(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023151897
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B41J 29/00 20060101AFI20231005BHJP
G03G 21/16 20060101ALI20231005BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20231005BHJP
B41J 29/13 20060101ALI20231005BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20231005BHJP
H05K 5/02 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
B41J29/00 A
G03G21/16 128
G03G21/16 133
G03G15/00 680
G03G21/16 157
B41J29/00 T
B41J29/13
B41J29/00 E
H04N1/00 E
H04N1/00 519
H05K5/02 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022061761
(22)【出願日】2022-04-01
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002217
【氏名又は名称】弁理士法人矢野内外国特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】和田 朋広
【テーマコード(参考)】
2C061
2H171
4E360
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061BB21
2C061CD07
2C061CG02
2C061CG15
2C061CQ04
2C061CQ24
2H171FA01
2H171FA05
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2H171KA13
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2H171QB17
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2H171QC03
2H171RA01
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2H171RA08
2H171SA10
2H171SA12
2H171SA19
2H171SA22
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2H171SA32
4E360AB02
4E360BA03
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4E360GB48
5C062AA05
5C062AA37
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5C062AC02
5C062AC04
5C062AC05
5C062AD02
5C062BA06
(57)【要約】
【課題】操作パネルを伝って落下した液体が近距離無線通信基板へ到達することを抑制可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置1において、第1筐体2と、第1筐体2の上方に位置する第2筐体3と、第2筐体3に連結する操作パネル33とを備え、第1筐体2は、近距離無線通信基板71と、近距離無線通信基板71の上方を覆う基板カバー72と、基板カバー72と連結するトップカバー22とを有し、操作パネル33の上面331は、幅方向において第2筐体3よりも小さく、かつ前方へ向かうに従って下方に傾斜しており、基板カバー72の前端は、操作パネル33の前端33aよりも前方に位置し、近距離無線通信基板71は、幅方向において操作パネル33と重なる位置にあり、かつ近距離無線通信基板71の前端は、操作パネル33の前端33aと前後方向における同じ位置、または操作パネル33の前端33aよりも後方に位置する。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1筐体と、
前記第1筐体の上方に位置する第2筐体と、
前記第2筐体に連結する操作パネルと、を備え、
前記第1筐体は、
近距離無線通信を行うための近距離無線通信基板と、
前記近距離無線通信基板の上方を覆う基板カバーと、
前記基板カバーと連結するトップカバーと、を有し、
前記操作パネルの上面は、前後方向および上下方向と直交する幅方向において前記第2筐体よりも小さく、かつ、前方へ向かうに従って下方に傾斜しており、
前記基板カバーの前端は、前記操作パネルの前端よりも前方に位置し、
前記近距離無線通信基板は、前記幅方向において前記操作パネルと重なる位置にあり、
かつ、前記近距離無線通信基板の前端は、前記操作パネルの前端と前後方向における同じ位置、または前記操作パネルの前端よりも後方に位置する画像形成装置。
【請求項2】
前記幅方向において、前記操作パネルの一端と他端との間に、前記基板カバーの一端および他端が位置する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記基板カバーは、前記近距離無線通信基板と係合して前記近距離無線通信基板を保持する係合爪を有する請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1筐体は、内部を上方に開放する開口を有する筐体本体をさらに有し、
前記筐体本体はメイン基板を収容し、
前記トップカバーは、前記筐体本体に回動可能に支持される支持アームと、前記近距離無線通信基板と前記メイン基板とを接続する接続ケーブルと、を有するとともに、前記開口を覆う閉位置と前記開口を開放する開位置とに移動可能であり、
