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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023151958
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】マッチングシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20231005BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022061846
(22)【出願日】2022-04-01
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-09-19
(71)【出願人】
【識別番号】513097562
【氏名又は名称】エムスリーキャリア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067736
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 晃
(74)【代理人】
【識別番号】100192212
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 貴明
(74)【代理人】
【識別番号】100200001
【弁理士】
【氏名又は名称】北原 明彦
(74)【代理人】
【識別番号】100203910
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 健弘
(72)【発明者】
【氏名】沼倉 敏樹
(72)【発明者】
【氏名】美濃部 希生
(72)【発明者】
【氏名】高浦 大輔
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC17
(57)【要約】
【課題】求職者は自身のモットーに適した就職先のマッチングができ、求人側は求人側組織の文化やモットーに適した人材の紹介を受けることのできるマッチングシステムを提供する。
【解決手段】求人を希望する機関20に対して、適した求職者30を提示するためのマッチングシステム10であって、少なくとも、調査対象者に対して質問項目を提示し、調査対象者からの回答情報を取得する情報取得部11と、取得した回答情報を記憶する情報記憶部12と、情報記憶部に記憶された回答情報を評価するための処理を行う情報評価部13を備え、調査対象者には、求職者30と、求人を希望する機関20の従業員が含まれ、従業員に対する質問事項には、従業員が所属する機関の職場環境や経営方針に関する事項が含まれている。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
求人を希望する機関に対して、適した求職者を提示するためのマッチングシステムであって、
少なくとも、
調査対象者に対して質問項目を提示し、該調査対象者からの回答情報を取得する情報取得部と、
取得した前記回答情報を記憶する情報記憶部と、
前記情報記憶部に記憶された前記回答情報を評価するための処理を行う情報評価部
を備え、
前記調査対象者には、前記求職者と、前記求人を希望する機関の従業員が含まれ、
前記従業員に対する質問事項には、該従業員が所属する機関の職場環境や経営方針に関する事項が含まれていることを特徴とするマッチングシステム。
【請求項2】
前記調査対象者には、さらに、前記求人を希望する機関と同じ職種の従事者が含まれることを特徴とする請求項1に記載のマッチングシステム。
【請求項3】
前記情報評価部では、前記求人を希望する機関の従業員を母集団とした集計値と、前記求人を希望する機関と同じ職種の従業者を母集団とした集計値をそれぞれ算出し、両者を比較することで評価を行うことを特徴とする請求項2に記載のマッチングシステム。
【請求項4】
前記調査対象者は医療従事者であり、前記求人を希望する機関は医療機関であることを特徴とする請求項1に記載のマッチングシステム。
【請求項5】
前記情報評価部で行われる処理には、前記従業員の回答情報から前記求人を希望する機関の中で重要な役割を果たす人物を特定する処理が含まれることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載のマッチングシステム。
【請求項6】
