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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023151899
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/02 20060101AFI20231005BHJP
   G03G 21/16 20060101ALI20231005BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20231005BHJP
   B41J 29/13 20060101ALI20231005BHJP
   G06F 1/16 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
B41J29/02
G03G21/16 109
G03G15/00 680
B41J29/13
G06F1/16 312M
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022061763
(22)【出願日】2022-04-01
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002217
【氏名又は名称】弁理士法人矢野内外国特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大岡 一成
【テーマコード(参考)】
2C061
2H171
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AQ06
2C061BB21
2C061BB35
2C061DD02
2H171FA05
2H171GA33
2H171JA15
2H171KA13
2H171KA23
2H171MA11
2H171MA20
2H171QA04
2H171QA08
2H171QB17
2H171QB32
2H171QC03
2H171SA10
2H171SA12
2H171SA18
2H171SA19
2H171SA22
2H171SA26
2H171SA32
(57)【要約】
【課題】カバーと回路基板とフレームとが順に配置される画像形成装置において、回路基板に搭載された電子部品を外部からの衝撃から保護する構成を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、電子部品であるトランス74及びフェライトコア75を搭載する左面73Aと、右面73Bとを有する高電圧回路基板73と、高電圧回路基板73の左面73Aに対向して配置され、高電圧回路基板73を支持する右フレーム20と、高電圧回路基板73の右面73Bに対向して配置され、高電圧回路基板73及び右フレーム20を覆う右カバー21Aと、を備えている。右フレーム20は、高電圧回路基板73に向かって突出し、左面73Aと接触又は近接する第1リブ202、203を有している。右カバー21Aは、高電圧回路基板73に向かって突出し、右面73Bと接触又は近接する第2リブ212、213を有している。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品を搭載する第1面と、前記第1面の反対側の第2面とを有する回路基板と、
前記回路基板の第1面に対向して配置され、前記回路基板を支持するフレームと、
前記回路基板の第2面に対向して配置され、前記回路基板及び前記フレームを覆うカバーと、を備え、
前記フレームは、前記回路基板に向かって突出し、前記第1面と接触又は近接する第1リブを有し、
前記カバーは、前記回路基板に向かって突出し、前記第2面と接触又は近接する第2リブを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記回路基板と直交する方向において、前記第1リブと前記第2リブとが重なる位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1リブは、前記第1面に沿う方向において、前記電子部品の両側に配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記回路基板は、前記第2面にプリント配線を有し、
前記第2リブは、前記回路基板と直交する方向において、前記プリント配線と重なる位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記回路基板と直交する方向において、前記第1リブと前記第1面との距離は、前記電子部品と前記フレームとの距離よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第1リブは、前記第1面と接触又は近接する、前記第1面と平行な面を有し、
前記第2リブは、前記第2面と接触又は近接する、前記第2面と平行な面を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
シートに画像を形成する画像形成部を備え、
