(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023151995
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】硬貨処理装置及び貨幣取扱装置
(51)【国際特許分類】
G07D 11/26 20190101AFI20231005BHJP
G07D 11/237 20190101ALI20231005BHJP
G07D 1/00 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
G07D11/26
G07D11/237
G07D1/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022061904
(22)【出願日】2022-04-01
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140958
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137888
【弁理士】
【氏名又は名称】大山 夏子
(74)【代理人】
【識別番号】100190942
【弁理士】
【氏名又は名称】風間 竜司
(72)【発明者】
【氏名】内山 弘之
【テーマコード(参考)】
3E141
【Fターム(参考)】
3E141AA08
3E141GA04
3E141HA06
3E141HA09
3E141JA14
3E141LA06
3E141LA11
3E141LA43
3E141LA67
(57)【要約】
【課題】硬貨を搬送する際に障害が発生した場合の障害復旧作業を効率化する。
【解決手段】硬貨処理装置であって、硬貨を収納する硬貨収納部と、前記硬貨収納部から繰り出された硬貨を保留する硬貨一時保留部と、前記硬貨一時保留部に保留された前記硬貨を収納する回収部と、前記硬貨一時保留部から前記回収部へ硬貨を搬送する際に障害が発生した場合に、前記硬貨処理装置の状態を所定の復旧処理が実行されない状態である第一の状態にする制御部と、を備える、硬貨処理装置。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬貨処理装置であって、
硬貨を収納する硬貨収納部と、
前記硬貨収納部から繰り出された硬貨を保留する硬貨一時保留部と、
前記硬貨一時保留部に保留された前記硬貨を収納する回収部と、
前記硬貨一時保留部から前記回収部へ硬貨を搬送する際に障害が発生した場合に、前記硬貨処理装置の状態を所定の復旧処理が実行されない状態である第一の状態にする制御部と、
を備える、硬貨処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記硬貨収納部から前記硬貨一時保留部へ硬貨を搬送する際に障害が発生した場合に、前記硬貨処理装置の状態を前記所定の復旧処理を実行可能な状態である第二の状態にする、請求項1に記載の硬貨処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記硬貨処理装置の状態が前記第一の状態である場合に、前記回収部に収納されている硬貨の回収を操作者に対して促す案内を出力する、請求項1または2に記載の硬貨処理装置。
【請求項4】
前記硬貨処理装置は、硬貨の入出金制御の情報に基づき、前記硬貨収納部の在高を管理する在高管理部と、
前記硬貨一時保留部から前記回収部へ硬貨を搬送する際に障害が発生したか否かに基づいて、前記硬貨収納部の在高の管理状態の判定を行う判定部をさらに備え、
前記制御部は、前記判定部により前記硬貨収納部の在高の管理状態が確定状態であると判定された場合に、前記硬貨処理装置の状態を前記第一の状態にする、
請求項1または2に記載の硬貨処理装置。
【請求項5】
前記硬貨処理装置は、硬貨の入出金制御の情報に基づき、前記回収部の在高を管理する在高管理部と、
前記硬貨一時保留部から前記回収部へ硬貨を搬送する際に障害が発生したか否かに基づいて、前記回収部の在高の管理状態の判定を行う判定部をさらに備え、
前記制御部は、前記判定部により前記回収部の在高の管理状態が確定状態でないと判定された場合に、前記硬貨処理装置の状態を前記第一の状態にする、
請求項1または2に記載の硬貨処理装置。
【請求項6】
前記所定の復旧処理は、前記在高管理部による前記硬貨収納部の在高の更新を行わずに、投入口に入金された硬貨を前記硬貨収納部に収納させる戻し処理である、請求項4に記載の硬貨処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記硬貨処理装置の状態が前記第一の状態である場合に、前記回収部の在高がゼロに更新されるよう、前記在高管理部を制御し、
前記判定部は、前記制御部により前記回収部の在高が更新されると、前記回収部の在高の管理状態が確定状態であると判定する、
請求項5に記載の硬貨処理装置。
【請求項8】
前記硬貨処理装置は、操作者による処理の実行の指示を検出する操作部をさらに備え、
前記制御部は、前記硬貨処理装置の状態が前記第一の状態である場合に、前記操作部により締上処理の実行の指示が検出されると、締上処理を実行するか否かを選択するよう促す案内を出力する、請求項5に記載の硬貨処理装置。
【請求項9】
貨幣取扱装置であって、
硬貨を収納する硬貨収納部と、
前記硬貨収納部から繰り出された硬貨を保留する硬貨一時保留部と、
前記硬貨一時保留部に保留された前記硬貨を収納する回収部と、
前記硬貨一時保留部から前記回収部へ硬貨を搬送する際に障害が発生した場合に、前記貨幣取扱装置の状態を所定の復旧処理が実行されない状態である第一の状態にする制御部と、
を備える、貨幣取扱装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硬貨処理装置及び貨幣取扱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、金融機関等の本支店および郵便局の店舗等には、硬貨処理装置が設置されている。硬貨処理装置は、従来、出納担当者が行っていた、硬貨の入出金の取引および在高の管理等を行う。また、硬貨処理装置は、装置内の各収納庫の在高の管理状況に基づいて、装置内の各収納庫の在高の管理状態が確定状態であるか否かを判定する。具体的には、各収納庫の在高と各収納庫内に実際に保管されている硬貨の額との一致が保証できる場合には、各収納庫の在高の管理状態を確定状態と判定する。
【0003】
利用者が硬貨処理装置内の硬貨を回収する際は、硬貨処理装置は、金種別ホッパに収納された硬貨を他の収納庫に搬送する。例えば、特許文献1には、硬貨処理装置内の硬貨を回収する際に、金種別ホッパに収納された硬貨を、出金一時保留部に搬送し、出金一時保留部から回収庫へ搬送する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、硬貨が各収納庫間を移動している際に、硬貨詰まり等の障害が発生した場合、オペレータは、硬貨処理装置内で滞留した硬貨を抜き取る。抜き取られた硬貨は、オペレータによって投入口から入金されることで、金種別ホッパに収納される。この時、硬貨処理装置は、各収納庫の在高を加減算させない。各収納庫の在高を加減算させずに、抜き取られた硬貨を金種別ホッパに収納する処理は、機内戻し処理と呼ばれる。