前記接続ケーブルは、前記近距離無線通信基板から前記支持アームへ向かって延び、
前記支持アームは、前記接続ケーブルを案内するガイドを有する請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第1筐体は、内部を上方に開放する開口を有する筐体本体をさらに有し、
前記トップカバーは、前記筐体本体に対して、前記開口を覆う閉位置と前記開口を開放する開位置とに移動可能であり、
前記近距離無線通信基板の下方を覆うカバープレートであって、前記幅方向において前記近距離無線通信基板よりも内側に位置し、上下方向に貫通する貫通孔を有するカバープレートと、
前記貫通孔を通じて前記カバープレートの上方から下方へ向けて延出し、前記筐体本体と係合可能なロックレバーと、
前記幅方向における前記近距離無線通信基板と前記貫通孔との間に位置し、前記カバープレートから上方へ向けて突出するリブと、
を有する請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記基板カバーは、前記トップカバーの上面よりも上方に突出し、かつ、前方へ向かうに従って下方に傾斜する上面を有する請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記基板カバーの前端は前記第1筐体の前端まで延びており、前記基板カバーの後端は、前記トップカバーと連結している請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記基板カバーは、
前記幅方向において前記トップカバーの中央よりも一側に位置しており、
前記トップカバーの上面よりも上方に突出し、かつ、前記幅方向の一側へ向かうに従って下方に傾斜する上面を有する請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記幅方向において、前記基板カバーの一端は前記第1筐体の一端まで延びており、前記基板カバーの他端は前記トップカバーと連結している請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記基板カバーは、近距離無線通信を行うための外部機器をかざす位置を示すマークを有する請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項11】
画像を読み取るための画像読取センサと、
画像を形成するための消耗材を収容するカートリッジと、を備え、
前記第1筐体は、前記カートリッジを収容し、
前記第2筐体は、前記画像読取センサを収容することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、NFC(Near Field Communication)等の近距離無線通信によって、ICカードやスマートフォン等の外部機器と通信可能な画像形成装置が知られている。例えば、特許文献1には、近距離無線通信用のアンテナを備えた近距離無線通信基板が、操作パネルの下方に配置される構成が開示されている。特許文献1に開示される構成においては、近距離無線通信基板の上方を覆うカバーは、その周辺のカバーと一体的に形成されている。
【0003】
一方、操作パネルの下方に近距離無線通信基板が配置される構成としては、近距離無線通信基板の上方を覆うカバーと、その周辺のカバーとを別体に形成した構成が考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のように、近距離無線通信基板の上方のカバーと周辺のカバーとが別体に形成されていた場合、画像形成装置が、画像を読み取るための第2筐体と、第2筐体の下方に位置し画像を形成するための第1筐体とを備え、第2筐体に連結する操作パネルの下方における第1筐体に近距離無線通信基板が配置される構成であると、装置の上方にかかった液体が操作パネルを伝って下方の第1筐体に落下し、近距離無線通信基板の上方のカバーと周辺のカバーとの隙間から内部に浸入して近距離無線通信基板に到達するおそれがある。
【0006】
そこで、本発明においては、近距離無線通信基板の上方を覆うカバーと、その周辺のカバーとが別体に形成されていた場合でも、操作パネルを伝って落下した液体が近距離無線通信基板へ到達することを抑制可能な画像形成装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する画像形成装置は、以下の特徴を有する。
【0008】
即ち、画像形成装置は、第1筐体と、前記第1筐体の上方に位置する第2筐体と、前記第2筐体に連結する操作パネルと、を備え、前記第1筐体は、近距離無線通信を行うための近距離無線通信基板と、前記近距離無線通信基板の上方を覆う基板カバーと、前記基板カバーと連結するトップカバーと、を有し、前記操作パネルの上面は、前後方向および上下方向と直交する幅方向において前記第2筐体よりも小さく、かつ、前方へ向かうに従って下方に傾斜しており、前記基板カバーの前端は、前記操作パネルの前端よりも前方に位置し、前記近距離無線通信基板は、前記幅方向において前記操作パネルと重なる位置にあり、かつ、前記近距離無線通信基板の前端は、前記操作パネルの前端と前後方向における同じ位置、または前記操作パネルの前端よりも後方に位置する。
【0009】
これにより、操作パネルを伝って落下した液体が近距離無線通信基板に到達することを抑制できる。また、外部機器をかざす位置をユーザが認識し易い。
【0010】
また、前記幅方向において、前記操作パネルの一端と他端との間に、前記基板カバーの一端および他端が位置する。
【0011】
これにより、操作パネルを伝って落下した液体が距離無線通信基板に到達することを抑制できる。
【0012】
また、前記基板カバーは、前記近距離無線通信基板と係合して前記近距離無線通信基板を保持する係合爪を有する。
【0013】
これにより、液体が近距離無線通信基板に到達することを抑制できる。
【0014】