前記情報記憶部は複数のデータベースに分割されており、前記情報評価部では、前記複数のデータベースの情報を統合して評価処理を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載のマッチングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、求人側と求職側とのミスマッチを低減し、求職者は自身のモットーに適した就職先のマッチングができ、求人側は求人側組織の文化やモットーに適した人材の紹介を受けることのできるマッチングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、求人を希望する企業等の機関と、就労を希望する求職者とのマッチングでは、インターネットを用いたシステムが広く利用されている。このようなシステムでは、求人機関と求職者のそれぞれが、自己(自社)の情報や相手に希望する条件などを入力して、両者の要望が互いに受け入れられた場合に採用面接等が行われ、採用に至る。
【0003】
例えば、特許文献1には、治療経験、臨床経験、人物評価、学会活動、研究業績等の所定の項目に分けて評価することで医師の特徴が把握しやすい評価を行うことが可能な医師評価システム、及びこれを利用した医師紹介システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-355613号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、従来の採用活動では、求職者のスキルや業績といった観点からのマッチングが多く行われてきた。しかしながら、採用後に組織の雰囲気や方針が合わないといった理由からすぐに離職するミスマッチが生じる場合もあり、従来のマッチング方式では必ずしも適切なマッチングとは言えない場合も生じていた。
【0006】
そこで、本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、求職者は自身のモットーに適した就職先のマッチングができ、求人側は求人側組織の文化やモットーに適した人材の紹介を受けることのできるマッチングシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、求人を希望する機関に対して、適した求職者を提示するためのマッチングシステムであって、少なくとも、調査対象者に対して質問項目を提示し、調査対象者からの回答情報を取得する情報取得部と、取得した回答情報を記憶する情報記憶部と、情報記憶部に記憶された回答情報を評価するための処理を行う情報評価部を備え、調査対象者には、求職者と、求人を希望する機関の従業員が含まれ、従業員に対する質問事項には、従業員が所属する機関の職場環境や経営方針に関する事項が含まれている。
【0008】
本発明の一態様によれば、単なる採用条件のみならず、求人を希望する機関の組織風土やモットーを把握した上でのマッチングを行うことができるため、求人側と求職側とのミスマッチを低減し、求人側組織の文化やモットーに適した人材を紹介することができる。
【0009】
このとき、本発明の一態様では、調査対象者には、さらに、求人を希望する機関と同じ職種の従事者が含まれるとしてもよい。
【0010】
このように、同業他社の情報も収集することにより、全体平均の中における、求人を希望する機関の特徴点を抽出することができる。
【0011】
また、本発明の一態様では、情報評価部では、求人を希望する機関の従業員を母集団とした集計値と、求人を希望する機関と同じ職種の従業者を母集団とした集計値をそれぞれ算出し、両者を比較することで評価を行うとしてもよい。
【0012】
このように、マッチングの対象以外の同じ職種の従事者からも、広くモットーに関するアンケートをとって集計値を比較することで、マッチング対象の機関の特徴をより明らかにすることができる。また、比較ができるということから、対象機関そのものの風土改善のコンサルテーションを加えることもできる。
【0013】
また、本発明の一態様では、調査対象者は医療従事者であり、求人を希望する機関は医療機関であるとしてもよい。
【0014】
本発明は、例えば、医師と病院とのマッチングに好ましく適用することができる。
【0015】
また、本発明の一態様では、情報評価部で行われる処理には、従業員の回答情報から求人を希望する機関の中で重要な役割を果たす人物を特定する処理が含まれるとしてもよい。
【0016】
組織の中で重要な役割を果たす人物、いわゆるキーマンを特定し情報を提供しておくことで、求職者が入職後の定着率を向上させることができる。
【0017】
また、本発明の一態様では、情報記憶部は複数のデータベースに分割されており、情報評価部では、複数のデータベースの情報を統合して評価処理を行うとしてもよい。
【0018】
このようにすることで、例えば、様々な媒体や手段で収集した情報を統合して、より多くの情報を基に評価を行うことができるようになる。
【発明の効果】
【0019】
