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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023151896
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】光走査装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 26/10 20060101AFI20231005BHJP
   G02B 26/12 20060101ALI20231005BHJP
   B41J 2/47 20060101ALI20231005BHJP
   H04N 1/113 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
G02B26/10 F
G02B26/12
B41J2/47 101D
H04N1/113
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022061760
(22)【出願日】2022-04-01
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116034
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 啓輔
(74)【代理人】
【識別番号】100144624
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 達也
(72)【発明者】
【氏名】横井 淳一
【テーマコード(参考)】
2C362
2H045
5C072
【Fターム(参考)】
2C362AA03
2C362BA04
2C362BA84
2C362BA87
2C362BA90
2C362DA03
2C362DA14
2H045AA03
2H045BA22
2H045BA34
2H045CA03
2H045CA63
2H045DA02
2H045DA04
2H045DA41
5C072AA05
5C072BA02
5C072BA04
5C072DA02
5C072DA04
5C072DA23
5C072HA02
5C072HA09
5C072HA13
(57)【要約】
【課題】走査光学装置の組立時において、反射ミラーの角度調整が容易となる走査光学装置を提供する。
【解決手段】光走査光学装置は、ビームを出射する入射光学系と、ポリゴンミラーと、ポリゴンミラーを回転させるモータと、走査光学系と、フレームFとを備える。走査光学系は、走査レンズと、反射ミラー81とを有する。フレームFは、モータが固定され、ポリゴンミラーおよび走査光学系を収容する。反射ミラー81は、ビームを軸方向の一方側に向かう方向に反射する。フレームFは、座面FsZと、カバー壁CWとを有する。座面FsZは、反射ミラー81を支持して反射ミラー81の角度の調整が可能である。カバー壁CWは、反射ミラー81の第1方向の他方側に位置し、反射ミラー81を覆い、かつ、第1方向の他方側に座面FsZを露出させる。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビームを出射する入射光学系と、
前記入射光学系から出射されたビームを偏向するポリゴンミラーと、
軸方向に延びる回転軸線を中心に前記ポリゴンミラーを回転させるモータと、
前記ポリゴンミラーで偏向されたビームを像面に結像させる走査レンズと、ビームを反射する反射ミラーと、を有する走査光学系と、
前記モータが固定され、前記ポリゴンミラーおよび前記走査光学系を収容するフレームと、を備え、
前記反射ミラーは、ビームを前記軸方向の一方側に向かう方向に反射し、
前記フレームは、
前記反射ミラーを支持して前記反射ミラーの角度の調整が可能な座面と、
前記反射ミラーの前記軸方向の他方側に位置し、前記反射ミラーを覆い、かつ、前記軸方向の他方側に前記座面を露出させるカバー壁と、を有することを特徴とする走査光学装置。
【請求項2】
前記反射ミラーは、前記軸方向と直交する長手方向に延びており、
前記フレームは、前記ポリゴンミラーおよび前記走査光学系の長手方向における一方側に位置する第1側壁と、前記ポリゴンミラーおよび前記走査光学系の長手方向における他方側に位置する第2側壁と、を有し、
前記第1側壁は、前記反射ミラーの前記長手方向の一方側の端面を露出させる開口を有することを特徴とする請求項1に記載の走査光学装置。
【請求項3】
前記入射光学系は、光を出射する半導体レーザと、前記半導体レーザからの光をビームに変換するカップリングレンズと、を有し、前記走査光学系の前記長手方向における他方側に位置することを特徴とする請求項2に記載の走査光学装置。
【請求項4】
前記反射ミラーは、前記軸方向において、前記走査レンズと重なることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の走査光学装置。
【請求項5】
前記反射ミラーは、前記軸方向と直交する長手方向に延びており、
前記長手方向において、前記カバー壁は、前記走査光学系の有効走査範囲を含む範囲に渡って延びることを特徴とする請求項1に記載の走査光学装置。
【請求項6】
前記座面に対する前記反射ミラーの向きを保持するスペーサをさらに備え、
前記スペーサは、光硬化樹脂で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の走査光学装置。
【請求項7】