前記回路基板は、前記画像形成部に電圧を印加する高電圧回路基板であり、
前記電子部品は、前記画像形成部に印加する電圧に変換するトランス及び前記トランスの周囲に配置されたフェライトコアであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来からレーザプリンタ等の画像形成装置においては、外側から順に、側面カバー、回路基板、側方フレームが配置され、回路基板が側方フレームに固定された構成が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-57475号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、画像形成装置の小型化が求められており、各部品を高密度に配置する必要がある。そのため、上記の構成においては、側面カバーと回路基板との隙間及び回路基板と側方フレームとの隙間を狭くする必要がある。しかしながら、隙間を狭くすると、外部からの衝突等により側面カバーに衝撃が加わった際に、側面カバーが撓んで回路基板に衝突し、回路基板が撓んで側方フレームに衝突する。これにより、回路基板に搭載された電子部品が破損する可能性がある。したがって、側面カバーと回路基板との隙間及び回路基板と側方フレームとの隙間を狭くするためには、電子部品を保護する何らかの対策が必要となる。
【0005】
本発明は、カバーと回路基板とフレームとが順に配置される画像形成装置において、回路基板に搭載された電子部品を外部からの衝撃から保護する構成を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の画像形成装置は、電子部品を搭載する第1面と、前記第1面の反対側の第2面とを有する回路基板と、前記回路基板の第1面に対向して配置され、前記回路基板を支持するフレームと、前記回路基板の第2面に対向して配置され、前記回路基板及び前記フレームを覆うカバーと、を備える。前記フレームは、前記回路基板に向かって突出し、前記第1面と接触又は近接する第1リブを有する。前記カバーは、前記回路基板に向かって突出し、前記第2面と接触又は近接する第2リブを有する。
【0007】
上記の構成によれば、外部からの衝突等によりカバーに衝撃が加わった際に、カバーの第2リブが回路基板を押圧し、押圧された回路基板がフレームの第1リブを押圧する。よって、回路基板はほとんど撓まない。これにより、回路基板に搭載された電子部品がフレームに衝突して破損することを抑制できる。すなわち、回路基板に搭載された電子部品を外部からの衝撃から保護することができる。
【0008】
上記の画像形成装置は、前記回路基板と直交する方向において、前記第1リブと前記第2リブとが重なる位置に配置されていてもよい。
【0009】
上記の構成によれば、外部からカバーに衝撃が加わった際に、第2リブが押圧する回路基板の位置と、回路基板の第1リブを押圧する位置とが重なるため、回路基板の撓みが小さくなる。したがって、第1リブ及び第2リブによる電子部品の保護効果が大きい。
【0010】
上記の画像形成装置において、前記第1リブは、前記第1面に沿う方向において、前記電子部品の両側に配置されていてもよい。
【0011】
上記の構成によれば、電子部品の周囲の回路基板の撓みが小さくなるため、電子部品の保護効果が大きい。
【0012】
上記の画像形成装置において、前記回路基板は、前記第2面にプリント配線を有し、前記第2リブは、前記回路基板と直交する方向において、前記プリント配線と重なる位置に配置されていてもよい。
【0013】
上記の構成によれば、プリント配線を第2リブの接触位置を避けて配置する必要がないため、設計の自由度が高く、回路基板を小型化することもできる。
【0014】
上記の画像形成装置は、前記回路基板と直交する方向において、前記第1リブと前記第1面との距離は、前記電子部品と前記フレームとの距離よりも小さいこととしてもよい。
【0015】
上記の構成によれば、外部からカバーに衝撃が加わった際に、電子部品がフレームに当たる前に回路基板が第1リブに当たるため、電子部品の保護効果が大きい。
【0016】
上記の画像形成装置において、前記第1リブは、前記第1面と接触又は近接する、前記第1面と平行な面を有し、前記第2リブは、前記第2面と接触又は近接する、前記第2面と平行な面を有していてもよい。
【0017】
上記の構成によれば、外部からカバーに衝撃が加わった際に、第1リブ及び第2リブが回路基板に面接触するため、応力が分散され、回路基板の撓みが小さくなる。
【0018】
上記の画像形成装置において、シートに画像を形成する画像形成部を備え、前記回路基板は、前記画像形成部に電圧を印加する高電圧回路基板であり、前記電子部品は、前記画像形成部に印加する電圧に変換するトランス及び前記トランスの周囲に配置されたフェライトコアであってもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、カバーと回路基板とフレームとが順に配置される画像形成装置において、回路基板に搭載された電子部品を外部からの衝撃から保護する構成を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】一実施形態の画像形成装置の斜視図である。