また、前記第1筐体は、内部を上方に開放する開口を有する筐体本体をさらに有し、前記筐体本体はメイン基板を収容し、前記トップカバーは、前記筐体本体に回動可能に支持される支持アームと、前記近距離無線通信基板と前記メイン基板とを接続する接続ケーブルと、を有するとともに、前記開口を覆う閉位置と前記開口を開放する開位置とに移動可能であり、前記接続ケーブルは、前記近距離無線通信基板から前記支持アームへ向かって延び、前記支持アームは、前記接続ケーブルを案内するガイドを有する。
【0015】
このように、接続ケーブルが筐体本体に回動可能に支持される支持アームのガイドによって案内されるため、トップカバーが閉位置と開位置との間で移動したときの、トップカバーとメイン基板との間の接続ケーブルの経路長変化を小さくすることができる。
【0016】
また、前記第1筐体は、内部を上方に開放する開口を有する筐体本体をさらに有し、前記トップカバーは、前記筐体本体に対して、前記開口を覆う閉位置と前記開口を開放する開位置とに移動可能であり、前記近距離無線通信基板の下方を覆うカバープレートであって、前記幅方向において前記近距離無線通信基板よりも内側に位置し、上下方向に貫通する貫通孔を有するカバープレートと、前記貫通孔を通じて前記カバープレートの上方から下方へ向けて延出し、前記筐体本体と係合可能なロックレバーと、前記幅方向における前記近距離無線通信基板と前記貫通孔との間に位置し、前記カバープレートから上方へ向けて突出するリブと、を有する。
【0017】
これにより、液体が基板カバーとトップカバーとの隙間からトップカバー内に浸入してカバープレートに落下した場合でも、液体はリブによって堰き止められるため、液体が貫通孔を通じて下方の筐体本体へ落下することを抑制できる。
【0018】
また、前記基板カバーは、前記トップカバーの上面よりも上方に突出し、かつ、前方へ向かうに従って下方に傾斜する上面を有する。
【0019】
これにより、基板カバーに落下した液体を前方へ向けて集中的に流出させることができ、液体が基板カバーのその他の方向の周囲からトップカバー内に流入することを抑制できる。従って、基板カバーに落下した液体が距離無線通信基板に到達することを抑制できる。
【0020】
また、前記基板カバーの前端は前記第1筐体の前端まで延びており、前記基板カバーの後端は、前記トップカバーと連結している。
【0021】
これにより、基板カバーに落下した液体は前方へ流れて本体筐体の前端まで流出するため、液体が基板カバーとトップカバーとの隙間からトップカバー内に流入することを抑制できる。
【0022】
また、前記基板カバーは、前記幅方向において前記トップカバーの中央よりも一側に位置しており、前記トップカバーの上面よりも上方に突出し、かつ、前記幅方向の一側へ向かうに従って下方に傾斜する上面を有する。
【0023】
これにより、基板カバーに落下した液体を幅方向の一側へ向けて集中的に流出させることができ、液体が基板カバーのその他の方向の周囲からトップカバー内に流入することを抑制できる。従って、基板カバーに落下した液体が距離無線通信基板に到達することを抑制できる。
【0024】
また、前記幅方向において、前記基板カバーの一端は前記第1筐体の一端まで延びており、前記基板カバーの他端は前記トップカバーと連結している。
【0025】
これにより、基板カバーに落下した液体は幅方向の一側へ流れて本体筐体の一端まで流出するため、液体が基板カバーとトップカバーとの隙間からトップカバー内に流入することを抑制できる。
【0026】
また、前記基板カバーは、近距離無線通信を行うための外部機器をかざす位置を示すマークを有する。
【0027】
これにより、近距離無線通信を行うための外部機器をかざす位置を、ユーザが認識し易い。
【0028】
また、画像を読み取るための画像読取センサと、画像を形成するための消耗材を収容するカートリッジと、を備え、前記第1筐体は、前記カートリッジを収容し、前記第2筐体は、前記画像読取センサを収容することを特徴とする。
【0029】
これにより、第1筐体がカートリッジを収容し、第2筐体が画像読取センサを収容した構成において、操作パネルを伝って落下した液体が近距離無線通信基板に到達することを抑制できる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、操作パネルを伝って落下した液体が近距離無線通信基板に到達することを抑制できる。また、外部機器をかざす位置をユーザが認識し易い。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図5】トップカバーが開位置にある画像形成装置を斜め前上方から見た斜視図である。
【
図6】トップカバーが開位置にある画像形成装置を斜め前下方から見た斜視図である。
【
図7】基板カバーおよび基板カバーに保持された近距離無線通信基板を示す図であって、(a)は基板カバーの外観を示す斜視図であり、(b)は基板カバーの内部を示す斜視図であり、(c)は正面断面図である。
【
図8】操作パネルの前端と、基板カバーの前端および近距離無線通信基板の前端との位置関係を示す側面図である。
【
図10】トップカバーにおける支持アームおよび接続ケーブルを示す斜視図である。
【
図11】前部カバーにおける基板カバーおよび近距離無線通信基板が配置された部分の周辺を示す正面断面図である。
【
図13】基板カバーの第2実施形態を示す図であって、(a)は斜視図であり、(b)は正面図である。
【
図14】基板カバーの第3実施形態を示す図であって、(a)は斜視図であり、(b)は正面図である。
【
図15】基板カバーの第4実施形態を示す図であって、(a)は斜視図であり、(b)は正面図である。
【
図16】基板カバーの第5実施形態を示す図であって、(a)は斜視図であり、(b)は正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
次に、本発明を実施するための形態を、添付の図面を用いて説明する。
【0033】
以下の説明では、
図1における右側を画像形成装置1の前側、
図1における左側を画像形成装置1の後側と規定し、