前記座面は、前記反射ミラーに向けて突出し、前記反射ミラーと接触して前記反射ミラーの向きを調整する際の支点となる突起を有することを特徴とする請求項6に記載の走査光学装置。
【請求項8】
前記反射ミラーを前記座面に向けて押圧するバネをさらに備え、
前記バネは、前記光硬化樹脂を硬化させる光が透過可能な開口部を有することを特徴とする請求項6または請求項7に記載の走査光学装置。
【請求項9】
前記フレームに取り付けられ、前記座面を有する支持部材をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の走査光学装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組立時において角度の調整が可能な反射ミラーを備えた光走査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光源と、光源から出射されたビームを偏向するポリゴンミラーと、ポリゴンミラーを駆動するモータと、ベース壁および側壁を有する筐体と、を備えた光走査装置が知られている(特許文献1参照)。この光走査装置は、ベース壁にポリゴンモータが固定され、ベース壁とは反対側の開口から感光体に向けてビームが出射される。光走査装置の組立時にはビームの出射方向である開口側から反射ミラーの角度調整をする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-178341号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の光走査装置では、光走査装置の組立時には、反射ミラーの角度調整をビームの出射方向である開口側からするため、反射ミラーの角度調整が容易でないという問題点があった。
【0005】
そこで、本発明は、光走査装置の組立時において、反射ミラーの角度調整が容易な光走査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明に係る光走査光学装置は、ビームを出射する入射光学系と、入射光学系から出射されたビームを偏向するポリゴンミラーと、軸方向に延びる回転軸線を中心にポリゴンミラーを回転させるモータと、走査光学系と、フレームと、を備える。
走査光学系は、ポリゴンミラーで偏向されたビームを像面に結像させる走査レンズと、ビームを反射する反射ミラーと、を有する。フレームは、モータが固定され、ポリゴンミラーおよび走査光学系を収容する。反射ミラーは、ビームを軸方向の一方側に反射する。フレームは、座面と、カバー壁と、を有する。座面は、反射ミラーを支持して反射ミラーの角度の調整が可能である。カバー壁は、反射ミラーの軸方向の他方側に位置し、反射ミラーを覆い、かつ、軸方向の他方側に座面を露出させる。
【0007】
この構成によれば、反射ミラーの角度調整をビームの出射方向とは反対側から行うことができる。このため、光走査装置の組立時において、反射ミラーの角度調整が容易となる。
【0008】
また、前記した走査光学装置において、反射ミラーは、軸方向と直交する長手方向に延びており、フレームは、ポリゴンミラーおよび走査光学系の長手方向における一方側に位置する第1側壁と、ポリゴンミラーおよび走査光学系の長手方向における他方側に位置する第2側壁と、を有し、第1側壁は、反射ミラーの長手方向の一方側の端面を露出させる開口を有する構成としてもよい。
【0009】
この構成によれば、反射ミラーを走査光学装置に取り付ける場合に、反射ミラーを長手方向から取り付けることができる。
【0010】
また、前記した走査光学装置において、入射光学系は、光を出射する半導体レーザと、半導体レーザからの光をビームに変換するカップリングレンズと、を有し、走査光学系の長手方向における他方側に位置する構成としてもよい。
【0011】
この構成によれば、反射ミラーを取り付けるときに入射光学系が邪魔にならない。
【0012】
また、前記した走査光学装置において、反射ミラーは、軸方向において、走査レンズと重なる構成としてもよい。
【0013】
この構成によれば、走査レンズに干渉しない方向(ビームの出射方向とは反対側)から反射ミラーの角度を調整できる。
【0014】
また、前記した走査光学装置において、反射ミラーは、軸方向と直交する長手方向に延びており、長手方向において、カバー壁は、走査光学系の有効走査範囲を含む範囲に渡って延びる構成としてもよい。
【0015】
この構成によれば、走査光学系の有効走査範囲にゴミが付着するのを抑制できる。
【0016】
また、前記した走査光学装置において、座面に対する反射ミラーの向きを保持するスペーサをさらに備え、スペーサは、光硬化樹脂で構成されていてもよい。
【0017】
また、前記した走査光学装置において、座面は、反射ミラーに向けて突出し、反射ミラーと接触して反射ミラーの向きを調整する際の支点となる突起を有する構成としてもよい。
【0018】
また、前記した走査光学装置において、反射ミラーを座面に向けて押圧するバネをさらに備え、バネは、光硬化樹脂を硬化させる光が透過可能な開口部を有する構成としてもよい。
【0019】
また、前記した走査光学装置において、フレームに取り付けられ、座面を有する支持部材をさらに有する構成としてもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、光走査装置の組立時において、反射ミラーの角度調整が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】一実施形態に係る走査光学装置の斜視図である。
