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  • 特開-リミットスイッチ 図1
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  • 特開-リミットスイッチ 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023151971
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】リミットスイッチ
(51)【国際特許分類】
   H01H 21/28 20060101AFI20231005BHJP
【FI】
H01H21/28 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022061861
(22)【出願日】2022-04-01
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【弁理士】
【氏名又は名称】徳山 英浩
(74)【代理人】
【識別番号】100091524
【弁理士】
【氏名又は名称】和田 充夫
(74)【代理人】
【識別番号】100172236
【弁理士】
【氏名又は名称】岩木 宣憲
(72)【発明者】
【氏名】吉田 昂平
(72)【発明者】
【氏名】月森 一如
(72)【発明者】
【氏名】小川 翔
(72)【発明者】
【氏名】森田 和明
(72)【発明者】
【氏名】菰口 裕介
【テーマコード(参考)】
5G219
【Fターム(参考)】
5G219HT03
5G219HU43
5G219HU44
(57)【要約】
【課題】レバーの空回りを防止できるリミットスイッチを提供すること。
【解決手段】リミットスイッチが、オンオフ切り替え可能なスイッチ本体と、スイッチ本体に接続された操作部とを備える。操作部が、ハウジングと、軸部材と、レバーと、固定部材とを含む。軸部材は、第1方向に沿ってハウジングの外部からハウジングの内部まで延びて、第1方向に延びる回転軸まわりに復帰位置から動作位置に回転可能な状態でハウジングに支持されている軸本体を有する。レバーは、軸本体の第1方向の両端のうち、ハウジングの外部の一端に位置し、軸本体を回転軸まわりに覆う。固定部材は、第1方向に沿って見た場合に、レバーを軸本体の回転方向に交差する方向に貫通し軸本体まで延びて、レバーを軸本体に対して固定する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オンオフ切り替え可能なスイッチ本体と、
前記スイッチ本体に接続された操作部と
を備え、
前記操作部が、
ハウジングと、
第1方向に沿って前記ハウジングの外部から前記ハウジングの内部まで延びて、前記第1方向に延びる回転軸まわりに復帰位置から動作位置に回転可能な状態で前記ハウジングに支持されている軸本体を有する軸部材と、
前記軸本体の前記第1方向の両端のうち、前記ハウジングの外部の一端に位置し、前記軸本体を前記回転軸まわりに覆うレバーと、
前記第1方向に沿って見た場合に前記レバーを前記軸本体の回転方向に交差する方向に貫通し前記軸本体まで延びて、前記レバーを前記軸本体に対して固定する固定部材と
を含む、リミットスイッチ。
【請求項2】
前記固定部材が、ねじで構成されている、請求項1に記載のリミットスイッチ。
【請求項3】
前記軸部材が、前記第1方向に沿って見た場合に前記軸本体の回転方向に交差する方向に沿って前記軸本体の外周から前記回転軸に向かって延びて、前記固定部材が収容される少なくとも1つの収容部を有する、請求項1または2に記載のリミットスイッチ。
【請求項4】
前記収容部が、前記軸本体の外周から前記回転軸に向かって窪む凹部で構成されている、請求項3に記載のリミットスイッチ。
【請求項5】
前記軸部材が、前記回転軸まわりに間隔を空けて位置する複数の前記収容部を有する、請求項3に記載のリミットスイッチ。
【請求項6】
