に示した総吸収量情報は、実質的に現時点における吸収性物品7における体液の吸収量の積算値を表すことができる。
図11には、横軸に時間を取り、縦軸を測定データに係る測定値レベルとした
図7に示した測定データ1008とともに、縦軸を吸収量とした吸収量の積算値の時系列1010が模式的に示されている。
図11において、軽失禁イベントの発生タイミングは、EVT11からEVT15で示されている。
【0084】
軽失禁イベント検出部317における検出結果、軽失禁イベント情報生成部318及び総吸収量情報生成部319において生成された各種情報のうち、必要なものは、適宜、記憶処理部316により測定データ記憶部320に記憶、更新され、推奨情報生成部331における推奨情報の生成に利用される。
【0085】
推奨情報生成部331は、ユーザごとに、測定データ記憶部320内の測定データ等に基づいて、各ユーザに対する推奨情報を生成し、ユーザ端末21に向けて適時、送信する。推奨情報を送信するタイミングは任意であるが、例えば、推奨情報を生成した時点を起点として定めることができる。推奨情報を送信するタイミングは、通知生成部324から対応するユーザのユーザ端末21に向けて推奨情報の出力指示が送信されるのと実質的に同時であってもよい。
【0086】
また、記憶処理部316は、推奨情報生成部331により生成された推奨情報を、推奨情報記憶部333に適宜、記憶する。
【0087】
図13に示す例では、推奨情報記憶部333内のデータ(推奨情報)は、ユーザIDごとに、時刻情報と、推奨されるパッド種別(
図13には「推奨種別」と表記)と、他の提示情報とを含む。時刻情報は、推奨情報がユーザに提示された時刻、又はユーザに提示されたと推定される時刻を示す。例えば、時刻情報は、通知生成部324から対応するユーザのユーザ端末21に向けて推奨情報等の出力指示が送信された時刻を示してもよい。
【0088】
商品データ管理部332は、商品データ記憶部334に記憶される商品データである、各種パッドに関するデータを管理する。例えば、商品データ管理部332は、新たに商品化されたパッドに関する商品データを商品データ記憶部334に記憶する。また、商品データ管理部332は、すでに商品化されているパッドの商品データに変更があった場合、商品データ管理部334の商品データを更新する。
【0089】
商品データ記憶部334には、各種パッドに関するデータである商品データが記憶される。商品データには、パッドの性能、販売地域、価格等を含めることができる。
【0090】
図14に示す例では、これらのデータに対応して、商品データ記憶部334内に、パッドの種別を特定する種別情報(
図14には、「パッド種別」と表記)ごとに、当該パッドの性能を示す性能情報(性能情報A、性能情報B、・・・)と、販売地域情報と、価格情報とを含むデータを格納している。性能情報には、当該パッドに対するメーカーや他の機関等による測定や試験に基づく性能情報のほか、測定データ記憶部320に記憶されたアンケート回答情報に基づいて導かれた性能情報を含めることができる。なお、性能情報には、当該パッドの吸収量(表示吸収目安)が含まれる。当該パッドの吸収量(表示吸収目安)は、漏れなどの問題が生じない目安ないし設計値としての最大吸収量である。
【0091】
通知生成部324は、推奨情報生成部331において生成された推奨情報の出力指示を、対応するユーザに係るユーザ端末21に送信する。この場合、ユーザ端末21の通知処理部218は、出力指示に応答して推奨情報の通知を行う。
【0092】
上記のように、推奨情報生成部331は、ユーザごとに、測定データ記憶部320内の測定データ等に基づいて、各ユーザに対する推奨情報等を生成する。
【0093】
推奨情報には、ユーザに適したパッド種別、すなわち推奨されるパッド種別を提示する情報(
図13の「パッド種別」)が含まれる。
【0094】
推奨されるパッド種別は、測定データ記憶部320内のデータに基づき、商品データ記憶部334に記憶された商品データの中から、性能情報に従って選択される。推奨されるパッド種別は、1つでもよく、複数でもよい。また、推奨情報により、ユーザが現在使用していないパッド種別を推奨することができるが、推奨されるパッド種別の中に、ユーザが現在使用しているパッド種別を含めてもよい。
【0095】
例えば、測定データ記憶部320内のデータ(