図2】カップリングレンズ周りの構造を示す斜視図(a)と、(a)とは異なる方向から見た斜視図(b)である。
図3】走査光学装置を下側から見た斜視図である。
図4図1のIV-IV断面図である。
図5図1のV-V断面図である。
図6】走査光学装置のフレームを上から見た図である。
図7】フレームの側面図であり、反射ミラーを取り付ける開口を示す図である。
図8】反射ミラーを走査光学装置に取り付ける方法を説明する斜視図である。
図9】走査光学系の有効走査範囲とカバー壁の延びる範囲を説明する図である。
図10】反射ミラーの角度調整をする方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1図3に示すように、走査光学装置1は、フレームFと、入射光学系Liと、偏向器50と、走査光学系Loとを備える。走査光学装置1は、電子写真式の画像形成装置に適用される。以下の説明では、図3に示すポリゴンミラー51の回転軸線X1に沿った方向を、「第1方向」と称する。また、第1方向に直交する方向であって、図3に示すポリゴンミラー51と第1走査レンズ60が並ぶ方向を、「第2方向」と称する。また、第1方向および第2方向に直交する方向を「第3方向」と称する。
なお、第3方向は、後述する反射ミラー81の長手方向の一例であり、走査光学系Loにおいては主走査方向に相当する。第1方向は、ポリゴンミラー51の軸方向の一例であり、副走査方向に相当する。また、図面における各方向を示す矢印は、各方向における「一方側」を指すこととする。
【0023】
図1に示すように、入射光学系Liは、走査光学系Loの第3方向(長手方向)における他方側に位置する。図2(a),(b)に示すように、入射光学系Liは、4つの半導体レーザ10と、4つのカップリングレンズ20と、絞り板30と、集光レンズ40とを備える。半導体レーザ10とカップリングレンズ20は、光源の一例である。
【0024】
半導体レーザ10は、光を出射する装置である。半導体レーザ10は、走査光学装置1が走査露光する4つの感光ドラム200(図5参照)に対応して4つ設けられている。各感光ドラム200には、それぞれ異なる色のトナー像が形成される。
【0025】
なお、本実施形態では、第1色を「イエロー(Y)」、第2色を「マゼンタ(M)」、第3色を「シアン(C)」、第4色を「ブラック(K)」とする。以下の説明では、第1色に対応した部品の名称の頭に「第1」を付し、第1色に対応した部品の符号の末尾に「Y」を付して区別する場合がある。また、第2色、第3色、第4色に対応した部品ついても同様に、名称の頭に「第2」、「第3」、「第4」を付し、符号の末尾に「M」、「C」、「K」を付して区別する場合がある。
【0026】
第1半導体レーザ10Yは、第2半導体レーザ10Mに対して第1方向に間隔を空けて並んでいる。第1半導体レーザ10Yは、第2半導体レーザ10Mに対して第1方向の一方側に位置する。
【0027】
第3半導体レーザ10Cは、第2半導体レーザ10Mに対して第2方向に間隔を空けて並んでいる。第3半導体レーザ10Cは、第2半導体レーザ10Mに対して第2方向の他方側に位置する。第4半導体レーザ10Kは、第1方向において第3半導体レーザ10Cと間隔を空けて並び、かつ、第2方向において第1半導体レーザ10Yと間隔を空けて並んでいる。
【0028】
カップリングレンズ20は、半導体レーザ10からの光をビームに変換するレンズである。各色に対応したカップリングレンズ20Y,20M,20C,20Kは、対応する半導体レーザ10Y,10M,10C,10Kと対向する位置に配置されている。
【0029】
図2(b)に示すように、絞り板30は、カップリングレンズ20からのビームが通過する開口絞り31を有する部位であり、フレームFに一体に形成されている。絞り板30は、カップリングレンズ20と集光レンズ40の間に位置している。
【0030】
集光レンズ40は、カップリングレンズ20からのビームを副走査方向においてポリゴンミラー51に集光するレンズである。集光レンズ40は、絞り板30に対してカップリングレンズ20とは反対側に位置している。
【0031】
図3に示すように、偏向器50は、ポリゴンミラー51と、モータ52とを有する。ポリゴンミラー51は、光源から出射されたビームを偏向する。具体的には、ポリゴンミラー51は、集光レンズ40を通過したビームを主走査方向に偏向する。ポリゴンミラー51は、回転軸線X1から等距離に設けられた5つのミラー面を有している。モータ52は、第1方向に延びる回転軸線X1を中心にポリゴンミラー51を回転させるモータである。モータ52は、フレームFに固定されている。
【0032】
走査光学系Loは、偏向器50に偏向されたビームを、像面としての感光ドラム200の表面に結像する光学系である。走査光学系Loは、フレームFに固定されている。図5に示すように、走査光学系Loは、イエローに対応した第1走査光学系LoYと、マゼンタに対応した第2走査光学系LoMと、シアンに対応した第3走査光学系LoCと、ブラックに対応した第4走査光学系LoKとを有する。
【0033】
第1走査光学系LoYおよび第2走査光学系LoMは、第2方向において、ポリゴンミラー51の一方側に配置されている。第3走査光学系LoCおよび第4走査光学系LoKは、第2方向において、ポリゴンミラー51の他方側に配置されている。各走査光学系LoY,LoM,LoC,LoKには、ポリゴンミラー51によって主走査方向に偏向されたビームが入射する。
【0034】
