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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023151997
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/16 20060101AFI20231005BHJP
   B41J 29/13 20060101ALI20231005BHJP
   B65H 29/60 20060101ALI20231005BHJP
   B65H 31/02 20060101ALI20231005BHJP
   B65H 29/52 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
G03G21/16 195
G03G21/16 138
G03G21/16 133
B41J29/13
B65H29/60 D
B65H31/02
B65H29/52
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022061906
(22)【出願日】2022-04-01
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001117
【氏名又は名称】弁理士法人ぱてな
(72)【発明者】
【氏名】篠矢 翔太
(72)【発明者】
【氏名】水野 智之
【テーマコード(参考)】
2C061
2H171
3F053
3F054
3F101
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AQ06
2C061AR01
2C061AS02
2C061BB10
2C061BB35
2C061CD07
2H171FA09
2H171FA19
2H171FA22
2H171GA23
2H171HA23
2H171JA21
2H171JA22
2H171JA42
2H171KA12
2H171QA03
2H171QA08
2H171QB32
2H171QC03
2H171QC36
2H171SA10
2H171SA12
2H171SA15
2H171SA19
2H171SA20
2H171SA22
2H171SA23
2H171SA26
2H171SA28
2H171SA32
2H171SA34
3F053EA01
3F053EC02
3F053EC06
3F053EC07
3F053ED05
3F053LA01
3F053LB03
3F054AA01
3F054AC01
3F054BA02
3F054BC05
3F054BC08
3F054BC09
3F054BF03
3F054BF09
3F101FB11
3F101FB12
3F101FC05
3F101FD02
3F101FE02
3F101LA01
3F101LB03
(57)【要約】
【課題】第1排出経路に沿って排出されるシートがカールすることを確実性高く抑制できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置1は、筐体9、画像形成部3、搬送部26、再搬送部30、カバー100及びフラッパ50を備える。画像形成装置1は、カバー100とフラッパ50とを連結する連結部60であって、カバー100の閉位置から開位置への移動に連動して、フラッパ50を第1位置から第2位置に移動させる一方、カバー100の開位置から閉位置への移動に連動して、フラッパ50を第2位置から第1位置に移動させる連結部60をさらに備える。フラッパ50は、第2位置にある状態で、筐体9内から排出方向DE1の下流に向かって突出して搬送部26によって搬送されるシートSHに上から当接可能である。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を有する筐体と、
前記筐体内に位置する画像形成部であって、通過するシートに画像を形成する前記画像形成部と、
前記画像形成部を通過したシートについて、画像が形成された面が上を向いた状態で排出方向に排出する第1排出経路、又は、前記第1排出経路よりも上方に導いて排出する第2排出経路、に沿って搬送する搬送部と、
前記第2排出経路に沿って搬送される途中のシートの後端が先端となるようにスイッチバックさせたシートを前記第2排出経路から分岐した再搬送経路に沿って搬送する再搬送部であって、スイッチバックさせたシートの画像が形成された面と反対面に画像が形成されるように前記画像形成部に搬送する前記再搬送部と、
前記開口を閉鎖する閉位置であって、前記画像形成部を通過したシートが前記第2排出経路に向かう前記閉位置と、前記閉位置から前記排出方向の下流かつ下方に向かって移動して前記開口を開放する開位置であって、前記画像形成部を通過したシートが前記第1排出経路に向かう前記開位置であって、前記第1排出経路に沿って前記開口を経由して排出されるシートを支持する前記開位置と、に移動可能なカバーと、
前記カバーが前記閉位置にある状態で、前記画像形成部を通過したシートを前記第2排出経路に導く第1姿勢と、前記第2排出経路の途中でスイッチバックしたシートを前記再搬送経路に導く第2姿勢と、に変位可能な第1位置にあるフラッパと、
を備えた画像形成装置であって、
