(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023151947
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】管理システム、管理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20231005BHJP
G07F 17/00 20060101ALI20231005BHJP
G06Q 10/20 20230101ALI20231005BHJP
【FI】
G06Q50/10
G07F17/00 A
G06Q10/00 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022061832
(22)【出願日】2022-04-01
(71)【出願人】
【識別番号】506201600
【氏名又は名称】株式会社エスティーピー
(74)【代理人】
【識別番号】100136180
【弁理士】
【氏名又は名称】羽立 章二
(72)【発明者】
【氏名】塩川 聡
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】 既に設置された管理対象装置であっても、カウント装置を追加することで容易に遠隔での管理を実現することに適した管理システム等を提供する。
【解決手段】 A社は、例えば病院などであり、入院患者などの利用者は、コインやプリペイドカードを利用して、テレビを視聴するなどのサービスを利用することができる。管理対象装置3
1は、例えばコインランドリーとして機能するものである。管理対象装置3
1にカウント装置25を追加して、管理サーバ7によりカウント装置25から受信した検知情報を利用して管理することにより、遠隔で、管理対象装置3
1における売り上げを管理するとともに、投入された硬貨が保管部から溢れないようにメンテナンスを支援することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
価値の受け取りに応じて動作する管理対象装置を管理する管理サーバを備える管理システムであって、
前記管理対象装置は、対価処理部と、動作部と、カウント装置を備え、
前記管理サーバは、売上計算部と、判定処理部を備え、
前記対価処理部は、価値の受け取りに応じて前記動作部に対して動作指示を行い、
前記動作部は、前記対価処理部からの動作指示により動作し、
前記管理対象装置は、前記カウント装置がない状態で、前記対価処理部及び前記動作部により動作できるものであり、
前記カウント装置は、価値を受け取ること及び/又は前記動作部の動作に応じて、前記管理サーバに検知情報を送信し、
前記売上計算部は、前記検知情報を利用して前記管理対象装置において増減した価値を計算し、
前記判定処理部は、
前記対価処理部が有体物を受け取って受取物保管部に保管することにより前記価値を受け取る場合に、前記検知情報を利用して前記受取物保管部において保管されている有体物の数が受取物保管条件数以上であるか否かを検出し、
前記動作部が在庫部に保管されている有体物を提供する場合に、前記検知情報を利用して前記在庫部において保管されている有体物の数が在庫条件数以下であるか否かを検出する、管理システム。
【請求項2】
前記対価処理部は、予め定められた数の第1貨幣を受け取って第1貨幣保管部に保管することによって前記動作部に対して動作指示を行い、
前記カウント装置は、第1貨幣を受け取ったことに応じて、前記管理サーバに検知情報を送信し、
前記売上計算部は、前記検知情報を利用して前記第1貨幣によって前記管理対象装置に支払われた価値を計算し、
前記判定処理部は、前記検知情報を利用して前記第1貨幣保管部において保管されている第1貨幣の数が受取物保管条件数以上であるか否かを検出する、請求項1記載の管理システム。
【請求項3】
前記対価処理部は、価値を示す情報を変更して前記動作部に対して動作指示を行い、
前記カウント装置は、価値を示す情報を変更したことに応じて、前記管理サーバに検知情報を送信し、
前記売上計算部は、前記検知情報を利用して価値を示す情報を変更したことにより前記管理対象装置に支払われた価値を計算する、請求項1又は2に記載の管理システム。
【請求項4】
前記対価処理部は、予め定められた数の第2貨幣を受け取って第2貨幣保管部に保管することによって前記動作部に対して動作指示を行い、
前記動作部は、前記対価処理部の動作指示に従って記録媒体在庫部に保管された記録媒体を提供し、
前記カウント装置は、前記動作部が前記記録媒体を提供したことに応じて、前記管理サーバに検知情報を送信し、
前記売上計算部は、前記検知情報を利用して前記第2貨幣によって前記管理対象装置に支払われた価値を計算し、
前記判定処理部は、前記検知情報を利用して前記第2貨幣保管部において保管されている第2貨幣の数が第2貨幣保管条件数以上であるか否かを検出し、
前記判定処理部は、前記検知情報を利用して前記記録媒体在庫部において保管されている記録媒体の数が記録媒体在庫条件数以下であるか否かを検出する、請求項1記載の管理システム。
【請求項5】
前記対価処理部は、記録媒体を受け取って記録媒体保管部に保管することによって前記動作部に対して動作指示を行い、
前記動作部は、前記対価処理部の指示に従って、前記記録媒体に記録された情報に対応する価値を、第3貨幣在庫部に保管された第3貨幣から支払い、
前記カウント装置は、前記動作部による前記第3貨幣の支払いに応じて、前記管理サーバに検知情報を送信し、
前記売上計算部は、前記検知情報を利用して前記第3貨幣によって前記管理対象装置から支払われた価値を計算し、
前記判定処理部は、前記検知情報を利用して前記第3貨幣在庫部において保管されている第3貨幣の数が第3貨幣在庫条件数以下であるか否かを検出する、請求項1記載の管理システム。
【請求項6】
前記売上計算部は、同じ組織に所属する複数の管理対象装置において増減した価値を合算するとともに、前記判定処理部が当該組織に所属する複数の管理対象装置のメンテナンスを行う、請求項1から5のいずれかに記載の管理システム。
【請求項7】
価値の受け取りに応じて動作する管理対象装置を管理する管理サーバを備える管理システムにおける管理方法であって、
前記管理対象装置は、対価処理部と、動作部と、カウント装置を備え、
前記管理サーバは、売上計算部と、判定処理部を備え、
前記対価処理部は、価値の受け取りに応じて前記動作部に対して動作指示を行い、
前記動作部は、前記対価処理部からの動作指示により動作し、
前記管理対象装置は、前記カウント装置がない状態で、前記対価処理部及び前記動作部により動作できるものであり、
前記カウント装置が、価値を受け取ること及び/又は前記動作部の動作に応じて、前記管理サーバに検知情報を送信し、