第1走査光学系LoY、第2走査光学系LoM、第3走査光学系LoCおよび第4走査光学系LoKは、ポリゴンミラー51で偏向されたビームが通る第1走査レンズと、第1走査レンズを通過し、像面に向かうビームを反射する少なくとも1つの反射ミラーと、反射ミラーに反射されたビームを副走査方向に集光する第2走査レンズと、をそれぞれ有する。
本実施形態では、第1走査光学系LoYの第1走査レンズと、第2走査光学系LoMの第1走査レンズとは共通の1つのレンズ60YMである。同様に、第3走査光学系LoCの第1走査レンズと、第4走査光学系LoKの第1走査レンズとは共通の1つのレンズ60CKである。
また、本実施形態では、第1走査光学系LoYおよび第4走査光学系LoKは、それぞれ、反射ミラーを1つ有する。また、第2走査光学系LoMおよび第3走査光学系LoCは、それぞれ、反射ミラーを2つ有する。
【0035】
第1走査光学系LoYは、ポリゴンミラー51で偏向されたビームBYを第1感光ドラム200Yの第1像面に向けて出射する。第1走査光学系LoYは、第1走査レンズ60YMと、第2走査レンズ70Yと、第1反射ミラー81Yとを有する。
【0036】
第1走査レンズ60YMは、偏向器50で偏向されたビームBYを主走査方向に屈折させて像面に結像させるレンズである。また、第1走査レンズ60YMは、偏向器50によって等角速度で走査された光を、像面において等速度となるようにするfθ特性を有する。第1走査レンズ60YMは、第1走査光学系LoYのうちポリゴンミラー51に最も近い走査レンズである。
【0037】
第1反射ミラー81Yは、第1走査レンズ60YMからのビームBYを、第2走査レンズ70Yに向けて反射するミラーである。第1反射ミラー81Yは、第3方向(長手方向)に延びている。第2走査レンズ70Yは、第1反射ミラー81Yで反射されたビームBYを副走査方向に屈折させて像面に結像させるレンズである。第1反射ミラー81Yは、第2走査レンズ70Yと第1方向から見て重なる。第2走査レンズ70Yは、ポリゴンミラー51に対して第1方向の一方側に配置されている。第2走査レンズ70Yは、第1走査光学系LoYのうち像面に最も近い走査レンズである。
【0038】
第2走査光学系LoMは、ポリゴンミラー51で偏向されたビームBMを第2感光ドラム200Mの第2像面に向けて出射する。第2走査光学系LoMは、第2方向において、第1走査光学系LoYのビームBYよりポリゴンミラー51に近い位置でビームBMを第2感光ドラム200Mの第2像面に向けて出射する。第2走査光学系LoMは、第1走査レンズ60YMと、第2走査レンズ70Mと、第1反射ミラー81Mと、第2反射ミラー82Mとを有する。第1反射ミラー81Mは、第3方向(長手方向)に延びている。
【0039】
第2走査光学系LoMの第1走査レンズ60YMは、第1反射ミラー81Mから第2走査レンズ70Mへ向けて進むビームBMとポリゴンミラー51との間に位置する。
【0040】
第2反射ミラー82Mは、第1走査レンズ60YMからのビームを、第1反射ミラー81Mに向けて反射するミラーである。第1反射ミラー81Mは、第2反射ミラー82MからのビームBMを第2走査レンズ70Mに向けて反射するミラーである。第1反射ミラー81Mは、第2走査レンズ70Mと第1方向から見て重なる。第2走査レンズ70Mは、第1反射ミラー81Yで反射されたビームを副走査方向に屈折させて像面に結像させるレンズである。第2走査光学系LoMにおいて、第1走査レンズ60YMと第2走査レンズ70Mは、第1方向から見て重なる。第2走査レンズ70Mは、ポリゴンミラー51に対して第1方向の一方側に配置されている。第2走査レンズ70Mは、第2走査光学系LoMのうち像面に最も近い走査レンズである。
【0041】
第3走査光学系LoCは、ポリゴンミラー51で偏向されたビームを第3感光ドラム200Cの第3像面に向けて出射する。第3走査光学系LoCは、第1走査レンズ60CKと、第2走査レンズ70Cと、第1反射ミラー81Cと、第2反射ミラー82Cとを有する。第1反射ミラー81Cは、第3方向(長手方向)に延びている。
【0042】
第1走査レンズ60CKは、偏向器50で偏向されたビームを主走査方向に屈折させて像面に結像させるレンズである。また、第1走査レンズ60CKは、偏向器50によって等角速度で走査された光を、像面において等速度となるようにするfθ特性を有する。第1走査レンズ60CKは、第3走査光学系LoCのうちポリゴンミラー51に最も近い走査レンズである。第3走査光学系LoCの第1走査レンズ60CKは、第1反射ミラー81Cから第2走査レンズ70Cへ向けて進むビームBCとポリゴンミラー51との間に位置する。
【0043】
第2反射ミラー82Cは、第1走査レンズ60CKからのビームを第1反射ミラー81Cに向けて反射するミラーである。第1反射ミラー81Cは、第2反射ミラー82CからのビームBCを第2走査レンズ70Cに向けて反射するミラーである。第1反射ミラー81Cは、第2走査レンズ70Cと第1方向から見て重なる。第2走査レンズ70Cは、第1反射ミラー81Cで反射されたビームを副走査方向に屈折させて像面に結像させるレンズである。第2走査レンズ70Cは、ポリゴンミラー51に対して第1方向の他方側に配置されている。第2走査レンズ70Cは、第3走査光学系LoCのうち像面に最も近い走査レンズである。
【0044】
第4走査光学系LoKは、ポリゴンミラー51で偏向されたビームを第4感光ドラム200Kの第4像面に向けて出射する。第4走査光学系LoKは、第2方向において、第4走査光学系LoKのビームBKよりポリゴンミラー51に遠い位置でビームBKを第4感光ドラム200Kの第4像面に向けて出射する。第4走査光学系LoKは、第1走査レンズ60CKと、第2走査レンズ70Kと、第1反射ミラー81Kを有する。