【0006】
機内戻し処理を行った場合には、硬貨処理装置で管理されている金種別ホッパの在高と、金種別ホッパ内に実際に保管されている硬貨との一致が保証できないため、硬貨処理装置は、金種別ホッパの在高の管理状態を不確定状態と判定する。機内戻し処理を行った後に、金種別ホッパの在高の管理状態を再び確定状態と判定させるには、金種別ホッパ内の硬貨の精査処理または全ての硬貨を回収する全回収処理を行う必要が生じてしまう。
【0007】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、硬貨を搬送する際に障害が発生した場合の障害復旧作業を効率化することが可能な、新規かつ改良された硬貨処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、硬貨処理装置であって、硬貨を収納する硬貨収納部と、前記硬貨収納部から繰り出された硬貨を保留する硬貨一時保留部と、前記硬貨一時保留部に保留された前記硬貨を収納する回収部と、前記硬貨一時保留部から前記回収部へ硬貨を搬送する際に障害が発生した場合に、前記硬貨処理装置の状態を所定の復旧処理が実行されない状態である第一の状態にする制御部と、を備える、硬貨処理装置が提供される。
【0009】
前記制御部は、前記硬貨収納部から前記硬貨一時保留部へ硬貨を搬送する際に障害が発生した場合に、前記硬貨処理装置の状態を前記所定の復旧処理を実行可能な状態である第二の状態にしてもよい。
【0010】
前記制御部は、前記硬貨処理装置の状態が前記第一の状態である場合に、前記回収部に収納されている硬貨の回収を、操作者に対して促す案内を出力してもよい。
【0011】
前記硬貨処理装置は、硬貨の入出金制御の情報に基づき、前記硬貨収納部の在高を管理する在高管理部と、前記硬貨一時保留部から前記回収部へ硬貨を搬送する際に障害が発生したか否かに基づいて、前記硬貨収納部の在高の管理状態の判定を行う判定部をさらに備え、前記制御部は、前記判定部により前記硬貨収納部の在高の管理状態が確定状態であると判定された場合に、前記硬貨処理装置の状態を前記第一の状態にしてもよい。
【0012】
前記硬貨処理装置は、硬貨の入出金制御の情報に基づき、前記回収部の在高を管理する在高管理部と、前記硬貨一時保留部から前記回収部へ硬貨を搬送する際に障害が発生したか否かに基づいて、前記回収部の在高の管理状態の判定を行う判定部をさらに備え、前記制御部は、前記判定部により前記回収部の在高の管理状態が確定状態でないと判定された場合に、前記硬貨処理装置の状態を前記第一の状態にしてもよい。
【0013】
前記所定の復旧処理は、前記在高管理部による前記硬貨収納部の在高の更新を行わずに、投入口に入金された硬貨を前記硬貨収納部に収納させる戻し処理であってもよい。
【0014】
前記制御部は、前記硬貨処理装置の状態が前記第一の状態である場合に、前記回収部の在高がゼロに更新されるよう、前記在高管理部を制御し、前記判定部は、前記制御部により前記回収部の在高が更新されると、前記回収部の在高の管理状態が確定状態であると判定してもよい。
【0015】
前記硬貨処理装置は、操作者による処理の実行の指示を検出する操作部をさらに備え、前記制御部は、前記硬貨処理装置の状態が前記第一の状態である場合に、前記操作部により締上処理の実行の指示が検出されると、締上処理を実行するか否かを選択するよう促す案内を出力してもよい。
【0016】
また、上記課題を解決するために本発明の別の観点によれば、貨幣取扱装置であって、硬貨を収納する硬貨収納部と、前記硬貨収納部から繰り出された硬貨を保留する硬貨一時保留部と、前記硬貨一時保留部に保留された前記硬貨を収納する回収部と、前記硬貨一時保留部から前記回収部へ硬貨を搬送する際に障害が発生した場合に、前記貨幣取扱装置の状態を所定の復旧処理が実行されない状態である第一の状態にする制御部と、を備える、貨幣取扱装置が提供される。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように本発明によれば、硬貨を搬送する際に障害が発生した場合の障害復旧作業を効率化することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施形態による硬貨処理装置1の内部構成の一例を示す、硬貨処理装置1を前面側から見た概略図である。
【
図2】本発明の実施形態による硬貨処理装置1の内部構成の一例を示す、硬貨処理装置1を右側面側から見た概略図である。
【
図3】制御ユニット90の内部構成を示す説明図である。
【
図4】金種別ホッパ36から出金一時保留部へ硬貨を搬送する際に障害が発生した場合の障害復旧処理の流れの参考例を示すフローチャートである。
【
図5】出金一時保留部42から回収庫58へ硬貨を搬送する際に障害が発生した場合の障害復旧処理の流れの参考例を示すフローチャートである。
【
図6】本発明の実施形態による硬貨処理装置1の第1の動作処理を示すフローチャートである。
【
図7】操作表示部16によって表示された、回収庫58に収納されている硬貨の回収を促す案内表示の例である。
【
図8】本発明の実施形態による硬貨処理装置1の第2の動作処理を示すフローチャートである。
【
図9】本発明の実施形態による硬貨処理装置1の第3の動作処理を示すフローチャートである。
【
図10】操作表示部16によって表示された、締上処理を実行するか否かを選択するよう促す案内表示の例である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0020】
<1.硬貨処理装置の構成>
図1および
図2を参照しながら、本発明の実施形態による硬貨処理装置1の構成の一例について説明する。
図1は、本発明の実施形態による硬貨処理装置1の内部構成の一例を示す、硬貨処理装置1を前面側から見た概略図である。
図2は、本発明の実施形態による硬貨処理装置1の内部構成の一例を示す、硬貨処理装置1を右側面側から見た概略図である。なお、金種別ホッパ36aが位置する方を前面側とし、正面側から見て右の側面を右側面とする。
【0021】
硬貨処理装置1は、金融機関等の本支店および郵便局の店舗等で取り扱われる硬貨を管理する。例えば、硬貨処理装置1は、店舗の係員等がレジスターから運んできた硬貨の入金処理および計数処理を行う。また、硬貨処理装置1は、レジスターで使用する釣銭準備金としての硬貨の出金および両替等での硬貨の出金処理を行う。
【0022】
図1および
図2に示すように、本発明の実施形態に係る硬貨処理装置1は、硬貨受領部10と、硬貨繰り出し部12と、硬貨認識部14と、操作表示部16と、選別搬送部20と、リジェクト硬貨収容部26と、入金一時保留部30と、入金ガイド32と、返却箱34と、金種別ホッパ36と、異金種判別部38と、出金一時保留部42と、出金ガイド44と、回収シュート46と、切り替えゲート48と、出金箱50と、リジェクト庫54と、回収庫58と、制御ユニット90とを有する。ここで、金種別ホッパ36が硬貨収納部に該当し、出金一時保留部42が硬貨一時保留部に該当し、回収庫58が回収部に該当し、該当する。