図2図1の画像形成装置の中央断面図である。
図3図3はカバーを外した画像形成装置の右側面図である。
図4】トランス及びフェライトコアの拡大斜視図である。
図5】右カバーと高電圧回路基板と右フレームのトランス周辺の模式図であり、(a)は右側面図、(b)は(a)のA-A断面図である。
図6】カバー及び高電圧回路基板を外した画像形成装置の右側面の要部拡大図である。
図7図6において第2リブを重ねた図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下の説明では、図2における右側及び左側を、それぞれ画像形成装置1の前側及び後側と規定し、図2における紙面手前側及び紙面奥側を、それぞれ画像形成装置1の左側及び右側と規定する。また、図2における上側及び下側を、それぞれ画像形成装置1の上側及び下側と規定する。
【0022】
[画像形成装置の全体構成]
図1は一実施形態の画像形成装置1の斜視図であり、図2図1の画像形成装置1の中央断面図である。画像形成装置1の外観は略直方体の筐体2で形成されている。筐体2は、各部材を支持するフレーム(図示せず)と、フレームを覆い外観を構成するカバー21とを有している。フレームは、左側に配置される左フレーム(図示せず)と、右側に配置される右フレーム20(図3参照)とを有している。カバー21は、上面に排出トレイ211を有している。
【0023】
画像形成装置1は、電子写真方式により、用紙やOHPシート等のシートSに複数色の画像を形成するカラーレーザプリンタである。筐体2には、シートトレイ3と、搬送部4と、画像形成部5と、再搬送部6と、制御部7とが収容される。筐体2内において、大まかには上部及び中央部に画像形成部5、画像形成部5の下方及び後方に搬送部4、筐体2の前部及び後部と搬送部4の下方とに亘って再搬送部6、画像形成部5と再搬送部6との間及びフレームの左右に制御部7がそれぞれ配置される。
【0024】
また、筐体2の前面下部にはシートトレイ3の挿入口となる開口部22が形成されている。シートトレイ3は、上方が開放されたシート収納部31を有する箱状体であり、複数枚重ねられたシートSを支持する。シートトレイ3は開口部22を通じて前後方向に移動させることで、筐体2に対して挿抜可能となっている。
【0025】
搬送部4は、搬送経路P1に沿って配置される各部材によって構成され、搬送経路P1に沿ってシートSを搬送する。搬送経路P1はシートトレイ3から画像形成部5を経由して排出トレイ211へ繋がる経路である。搬送部4は搬送経路P1の搬送方向上流側から順に、供給部41と、ベルトユニット42と、排出部43とで構成される。
【0026】
供給部41は、供給ローラ411と、分離ローラ412と、分離パッド413と、搬送ローラ対414と、レジストローラ対415とを備える。シートトレイ3に収容されるシートSは、供給ローラ411、分離ローラ412及び分離パッド413により1枚ずつ搬送経路P1に送り出される。搬送経路P1に送り出されたシートSは、搬送ローラ対414及びレジストローラ対415により画像形成部5に向けて搬送される。
【0027】
ベルトユニット42は、筐体2に対して着脱可能であり、画像形成部5と連動して回転する駆動ローラ421と、駆動ローラ421と離間した位置に回転可能に配設された従動ローラ422と、駆動ローラ421及び従動ローラ422間に巻き付けられた搬送ベルト423とを備える。そして、搬送ベルト423がシートSを載せた状態で回転することにより、シートSを搬送経路P1に沿って搬送し、画像形成部5のドラムユニット51の下方に送り、続いて定着部53へ送る。
【0028】
排出部43は、搬送経路P1の分岐部P11と排出トレイ211との間に配置される中間排出ローラ対431と、排出ローラ対432とを備える。中間排出ローラ対431及び排出ローラ対432は、正方向及び逆方向に回転の切り替えができるように構成されるスイッチバックローラである。中間排出ローラ対431及び排出ローラ対432は、定着部53から搬送されたシートSを排出トレイ211上に排出する場合には正回転し、シートSを反転させて再搬送経路P2に搬送する場合には逆回転する。
【0029】
画像形成部5は、本実施形態では電子写真式を採用している。画像形成部5は、カラー印刷が可能な、いわゆるダイレクトタンデム方式のものであり、前後方向に並設される4つのドラムユニット51と、露光用LEDヘッド52と、定着部53と、ベルトクリーナ54とを備える。
【0030】
各ドラムユニット51はブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの4色のトナー(現像剤)に対応して設けられる。各ドラムユニット51は、感光ドラム511と、現像ローラ512と、搬送ベルト423を挟んで感光ドラム511に対向する各位置に配置された転写ローラ513とを備える。
【0031】
このような画像形成部5においては、帯電器によって一様に帯電された各感光ドラム511が、それぞれ露光用LEDヘッド52によって選択的に露光される。この露光により、各感光ドラム511の表面から電荷が選択的に除去され、各感光ドラム511の表面に静電潜像が形成される。