【0045】
第1走査レンズ60CKは、偏向器50で偏向されたビームBKを主走査方向に屈折させて像面に結像させるレンズである。また、第1走査レンズ60CKは、偏向器50によって等角速度で走査された光を、像面において等速度となるようにするfθ特性を有する。第1走査レンズ60CKは、第4走査光学系LoKのうちポリゴンミラー51に最も近い走査レンズである。
【0046】
第1反射ミラー81Kは、第1走査レンズ60CKからのビームBKを、第2走査レンズ70Kに向けて反射するミラーである。第1反射ミラー81Kは、第3方向(長手方向)に延びている。第1反射ミラー81Kは、第2走査レンズ70Kと第1方向から見て重なる。第2走査レンズ70Kは、第1反射ミラー81Kで反射されたビームBKを副走査方向に屈折させて像面に結像させるレンズである。第2走査レンズ70Kは、ポリゴンミラー51に対して第1方向の他方側に配置されている。第2走査レンズ70Kは、第4走査光学系LoKのうち像面に最も近い走査レンズである。
【0047】
第1走査光学系LoY、第2走査光学系LoM、第3走査光学系LoCおよび第4走査光学系LoKの第2走査レンズ70Y,70M,70C,70Kのそれぞれは、第2方向に直線状に並んでいる。別の言い方をすれば、各第2走査レンズ70Y,70M,70C,70Kは、第2方向から見て、互いに、少なくとも一部が重なるように配置されている。
【0048】
図4に示すように、各半導体レーザ10Y~10Kから出射された光は、各カップリングレンズ20Y~20Kを通ることでビームBY~BKに変換される。ビームBY~BKは、絞り板30の対応する開口絞り31Y~31Kを通った後、集光レンズ40を通って、ポリゴンミラー51に入射される。集光レンズ40は、ビームBY,BM,BC,BKが共通して通過するレンズであり、入射面が円筒面、出射面が平面で構成される。
【0049】
図5に示すように、ポリゴンミラー51は、ビームBY,BM,BC,CKを、対応する走査光学LoY,LoM,LoC,LoKに向けて偏向する。第1走査光学系LoYに向かうビームBYは、第1走査レンズ60YMを通った後、第1反射ミラー81Yで反射され、第2走査レンズ70Yを通って第1方向の一方側の像面に向けて出射される。ビームBYは、第1方向と所定の角度をなして第2走査レンズ70Yから出射される。ビームBYは、第1感光ドラム200Yに結像され主走査方向に走査される。
【0050】
第2走査光学系LoMに向かうビームBMは、第1走査レンズ60YMを通った後、第2反射ミラー82Mおよび第1反射ミラー81Mで反射され、第2走査レンズ70Mを通って第1方向の一方側の像面に向けて出射される。ビームBMは、第1方向と所定の角度をなして第2走査レンズ70Mから出射される。ビームBMは、第2感光ドラム200Mに結像され主走査方向に走査される。なお、ビームBC,BKも、同様に、対応する走査光学系LoC,LoKによって、第1方向の一方側の像面に向けて出射されて、対応する感光ドラム200C,200Kに結像され主走査方向に走査される。
【0051】
図3図5に示すように、フレームFは、ポリゴンミラー51、モータ52、第1走査光学系LoY、第2走査光学系LoM、第3走査光学系LoCおよび第4走査光学系LoKが固定されている。フレームFは、樹脂製であり、成形によって一体に造られている。フレームFは、図3に示す第1凹部CP1と、図1に示す第2凹部CP2とを有する。第1凹部CP1は、第1方向の一方側に開口する。第2凹部CP2は、第1方向の他方側に開口する。図5に示すように、第1凹部CP1内には、偏向器50と、走査光学系Loとが配置されている。図2(a),(b)に示すように、第2凹部CP2内には、カップリングレンズ20、絞り板30および集光レンズ40が配置されている。
【0052】
図5に示すように、走査光学装置1は、カバーCをさらに備える。カバーCは、偏向器50および第1ベース壁Fb1を、第1方向の一方側から覆うカバーであり、フレームFにネジで固定されている。詳しくは、カバーCは、第1凹部CP1の開口を覆う。第1走査レンズ60YM,60CKおよび第2走査レンズ70Y,70M,70C,70Kは、第1ベース壁Fb1とカバーCとの間に配置され、第1凹部CP1に収容されている。
【0053】
図1および図3に示すように、フレームFは、第1凹部CP1の底に位置するベース壁の一例としての第1ベース壁Fb1と、第2凹部CP2の底に位置する第2ベース壁Fb2とを有する。
【0054】
第1ベース壁Fb1および第2ベース壁Fb2は、第1方向に交差する壁である。詳しくは、第1ベース壁Fb1および第2ベース壁Fb2は、厚み方向が第1方向に沿っている壁である。つまり、第1ベース壁Fb1および第2ベース壁Fb2は、第1方向に直交する平面を有する壁である。
【0055】
第2ベース壁Fb2は、第1ベース壁Fb1に対して、第1方向の一方側にずれた位置に位置する。図5に示すように、第1ベース壁Fb1には、偏向器50と走査光学系Loが、直接または間接的に第1方向の一方側から取り付けられている。そのため、偏向器50と走査光学系Loは、第1ベース壁Fb1に対して、第1方向の一方側に位置する。本実施形態では、偏向器50すなわちポリゴンミラー51およびモータ52が複数のネジNによって第1ベース壁Fb1に固定されている。
【0056】
