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特開2023-151983設定情報提供装置、設定情報提供方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023151983
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】設定情報提供装置、設定情報提供方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20231005BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
H04N1/00 912
G06T1/00 400Z
H04N1/00 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022061881
(22)【出願日】2022-04-01
(71)【出願人】
【識別番号】000136136
【氏名又は名称】株式会社PFU
(72)【発明者】
【氏名】服部 克洋
【テーマコード(参考)】
5B047
5C062
【Fターム(参考)】
5B047AA01
5B047AB01
5B047AB02
5B047AB04
5B047DC09
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA35
5C062AB17
5C062AB38
5C062AB42
5C062AC02
5C062AC05
5C062AC22
5C062AC34
5C062AC58
5C062AF12
(57)【要約】
【課題】 有識者の設定情報の中から最適なスキャナの設定を提案する設定情報提供装置を提供する。
【解決手段】 設定情報提供装置4は、画像読取処理で用いる設定情報を複数格納する設定情報格納部と、入力された画像データから、特徴情報を抽出する特徴抽出部と、前記特徴抽出部により抽出された特徴情報に基づいて、前記設定情報格納部に格納されている設定情報の中から、設定情報を選択する設定情報選択部と、前記設定情報選択部により選択された設定情報を出力する出力部とを有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像読取処理で用いる設定情報を複数格納する設定情報格納部と、
入力された画像データから、特徴情報を抽出する特徴抽出部と、
前記特徴抽出部により抽出された特徴情報に基づいて、前記設定情報格納部に格納されている設定情報の中から、設定情報を選択する設定情報選択部と、
前記設定情報選択部により選択された設定情報を出力する出力部と
を有する設定情報提供装置。
【請求項2】
前記設定情報格納部は、他のユーザが設定した設定情報を含む複数の前記設定情報を格納しており、
前記設定情報選択部は、他のユーザが設定した設定情報を含む複数の前記設定情報の中から、設定情報を選択する
請求項1に記載の設定情報提供装置。
【請求項3】
それぞれの設定情報が参照された参照回数、それぞれの設定情報が使用された使用回数、又は、デフォルトの設定値からの設定情報の編集度合いに基づいて、前記設定情報格納部に格納すべき設定情報を決定する登録情報決定部
をさらに有し、
前記設定情報格納部は、前記登録情報決定部により決定された設定情報を格納する
請求項2に記載の設定情報提供装置。
【請求項4】
他のユーザの設定情報を編集して使用した場合に、編集された元の設定情報の参照回数又は使用回数を更新する設定情報評価部
をさらに有し、
前記登録情報決定部は、前記設定情報評価部により更新された各設定情報の参照回数又は使用回数に基づいて、前記設定情報格納部に格納すべき設定情報を決定する
請求項3に記載の設定情報提供装置。
【請求項5】
入力された画像データの目的を特定する目的特定部
をさらに有し、
前記設定情報選択部は、前記目的特定部により特定された目的と、前記特徴抽出部により抽出された特徴情報とに基づいて、前記設定情報格納部に格納されている設定情報の中から、設定情報を選択する
請求項4に記載の設定情報提供装置。
【請求項6】
前記特徴抽出部は、入力された画像データから、複数種類の特徴情報を抽出し、
前記設定情報選択部は、前記特徴抽出部により抽出された複数種類の特徴情報に基づいて、前記設定情報格納部に格納されている設定情報の中から、設定情報を選択する
請求項1に記載の設定情報提供装置。
【請求項7】
前記設定情報格納部は、設定情報を目的に関連付けて格納し、
前記出力部は、前記設定情報選択部により特徴情報に基づいて選択された設定情報を、この設定情報に関連付けられた目的と共に提示する
請求項6に記載の設定情報提供装置。
【請求項8】
前記設定情報選択部は、複数の設定情報を選択し、
