(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023151982
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】陳列棚の商品仕切板
(51)【国際特許分類】
A47F 5/00 20060101AFI20231005BHJP
【FI】
A47F5/00 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022061879
(22)【出願日】2022-04-01
(71)【出願人】
【識別番号】591134432
【氏名又は名称】株式会社セラタ
(74)【代理人】
【識別番号】100100376
【弁理士】
【氏名又は名称】野中 誠一
(74)【代理人】
【識別番号】100142077
【弁理士】
【氏名又は名称】板谷 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100143199
【弁理士】
【氏名又は名称】磯邉 毅
(72)【発明者】
【氏名】世良田 次朗
(72)【発明者】
【氏名】井元 章
【テーマコード(参考)】
3B118
【Fターム(参考)】
3B118FA32
3B118FA36
(57)【要約】
【課題】製造工程を簡略できると共に、廃棄時における環境汚染の問題を軽減した商品仕切板を提供する。
【解決手段】 棚板BRDの保持レーンLNを把持可能な装着部20、及び、装着部20に直交する基端部21を有して略T字状に一体形成されたプラスチック製の取付部材2と、基端部21に形成された受入溝GVに挿入される挿入部、及び、挿入部に連続する仕切部に区分される紙製の本体部材1と、で構成され、本体部材の先端片11が受入溝GVの内面に固定化されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
陳列棚の棚板(BRD)の任意位置に立設されることで、陳列商品を左右に区分する商品仕切板であって、
プラスチック材で構成され、前記棚板の水平方向に延びる保持レーン(LN)を把持可能な把持片(GR)を設けた装着部(20)と、前記装着部(20)に直交する基端部(21)とで、使用時の平面視で略T字状に一体形成された取付部材(2)と、
平板な厚紙材で構成され、前記基端部(21)に形成された受入溝(GV)に挿入される挿入部と、前記挿入部に連続する薄板状の仕切部と、に区分される本体部材(1)と、で構成され、
前記本体部材(1)の前記挿入部が、前記取付部材(2)の前記受入溝(GV)の内面に固定化されることで、前記本体部材(1)と前記取付部材(2)とが一体化されていることを特徴とする商品仕切板。
【請求項2】
陳列棚の棚板(BRD)の任意位置に立設されることで、陳列商品を左右に区分する商品仕切板であって、
プラスチック材で構成され、前記棚板の水平方向に延びる保持レーン(LN)に挿入可能な隆起部(PR)を設けた装着部(20)と、前記装着部(20)に直交する基端部(21)とで、使用時の平面視で略T字状に一体形成された取付部材(2)と、
平板な厚紙材で構成され、前記基端部(21)に形成された受入溝(GV)に挿入される挿入部と、前記挿入部に連続する薄板状の仕切部と、に区分される本体部材(1)と、で構成され、
前記本体部材(1)の前記挿入部が、前記取付部材(2)の前記受入溝(GV)の内面に固定化されることで、前記本体部材(1)と前記取付部材(2)とが一体化されていることを特徴とする商品仕切板。
【請求項3】
前記本体部材(1)は、厚紙材(1a)の両面が、平坦性を有する化粧紙(1b)で覆われ、その全体厚が1.0[mm]~2.5[mm]である請求項1又は2に記載の商品仕切板。
【請求項4】
前記受入溝(GV)の開口幅は、前記仕切部の紙厚より、0[mm]~0.7[mm]だけ広く設定されている請求項3に記載の商品仕切板。
【請求項5】
前記仕切部の化粧紙の一方から、所定深さのミシン目が形成されることで、前記仕切部は、部分的に破断可能に構成されている請求項3に記載の商品仕切板。
【請求項6】
前記厚紙材の坪量は、500[g/m2]~800[g/m2]である請求項1又は2に記載の商品仕切板。
【請求項7】
使用時の側面視において、前記取付部材(2)の面積は、前記本体部材(1)の1/20以下である請求項1又は2に記載の商品仕切板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品を陳列展示する陳列棚の陳列エリアを、最適に区画できる商品仕切板に関し、特に、製造コストを抑制できると共に、廃棄時にも環境への影響を最小化した商品仕切板に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願人は、陳列棚の陳列エリアを、適宜に区画可能な商品仕切板について、既に提案している(特許文献1~2)。この商品仕切板は、使用時の平面視でT字状の取付部材と、取付部材の嵌合穴に嵌合される一対の突部を有する本体部材と、に区分されて構成されている。