図5に示すように、走査光学系LoY,LoM,LoC,LoKの各第2走査レンズ70Y,70M,70C,70Kは、第1ベース壁Fb1から各第2走査レンズ70Y,70M,70C,70Kに向かう方向にビームBY,BM,BC,CKを出射する。第1反射ミラー81Y,81M,81C,81Kは、ビームBY,BM,BC,CKを第1方向の一方側に向かう方向に反射する。
【0057】
図2(a),(b)に示すように、半導体レーザ10、カップリングレンズ20および絞り板30は、第2ベース壁Fb2に対して、第1方向の他方側に位置する。また、集光レンズ40も、第2ベース壁Fb2に対して、第1方向の他方側に位置する。
【0058】
図1に示すように、フレームFは、第1反射ミラー81の少なくとも一部を第1ベース壁Fb1の第1方向の他方側(第1凹部CP1の開口と反対側)に露出させる形状を有する。
【0059】
具体的には、第1反射ミラー81は、第1ベース壁Fb1付近に配置され、第3方向における中央部分が第1ベース壁Fb1に対して、第1方向の一方側に位置し、第3方向における両端部が第1ベース壁Fb1に対して、第1方向の他方側に露出している。
【0060】
さらに具体的には、図6に示すように、フレームFは、座面FsZと、カバー壁CWと、を有する。本実施形態では、4つの反射ミラー81Y,81M,81C,81Kに対応して、4つのカバー壁CWY,CWM,CWC,CWKが設けられている。座面FsZは、カバー壁CWの第3方向の一方側と他方側に並んで位置する。座面FsZは、反射ミラー81の第3方向の両端に位置する。座面FsZは、反射ミラー81を支持して反射ミラー81の角度の調整が可能である。カバー壁CWは、第1ベース壁Fb1の一部である。すなわち、4つのカバー壁CWY,CWM,CWC,CWKは、フレームFと一体に成型されている
【0061】
カバー壁CWは、反射ミラー81の第1方向の他方側に位置する。カバー壁CWは、反射ミラー81を第1方向の他方側から覆い、かつ、第1方向の他方側に座面FsZを露出させる。図9に示すように、カバー壁CWは、第3方向において、走査光学系の有効走査範囲H1を含む範囲H2に渡って延びている。
【0062】
図3に示すように、フレームFは、第1凹部CP1と第2凹部CP2の間に位置する第1仕切壁F1をさらに有する。第1仕切壁F1は、第1ベース壁Fb1と第2ベース壁Fb2に接続されている。第1仕切壁F1は、第2ベース壁Fb2から第1方向の他方側に突出するとともに、第1ベース壁Fb1から第1方向の一方側に突出している。
【0063】
第1仕切壁F1は、絞り板30の各開口絞り31からポリゴンミラー51に向かうビームBY~BKが通過する2つの第1開口F11,F12を有する。第1開口F11,F12は、第1方向に長いスリット状に形成され、第3方向に貫通するとともに、第1方向の一方側に開口している。第1開口F11は、ビームBY,BMを通す。第1開口F12は、ビームBC,BKを通す。
【0064】
図2(b)に示すように、集光レンズ40は、図3に示す第1開口F11,F12を塞ぐように配置されている。集光レンズ40は、第1仕切壁F1と絞り板30の間で挟まれている。
【0065】
図3に示すように、フレームFは、第2方向においてポリゴンミラー51の両側に位置する2つの第2仕切壁F2をさらに有する。第2方向の一方側の第2仕切壁F2は、ポリゴンミラー51で反射されたビームBY,BMが通過する第2開口F21を有する。第2方向の他方側の第2仕切壁F2は、ポリゴンミラー51で反射されたビームBC,BKが通過する第2開口F22を有する。各第2開口F21,F22は、第2方向に貫通するとともに、第1方向の一方側に開口する。
【0066】
各第2仕切壁F2は、第1ベース壁Fb1から第1方向の一方側に突出する。各第2仕切壁F2は、第1仕切壁F1と後述する第1側壁F41に接続されている。これにより、第1ベース壁Fb1、第1仕切壁F1、各第2仕切壁F2および第1側壁F41によって、ポリゴンミラー51を収容するための収容凹部CP3が形成されている。
【0067】
フレームFは、第1凹部CP1および第2凹部CP2を囲う略矩形の枠を構成する第1側壁F41、第2側壁F42、第3側壁F43および第4側壁F44をさらに有する。第1側壁F41、第2側壁F42、第3側壁F43および第4側壁F44は、第1ベース壁Fb1を囲う側壁である。
第1凹部CP1は、第1側壁F41、第3側壁F43、第4側壁F44および第1仕切壁F1によって囲まれている。また、図1に示すように、第2凹部CP2は、第2側壁F42、第3側壁F43、第4側壁F44および第1仕切壁F1によって囲まれている。本実施形態では、第3側壁F43および第4側壁F44は、第1凹部CP1に対応する部分と第2凹部CP2に対応する部分とで第2方向にずれている。
【0068】
第1側壁F41は、フレームFのポリゴンミラー51および走査光学系Loの第3方向における一方側に位置する。第1側壁F41は、偏向器50に対して半導体レーザ10とは反対側に位置する。第1側壁F41は、第1ベース壁Fb1から第1方向の一方側に突出する。
【0069】
第1側壁F41は、反射ミラー81の第3方向の一方側の端面を露出させる開口APを有する。本実施形態では、第1側壁F41は、第1開口APYと、第2開口APMと、第3開口APCと、第4開口APKとを有する。
【0070】
図7に示すように、第1開口APYは、第1側壁F41の第2方向における一方側の端部に位置している。第1開口APYは、第3方向から見て第1側壁F41を第1方向の一方側に切り欠いた形状となっている。第1開口APYは、第3方向から見て第1反射ミラー81Cの第3方向の一方側の端面を露出させる。このため、第1反射ミラー81Yを走査光学装置1に取り付ける場合に、第1反射ミラー81Yを第3方向の一方側から取り付けることができる(図8も参照)。