前記出力部は、前記設定情報選択部により選択された複数の設定情報を、画像の特徴情報の類似度順に提示する
請求項6に記載の設定情報提供装置。
【請求項9】
前記設定情報選択部は、複数の設定情報を選択し、
前記出力部は、前記設定情報選択部により選択された複数の設定情報を、これらの設定情報の利用実績の順に提示する
請求項6に記載の設定情報提供装置。
【請求項10】
画像読取処理で用いる設定情報をデータベースに登録する登録ステップと、
入力された画像データから、特徴情報を抽出する特徴抽出ステップと、
前記特徴抽出ステップにより抽出された特徴情報に基づいて、前記データベースに格納されている設定情報の中から、設定情報を選択する設定情報選択ステップと、
前記設定情報選択ステップにより選択された設定情報を出力する出力ステップと
を有する設定情報提供方法。
【請求項11】
画像読取処理で用いる設定情報をデータベースに登録する登録ステップと、
入力された画像データから、特徴情報を抽出する特徴抽出ステップと、
前記特徴抽出ステップにより抽出された特徴情報に基づいて、前記データベースに格納されている設定情報の中から、設定情報を選択する設定情報選択ステップと、
前記設定情報選択ステップにより選択された設定情報を出力する出力ステップと
をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、設定情報提供装置、設定情報提供方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には設定されたスキャンパラメータに基づいて原稿画像を光学的にスキャンし画像データに変換する画像形成装置において、制御手段と、該制御手段をサーバに結合する通信手段とを有し、該制御手段は、(a)該原稿画像をプレスキャンしその画像データを処理して識別子を認識し、(b)該通信手段を介し該サーバにこの識別子を送信し、該サーバから該識別子に対応するスキャンパラメータを受信した場合には、このスキャンパラメータに基づいて該原稿画像を本スキャンし画像データに変換する、ことを特徴とする画像形成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-252229
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
有識者の設定情報の中から最適なスキャナの設定を提案する設定情報提供装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る設定情報提供装置は、画像読取処理で用いる設定情報を複数格納する設定情報格納部と、入力された画像データから、特徴情報を抽出する特徴抽出部と、前記特徴抽出部により抽出された特徴情報に基づいて、前記設定情報格納部に格納されている設定情報の中から、設定情報を選択する設定情報選択部と、前記設定情報選択部により選択された設定情報を出力する出力部とを有する。
【0006】
好適には、前記設定情報格納部は、他のユーザが設定した設定情報を含む複数の前記設定情報を格納しており、前記設定情報選択部は、他のユーザが設定した設定情報を含む複数の前記設定情報の中から、設定情報を選択する。
【0007】
好適には、それぞれの設定情報が参照された参照回数、それぞれの設定情報が使用された使用回数、又は、デフォルトの設定値からの設定情報の編集度合いに基づいて、前記設定情報格納部に格納すべき設定情報を決定する登録情報決定部をさらに有し、前記設定情報格納部は、前記登録情報決定部により決定された設定情報を格納する。
【0008】
好適には、他のユーザの設定情報を編集して使用した場合に、編集された元の設定情報の参照回数又は使用回数を更新する設定情報評価部をさらに有し、前記登録情報決定部は、前記設定情報評価部により更新された各設定情報の参照回数又は使用回数に基づいて、前記設定情報格納部に格納すべき設定情報を決定する。
【0009】
好適には、入力された画像データの目的を特定する目的特定部をさらに有し、前記設定情報選択部は、前記目的特定部により特定された目的と、前記特徴抽出部により抽出された特徴情報とに基づいて、前記設定情報格納部に格納されている設定情報の中から、設定情報を選択する。
【0010】
好適には、前記特徴抽出部は、入力された画像データから、複数種類の特徴情報を抽出し、前記設定情報選択部は、前記特徴抽出部により抽出された複数種類の特徴情報に基づいて、前記設定情報格納部に格納されている設定情報の中から、設定情報を選択する。
【0011】
好適には、前記設定情報格納部は、設定情報を目的に関連付けて格納し、前記出力部は、前記設定情報選択部により特徴情報に基づいて選択された設定情報を、この設定情報に関連付けられた目的と共に提示する。
【0012】
好適には、前記設定情報選択部は、複数の設定情報を選択し、前記出力部は、前記設定情報選択部により選択された複数の設定情報を、画像の特徴情報の類似度順に提示する。