【0003】
先行文献1~2に記載の本体部材は、プラスチック平板で構成されており、一対の突部は、プラスチック平板の両面に、各々、突出形成されている。この構成に対応して、取付部材の嵌合穴も一対であり、一対の突部が、一対の嵌合穴に没入されることで、取付部材と本体部材が一体化されて、商品仕切板が完成状態となる。
【0004】
そして、使用時には、陳列棚の棚板上のレールの適宜な位置に、商品仕切板の取付部材の先端を係合させることで、陳列棚が商品仕切板によって適宜に区画される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平07-023471号公報
【特許文献2】実登3005457号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、この商品仕切板の構成では、プラスチック平板の両面に各々突部を設ける必要があるので、本体部材の製造には、専用の成型工程が必要となり、プラスチック平板に対するプレス加工だけでは、本体部材を製造できないという製造上の煩雑さがある。
【0007】
しかも、この商品仕切板は、全ての部材がプラスチック製であり、廃棄後の焼却時などに環境汚染の問題が生じる。なお、商品仕切板が汚れていると、陳列商品の価値が半減するので、商品仕切板は、常にフレッシュな状態である必要があり、所定頻度での廃棄は止むを得ない。
【0008】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、製造工程を簡略できると共に、廃棄時における環境汚染の問題を軽減した商品仕切板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するため、請求項1に係る発明は、陳列棚の棚板(BRD)の任意位置に立設されることで、陳列商品を左右に区分する商品仕切板であって、プラスチック材で構成され、前記棚板の水平方向に延びる保持レーン(LN)を把持可能な把持片(GR)を設けた装着部(20)と、前記装着部(20)に直交する基端部(21)とで、使用時の平面視で略T字状に一体形成された取付部材(2)と、平板な厚紙材で構成され、前記基端部(21)に形成された受入溝(GV)に挿入される挿入部と、前記挿入部に連続する薄板状の仕切部と、に区分される本体部材(1)と、で構成され、前記本体部材(1)の前記挿入部が、前記取付部材(2)の前記受入溝(GV)の内面に固定化されることで、前記本体部材(1)と前記取付部材(2)とが一体化されている。
【0010】
また、請求項2に係る発明は、陳列棚の棚板(BRD)の任意位置に立設されることで、陳列商品を左右に区分する商品仕切板であって、プラスチック材で構成され、前記棚板の水平方向に延びる保持レーン(LN)に挿入可能な隆起部(PR)を設けた装着部(20)と、前記装着部(20)に直交する基端部(21)とで、使用時の平面視で略T字状に一体形成された取付部材(2)と、平板な厚紙材で構成され、前記基端部(21)に形成された受入溝(GV)に挿入される挿入部と、前記挿入部に連続する薄板状の仕切部と、に区分される本体部材(1)と、で構成され、前記本体部材(1)の前記挿入部が、前記取付部材(2)の前記受入溝(GV)の内面に固定化されることで、前記本体部材(1)と前記取付部材(2)とが一体化されている。
【0011】
上記した各発明において、厚紙材とは、板厚が1.0mm以上の紙材を意味し、環境上、問題なく焼却処分できる素材であれば、それ以上に組成を限定するものではない。好適には、前記本体部材は、厚紙材の両面が、平坦性を有する化粧紙で覆われ、その全体厚が1.0[mm]~2.5[mm]、より好適には、1.5[mm]~2.0[mm]である。そして、前記受入溝(GV)の受入れ幅は、好適には、前記仕切部の紙厚より、0.0[mm]~0.7[mm]、より好適には、0.25[mm]~0.5[mm]だけ広く設定されている。
【0012】
また、前記厚紙材の坪量は、500[g/m
2]~800[g/m
2]であること、使用時の側面視において、前記取付部材の面積は、
図3に示すような、前記本体部材の1/20以下であること、及び、前記仕切部の化粧紙の一方から、所定深さのミシン目が形成されて部分的に破断可能に構成されていること、が好適である。なお、本明細書において、範囲を示す~記号は、両端の数値を含んでいる。
【発明の効果】
【0013】
上記した本発明によれば、製造工程を簡略できると共に、廃棄時における環境汚染の問題を軽減した商品仕切板を実現することができる。