前記カバーと前記フラッパとを連結する連結部であって、前記カバーの前記閉位置から前記開位置への移動に連動して、前記フラッパを前記第1位置から第2位置に移動させる一方、前記カバーの前記開位置から前記閉位置への移動に連動して、前記フラッパを前記第2位置から前記第1位置に移動させる前記連結部をさらに備え、
前記フラッパは、前記第2位置にある状態で、前記筐体内から前記排出方向の前記下流に向かって突出して前記搬送部によって搬送されるシートに上から当接可能であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記カバーは、前記連結部と連結する第1カバーと、
前記第1カバーに対し、前記排出方向及び上下方向に直交する幅方向の内側に位置する第2カバーであって、前記開位置にある状態で、前記第1カバーよりも前記排出方向の前記下流かつ下方に位置し、前記第1排出経路に沿って排出されるシートを支持する前記第2カバーと、を有している請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記フラッパは、前記幅方向の外側に向かって突出する被支持軸と、
前記フラッパが前記第1位置にある状態で前記被支持軸から下方に離れた位置で前記幅方向の外側に向かって突出する回動軸と、を有し、
前記排出方向に沿って延びる長穴によって前記被支持軸を回動可能かつスライド可能に支持する支持部をさらに備え、
前記連結部は、前記フラッパの前記回動軸と連結し、
前記第1カバーが前記閉位置にある状態では、前記第1位置にある前記フラッパは、前記回動軸周りに回動し、かつ前記被支持軸が前記長穴内でスライドすることにより、前記第1姿勢と前記第2姿勢とに変位し、
前記第1カバーが前記開位置に移動すると、前記連結部と前記フラッパの前記回動軸との連結点が前記排出方向の前記下流に移動し、かつ前記被支持軸が前記長穴内で前記排出方向の前記下流にスライドすることにより、前記フラッパが前記第2位置に移動する請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1カバーが前記閉位置にある状態では、前記連結部と前記第1カバーとの連結点は、第1位置にあるフラッパよりも上方に位置している請求項2又は3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記フラッパは、前記第1位置における前記第1姿勢にて搬送されるシートに当接する第1面と、前記第1面よりも前記カバーに近く前記第2姿勢にて前記再搬送経路を搬送されるシートに当接する第2面と、を有し、
前記第2位置にある前記フラッパは、前記第1面が下を向いて突出している請求項2又は3記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第2カバーは、前記第2カバーに重なる収納位置と、前記第1排出経路に沿って排出されるシートを前記開位置にある前記第2カバーと共に支持する展開位置と、に移動可能な第3カバーを有している請求項2又は3記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第2カバーは、前記収納位置と前記展開位置とにスライド可能に前記第3カバーを支持している請求項6記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記画像形成部は、シートに転写されるトナー像が形成される感光体と、
加熱部材及び加圧部材によって転写された前記トナー像をシートに定着させる定着器と、
を有している請求項1乃至3のいずれか1項記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に従来の画像形成装置の一例が開示されている。この画像形成装置は、装置本体、画像形成ユニット、第1の排出ローラ及びガイド部材を備えている。
【0003】
装置本体は、開口を有している。画像形成ユニットは、装置本体内に位置し、通過するシートに画像を形成する。
【0004】
第1の排出ローラは、駆動ローラ及び従動ローラを有している。第1の排出ローラは、画像形成ユニットを通過したシートについて、画像が形成された面が上を向いた状態で排出方向に排出するフェイスアップ排出経路、又は、フェイスアップ排出経路よりも上方に導いて排出するフェイスダウン排出経路、に沿って搬送する。
【0005】
第1の排出ローラの排出方向は、特許文献1の図1及び図2における紙面左側に向かって上り傾斜する方向である。
【0006】
ガイド部材は、開口を閉鎖する閉位置と、閉位置から排出方向の下流かつ下方に向かって移動して開口を開放する開位置と、に移動可能である。ガイド部材の閉位置は、画像形成ユニットを通過したシートがフェイスダウン排出経路に向かう位置である。ガイド部材の開位置は、画像形成ユニットを通過したシートがフェイスアップ排出経路に向かう位置である。ガイド部材は、開位置にある状態で、フェイスアップ排出経路に沿って開口を経由して排出されるシートを支持する。
【0007】
画像形成装置は、腰付け部材及びトーションスプリングをさらに備えている。腰付け部材は、第1位置と第2位置とに移動可能である。トーションスプリングは、腰付け部材を第1位置から第2位置に移動するように付勢している。
【0008】
ガイド部材が開位置から閉位置に揺動すると、ガイド部材の突起部が腰付け部材の揺動レバーを押し、腰付け部材がトーションスプリングの付勢力に抗して第1位置に移動して装置本体内に収容される。
【0009】