【0013】
好適には、前記設定情報選択部は、複数の設定情報を選択し、前記出力部は、前記設定情報選択部により選択された複数の設定情報を、これらの設定情報の利用実績の順に提示する。
【0014】
本発明に係る設定情報提供方法は、画像読取処理で用いる設定情報をデータベースに登録する登録ステップと、入力された画像データから、特徴情報を抽出する特徴抽出ステップと、前記特徴抽出ステップにより抽出された特徴情報に基づいて、前記データベースに格納されている設定情報の中から、設定情報を選択する設定情報選択ステップと、前記設定情報選択ステップにより選択された設定情報を出力する出力ステップとを有する。
【0015】
本発明に係るプログラムは、画像読取処理で用いる設定情報をデータベースに登録する登録ステップと、入力された画像データから、特徴情報を抽出する特徴抽出ステップと、前記特徴抽出ステップにより抽出された特徴情報に基づいて、前記データベースに格納されている設定情報の中から、設定情報を選択する設定情報選択ステップと、前記設定情報選択ステップにより選択された設定情報を出力する出力ステップとをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0016】
有識者の設定情報の中から最適なスキャナの設定を提案する設定情報提供装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】設定情報提供システム1の全体構成を例示する図である。
図2】スキャナ装置2のハードウェア構成を例示する図である。
図3】ユーザ端末3のハードウェア構成を例示する図である。
図4】設定情報提供装置4のハードウェア構成を例示する図である。
図5】スキャナ装置2の機能構成を例示する図である。
図6】ユーザ端末3の機能構成を例示する図である。
図7】設定情報提供装置4の機能構成を例示する図である。
図8】設定情報提供処理(S10)を説明するフローチャートである。
図9】設定情報提供装置4の設定情報DB600に格納されるプロファイル情報を例示する図である。
図10】プロファイル情報の登録/更新処理(S20)を説明するフローチャートである。
図11】(a)は、原稿の特徴情報と目的情報とに基づいたプロファイルの提示を例示する図であり、(b)は、原稿の特徴情報に基づいたプロファイルの提示を例示する図であり、(c)は、目的情報を補足情報として提示したプロファイル候補を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[背景]
本発明がなされた背景を説明する。
紙媒体をスキャンして電子化する際、スキャンデータに対する要求はユーザ毎に異なる。特に、業務向けスキャナの場合、定型帳票を大量にスキャンする場合が多く、その帳票に特化した要望に応えるため、出力先、及び画像処理設定が大量に存在する。そのため、有識者でなければ、最適な設定を行うことが難しい。
【0019】
そこで、本発明の設定情報提供システム1は、原稿の種類や目的それぞれに適した大量の設定情報(以下、「プロファイル」と称する)を用意し、ユーザの目的、及び原稿の特徴に基づいて、プロファイルを提案することで、ユーザが有識者でなくとも、最適なプロファイルを見つけ出すことを可能にする。
【0020】
本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
図1は、設定情報提供システム1の全体構成を例示する図である。
図1に例示するように、設定情報提供システム1は、スキャナ装置2と、ユーザ端末3と、設定情報提供装置4とを含み、これらは互いにネットワーク5で接続している。
スキャナ装置2は、原稿から画像を読み取る画像読取装置である。
ユーザ端末3は、ユーザが使用するコンピュータ端末であり、例えば、ユーザの操作に応じてスキャナ装置2と通信を行い、スキャナ装置2を制御する。ユーザ端末3で作成したスキャン設定情報は、プロファイルと呼び、一般的に、スキャンする媒体(原稿、名刺、レシートなど)によって異なることが多いため、ユーザは、ドライバソフトウェアまたはスキャナ装置2の操作画面からスキャン原稿や保存先に合わせたプロファイルを選択し、スキャンボタンを押すことで、スキャナ装置2によるスキャンが開始される。原稿は、プロファイルに従った読み取り面・解像度などでスキャンされ、ユーザ端末3に送信される。
設定情報提供装置4は、各ユーザが作成したプロファイルを複数格納するコンピュータ端末である。設定情報提供装置4が格納するプロファイルは、有識者により作成されたプロファイルを含み、プロファイルには、原稿の特徴情報と、原稿に対する処理(目的)とが関連付けられている。設定情報提供装置4は、スキャナ装置2により読み取られた原稿の特徴と原稿に対する処理(目的)とに基づいて、最適なプロファイルをユーザ端末3に提示する。