【0023】
操作表示部16は、操作者による処理の実行の指示を検出する操作部としての機能、および操作者に対して操作を促す案内等の画面を表示する表示部としての機能を包含する。例えば、操作表示部16は、操作者が硬貨処理装置1で実行される処理を選択するための、処理選択画面を表示する。操作者は、処理選択画面に表示された処理の選択ボタンを選択することで、処理の実行の指示を行う。表示部としての機能は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(LCD)装置、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置により実現される。また、操作部としての機能は例えばタッチパネルにより実現される。なお、表示部および操作部の機能は分離して構成されてもよい。
【0024】
硬貨受領部10は、投入される硬貨Cを受ける部分である。硬貨受領部10は、硬貨処理装置1の上方、かつ前面側に位置する。硬貨受領部10は、硬貨が投入される投入口11を有する。投入口11は、硬貨を一括して投入し易いように、広く開口している。硬貨受領部10に投入された硬貨は、硬貨繰り出し部12に落下する。
【0025】
硬貨繰り出し部12は、硬貨受領部10の下方に位置し、硬貨受領部10から落下した硬貨を一枚ずつ繰り出す。硬貨繰り出し部12内には、例えば回転円盤(不図示)が設けられている。硬貨繰り出し部12内の硬貨は、回転円盤が回転する際の遠心力により移動して、一枚ずつ硬貨認識部14へ繰り出される。
【0026】
硬貨認識部14は、硬貨繰り出し部12から繰り出された硬貨の真偽、金種等の判別を行う。硬貨認識部14は、硬貨を認識するセンサを有し、センサで検出した硬貨の特徴に基づいて、硬貨の真偽、金種等を判別する。硬貨認識部14は、判別した硬貨を選別搬送部20に搬送する。
【0027】
選別搬送部20は、硬貨認識部14による判別結果に基づいて、硬貨を選別して搬送する。選別搬送部20は、リジェクト口21と、金種別排出口22a~22fとを有する。硬貨認識部14において真貨で無いと判別された硬貨は、リジェクト口21を通過する。真貨であると判別された硬貨は、金種別排出口22a~22fを通過する。
【0028】
リジェクト硬貨収容部26は、リジェクト口21を通過した硬貨を収容する。リジェクト口21の下方には、リジェクト口21を通過した硬貨をリジェクト硬貨収容部26へ導くリジェクトシュートが配置(
図2に示す矢印Rのルートで配置)されている。リジェクト硬貨収容部26は、硬貨処理装置1の前面に開閉可能な扉28を有する。扉28が開いた際に、操作者はリジェクト硬貨収容部26を装置外へ引き出し可能である。
【0029】
入金一時保留部30は、金種別排出口22a~22fから排出された硬貨を、金種別に一時的に収容する。入金一時保留部30は、周囲の4面を囲むフレーム内を金種別に区切って直線状に並んだ金種別の収容部である保留部31a~31fを含む。金種別排出口22a~22fの下方には、金種別排出口22a~22fから排出された硬貨を保留部31a~31fへ導くシュート51a~51fが設けられている。例えば、保留部31aは、金種別排出口22aから排出されシュート51aを通過した硬貨を収容する。
【0030】
入金ガイド32は、入金一時保留部30の下方に設けられ、入金一時保留部30の底部を成す。保留部31a~31fへ導かれた硬貨は、入金ガイド32上に金種別に集積される。第1の実施形態において、入金一時保留部30及び入金ガイド32は、入金一時保留部30に収容された硬貨を落下させるために、
図1に示す矢印D1の方向に移動可能である。
【0031】
返却箱34は、操作者に返却される硬貨を収容する。返却箱34は、待機位置に位置する入金ガイド32の真下に配置されている。返却箱34は、入金一時保留部30から
図1に示す矢印Hのルートで落下する硬貨を収容する。返却箱34は、操作者によって硬貨処理装置1の正面から装置外へ引き出し可能になっている。
【0032】
金種別ホッパ36は、入金された硬貨を金種別に収納する。金種別ホッパ36は、硬貨落下位置に位置する入金一時保留部30の真下に配置されている。金種別ホッパ36は、上部に、入金一時保留部30から落下する硬貨が通過する開口を有する。金種別ホッパ36は、入金一時保留部30から
図1の矢印Sで示すルートで落下する硬貨を収容する。金種別ホッパ36は、
図2に示すように、金種別の保留部31a~31fに対応するように直線状に並べられた複数の金種別ホッパ36a~36fで構成されている。金種別ホッパ36a~36fは、それぞれ、500円、100円、50円、10円、5円、及び1円硬貨のいずれかの1種類の硬貨を収納する。また、金種別ホッパ36a~36fは、それぞれ装置本体に対して着脱可能に装着されている。また、金種別ホッパ36a~36fは、それぞれ硬貨を収納する収納部と、硬貨を一枚ずつ繰り出す繰り出し部を有する。
【0033】
出金一時保留部42は、金種別ホッパ36a~36fから繰り出されてシュート40内を落下した硬貨を、金種別に一時的に保留する機能を有する。出金一時保留部42は、周囲の4面を囲むフレーム内を金種別に区切って直線状に並んだ金種別の収容部である保留部43a~43fを含む。例えば、保留部43aは、金種別ホッパ36aから繰り出された硬貨を収容する。出金一時保留部42は、硬貨詰まり等の障害が発生した箇所を切り分けるために搭載される。
【0034】
出金ガイド44は、出金一時保留部42の下方に設けられ、出金一時保留部42の底部を成す。保留部43a~43fへ導かれた硬貨は、出金ガイド44上に金種別に集積される。本発明の実施形態において、出金一時保留部42及び出金ガイド44は、出金一時保留部42に収容された硬貨を落下させるために、
図1の矢印D2で示す方向に移動可能である。
【0035】
出金箱50は、出金される硬貨を収容する。出金箱50には、出金処理の際に金種別ホッパ36から繰り出された硬貨が搬送される。出金箱50は、装置本体に対して着脱可能に設けられている。出金箱50は、硬貨落下位置に位置する出金一時保留部42の真下に配置されている。出金箱50は、出金一時保留部42から
図1の矢印Tで示すルートで落下する硬貨を収容する。
【0036】
リジェクト庫54は、異金種判別部38において異金種であると判別された硬貨を収容する。
【0037】
回収庫58は、金種別ホッパ36a~36fが硬貨で一杯になった後に入金される硬貨(オーバーフロー硬貨)を回収する際に用いられる非リサイクル箱である。回収庫58は、装置本体に対して着脱可能に設けられている。また、回収庫58は、金種別ホッパ36a~36fに収納された硬貨を一括して回収するために、金種別ホッパ36a~36fから繰り出された硬貨を収納することも可能である。ここで、金種別ホッパ36a~36fに収納可能な硬貨の容量が閾値を超えた場合に、あらかじめ設定した枚数の硬貨が、金種別ホッパ36a~36fから回収庫58に繰り出されてもよい。また、操作表示部16によって、特定の枚数の硬貨を金種別ホッパ36a~36fから回収庫58に繰り出す指示が検出されることで、当該特定の枚数の硬貨が、金種別ホッパ36a~36fから回収庫58に繰り出されてもよい。
