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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023151837
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】草刈り機
(51)【国際特許分類】
   A01D 43/063 20060101AFI20231005BHJP
【FI】
A01D43/063
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022061676
(22)【出願日】2022-04-01
(71)【出願人】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092794
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 正道
(72)【発明者】
【氏名】馬場 裕佑
【テーマコード(参考)】
2B083
【Fターム(参考)】
2B083AA02
2B083BA12
2B083BA15
2B083DA03
2B083FA06
2B083FA16
2B083HA02
2B083HA60
(57)【要約】      (修正有)
【課題】従来、集草作業を行う場合には、取り外したマルチングカバーの適当な置き場がなく、例えば納屋などにおいておくことが多かったため、草刈り作業中に、マルチング作業に切り替える場合は、納屋までマルチングカバーを取りに行く必要が生じ面倒であった。
【解決手段】草刈り機本体と、草刈装置6と、集草容器と、草刈装置6から集草容器への搬送路と、搬送路を塞ぐことの出来る、着脱自在なマルチングカバー20とを備えた草刈り機であって、搬送路を開放するように取り外されたマルチングカバー20を固定するカバー固定部17が草刈装置6に設けられたことを特徴とする草刈り機。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
草刈り機本体と、
草刈装置と、
集草容器と、
前記草刈装置から前記集草容器への搬送路と、
前記搬送路を塞ぐことの出来る、着脱自在なマルチングカバーとを備えた草刈り機であって、
前記搬送路を開放するように取り外された前記マルチングカバーを固定するカバー固定部が前記草刈装置に設けられたことを特徴とする草刈り機。
【請求項2】
前記草刈装置を昇降する昇降アームが前記草刈り機本体に連結され、前記昇降アームの前記草刈装置への昇降アーム連結部が前記草刈装置の上に左右一対に備えられ、
前記カバー固定部は前記左右一対の昇降アーム連結部の間に設けられた、請求項1記載の草刈り機。
【請求項3】
前記草刈装置は刈刃を複数有し、それら複数の刈刃を連結する刈刃連動軸が前記草刈装置の上に備えられ、
前記カバー固定部は前記刈刃連動軸よりも前方に設けられている、請求項1記載の草刈り機。
【請求項4】
前記カバー固定部は、前記マルチングカバーの天板部を前記草刈装置の上に固定するものであり、
その固定の仕方は左右方向を基準として外側1カ所と、それより内側の中央部寄りの1カ所の2カ所で固定するものであり、
外側での固定の高さは、内側での固定の高さより大きい、請求項1記載の草刈り機。
【請求項5】
前記草刈装置を上昇させた際、前記草刈り機本体の前方部のナンバープレートと、前記草刈り機本体の前方部のフレームとの間に前記マルチングカバーが位置するように前記マルチングカバーが前記草刈装置の上に配置される、請求項1記載の草刈り機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、草刈り機に関する。
【背景技術】
【0002】
草を刈る草刈装置と、刈り取った草を集めて収容する集草容器とを備え、草刈装置と集草容器の間の通路において、草刈装置のその通路への接続部を塞ぐことの出来るマルチングカバーを着脱自在に設けた乗用芝刈り機が公知である(特許文献1)。
【0003】
そのような乗用芝刈り機では、刈った草を集草せず、その場で細かく刈るマルチング作業を行う場合はマルチングカバーを草刈装置へ取り付けて通路を塞ぎ、他方、刈った草を集草する場合はマルチングカバーを取り除くことで通路を開けて集草を行うなど、マルチング作業と集草作業を切り替えて作業を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-47757号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、集草作業を行う場合には、取り外したマルチングカバーの適当な置き場がなく、例えば納屋などにおいておくことが多かったため、草刈り作業中に、マルチング作業に切り替える場合は、納屋までマルチングカバーを取りに行く必要が生じ面倒であった。