前記軸部材が、前記回転軸まわりに間隔を空けて位置する複数の前記収容部を有する、請求項4に記載のリミットスイッチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、リミットスイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、内部に内蔵スイッチが収容されたハウジングと、ハウジングに回転可能に支持されたシャフトと、シャフトの先端部に設けられたアームとを備えるリミットスイッチが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-204223号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記リミットスイッチでは、シャフトのセレーションにアームが嵌合されている。このため、例えば、シャフトとアームとの間で熱膨張係数が異なる場合、リミットスイッチに熱が加えられると、シャフトとアームとの間に隙間が形成され、アームが空回りするおそれがある。
【0005】
本開示は、レバーの空回りを防止できるリミットスイッチを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様のリミットスイッチは、
オンオフ切り替え可能なスイッチ本体と、
前記スイッチ本体に接続された操作部と
を備え、
前記操作部が、
ハウジングと、
第1方向に沿って前記ハウジングの外部から前記ハウジングの内部まで延びて、前記第1方向に延びる回転軸まわりに復帰位置から動作位置に回転可能な状態で前記ハウジングに支持されている軸本体を有する軸部材と、
前記軸本体の前記第1方向の両端のうち、前記ハウジングの外部の一端に位置し、前記軸本体を前記回転軸まわりに覆うレバーと、
前記第1方向に沿って見た場合に、前記レバーを前記軸本体の回転方向に交差する方向に貫通し前記軸本体まで延びて、前記レバーを前記軸本体に対して固定する固定部材と
を含む。
【発明の効果】
【0007】
前記態様のリミットスイッチによれば、レバーの空回りを防止できるリミットスイッチを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の一実施形態のリミットスイッチを示す斜視図。
図2図1のリミットスイッチの操作部を示す斜視図。
図3図1のIII-III線に沿った断面図。
図4図1のリミットスイッチの変形例を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の一例を添付図面に従って説明する。以下の説明は、本質的に例示に過ぎず、本開示、本開示の適用物、および、本開示の用途等を制限することを意図するものではない。図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは必ずしも合致していない。
【0010】
本開示の一実施形態のリミットスイッチ1は、図1に示すように、オンオフ切り替え可能なスイッチ本体2と、スイッチ本体2に接続された操作部3とを備えている。
【0011】
スイッチ本体2は、一例として、図1に示すように、略直方体形状を有している。スイッチ本体2の一面に、操作部3が着脱可能に接続されている。
【0012】
操作部3は、ハウジング10と、軸部材20と、レバー30と、固定部材40とを含む。
【0013】
ハウジング10は、図2に示すように、一例として、中空で略立方体形状のハウジング本体11と、略円筒形状の周壁部12とを有している。ハウジング本体11は、スイッチ本体2に接続されている。周壁部12は、図1に示すように、ハウジング本体11のスイッチ本体2に対向する面111に交差する側面112の1つに位置している。周壁部12の内部には、軸部材20を回転可能に支持する軸受け13が位置している。
【0014】
軸部材20は、図2に示すように、第1方向(例えば、X方向)に沿ってハウジング10の外部からハウジング10の内部まで延びる軸本体21を有している。軸本体21の第1方向Xの両端のうち、ハウジング10の外部に位置する端部に、レバー30が位置している。
【0015】
軸本体21は、例えば、略円柱形状で、図2に示すように、回転軸211まわりに回転可能な状態で、ハウジング10に支持されている。回転軸211は、第1方向Xに沿って見た場合に、軸本体21の略中心に位置し、第1方向Xに沿って延びている。
【0016】
軸本体21は、一例として、正逆回転可能に構成されている。言い換えると、軸本体21は、図2に示すように、回転軸211まわりに復帰位置P1から第1動作位置P2に向かう方向(つまり、矢印A方向)に回転可能に構成され、復帰位置P1から復帰位置P1に対して第1動作位置P2とは反対側の第2動作位置P3に向かう方向(つまり、矢印B方向)に回転可能に構成されている。