【0038】
回収シュート46は、出金一時保留部42から落下した硬貨を、リジェクト庫54又は回収庫58に導く。回収シュート46は、硬貨をリジェクト庫54に導く第1経路47aと、硬貨を回収庫58に導く第2経路47bと、を有する。回収シュート46は、待機位置に位置する出金ガイド44の真下に配置されている。このため、出金ガイド44が硬貨
落下位置に移動する際に、出金一時保留部42から回収シュート46に硬貨が落下する。
【0039】
切り替えゲート48は、出金一時保留部42から落下した硬貨の案内先を、第1経路47a又は第2経路47bに切り替える。切り替えゲート48は、回転軸48aを中心に、第1位置(
図1の実線で示す位置)と第2位置(
図1の破線で示す位置)との間で回動する。切り替えゲート48が第1位置に位置する場合には、硬貨は、第1経路47aに案内されてリジェクト庫54に収納される(
図1の矢印Jで示すルート)。切り替えゲート48が第2位置に位置する場合には、硬貨は第2経路47bに案内されて回収庫58に収納される(
図1の矢印Kで示すルート)。
【0040】
なお、出金箱50、リジェクト庫54、及び回収庫58の配置は、
図1に示す位置に限定されない。例えば、出金箱50と回収庫58の配置が逆になっても良い。
【0041】
制御ユニット90は、硬貨処理装置1の全体動作を制御する。
図3は、制御ユニット90の内部構成を示す説明図である。
図3に示したように、制御ユニット90は、記憶部91と、在高管理部92と、判定部93と、制御部94と、を有する。
【0042】
記憶部91は、制御部94が実行するプログラムおよび各種のデータ等を記憶する。例えば、記憶部91は、判定部93によって行われる各収納庫の在高の管理状態が確定状態であるか否かの判定結果を記憶する。また、記憶部91は、在高管理部92の機能を有する。
【0043】
在高管理部92は、硬貨の入出金制御の情報に基づき、金種別ホッパ36および回収庫58等の各収納庫の在高を、各収納庫の論理在高として管理する。より具体的には、在高管理部92は、売上金の入金処理及び釣銭の出金処理等の硬貨処理装置1によって実行される各種処理に際して行われた入出金制御の情報に基づいて、各収納庫の論理在高を管理する。論理在高は、各金種の枚数およびその合計額を含む。また、在高管理部92は、硬貨処理装置1内に収容される全ての硬貨の在高を、機械在高として管理する。また、在高管理部92は、制御部94による制御に基づいて、各収納庫の論理在高および機械在高を更新する。
【0044】
判定部93は、在高管理部92によって管理されている各収納庫の論理在高の管理状態の判定を行う。具体的には、各収納庫の論理在高と各収納庫内に実際に保管されている硬貨の額(各収納庫の現物)との一致が保証できる場合には、各収納庫の論理在高の管理状態を確定状態と判定する。そして、各収納庫の論理在高と各収納庫の現物が不一致になる可能性がある事象が発生すると、事象が起こった収納庫の論理在高の管理状態を不確定状態と判定する。例えば、判定部93は、収納庫が開閉された場合に、当該収納庫の論理在高の管理状態を不確定状態と判定する。また、判定部93は、後述の機内戻し処理が行われた場合に、金種別ホッパ36の論理在高の管理状態を不確定状態と判定する。
【0045】
制御部94は、入金処理および出金処理等の硬貨の処理を行う際に、上述した各構成要素の動作を制御する。また、制御部94は、出金一時保留部42に集積された硬貨を、出金箱50とリジェクト庫54と回収庫58のいずれかに搬送させる。そして、制御部94は、操作表示部16に、操作者に対して操作を促す案内を出力する。操作表示部16は、制御部94によって出力された案内を画面に表示する。また、制御部94は、操作表示部16によって検出された処理の実行の指示に従って、上述した各構成要素の動作を制御する。
【0046】
また、制御部94は、在高管理部92による各収納庫の論理在高の更新を制御する。具体的には、制御部94は、硬貨処理装置1で各処理が行われる際に、処理が完了したとみなされる金額を、在高管理部92で管理されている論理在高から加減算することで、各収納庫の論理在高を算出する。そして、制御部94は、在高管理部92によって管理される各収納庫の論理在高が、算出した金額に更新されるよう、在高管理部92を制御する。
【0047】
また、制御部94は、在高管理部92によって管理される機械在高の更新を制御する。例えば、制御部94は、出金箱50への硬貨の払い出しが完了した場合には、在高管理部92で管理されている機械在高から当該硬貨の金額を減算することで、機械在高を算出する。そして、制御部94は、在高管理部92によって管理される機械在高が、算出した金額に更新されるよう、在高管理部92を制御する。一方、制御部94は、回収庫58への硬貨の払い出しが完了した場合には、在高管理部92によって管理される機械在高を更新させる制御を行わない。
【0048】
また、制御部94は、出金一時保留部42から回収庫58へ硬貨を搬送する際に障害が発生した場合に、硬貨処理装置1の状態を、所定の復旧処理が実行されない状態である第一の状態にする。そして、制御部94は、金種別ホッパ36から出金一時保留部42へ硬貨を搬送する際に障害が発生した場合に、硬貨処理装置1の状態を所定の復旧処理を実行可能な状態である第二の状態にする。所定の復旧処理が実行されない状態は、操作表示部16に表示される処理選択画面に、当該所定の復旧処理の選択ボタンが表示されない状態であってもよい。また、所定の復旧処理が実行されない状態は、操作表示部16に表示される処理選択画面において、当該所定の復旧処理の選択ボタンが操作者によって選択されても、当該所定の復旧処理が実行されない状態であってもよい。なお、所定の復旧処理は、詳細に後述される機内戻し処理であってもよい。
【0049】
<2.硬貨処理装置によって実行される各種処理>
制御部94は、硬貨処理装置1によって実行される処理を選択するための処理選択画面を、操作表示部16に表示させる。操作者は、処理選択画面に表示された処理の選択ボタンを選択することで、処理の実行の指示を行う。制御部94は、処理選択画面において操作者により実行を指示された処理を制御する。ここでは、本発明の実施形態における硬貨処理装置1によって実行される各種処理を説明する。
【0050】
(回収処理)
回収処理は、金種別ホッパ36に収納された硬貨を回収庫58に収納するための処理である。操作表示部16に表示された処理選択画面において、操作者により回収処理の選択ボタンが選択されると、当該回収処理が開始する。ここで、操作者は、回収する硬貨の金額を指定することが可能である。また、制御部94は、金種別ホッパ36に収納可能な硬貨の容量が閾値を超えた場合に、あらかじめ設定した枚数の硬貨の回収処理を開始するよう制御することも可能である。
【0051】