前記売上計算部が、前記検知情報を利用して前記管理対象装置において増減した価値を計算し、
前記判定処理部が、
前記対価処理部が有体物を受け取って受取物保管部に保管することにより前記価値を受け取る場合に、前記検知情報を利用して前記受取物保管部において保管されている有体物の数が受取物保管条件数以上であるか否かを検出し、
前記動作部が在庫部に保管されている有体物を提供する場合に、前記検知情報を利用して前記在庫部において保管されている有体物の数が在庫条件数以下であるか否かを検出するステップを含む管理方法。
【請求項8】
コンピュータを、請求項1から6のいずれかに記載の管理サーバとして機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理システム、管理方法及びプログラムであって、価値の受け取りに応じて動作する管理対象装置を管理する管理サーバを備える管理システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に記載されているように、メンテナンスカウンタ情報を利用して機器のメンテナンスを行うことは知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1などに記載のメンテナンスカウンタ情報は、部品、消耗品などの使用回数をカウントして機器の動作状況を確保するものである。そのため、機器に当初から組み込まれ、後付けで管理できるようにするものではない。
【0005】
出願人は、病院、ホテルなどで、プリペイドカード式テレビ、コインランドリーサービスなどを提供している。すでに多くの装置が導入されており、メンテナンスカウンタ機器を組み込んだ装置に入れ替えることは困難である。そのため、特許文献1のように機器に予め密接に関連する管理では、遠隔での管理を実現することは困難である。
【0006】
よって、本願発明は、既に設置された管理対象装置であっても、カウント装置を追加することで容易に遠隔での管理を実現することに適した管理システム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明の第1の側面は、価値の受け取りに応じて動作する管理対象装置を管理する管理サーバを備える管理システムであって、前記管理対象装置は、対価処理部と、動作部と、カウント装置を備え、前記管理サーバは、売上計算部と、判定処理部を備え、前記対価処理部は、価値の受け取りに応じて前記動作部に対して動作指示を行い、前記動作部は、前記対価処理部からの動作指示により動作し、前記管理対象装置は、前記カウント装置がない状態で、前記対価処理部及び前記動作部により動作できるものであり、前記カウント装置は、価値を受け取ること及び/又は前記動作部の動作に応じて、前記管理サーバに検知情報を送信し、前記売上計算部は、前記検知情報を利用して前記管理対象装置において増減した価値を計算し、前記判定処理部は、前記対価処理部が有体物を受け取って受取物保管部に保管することにより前記価値を受け取る場合に、前記検知情報を利用して前記受取物保管部において保管されている有体物の数が受取物保管条件数以上であるか否かを検出し、前記動作部が在庫部に保管されている有体物を提供する場合に、前記検知情報を利用して前記在庫部において保管されている有体物の数が在庫条件数以下であるか否かを検出する。
【0008】
本願発明の第2の側面は、第1の側面の管理システムであって、前記対価処理部は、予め定められた数の第1貨幣を受け取って第1貨幣保管部に保管することによって前記動作部に対して動作指示を行い、前記カウント装置は、第1貨幣を受け取ったことに応じて、前記管理サーバに検知情報を送信し、前記売上計算部は、前記検知情報を利用して前記第1貨幣によって前記管理対象装置に支払われた価値を計算し、前記判定処理部は、前記検知情報を利用して前記第1貨幣保管部において保管されている第1貨幣の数が受取物保管条件数以上であるか否かを検出する。
【0009】
本願発明の第3の側面は、第1又は第2の側面の管理システムであって、前記対価処理部は、価値を示す情報を変更して前記動作部に対して動作指示を行い、前記カウント装置は、価値を示す情報を変更したことに応じて、前記管理サーバに検知情報を送信し、前記売上計算部は、前記検知情報を利用して価値を示す情報を変更したことにより前記管理対象装置に支払われた価値を計算する。
【0010】
本願発明の第4の側面は、第1の側面の管理システムであって、前記対価処理部は、予め定められた数の第2貨幣を受け取って第2貨幣保管部に保管することによって前記動作部に対して動作指示を行い、前記動作部は、前記対価処理部の動作指示に従って記録媒体在庫部に保管された記録媒体を提供し、前記カウント装置は、前記動作部が前記記録媒体を提供したことに応じて、前記管理サーバに検知情報を送信し、前記売上計算部は、前記検知情報を利用して前記第2貨幣によって前記管理対象装置に支払われた価値を計算し、前記判定処理部は、前記検知情報を利用して前記第2貨幣保管部において保管されている第2貨幣の数が第2貨幣保管条件数以上であるか否かを検出し、前記判定処理部は、前記検知情報を利用して前記記録媒体在庫部において保管されている記録媒体の数が記録媒体在庫条件数以下であるか否かを検出する。
【0011】
本願発明の第5の側面は、第1の側面の管理システムであって、前記対価処理部は、記録媒体を受け取って記録媒体保管部に保管することによって前記動作部に対して動作指示を行い、前記動作部は、前記対価処理部の指示に従って、前記記録媒体に記録された情報に対応する価値を、第3貨幣在庫部に保管された第3貨幣から支払い、前記カウント装置は、前記動作部による前記第3貨幣の支払いに応じて、前記管理サーバに検知情報を送信し、前記売上計算部は、前記検知情報を利用して前記第3貨幣によって前記管理対象装置から支払われた価値を計算し、前記判定処理部は、前記検知情報を利用して前記第3貨幣在庫部において保管されている第3貨幣の数が第3貨幣在庫条件数以下であるか否かを検出する。
【0012】
本願発明の第6の側面は、第1から第5のいずれかの側面の管理システムであって、前記売上計算部は、同じ組織に所属する複数の管理対象装置において増減した価値を合算するとともに、前記判定処理部が当該組織に所属する複数の管理対象装置のメンテナンスを行う。
【0013】