【0071】
第2開口APMは、第1側壁F41の第2方向における一方側に位置している。第2開口APMは、第3方向から見て第1側壁F41を第1方向の一方側に切り欠いた形状となっている。第2開口APMは、第3方向から見て第1反射ミラー81Mの第3方向の一方側の端面を露出させる。このため、第1反射ミラー81Mを走査光学装置1に取り付ける場合に、第1反射ミラー81Mを第3方向の一方側から取り付けることができる(図8も参照)。
【0072】
第3開口APCは、第1側壁F41の第2方向における他方側に位置している。第3開口APCは、第3方向から見て第1側壁F41を第1方向の一方側に切り欠いた形状となっている。第3開口APCは、第3方向から見て第1反射ミラー81Cの第3方向の一方側の端面を露出させる。このため、第1反射ミラー81Cを走査光学装置1に取り付ける場合に、第1反射ミラー81Cを第3方向の一方側から取り付けることができる(図8も参照)。
【0073】
第4開口APKは、第1側壁F41の第2方向における他方側の端部に位置している。第4開口APKは、第3方向から見て第1側壁F41を第1方向の一方側に切り欠いた形状となっている。第4開口APKは、第3方向から見て第1反射ミラー81Kの第3方向の一方側の端面を露出させる。このため、第1反射ミラー81Kを走査光学装置1に取り付ける場合に、第1反射ミラー81Kを第3方向の一方側から取り付けることができる(図8も参照)。
【0074】
第2側壁F42は、フレームFのポリゴンミラー51および走査光学系Loの第3方向における他方側に位置する。第2側壁F42は、偏向器50に対して第1側壁F41とは反対側に位置する。詳しくは、第2側壁F42は、カップリングレンズ20に対して偏向器50とは反対側に位置する。第2側壁F42は、第2ベース壁Fb2から第1方向の他方側に突出する。
【0075】
第3側壁F43は、第1走査レンズ60YMに対して偏向器50とは反対側に位置する。第3側壁F43は、第1側壁F41、第1ベース壁Fb1、第2ベース壁Fb2および第2側壁F42の第2方向における一方側の端部に接続されている。第3側壁F43の一部は、第1ベース壁Fb1から第1方向の一方側に突出し、他部は、第2ベース壁Fb2から第1方向の他方側に突出する。
【0076】
第4側壁F44は、第1走査レンズ60CKに対して偏向器50とは反対側に位置する。第4側壁F44は、第1側壁F41、第1ベース壁Fb1、第2ベース壁Fb2および第2側壁F42の第2方向における他方側の端部に接続されている。第4側壁F44の一部は、第1ベース壁Fb1から第1方向の一方側に突出し、他部は、第2ベース壁Fb2から第1方向の他方側に突出する。
【0077】
図10に示すように、走査光学装置1は、前述した第1凹部CP1および第2凹部CP2等を有するフレームFに着脱可能な支持部材Fsをさらに有している。支持部材Fsは、第1反射ミラー81を支持する部材である。支持部材Fsは、第1反射ミラー81を支持して、第1反射ミラー81の角度の調整が可能な座面FsZを有している。座面FsZは、第1反射ミラー81を傾動可能に支持することが可能な球状の突起Fs1を有する。突起Fs1は、第1反射ミラー81に向けて突出し、第1反射ミラー81と接触して第1反射ミラー81の向きを調整する際の支点となる。第1反射ミラー81は、光硬化樹脂Pによって座面FsZに対する向きが固定されている。光硬化樹脂Pは、座面に対する反射ミラーの向きを保持するスペーサの一例である。光硬化樹脂Pは、例えば紫外線硬化樹脂とすることができる。光硬化樹脂Pによって固定された第1反射ミラー81および支持部材Fsは、U形状の板バネSPによって、フレームFに取り付けられる。
【0078】
板バネSPは、バネの一例であり、第1反射ミラー81を座面FsZに向けて押圧するバネである。板バネSPは、光硬化樹脂を硬化させる光が透過可能な開口部SPKを有する(図1参照)。
【0079】
フレームFは、第1反射ミラー81の座面FsZと厚み方向(反射面に直交する方向)に重なる部分を第1方向の他方側に露出させる形状を有する。第1反射ミラー81は、第3方向の両端部には反射面を構成する反射膜を設けていない。これにより、開口部SPKを透過した光が光硬化樹脂に到達する。
【0080】
図1に示すように、支持部材Fsおよび板バネSPは、1つの第1反射ミラー81に対して、第1反射ミラー81の長手方向の両端部に1つずつ配置されている。1つの第1反射ミラー81に対応した一対の支持部材Fsと一対の板バネSPは、4つの第1反射ミラー81のそれぞれに対して設けられている。
【0081】
図10に示すように、フレームFは、支持部材Fsを支持する支持面Fm1を有する。支持面Fm1は、4つの第1反射ミラー81の長手方向の各端部に対応した位置に配置されている。
【0082】
第1反射ミラー81をフレームFに取り付ける場合には、まず、支持部材Fsの突起Fs1の両側に光硬化樹脂Pを塗布し、支持部材Fsを支持面Fm1に取り付ける。その後、第1反射ミラー81を、支持部材Fsの突起Fs1に接触させる。このとき、光硬化樹脂Pは、支持部材Fsと第1反射ミラー81の両方に接触した状態で配置される。その後、板ばねSPを取り付け、第1反射ミラー81を支持部材FsとともにフレームFに向けて押圧する。次いで、半導体レーザ10から光を出射させた状態で、像面におけるビームの位置を監視しながら、突起Fs1を起点にして第1反射ミラー81を傾動させることで、第1反射ミラー81の角度を調整する。第1反射ミラー81の角度を調整するときには、アームAMを第1反射ミラー81に押し当てて、第1反射ミラー81を動かす。角度調整が完了した後、光硬化樹脂Pに紫外線などの光を当てることで、第1反射ミラー81が支持部材Fsに固定される。