【0032】
各現像ローラ512には現像バイアスが印加されており、各感光ドラム511に形成された静電潜像が各現像ローラ512に対向すると、静電潜像と各現像ローラ512との間の電位差により、各現像ローラ512から静電潜像にトナーが供給される。これによって、各感光ドラム511の表面にトナー像が形成される。
【0033】
画像形成部5へ向けて搬送されたシートSは搬送ベルト423により搬送されて、搬送ベルト423と各感光ドラム511との間を順次通過する。そして、感光ドラム511の表面上のトナー像は、シートSと対向したときに、転写ローラ513に印加された転写バイアスによってシートSに転写される。
【0034】
定着部53は、搬送経路P1において4つの感光ドラム511の搬送方向下流に配設される。定着部53は、シートSに画像を熱定着させる加熱ローラ531と、加熱ローラ531に圧接する加圧ローラ532とを備える。加熱ローラ531はシートSの画像形成面側に配設されており、搬送ベルト423と同期して回転駆動され、トナーを加熱しながらシートSに搬送力を付与する。
【0035】
一方、加圧ローラ532はシートSを挟んで加熱ローラ531と反対側に配設され、シートSを加熱ローラ531側に押圧する。これにより、加圧ローラ532は加熱ローラ531と接触するシートSを介して加熱ローラ531から回転力を受けて従動回転する。
【0036】
また、定着部53は、加熱ローラ531及び加圧ローラ532よりもシートSの搬送方向下流に配置される定着排出ローラ対533を備える。
【0037】
画像形成部5において、トナー像が転写されたシートSは、加熱ローラ531と加圧ローラ532との間を通過する間にシートSにトナー像が熱定着される。トナー像が熱定着されたシートSは、定着排出ローラ対533により挟持されながら中間排出ローラ対431へ搬送される。
【0038】
ベルトクリーナ54は、ベルトユニット42と再搬送部6との間に着脱可能に配置され、搬送ベルト423から廃トナーを回収するための部材である。
【0039】
ベルトクリーナ54は、バックアップローラ541と、クリーニングローラ542と、回収ローラ543と、掻き取りブレード544と、回収室545と、廃トナーボックス546とを有している。
【0040】
バックアップローラ541は、搬送ベルト423の内側に配置され、搬送ベルト423に上方から接触している。クリーニングローラ542は、搬送ベルト423を挟んでバックアップローラ541と対向する位置に配置されており、搬送ベルト423に下方から接触している。
【0041】
ベルトクリーナ54においては、搬送ベルト423に付着する廃トナーを、クリーニングローラ542、回収ローラ543、掻き取りブレード544及び回収室545によって回収し、回収した廃トナーを廃トナーボックス546に収容するように構成されている。
【0042】
クリーニング動作は、画像形成部5による画像形成の終了後に開始される。クリーニング動作においては、搬送ベルト423の表面に付着する廃トナーが、クリーニングローラ542に印加されたバイアスによって、クリーニングローラ542の表面に静電気的に保持され、続いて回収ローラ543に静電気的に転移される。回収ローラ543に転移された廃トナーは、掻き取りブレード544により掻き取られて、回収室545内に落下する。回収室545内に落下した廃トナーは、図示しない搬送手段によって後方へ搬送されて、廃トナーボックス546に収容される。
【0043】
再搬送部6は、再搬送経路P2に沿って配置される各部材によって構成され、再搬送経路P2に沿ってシートSを搬送する。再搬送経路P2は搬送経路P1における定着部53と中間排出ローラ対431との間の分岐部P11から分岐してシートトレイ3の上方を通り、シートトレイ3と画像形成部5との間の合流部P12に合流する経路である。この構成により、再搬送経路P2がシートトレイ3の下方に配置される構成よりも再搬送経路P2を短くすることができる。
【0044】
再搬送部6は、シートトレイ3の上方であって画像形成部5の下方に、シートSの下面を案内する下シュート61と、シートSの上面を案内する上シュート62とを備える。下シュート61は、再搬送経路P2に沿ってシートSを案内するための斜送ローラ対611と再搬送ローラ612とを備える。
【0045】
筐体2の後面には下シュート61の挿入口となる開口部24が形成されている。下シュート61は開口部24を通じて前後方向に移動させることで、筐体2に対して挿抜可能となっている。
【0046】
再搬送部6は、中間排出ローラ対431から搬送されてくる一面に画像が形成されたシートSを合流部P12へ搬送する。合流部P12から画像形成部5へ再搬送されたシートSは、画像形成部5により他面に画像が形成された後、排出部43により排出トレイ211に排出される。再搬送部6においてジャムが生じた場合、下シュート61を引き出すことにより、ジャム処理することができる。
【0047】