【0021】
図2は、スキャナ装置2のハードウェア構成を例示する図である。
図2に例示するように、スキャナ装置2は、CPU200、揮発性のメモリ202、不揮発性のメモリ204、ネットワークインタフェース206(ネットワークIF206)、及びタッチパネル208を有し、これらの構成はバス212を介して互いに接続している。
CPU200は、例えば、中央演算装置である。
メモリ202は、例えば、揮発性メモリであり、主記憶装置として機能する。
不揮発性メモリ204は、例えば、不揮発性の記憶装置としてコンピュータプログラム(例えば、図5のスキャナプログラム20)やその他のデータファイルを格納する。
ネットワークIF206は、有線又は無線で通信するためのインタフェースである。
タッチパネル208は、操作画面の一例であり、例えば、液晶タッチパネルである。
【0022】
図3は、ユーザ端末3のハードウェア構成を例示する図である。
図3に例示するように、ユーザ端末3は、CPU300、メモリ302、HDD304、ネットワークインタフェース306(ネットワークIF306)、表示装置308、及び、入力装置310を有し、これらの構成はバス312を介して互いに接続している。
CPU300は、例えば、中央演算装置である。
メモリ302は、例えば、揮発性メモリであり、主記憶装置として機能する。
HDD304は、例えば、ハードディスクドライブ装置であり、不揮発性の記録装置としてコンピュータプログラム(例えば、図6のドライバプログラム30)やその他のデータファイルを格納する。
ネットワークIF306は、有線又は無線で通信するためのインタフェースであり、例えば、内部ネットワーク5における通信を実現する。
表示装置308は、例えば、液晶ディスプレイである。
入力装置310は、例えば、キーボード及びマウスである。
【0023】
図4は、設定情報提供装置4のハードウェア構成を例示する図である。
図4に例示するように、設定情報提供装置4は、CPU400、メモリ402、HDD404、ネットワークインタフェース406(ネットワークIF406)、表示装置408、及び、入力装置410を有し、これらの構成はバス412を介して互いに接続している。
CPU400は、例えば、中央演算装置である。
メモリ402は、例えば、揮発性メモリであり、主記憶装置として機能する。
HDD404は、例えば、ハードディスクドライブ装置であり、不揮発性の記録装置としてコンピュータプログラム(例えば、図7の設定情報提供プログラム40)やその他のデータファイル(例えば、設定情報データベース600)を格納する。
ネットワークIF406は、有線又は無線で通信するためのインタフェースであり、例えば、内部ネットワーク5における通信を実現する。
表示装置408は、例えば、液晶ディスプレイである。
入力装置410は、例えば、キーボード及びマウスである。
【0024】
図5は、スキャナ装置2の機能構成を例示する図である。
図5に例示するように、本例のスキャナ装置2には、スキャナプログラム20がインストールされる。
スキャナプログラム20は、例えば、CD-ROM等の記録媒体に格納されており、この記録媒体を介して、スキャナ装置2にインストールされる。
スキャナプログラム20は、原稿読取り部220、カウント部222、及び送信部224を有する。
なお、スキャナプログラム20の一部又は全部は、ASICなどのハードウェアにより実現されてもよく、また、OS(Operating System)の機能を一部借用して実現されてもよい。
【0025】
スキャナプログラム20において、原稿読取り部220は、原稿を読み取り、原稿の画像データを取得する。
カウント部222は、プロファイルの参照回数と使用回数とを計測する。具体的には、カウント部222は、スキャン時に、ユーザ端末2のドライバソフトウェアまたはスキャナ装置2の操作画面から、ユーザにより選択されたプロファイルの参照回数と使用回数とを計測する。
【0026】
送信部224は、スキャン時に使用されたプロファイル情報を設定情報提供装置4へ送信する。具体的には、送信部224は、前回のプロファイル情報の送信日から30日経過していた場合、且つ、カウント部222により計測されたプロファイルの使用回数、または参照回数が既定値以上となった場合に、プロファイル情報を設定情報提供装置4へ送信する。より具体的には、参照元のプロファイルがある場合には、送信部224は、参照元プロファイルのGUID、プロファイルのGUID、及び使用回数を設定情報提供装置4へ送信する。また、参照元のプロファイルがない場合には、プロファイル、原稿の特徴情報、目的情報、及び使用回数を設定情報提供装置4へ送信する。ここで、GUIDとはプロファイルを識別するために固有に割り当てられた識別情報をいう。
送信部224による設定情報提供装置4との通信形式は、HTTPリクエスト、及びJson形式である。