【0014】
すなわち、商品仕切板の本体部材は、平板な厚紙板で構成されているので、成型金型が不要であって、必要な形状に切出すプレス加工だけで簡単に製造することができる。また、本発明の商品仕切板は、プラスチック製の取付部材と、厚紙製の本体部材とで構成されているので、廃棄時には、ハサミなどを使用して、本体部材から取付部材を切除するだけで、各々を適切に処理することができ、プラスチック廃材が大幅に減少するという意味で、環境汚染の問題を大きく軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】3種類の仕切板について、全体概略形状と、使用方法を説明する図面である。
【
図2】仕切板を構成する本体部材を示す図面である。
【
図3】三種類の仕切板について、平面図と、正面図と、要部拡大図を図示したものである。
【
図4】3種類の取付部材の構成を説明する図面である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、実施例に基づいて、本発明を詳細に説明する。
図1(a)~
図1(c)は、3種類の商品仕切板PTi(=PT1~PT3)について、その全体概略形状と、使用方法を説明する図面である。
【0017】
図1(a)~
図1(c)は、商品陳列棚の上下方向に複数段配置される棚板BRDの一段について、顧客に対面する終端面の近くを図示している。図示の通り、商品仕切板PTiが装着される棚板BRDの上面には、顧客の左右方向に延びる保持レーンLNi(=LN1~LN3)が、貼付けその他の方法で固着されている。
【0018】
何れの商品仕切板PT1~PT3も、厚紙材で構成された平板状の本体部材1と、本体部材1の先端を受止めるプラスチック製の取付部材2と、が一体化されて構成されている。本体部材1は、全て略同一形状であるが、取付部材2は、保持レーンLNiの種類に対応して形状が異なり、挿入タイプPT1,PT2と、把持タイプPT3と、に大別されている。
【0019】
挿入タイプの商品仕切板PT1,PT2は、その先端部が、保持レーンLN1,LN2の開口溝を押し広げる押込み動作によって装着される。一方、把持タイプの商品仕切板PT3は、その先端部が、保持レーンLN3の凸条CNVを強く把持する把持動作によって装着される。
【0020】
何れの商品仕切板PTiも、その装着箇所は、保持レーンLNiの長さ方向の適宜位置であるので、平板状の本体部材1が、棚板BRDの適宜位置に立設されることで、複数の陳列商品が最適に区画される。
【0021】
なお、
図1(a)~
図1(c)の右側に示す通り、棚板BRDの前面には、適宜な補助部材AXが装着されることがある。また、保持レーンLN2には、商品名や商品説明に使用するプレート板などを保持する保持溝が設けられている。
【0022】
商品仕切板PTiの保持レーンLNiへの装着操作は、特に限定されないが、典型的には、商品仕切板PTiの顧客側の先端を係員が保持し、商品仕切板PTiを、矢印方向に降下させることで、上記した押込み動作や把持動作が実現される。
【0023】
図2は、商品仕切板PTiを構成する本体部材1を示す図面である。この本体部材1は、再生紙などの厚紙材1aの表裏面が、平坦性を有する化粧紙1b,1bで覆われて構成されている。ここで、厚紙材の坪量は、例えば、600[g/m
2]であって、本体部材1の全体厚が1.5~2.0[mm]程度に構成されていることで、必要な剛性を確保している。
【0024】
本体部材1は、詳細には、略矩形状の本体片10と、本体片10の上片が傾斜して降下する先端片11とに区分される。そして、本体片10の適宜な位置には、表裏一方の化粧紙1bから内部の厚紙材1aに至るミシン目が形成されており、ミシン目の部分を破断することで、本体片10を必要な長さに調整できるようになっている。
【0025】
また、本実施例では、本体片10において、切除して廃棄される部分を最小化するため、全長Lが異なる複数種類の本体部材1が用意されている。特に限定されないが、本体部材1の全長Lは、棚板BRDの奥行寸法の違いに対応して、50[mm]~600[mm]の範囲で選択される。
【0026】
本実施例では、全長Lが異なる複数の本体部材1が用意され、しかも、各本体部材1の本体片10には、ミシン目が形成されているので、棚板BRDの奥行寸法の違いや、配列商品の違いに対応した、最適寸法の商品仕切板PTを使用することができる。この場合、切除して廃棄される部分は、最小であって、しかも全て紙材であるので、廃棄処理によって環境に悪影響を与えることはない。
【0027】