このように、画像形成装置1においては、画像形成部5にて一面に画像が形成されたシートSを、再搬送経路P2を通じて画像形成部5へ再搬送して、当該シートSの他面に画像を形成する、いわゆる両面印刷を行うことが可能となっている。
【0048】
制御部7は、メイン回路基板(図示せず)と、低電圧回路基板71と、板金部材72と、低電圧回路基板71よりも高い電圧を印加する高電圧回路基板73(図3参照)とを備える。
【0049】
メイン回路基板は、左フレームの左面に配置され、低電圧回路基板71及び高電圧回路基板73を含む画像形成装置1全体を制御する制御部を有する基板である。低電圧回路基板71は、ベルトクリーナ54の後方であって再搬送部6と画像形成部5との間に配置され、電源回路などに低電圧を印加する基板である。
【0050】
板金部材72は、低電圧回路基板71の上下前後を覆うエンクロージャである。高電圧回路基板73は、右フレーム20の右面に配置され、画像形成部5の一部などに高電圧を印加する基板である。高電圧回路基板73は、カバー21の右側面を構成する右カバー21Aと右フレーム20との間に位置する。
【0051】
次に、このような右カバー21Aと高電圧回路基板73と右フレーム20とが順に配置される画像形成装置において、高電圧回路基板73に搭載された電子部品を外部からの衝撃から保護する構成について説明する。
【0052】
[電子部品を保護する構成]
図3はカバー21を外した画像形成装置1の右側面図、図4はトランス及びフェライトコアの拡大斜視図、図5は右カバー21Aと高電圧回路基板73と右フレーム20のトランス周辺の模式図であり、(a)は右側面図、(b)は(a)のA-A断面図である。
【0053】
図3に示すように、高電圧回路基板73は、右フレーム20の複数の突起201に挿通されて位置決めされる複数の貫通孔731と、右フレーム20にねじ止めされる複数のねじ732が挿通される複数の貫通孔(図示せず)とを有している。図3及び図4に示すように、高電圧回路基板73は、第1面の一例としての左面73Aと、第1面の反対側である第2面の一例としての右面73Bとを有している。左面73Aは右フレーム20に対向し、右面73Bは右カバー21Aに対向している。
【0054】
高電圧回路基板73は、左面73Aのねじ732から離れた位置に、電子部品の一例としてのトランス74及びフェライトコア75を有している。なお、電子部品は高電圧回路基板73に搭載された他の電子部品であってもよい。図4に示すように、トランス74は、低電圧を画像形成部5に印加する高電圧に変換する略直方体の部材である。フェライトコア75は、トランス74から発生するノイズを遮蔽するためにトランス74の周囲に配置される四角環状の部材である。図5(b)に示すように、高電圧回路基板73は、右面73Bに、各電子部品に接続される複数のプリント配線733を有している。
【0055】
図5に示すように、右フレーム20は2つの第1リブ202、203を有し、右カバー21Aは2つの第2リブ212、213を有している。第1リブ202、203は、右フレーム20の右面から高電圧回路基板73へ向かって右方へ突出し、高電圧回路基板73の左面73Aと近接する直方体のリブである。ここでいう近接とは、高電圧回路基板73が右方から押圧されて撓んだときに、トランス74及びフェライトコア75を含む高電圧回路基板73が最初に接触するのが第1リブ202、203となる距離である。なお、第1リブ202、203は、高電圧回路基板73の左面73Aと接触していてもよい。
【0056】
第1リブ202は、フェライトコア75の前方に配置され、フェライトコア75の前端縁と平行に、フェライトコア75の上端から下端まで上下方向に延びている。第1リブ203は、フェライトコア75の後方に配置され、フェライトコア75の後端縁と平行に、フェライトコア75の上端から下端まで上下方向に延びている。
【0057】
第2リブ212、213は、右カバー21Aの左面から高電圧回路基板73へ向かって左方へ突出し、プリント配線733を含む高電圧回路基板73の左面73Aと近接する直方体のリブである。ここでいう近接とは、右カバー21Aが外部である右方から押圧されて撓んだときに、プリント配線733を含む高電圧回路基板73に最初に接触するのが第2リブ212、213となる距離である。なお、第2リブ212、213は、プリント配線733を含む高電圧回路基板73の右面73Bと接触していてもよい。
【0058】
このような第1リブ202、203及び第2リブ212、213により、外部からの衝突等により右カバー21Aに衝撃が加わった際に、右カバー21Aの第2リブ212、213が高電圧回路基板73を押圧する。続いて、押圧された高電圧回路基板73が右フレーム20の第1リブ202、203を押圧する。よって、高電圧回路基板73はほとんど撓まない。
【0059】
これにより、高電圧回路基板73に搭載されたトランス74及びフェライトコア75が右フレーム20に衝突して破損することを抑制できる。すなわち、高電圧回路基板73に搭載されたトランス74及びフェライトコア75を外部からの衝撃から保護することができる。
【0060】
第2リブ212は、高電圧回路基板73と直交する方向において、つまり右方から見て、第1リブ202と同じ形状及び大きさで、第1リブ202と重なる位置に配置されている。第2リブ213は、右方から見て、第1リブ203と同じ形状及び大きさで、第1リブ202と重なる位置に配置されている。