【0006】
本発明では、マルチング作業を行う場合と、集草作業を行う場合とを簡単に切り替えすることが出来る草刈り機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の本発明は、
草刈り機本体と、草刈装置と、集草容器と、前記草刈装置から前記集草容器への搬送路と、前記搬送路を塞ぐことの出来る、着脱自在なマルチングカバーとを備えた草刈り機であって、
前記搬送路を開放するように取り外された前記マルチングカバーを固定するカバー固定部が前記草刈装置に設けられたことを特徴とする、草刈り機である。
【0008】
これによって、マルチング作業を行う場合と、集草作業を行う場合とを簡単に切り替えすることが出来る。
【0009】
第2の本発明は、
前記草刈装置を昇降する昇降アームが前記草刈り機本体に連結され、前記昇降アームの前記草刈装置への昇降アーム連結部が前記草刈装置の上に左右一対に備えられ、
前記カバー固定部は前記左右一対の昇降アーム連結部の間に設けられた、第1の本発明の草刈り機である。
【0010】
これによって、草刈装置の昇降を妨げることなくマルチングカバーを草刈装置に固定できる。
【0011】
第3の本発明は、
前記草刈装置は刈刃を複数有し、それら複数の刈刃を連結する刈刃連動軸が前記草刈装置の上に備えられ、
前記カバー固定部は前記刈刃連動軸よりも前方に設けられている、第1の本発明の草刈り機である。
【0012】
これによって、草刈装置の空いたスペースにマルチングカバーを固定できる。
【0013】
第4の本発明は、
前記カバー固定部は、前記マルチングカバーの天板部を前記草刈装置の上に固定するものであり、
その固定の仕方は左右方向を基準として外側1カ所と、それより内側の中央部寄りの1カ所の2カ所で固定するものであり、
外側での固定の高さは、内側での固定の高さより大きい、第1の本発明の草刈り機である。
【0014】
これによって、デッキ部の中央寄り位置でのマルチングカバーの高さを低く出来るので、草刈装置を上昇させたとき本体側との干渉を回避しやすい。
【0015】
第5の本発明は、
前記草刈装置を上昇させた際、前記草刈り機本体の前方部のナンバープレートと、前記草刈り機本体の前方部のフレームとの間に前記マルチングカバーが位置するように前記マルチングカバーが前記草刈装置の上に配置されている、第1の本発明の草刈り機である。
【0016】
これによって、本体側の空き空間が有効利用でき、マルチングカバーの固定位置が選択しやすくなる。
【発明の効果】
【0017】
本発明により、マルチング作業を行う場合と、集草作業を行う場合とを簡単に切り替えすることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明における実施の形態にかかる草刈り機の側面図
図2】同上草刈り機の草刈装置の斜視図
図3】同上草刈装置を下側から見上げた斜視図
図4】同上草刈装置の平面図
図5】同上草刈装置のマルチングカバーの斜視図
図6】同上草刈装置のデッキ部の一部の斜視図
図7】同上草刈装置の外側固定部材の斜視図
図8】同上草刈装置のノブボルトの斜視図
図9】同上草刈装置の内側固定部材の斜視図
図10】同上デッキ部にマルチングカバーが固定された斜視図
図11】同上草刈装置のストック用台の斜視図
図12図11のストック用台にシェアピンが挿入された斜視図
図13】同上草刈装置のデッキ部上のカバー固定部の斜視図
図14】同上草刈装置を最上位置まで上昇させた状態を示す斜視図
図15】本発明の実施の形態にかかる変形例の草刈装置の平面図
図16図15の草刈装置を最上位置まで上昇させた状態を前方からみた斜視図
図17図15の草刈装置を最上位置まで上昇させた状態を左側から見た側面斜視図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら、本発明における実施の形態について詳細に説明する。
【0020】
図1は、本発明の実施の形態にかかる草刈り機である。以下では、草刈り機の進行方向を基準として、運転する作業者から見て前後、左右、上下とする。
【0021】