図1おける紙面手前側を画像形成装置1の左側、
図1における紙面奥側を画像形成装置1の右側と規定する。また、
図1における上側および下側を、それぞれ画像形成装置1の上側および下側と規定する。本実施形態において、左右方向は、前後方向および上下方向と直交する幅方向の一例である。また、左側は幅方向における一側の一例であり、右側は幅方向における他側の一例である。
【0034】
[画像形成装置]
図1~
図6に示す画像形成装置1は、本発明に係る画像形成装置の一実施形態であり、電子写真方式により、シートSに複数色の画像を形成するカラーレーザプリンタである。但し、画像形成装置1は電子写真方式に限るものではなく、インクジェット方式等の他の方式に構成することも可能である。画像形成装置1は、第1筐体2と、第2筐体3とを備えている。
【0035】
第1筐体2は、筐体本体21と、トップカバー22とを有している。筐体本体21は略直方体形状に形成されており、上面に開口21Aを有している。開口21Aは、筐体本体21の内部を上方に開放している。筐体本体21内には、シートSを支持する給紙トレイ10、シートSを搬送するシート搬送部11、シート搬送部11により搬送されてきたシートSにトナー像を形成する画像形成部5、およびシートSにトナー像を定着させる定着器6等が収容されている。筐体本体21は、画像形成装置1を全体的に制御するメイン基板211を有している。メイン基板211は、筐体本体21の左端部に収容されている。
【0036】
トップカバー22は、開口21Aを開閉可能であり第1筐体2の上面を形成している。トップカバー22は、第1筐体2の後端部に位置する回動中心221を中心として、筐体本体21に回動可能に支持されている。トップカバー22は、回動中心221を中心として回動することにより、開口21Aを覆う閉位置(例えば
図1、
図2に示す位置)と、開口21Aを開放する開位置(例えば
図5に示す位置)とに移動可能である。トップカバー22には前側から後側へ向かうにつれて下方に傾斜する排紙トレイ222が形成されている。
【0037】
トップカバー22は、第2筐体3を支持する支持柱223と、支持柱223の前方に位置する前部カバー224とを有している。支持柱223はトップカバー22の左右端部に一対設けられており、左方の支持柱223と右方の支持柱223との間に排紙トレイ222が位置している。
【0038】
給紙トレイ10は筐体本体21の下部に配置されており、シート搬送部11は給紙トレイ10に支持されるシートSを画像形成部5に搬送する。給紙トレイ10は、前後方向へスライド可能に構成されており、筐体本体21に収容される収容位置と、収容位置から前方へ引き出された分離位置との間で移動可能に構成されている。
【0039】
シート搬送部11は、給紙ローラ12と、分離ローラ13と、分離パッド13aと、搬送ローラ対14と、レジストローラ対15とを備えている。筐体本体21内には、給紙トレイ10から画像形成部5を経由して排紙トレイ222へ至るシートSの搬送経路Pが構成されている。
【0040】
給紙トレイ10に支持されるシートSは、給紙ローラ12、分離ローラ13および分離パッド13aにより1枚ずつ分離されて搬送経路Pに送り出される。給紙ローラ12は、給紙トレイ10から画像形成部5に向けてシートSを搬送するローラである。分離ローラ13および分離パッド13aは、給紙トレイ10に支持されるシートSを一枚ずつ分離する分離手段を構成している。
【0041】
搬送経路Pに送り出されたシートSは、搬送ローラ対14およびレジストローラ対15によって、画像形成部5に向けて搬送される。レジストローラ対15は、搬送されるシートSの先端の移動を規制して一旦停止させた後、シートSを所定のタイミングにて画像形成部5に向けて搬送する。
【0042】
画像形成部5は給紙部3の上方に配置されており、画像を形成するための4つのプロセスカートリッジ50を備えている。4つのプロセスカートリッジ50は、前後方向に並設されている。各プロセスカートリッジ50は、ブラック、イエロー、マゼンタ、およびシアンの各色に対応して設けられている。プロセスカートリッジ50は、筐体本体21に着脱可能に収容されている。
【0043】
プロセスカートリッジ50は、感光ドラム51と、現像ローラ52と、供給ローラ53とを備えている。プロセスカートリッジ50は、画像を形成するための消耗材であるトナーを収容しており、供給ローラ53は、プロセスカートリッジ50に収容されるトナーを現像ローラ52に供給する。なお、画像形成装置1がインクジェット方式である場合は、画像を形成するための消耗材はインクである。
【0044】
筐体本体21内には、感光ドラム51の表面を露光する露光ヘッド59が収容されている。露光ヘッド59は、トップカバー22に支持されている。露光ヘッド59は、各感光ドラム51に対応して4つ設けられており、各露光ヘッド59は前後方向に並設されている。露光ヘッド59はトップカバー22から下方へ延出しており、トップカバー22が閉じた状態において感光ドラム51の上方に近接している。露光ヘッド59は、左右方向に並列される複数のLED素子を備えたLEDアレイを有している。
【0045】
感光ドラム51の搬送経路Pを挟んだ下方には、転写ベルト41が対向配置されている。転写ベルト41は、駆動ローラ42と駆動ローラ42の前方に配置される従動ローラ43との間に掛け渡されている。転写ベルト41、駆動ローラ42、および従動ローラ43によりベルト装置40が構成されている。転写ベルト41を挟んだ各感光ドラム51に対向する位置には、それぞれ転写ローラ44が配置されている。
【0046】
画像形成部5においては、帯電器によって一様に帯電された感光ドラム51が、それぞれ露光ヘッド59によって選択的に露光される。この露光により、感光ドラム51の表面から電荷が選択的に除去され、感光ドラム51の表面に静電潜像が形成される。
【0047】
プロセスカートリッジ50に収容されるトナーは、供給ローラ53と現像ローラ52との間で正極性に帯電され、現像ローラ52の表面に担持される。現像ローラ52には現像バイアスが印加されており、感光ドラム51に形成された静電潜像が現像ローラ52に対向すると、静電潜像と現像ローラ52との間の電位差により、現像ローラ52から静電潜像にトナーが供給される。これによって、感光ドラム51の表面にトナー像が形成される。