【0083】
図3に示すように、フレームFは、第1壁W1と、第2壁W2と、第3壁W3とをさらに有する。
【0084】
第1壁W1は、複数の第2走査レンズ70Y,70M、70C,70Kを支持する壁である。第1壁W1は、第1ベース壁Fb1から第1方向の一方側に向けて立ち上がる壁である。第1壁W1は、第2走査レンズ70Y,70M、70C,70Kの長手方向(第3方向)の両端部にそれぞれ配置されている。各第1壁W1には、第1方向の他方側に凹む切り欠き形状の第2レンズ座面W11が形成されている。各第2レンズ座面W11は、各第2走査レンズ70Y,70M、70C,70Kの長手方向の両端部が入り込む。各第2走査レンズ70Y,70M、70C,70Kは、両端部が第2レンズ座面W11の第1方向の一方側を向く座面FsZに押し当てられた状態で図示しないバネによりフレームに固定される。
【0085】
第2壁W2は、第2走査レンズ70Y,70M、70C,70Kの長手方向の両側に配置され、第1壁W1と平行に延びる壁である。本実施形態では、第1仕切壁F1および第1側壁F41が第2壁W2を構成している。
【0086】
第3壁W3は、第1方向と直交する方向に延びる壁である。第3壁W3は、第1壁W1と第2壁W2を接続する。
【0087】
以上によれば、本実施形態において以下のような効果を得ることができる。
図1に示すように、走査光学装置1のフレームFは、座面FsZと、カバー壁CWとを有する。4つのカバー壁CWY,CWM,CWC,CWKは、各反射ミラー81Y,81M,81C,81Kを第1方向の他方側から覆い、かつ、第1方向の他方側に座面FsZを露出させる。このため、反射ミラー81の角度調整をビームBY,BM,BC,BKの出射方向とは反対側から行うことができる。このため、走査光学装置1の組立時において、反射ミラー81の角度調整が容易となる(図10参照)。また、4つのカバー壁CWY,CWM,CWC,CWKは、フレームFと一体に成型されていることから、フレームFの剛性を高めることができる。
【0088】
また、フレームFの第1側壁F41は、反射ミラー81の第3方向の一方側の端面を露出させる開口APを有する。このため、図8に示すように、反射ミラー81を走査光学装置1に取り付ける場合に、反射ミラー81を第3方向から取り付けることができる。
【0089】
また、入射光学系Liは、走査光学系Loの第3方向における他方側に位置する。このため、反射ミラー81を取り付けるときに入射光学系Liが邪魔にならない。
【0090】
また、各反射ミラー81Y,81M,81C,81Kは、第1方向において、各第2走査レンズ70Y,70M,70C,70Kと重なる。このため、各第2走査レンズ70Y,70M,70C,70Kに干渉しない方向(ビームBY,BM,BC,BKの出射方向とは反対側)から各反射ミラー81Y,81M,81C,81Kの角度を調整できる。
【0091】
また、各カバー壁CWY,CWM,CWC,CWKは、走査光学系Loの有効走査範囲H1を含む範囲H2に渡って延びる(図9参照)。このため、走査光学系Loの有効走査範囲H1にゴミが付着するのを抑制できる。
【0092】
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように様々な形態で利用できる。
【0093】
前記実施形態では、第1凹部CP1内には、偏向器50(ポリゴンミラー51およびモータ52)と、走査光学系Loとが配置されていたが、偏向器50が第1凹部CP1の外側に配置される構成であってもよい。
【0094】
前記実施形態では、バネの一例として板バネSPを例示したが、バネは板バネに限られず、線バネなどであってもよい。
【0095】
前記実施形態では、フレームFと、座面FsZを有する支持部材Fsと、が異なる部材で構成されていたが、座面FsZがフレームFと一体に構成されていてもよい。
【0096】
前記実施形態では、第2走査レンズ70が図示しないバネによりフレームに固定されていたが、第2走査レンズ70の固定方法は、特に限定されるものではなく、光硬化樹脂などによる接着で固定されていてもよい。
【0097】
前記実施形態では、半導体レーザ10が1つの発光点を有する構成であったが、半導体レーザ10は、複数の発光点を有する構成としてもよい。この場合、半導体レーザ10からの複数の光が、1つのカップリングレンズ20によって複数のビームに変換され、複数のビームが対応する走査光学系Loによって感光ドラム200の表面に結像される。この構成では、前記実施形態のビームBY,BM,BC,BKがそれぞれ複数のビームを含む。
【0098】
前記した実施形態および変形例で説明した各要素を、任意に組み合わせて実施してもよい。
【符号の説明】
【0099】
1 走査光学装置
51 ポリゴンミラー
52 モータ
60 第1走査レンズ
70 第2走査レンズ
81 反射ミラー
200 感光ドラム
AM アーム
AP 開口
CW カバー壁
F フレーム
F41 第1側壁
F42 第2側壁
F43 第3側壁
F44 第4側壁
Fb1 第1ベース壁
Fb2 第2ベース壁
FsZ 座面
H1 有効走査範囲
H2 範囲
Li 入射光学系
Lo 走査光学系
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10