図1において、草刈り機の本体1の下部には前輪2、後輪3が設けられ、後部上方には集草容器4が装着され、前方には運転席5が設けられている。
【0022】
さらに、本体1の前方下方には草刈装置6が連結され、集草容器4と草刈装置6との間には、草刈装置6で刈り取られた刈草を集草容器4へ搬送する搬送路7が設けられている。Gは地面である。
【0023】
なお、運転席5の前にはハンドル202やステアリングポスト203が配置されており、最も前方部にはナンバープレート200が装着されている。201は本体1のフレーム部材である。204は搬送路7に設けられ、刈り取られた草を吸引して搬送するブロアである。205は後述する昇降シリンダである。
【0024】
以下草刈装置6の構造などについて詳述する。
【0025】
すなわち、図2は、本実施の形態における草刈装置6の上方から見た斜視図、図3は下方から見上げた斜視図、図4はその平面図である。図2図3図4に示すように、草刈装置6は、中央にデッキ部11と、前方に前輪部19,19と、後方に昇降アーム15R,15Lとを備える。なお、21は刈高さ調整機構であり、21aはその左右連結軸であって、21a1はそれをほぼ中央位置で支持するブラケットである(図15図16参照)。
【0026】
デッキ部11は、天面11aの下側に草を刈る刈刃を複数個収容し、天面11aの上方側には草刈装置6の動力部や、昇降アーム15R、15L等が外部に露出した状態で配置されている。
【0027】
草刈装置6の動力部は、例えばモータ等の動力を備え、上記した草刈り機の本体1からモーア入力軸13を通じて供給される動力源によってモータが動作することで、左右の刈刃が回転動作し、草を刈る(10a,10bは刈刃回転軸である)。14は刈刃を駆動するための刈刃連動軸である。
【0028】
デッキ部11の後方上側に備えられた昇降アーム15R,15Lは、その後端が草刈り機本体1に連結され、本体1から供給される動力により昇降シリンダ205によってデッキ部11を昇降する。道路を走行するなど非作業時には草刈装置6を上昇させ、草刈り作業時には下降させる。
【0029】
昇降アーム15R、15Lは、その前端が昇降アーム連結部16R、16Lでデッキ部11と回動可能に連結されるとともに、中途位置で水平維持機構18に連結されている。これにより、昇降アーム15R、15Lの昇降に伴ってデッキ部11が水平を保ちながら昇降する。
【0030】
さらに、上述したような草刈装置6を昇降する昇降アーム15R、15Lの昇降アーム連結部16R、16Lがデッキ部11の上に左右一対に備えられているが、カバー固定部17はそれら左右一対の昇降アーム連結部16R、16Lの間に設けられている。これによって、非作業時にカバー固定部17に固定されているマルチングカバー20が草刈装置6の昇降移動(リンク移動の妨害)を妨げることがない。
【0031】
図2図3図4の実施例では、デッキ部11の前方位置であって中央位置より左寄りの場所にカバー固定部17が設けられている。これによって、後述するナンバープレート200等の他の部材との干渉を回避できる。
【0032】
なお、図2、3ではマルチング作業時の様子を示し、すなわち、着脱自在なマルチングカバー20が開口部12に取り付けられており、天面11a上にはカバー固定部17のみが見えている状態が示されている。他方、図4では集草作業時の様子を示し、すなわち、マルチングカバー20が開口部12から取り除かれ、そのカバー固定部17に固定され格納されている状態が示されている。
【0033】
また、図2図3図4の実施例では、カバー固定部17は刈刃連動軸14よりも前方に配置されている。これによって、草刈装置6の空いたスペースにマルチングカバー20を固定できる。
【0034】
図5はマルチングカバー20の作業時における使用状態の上下裏返し状態を示す、すなわち、非作業時における格納状態を示す斜視図である。ここに、21は天板部であり、22は天板部21の後端に設けられ、刈草を刈刃の回転圏内に戻すための湾曲形状の刈草分岐部である。
【0035】
23はその刈り草分岐部23の両端の下端同士の間に橋渡しされたバーであって、その中央にねじボルト23aが装着されており、作業時における使用時にデッキ部11側にマルチングカバー20をねじ固定するためのものである。なお、26は天板部21の左右両側に立設された左右の壁であって、刈られて来た草を落下させるためのプレートである。また、マルチングカバー20の剛性を高める効果も有する。
【0036】