このように、本発明によれば、求職者は自身のモットーに適した就職先のマッチングができ、求人側は求人側組織の文化やモットーに適した人材の紹介を受けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態に係るマッチングシステムの構成を示す概略図である。
図2】本発明の一実施形態に係るマッチングシステムにおける調査対象者への質問事項の一例を表した図である。
図3】本発明の一実施形態に係るマッチングシステムの情報評価部における回答情報の評価の一例を表した図である。
図4】本発明の一実施形態に係るマッチングシステムの情報評価部において、組織の中で重要な役割を果たす人物(キーマン)を表示する一例を表した図である。
図5】本発明の一実施形態に係るマッチングシステムの運用態様を説明するための概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係るマッチングシステムについて詳細に説明する。なお、本発明は以下の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更可能である。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態に係るマッチングシステムの構成を示す概略図である。本発明の一態様は、求人を希望する機関20に対して、適した求職者30を提示するためのマッチングシステム10であって、少なくとも、調査対象者に対して質問項目を提示し、調査対象者からの回答情報を取得する情報取得部11と、取得した回答情報を記憶する情報記憶部12と、情報記憶部に記憶された回答情報を評価するための処理を行う情報評価部13を備え、調査対象者には、求職者30と、求人を希望する機関20の従業員が含まれ、従業員に対する質問事項には、従業員が所属する機関の職場環境や経営方針に関する事項が含まれている。
【0023】
本発明において、求職者30は、就労又は転職を希望する者である。職種は必ずしも限定されるわけでは無いが、一例として、医師、薬剤師、看護師、病院職員などの医療従事者を対象とすることができる。本発明を適用することにより、資格やスキルに基づくマッチングのみならず、求人を希望する機関の組織風土やモットーを把握した上でのマッチングが可能となり、ミスマッチを低減することが可能となる。
【0024】
また、本発明において、求人を希望する機関20も特に限定はされないが、上記例と対応させると、病院などの医療機関である。後述するように、求人を希望する機関20は、組織の職場環境や経営方針、いわゆる組織のモットーに関する事項について回答情報をマッチングシステム10に送信しておくことで、自組織のモットーにあった候補者(求職者30)の紹介を受けることができ、ミスマッチが生じる可能性を低減することができる。
【0025】
図1における求人機関端末20(20A,20B,・・・)及び求職者端末30(30A,30B,・・・)は、求人を希望する機関や求職者が採用に関する情報を閲覧したり、後述するマッチングシステム10から送信された質問事項に対して回答する際に用いられる。端末は、デスクトップ型PC、ノート型PC、タブレット型PC、携帯型情報端末(PDA)、スマートフォンなど特に限定はされない。各求人機関は、求人機関端末20A,20B,・・・を用い、また、各求職者は求職者端末30A,30B,・・・を用いて、例えば、ネットワークNWを介して本発明の一実施形態に係るマッチングシステム10にアクセスする。
【0026】
本発明におけるマッチングシステム10は、通常備えるべき1又は複数のCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random access Memory)、通信ユニット等を備え、必要に応じてGPU(Graphics Processing Unit)、入力部、出力部を備える。例えば、CPUがROMやRAMといった記憶手段に格納されたデータやプログラムを用いて処理を実行することにより、マッチングシステム10の各構成の処理を実現させる。なお、本発明の一実施形態に係るマッチングシステム10では、その構成の全てがオンプレミスである必要はなく、クラウド上のサービスを利用する物であってもよい。
【0027】
本発明の一実施形態に係るマッチングシステム10は、例えば、ウェブサーバとしての機能を備え、適宜、ホームページによる情報も提供しながらGUI(Graphical User Interface)により求人機関20及び求職者30にマッチングの機会を提供する。一例として、求人機関20又は求職者30は、マッチングシステム10によるサービスを提供する企業等と契約をし、指定されたサイトにユーザIDとパスワードを入力してログインすることにより、マッチングシステム10によるサービスを受けることができる。
【0028】
次に、本発明の一実施形態に係るマッチングシステム10の各構成について説明する。