本願発明の第7の側面は、価値の受け取りに応じて動作する管理対象装置を管理する管理サーバを備える管理システムにおける管理方法であって、前記管理対象装置は、対価処理部と、動作部と、カウント装置を備え、前記管理サーバは、売上計算部と、判定処理部を備え、前記対価処理部は、価値の受け取りに応じて前記動作部に対して動作指示を行い、前記動作部は、前記対価処理部からの動作指示により動作し、前記管理対象装置は、前記カウント装置がない状態で、前記対価処理部及び前記動作部により動作できるものであり、前記カウント装置が、価値を受け取ること及び/又は前記動作部の動作に応じて、前記管理サーバに検知情報を送信し、前記売上計算部が、前記検知情報を利用して前記管理対象装置において増減した価値を計算し、前記判定処理部が、前記対価処理部が有体物を受け取って受取物保管部に保管することにより前記価値を受け取る場合に、前記検知情報を利用して前記受取物保管部において保管されている有体物の数が受取物保管条件数以上であるか否かを検出し、前記動作部が在庫部に保管されている有体物を提供する場合に、前記検知情報を利用して前記在庫部において保管されている有体物の数が在庫条件数以下であるか否かを検出するステップを含む。
【0014】
本願発明の第8の側面は、コンピュータを、第1から第6のいずれかの側面の管理サーバとして機能させるためのプログラムである。なお、本願発明を、第8の側面のプログラムを記録するコンピュータ読み取り可能な記録媒体として捉えてもよい。
【0015】
本願発明の第2又は第3の側面において、前記管理対象装置は例えば洗濯機及び/又は乾燥機であり、前記動作部は洗濯及び/又は乾燥の処理を行うものである。
【0016】
本願発明の第4又は第5の側面において、前記記録媒体は例えばプリペイドカードであり、対価処理部はプリペイドカードに記録された残度数を減らすことにより価値を受け取るものである。
【0017】
本願発明において、第1貨幣は、一つ又は複数の種類の紙幣及び/又は硬貨である。例えば対価処理部が複数の種類の紙幣及び/又は硬貨を受け取る場合に、第1貨幣保管条件数は、各種類の紙幣及び/又は硬貨について条件数が定められている。判定処理部は、各種類の紙幣及び/又は硬貨について条件数以上であるか否かを検出する。
【0018】
本願発明において、第2貨幣は、一つ又は複数の種類の紙幣及び/又は硬貨である。例えば対価処理部が複数の種類の紙幣及び/又は硬貨を受け取る場合に、第2貨幣保管条件数は、各種類の紙幣及び/又は硬貨について条件数が定められている。判定処理部は、各種類の紙幣及び/又は硬貨について条件数以上であるか否かを検出する。
【0019】
本願発明において、第3貨幣は、一つ又は複数の種類の紙幣及び/又は硬貨である。例えば100円硬貨と10円硬貨である。例えば動作部が複数の種類の紙幣及び/又は硬貨を組み合わせて支払う場合に、第3貨幣在庫条件数は、各種類の紙幣及び/又は硬貨について条件数が定められている。判定処理部は、各種類の紙幣及び/又は硬貨について条件数以下であるか否かを検出する。
【発明の効果】
【0020】
本願発明の各側面によれば、カウント装置を利用することにより、カード販売機、カード精算機、洗濯機、乾燥機などのように仕様の異なる管理対象装置から必要な情報を入手して遠隔での管理を実現できる。さらに、既存の管理対象装置にカウント装置を後付けで追加しても、容易に管理を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本願発明の実施の形態に係る管理システム1の構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図1の管理対象装置3
1におけるカウント装置25の動作の一例を示すフロー図である。
【
図3】検知情報を受信したときの売上計算部53の動作の一例を示すフロー図である。
【
図4】判定処理部55の動作の一例を示すフロー図である。
【
図5】売上計算部53による、契約期間における各組織の売り上げを計算する動作の一例を示すフロー図である。
【
図6】管理対象装置がランドリー装置101である場合の構成の一例を示す図である。
【
図7】(a)管理対象装置がカード販売機131である場合の構成の一例と、(b)管理対象装置がカード精算機161である場合の構成の一例を示す図である。
【
図8】カウンタ設定保存部57における設定の一例を示す図である。
【
図9】
図1の記憶部45における管理の一例を説明するための図である。
【
図10】
図9の機器コード0101の洗濯機において、管理サーバにおける検知情報の管理の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して、本願発明の実施例について述べる。なお、本願発明の実施の形態は、以下の実施例に限定されるものではない。
【実施例0023】
図1は、本願発明の実施の形態に係る管理システム1の構成の一例を示すブロック図である。この例では、管理システム1において、管理サーバ7が、2つの組織(A社及びB社)に所属する複数の管理対象装置(本願請求項の「管理対象装置」の一例)を管理する。組織は、例えば病院、ホテルなどである。管理対象装置3
1,…,3
P(Pは自然数)は、A社に所属する。管理対象装置5
1,…,5
Q(Qは自然数)は、B社に所属する。管理対象装置は、価値の受け取りに応じて動作するものであり、例えば、ランドリー装置(洗濯機、乾燥機など)、カード販売機(プリペイドカード販売機など)、カード精算機(プリペイドカード精算機など)などである。3つ以上の組織についても、同様に管理することができる。
【0024】
図1を参照して、管理システム1の構成の一例を説明する。
【0025】
管理システム1は、A社に所属する管理対象装置31,…,3Pと、B社に所属する管理対象装置51,…,5Qと、管理サーバ7と、全体管理端末9と、A社管理端末11と、B社管理端末13を備える。
【0026】
管理対象装置31は、対価処理部21(本願請求項の「対価処理部」の一例)と、動作部23(本願請求項の「動作部」の一例)と、カウント装置25(本願請求項の「カウント装置」の一例)を備える。カウント装置25は、信号検知部27と、検知送信部33を備える。他の管理対象装置も、同様の構成である。
【0027】
管理サーバ7は、通信部41と、処理部43と、記憶部45を備える。
【0028】
通信部41は、他の装置と通信を行うものである。通信部41は、検知受信部47と、端末通信部49を備える。検知受信部47は、各管理対象装置の検知送信部から検知情報を受信する。端末通信部49は、全体管理端末9、A社管理端末11及びB社管理端末13と通信を行う。
【0029】
処理部43は、例えばプロセッサなどの情報処理を行うものである。処理部43は、売上計算部53(本願請求項の「売上計算部」の一例)と、判定処理部55(本願請求項の「判定処理部」の一例)を備える。
【0030】
記憶部45は、例えばメモリなどデータを記憶するものである。記憶部45は、カウンタ設定保存部57と、履歴保存部59と、エラー判定結果保存部61と、売上保存部63を備える。
【0031】