その一方、ガイド部材が閉位置から開位置に揺動すると、腰付け部材がトーションスプリングに付勢されて第2位置に移動する。これにより、腰付け部材は、装置本体内から排出方向の下流に向かって突出し、第1の排出ローラによって搬送されるシートに上から当接可能となる。第2位置にある腰付け部材は、フェイスアップ排出経路に沿って排出されるシートに上から当接することで、そのシートがカールすることを抑制する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特許第5477024号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、上記従来の画像形成装置において、フェイスアップ排出経路に沿って排出されるシートが厚紙等である場合にそのシートの剛性が高くなり易い。そして、その剛性が高いシートがトーションスプリングの付勢力よりも強い力で第2位置にある腰付け部材を押し返すことにより、腰付け部材がそのシートから逃げてしまうおそれがある。その結果、この画像形成装置は、フェイスアップ排出経路に沿って排出されるシートがカールすることを確実性高く抑制することが難しいという問題がある。
【0012】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、第1排出経路に沿って排出されるシートがカールすることを確実性高く抑制できる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の画像形成装置は、開口を有する筐体と、
前記筐体内に位置する画像形成部であって、通過するシートに画像を形成する前記画像形成部と、
前記画像形成部を通過したシートについて、画像が形成された面が上を向いた状態で排出方向に排出する第1排出経路、又は、前記第1排出経路よりも上方に導いて排出する第2排出経路、に沿って搬送する搬送部と、
前記第2排出経路に沿って搬送される途中のシートの後端が先端となるようにスイッチバックさせたシートを前記第2排出経路から分岐した再搬送経路に沿って搬送する再搬送部であって、スイッチバックさせたシートの画像が形成された面と反対面に画像が形成されるように前記画像形成部に搬送する前記再搬送部と、
前記開口を閉鎖する閉位置であって、前記画像形成部を通過したシートが前記第2排出経路に向かう前記閉位置と、前記閉位置から前記排出方向の下流かつ下方に向かって移動して前記開口を開放する開位置であって、前記画像形成部を通過したシートが前記第1排出経路に向かう前記開位置であって、前記第1排出経路に沿って前記開口を経由して排出されるシートを支持する前記開位置と、に移動可能なカバーと、
前記カバーが前記閉位置にある状態で、前記画像形成部を通過したシートを前記第2排出経路に導く第1姿勢と、前記第2排出経路の途中でスイッチバックしたシートを前記再搬送経路に導く第2姿勢と、に変位可能な第1位置にあるフラッパと、
を備えた画像形成装置であって、
前記カバーと前記フラッパとを連結する連結部であって、前記カバーの前記閉位置から前記開位置への移動に連動して、前記フラッパを前記第1位置から第2位置に移動させる一方、前記カバーの前記開位置から前記閉位置への移動に連動して、前記フラッパを前記第2位置から前記第1位置に移動させる前記連結部をさらに備え、
前記フラッパは、前記第2位置にある状態で、前記筐体内から前記排出方向の前記下流に向かって突出して前記搬送部によって搬送されるシートに上から当接可能であることを特徴とする。
【0014】
本発明の画像形成装置において、連結部がカバーの閉位置から開位置への移動に連動してフラッパを第2位置に移動させると、そのフラッパは、第1排出経路に沿って排出されるシートに上から当接することで、そのシートがカールすることを抑制する。つまり、フラッパは、排出ガイドを兼ねる。
【0015】
ここで、第1排出経路に沿って排出されるシートが厚紙等である場合にそのシートの剛性が高くなり易い。そして、その剛性が高いシートが第2位置にあるフラッパを押し返そうとする場合がある。
【0016】
このような場合でも、カバーの重量に応じた大きな力が連結部を介してフラッパに作用するので、フラッパは、第2位置に確実性高く保持される。これにより、この画像形成装置は、その剛性が高いシートが第2位置にあるフラッパを押し返そうとしても、フラッパがそのシートから逃げてしまうことを確実性高く抑制できる。
【0017】
したがって、本発明の画像形成装置は、第1排出経路に沿って排出されるシートがカールすることを確実性高く抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施例の画像形成装置の模式断面図であって、第1、2カバーが閉位置にあり、第3カバーが収納位置にあり、フラッパが第1位置にある状態を示す図である。
図2】実施例の画像形成装置の模式部分断面図であって、第1、2カバーが開位置にあり、第3カバーが展開位置にあり、フラッパが第2位置にある状態を示す図である。
図3】実施例の画像形成装置の背面図であって、第1、2カバーが閉位置にあり、第3カバーが収納位置にある状態を示す図である。
図4】実施例の画像形成装置の部分斜視図であって、第1、2カバーが開位置にあり、第3カバーが展開位置にあり、フラッパが第2位置にある状態を示す図である。
図5】実施例の画像形成装置の模式部分断面図であって、第1、2カバーの開位置への移動に連動してフラッパを第2位置に移動させる連結部の動作を説明する図である。