【0048】
画像形成部5へ向けて搬送されたシートSが転写ベルト41上に到達すると、転写ベルト41により搬送されて、転写ベルト41と各感光ドラム51との間を順次通過する。そして、感光ドラム51の表面上のトナー像は、シートSと対向したときに、転写ローラ44に印加された転写バイアスによってシートSに転写される。
【0049】
なお、本実施形態における転写ベルト41は、トナー像が転写されるシートSを搬送する搬送ベルトに構成されているが、トナー像がベルト自身に転写され、ベルトに転写されたトナー像がさらにシートSに転写される中間転写ベルトに構成することも可能である。
【0050】
トナー像が転写されたシートSは定着器6に搬送される。定着器6は加熱ローラ61と加熱ローラ61に圧接する加圧ローラ62とを備えている。定着器6に搬送されたシートSは、加熱ローラ61と加圧ローラ62との間を通過する間にトナー像が熱定着される。
【0051】
トナー像が熱定着されたシートSは、定着器6から搬送方向下流側に搬送され、さらに中間排紙ローラ対64、および中間排紙ローラ対64の搬送方向下流側に配置される排紙ローラ対65により搬送されて、排紙トレイ222に排紙される。
【0052】
図5に示すように、筐体本体21内には、第1本体フレーム23と、第2本体フレーム24と、フロントフレーム25とが収容されている。第1本体フレーム23と第2本体フレーム24とは、左右方向に互いに離間して配置されている。第1本体フレーム23は筐体本体21内の左端部に位置しており、前後方向および上下方向に延出している。第2本体フレーム24は筐体本体21内の右端部に位置しており、前後方向および上下方向に延出している。メイン基板211は、第1本体フレーム23に支持されている。
【0053】
フロントフレーム25は筐体本体21内の前端部に位置しており、左右方向および上下方向に延出している。フロントフレーム25は、第1本体フレーム23の前端部と、第2本体フレーム24の前端部とを接続している。
【0054】
第2筐体3は、第1筐体2の上方に位置している。第2筐体3は、原稿載置台31と、原稿押さえ32と、操作パネル33とを有している。原稿載置台31は、トップカバー21の上方に位置しており、トップカバー22の支持柱223に支持されている。原稿載置台31は、画像読取センサ312を収容している。画像読取センサ312は、原稿載置台31の上面311に載置された原稿の画像を読み取る。
【0055】
原稿押さえ32は、原稿載置台31の上方に位置している。原稿押さえ32は、後端部に位置する回動軸心321を中心として回動可能に構成されており、原稿載置台31の上面311を覆う押さえ位置と、原稿載置台31の上面311を開放する開放位置とに移動可能である。
【0056】
原稿押さえ32は、押さえ位置にあるときに、原稿載置台31の上面311に載置された原稿を押さえる。原稿押さえ32は、原稿を原稿載置台31の上面311に自動搬送する自動原稿送り装置(Auto Document Feeder)322を有している。原稿載置台31および原稿押さえ32等によって画像読取部が構成されている。
【0057】
操作パネル33は、第2筐体3の原稿載置台31に連結されており、原稿載置台31から前方に突出している。操作パネル33は略直方体形状のパネルであり、操作パネル33の上面331は左右方向において第2筐体3よりも小さく形成されている。操作パネル33は、左右方向において第2筐体3の中央CLよりも左方に位置している。トップカバー22の前部カバー224は、第2筐体3の原稿載置台31および原稿押さえ32よりも前方に位置しており、操作パネル33は前部カバー224の上方に位置している。
【0058】
操作パネル33は、上面331に液晶パネル等の表示具と、画像形成部5および画像読取部等を操作するためのタッチパネルや操作ボタン等の操作具とを有している。操作パネル33の上面331は、前方へ向かうに従って下方に傾斜している。これにより、ユーザが画像形成装置1の前方から操作パネル33を操作する際の操作性が向上している。
【0059】
[近距離無線通信基板および基板カバー]
図2~
図4、
図7に示すように、第1筐体2は、近距離無線通信基板71と、基板カバー72とを有している。近距離無線通信基板71は、ICカードやスマートフォン等の外部機器と近距離無線通信を行うための基板である。本実施形態においては、近距離無線通信基板71はNFC(Near Field Communication)を用いている。
【0060】
近距離無線通信基板71には開口71aが形成されている。開口71aは、近距離無線通信基板71の前部において略矩形状に形成されている。近距離無線通信基板71は、アンテナ71bと、回路71cとを有している。アンテナ71bは、近距離無線通信基板71における開口71aの周縁部に形成されたループアンテナであり、外部機器と通信するための電波を送受信する。回路71cは、近距離無線通信基板71におけるアンテナ71bの後方に位置しており、送受信される電波を信号処理する。
【0061】
基板カバー72は、下方が開放された略直方体形状に形成されていて、上側の面である上面72aと、前側の面である前面72bと、後ろ側の面である後面72cと、左側の面である左面72dと、右側の面である右面72eとを有しており、近距離無線通信基板71の上方、前方、後方、左方、および右方を覆っている。
【0062】
基板カバー72は、内部に第1係合爪721および第2係合爪722を有している。第1係合爪721および第2係合爪722は、係合爪の一例である。第1係合爪721は、基板カバー72の内部において右面72eの裏側の面から左方に突出する爪である。第1係合爪721には、近距離無線通信基板71の右端が係合している。本実施形態においては、第1係合爪721は、2箇所に設けられている。第2係合爪722は、基板カバー72の内部において上面72aの裏側の面から下方に突出した後に上方へ折り返して形成されている。第2係合爪722には、近距離無線通信基板71における開口71aの周縁が係合している。本実施形態においては、第2係合爪722は、1箇所に設けられている。