【0027】
図6は、ユーザ端末3の機能構成を例示する図である。
図6に例示するように、本例のユーザ端末3には、ドライバプログラム30がインストールされる。ドライバプログラム30は、例えば、CD-ROM等の記録媒体に格納されており、この記録媒体を介して、ユーザ端末3にインストールされる。
ドライバプログラム30は、特徴抽出部330、目的特定部332、及び設定部334を有する。
なお、ドライバプログラム30の一部又は全部は、ASICなどのハードウェアにより実現されてもよく、また、OS(Operating System)の機能を一部借用して実現されてもよい。
【0028】
特徴抽出部330は、スキャナ装置2の原稿読取り部220により読み取られ、ユーザ端末3に入力された原稿の画像データから特徴情報を抽出する。具体的には、特徴抽出部330は、原稿そのものではなく、原稿から得られる特徴情報を、スキャン装置2の固定の画像処理設定で顧客原稿をスキャンすることにより取得する。原稿から得られる特徴情報には、原稿サイズ、原稿種(写真/文字原稿(請求書、見積書、転出証明書等)/名刺/パスポート等)、色(カラー/モノクロ)、カラーヒストグラム情報、最小/最大フォントサイズ、文字濃度、地紋又は背景のノイズ量、罫線情報(縦横本数、罫線色)、バーコードの有無、白抜き/網掛け/印影文字の有無、パンチ穴の有無、カラー情報、地紋の有無等が含まれる。特徴抽出部330により抽出された原稿の特徴情報は、スキャナ装置2の送信部224により設定情報提供装置4へ送信される。
【0029】
目的特定部332は、入力された画像データの目的を特定する。具体的には、目的特定部332は、原稿読取り部220により読み取られた画像データに対する処理(目的)を、ユーザ端末3に既に設定済みの画像処理設定から特定する。また、目的特定部332は、ウィザード、及びチャットボット等の対話形式でユーザから画像データに対する処理(目的)を特定する。特定された目的を目的情報という。
例えば、スキャナ装置2において、文字を抽出したい(OCR:Optical Character Recognition)場合は、2値白黒、ノイズ除去、地紋除去の設定を行い、アーカイブの場合は、カラーの設定を行い、e-文書法に適した画質で保存したい場合は、トーン調整、e-文書モードの設定を行う。つまり、同じ原稿でも目的次第で最適なプロファイルが異なる場合に、目的特定部332による目的の特定により、目的に応じたプロファイルの提案が可能である。
目的特定部332により特定された目的情報は、スキャナ装置2の送信部224により設定情報提供装置4へ送信される。
設定部334は、ユーザが選択したプロファイル情報を設定情報提供装置4から取得し、ユーザ端末3に保存及び設定する。
なお、ドライバプログラム30で構成される機能は、設定情報提供装置4に含まれてもよい。
【0030】
図7は、設定情報提供装置4の機能構成を例示する図である。
図7に例示するように、本例の設定情報提供装置4には、設定情報提供プログラム40がインストールされると共に、設定情報データベース600(設定情報DB600)が構成される。設定情報提供プログラム40は、例えば、CD-ROM等の記録媒体に格納されており、この記録媒体を介して、設定情報提供装置4にインストールされる。
設定情報提供プログラム40は、受信部440、設定情報格納部442、設定情報選択部444、設定情報評価部446、登録情報決定部448、類似度算出部450、利用実績評価部452、ソート部454、及び出力部456を有する。
なお、設定情報提供プログラム40の一部又は全部は、ASICなどのハードウェアにより実現されてもよく、また、OS(Operating System)の機能を一部借用して実現されてもよい。
【0031】
受信部440は、スキャナ装置2の送信部224により送信されたプロファイル情報を受信する。
設定情報格納部442は、画像読取処理で用いるプロファイルを設定情報DB600に複数格納する。設定情報DB600は、他のユーザが設定したプロファイルを含む複数のプロファイルを格納している。また、設定情報格納部442は、登録情報決定部448により決定されたプロファイルを設定情報DB600に格納する。
【0032】
設定情報選択部444は、特徴抽出部330により抽出された特徴情報に基づいて、設定情DB600に格納されているプロファイルの中から、プロファイルを選択する。具体的には、設定情報選択部444は、特徴抽出部330により抽出された複数種類の特徴情報に基づいて、設定情報DB600に格納されているプロファイルの中から、プロファイルを選択する。より具体的には、設定情報選択部444は、目的特定部332により特定された目的情報と、特徴抽出部330により抽出された特徴情報とに基づいて、設定情報DB600に格納されているプロファイルの中から、プロファイルを選択する。