さらに、24は天板部21に穿設された取っ手孔であって、マルチング作業を行うため、マルチングカバー20を搬送路7に取り付けて塞ぐ際に、その取っ手孔24に指を挿入して保持しながら取り付けるための孔である。
【0037】
また、25は天板部21の先端側に形成された切り欠きであり、後述する内側固定部材172と連結する切り欠きである。マルチングカバー20の先端部はデッキ部11への差し込み部となっているため、このような切り欠き25を新たに穿設しても塞ぐ効果を低下させる心配は無い。
【0038】
次に、非作業時の格納時にマルチングカバー20を固定する相手のカバー固定部17について説明する。
【0039】
図6はデッキ部11の前方の左側を上方から見た拡大斜視図である。171は外側固定部材であり、172は内側固定部材である。上記マルチングカバー20の取っ手孔24が外側固定部材171に固定され、上記マルチングカバー20の切り欠き25が内側固定部材172に固定される。すなわち、マルチングカバー20の天板部21がそれぞれ固定されるようになっている。
【0040】
その外側固定部材171は図7に示すように、断面コの字状の台171aと、その上面中央に設けられた、タップ付きの段をつけたナット171bと、図8に示すようなノブボルト171cとで構成されている。段付きにすることによってマルチングカバー20の前後左右の位置決めが固定出来、装着も簡単に行える。このナット171bのところに、マルチングカバー20の取っ手孔24を位置合わせし、ノブボルト171cによってマルチングカバー20を固定する。ノブボルト171cを用いることで工具を用いることなく脱着が簡単になる。
【0041】
なお、このように、外側固定部材171に固定するための、マルチングカバー20側の孔として、上述した取っ手孔24を兼用していることで次のような効果がある。すなわち、そもそもマルチングカバー20は搬送路7を塞ぐための部材であるから孔は最小限が望ましいので、従来から開いている取っ手孔24を固定のために兼用することで塞ぐ効果を落とさないというメリットがある。
【0042】
上記内側固定部材172は図9に示すように、断面コの字状の台172aとその上面中央に設けられた長さ調整可能なボルトナット構造172bとで構成されている。このボルトナット構造172bの下側のナット172b2は上下高さ変更可能であり、上記マルチングカバー20の切り欠き25を上側のボルト172b1に合わせて嵌め込むことで位置固定出来、また下側のナット172b2の高さを調整した上で上側のボルト172b1を締め付けすることで高さ調整された状態で固定が完成される。切り欠き25にボルト172b1を挟み込む構成によって、動かず固定出来、デッキ部11の上下左右の揺れに対しての干渉を防止できる。
【0043】
以上説明した例では、その固定の仕方は左右方向を基準として外側1カ所と、それより内側の中央部寄りの1カ所の2カ所で固定するものであり、外側での固定の高さは、内側での固定の高さより大きくなっている。
【0044】
図10は、非作業時に上述のようにして、マルチングカバー20をカバー固定部17へ固定した状態を示す斜視図である。
【0045】
次に、内側固定部材172に関する一例を説明する。図11は、断面コの字状のストック用台173であって、その中央には上述したボルトナット構造172bのボルト172b1の下端がねじ込み可能なようにナット173aが溶接され、さらにその周囲に4つのストック用孔173bが穿設されている。この孔173bには図12に示すようにシェアピン174がそれぞれ挿入されストック可能となっている。このシェアピン174としては例えばギアボックス破損を防止するブレードの位相決めをするためのピンが利用可能である。作業中にシェアピン174が切れた際に、すぐに交換することが出来るようにするためのである。またシェアピン174の紛失を防ぐことが出来る。
【0046】
図13に示すように、このようなストック用台173を、その中央のナット173aがマルチングカバー20の先端部の切り欠き25に位置合わせされるようにデッキ部11に取り付けておく。
【0047】
なお、このストック用台173を断面コの字状としていることによって、デッキ部11の天面11aとの間に隙間が出来るので、シェアピン174が上から抜き差しがしにくい場合(間に草や小石が詰まる)にも、横の隙間から抜き差しのサポートが出来る。シェアピン174が詰まって抜き差し出来なくなることを防ぐためである。その隙間の方向は図13に示すように、前後方向になっている。
【0048】