【0063】
第1係合爪721および第2係合爪722が近距離無線通信基板71と係合することにより、近距離無線通信基板71が基板カバー72に保持されている。この場合、
図7(c)に示すように、近距離無線通信基板71は、後述するカバープレート225から上方へ離間した状態で基板カバー72に保持されている。つまり、基板カバー72は、近距離無線通信基板71と係合して近距離無線通信基板71を保持する第1係合爪721および第2係合爪722を有している。
【0064】
トップカバー22の前部カバー224は、上下方向に貫通する開口224aを有しており、開口224aに基板カバー72が嵌めこまれている。開口224aに嵌めこまれた基板カバー72は、例えばネジにより前部カバー224に固定されている。基板カバー72が開口224aに嵌め込まれて前部カバー224に固定されることで、トップカバー22と基板カバー72とが連結されている。
【0065】
開口224aは前部カバー224の左端部に位置しており、基板カバー72は、左右方向においてトップカバー22の中央CLよりも左側に位置している。つまり、基板カバー72は、幅方向においてトップカバー22の中央CLよりも一側に位置している。基板カバー72の上面72aと、前部カバー224の上面224bとは同じ高さに位置している。なお、本実施形態においては、トップカバー22の中央と、第2筐体3の中央とは、共通の中央CLである。
【0066】
画像形成装置1においては、基板カバー72の上面72aに外部機器をかざすことにより、外部機器と近距離無線通信基板71との間で近距離無線通信を行うことが可能である。基板カバー72の上面72aには、外部機器をかざす位置を示すNFCマーク723が付されている。NFCマーク723は、近距離無線通信を行うための外部機器をかざす位置を示すマークの一例である。このように、基板カバー72が上面72aにNFCマーク723を有していることで、近距離無線通信を行うための外部機器をかざす位置を、ユーザが認識し易くなっている。
【0067】
図8に示すように、基板カバー72の前端に位置する前面72bは、操作パネル33の前端33aよりも前方に位置している。近距離無線通信基板71の前端71dは、操作パネル33の前端33aよりも後方に位置している。
図4に示すように、近距離無線通信基板71は、左右方向において、操作パネル33と重なる位置にある。本実施例では、左右方向において、近距離無線通信基板71の全てが操作パネル33と重なっている。つまり、近距離無線通信基板71の上方が全体的に操作パネル33によって覆われている。
【0068】
画像形成装置1においては、液体が装置の上方から操作パネル33にかかった場合、液体は操作パネル33からトップカバー22の前部カバー224へ落下する。しかし、近距離無線通信基板71は左右方向において操作パネル33と重なっており、近距離無線通信基板71の前端71dは操作パネル33の前端33aよりも後方に位置しているため、液体が操作パネル33から前部カバー224の近距離無線通信基板71が位置する範囲に直接落下することが抑制される。従って、画像形成装置1に上方からかかった液体が操作パネル33を伝って前部カバー224に落下した場合に、落下した液体が近距離無線通信基板71に到達することを抑制できる。
【0069】
但し、近距離無線通信基板71の前端71dは、前後方向において操作パネル33の前端33aと同じ位置に位置していてもよい。また、左右方向において、近距離無線通信基板71の一部が操作パネル33と重なっていてもよい。このような場合においても、操作パネル33を伝って前部カバー224に落下した液体が、距離無線通信基板71に到達することを抑制可能である。
【0070】
また、基板カバー72の前面72bは操作パネル33の前端33aよりも前方に位置しており、基板カバー72の上面72aの一部が操作パネル33よりも前方に突出しているため、外部機器をかざす位置をユーザが認識し易くなっている。
【0071】
図4に示すように、操作パネル33は、左端に位置する左端面332と、右端に位置する右端面333とを有している。基板カバー72の左端に位置する左面72dと、基板カバー72の右端に位置する右面72eとは、左右方向において操作パネル33の左端面332と右端面333との間の範囲R内に位置している。つまり、左右方向において、基板カバー72の上方が全体的に操作パネル33によって覆われている。なお、左端は幅方向における一端の一例であり、右端は幅方向における他端の一例である。
【0072】
従って、画像形成装置1に上方からかかった液体が操作パネル33を伝って落下した場合に、液体が基板カバー72の上面に72aに直接落下することが抑制される。これにより、操作パネル33を伝って落下した液体が距離無線通信基板71に到達することを抑制可能となっている。
【0073】
但し、画像形成装置1では、左右方向において基板カバー72の一部が操作パネル33と重なっていてもよい。この場合においても、操作パネル33を伝って落下した液体が距離無線通信基板71に到達することを抑制可能である。
【0074】
図5、
図6、
図9~
図11に示すように、トップカバー22は、近距離無線通信基板71を下方から覆うカバープレート225を有している。近距離無線通信基板71は、上下方向において、基板カバー72の上面72aおよび前部カバー224の上面224bと、カバープレート225との間に位置している。
【0075】
カバープレート225は、カバープレート225を上下方向に貫通する左右一対の貫通孔225A、225Bを有している。左方の貫通孔225Aは、左右方向においてカバープレート225の中央CLよりも左方に位置しており、右方の貫通孔225Bは、左右方向においてカバープレート225の中央CLよりも右方に位置している。本実施形態においては、カバープレート225の中央と、トップカバー22の中央および第2筐体3の中央とは、共通の中央CLである。