カウンタ設定保存部57は、A社設定保存部65と、B社設定保存部67を備え、組織別にカウント装置に関する設定情報を保存する。
【0032】
履歴保存部59は、A社履歴保存部69と、B社履歴保存部71を備え、組織別に、各カウント装置から受信した検知情報を分析して得られたイベントを特定する情報の履歴を保存する。
【0033】
エラー判定結果保存部61は、A社エラー判定結果保存部73と、B社エラー判定結果保存部75を備え、組織別に、各カウント装置から受信した検知情報を使用した判定処理における判定結果を保存する。
【0034】
売上保存部63は、A社売上保存部77と、B社売上保存部79を備え、組織別に、各カウント装置から受信した検知情報を使用して計算された売り上げを保存する。
【0035】
全体管理端末9は、管理サーバ7の管理者が使用する端末である。全体管理端末9は、通信部81と、処理部83と、入出力部85を備える。
【0036】
A社管理端末11は、A社の担当者が使用する端末である。A社管理端末11は、通信部87と、処理部89と、入出力部91を備える。
【0037】
B社管理端末13は、B社の担当者が使用する端末である。B社管理端末13は、通信部93と、処理部95と、入出力部97を備える。
【0038】
図2は、
図1の管理対象装置3
1におけるカウント装置25の動作の一例を示すフロー図である。
【0039】
管理対象装置31において、対価処理部21は、価値の受け取りに応じて動作部23に対して動作指示を行う。動作部23は、対価処理部21からの動作指示により動作する。管理対象装置31は、カウント装置25がない状態で、対価処理部21及び動作部23により動作できるものである。
【0040】
カウント装置25において、信号検知部27は、対価処理部21及び/又は動作部23における一つ又は複数の信号の発生を監視し、少なくとも一つの信号が発生したことを検知する。
【0041】
検知送信部33は、信号検知部27が信号を検知すると、管理サーバ7に、信号検知部27が検知した信号を特定する情報を含む検知情報を送信する。検知送信部33は、例えば、信号を検知したタイミングで検知情報を送信してもよく、信号検知部27が検知してから一定期間(例えば2秒間)待機して待機時間内に検知しない場合に未送信の検知情報をまとめて送信してもよい。
【0042】
検知情報は、例えば、信号検知部27が複数の信号の発生を監視する場合に、いずれかの信号が発生したことを検知したときに、発生した信号を特定できる情報を含む。例えば信号検知部27が5つの信号の発生を監視しているときに、いずれかの信号が発生したならば、発生した信号に対応するビットを1とし、発生していない信号に対応するビットを0とする5ビットの情報を含むことなどにより実現することができる。管理サーバ7は、監視する信号とビットの位置との対応関係を、機器種別(
図8参照)により特定することができる。
【0043】
例えば、管理対象装置31が洗濯機である場合に、この洗濯機が、1動作200円で動作し、その支払いは、100円硬貨による支払いとプリペイドカードによる支払いのどちらでもよいとする。カウンタ設定保存部57において、カウント装置25が設置される管理対象装置31が1動作200円である情報を管理する。
【0044】
この場合に、信号検知部27は、例えば2つの信号の発生を監視する。監視する信号は、例えば、100円硬貨が投入されたことを示す信号と、プリペイドカードの残度数が減らされたことを示す信号である。検知送信部33は、これらの2つの信号の発生の有無を示す情報(例えば、これらの2つの信号の順に、各信号の発生の有無に対応して1又は0となる2ビットの情報)を含む検知情報を送信する。管理サーバ7では、例えば、「10」(すなわち、1枚の100円硬貨が投入されたことを示す信号が検出されたこと)、及び、「10」(すなわち、さらに、1枚の100円硬貨が投入されたことを示す信号が検出されたこと)を含む2つの検知情報を順に受信すると、1動作200円のために100円硬貨が2枚投入されたことを知ることができる。管理サーバ7では、本体カウンタを1増加させて、現金による売り上げを200円増加させるとともに、保管する現金を200円増加したイベントを生成する。
【0045】
同様に、管理サーバ7では、例えば、「01」(すなわち、プリペイドカードの残高を減らしたことを示す信号が検出されたこと)、及び、「01」(すなわち、さらに、プリペイドカードの残高を減らしたことを示す信号が検出されたこと)を含む2つの検知情報を順に受信すると、1動作200円のためにプリペイドカードの残高が2減らされたことを知ることができる。管理サーバ7では、本体カウンタを1増加させて、プリペイドカードによる売り上げを200円増加したイベントを生成する。
【0046】
なお、対価処理部21は、QRコード(登録商標)などによる決済を利用してもよい。
【0047】
図2を参照して、検知送信部33は、信号検知部27が信号の発生を検知したか否かを判定する(
図2のステップSTA1)。信号が発生するまで待機し、信号が発生したならば、発生した信号に対応する検知情報を管理サーバ7に送信して(ステップSTA2)、ステップSTA1に戻る。
【0048】
また、検知送信部33は、
図2のように信号検知部による信号検知が行われるたびに管理サーバ7に送信してもよく、また、バッチ処理により所定間隔(例えば1日ごと)で管理サーバ7に送信してもよい。
【0049】
図3、
図4及び
図5は、売上計算部53及び判定処理部55の動作の一例を示すフロー図である。
【0050】
A社設定保存部65は、A社に属する管理対象装置に設けられたカウント装置25に関する情報が設定されている。カウント装置25に関する情報は、例えば、検知情報を受信したときに送信元となるカウント装置25を特定するための情報、カウント装置25が設けられている管理対象装置の機器種別、などを含む。
【0051】
カウンタ設定保存部57では、A社とB社について共通する管理対象装置について、機器種別と、本体カウンタ条件、信号検知条件、価格設定、検知回数、単価などの対応関係を特定するための情報(
図8参照)を含む。そのため、A社設定保存部65によりカウント装置25が設けられている管理対象装置の機器種別が特定されれば、本体カウンタ条件、信号検知条件などを特定することができる。
【0052】
A社設定保存部65は、例えば、検知受信部47が検知送信部33から検知情報を受信した場合に、受信した検知情報からカウント装置25を特定するための情報が設定されている。これは、例えば、検知送信部33がカウント装置25に与えられた識別情報を含めて検知情報を送信する場合に、A社設定保存部65にはカウント装置25の識別情報が設定されており、売上計算部53は、検知情報に含まれた識別情報によってカウント装置25を特定することができる。また、例えば検知送信部33が電話などの発信者を特定できる通信手段を使用して送信する場合に、A社設定保存部65には検知送信部33の発信者情報が設定されており、売上計算部53は、検知情報の発信者情報によってカウント装置25を特定することができる。