回収処理が開始すると、金種別ホッパ36から繰り出された硬貨は、出金一時保留部42を経由して、回収庫58へ繰り出される。回収処理が完了すると、制御部94は、金種別ホッパ36から繰り出された硬貨の金額を、在高管理部92によって管理されている金種別ホッパ36の論理在高から減算する。また、制御部94は、金種別ホッパ36から繰り出された硬貨の金額を、在高管理部92によって管理されている回収庫58の論理在高に加算する。そして、制御部94は、在高管理部92によって管理される金種別ホッパ36および回収庫58の論理在高が、それぞれ算出した金額に更新されるよう制御する。ここで、出金一時保留部42に収納可能な硬貨の容量に応じて、金種別ホッパ36から繰り出された硬貨は、数回に分けて、回収庫58へ繰り出されてもよい。この場合には、制御部94は、回収庫58への繰り出しが完了する度に、金種別ホッパ36から繰り出された硬貨の金額を、在高管理部92によって管理されている金種別ホッパ36の論理在高から減算し、回収庫58の論理在高に加算する。そして、制御部94は、金種別ホッパ36および回収庫58の論理在高が、それぞれ算出した金額に更新されるよう、在高管理部92を制御する。
【0052】
在高管理部92は、回収処理を行っている際に硬貨詰まり等の障害が発生した場合、障害が発生したタイミングに応じて、異なる動作を行う。まず、金種別ホッパ36から出金一時保留部42に搬送している際に障害が発生した場合は、制御部94は、当該回収処理は完了していないとみなし、在高管理部92によって管理される各収納庫の論理在高を更新させる制御を行わない。一方、金種別ホッパ36から繰り出された硬貨が出金一時保留部42に収納された後に、出金一時保留部42から回収庫58に搬送している際に障害が発生した場合は、制御部94は、取引が成立したとみなす。そして、制御部94は、金種別ホッパ36から繰り出された硬貨の金額を、金種別ホッパ36の論理在高から減算し、回収庫58の論理在高に加算する。そして、制御部94は、金種別ホッパ36および回収庫58の論理在高が、それぞれ算出した金額に更新されるよう、在高管理部92を制御する。なお、回収処理が数回に分けて行われる場合には、制御部94は、障害が発生した回までの取引は成立したとみなして論理在高を算出し、論理在高が更新されるよう、在高管理部92を制御する。
【0053】
なお、回収処理を行っている際に硬貨詰まり等の障害が発生した場合に、オペレータによって硬貨が抜き取られても、制御部94は、各収納庫の論理在高および機械在高を更新させる制御を行わない。つまり、在高管理部92は、各収納庫の論理在高および機械在高を更新しない。これは、通常の回収処理においては、機械在高を減算する処理が発生しないにもかかわらず、障害発生時に機械在高を減算する処理を発生させると、オペレータの混乱を招く恐れがあるためである。
【0054】
ここで、回収処理を行っている際に障害が発生した際の、障害復旧作業時の判定部93の動作を説明する。金種別ホッパ36から出金一時保留部42に搬送している際に障害が発生した場合は、障害復旧のために、オペレータによって金種別ホッパ36が開閉される。また、この場合には、回収庫58はオペレータによって開閉されない。そのため、判定部93は、金種別ホッパ36の論理在高の管理状態を不確定状態と判定し、回収庫58の論理在高の管理状態を確定状態と判定する。
【0055】
一方、出金一時保留部42から回収庫58に搬送している際に障害が発生した場合は、障害復旧のために、オペレータによって回収庫58が開閉される。また、この場合には、金種別ホッパ36はオペレータによって開閉されない。そのため、判定部93は、金種別ホッパ36の論理在高の管理状態を確定状態と判定し、回収庫58の論理在高の管理状態を不確定状態と判定する。
【0056】
ここで、判定部93によって行われる上述の判定は、出金一時保留部42から回収庫58へ硬貨を搬送する際に障害が発生したか否かに基づいて判定されてもよい。例えば、出金一時保留部42から回収庫58へ硬貨を搬送する際に障害が発生した場合には、金種別ホッパ36の論理在高の管理状態が確定状態であり、回収庫58の論理在高の管理状態が不確定状態であると判定される。
【0057】
(機内戻し処理)
機内戻し処理は、制御部94による、在高管理部92で管理される各収納庫の論理在高の更新の制御を行わずに、投入口11に投入された硬貨を、制御部94により金種別ホッパ36に収納させる処理である。機内戻し処理は、回収処理を行っている際に障害が発生した場合に、硬貨処理装置1内で滞留していた硬貨または出金一時保留部30に搬送された硬貨がオペレータによって抜き取られ、硬貨処理装置1内に戻す際に行われる処理である。
【0058】
操作表示部16に表示された処理選択画面において、操作者により機内戻し処理の選択ボタンが選択されると、操作表示部16は、操作者に対して、抜き取った硬貨を投入口11に投入するよう促す案内を表示する。操作者によって硬貨が投入されると、制御部94は、投入された硬貨を入金一時保留部30に保留させる。操作表示部16は、操作者に対して、抜き取った硬貨を全て投入した後に、機内戻し処理の完了キーを押下するよう促す画面を表示する。操作表示部16によって完了キーの押下が検出されると、制御部94は、入金一時保留部30に保留された硬貨を、金種別ホッパ36へ収納する。
【0059】
機内戻し処理を行った場合には、制御部94は、投入口11に投入され、金種別ホッパ36に収納された硬貨の金額を、在高管理部92で管理される各収納庫の論理在高から加減算させない。そして、判定部93は、金種別ホッパ36の論理在高の管理状態を不確定状態と判定する。機内戻し処理を行った後に、判定部93により金種別ホッパ36の論理在高の管理状態を再び確定状態と判定させるには、金種別ホッパ36に対して、後述の精査処理または全回収処理を行う必要がある。
【0060】
制御部94は、出金一時保留部42から回収庫58へ硬貨を搬送する際に障害が発生した場合に、硬貨処理装置1の状態を、機内戻し処理が実行されない状態である第一の状態にする。そして、制御部94は、金種別ホッパ36から出金一時保留部42へ硬貨を搬送する際に障害が発生した場合に、硬貨処理装置1の状態を、機内戻し処理の実行を受け付ける第二の状態にする。硬貨処理装置1の状態が機内戻し処理が実行されない状態である場合に、回収庫58から硬貨が回収されると、制御部94は、回収庫58の論理在高がゼロに更新されるよう、在高管理部92を制御する。また、判定部93は、在高管理部92によって回収庫58の論理在高がゼロに更新されると、回収庫58の論理在高の管理状態が確定状態であると判定する。
【0061】
(手回収処理)
手回収処理は、回収庫58に収納されている硬貨を回収する処理である。制御部94は、回収庫58に収納されている硬貨の回収を、操作者に対して促す案内を操作表示部16に出力する。操作表示部16によって、操作者による手回収処理の実行の指示が検出されると、当該手回収処理が開始する。まず、操作表示部16は、操作者に対して、回収庫58を引き出して、回収庫58に収納されている全ての硬貨を回収することを促す案内を表示する。そして、操作者によって回収庫58に収納された硬貨が回収されると、在高管理部92は、当該回収庫58の論理在高をゼロに更新する。また、判定部93は、当該回収庫58の論理在高の管理状態を確定状態と判定する。
【0062】
(全回収処理)