【0076】
左方の貫通孔225Aは、近距離無線通信基板71の右方に位置している。つまり、左方の貫通孔225Aは、左右方向において近距離無線通信基板71よりも内側に位置している。
【0077】
トップカバー22は、貫通孔225A、225Bを通じてカバープレート225の上方から下方へ延出し、筐体本体21と係合可能なロックレバー226A、226Bと、ロックレバー226A、226Bを操作する操作ハンドル227とを有している。ロックレバー226Aは貫通孔225Aを通じてカバープレート225の上方から下方へ延出し、ロックレバー226Bは貫通孔225Bを通じてカバープレート225の上方から下方へ延出している。
【0078】
筐体本体21は、ロックレバー226A、226Bと係合可能な係合孔251A、251Bを有している(
図5参照)。ロックレバー226Aは係合孔251Aと係合可能であり、ロックレバー226Bは係合孔251Bと係合可能である。
【0079】
ロックレバー226A、226Bと係合孔251A、251Bとが係合することにより、トップカバー22の閉状態を保持することができる。操作ハンドル227を操作することで、ロックレバー226A、226Bと係合孔251A、251Bとが係合した状態と、ロックレバー226A、226Bと係合孔251A、251Bとの係合が解除された状態と、を切り替えることが可能である。
【0080】
トップカバー22は、左右方向において近距離無線通信基板71と左方の貫通孔225Aとの間に位置し、カバープレート225から上方へ突出するリブ228を有している。リブ228は、左右方向において、カバープレート225のリブ228よりも近距離無線通信基板71側に位置する部分と、カバープレート225のリブ228よりも貫通孔225A側に位置する部分とを隔離している。
【0081】
画像形成装置1においては、上方の操作パネル33等から基板カバー72の上面72aまたは前部カバー224の上面224bに落下してきた液体が、基板カバー72と前部カバー224の開口224aが形成された部分との隙間からトップカバー22内に浸入して、カバープレート225に落下する場合がある。
【0082】
このように、液体が基板カバー72と前部カバー224との隙間からカバープレート225に落下した場合でも、落下した液体は近距離無線通信基板71と貫通孔225Aとの間に位置するリブ228によって堰き止められるため、カバープレート225の貫通孔225Aが形成されている部分まで流出することがない。従って、カバープレート225に落下した液体が貫通孔225Aを通じて下方の筐体本体21へ落下することを抑制可能となっている。
【0083】
また、液体がトップカバー22内に浸入してカバープレート225に落下した場合でも、近距離無線通信基板71は基板カバー72内において、カバープレート225の上端から上方へ離間した状態で保持されているため、液体が近距離無線通信基板71に到達することが抑制可能である。
【0084】
図9、
図10、
図12に示すように、トップカバー22は、左サイドフレーム261と、支持アーム262と、接続ケーブル263とを有している。左サイドフレーム261は、トップカバー22の左端部に位置しており、カバープレート225の後端から後方へ延びている。近距離無線通信基板71の後端部は、上下方向から見て、左サイドフレーム261と重なっている。
【0085】
支持アーム262は、左サイドフレーム261の後端部から下方へ向けて延出しており、筐体本体21に回動可能に支持されている。支持アーム262は、トップカバー22の回動中心221を有している。
【0086】
接続ケーブル263の一端263aは近距離無線通信基板71に接続され、接続ケーブル263の他端263bはメイン基板211に接続されており、接続ケーブル263は近距離無線通信基板71とメイン基板211とを接続している。接続ケーブル263は、近距離無線通信基板71から支持アーム262に向かって、左サイドフレーム261に沿って延びている。
【0087】
支持アーム262は、接続ケーブル263を案内するガイド262aを有している。接続ケーブル263は、トップカバー22が筐体本体21に対して開閉動作した際にトップカバー22に伴って移動するが、接続ケーブル263の他端263bに近い部分がガイド262aによって案内されることで、過度に移動することが抑制される。
【0088】
特に、支持アーム262には、トップカバー22の回動中心221が存在しているため、トップカバー22が閉位置と開位置との間で移動したときの、トップカバー22とメイン基板211との間の接続ケーブル263の経路長変化を小さくすることが可能となっている。
【0089】
[基板カバーの第2実施形態]
図13に示す基板カバー172は、前部カバー224の開口224aに嵌めこまれており、前部カバー224の上面224bよりも上方に突出する上面172aを有している。基板カバー172の上面172aは、前方へ向かうに従って下方に傾斜している。
【0090】
基板カバー172における上面172aの後端は前部カバー224の上面224bよりも上方に位置している。基板カバー172における上面172aの前端は、前部カバー224の上面224bと上下方向おける同じ位置、または前部カバー224の上面224bよりも上方に位置することができる。基板カバー172のその他の構成は、基板カバー72と同様であるため説明を省略する。
【0091】
このように、基板カバー172の上面172aを、前方へ向かうに従って下方に傾斜する傾斜面に形成することで、基板カバー172の上面172aに液体が落下した場合に、上面172aに落下した液体を前方へ向けて集中的に流出させることができ、液体が基板カバー172のその他の方向(左方、右方、および後方)の周囲からトップカバー22内に流入することを抑制可能である。これにより、上面172aに落下した液体が距離無線通信基板71に到達することを抑制できる。
【0092】
[基板カバーの第3実施形態]