図6図5と同様の模式部分断面図であって、第1、2カバーの閉位置への移動に連動してフラッパを第1位置に移動させる連結部の動作を説明する図であって、フラッパが捩じりコイルバネに付勢されて第1姿勢に変位した状態を示す図である。
図7図6と同様の模式部分断面図であって、第1位置にあるフラッパが捩じりコイルバネの付勢力に抗して第2姿勢に変位した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を具体化した実施例について図面を参照しつつ説明する。
【0020】
(実施例)
図1に示すように、実施例の画像形成装置1は、本発明の画像形成装置の具体的態様の一例である。画像形成装置1は、電子写真方式によりシートSHに画像を形成するレーザプリンタである。
【0021】
図1では、画像形成装置1の筐体9における手差しトレイ10が位置する側を画像形成装置1の前方と規定し、筐体9におけるカバー100が位置する側を画像形成装置1の後方と規定し、筐体9における排出トレイ9Tが位置する側を画像形成装置1の上方と規定する。そして、図2以降の各図に示す各方向は、図1に対応させて表示する。
【0022】
<画像形成装置の概略構成>
図1に示すように、画像形成装置1は、筐体9、画像形成部3、シートトレイ9C、給送部20、手差しトレイ10、手差し給送部25、定着後搬送ローラ対26、カバー100、排出補助ローラ対28、排出ローラ対29及び再搬送部30を備えている。定着後搬送ローラ対26は、本発明の「搬送部」の一例である。
【0023】
筐体9は略箱状体であり、その内部に画像形成部3が位置している。画像形成部3は、直接転写型のカラー電子写真方式である。画像形成部3は、周知の構成であるプロセスカートリッジ4、転写ベルト6、スキャナ部8及び定着器7等を有し、通過するシートSHの上を向く面に画像を形成する。
【0024】
プロセスカートリッジ4は、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの4色のトナーに対応し、前後方向に直列する4つのカートリッジの集合体である。プロセスカートリッジ4は、各色のトナーにそれぞれ対応する4個の感光体5や、図示しない現像ローラ、帯電器及びトナー収容部等を有している。転写ベルト6は、各感光体5に下から対向している。
【0025】
スキャナ部8は、レーザ光源、ポリゴンミラー、fθレンズ及び反射鏡等を有している。スキャナ部8は、上方からレーザビームをプロセスカートリッジ4内の各感光体5に照射する。
【0026】
定着器7は、プロセスカートリッジ4よりも後方に位置している。定着器7は、加熱ローラ7A及び加圧ローラ7Bを有している。加熱ローラ7Aは、本発明の「加熱部材」の一例である。加圧ローラ7Bは、本発明の「加圧部材」の一例である。
【0027】
加熱ローラ7A及び加圧ローラ7Bのニップ位置は、転写ベルト6における各感光体5に対向する搬送面6Aよりも上方に位置している。
【0028】
定着器7は、プロセスカートリッジ4の下方を通過したシートSHを加熱ローラ7Aと加圧ローラ7Bとにより加熱及び加圧する。
【0029】
筐体9は、その上面において排出トレイ9Tを有している。排出トレイ9Tは、画像形成を終えたシートSHを支持する。
【0030】
筐体9は、その底部において、シートトレイ9Cを着脱可能に収容している。シートトレイ9Cは、画像形成部3によって画像が形成される前のシートSHを積層状態で収容している。シートSHは、用紙、OHPシート等である。
【0031】
給送部20は、給送経路PF1に沿って配置された給送ローラ21、分離ローラ22、分離パッド22A、第1搬送ローラ対23及び第2搬送ローラ対24を有している。
【0032】
給送経路PF1は、シートトレイ9Cの前端部から上向きかつ前向きに進んだ後にUターンし、後向きに進んで画像形成部3に至る経路である。
【0033】
供給ローラ21は、シートトレイ9Cに収容されたシートSHを給送経路PF1に送り出す。分離ローラ22及び分離パッド22Aは、供給ローラ21が送り出したシートSHが複数枚重なっている場合に、1枚ずつに分離する。
【0034】
第1搬送ローラ対23及び第2搬送ローラ対24は、分離ローラ22及び分離パッド22Aによって1枚ずつに分離されたシートSHをニップして画像形成部3に向けて搬送する。
【0035】
筐体9は、その前面側において手差しトレイ10を揺動可能に支持している。手差しトレイ10は、図1に実線で示すように、起立して筐体9の前面の一部を構成する起立位置と、図1に二点鎖線で示すように、筐体9の前面における上下方向の中間部から前向きに突出する手差し位置と、に移動可能である。
【0036】
手差しトレイ10は、手差し位置にある状態で、ユーザが手差しで画像形成部3に画像を形成させようとするシートSHを支持する。手差しトレイ10が支持可能なシートSHには、用紙、OHPシート等の他、厚紙、封筒等が含まれる。
【0037】
手差し給送部25は、第2搬送ローラ対24よりも前方に位置している。手差し給送部25は、第2搬送ローラ対24と協働し、手差し位置にある手差しトレイ10に支持されたシートSHを1枚ずつ画像形成部3に向けて搬送する。
【0038】
定着後搬送ローラ対26は、定着器7よりも後方に位置している。定着後搬送ローラ対26は、駆動ローラ26A及びピンチローラ26Pを有している。駆動ローラ26A及びピンチローラ26Pのニップ位置は、加熱ローラ7A及び加圧ローラ7Bのニップ位置よりも上方に位置している。