【0053】
売上計算部53は、検知情報を利用して、管理対象装置において生じたイベントを特定して履歴保存部59に時系列に従って順次保存する(
図10参照)。売上計算部53は、A社に属する管理対象装置のイベントをA社履歴保存部69に保存する。売上計算部53は、B社に属する管理対象装置のイベントをB社履歴保存部71に保存する。
【0054】
図3は、売上計算部53の動作の一例を示すフロー図である。売上計算部53は、検知受信部47が検知情報を受信したか否かを判断する(ステップSTB1)。検知情報を受信するまで待機して、検知情報を受信したならば、本体カウンタ条件が成立したか否かを判断する(ステップSTB2)。本体カウンタ条件が成立していないならば、ステップSTB1に戻る。本体カウンタ条件が成立したならば、受信した検知情報を利用して、管理対象装置において増減した価値を特定してイベントを生成して保存して(ステップSTB3)、ステップSTB1に戻る。
【0055】
売上計算部53は、カウント装置25が設けられている管理対象装置の機器種別から、信号検知条件と、本体カウンタ条件を特定する(
図8参照)。
【0056】
信号検知条件は、検知情報により特定される発生した信号についての条件である。売上計算部53は、信号検知条件により、検知情報が、例えば、1動作200円のために100円硬貨が投入されたことを示すものであることなどを知ることができる。
【0057】
信号検知条件に対応して、本体カウンタ条件が設定されている(
図8参照)。本体カウンタ条件は、カウンタ設定保存部57に保存されている。本体カウンタ条件は、本体カウンタをカウントアップするための条件であり、例えば、信号検知条件を満たす検知数が所定数となったことである。
【0058】
例えば管理対象装置31が洗濯機である場合に、この洗濯機が、1動作100円で動作し、その支払いは、100円硬貨による支払いとプリペイドカードによる支払いのどちらでもよいとする。
【0059】
例えば、検知情報が100円硬貨を1枚投入されたことを示す信号検知条件を満たすものである場合、これが1回検知されると本体カウンタ条件を満たす。売上計算部53は、本体カウンタ条件が成立したならば、直前のイベントに対して、この洗濯機が保管する現金を100円増加させ、現金による売り上げを100円増加させて、本体カウンタを1増加して「動作数」をカウントして、新たなイベントを生成する。
【0060】
例えば、検知情報が1動作100円のためにプリペイドカードの残度数を減らしたことを示す信号検知条件を満たすものである場合、これが1回検知されると本体カウンタ条件を満たす。売上計算部53は、本体カウンタ条件が成立したならば、直前のイベントに対して、カード売り上げを100円増加させ、本体カウンタを1増加して「動作数」をカウントして、新たなイベントを生成する。
【0061】
例えば管理対象装置31が洗濯機である場合に、この洗濯機が、1動作200円で動作し、その支払いは、100円硬貨による支払いとプリペイドカードによる支払いのどちらでもよいとする。
【0062】
例えば、検知情報が1動作200円のために100円硬貨を1枚投入されたことを示す信号検知条件を満たすものである場合、これが2回検知されると本体カウンタ条件を満たす。売上計算部53は、本体カウンタ条件が成立したならば、直前のイベントに対して、この洗濯機が保管する現金を200円増加させ、現金による売り上げを200円増加させて、本体カウンタを1増加して「動作数」をカウントして、新たなイベントを生成する。
【0063】
例えば、検知情報が1動作200円のためにプリペイドカードの残度数を減らしたことを示す信号検知条件を満たすものである場合、これが2回検知されると本体カウンタ条件を満たす。売上計算部53は、本体カウンタ条件が成立したならば、直前のイベントに対して、カード売り上げを200円増加させ、本体カウンタを1増加して「動作数」をカウントして、新たなイベントを生成する。
【0064】
例えば1枚1000円でプリペイドカードを提供する場合に、信号検知条件はプリペイドカードを排出したことであり、本体カウンタ条件は信号検知条件が1回成立したことであり、本体カウンタは「カード排出数」をカウントする。売上計算部53は、本体カウンタ条件が成立したならば、直前のイベントに対して、カード販売機において保管する1000円紙幣の数を1増加して、カード販売機において在庫として保管されていたプリペイドカードの数を1枚減少し、本体カウンタを1増加して、新たなイベントを生成する。
【0065】
また、例えば1枚2000円でプリペイドカードを提供する場合に、信号検知条件はプリペイドカードを排出したことであり、本体カウンタ条件は信号検知条件が1回成立したことであり、本体カウンタは「カード排出数」をカウントする。売上計算部53は、本体カウンタ条件が成立したならば、直前のイベントに対して、カード販売機において保管する1000円紙幣の数を2増加して、カード販売機において在庫として保管されていたプリペイドカードの数を1枚減少し、本体カウンタを1増加して、新たなイベントを生成する。
【0066】
例えばプリペイドカードのカード精算機において100円硬貨及び10円硬貨を組み合わせて提供する場合に、信号検知条件は100円硬貨を排出したことであり、本体カウンタ条件は信号検知条件が1回成立したことであり、本体カウンタは「100円硬貨の排出数」をカウントする。
【0067】
例えばプリペイドカードのカード精算機において10円硬貨を提供する場合に、信号検知条件は10円硬貨を排出したことであり、本体カウンタ条件は信号検知条件が1回成立したことであり、本体カウンタは「10円硬貨の排出数」をカウントする。
【0068】
例えばプリペイドカードのカード精算機において、対価処理部21が230円分の残度数を示すプリペイドカードを1枚受け取って、動作部23が100円硬貨2枚と10円硬貨3枚を提供して精算したとする。この場合、100円硬貨用カウント装置から受信した2つの検知情報により2枚の100円硬貨を排出したこと、及び、10円硬貨用カウント装置から受信した3つの検知情報により3枚の10円硬貨を排出したことを把握することができる。売上計算部53は、100円硬貨を排出したことを示す各検知情報を受信すると、直前のイベントに対して、カード精算機において在庫として保管されていた100円硬貨の数を1枚減少し、本体カウンタを1増加し、売り上げを100円減らして、新たなイベントを生成する。同様に、10円硬貨を排出したことを示す各検知情報を受信すると、直前のイベントに対して、カード精算機において在庫として保管されていた10円硬貨の数を1枚減少し、本体カウンタを1増加し、売り上げを10円減らして、新たなイベントを生成する。