図9の「総吸収量情報」)に基づき、当該ユーザが現在使用しているパッドにおける総吸収量の平均が、当該パッド種別に対応付けて想定されている一の閾値を超える場合や、現在使用しているパッドにおける総吸収量が一定以上の頻度で上記閾値を超える場合、あるいは総吸収量が当該パッド種別の吸収量(表示吸収目安)を越えることがある場合などに、推奨情報生成部331は、商品データ記憶部334に記憶された商品データから選択された他のパッド種別を提示する。この場合、推奨情報生成部331は、当該ユーザが現在使用中のパッドでは吸収量が不足しがちであると判断し、商品データ記憶部334に記憶された商品データの性能情報に従って、より吸収量の大きなパッド種別が選択され、提示される。これにより、ユーザが推奨情報に従って別のパッド種別を選択した場合には、適切な吸収量が確保されることになる。なお、当該ユーザが現在使用中のパッドは、測定データ記憶部320内のデータ(
図9の「パッド種別」)に基づいて把握される。
【0096】
また、当該ユーザが現在使用しているパッドにおける総吸収量の平均値や最大値が、当該パッド種別に対応付けて想定されている他の閾値を下回る場合などに、推奨情報生成部331は、商品データ記憶部334に記憶された商品データから選択された他のパッド種別を提示する。この場合、推奨情報生成部331は、当該ユーザが現在使用中のパッドでは、吸収量が過剰であると判断し、商品データ記憶部334に記憶された商品データの性能情報に従って、より吸収量の小さなパッド種別が選択され、提示される。これにより、ユーザが推奨情報に従って別のパッド種別を選択した場合には、例えば、パッドの厚みや形状等が適正化され、吸収性物品7に対する使用感が向上する可能性がある。あるいは、ユーザは、適切なパッドの選択によりコストの低減を図ることができる。
【0097】
また、推奨されるパッド種別は、測定データ記憶部320に記憶されたアンケート回答情報に基づき、商品データ記憶部334に記憶された商品データの中から選択することができる。アンケート回答情報において当該ユーザが不満に感じた項目があった場合、当該項目を満足させると思われるパッド種別が提示されてもよい。例えば、当該ユーザのアンケート回答情報において、むれ、かぶれ、下着への漏れ、におい、ずれ、めくれ、又は余力について不満が示された場合、現在使用中のパッド種別に対し、当該項目についてより優れていると思われるパッド種別を、商品データ記憶部334に記憶された商品データの性能情報に従って提示することができる。これにより、ユーザが推奨情報に従って別のパッド種別を選択した場合には、当該項目に対する不満が解消する可能性がある。
【0098】
上記のように、推奨されるパッド種別は、商品データ記憶部334に記憶された商品データの中から選択される。ここで、推奨されるパッド種別は、商品データ記憶部334に記憶された性能情報だけでなく、商品データ記憶部334に記憶された販売地域情報を加味して決定してもよい。例えば、測定データ記憶部320内の行動関連情報に基づいて、ユーザの行動範囲が特定できる。このため、推奨されるパッド種別を、この行動範囲の地域で販売されているパッド種別に限定してもよい。
【0099】
また、推奨されるパッド種別は、測定データ記憶部320に記憶されたデータや、推奨情報記憶部333に記憶された過去の推奨情報等を加味して決定することができる。例えば、測定データ記憶部320に記憶されたパッド種別や時間情報により、ユーザが今まで使用しているパッド種別の履歴を把握することができる。一方で、推奨情報記憶部333にアクセスすることにより、当該ユーザのユーザ端末21に向けて通知した推奨情報等の履歴も把握できる。したがって、両者を対比することにより、より適切なパッド種別を推奨することが可能となる。
【0100】
例えば、当該ユーザが推奨情報が示すパッド種別を選択せず、他のパッド種別を選択しているような場合には、当該ユーザの好みが当該ユーザの実際の選択に現れているといえる。あるいは、当該ユーザが選択するパッド種別を、推奨情報等が示すパッド種別から他のパッド種別に切り換えたような場合には、推奨したパッド種別が、当該ユーザには何らかの理由で好まれなかった可能性がある。したがって、これらの場合には、ユーザが使用したパッド種別の履歴を反映させることにより、より当該ユーザの好みに適合したパッド種別を推奨することが可能となる。
【0101】