また、設定情報選択部444は、他のユーザが設定したプロファイルを含む複数のプロファイルの中から、複数のプロファイルを選択する。
【0033】
設定情報評価部446は、他のユーザのプロファイルを編集して使用した場合に、編集された元のプロファイルの参照回数又は使用回数を更新する。具体的には、設定情報評価部446は、受信部440により受信した、設定情報DB600に格納されているプロファイル情報を更新する。
【0034】
登録情報決定部448は、それぞれのプロファイルが参照された参照回数、それぞれのプロファイルが使用された使用回数、又は、デフォルトの設定値からのプロファイルの編集度合いに基づいて、設定情報DB600に格納すべき設定情報を決定する。また、登録情報決定部448は、設定情報評価部446により更新された各プロファイルの参照回数又は使用回数に基づいて、設定情報DB600に格納すべきプロファイルを決定する。
【0035】
類似度算出部450は、特徴抽出部330により抽出された特徴情報と目的特定部332により特定された目的情報と、設定情報DB600に格納されているプロファイルに関連付けられる原稿特徴と目的情報との類似度を算出する。類似度の算出方法は、一致有無変数:δ=1(一致時),0(不一致時)とし、項目によってスコアへの反映度合いを変える。[類似度]=δ[目的情報-大枠(OCR OR アーカイブ)]*5+δ[目的情報-その他]*10+δ[原稿特徴-原稿種]*10+δ[原稿特徴-原稿サイズ]*5+カラーヒストグラム類似度(R、G、BそれぞれのピークRGB値とその割合の一致度から0-10を設定)+地紋、背景ノイズ類似度(地紋や背景ノイズ量を5段階に分け、差分値(0-5)を設定)+罫線一致度(罫線本数の縦横比や、罫線色の一致度から0-5を設定)+δ[原稿特徴-その他]*3である。
【0036】
利用実績評価部452は、プロファイルの利用実績を評価する。具体的には、利用実績評価部452は、参照数、使用回数、細部設定が変更されているか、様々な設定が変更されているか、及び使用頻度の高いプロファイルの作成実績があるユーザにより作成されたプロファイルであるかに基づいて、プロファイルを評価する。
ソート部454は、類似度算出部450により算出された類似度の高い順、及び利用実績評価部452により評価された利用実績の高い順にプロファイルを並び替える。
【0037】
出力部456は、設定情報選択部444により選択されたプロファイルを出力する。具体的には、出力部454は、設定情報選択部444により特徴情報に基づいて選択されたプロファイルを、このプロファイルに関連付けられた目的と共に提示する。また、出力部456は、設定情報選択部444により選択された複数のプロファイルを、画像の特徴情報の類似度順に提示する。さらに、出力部456は、設定情報選択部444により選択された複数のプロファイルを、これらのプロファイルの利用実績の順に提示する。具体的には、出力部456は、設定情報選択部444により選択されたプロファイルを、ソート部454により並び替えられた順に、表示装置308に表示する。
なお、設定情報提供装置4及び設定情報DB600は、ネットワーク上にクラウドサービスとして実装されてもよい。
【0038】
図8は、設定情報提供処理(S10)を説明するフローチャートである。
図8に例示するように、ステップ100(S100)において、設定情報提供装置4は、有識者であるユーザが使用しているプロファイル情報を収集する。具体的には、ユーザ端末3の特徴抽出部330は、有識者が使用しているプロファイルを適用してスキャンを行う原稿の特徴を抽出する。より具体的には、特徴抽出部330は、実際に運用で使用する原稿をスキャンすることにより、画像データを解析し、原稿の特徴情報を取得する。ユーザ端末3の目的特定部332は、有識者であるユーザが使用しているプロファイルを適用し、スキャンした原稿の画像データに対する目的を、既に設定済みの画像処理設定から特定する。設定情報格納部442は、収集した有識者が使用しているプロファイルを特徴情報と目的情報とに関連付けて設定情報DB600に格納する。
【0039】
ステップ105(S105)において、スキャナ装置2の原稿読取り部220は、原稿を読み取る。
ステップ110(S110)において、ユーザ端末3の特徴抽出部330は、原稿読取り部220に読み取られた原稿の画像データに基づいて、原稿の特徴情報を抽出する。
ステップ115(S115)において、ユーザ端末3の目的特定部332は、スキャナ装置2、またはユーザ端末3のウィザードやチャットボット等の対話形式により、スキャンした原稿に対する処理(目的)をユーザから取得する。
ステップ120(S120)において、設定情報提供装置4の類似度算出部450は、特徴抽出部330により抽出された特徴情報、及び目的特定部332により特定された目的情報と、設定情報DB600に格納されているプロファイルの原稿特徴、及び目的情報との類似度を算出する。