【0017】
図2では、点線の仮想線により、復帰位置P1、第1動作位置P2および第2動作位置P3の位置関係を示している。復帰位置P1の仮想線は、第1方向Xに沿って見た場合に、軸本体21の中心を通り第1方向Xに直交する第2方向(例えば、Z方向)に沿って延びている。第1動作位置P2および第2動作位置P3の仮想線は、第1方向Xに沿って見た場合に、軸本体21の中心を通り第1方向Xおよび第2方向Zに直交する第3方向(例えばY方向)に沿って延びている。
【0018】
軸本体21を復帰位置P1から第1動作位置P2または第2動作位置P3に回転させることで、操作部3の内部に位置するプランジャ(図示せず)が第2方向Zに沿って移動し、スイッチ本体2のオンオフが切り替わる。
【0019】
本実施形態では、軸部材20は、固定部材40がそれぞれ収容される複数の収容部22を有している。複数の収容部22は、回転軸211まわりに間隔を空けて位置している。各収容部22は、第1方向Xに沿って見た場合に軸本体21の回転方向に交差する方向(例えば、軸本体21に対する径方向)に沿って軸本体21の外周から回転軸211に向かって延びている。各収容部22は、軸本体21の外周から回転軸211に向かって窪む凹部で構成されている。凹部の側面には、ねじ溝(図示せず)が形成されている。
【0020】
レバー30は、図1に示すように、略直方体形状で、第1方向Xに沿って見た場合に軸本体21の回転方向に交差する方向に延びている。レバー30の長手方向の一端には、軸本体21を収容する貫通孔31が設けられている。つまり、レバー30は、軸本体21を回転軸211まわりに覆っている。レバー30の長手方向の他端には、ローラ32が設けられている。
【0021】
固定部材40は、図3に示すように、第1方向Xに沿って見た場合にレバー30を軸本体21の回転方向に交差する方向に貫通して軸本体21まで延びて、レバー30を軸本体21に対して固定する。本実施形態では、固定部材40は、頭部41および軸部42を含むねじで構成されている。軸部42の外周には、軸本体21の収容部に形成されているねじ溝に対応するねじ山(図示せず)が形成されている。
【0022】
リミットスイッチ1は、次のような効果を発揮できる。
【0023】
リミットスイッチ1が、オンオフ切り替え可能なスイッチ本体2と、スイッチ本体2に接続された操作部3とを備える。操作部3が、ハウジング10と、軸部材20と、レバー30と、固定部材40とを含む。軸部材20は、第1方向に沿ってハウジング10の外部からハウジング10の内部まで延びて、第1方向に延びる回転軸211まわりに復帰位置P1から各動作位置に回転可能な状態でハウジング10に支持されている軸本体21を有する。レバー30は、軸本体21の第1方向の両端のうち、ハウジング10の外部の一端に位置し、軸本体21を回転軸211まわりに覆う。固定部材40は、第1方向に沿って見た場合にレバー30を軸本体21の回転方向に交差する方向に貫通し軸本体21まで延びて、レバー30を軸本体21に対して固定する。つまり、リミットスイッチ1では、固定部材40によりレバー30が軸本体21に対して機械的に固定されているので、例えば、軸本体21とレバー30との間で熱膨張係数が異なり(例えば、軸本体21がステンレス鋼で形成され、レバー30がアルミニウムで形成されている場合)、リミットスイッチ1に熱が加えられた場合であっても、レバー30の空回りを防止できる。
【0024】
固定部材40が、ねじで構成されている。このような構成により、レバー30を軸本体21に対してより確実に固定することができる。
【0025】
軸部材20が、第1方向に沿って見た場合に軸本体21の回転方向に交差する方向に沿って軸本体21の外周から回転軸211に向かって延びて、固定部材40が収容される、複数の収容部22を有する。このような構成により、レバー30の軸部材20に対する固定角度を容易に調整できる。
【0026】
収容部22が、軸本体21の外周から回転軸211に向かって窪む凹部で構成されている。このような構成により、軸部材20の耐久性を高めることができる。
【0027】
リミットスイッチ1は、次のように構成することもできる。
【0028】