上記したように、本体部材1の全長Lは、本体片10の長さに応じて各々異なるが、先端片11の形状と、本体片10の幅Wは、全ての本体部材1においてほぼ共通している。そのため、本体部材1を製造時、厚紙材を所定長さに切出した後、その先端部を、共通のプレス金型で切り抜くことで製造が完了するという製造上の簡易性がある。
【0028】
ところで、本体片10の幅Wは、使用状態では、商品を仕切る仕切壁の高さとして機能する。そのため、あまり低いと仕切壁として不適となる一方、仕切壁があまり高過ぎると、陳列商品の邪魔になるので、30~120[mm]程度が好ましい。
【0029】
そこで、本実施例では、本体部材1の剛性と、保持レーンLN2の取付部材2に対する保持力とを考慮して、本体片10の幅Wを、40[mm]と90[mm]の二種類に統一している。但し、幅Wの異なる各種の本体片10を用意することが否定される訳ではない。
【0030】
以上、商品仕切板PTiの本体片10について説明したので、続いて、商品仕切板PTiの先端片11について説明する。先端片11は、本体片10から斜め前方に突出形成された前頭部NSと、前頭部NSの下方に切込空間SPを形成する顎部JWとを有して構成されている。また、顎部JWの下方には、取付部材2の板厚に対応する切欠部CUTが矩形状に形成されている。
【0031】
後述するように、前頭部NSの下方部分と顎部JWとは、切込空間SP及び切欠部CUTと共に、取付部材2の中に収容される。そこで、取付部材2の中に収容される本体部材1の先端部分を総称する場合には、以下、挿入部と称することがある。一方、本体部材1において、取付部材2から露出する部分を総称する場合には、仕切部と総称することがある。
【0032】
図3は、三種類の商品仕切板PTiについて、平面図と、正面図と、要部拡大図を図示したものである。
図3(a)~
図3(c)の平面図と、要部拡大図に示される通り、先端片11の顎部JWは、前頭部NSの下方領域と共に、取付部材2の受入溝GVに収容されて本体部材1の挿入部を構成している。
【0033】
この挿入部の収容時、受入溝GVには、事前に接着剤が導入されているので、先端片11が受入溝GVの内部に固定化されることになり、その結果、本体部材1と取付部材2とが一体化される。すなわち、本体部材1の先端片11の一部が、取付部材2に収容された状態では、本体部材1が、挿入部と仕切部とに区分される。
【0034】
先に説明した通り、紙材である本体部材1の全長Lは、50[mm]~600[mm]である。一方、
図2(a)~(c)に示す通り、プラスチック材である取付部材2の前後方向の長さD1~D3は、各々、22~25[mm]程度である。また、垂直方向の高さT1~T3は、何れも16[mm]程度である。
【0035】
このように、取付部材2の前後方向の長さDiは、紙材で構成された本体部材1の全長の1/2倍~1/27倍程度である。また、取付部材2の垂直高さTiである16[mm]は、本体部材1の幅W(40又は90[mm])の2/5倍以下ということになり、全体に対する取付部材2の構成比が、商品仕切板PTiの廃棄時に有効に機能する。
【0036】
すなわち、使用時の側面視において、取付部材2の面積は、平均的に、本体部材1の1/15程度であり、好ましくは、
図3の正面図に示すように1/20以下であるので、商品仕切板PTiを廃棄する場合に、紙製の本体部材1から、プラスチック材の取付部材2を分離するだけで、プラスチック廃材を大幅に抑制することができる。なお、
図3の正面図に示す本体部材1は、高さが90[mm]、左右幅が410[mm]程度であり、取付部材2の構成比は、全体に対して1/90程度である。
【0037】
図4は、商品仕切板PT1~PT3の構成部品である3種類の取付部材2A~2Cの構成を説明する図面である。何れの取付部材2A~2Cも、非透光性の白色PC(ポリカーボネート)などのプラスチック一体成型品であり、保持レーンLNに対応する形状に形成された装着部20と、装着部20に直交する基端部21とで、平面視で略T字状に形成されている。
【0038】
図4(a)~(c)に示す通り、何れの基端部21にも、本体部材1の先端片11を受入れる受入溝GVが形成されている。ここで、受入溝GVの開口幅は、本体部材1の板厚に対応して、本体部材1の板厚よりやや広く、+0.2[mm]~+0.5[mm]程度に形成されている。
【0039】
また、受入溝GVの内部には、本体部材1の先端片11の挿入を受止める係止突部EGが水平方向に突出形成されている。係止突部EGは、本体部材1の前頭部NSと、顎部JWの間に形成される切込空間SPに対応する構成を有しており、係止突部EGが、切込空間SPに突入することで、本体部材1の上方移動を阻止している。
【0040】
このように、本体部材1の先端片11の上方移動は、係止突部EGによって確実に阻止されるので、本体部材1と取付部材2を一体化する上で、接着剤の使用量は、最小量で足りる。
【0041】