そのようにデッキ部11の表面に取り付けられたストック用台173の上から、上記した断面コの字状の内側固定部材172を被せる。そして内側固定部材172のボルト172b1の下端をストック用台173の中央のナット173aに螺合する。なお、その場合内側固定部材172を被せる方向はストック用台173とは直交するように被せる。すなわち、内側固定部材172の隙間は左右方向に向いている。図6図10はそのようにして被せた後の図である。このように直交させて被せることによって、マルチングカバー20の切り欠き25をボルト172b1で締め付ける際、内側固定部材172が空回りすることを防止できる。
【0049】
また、直交させて内側固定部材172を被せていることで、どちらの隙間からも草が入り込む心配がなく、清掃の度、内側固定部材172を外して掃除する手間も要らない。
【0050】
さらに、内側固定部材172のコの字状の台172aの高さは、ストック用台173の高さより高く、被せた際、内側固定部材172の下端がデッキ部11の天面11aに接触し、さらに、ストック用台173のシェアピン174の頭との間にも隙間が出来る程度の高さとする。仮に高さが低く、内側固定部材172がシェアピン174と接触し乗っかっているような場合だと、ストックされているシェアピン174の残りが例えば1本になった場合、内側固定部材172が傾いてしまう問題がある。これを避けるため内側固定部材172の台172aの高さを高くしている。
【0051】
このような構成においては、ボルト172b1は、内側固定部材172をストック用台173に固定する役割と、マルチングカバー20の切り欠き25の位置決めの役割を兼ねているので、部品点数を減らす効果がある。
【0052】
なお、外側固定部材171に対する、マルチングカバー20の天板部21の取っ手孔24の固定の高さは、内側固定部材172に対する、マルチングカバー20の天板部21の切り欠き25の固定の高さより大きくなっている。
【0053】
これによって、図14に示すように、デッキ部11を最上げ状態にした際に、草刈り機の本体1のナンバープレート200との干渉を避けることが出来る。
【0054】
また、カバー固定部17は左右一対の昇降アーム連結部16R,16Lの間に設けられているので、昇降アーム15R、15Lに干渉せず、草刈装置6の昇降を妨害することなく、マルチングカバー20を草刈装置6に固定出来る。
【0055】
また、カバー固定部17は刈刃連動軸14よりも前方に配置されているので、草刈装置6の空いたスペースにマルチングカバー20を固定出来る。
【0056】
次に、本発明の実施の形態の変形例を説明する。
【0057】
本変形例においては、図15に示すように、カバー固定部17はデッキ部11の前方のほぼ中央に設けられ、それに固定されるマルチングカバー20もその位置に固定される。草刈装置6のサイズが小さい場合などに有効である。
【0058】
すなわち、図16図17に示すように、デッキ部11を上昇させた場合でも、マルチングカバー20が草刈り機の本体1側に備えられたナンバープレート200と、本体1のフレーム部材201との間に収まり、本体1との干渉を回避できる。言い換えれば、デッキ部11を上昇させた場合、ナンバープレート200と、本体1のフレーム部材201との間にマルチングカバー20が収まるように、デッキ部11の上にカバー固定部17が配置されている。なお、図17はデッキ部11の左側から右側を見た側面斜視図であって、マルチングカバー20がナンバープレート200と本体1のフレーム部材201の間に収まっている状態を示している。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明は、マルチング作業を行う場合と、集草作業を行う場合とを簡単に切り替えすることが出来、草刈り機に最適である。
【符号の説明】
【0060】
1 本体
2 前輪
3 後輪
4 集草容器
5 運転席
6 草刈装置
7 搬送路
10a,10b 刈刃回転軸
11 デッキ部
11a 天面
12 開口部
12a 開口継ぎ手
13 モーア入力軸
14 刈刃連動軸
15R、15L 昇降アーム
16R、16L 昇降アーム連結部
17 カバー固定部
171 外側固定部材
172 内側固定部材
173 ストック用台
174 シェアピン
18 水平維持機構
19 前輪部
20 マルチングカバー
21 天板部
22 刈草分岐部
23 バー
24 取っ手孔
25 切り欠き
26 左右の壁
200 ナンバープレート
201 本体1のフレーム部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17