【0029】
情報取得部11は、調査対象者に対して質問項目を提示し、調査対象者からの回答情報を取得する。調査対象者としては、求人を希望する機関20や就職又は転職を希望する求職者30等である。求人を希望する機関20に関しては、組織の文化やモットーを把握するために、その組織の従業員全般を対象とし、その中には経営者や役員も含まれていることが好ましい。また、調査対象者には、求人を希望する機関と同じ職種の従事者を含めてもよい。このように、同業他社の情報も収集することにより、全体平均の中における、求人を希望する機関の特徴点を抽出することができる。
【0030】
調査対象者への質問事項の提示と、回答情報の取得手段は特に限定はされないが、一例として、質問事項を記載したフォームをWebサーバあるいはネットワーク上に用意し、調査対象者に対して当該フォームにアクセスするためのURL等を送信することにより、回答を促すようにしてもよい。その他には、紙の回答用紙を送付して記入してもらう方法や、調査対象者に対して電話又は面談等でインタビューを行い、調査担当者が結果をアンケート用紙に記載した上でシステムに入力するという方法でも良い。
【0031】
本発明の一実施形態に係るマッチングシステム10では、従業員に対する質問事項に、従業員が所属する機関の職場環境や経営方針に関する事項が含まれている。図2は、本発明の一実施形態に係るマッチングシステムにおける調査対象者への質問事項の一例を表した図である。本発明では、求人を希望する機関が病院の場合には、例えば図2に示すように、「患者の受け入れ方針」、「個人の成長の支援」、「チームワーク」等に関して、2つの異なる立場(図2の「患者の受け入れ方針」の場合には、「必ず受ける」という立場と、「状況により受けない」という立場)を記載し、どちらの立場にどの程度近いかを回答してもらうようにすることができる。回答方式は、図2に示すような10段階方式(段階の数は特に限定はされない)のスライド目盛り等で選択してもらうようにしてもよいし、数値で表してもらうようにしてもよい。これらの質問事項に回答してもらうことで、職場の雰囲気や組織文化、モットーが導き出せるよう、必要な設問が設定される。
【0032】
これらの質問は、求職者側にも提示されるようにしてもよい。これにより、求職者の仕事に対する価値観(モットー)等を把握する事もできる。なお、上述した質問の他にも、治療経験などの実績や、希望賃金などの一般的な条件を入力する項目が併せて含まれていてもよい。
【0033】
また、対象は組織の全職種の全従業員を対象とし、一例として、回答者は秘匿した状態で、定期的に回答を行うよう要望することが好ましい。このようにすることで、タイムリーに求職者のエントリーシート(ES)、及び、組織の経営や事業運営のモットーの実態を明らかにすることができるとともに、それぞれの最新の傾向(トレンド)を把握する事ができる。
【0034】
情報記憶部12は、取得した回答情報を記憶する。情報記憶部12は、例えば、1又は複数のHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等から構成される。情報記憶部12は、オンプレミスで備えられていてもよいし、クラウド上のストレージサービスを利用するものであってもよい。
【0035】
情報評価部13は、情報記憶部12に記憶された回答情報を評価するための処理を行う。図3は、本発明の一実施形態に係るマッチングシステムの情報評価部における回答情報の評価の一例を表した図である。回答情報の評価の一例として、図3に示すように、各項目ごとの回答情報を数値化して表示する。例えば、図2のような10段階方式で回答を得ている場合には、各段階に1~10の数値を振り当てて全回答者の平均値をとるなどすればよい。また、集計した結果を表示する際に、例えば病院の院長や経営陣など重要なポジションにいる人物の回答結果については別途表示するようにしてもよいし、調査対象者を部署や職種ごとに分けて集計するようにしてもよい。さらには、回答者の役職に応じて回答情報の数値化の際に重みづけを行ってもよい。
【0036】
また、情報評価部13は、回答結果からその組織の特色を抽出する。一例として、上述のように回答結果を1~10に数値化した場合には、4~6が中立的な立場とすると、数値が1~4、あるいは、6~10の場合にはどちらかの立場に近いとして特徴点であると認定することができる。例えば、図3の例であれば、項目K2(「自主・自立性とチームでの合意形成のバランス」)に関して、回答者の平均点数が6.8となっており、「自らの医療機関でできる限りの診療・治療をやっていこうとする」という立場に近い(偏っている)ことが分かるため、項目K2に関する立場を当該組織の特徴点として抽出することができる。
【0037】