【0039】
定着後搬送ローラ対26は、画像形成部3の定着器7を通過したシートSHについて、図2に示す第1排出経路P1、又は、図1に示す第2排出経路P2に沿って搬送する。
【0040】
図2に示すように、第1排出経路P1は、画像形成部3の定着器7を通過して定着後搬送ローラ対26によって搬送されるシートSHについて、画像が形成された面が上を向いた状態で、筐体9の背面よりも後方の位置まで、排出方向DE1に排出する経路である。排出方向DE1は、前後方向に沿って後向きに進む方向である。
【0041】
図1に示すように、第2排出経路P2は、画像形成部3の定着器7を通過して定着後搬送ローラ対26によって搬送されるシートSHについて、第1排出経路P1よりも上方に導き、かつ画像が形成された面が下を向くようにUターンして排出トレイ9Tに排出する経路である。
【0042】
図1図4に示すように、筐体9は、その背面において開口9Hを有している。開口9Hは、筐体9の背面における上側半分の大部分を開放する略矩形状の開口である。
【0043】
図2に示すように、開口9Hは、画像形成部3の定着器7を通過して定着後搬送ローラ対26によって搬送されるシートSHが筐体9の背面よりも後方の位置まで排出されるときに、そのシートSHを通過させることが可能である。
【0044】
図1図4に示すように、カバー100は、第1カバー110及び第2カバー120を有している。筐体9は、第1カバー110及び第2カバー120をそれぞれ開閉軸心X100周りに揺動可能に支持している。
【0045】
開閉軸心X100は、開口9Hの下端縁の近くで筐体9の幅方向に延びている。幅方向は、排出方向DE1及び上下方向に直交する方向である。感光体5の回転軸心は、幅方向と平行に延びている。
【0046】
カバー100は、第1カバー110及び第2カバー120がそれぞれ開閉軸心X100周りに揺動することにより、図1及び図3に示すように、開口9Hを閉鎖する閉位置と、図2及び図4に示すように、閉位置から排出方向DE1の下流かつ下方に向かって移動して開口9Hを開放する開位置と、に移動可能である。
【0047】
図3に示すように、第1カバー110は、閉位置にある状態で、開口9Hの上端縁に沿う上部分と、開口9Hの幅方向の一方及び他方に位置する側端縁に沿う一対の側方部分と、を有している。
【0048】
また、第1カバー110は、切り欠き110Cを有している。切り欠き110Cは、第1カバー110における上部分及び一対の側方部分に囲まれた領域である。
【0049】
第2カバー120は、第1カバー110に対し、幅方向の内側に位置している。第1カバー110及び第2カバー120が閉位置にある状態で、第2カバー120は、第1カバー110の切り欠き110C内に収まって、第1カバー110と共に開口9Hを閉鎖している。
【0050】
図2及び図4に示すように、第1カバー110及び第2カバー120が開位置にある状態で、第2カバー120は、第1カバー110よりも排出方向DE1の下流かつ下方に位置している。
【0051】
図4に示すように、本実施例では、第1カバー110及び第2カバー120はそれぞれ、熱可塑性樹脂の射出成形等によって製造される樹脂成形品である。
【0052】
第2カバー120は、平板形状であるカバー本体121と、カバー本体121からそれぞれ突出する複数のリブ129と、を有している。各リブ129は、互いに間隔を有して幅方向に並んでいる。
【0053】
図1に示すように、第2カバー120が閉位置にある状態で、カバー本体121は、上下方向及び幅方向に延びて、第1カバー110と共に開口9Hを閉鎖する。その状態で、各リブ129は、カバー本体121における筐体9内を向く面から前向きに突出し、かつ上下方向に延びている。また、その状態では、各リブ129におけるカバー本体121とは反対側に位置して上下方向に延びる先端縁129Aは、上方及び下方に位置する端部に対して、中間部が後方にずれるように湾曲している。
【0054】
第1カバー110及び第2カバー120の閉位置は、画像形成部3の定着器7を通過して定着後搬送ローラ対26によって搬送されるシートSHが第2排出経路P2に向かう位置である。
【0055】
各リブ129の先端縁129Aは、第2カバー120が閉位置にある状態で第2排出経路P2に沿って延び、定着後搬送ローラ対26によって搬送されるシートSHを第2排出経路P2に沿って案内する。すなわち、定着後搬送ローラ対26によって搬送されるシートSHは、その先端が第2カバー120の各リブ129に案内されて上方に向った後に前方に向かうように向きを変えられることにより、排出トレイ9T上に排出される。
【0056】
図2に示すように、第1カバー110及び第2カバー120の開位置は、画像形成部3の定着器7を通過して定着後搬送ローラ対26によって搬送されるシートSHが第1排出経路P1に向かう位置である。
【0057】
第1カバー110は、開位置にある状態で、第1排出経路P1に沿って開口9Hを経由して排出されるシートSHを切り欠き110Cによって通過させる。第2カバー120は、開位置にある状態で、第1排出経路P1に沿って開口9Hを経由して排出されるシートSHを各リブ129の先端縁129Aによって支持する。すなわち、第2カバー120が開位置にある状態では、各リブ129は、上向きに突出して幅方向に並んでおり、各リブ129の先端縁129Aは、定着後搬送ローラ対26のニップ点、及び、後述するように第2位置に移動したフラッパ50よりも下方かつ排出方向DE1の下流に位置している。