また、受入溝GVの両壁には、接着剤の溶出通路となり得る開口穴HOが形成されている。したがって、接着剤を貯めた受入溝GVに、本体部材1の先端片11を挿入した場合に、仮に接着剤が溢れ出ても、開口穴HOの周りを拭くことで除去することができる。なお、取付部材2は、非透光性のプラスチック材料で構成されているので、受入溝GV内部の接着状況などが見えることがなく、商品の外観を損ねることはない。
【0042】
取付部材2の基端部21の構成は、上記の通り、全ての商品仕切板PT1~PT3において、ほぼ共通しているが、装着部20(20A~20C)の構成は、保持レーンLN1~LN3に形状に対応して、各々異なる。
【0043】
先ず、装着部20Aは、断面略三角形に屈曲形成された保持レーンLN1に対応して、フック状の断面形状を有している。ここで、フック状とは、断面が山状に形成された抜止め隆起部PRが一方面(図示の後方面)に存在する形状を意味する。
【0044】
そして、装着部20Aの先端が、保持レーンLN1の三角形頂点を押し広げて挿入された後は、装着部20Aの隆起部PRが保持レーンLN1に強く挟持されることで、保持レーンLN1に対する装着部20Aの装着姿勢が安定する。
【0045】
次に、装着部20Bは、上方を狭めた断面U字状に屈曲形成された保持レーンLN2に対応して、二重フック状の断面形状を有している。ここで、二重フック状とは、断面が山状に形成された抜止め隆起部PR,PRが、前方面と後方面に存在する形状を意味する。
【0046】
そして、装着部20Aの先端が、保持レーンLN2の開放頂点を押し広げて挿入された後は、装着部20Aの隆起部PR,PRが保持レーンLN2に強く挟持されることで、保持レーンLN2に対する装着部20Aの装着姿勢が安定する。
【0047】
また、装着部20Cは、左右方向に延びる凸条CNVを設けた保持レーンLN3に対応して、グリップ状の断面形状を有している。ここで、グリップ状とは、上下方向に延びて対面する一対の把持片GR,GRによって形成された断面逆U字形状を意味する。
【0048】
そして、装着部20Cの把持片GR,GRが、保持レーンLN3の凸条CNVによって押し広げられて、凸条CNVを把持した後は、その把持力によって、保持レーンLN3に対する装着部20Cの装着姿勢が安定する。
【0049】
以上、本実施例について詳細に説明したが、具体的な記載内容は、何ら本発明を限定せず、適宜に変更可能である。例えば、取付部材2の開口穴HOは、必ずしも必須ではなく、これを設けない構成も好適である。
【0050】
また、開口穴HOの有無に関わらず、接着剤の使用は、必ずしも必須ではなく、例えば、竹製又は木製のピン部材を用意して、ピン部材を開口穴HOに打ち込むことで、本体部材1と取付部材2を一体化させてもよい。なお、この場合には、開口穴HOの位置に対応して、先端片11にも取付穴を開口させておくのも好適である。
【0051】
また、取付部材2に開口穴HOを設ける場合には、
図4(d)に示すように、開口穴HOに対応する本体部材1の位置において、一方面から他方面に向けて、略円柱状の突起MKを隆起させるのも好適である。この場合も、接着剤は不要であって、取付部材2の受入溝GVに、本体部材1の先端片11を滑り込ませると、円柱突起MKが開口穴HOに係止されて取付姿勢が安定する。なお、この構成の場合には、本体部材1の材料として、腰が強く、且つ、紙質が硬い硬質紙が好適に使用される。
【0052】
また、製造工程を簡素化する意味では、接着剤もピン部材も使用することなく、取付部材2の受入溝GVに、本体部材1の先端片11を圧入するのも好適である。この場合には、受入溝GVの開口幅と、本体部材1を構成する厚紙材の板厚と同一であって、厚紙材の収縮弾力を利用して、受入溝GVに、本体部材1の先端片11が圧入される。
【0053】
なお、水平方向に延びる係止突部EGに代えて、上下方向に延びる係止突部EGとするのも好適である(
図4(e)参照)。この場合には、前頭部NSの切込空間SPの形状も、係止突部EGの形状に対応して変更される。
【0054】
また、取付部材2の基端部21に、一対の開口穴HOを設けることに代えて、基端部21の受入溝GVに、内向きに隆起する隆起部を設けるのも好適である。隆起部は、好適には、円弧状に隆起する一対の隆起片が、受入溝GVの対抗面に各一ヶ所又は各一列形成される。このような構成を採る場合には、本体部材1の対応位置には、受入溝GVの隆起部に対応する一対の係止穴が形成されており、受入溝GVの隆起部が、本体部材1の係止穴に没入することで、本体部1と取付部2が一体化される。
【符号の説明】
【0055】
BRD 陳列棚の棚板
PTi 商品仕切板
LN 保持レーン
PR 隆起部
GR 把持片
GV 受入溝
1 本体部材
2 取付部
20 装着部
21 基端部