また、情報取得部11では、数値として評価できる質問項目以外にも、適宜回答者のコメントを記載する欄を設けてもよく、図3に示すように、情報評価部13での結果出力の際に、記載された回答者のコメントCを併せて表示するようにしてもよい。これにより組織の職場環境や経営方針に関する具体的な意見を参照することもできる。
【0038】
また、本発明の一態様では、情報評価部13では、求人を希望する機関の従業員を母集団とした集計値(平均値やばらつき(標準偏差)等)と、求人を希望する機関と同じ職種の従業者を母集団とした集計値(平均値やばらつき(標準偏差)等)をそれぞれ算出し、両者を比較することで評価を行うとしてもよい。マッチングの対象以外の機関(医療機関等)の従事者からもデータベースを通じて、広くモットーに関するアンケートをとって同様の施設における平均値やばらつき等を算出する仕組みを設けることができる。そして、その平均値やばらつきとマッチング対象の機関の集計値を比較することで、マッチング対象が有する特徴をより明らかにすることができる。
【0039】
また、同業他社の従事者の集計データと比較できるということから、マッチング対象の組織風土やモットーが好ましくないと判断される場合には、風土改善のコンサルテーションに役立てることもできる。
【0040】
本発明の一態様では、情報評価部13で行われる処理には、従業員の回答情報から求人を希望する機関の中で重要な役割を果たす人物を特定する処理が含まれるとしてもよい。図4は、本発明の一実施形態に係るマッチングシステムの情報評価部において、組織の中で重要な役割を果たす人物(キーマン)を表示する一例を表した図である。一例として、情報取得部11において、「診療・ケア業務を安全に行うために頼りになる人」や「あなたのスキルアップ・自己研鑽を助けてくれる人」といった質問項目を設けて、求人を希望する機関の従業員から回答情報を収集し、情報評価部13において、選ばれた数が多い人物を上位数名リストアップするようにしてもよい。
【0041】
また、図4に示すように、キーマンの選定の際に併せて対象となる人物のプロフィール等が表示されるようにしてもよい。プロフィールは、例えば、各従業員が回答する際に入力してもらうようにしてもよいし、他者の評価のコメントを表示するようにしてもよい。組織の中で重要な役割を果たす人物、いわゆるキーマンを特定し情報を提供しておくことで、求職者が入職後にどの人物を頼ればよいか等を予め把握する事ができ、入職後の定着率を向上させることができる。
【0042】
図5は、本発明の一実施形態に係るマッチングシステムの運用態様を説明するための概略図である。本発明の一態様では、調査対象者には、求人を希望する機関と同じ職種の従事者(一般従事者)を含めることもできる。また、本発明の一態様では、情報記憶部は複数のデータベースに分割されており、情報評価部では、複数のデータベースの情報を統合して評価処理を行うとしてもよい。
【0043】
例えば、図5に示すように、情報取得部11による調査対象者として、求人を希望する機関の従業員20、求職者(採用候補者)30の他に、求人を希望する機関と同じ職種の従事者(一般従事者)40からも情報を取得することができる。一般従事者40に対しては、従業員20や採用候補者30と同様に、質問事項を送付して回答情報を得るようにしてもよいし、他のサービスやメディア50により蓄積された情報を本発明の一実施形態に係るマッチングシステム10用に加工・変換して情報記憶部12に保存するようにしてもよい。調査対象者は、例えば、本発明にかかるマッチングシステムを提供する企業等とあらかじめ契約をし、ユーザID及びパスワード等を入力してシステムにログインできる会員を対象とすることもできる。このように、同業他社の情報も収集することにより、対象とする求人を希望する機関20の全体平均の中における特徴点を抽出することができるようになる。
【0044】
また、一例として、図5に示すように、調査対象者ごとに複数の情報記憶部(データベース)12A,12B,12Cを備えるようにしてもよい。各データベースは物理的に複数備えられるか、または、仮想的に分割されていてもよい。あるいは、本発明の一実施形態に係るマッチングシステム10を複数有し、各マッチングシステム10同士でデータを参照して統合できるような構成としてもよい。このようにすることで、様々な媒体や手段で収集した情報を統合して、より多くの情報を基に評価を行うことができるようになる。
【0045】
情報評価部13では、上述したように情報記憶部12に蓄積された回答情報を集計して数値化処理等を行い、例えば、図3図4のような結果として出力、表示する。これらの出力結果を閲覧することにより、採用候補者30は、応募しようとする組織がどのような組織文化やモットーを有しているのか把握する事ができ、求人を希望する機関20の採用担当者は採用候補者30の人柄等を知ることができる。