【0058】
ユーザが第2排出経路P2に沿って搬送し難いシートSH、例えば剛性の高い厚紙、封筒等に画像を形成しようとする場合、第1カバー110及び第2カバー120が開位置にある状態で、そのシートSHを手差し位置にある手差しトレイ10に支持させて画像形成部3に給送させ、画像形成部3を通過したシートSHを第1排出経路P1に沿って排出させる、所謂ストレート排紙を選択することになる。
【0059】
図1図4に示すように、第2カバー120は、第3カバー130を有している。第3カバー130は、カバー本体121の外面に沿って延びる平板部材である。第2カバー120は、カバー本体121における幅方向の一方の端部及び他方の端部に位置する一対のスライドガイド120Gによって、第3カバー130をスライド可能に支持している。
【0060】
第3カバー130は、カバー本体121の外面に沿って開閉軸心X100の径方向に往復動することで、図1及び図3に示す収納位置と、図2及び図4に示す展開位置とに移動可能である。
【0061】
図1及び図3に示すように、第3カバー130は、収納位置にある状態で、第2カバー120のカバー本体121に重なっている。その一方、図2及び図4に示すように、第3カバー130は、展開位置にある状態で、カバー本体121よりも後方に突出し、第1排出経路P1に沿って排出されるシートSHを開位置にある第2カバー120と共に支持する。
【0062】
排出補助ローラ対28は、定着後搬送ローラ対26よりも上方に位置している。排出ローラ対29は、排出補助ローラ対28よりも前方に位置し、かつ排出トレイ9Tの後端よりも上方に位置している。
【0063】
排出補助ローラ対28及び排出ローラ対29は、図示しない制御部に制御されて、正回転及び逆回転する。
【0064】
排出補助ローラ対28及び排出ローラ対29が正回転する場合、排出補助ローラ対28は、第2排出経路P2に沿って搬送されるシートSHをニップして排出ローラ対29に向けて搬送し、排出ローラ対29はそのシートSHをニップして排出トレイ9Tに排出する。
【0065】
排出補助ローラ対28及び排出ローラ対29は、正回転してシートSHを排出トレイ9Tに排出する途中において、図示しない制御部に制御されて、正回転から逆回転に切り替わることにより、第2排出経路P2に沿って搬送される途中のシートSHについて、その後端が先端となるようにスイッチバックさせる。そして、排出補助ローラ対28及び排出ローラ対29は、逆回転を所定時間継続することで、そのスイッチバックさせたシートSHを再搬送経路P3に向けて搬送する。
【0066】
再搬送経路P3は、第2排出経路P2から分岐し、排出補助ローラ対28及び排出ローラ対29の逆回転によってスイッチバックしたシートSHを画像形成部3に再搬送する経路である。
【0067】
より詳しくは、再搬送経路P3は、第2排出経路P2における排出補助ローラ対28よりも下方の位置から分岐して下向きに延びた後、シートトレイ9Cよりも上方、かつ転写ベルト6よりも下方において前向きに進み、さらに上向きにUターンして、給送経路PF1における第2搬送ローラ対24よりも前方の位置に合流する経路である。
【0068】
再搬送部30は、再搬送経路P3に沿って配置された再搬送ローラ対31、32、33を有している。再搬送ローラ対31、32、33は、第2排出経路P2の途中でスイッチバックして再搬送経路P3に進入したシートSHを再搬送経路P3に沿って搬送する。そして、再搬送部30は、スイッチバックさせたシートSHの画像が形成された面と反対面に画像が形成されるように画像形成部3に搬送する。
【0069】
<フラッパ、連結部、支持部及び捩じりコイルバネ>
画像形成装置1において、第2排出経路P2に沿って搬送される途中のシートSHをスイッチバックさせたときに、何ら対策を施さなければ、そのスイッチバックしたシートSHが誤って定着後搬送ローラ対26に向かって進んでしまい、再搬送経路P3に進入できなくなる不具合が発生するおそれがある。
【0070】
また、画像形成装置1において、加熱ローラ7A及び加圧ローラ7Bのニップ位置は、転写ベルト6における各感光体5に対向する搬送面6Aよりも上方に位置している。駆動ローラ26A及びピンチローラ26Pのニップ位置は、加熱ローラ7A及び加圧ローラ7Bのニップ位置よりも上方に位置している。
【0071】
このため、図2に示すように、シートSHが定着器7の加熱ローラ7A及び加圧ローラ7Bと、定着後搬送ローラ対26の駆動ローラ26A及びピンチローラ26Pと、にニップされて第1排出経路P1に沿って排出されるときに、何ら対策を施さなければ、その排出されるシートSHが上向きにカールする不具合が発生するおそれがある。特に、シートSHが曲げ癖の付き易い厚紙、封筒等である場合に、カールし易くなる。
【0072】
これらの不具合を抑制するため、画像形成装置1は、図1図2及び図4図7に示すフラッパ50と、図3図7に示す連結部60と、図4図7に示す支持部70と、図5図7に示す捩じりコイルバネ59と、をさらに備えている。
【0073】
図3及び図4に示すように、連結部60は、筐体9における幅方向の一方側と他方側とに一対あり、それらは勝手違いの同一構成である。このため、幅方向の一方側にある連結部60について図5図7に示して説明し、幅方向の他方側にある連結部60については説明を省略する。