【0069】
なお、本体カウンタのカウント値は一方向(増加又は減少)に変化する値によって管理すればよく、例えばカウントアップによって増加してもよく、カウントダウンによって減少させてもよい。
【0070】
図4は、判定処理部55の動作の一例を示すフロー図である。判定処理部55は、売上計算部53が新たなイベントを生成したか否かを判定する(ステップSTC1)。新たにイベントが生成されるまで待機し、新たにイベントが生成された場合、当該イベントにおいてカウンタ設定保存部57に保存された情報を利用してエラー判定処理を行い、判定結果をエラー判定結果保存部61に保存して(ステップSTC2)、ステップSTC1に戻る。
【0071】
ステップSTC2において、判定処理部55は、A社に属する管理対象装置の判定結果をA社エラー判定結果保存部73に保存する。判定処理部55は、B社に属する管理対象装置の判定結果をB社エラー判定結果保存部75に保存する。
【0072】
エラー判定処理は、イベントに含まれる有体物の数を示す情報を利用して、例えば、受け取った有体物を保管する保管部があふれたり、在庫として保管していた有体物が足りなくなったりするおそれが生じたか否かを判定する。保管部が保管する受け取った有体物の数が受取物保管条件数以上であるならば、保管部があふれるリスクがあるとして、エラーが生じたと判定する。受取物保管条件数を超えないならば、保管部があふれるリスクがないとして、エラーが生じていないと判定する。在庫として保管する有体物の数が在庫条件数以下であるならば、在庫が足りなくなるリスクがあるとして、エラーが生じたと判定する。在庫条件数よりも多いならば、在庫が足りないリスクがないとして、エラーが生じていないと判定する。受取物保管条件数及び/又は在庫条件数は、各管理対象装置のカウント装置に対応してカウンタ設定保存部57に設定されている。
【0073】
例えば予め定められた100円硬貨を受け取って動作する洗濯機では、イベントに、この洗濯機で保管する100円硬貨の数を示す情報が含まれている。これが、カウンタ設定保存部57に保存された受取物保管条件数以上であることを示すものであれば、100円硬貨があふれるリスクがあると判断する。例えばイベントにおいて現金で管理している場合に、受取物保管条件数を100円硬貨が40枚であることとするならば、例えば現金5000円は100円硬貨が50枚存在することを意味するため、イベントに含まれる現金が4000円以上であることを判定することにより、100円硬貨が受取物保管条件数以上であることを判定することができる。
【0074】
同様に、例えばカード精算機において在庫として100円硬貨を保管している場合に、イベントでは、在庫として保管する100円硬貨の数を示す情報が含まれている。これが、カウンタ設定保存部57に保存された在庫条件数以下であれば、100円硬貨が不足するリスクがあると判断する。例えばイベントにおいて在庫金額で管理している場合に、在庫条件数を100円硬貨が20枚であることとするならば、例えば現金1500円は100円硬貨が15枚存在することを意味するため、在庫金額が2000円以下であることを判定することにより、100円硬貨が在庫条件数以下であることを判定することができる。
【0075】
図5は、売上計算部53による、契約期間における各組織の売り上げを計算する動作の一例を示すフロー図である。
【0076】
売上計算部53は、各組織との契約により定められる期間が経過したか否かを判定する(ステップSTE1)。期間が経過するまで待ち、期間が経過すると、経過した期間が、A社との契約であるか、B社との契約であるかを判定する(ステップSTE2)。A社との契約であれば、A社に属する各装置で受け取った価値及び提供した価値を計算して合算し、A社売上保存部77に保存して(ステップSTE3)、ステップSTE1に戻る。B社との契約であれば、B社に属する各装置で受け取った価値及び提供した価値を計算して合算し、B社売上保存部79に保存して(ステップSTE4)、ステップSTE1に戻る。
【0077】
B社に所属する管理対象装置に関しても、A社に所属する管理対象装置と同様に管理することができる。
【0078】
図6は、管理対象装置がランドリー装置101である場合の構成の一例を示す図である。ランドリー装置101は、コインランドリーであり、利用者(入院患者、宿泊者など)は、2枚の100円硬貨を投入すると洗濯機、乾燥機などを使用することができる。利用者は、100円硬貨の投入に代えて、プリペイドカードで支払いをすることができる。
【0079】
ランドリー装置101は、対価処理部103(本願請求項の「対価処理部」の一例)と、動作部105(本願請求項の「動作部」の一例)と、カウント装置107(本願請求項の「カウント装置」の一例)を備える。
【0080】
対価処理部103は、受取部111と、第1貨幣保管部113(本願請求項の「第1貨幣保管部」の一例)と、動作指示部115を備える。
【0081】
カウント装置107は、信号検知部117と、検知送信部123を備える。
【0082】
対価処理部103において、受取部111が2枚の100円硬貨を受け取ると、第1貨幣保管部113は受け取った2枚の100円硬貨を保管して、動作指示部115は動作部105に動作指示をする。また、受取部111が十分な残度数のあるプリペイドカードを受け取ると、動作指示部115は、プリペイドカードの残度数を200円分減らして返却して、動作部105に動作指示をする。動作部105は、動作指示に従い、洗濯及び/又は乾燥のための動作を行う。
【0083】
カウント装置107において、信号検知部117は、対価処理部103及び動作部105の信号の発生を監視する。検知送信部123は、信号検知部117が信号の発生を検知すると、検知情報を管理サーバに送信する。
【0084】
図7(a)は、管理対象装置がカード販売機131である場合の構成の一例を示す図である。カード販売機131は、例えば、利用者が支払った金額に対応するプリペイドカードを提供する。例えば、1000円紙幣を1枚投入すると、1000円分のプリペイドカードが1枚提供される。
【0085】
カード販売機131は、対価処理部133(本願請求項の「対価処理部」の一例)と、動作部135(本願請求項の「動作部」の一例)と、記録媒体在庫部137(本願請求項の「記録媒体在庫部」の一例)と、カウント装置139(本願請求項の「カウント装置」の一例)を備える。
【0086】
対価処理部133は、受取部141と、第2貨幣保管部143(本願請求項の「第2貨幣保管部」の一例)と、動作指示部145を備える。