全回収処理とは、操作者が指定する金種別ホッパ36に収納されている全ての硬貨を、操作者に取り出させる処理である。操作表示部16に表示された処理選択画面において、操作者により全回収処理の実行を指示する選択ボタンが選択されると、当該全回収処理が開始する。ここで、操作者は、全回収処理を実行する金種別ホッパ36を選択することが可能である。操作表示部16は、全回収処理の実行が指示されたことを検出すると、操作者に対して金種別ホッパ36に収納されている全ての硬貨を硬貨処理装置1外に取り出すことを促す案内を表示する。金種別ホッパ36に収納されている硬貨は、操作者によって、金種別ホッパ36が引き出され、金種別ホッパ36に収納されている硬貨が全て抜き取られることで、取り出される。なお、これに限らず、金種別ホッパ36に収納されている硬貨は、制御部94によって金種別ホッパ36から回収庫58に搬送され、操作者によって回収庫58から取り出されてもよい。操作者によって金種別ホッパ36に収納されている硬貨が取り出されると、制御部94は、当該金種別ホッパ36の論理在高がゼロに更新されるよう、在高管理部92を制御する。また、判定部93は、当該金種別ホッパ36の論理在高の管理状態を確定状態と判定する。
【0063】
(精査処理)
精査処理とは、操作者が指定する金種別ホッパ36内に収納されている硬貨を集計する処理である。ここで、操作者は、精査処理を実行する金種別ホッパ36を選択することが可能である。操作表示部16に表示された処理選択画面において、操作者により精査処理の実行を指示する選択ボタンが選択されると、当該精査処理が開始する。まず、操作表示部16は、操作者に対して金種別ホッパ36に収納されている全ての硬貨を硬貨処理装置1外に取り出すことを促す案内を表示する。金種別ホッパ36に収納されている硬貨は、操作者によって、金種別ホッパ36が引き出され、金種別ホッパ36に収納された硬貨が全て抜き取られることで、取り出される。
【0064】
続いて、操作表示部16は、操作者に対して、取り出した硬貨を硬貨処理装置1の投入口11に投入することを促す案内を表示する。操作者によって硬貨が投入されると、制御部94は、投入された硬貨を計数し、元の金種別ホッパ36に再度収納する。ここで、制御部94は、当該金種別ホッパ36の論理在高が、計数結果に更新されるよう、在高管理部92を制御する。また、判定部93は、当該金種別ホッパ36の論理在高の管理状態を確定状態と判定する。
【0065】
(締上処理)
締上処理は、当日の取引件数、取引金額を集計し確定する処理である。締上処理を行った後は、硬貨処理装置1は、制御部94によって、取引件数および取引金額等の修正変更ができない状態に制御される。制御部94は、判定部93により、回収庫58の論理在高の管理状態が確定状態であると判定された場合には、締上処理の実行を制御する。一方、制御部94は、判定部93により回収庫58の論理在高の管理状態が不確定状態であると判定された場合に、操作者に対して締上処理を実行するか否かを選択するよう促す案内を出力する。
【0066】
<3.課題の整理>
硬貨処理装置1において、出金一時保留部42から回収庫58へ硬貨を搬送する際に障害が発生した場合、機内戻し処理を行う前は、在高管理部92によって管理される金種別ホッパ36の論理在高と金種別ホッパ36内に実際に保管されている硬貨の金額は一致する。この場合、金種別ホッパ36の論理在高の管理状態は、判定部93により確定状態と判定されている。
【0067】
それにも関わらず、機内戻し処理を行うことで、在高管理部92によって管理される金種別ホッパ36の論理在高と金種別ホッパ36に実際に保管されている硬貨の金額は不一致になり、金種別ホッパ36の論理在高の管理状態は、硬貨処理装置1により不確定状態と判定される。金種別ホッパ36の論理在高の管理状態を、判定部93により再び確定状態と判定させるためには、金種別ホッパ36の精査処理または全回収処理を行う必要が生じるため、オペレータに負担がかかってしまう。
【0068】
ここで、障害発生時の障害復旧の処理の参考例について、
図4および
図5を参照して説明する。まず、
図4を参照して、機内戻し処理を起因として、金種別ホッパ36の論理在高の管理状態が不確定状態となる事象が発生しない場合の、障害発生時の障害復旧の処理の参考例について説明する。
図4は、金種別ホッパ36から出金一時保留部42へ硬貨を搬送する際に障害が発生した場合の障害復旧処理の流れの参考例を示すフローチャートである。
【0069】
なお、本参考例において、障害が発生する前は、金種別ホッパ36の論理在高が100円×500枚、回収庫58の論理在高が0円であり、金種別ホッパ36および回収庫58の論理在高と現物(収納庫に実際に収納されている硬貨)は一致しているものとする。また、障害が発生する前の各収納庫の論理在高の管理状態は、判定部93によって確定状態と判定されていたとする。そして、金種別ホッパ36に収納されている硬貨のうち、100円×30枚の硬貨の回収処理の実行の指示が、操作表示部16によって検出されたとする。ここで、金種別ホッパ36から出金一時保留部42に100円×10枚の硬貨の搬送が完了し、搬送障害などにより100円×20枚の硬貨が金種別ホッパ36から繰り出されなかったとする。
【0070】
まず、出金一時保留部42に搬送された100円×10枚の硬貨は、オペレータによって抜き取られる。ここで、制御部94により回収処理は完了していないとみなされるため、在高管理部92は、各収納庫の論理在高を更新しない。また、金種別ホッパ36がオペレータによって開閉されたため、判定部93は、金種別ホッパ36の論理在高の管理状態を不確定状態と判定する。ここで、金種別ホッパ36の論理在高は100円×500枚で、現物は、100円×490枚であり、金種別ホッパ36の論理在高と現物は一致しない。
【0071】
次に、オペレータは、操作表示部16に表示される処理選択画面において、機内戻し処理の実行を指示する選択ボタンを選択する(S104)。操作表示部16によって機内戻し処理の実行の指示が検出されると、操作表示部16は、抜き取った硬貨を投入口11に投入するよう促す案内を表示する。オペレータによって抜き取られた100円×10枚の硬貨が投入されると(S108)、制御部94は、投入された硬貨を入金一時保留部30に保留させる(S112)。
【0072】
オペレータは、抜き取った硬貨を全て投入した後に、操作表示部16に表示される処理選択画面において、機内戻し処理の完了キーを押下する(S116)。操作表示部16によって完了キーの押下が検出されると、制御部94は、入金一時保留部30に保留された硬貨を、金種別ホッパ36へ搬送させ、収納する(S120)。金種別ホッパ36の論理在高は100円×500枚で、現物は、100円×500枚となるため、金種別ホッパ36の論理在高と現物は一致する。
【0073】
ここで、判定部93は、金種別ホッパ36の論理在高の管理状態を、不確定状態と判定したままである。一方、回収庫58においては、在高管理部92で管理する論理在高と回収庫58に実際に保管されている硬貨の額が不一致になる可能性がある事象は発生していないため、判定部93は、回収庫58の論理在高の管理状態を、確定状態と判定する。そのため、オペレータは、金種別ホッパ36の論理在高の管理状態を確定するために、操作表示部16に表示される処理選択画面において、金種別ホッパ36の精査処理の実行を指示する選択ボタンを選択する。操作表示部16によって精査処理の実行の指示が検出されると、制御部94により金種別ホッパ36の精査処理が制御される(S124)。精査処理が完了すると金種別ホッパ36の論理在高と現物は一致するため、判定部93により、金種別ホッパ36の論理在高の管理状態は、確定状態と判定される。