【0074】
支持部70も筐体9における幅方向の一方側と他方側とに一対あって、それらは勝手違いの同一構成であるので、幅方向の一方側に位置する支持部70を図4図7に図示して説明し、幅方向の他方側にある支持部70については説明を省略する。
【0075】
捩じりコイルバネ59も筐体9における幅方向の一方側と他方側とに一対あって、それらは勝手違いの同一構成であるので、幅方向の一方側に位置する捩じりコイルバネ59を図5図7に図示して説明し、幅方向の他方側にある捩じりコイルバネ59については説明を省略する。
【0076】
図4及び図5に示すように、フラッパ50は、フラッパ本体51、回動軸56及び被支持軸57を有している。本実施例では、フラッパ50は、熱可塑性樹脂の射出成形等によって製造される樹脂成形品である。
【0077】
回動軸56及び被支持軸57はそれぞれ、フラッパ本体51における幅方向の一方の端部と他方の端部とに一対あって、それらは勝手違いの同一構成であるので、幅方向の一方側に位置する回動軸56及び被支持軸57を図4図7に図示して説明し、幅方向の他方側にある回動軸56及び被支持軸57については説明を省略する。
【0078】
図4及び図5に示すように、フラッパ本体51は、幅方向に扁平に延びており、互いに反対側を向く第1面50A及び第2面50Bを有している。第1面50A及び第2面50Bはそれぞれ、フラッパ本体51から突出し、かつ互いに間隔を有して幅方向に並ぶ複数のリブによって実質的に構成された湾曲面である。
【0079】
回動軸56は、フラッパ本体51における幅方向の側端面から幅方向の外側に向かって突出する円柱である。
【0080】
被支持軸57は、フラッパ本体51における幅方向の側端面における回動軸56から離隔した位置から幅方向の外側に向かって突出する円柱である。
【0081】
図3及び図4に示すように、第1カバー110は、その外面に一対の連結片116を有している。一対の連結片116は、切り欠き110Cよりも幅方向の外側、かつ第1カバー110の上端側に位置している。
【0082】
図4及び図5に示すように、連結部60は、側面視略「L」字形状に屈曲する1つのリンクアームである。図5図7に示すように、第1カバー110の連結片116と、連結部60の一端とは、連結点CP1において連結している。
【0083】
連結部60の他端は、連結部60の一端よりも前方かつ下方に位置し、また、第1カバー110よりも前方に位置している。連結部60の他端と、フラッパ50の回動軸56とは、連結点CP2において連結している。
【0084】
つまり、連結部60は、第1カバー110とフラッパ50とを連結している。
【0085】
図4及び図5に示すように、支持部70は、筐体9内で幅方向の一方及び他方に位置するフレーム部材の一部であって、後向きに突出している。支持部70は、長穴70Hを有している。長穴70Hは、排出方向DE1に沿って前後方向に延びている。
【0086】
図5図7に示すように、支持部70は、長穴70Hによってフラッパ50の被支持軸57を回動可能かつ前後方向にスライド可能に支持している。
【0087】
捩じりコイルバネ59は、コイル部59Cと、コイル部59Cからそれぞれ延びる一端部59A及び他端部59Bと、を有している。
【0088】
コイル部59Cの内部には、フラッパ50の回動軸56が挿入されている。一端部59Aは、回動軸56と被支持軸57との中間位置において、フラッパ本体51に係止されている。他端部59Bは、コイル部59Cから上方かつ後方に突出している。
【0089】
図5に示すように、第1カバー110及び第2カバー120が開位置にある状態では、他端部59Bを係止するものはない。
【0090】
第1カバー110及び第2カバー120が図5に示す開位置から図6に示す閉位置に移動すると、第1カバー110の移動に連動して、連結部60が連結点CP1周りに下向きに回動し、連結部60とフラッパ50の回動軸56との連結点CP2が排出方向DE1の上流かつ下方に移動して、フラッパ50の回動軸56を被支持軸57から下方に離れた位置まで移動させる。その結果、フラッパ50は、第1面50Aが前を向き、第2面50Bが第1面50Aよりも第1カバー110及び第2カバー120に近い位置にて後を向く状態で、回動軸56周りに回動可能となる。
【0091】
この際、捩じりコイルバネ59の他端部59Bが閉位置に移動する途中の第2カバー120の筐体9内を向く面と当接して前向きに押される。その結果、図6に示すように、捩じりコイルバネ59は、復元力を蓄えた状態となって、被支持軸57を長穴70H内で前方にスライドさせるようにフラッパ50を付勢する。
【0092】
この状態で、フラッパ50は、定着後搬送ローラ対26によって搬送されるシートSHに押されることにより、図7に示すように、捩じりコイルバネ59の付勢力に抗して、被支持軸57を長穴70H内で後方にスライドさせるように回動する。
【0093】
図1図6及び図7に示すフラッパ50の位置は、第1位置である。
【0094】
図1に二点鎖線で示すフラッパ50の姿勢、及び図7に示すフラッパ50の姿勢は、画像形成部3の定着器7を通過して定着後搬送ローラ対26によって搬送されるシートSHを第2排出経路P2に導く第1姿勢である。
【0095】
図1に実線で示すフラッパ50の姿勢、及び図6に示すフラッパ50の姿勢は、第2排出経路P2の途中でスイッチバックしたシートSHを再搬送経路P3に導く第2姿勢である。
【0096】