図14に示す基板カバー272は、トップカバー22-1に連結されている。トップカバー22-1は、前部カバー224の代わりに前部カバー224-1を有している点で、トップカバー22と異なっている。前部カバー224-1は、前部カバー224の左端部を切り欠いた形状に形成されており、左端224c-1が本体筐体21の左端よりも右方に位置している。前部カバー224-1は、開口224aを有していない。
【0093】
基板カバー272は、前部カバー224-1の上面224b-1よりも上方に突出する上面272aを有している。基板カバー272の上面272aは、前方へ向かうに従って下方に傾斜している。
【0094】
基板カバー272の前端に位置する前面272bは、筐体本体21の前端まで延びており、基板カバー272は操作パネル33よりも前方へ突出している。基板カバー272の後端に位置する後面272cは、トップカバー22-1の支持柱223と連結している。基板カバー272の左端に位置する左面272dは、筐体本体21の左端まで延びている。基板カバー272の右端に位置する右面272eは、トップカバー22-1における前部カバー224-1の左端224c-1と連結している。
【0095】
基板カバー272における上面272aの後端は前部カバー224-1の上面224b-1よりも上方に位置している。基板カバー272における上面272aの前端は、前部カバー224-1の上面224b-1と上下方向おける同じ位置、または前部カバー224-1の上面224b-1よりも上方に位置することができる。基板カバー272のその他の構成は、基板カバー72と同様であるため説明を省略する。
【0096】
このように、基板カバー272の上面272aは前方へ向かうに従って下方に傾斜し、かつ筐体本体21の前端まで延びているため、基板カバー272の上面272aに液体が落下した場合に、上面272aに落下した液体は前方へ流れて本体筐体21の前端まで流出することとなる。これにより、液体が基板カバー272とトップカバー22-1との隙間からトップカバー22-1内に流入することを抑制可能である。
【0097】
[基板カバーの第4実施形態]
図15に示す基板カバー372は、前部カバー224の開口224aに嵌めこまれており、左右方向においてトップカバー22の中央CLよりも左方に位置している。基板カバー372は、前部カバー224の上面224bよりも上方に突出する上面372aを有している。基板カバー372の上面372aは、左方へ向かうに従って下方に傾斜している。
【0098】
基板カバー372における上面372aの右端は前部カバー224の上面224bよりも上方に位置している。基板カバー372における上面372aの左端は、前部カバー224の上面224bと上下方向おける同じ位置、または前部カバー224の上面224bよりも上方に位置することができる。基板カバー372のその他の構成は、基板カバー72と同様であるため説明を省略する。
【0099】
このように、トップカバー22の中央CLよりも左方に位置する基板カバー372の上面372aを、左方へ向かうに従って下方に傾斜する傾斜面に形成することで、基板カバー372の上面372aに液体が落下した場合に、上面372aに落下した液体を左方へ向けて集中的に流出させることができ、液体が基板カバー272のその他の方向(前方、後方、および右方)の周囲からトップカバー22内に流入することを抑制可能である。これにより、上面372aに落下した液体が距離無線通信基板71に到達することを抑制できる。
【0100】
[基板カバーの第5実施形態]
図16に示す基板カバー472は、前部カバー224-1を有するトップカバー22-1に連結されている。基板カバー472は、左右方向においてトップカバー22-1の中央CLよりも左方に位置している。
【0101】
基板カバー472は、前部カバー224-1の上面224b-1よりも上方に突出する上面472aを有している。基板カバー472の上面472aは、左方へ向かうに従って下方に傾斜している。
【0102】
基板カバー472の左端に位置する左面472dは、筐体本体21の左端まで延びている。基板カバー472の右端に位置する右面472eは、トップカバー22-1における前部カバー224-1の左端224c-1と連結している。基板カバー472の前端に位置する前面472bは、筐体本体21の前端まで延びており、基板カバー472は操作パネル33よりも前方へ突出している。基板カバー472の後端に位置する後面472cは、トップカバー22-1の支持柱223と連結している。
【0103】
基板カバー472における上面472aの右端は前部カバー224-1の上面224b-1よりも上方に位置している。基板カバー472における上面472aの左端は、前部カバー224-1の上面224b-1と上下方向おける同じ位置、または前部カバー224-1の上面224b-1よりも上方に位置することができる。基板カバー472のその他の構成は、基板カバー72と同様であるため説明を省略する。
【0104】
このように、基板カバー472の上面472aは左方へ向かうに従って下方に傾斜し、かつ筐体本体21の左端まで延びているため、基板カバー472の上面472aに液体が落下した場合に、上面472aに落下した液体は左方へ流れて本体筐体21の左端まで流出することとなる。これにより、液体が基板カバー472とトップカバー22-1との隙間からトップカバー22-1内に流入することを抑制可能である。
【符号の説明】
【0105】
1 画像形成装置
2 第1筐体
3 第2筐体
21 筐体本体
21A 開口
22、22-1 トップカバー
33 操作パネル
33a 前端
71 近距離無線通信基板
71d 前端
72、172、272、372、472 基板カバー
72a、172a、272a、372a、372a 上面
72b 前面
72c 後面
72d 左面
72e 右面
211 メイン基板
221 回動中心
224、224-1 前部カバー
224b、224b-1 上面
225 カバープレート
225A、225B 貫通孔
226A、226B ロックレバー
228 リブ
262 支持アーム
262a ガイド
263 接続ケーブル
331 上面
332 左端面
333 右端面
721 第1係合爪
722 第2係合爪