【0061】
このように、第1リブ202、203と第2リブ212、213とが重なる位置に配置されていることにより、外部から右カバー21Aに衝撃が加わった際に、第2リブ212、213が押圧する高電圧回路基板73の位置と、高電圧回路基板73の第1リブ202、203を押圧する位置とが重なるため、高電圧回路基板73の撓みが小さくなる。したがって、第1リブ202、203及び第2リブ212、213によるトランス74及びフェライトコア75の保護効果が大きい。
【0062】
第1リブ202、203は、第1面に沿う方向、つまり上下前後方向において、フェライトコア75の前後両側に配置されている。なお、第1リブ202、203はフェライトコア75の上下両側に配置されていてもよい。これにより、外部から右カバー21Aに衝撃が加わった際に、トランス74及びフェライトコア75の周囲の高電圧回路基板73の撓みが小さくなるため、トランス74及びフェライトコア75の保護効果が大きい。
【0063】
第2リブ212は、右方から見て、プリント配線733と重なる位置に配置されている。これにより、プリント配線733を第2リブ212の接触位置を避けて配置する必要がないため、設計の自由度が高く、高電圧回路基板73を小型化することもできる。
【0064】
右方から見て、第1リブ202、203と高電圧回路基板73の左面73Aとの距離L1は、トランス74と右フレーム20との距離L2又はフェライトコア75と右フレーム20との距離L3よりも小さい。これにより、外部から右カバー21Aに衝撃が加わった際に、トランス74及びフェライトコア75が右フレーム20に当たる前に高電圧回路基板73が第1リブ202、203に当たるため、トランス74及びフェライトコア75の保護効果が大きい。
【0065】
第1リブ202、203において、高電圧回路基板73の左面73Aと近接又は接触する先端部分は、左面73Aと平行な先端面202A、203Aとなっている。同様に、第2リブ212、213において、高電圧回路基板73の右面73Bと近接又は接触する先端部分は、右面73Bと平行な先端面212A、213Aとなっている。これにより、外部から右カバー21Aに衝撃が加わった際に、第1リブ202、203の先端面202A、203A及び第2リブ212、213の先端面212A、213Aが高電圧回路基板73に面接触するため、応力が分散され、高電圧回路基板73の撓みが小さくなる。
【0066】
[実施例]
次に、第1リブ及び第2リブの実施例について説明する。図6はカバー21及び高電圧回路基板73を外した画像形成装置1の右側面の要部拡大図、図7図6において第2リブを重ねた図である。
【0067】
図6に示すように、右フレーム20は、3つの第1リブ204、205、206を有している。第1リブ204は、フェライトコア75の上方、かつフェライトコア75の前端と後端の間に配置されている。第1リブ204は、高電圧回路基板73の左面73Aと近接して左面73Aと平行な先端面204Aを有している。
【0068】
第1リブ205は、フェライトコア75の下方、かつフェライトコア75の前端と後端の間に配置されている。第1リブ205は、高電圧回路基板73の左面73Aと近接して左面73Aと平行な先端面205Aを有している。第1リブ204、205は、上下前後方向において、フェライトコア75の上下両側に配置されている。第1リブ206は、フェライトコア75の前方、かつフェライトコア75の上端と下端の間に配置されている。高電圧回路基板73の左面73Aと近接して左面73Aと平行な先端面206Aを有している。
【0069】
図7に示すように、右カバー21Aは、3つの第2リブ214、215、216を有している。右方から見て、第2リブ214は第1リブ204と、第2リブ215は第1リブ205と、第2リブ216は第1リブ206と、一部が重なる位置に配置されている。
【0070】
第2リブ214は、高電圧回路基板73の右面73Bと近接して右面73Bと平行な先端面214Aを有している。第2リブ215は、高電圧回路基板73の右面73Bと近接して右面73Bと平行な先端面215Aを有している。第2リブ216は、高電圧回路基板73の右面73Bと近接して右面73Bと平行な先端面216Aを有している。
【0071】
このような第1リブ204、205、206及び第2リブ214、215、216により、上記の実施形態と同様の作用、効果が得られる。
【符号の説明】
【0072】
1 画像形成装置
5 画像形成部
20 右フレーム(フレーム)
21A 右カバー(カバー)
73 高電圧回路基板(回路基板)
73A 左面(第1面)
73B 右面(第2面)
74 トランス(電子部品)
75 フェライトコア(電子部品)
202~206 第1リブ
202A~206A 先端面(第1面と平行な面)
212~216 第2リブ
212A~216A 先端面(第2面と平行な面)
733 プリント配線
S シート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7