【0087】
カウント装置139は、信号検知部147と、検知送信部153を備える。
【0088】
対価処理部133において、受取部141が1枚の1000円紙幣を受け取ると、第2貨幣保管部143は受け取った1枚の1000円紙幣を保管して、動作指示部145は動作部135に動作指示をする。動作部135は、記録媒体在庫部137に保管されている1000円分の残度数のあるプリペイドカードを1枚提供する。
【0089】
カウント装置139において、信号検知部147は、動作部135の信号の発生を監視する。信号検知部147が、動作部135が1枚のプリペイドカードを提供したことを示す信号を検知したならば、検知送信部153は検知情報を管理サーバに送信する。
【0090】
図7(b)は、管理対象装置がカード精算機161である場合の構成の一例を示す図である。カード精算機161は、プリペイドカードの未使用の残度数について精算を行う。例えば230円分の残度数のプリペイドカードを受け取ると、100円硬貨を2枚、10円硬貨を3枚提供して精算する。
【0091】
カード精算機161は、対価処理部163(本願請求項の「対価処理部」の一例)と、動作部165(本願請求項の「動作部」の一例)と、第3貨幣在庫部167(本願請求項の「第3貨幣在庫部」の一例)と、カウント装置169(本願請求項の「カウント装置」の一例)を備える。
【0092】
対価処理部163は、受取部171と、記録媒体保管部173(本願請求項の「記録媒体保管部」の一例)と、動作指示部175を備える。
【0093】
第3貨幣在庫部167は、10円硬貨在庫部177と、100円硬貨在庫部179を備える。
【0094】
カウント装置169は、10円硬貨用カウント装置207と、100円硬貨用カウント装置209を備える。
【0095】
10円硬貨用カウント装置207は、信号検知部181と、検知送信部187を備える。
【0096】
100円硬貨用カウント装置209は、信号検知部189と、検知送信部195を備える。
【0097】
対価処理部163において、受取部171が1枚のプリペイドカードを受け取ると、記録媒体保管部173は受け取ったプリペイドカードを保管して、動作指示部175は動作部165に対して残度数を示す情報を含む動作指示を行う。動作部165は、残度数に応じて、10円硬貨在庫部177に保管された10円硬貨及び100円硬貨在庫部179に保管された100円硬貨を組み合わせて精算処理を行う。
【0098】
10円硬貨用カウント装置207において、信号検知部181は、動作部165の信号を検知する。信号検知部181が動作部165により10円硬貨を提供したことを示す信号を検知したならば、検知送信部187は10円硬貨を提供したことを示す検知情報を管理サーバに送信する。
【0099】
100円硬貨用カウント装置209において、信号検知部189は、動作部165の信号を検知する。信号検知部189が動作部165により100円硬貨を提供したことを示す信号を検知したならば、検知送信部195は100円硬貨を提供したことを示す検知情報を管理サーバに送信する。
【0100】
図6のカウント装置107、
図7(a)のカウント装置139並びに
図7(b)の10円硬貨用カウント装置207及び100円硬貨用カウント装置209は、同じカウント装置を使用して、信号を検出するための配線などを、管理対象装置の機器種別に対応させて行うことにより実現することができる。管理サーバでは、カウント装置が設けられた管理対象装置の機器種別(
図8参照)を利用して、カウント装置から受信した検知情報に含まれた一つ又は複数の検知された信号が意味するものを特定することができる。例えば、管理サーバは、カウント装置から通知された特定の信号を検出したことを意味する情報(例えば複数の信号を検出したことを示す複数ビットにおける同じ位置のビット)が、このカウント装置が100円硬貨で動作する洗濯機に使用されているならば100円硬貨の投入を意味することを特定し、このカウント装置がカード販売機に使用されているならばカード排出を意味することを特定する。管理サーバは、異なる機器種別の管理対象装置に同じカウント装置が使用されても、例えば本体カウンタのカウントアップなどの処理を実現することができる。
【0101】
図1を参照して、全体管理端末9は、通信部81により管理サーバ7の端末通信部49と通信を行いつつ、処理部83が処理を行う。管理者は、入出力部85を操作して、保管部及び在庫部に対して有体物の回収及び補充をしたタイミングで、保管部及び在庫部の値を初期化する。そして、判定処理部55の判定結果を利用して、具体的に保管部及び在庫部の状態を確認せずに、遠隔で、保管部及び在庫部の状態を把握できるとともに、溢れたり不足したりする可能性のある保管部及び在庫部を把握することができる。
【0102】
A社管理端末11は、通信部87により管理サーバ7の端末通信部49と通信を行いつつ、処理部89が処理を行う。担当者は、必要なタイミングで入出力部91を操作してA社履歴保存部69及びA社売上保存部77にアクセスすることにより、A社の各管理対象装置の売り上げ等の状態と、A社での全体としての売り上げを把握することができる。
【0103】
従来、各装置の売り上げ等の数値は、動作数などで管理することもできるが、計算が複雑であり現実的なものでなかった。
【0104】
本願発明によれば、カウント装置は管理対象装置にあり、管理者がA社の担当者に事実とは異なる報告をするためには、各カウント装置と管理サーバの数値とを整合させる必要がある。管理者は、何らの証拠も残さずに不正を行うことは困難である。そのため、担当者は、売り上げなどの数値に対して信頼をすることができる。
【0105】
B社管理端末13も、同様に、通信部93により管理サーバ7の端末通信部49と通信を行いつつ、処理部95が処理を行う。担当者は、必要なタイミングで入出力部97を操作してB社履歴保存部71及びB社売上保存部79にアクセスすることにより、B社の各管理対象装置の売り上げ等の状態と、B社での全体としての売り上げを把握することができる。
【0106】
図8は、カウンタ設定保存部57における設定の一例を示す図である。
【0107】
この例では、機器種別、本体カウンタ条件、信号検知条件、価格設定、検知及び単価の各事項が設定されている。
【0108】
機器種別の項目は、カウント装置25が設置されている管理対象装置の種別を示す。
【0109】
本体カウンタ条件の項目は、本体カウンタがカウントする対象を示す。
【0110】
価格設定の項目は、本体カウンタが1つ変化するにあたっての価格の例を示す。
【0111】
検知の項目は、この項目の設定数の信号を検知した場合に、管理サーバ(
図9及び