【0074】
次に、
図5を参照して、機内戻し処理を起因として、金種別ホッパ36の論理在高の管理状態が不確定状態となる事象が発生する場合の、障害発生時の障害復旧の処理の参考例について説明する。
図5は、出金一時保留部42から回収庫58へ硬貨を搬送する際に障害が発生した場合の障害復旧処理の流れの参考例を示すフローチャートである。
【0075】
なお、本参考例において、障害が発生する前は、金種別ホッパ36の論理在高が100円×500枚、回収庫58の論理在高が0円であり、金種別ホッパ36および回収庫58の論理在高と現物(収納庫に実際に収納されている硬貨)は一致しているものとする。また、障害が発生する前の各収納庫の論理在高の管理状態は、判定部93によって確定状態と判定されていたとする。金種別ホッパ36に収納されている硬貨のうち、100円×30枚の硬貨の回収処理の選択が、操作表示部16によって検出されたとする。また、金種別ホッパ36から出金一時保留部42への搬送は完了し、100円×20枚の硬貨が回収庫58に搬送され、残りの100円×10枚の硬貨は、搬送障害などにより出金一時保留部42で滞留したとする。
【0076】
まず、出金一時保留部42から回収庫58の間で障害が発生すると、出金一時保留部42で滞留した100円×10枚の硬貨は、オペレータによって抜き取られる。ここで、制御部94は、金種別ホッパ36から出金一時保留部43への搬送が完了した時点で、金種別ホッパ36から繰り出された硬貨の金額を金種別ホッパ36の論理在高から減算し、回収庫58の論理在高に加算する。そして、制御部94は、金種別ホッパ36および回収庫58の論理在高が、それぞれ算出した金額に更新されるよう、在高管理部92を制御する。ここで、金種別ホッパ36の論理在高は100円×470枚で、現物は100円×470枚となるため、金種別ホッパ36の論理在高と現物は一致する。しかし、回収庫58の論理在高は100円×30枚で、現物は100円×20枚であり、回収庫58の論理在高と現物は一致しない。よって、判定部93は、回収庫58の論理在高の管理状態を不確定状態と判定する。
【0077】
図5で示すS204~S220の動作は、上述した
図4で示すS104~S120の動作と同様であるため、説明は省略する。オペレータにより出金一時保留部42で滞留していた100円×10枚の硬貨の機内戻し処理の実行が完了すると、金種別ホッパ36の論理在高は100円×470枚で、現物は100円×480枚となるため、金種別ホッパ36の論理在高と現物は一致しなくなってしまう。そのため、機内戻し処理の実行が完了すると、判定部93は、機内戻し処理の実行に起因して、金種別ホッパ36の論理在高の管理状態を、不確定状態と判定する(S224)。
【0078】
判定部93は、回収庫58の論理在高の管理状態を、不確定状態と判定したままである。そのため、オペレータは、金種別ホッパ36および回収庫58の論理在高の管理状態を、確定状態と判定させる必要が生じる。オペレータは、回収庫58の論理在高の管理状態を確定状態と判定させるために、操作表示部16に表示される処理選択画面において、回収庫58の全回収処理の実行を指示する選択ボタンを選択する。操作表示部16によって全回収処理の実行の指示が検出されると、制御部94により回収庫58の全回収処理が制御される(S228)。これによって、回収庫58に収納されていた100円×20枚がオペレータによって回収される。また、制御部94は、回収庫58の論理在高が0円に更新されるよう、在高管理部92を制御する。そして、判定部93により、回収庫58の論理在高の管理状態が確定状態と判定される。
【0079】
続いて、オペレータは、金種別ホッパ36の論理在高の管理状態を確定状態と判定させるために、操作表示部16に表示される処理選択画面において、金種別ホッパ36の精査処理の実行を指示する選択ボタンを選択する。操作表示部16によって精査処理の実行の指示が検出されると、制御部94により金種別ホッパ36の精査処理が制御される(S232)。精査処理の結果に基づいて、制御部94は、金種別ホッパ36の論理在高が、金種別ホッパ36の現物と一致する、100円×480枚に更新されるよう、在高管理部92を制御する。そして、判定部93により、金種別ホッパ36の論理在高の管理状態が確定状態と判定される。そして、オペレータは、S228にて行われた全回収処理において取り出した硬貨を、硬貨処理装置1外の金庫等に手許金として収納する。
【0080】
上述した障害発生時の障害復旧の処理においては、機内戻し処理を起因として、確定状態であった金種別ホッパ36の論理在高の管理状態が不確定状態と判定される事象が発生する。機内戻し処理においては、制御部94は、在高管理部92で管理される金種別ホッパ36の論理在高を更新させる制御を行わない。また、機内戻し処理においては、回収庫58に硬貨を戻すことができない装置設計も想定される。そのため、出金一時保留部42から回収庫58の間で障害が発生した場合に機内戻し処理を行うと、確定状態と判定されていた金種別ホッパ36の論理在高の管理状態が再び不確定状態と判定されてしまい、オペレータに負担がかかってしまう。
【0081】
本件発明者は、上記事情を一着眼点にして本発明の実施形態による硬貨処理装置1を創作するに至った。本発明の実施形態による硬貨処理装置1は、障害が発生した場合の障害復旧作業を効率化することが可能である。以下、このような本発明の実施形態による硬貨処理装置1の動作処理を順次詳細に説明する。なお、以下に説明する各動作処理例は、単独で実行されてもよいし、組み合わせて実行されてもよい。
【0082】
<4.本発明の実施形態による硬貨処理装置1の動作処理例>
(第1の動作処理)
図6は、本発明の実施形態による硬貨処理装置1の第1の動作処理を示すフローチャートである。まず、回収処理を行っている際に障害が発生した場合に、オペレータは硬貨処理装置1内で滞留していた硬貨を抜き取る。オペレータは、抜き取った硬貨を硬貨処理装置1に戻すために、操作表示部16に表示される処理選択画面において、機内戻し処理の選択ボタンを選択する(S304)。
【0083】
操作表示部16によって機内戻し処理の実行の指示が検出されると、判定部93は、金種別ホッパ36の論理在高の管理状態を判定する。判定部93が、金種別ホッパ36の論理在高の管理状態を不確定状態と判定した場合は(S308/No)、制御部94は、機内戻し処理の実行を制御する(S312)。
【0084】
判定部93が金種別ホッパ36の論理在高の管理状態を確定状態と判定した場合には(S308/Yes)、制御部94は、硬貨処理装置1を、機内戻し処理が実行されない状態に遷移する(S316)。続いて、制御部94は、回収庫58に収納されている硬貨の回収を促す案内を出力し(S320)、操作表示部16は、制御部94から出力された案内を表示する。
図7は、操作表示部16によって表示された、回収庫58に収納されている硬貨の回収を促す案内表示の例である。