ステップ125(S125)において、設定情報選択部444は、類似度が既定値以上であるすべてのプロファイルを設定情報DB600から選択する。
【0040】
ステップ130(S130)において、利用実績評価部452は、類似度算出部450により選択された、類似度が既定値以上のプロファイルの利用実績を評価する。
ステップ135(S135)において、ソート部454は、設定情報選択部444により選択された、類似度が既定値以上のプロファイルを、利用実績評価部452により評価された利用実績の高い順に並び替える。
ステップ140(S140)において、出力部456は、ユーザ端末3の表示装置308にソート部454により並び替えられた順にプロファイルを表示する。
ステップ145(S145)において、ユーザ端末3は、ユーザによるプロファイルの選択を受け付ける。
ステップ150(S150)において、設定情報格納部442は、ユーザ端末3に選択されたプロファイル情報を設定情報DB600から取得し、ユーザ端末3に送信する。ユーザ端末3の設定部334は、取得したプロファイルを設定する。
【0041】
図9は、設定情報提供装置4の設定情報DB600に格納されるプロファイル情報を例示する図である。
図9に例示するように、プロファイル情報は、プロファイルの識別情報であるGUID、原稿特徴(原稿サイズ、原稿種等)、プロファイル内容(解像度、画像タイプ等)、使用回数、参照されたプロファイルが含まれ、これらは関連付けられている。
使用回数には、スキャナ装置2により送信されたプロファイル情報に含まれる使用回数が加算される。設定情報DB600には複数のプロファイルが格納される。
【0042】
図10は、プロファイル情報の登録/更新処理(S20)を説明するフローチャートである。
図10に例示するように、ステップ200(S200)において、スキャナ装置2のカウント部222は、スキャナ装置2の原稿読取り部220により、原稿が読み取られる度に、使用されたプロファイルの使用回数または参照回数をカウントする。
ステップ205(S205)において、スキャナ装置2の送信部224によるプロファイル情報の送信が、前回の送信日から30日経過していた場合、且つ、スキャナ装置2のカウント部222により計測されたプロファイルの使用回数、または参照回数が既定値以上となった場合に、プロファイル情報の登録/更新処理(S20)は、S210に移行し、それ以外の場合は、条件を満たすまでカウントを続ける。
ステップ210(S210)において、プロファイル情報の参照元プロファイルが存在する場合に、プロファイル情報の登録/更新処理(S20)は、S215へ移行し、存在しない場合に、S230へ移行する。
【0043】
ステップ215(S215)において、スキャナ装置2の送信部224は、設定情報提供装置4へプロファイル情報を送信する。具体的には、スキャナ装置2の送信部224は、参照元プロファイルGUID、プロファイルGUID、及び使用回数を設定情報提供装置4へ送信する。設定情報提供装置4の受信部440は、プロファイル情報を受信する。
ステップ220(S220)において、スキャナ装置2のカウント部222は、プロファイル情報を送信したプロファイルの使用回数のカウントをリセットする。
ステップ225(S225)において、設定情報提供装置4の設定情報評価部446は、設定情報格納DB600に格納される参照元プロファイルに対して、使用回数と参照GUIDを更新する。
ステップ230(S230)において、ユーザ端末3の特徴抽出部330は、スキャナ装置2の原稿読取り部220に読み取られた原稿の特徴情報を抽出する。
ステップ235(S235)において、ユーザ端末3の目的特定部332は、スキャナ装置2の原稿読取り部220により読み取られた原稿の画像データに対する処理(目的)を特定する。
ステップ240(S240)において、スキャナ装置2の送信部224は、設定情報提供装置4へプロファイル情報を送信する。具体的には、スキャナ装置2の送信部224は、プロファイル、ユーザ端末3の特徴抽出部330により抽出された原稿特徴、ユーザ端末3の目的特定部332により特定された目的情報、及び使用回数を設定情報提供装置4へ送信する。設定情報提供装置4の受信部440は、プロファイル情報を受信する。
【0044】
ステップ245(S245)において、スキャナ装置2のカウント部222は、プロファイル情報を送信したプロファイルの使用回数または参照回数のカウントをリセットする。
ステップ250(S250)において、設定情報提供装置4の登録情報決定部448は、受信部440により受信したプロファイル情報の使用回数、または参照回数が既定値以上、またはデフォルトの設定値からのプロファイルの編集度合いが既定値以上である場合に、設定情報DB600への登録条件を満たすと判断し、S255へ移行し、それ以外の場合に、登録条件を満たさないと判断し、処理を終了する。