【0046】
以上、説明してきた通り、本発明の一実施形態に係るマッチングシステムによれば、採用側と候補者側とのマッチングの精度向上が図れるとともに、採用率を向上させて、ミスマッチを防ぐことによって離職率を下げることができる。
【0047】
なお、上記のように本発明の一実施形態及び各実施例について詳細に説明したが、本発明の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは、当業者には、容易に理解できるであろう。従って、このような変形例は、全て本発明の範囲に含まれるものとする。
【0048】
例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義又は同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また、マッチングシステムの構成も本発明の一実施形態及び各実施例で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
【符号の説明】
【0049】
10 マッチングシステム、11 情報取得部、12 情報記憶部、13 情報評価部、20(20A,20B) 求人機関(求人機関端末)、30(30A,30B) 求職者(求職者端末)、40 一般従事者、50 他のサービスやメディア
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2023-07-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
求人を希望する機関に対して、適した求職者を提示するためのマッチングシステムであって、
少なくとも、
調査対象者に対して質問項目を提示し、該調査対象者からの回答情報を取得する情報取得部と、
取得した前記回答情報を記憶する情報記憶部と、
前記情報記憶部に記憶された前記回答情報を評価するための処理を行う情報評価部
を備え、
前記調査対象者には、前記求職者と、前記求人を希望する機関の従業員が含まれ、
前記従業員に対する質問事項には、該従業員が所属する機関の職場環境や経営方針に関する事項が含まれ
前記情報評価部で行われる処理には、前記従業員の回答情報から前記求人を希望する機関の中で重要な役割を果たす人物を特定する処理が含まれることを特徴とするマッチングシステム。
【請求項2】
前記調査対象者には、さらに、前記求人を希望する機関と同じ職種の従事者が含まれることを特徴とする請求項1に記載のマッチングシステム。
【請求項3】
前記情報評価部では、前記求人を希望する機関の従業員を母集団とした集計値と、前記求人を希望する機関と同じ職種の従業者を母集団とした集計値をそれぞれ算出し、両者を比較することで評価を行うことを特徴とする請求項2に記載のマッチングシステム。
【請求項4】
前記調査対象者は医療従事者であり、前記求人を希望する機関は医療機関であることを特徴とする請求項1に記載のマッチングシステム。
【請求項5】
前記情報記憶部は複数のデータベースに分割されており、前記情報評価部では、前記複数のデータベースの情報を統合して評価処理を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載のマッチングシステム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明の一態様は、求人を希望する機関に対して、適した求職者を提示するためのマッチングシステムであって、少なくとも、調査対象者に対して質問項目を提示し、調査対象者からの回答情報を取得する情報取得部と、取得した回答情報を記憶する情報記憶部と、情報記憶部に記憶された回答情報を評価するための処理を行う情報評価部を備え、調査対象者には、求職者と、求人を希望する機関の従業員が含まれ、従業員に対する質問事項には、従業員が所属する機関の職場環境や経営方針に関する事項が含まれ、情報評価部で行われる処理には、従業員の回答情報から求人を希望する機関の中で重要な役割を果たす人物を特定する処理が含まれている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本発明の一態様によれば、単なる採用条件のみならず、求人を希望する機関の組織風土やモットーを把握した上でのマッチングを行うことができるため、求人側と求職側とのミスマッチを低減し、求人側組織の文化やモットーに適した人材を紹介することができる。また、組織の中で重要な役割を果たす人物、いわゆるキーマンを特定し情報を提供しておくことで、求職者が入職後の定着率を向上させることができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】削除
【補正の内容】