図10参照)における「本体カウンタ」のカウント値を1つ増加する値の例を示す。例えば検知の項目が「1」の場合には、信号検知条件が満たされればカウントされる。例えば検知の項目が「2」の場合には、信号検知条件が1回目に満たされてもカウントされず、2回目に満たされたタイミングでカウントされる。本体カウンタは、本体カウンタ条件が成立した回数を累計していく。
【0112】
単価の項目は、1検知ごとの売り上げを示す。売り上げは、検知×単価である。管理対象装置において売り上げがあれば増加し、管理対象装置から精算されれば減少する。
【0113】
図9及び
図10は、
図1の記憶部45における管理の一例を説明するための図である。
【0114】
図9(a)にあるように、売上保存部63は、各組織の売り上げを管理する。管理者は、全体管理端末9を操作して管理サーバ7の売上保存部63にアクセスして、A社及びB社の各組織での売り上げなどの確認を行うことができる。
【0115】
さらに、
図9(b)にあるように、管理者は、全体管理端末9を操作して管理サーバ7のA社売上保存部77にアクセスして、A社に属する各管理対象装置の状態を確認することができる。
【0116】
図9(b)の例では、ランドリー装置として洗濯機及び乾燥機が各1台あり、カード販売機及びカード精算機が1台ずつあるとする。各管理対象装置から集めた検知情報を利用して、各管理対象装置での売り上げを計算することができる。
【0117】
機器コード0101の洗濯機は、1動作200円で、100円硬貨2枚を支払うか、プリペイドカードで支払うかで使用できる。本体カウンタのカウント値は34であり、現金売り上げは5800円である。他方、プリペイドカードでは1000円の売り上げである。5400円が回収されている。
【0118】
機器コード0102の乾燥機は、1動作100円で、100円硬貨1枚を支払うか、プリペイドカードで支払うかで使用できる。本体カウンタのカウント値は120である。現金売り上げは7800円である。他方、プリペイドカードで、1200円の売り上げである。ここで、現金が7800円分あり、これは、100枚の保管ができる保管部に対して、受取物保管部の受取物保管条件数である70枚を超えて保管している状態であるとする。判定処理部55は、100円硬貨を保管する受取物保管部が受取物保管条件数以上であることを判定して、エラー判定結果保存部61に保存する。全体管理端末9の入出力部85では、更新日時と現金を強調して表示し、メンテナンスが必要であることを表示する。
【0119】
機器コード0103のカード販売機は、1000円紙幣を投入すると、プリペイドカードを1枚発行する。在庫部には、前回のメンテナンスで、100枚の未使用のプリペイドカードが補充されている。本体カウンタのカウント値は35である。在庫部には26枚の1000円紙幣が保管され、在庫から26枚のプリペイドカードが発行されている。売り上げは26000円である。現在の在庫のプリペイドカードは、74枚である。
【0120】
機器コード0104の精算機における100円の管理は、精算に使用する100円硬貨の枚数を管理するものである。在庫部には、前回のメンテナンスで、400枚の100円硬貨が補充されている。本体カウンタのカウント値は22である。在庫から12枚の100円硬貨が支払われている。売り上げは-1200円である。現在の在庫の100円硬貨は、388枚である。
【0121】
機器コード0105の精算機における10円の管理は、精算に使用する10円硬貨の枚数を管理するものである。保管部には、前回のメンテナンスで、400枚の10円硬貨が補充されている。本体カウンタのカウント値は40である。在庫から28枚の10円硬貨が支払われている。売り上げは-280円である。現在の在庫の10円硬貨は、372枚である。
【0122】
図10は、
図9の機器コード0101の洗濯機において、管理サーバにおける検知情報の管理の一例を説明するための図である。他も同様に管理することができる。
【0123】
図10において、各イベントにはIDが与えられて、その履歴が履歴保存部59に保存される。ここでは、直近の6つを示している。単価は200円である。
【0124】
図10を参照して、IDが130のイベントは、管理サーバ7が検知情報を自動的に受信したときに、管理対象装置における本体カウンタが30であり、現金が5200円存在し、カード売り上げが800円であることを示す。ここでは、100円硬貨は52枚であり、判定処理部55は、受取物保管条件数である70枚未満であることを判定して、リスクがないと判定する。他のイベントでも同様である。
【0125】
IDが131のイベントは、管理サーバ7がカウント装置から100円硬貨を受け取ったことを示す検知情報を2回自動で取得したときのものである。売上計算部53は、IDが130のイベントに対し、本体カウンタを1増加し、現金及び現金売り上げを200円増加して、IDが131のイベントを生成する。
【0126】
IDが132のイベントは、管理サーバ7がカウント装置からプリペイドカードの残度数を減らしたことを示す検知情報を2回自動で取得したときのものである。売上計算部53は、IDが131のイベントに対し、本体カウンタを1増加し、カード売り上げを200円増加して、IDが132のイベントを生成する。
【0127】
IDが133のイベントは、管理者が現金を回収したものである。管理者は、全体管理端末9を操作して、管理サーバ7に5400円を回収したことを入力する。管理サーバ7の売上計算部53は、5400円が回収されたことと、その結果、現金がゼロとなったこととし、本体カウンタ、カード売上、現金売上などは変えずに、IDが133のイベントを生成する。
【0128】
IDが134のイベントは、管理サーバ7がカウント装置から100円硬貨を受け取ったことを示す検知情報を2回自動で取得したときのものである。売上計算部53は、IDが133のイベントに対し、本体カウンタを1増加し、現金及び現金売り上げを200円増加して、IDが134のイベントを生成する。
【0129】
IDが135のイベントは、管理サーバ7がカウント装置から100円硬貨を受け取ったことを示す検知情報を2回自動で取得したときのものである。売上計算部53は、IDが134のイベントに対し、本体カウンタを1増加し、現金及び現金売り上げを200円増加して、IDが135のイベントを生成する。
【0130】
売上計算部53は、予め定められた契約期間になったり、管理者により指示されたりしたことによって精算日であることを検出すると、現金売り上げ、カード売り上げ及び現金回収を新たに計算して管理する。
前記売上計算部は、同じ組織に所属する複数の管理対象装置において増減した価値を合算するとともに、前記判定処理部が当該組織に所属する複数の管理対象装置のメンテナンスを行う、請求項1記載の管理システム。