推奨情報において、使用時間帯や、使用の形態に対応付けてパッド種別を推奨することができる。例えば、ユーザが活動している時間帯や、ユーザの睡眠の時間帯など、異なる時期帯に対して異なるパッドを推奨することができる。また、ユーザがパッドを使用する形態として、外出時における使用や自宅における使用などの異なる使用形態に対して異なるパッドを推奨することができる。
【0102】
推奨情報には、推奨されるパッド種別以外の情報(
図13の「他の提示情報」)を含めることができる。
【0103】
推奨情報には、特定のパッド種別を推奨する理由を含めることができる。例えば、当該ユーザが現在使用中のパッドよりも吸収量の大きいパッドを推奨する場合に、現在使用中のパッドの吸収量が不足している可能性を示す推奨情報を通知してもよい。また、当該ユーザが現在使用中のパッドよりも吸収量の小さいパッドを推奨する場合に、現在使用中のパッドの吸収量が過剰である可能性を示す推奨情報を通知してもよい。これにより、ユーザは、特定のパッド種別が推奨される意義を理解することができ、適切なパッドを選択することが可能となる。あるいは、ユーザは、同じパッド種別のパッドを継続して使用する場合であっても、使用方法、例えば、交換頻度を適正化することができる。
【0104】
また、推奨情報には、推奨されるパッド種別におけるパッドの適切な交換頻度を含めることができる。交換頻度は、測定データ記憶部320内のデータ、例えば、総吸収量情報生成部319により生成された総吸収量情報と、商品データ記憶部334の商品データ(性能情報)のうち、パッドの吸収量(表示吸収目安)とに基づき算出できる。これにより、ユーザは、交換頻度に基づいて、使用時間帯や使用形態に即した適切なパッドを選択することが可能となる。
【0105】
推奨情報には、パッドにかかるコスト等に関連する情報を含めることができる。例えば、上記の交換頻度と、商品データ記憶部334の商品データ(価格情報)とに基づいて算出されたランニングコストを提示してもよい。
【0106】
また、推奨情報には、推奨されたパッドの使用方法、その他、推奨されたパッド種別に関連する情報や、パッド種別に関わりなく適用される使用方法、その他の情報を含めることができる。
【0107】
通知生成部324は、推奨情報記憶部333内のデータに基づいて、適時、推奨情報をユーザに通知することができる。具体的には、通知生成部324は、対応するユーザのユーザ端末21に向けて推奨情報の出力指示を送信する。この場合、ユーザ端末21の推奨情報出力部221は、推奨情報を出力(通知)し、例えば、出力装置208としてのディスプレイ装置に表示する。なお、推奨情報の通知は、プッシュ型であってもよいし、プル型であってもよい。また、推奨情報の扱いの安全性を高めるために、ユーザによる認証情報の照合を条件として、推奨情報のアクセス(閲覧)等が可能とされてもよい。
【0108】
以上のように、本実施例によれば、軽失禁に悩むユーザにとって有用となりうる情報として、ユーザに推奨情報が提供される。このため、ユーザは推奨情報に基づいて、自身に合ったパッド種別(吸収性物品7)を理解して使用することが可能となる。また、推奨情報により、ユーザはパッドの適切な使用方法等を知ることができる。
【0109】
以上、各実施例について詳述したが、特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。また、前述した実施例の構成要素の全部又は複数を組み合わせることも可能である。
【0110】
例えば、上述した実施例において、各ユーザに係る測定データは、プライバシーを考慮した匿名のユーザのデータとして、医療機関での研究等に利用されてもよいし、吸収性物品7の開発等に利用されてもよい。
【符号の説明】
【0111】
1 情報処理システム
4 ネットワーク
7 吸収性物品
21 ユーザ端末
31 サーバ
41 測定装置
210 測定データ取得部
212 測定データ送信部
213 行動関連情報生成/送信部
214 アンケート回答送信部
215 症状分析結果出力部
218 通知処理部
221 推奨情報出力部
310 ユーザデータ管理部
312 ユーザデータ記憶部
314 測定データ取得部
316 記憶処理部
317 軽失禁イベント検出部
318 軽失禁イベント情報生成部
319 総吸収量情報生成部
320 測定データ記憶部
324 通知生成部
331 推奨情報生成部
332 商品データ管理部
333 推奨情報記憶部
334 商品データ記憶部
410 センシング部
412 コネクタ
414 配線
420 通信モジュール