軸部材20は、複数に限らず、少なくとも1つの収容部22を有していればよい。収容部22の数を減らすことで、軸本体21の耐久性を高めることができる。
【0029】
軸本体21のレバー30が固定されている端部は、リミットスイッチ1の設計等により、任意の構成を採用できる。例えば、軸本体21のレバー30が固定されている端部を大きくすることにより、耐久性が高まり、収容部22の数を増やすことができる。収容部22の数が増えることで、レバー30の軸部材20に対する固定角度をより細かく調整できる。
【0030】
収容部22は、凹部で構成されている場合に限らず、例えば、図4に示すように、貫通孔で構成されていてもよい。図4では、各収容部22が軸本体21に対する径方向に沿って回転軸211に向かって延びて、複数の貫通孔を構成している。
【0031】
固定部材40は、ねじに限らず、軸本体21およびレバー30を機械的に固定可能な任意の構成の部材で構成できる。
【0032】
スイッチ本体2は、軸本体21の回転によりオンオフ切り替え可能な任意の構成を採用できる。
【0033】
操作部3は、スイッチ本体2に着脱不可能に接続されていてもよい。
【0034】
周壁部12は、ハウジング本体11に対して一体に設けられている場合に限らず、別体に設けてもよい。この場合、周壁部12は、ハウジング本体11と同じ材料で構成してもよいし、異なる材料で構成してもよい。
【0035】
以上、図面を参照して本開示における種々の実施形態を説明したが、最後に、本開示の種々の態様について説明する。なお、以下の説明では、一例として、参照符号も添えて記載する。
【0036】
本開示の第1態様のリミットスイッチ1は、
オンオフ切り替え可能なスイッチ本体2と、
前記スイッチ本体に接続された操作部3と
を備え、
前記操作部3が、
ハウジング10と、
第1方向に沿って前記ハウジング10の外部から前記ハウジング10の内部まで延びて、前記第1方向に延びる回転軸211まわりに復帰位置から動作位置に回転可能な状態で前記ハウジング10に支持されている軸本体21を有する軸部材20と、
前記軸本体21の前記第1方向の両端のうち、前記ハウジング10の外部の一端に位置し、前記軸本体21を前記回転軸211まわりに覆うレバー30と、
前記第1方向に沿って見た場合に前記レバー30を前記軸本体21の回転方向に交差する方向に貫通し前記軸本体21まで延びて、前記レバー30を前記軸本体21に対して固定する固定部材40と
を含む。
【0037】
本開示の第2態様のリミットスイッチ1は、
前記固定部材40が、ねじで構成されている。
【0038】
本開示の第3態様のリミットスイッチ1は、
前記軸部材20が、前記第1方向に沿って見た場合に前記軸本体21の回転方向に交差する方向に沿って前記軸本体21の外周から前記回転軸211に向かって延びて、前記固定部材40が収容される少なくとも1つの収容部22を有する。
【0039】
本開示の第4態様のリミットスイッチ1は、
前記収容部22が、前記軸本体21の外周から前記回転軸211に向かって窪む凹部で構成されている。
【0040】
本開示の第5態様のリミットスイッチ1は、
前記軸部材20が、前記回転軸211まわりに間隔を空けて位置する複数の前記収容部22を有する。
【0041】
前記様々な実施形態または変形例のうちの任意の実施形態または変形例を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。また、実施形態同士の組み合わせまたは実施例同士の組み合わせまたは実施形態と実施例との組み合わせが可能であると共に、異なる実施形態または実施例の中の特徴同士の組み合わせも可能である。
【0042】
本開示は、添付図面を参照しながら好ましい実施形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した請求の範囲による本開示の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本開示のリミットスイッチは、例えば、自動車などの組み立てラインに適用できる。
【符号の説明】
【0044】
1 リミットスイッチ
2 スイッチ本体
3 操作部
10 ハウジング
11 ハウジング本体
12 周壁部
13 軸受け
20 軸部材
21 軸本体
211 回転軸
22 収容部
30 レバー
31 貫通孔
32 ローラ
40 固定部材
41 頭部
42 軸部
図1
図2
図3
図4