ステップ255(S255)において、設定情報提供装置4の受信部440により受信したプロファイルが設定情報提供装置4の設定情報DB600に存在しない場合に、プロファイル情報の登録/更新処理(S20)は、S260へ移行し、存在する場合にS265へ移行する。
ステップ260(S260)において、設定情報提供装置4の設定情報格納部442は、設定情報DB600に、受信部440により受信したプロファイル情報を新規に登録する。
ステップ265(S265)において、設定情報提供装置4の設定情報格納部442は、受信部440により受信した、設定情報DB600に格納されるプロファイル情報を更新する。
【0045】
以上説明したように、本実施形態の設定情報提供装置4は、予め、有識者のプロファイルを収集し、原稿特徴及び目的情報と関連付けて格納しておく。設定情報提供装置4は、原稿特徴及び目的情報に基づいて、最適なプロファイルを、収集した有識者のプロファイルから選択し、ユーザに提供する。したがって、設定情報提供装置4によれば、運用実績のある有識者のプロファイルを活用し、スキャナに詳しくないユーザであっても、最適なスキャナ設定を行うことが可能である。
【0046】
[変形例1]
次に、上記実施形態の変形例を説明する。
図11(a)は、原稿の特徴情報と目的情報とに基づいたプロファイルの提示を例示する図であり、(b)は、原稿の特徴情報に基づいたプロファイルの提示を例示する図であり、(c)は、プロファイル選択のための補足情報としての目的情報の提示を例示する図である。
上記実施形態では、図11(a)に例示するように、目的情報と原稿特徴とに基づいて、最適なプロファイル候補を複数提示する形態を説明したが、目的情報を加味せず、原稿特徴に基づいて、最適なプロファイル候補を複数提示し、ユーザに選択を促してもよい。
【0047】
図11(b)を用いて変形例1における設定情報提供システム1を説明する。
ユーザは、原稿をスキャンし、スキャナ装置2の原稿読取り部220は、原稿の画像データを取得する。ユーザ端末3の特徴抽出部330は、原稿読取り部220により読み取られた画像データから原稿の特徴情報を抽出する。設定情報提供装置4の類似度算出部450は、抽出した原稿の特徴情報と設定情報DB600に格納されているプロファイルの原稿特徴との類似度を算出する。設定情報選択部444は、類似度が既定値以上のプロファイルを選択する。利用実績評価部452は、設定情報選択部444により選択された、類似度が既定値以上のプロファイルの利用実績を評価する。
【0048】
ソート部454は、設定情報選択部444により選択された、類似度が既定値以上のプロファイルを、利用実績評価部452により評価された利用実績の高い順に並び替える。出力部456は、ユーザ端末3の表示装置308に、ソート部454により並び替えられた順にプロファイルとプロファイルの類似度とを表示する。さらに、出力部456は、類似度の最も高いプロファイルを適用した出力画像を表示する。ユーザは、表示されたプロファイル一覧から適用するプロファイルを選択し、設定情報提供装置4の設定情報選択部444は、選択されたプロファイルをユーザ端末3に保存する。
【0049】
[変形例2]
さらに、上記実施形態の変形例を説明する。
変形例1では、目的情報を加味せず、原稿特徴に基づいて、最適なプロファイル候補を複数提示し、ユーザに選択を促す形態について説明したが、複数提示したプロファイルを選択するための補足情報として目的情報を提示してもよい。
【0050】
変形例2の設定情報提供システム1において、出力部456が、類似度が既定値以上のプロファイルを、利用実績の高い順に出力画像と共にユーザ端末3の表示装置308に表示する処理までは図11(b)と同様であるが、変形例2を例示する図11(c)において、出力部456は、さらに、利用実績の高い順に並び替えられたプロファイルに関連付けてプロファイルの目的情報を関連付けて表示する。これにより、ユーザは、目的に応じたプロファイルの選択が可能である。
【符号の説明】
【0051】
1…設定情報提供システム
2…スキャナ装置
3…ユーザ端末
4…設定情報提供装置
5…ネットワーク
20…スキャナプログラム
30…ドライバプログラム
40…設定情報提供プログラム
220…原稿読取り部
222…カウント部
224…送信部
330…特徴抽出部
332…目的特定部
334…設定部
440…受信部
442…設定情報格納部
444…設定情報選択部
446…設定情報評価部
448…登録情報決定部
450…類似度算出部
452…利用実績評価部
454…ソート部
456…出力部
600…設定情報データベース
図1
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図11