図7に示した例では、操作表示部16は、機内戻し処理が無効であることを表示する。また、操作表示部16は、「金種別ホッパの在高が確定しているため、当該取引は行えません。回収庫を回収してください。」という案内を表示する。
【0085】
以上説明した第1の動作処理によれば、出金一時保留部42から回収庫58へ硬貨を搬送する際に障害が発生した場合に、制御部94は、硬貨処理装置1の状態を、機内戻し処理が実行されない状態にする。出金一時保留部42から回収庫58へ硬貨を搬送する際に障害が発生した場合に、機内戻し処理を実行すると、確定状態と判定されていた金種別ホッパ36の論理在高の管理状態が不確定状態となってしまい、再度確定状態に判定させる手間が生じる。そこで、制御部94は、硬貨処理装置1の状態を機内戻し処理が実行されない状態にすることで、機内戻し処理の実行に起因して、金種別ホッパ36の論理在高の管理状態が不確定状態と判定されることを防止する。その結果、オペレータが金種別ホッパ36の論理在高の管理状態を確定状態と判定させるために精査処理または全回収処理を行う手間を防止し、障害復旧処理を効率化することが可能である。
【0086】
また、以上説明した第1の動作処理によれば、制御部94は、硬貨処理装置1の状態が機内戻し処理が実行されない状態である場合に、回収庫58に収納されている硬貨の回収を、操作者に対して促す案内を出力する。当該案内を見たオペレータは、不確定状態と判定されている回収庫58のみを確定状態に判定させるための処理の実行を指示することで、障害復旧処理を効率的に行うことが可能であることを認識することが可能である。
【0087】
(第2の動作処理)
図8は、本発明の実施形態による硬貨処理装置1の第2の動作処理を示すフローチャートである。硬貨処理装置1の状態が機内戻し処理が実行されない状態である場合に、
図8で示す第2の動作処理を行うことで、障害復旧処理を効率化することが可能である。
【0088】
まず、金種別ホッパ36から出金一時保留部42の間で障害が発生すると、硬貨処理装置1内で滞留した硬貨は、オペレータによって抜き取られる。そして、操作表示部16によって、オペレータによる手回収処理の実行の指示が検出されると、当該手回収処理が開始する。操作表示部16は、回収庫58を引き出して、回収庫58に収納されている硬貨を回収するように促す案内を表示する。オペレータによって回収庫58に収納されている硬貨が回収されると(S404)、制御部94は、回収庫58の論理在高をゼロに更新されるよう、在高管理部92を制御する(S408)。そして、判定部93は、回収庫58の論理在高の管理状態が確定状態であると判定する(S412)。オペレータは、硬貨処理装置1内で滞留していた硬貨と、回収庫58から回収した硬貨を合わせて、手許金として金庫等へ収納する。
【0089】
以上説明した第2の動作処理によれば、硬貨処理装置1の状態が機内戻し処理が実行されない状態である場合に、回収庫58から硬貨が回収されると、制御部94は、回収庫58の論理在高がゼロに更新されるよう、在高管理部92を制御する。また、判定部93は、回収庫58の論理在高の管理状態が確定状態であると判定する。かかる動作処理によれば、出金一時保留部42から回収庫58の間で障害が発生した場合に、機内戻し処理を実行することなく、回収庫58の論理在高の管理状態を確定状態と判定させることが可能である。つまり、オペレータは、金種別ホッパ36の精査処理または全回収処理を行うことなく、硬貨処理装置1の各収納庫の論理在高の管理状態を確定状態と判定させることが可能である。したがって、オペレータが金種別ホッパ36の論理在高の管理状態を確定状態と判定させるために精査処理または全回収処理を行う手間を防止し、障害復旧処理の効率化を実現できる。
【0090】
(第3の動作処理)
図9は、本発明の実施形態による硬貨処理装置1の第3の動作処理を示すフローチャートである。まず、オペレータは、操作表示部16に表示される処理選択画面において、締上処理の選択ボタンを選択する(S504)。制御部94は、判定部93により、回収庫58の在高の管理状態が確定状態であると判定された場合には(S508/Yes)、締上処理の実行を制御する(S520)。
【0091】
制御部94は、判定部93により、回収庫58の論理在高の管理状態が不確定状態であると判定された場合には(S508/No)、締上処理を実行するか否かを選択するよう促す案内を操作表示部16に出力する(S512)。
図10は、操作表示部16によって表示された、締上処理を実行するか否かを選択するよう促す案内表示の例である。
図10に示した例では、操作表示部16は、メッセージ1001、「いいえ」ボタン1002、および「はい」ボタン1003が表示される。メッセージ1001は、「回収庫の在高が不確定です。締上しますか?」という案内文である。操作者は、「いいえ」ボタン1002を選択することで、締上処理を実行しない指示を行うことが可能である。また、操作者は、「はい」ボタン1003を選択することで、締上処理の実行の指示を行うことが可能である。
【0092】
操作表示部16によって、上記案内表示において「はい」ボタン1003の選択(すなわち、締上処理の実行の指示の選択)が検出されると(S516/Yes)、制御部94は、締上処理の実行を制御する(S520)。操作表示部16によって、上記案内表示において「いいえ」ボタン1002の選択(締上処理を実行しない指示の選択)がされると(S516/Yes)、制御部94は、締上処理の実行を制御しない。
【0093】
以上説明した第3の動作処理によれば、判定部93により回収庫58の論理在高の管理状態が不確定状態であると判定された場合に、操作表示部16により締上処理の実行の指示が検出されると、制御部94は、締上処理を実行するか否かを選択するよう促す案内を出力する。ここで、締上処理を行った後は、硬貨処理装置1は、制御部94によって、取引件数および取引金額等の修正変更ができない状態に制御される。
【0094】
回収庫58の論理在高の管理状態が不確定状態と判定されたまま締上処理を実行すると、誤った取引金額が集計され、確定されてしまう可能性が生じる。ここで、回収庫58の在論理高が不確定な状態であっても締上処理を優先させたいというニーズと、正しい集計を行うことを優先させたいというニーズがあることが考えられる。制御部94よって出力された締上処理を実行するか否かを選択するよう促す案内が操作表示部16に表示されることで、操作者のニーズに合わせた硬貨処理を行うとともに、締上処理の実行に際して回収庫58の在論理高が不確定な状態であることをオペレータに認識させることが可能である。
【0095】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0096】
例えば、上述した各実施形態では、硬貨の処理を行う硬貨処理装置1について説明したが、硬貨処理装置1と同様の構成を持つ、硬貨および紙幣の処理を取扱う、貨幣取扱装置などにも適用可能である。
【符号の説明】
【0097】
1 硬貨処理装置
16 操作表示部
30 入金一時保留部
36 金種別ホッパ
42 出金一時保留部
44 出金ガイド
46 回収シュート
48 切り替えゲート
50 出金箱
54 リジェクト庫
58 回収庫
90 制御ユニット
91 記憶部
92 在高管理部
93 判定部
94 制御部