つまり、フラッパ50は、第1カバー110及び第2カバー120が閉位置にある状態で、第1姿勢と第2姿勢とに変位可能な第1位置にある。
【0097】
第1面50Aは、フラッパ50の第1位置における第1姿勢にて搬送されるシートSHに当接する。第2面50Bは、フラッパ50の第1位置における第2姿勢にて再搬送経路P3を搬送されるシートSHに当接する。
【0098】
第1カバー110が閉位置にある状態では、連結部60と第1カバー110との連結点CP1は、第1位置にあるフラッパ50よりも上方に位置している。
【0099】
第1カバー110及び第2カバー120が図6に示す閉位置から図5に示す開位置に移動すると、第1カバー110の移動に連動して、連結部60が連結点CP1周りに上向きに回動し、連結部60とフラッパ50の回動軸56との連結点CP2が排出方向DE1の下流かつ上方に移動して、フラッパ50の回動軸56を持ち上げながら排出方向DE1の下流に引っ張り、かつ被支持軸57を長穴70H内で排出方向DE1の下流にスライドさせる。
【0100】
その結果、図2図4及び図5に示すように、フラッパ50は、第2位置に移動する。フラッパ50は、第2位置にある状態で、第1面50Aが下を向いて筐体9内から排出方向DE1の下流に向かって突出している。図2に示すように、フラッパ50の第1面50Aは、定着後搬送ローラ対26によって搬送されるシートSHに上から当接可能である。
【0101】
こうして、連結部60は、第1カバー110及び第2カバー120が閉位置から開位置に移動するときに第1カバー110の移動に連動して、フラッパ50を第1位置から第2位置に移動させる一方、第1カバー110及び第2カバー120が開位置から閉位置に移動するときに第1カバー110の移動に連動して、フラッパ50を第2位置から第1位置に移動させるようになっている。
【0102】
<画像形成動作>
画像形成部3は、以下のようにして、シートトレイ9C又は手差しトレイ10から給送されるシートSHに画像を形成する。すなわち、各感光体5の表面は、その回転に伴って、帯電器により一様に正帯電された後、スキャナ部8から照射されるレーザビームの高速走査により露光される。これにより、各感光体5の表面には、シートSHに形成すべき画像に対応した静電潜像が形成される。
【0103】
次に、トナー収容部からトナーが静電潜像に対応して各感光体5の表面に供給され、トナー像が形成される。そして、シートSHが画像形成部3を通過する際、シートSHの上を向く面が感光体5と対面する。そして、各感光体5の表面上に担持されたトナー像がシートSHの上を向く面に転写される。定着器7は、加熱ローラ7A及び加圧ローラ7Bによって転写されたトナー像をシートSHに定着させる。
【0104】
図1に示すように、第1カバー110及び第2カバー120が閉位置にあって、シートSHの片面のみに画像を形成する場合、定着後搬送ローラ対26は、画像形成部3の定着器7を通過したシートSHについて、第2排出経路P2に沿って搬送する。この際、第1位置にあるフラッパ50は、搬送されるシートSHの先端に押されて第1姿勢に変位し、第1面50AがそのシートSHに当接する。排出補助ローラ対28及び排出ローラ対29は正回転し、そのシートSHをニップして排出トレイ9Tに排出する。
【0105】
第1カバー110及び第2カバー120が閉位置にあって、シートSHの両面に画像を形成する場合、定着後搬送ローラ対26は、片面に画像が形成されたシートSHについて、第2排出経路P2に沿って搬送する。この際、第1位置にあるフラッパ50は、搬送されるシートSHの先端に押されて第1姿勢に変位し、第1面50AがそのシートSHに当接する。排出補助ローラ対28及び排出ローラ対29は正回転し、そのシートSHをニップして第2排出経路P2の途中まで搬送する。
【0106】
図示しない制御部は、そのシートSHの後端がフラッパ50から離れてフラッパ50が第2姿勢に変位したタイミングで、排出補助ローラ対28及び排出ローラ対29を逆回転させることで、第2排出経路P2に沿って搬送される途中のシートSHについて、その後端が先端となるようにスイッチバックさせる。
【0107】
そして、排出補助ローラ対28及び排出ローラ対29は、逆回転を所定時間継続することで、そのスイッチバックさせたシートSHを再搬送経路P3に向けて搬送する。再搬送部30は、スイッチバックさせたシートSHの画像が形成された面と反対面に画像が形成されるように画像形成部3に搬送する。定着後搬送ローラ対26、排出補助ローラ対28及び排出ローラ対29は、両面に画像が形成されたシートSHを第2排出経路P2に沿って搬送し、排出トレイ9Tに排出する。
【0108】
図2に示すように、第1カバー110及び第2カバー120が開位置にある場合、定着後搬送ローラ対26は、画像形成部3の定着器7を通過したシートSHについて、第1排出経路P1に沿って開口9Hを経由して排出方向DE1に排出する。開位置にある第1カバー110は、そのシートSHを切り欠き110Cによって通過させる。なお、画像形成部3によって画像が形成されたシートSHだけではなく、例えばラミネートフィルムに挟み込まれたシートに対して、画像形成を行わずに定着器7に搬送し、加熱ローラ7A及び加圧ローラ7Bによって圧着されてラミネート加工が施されたシートを、第1排出経路P1に沿って開口9Hを経由して排出方向DE1に排出してもよい。
【0109】
この際、第2位置にあるフラッパ50は、筐体9内から排出方向DE1の下流に向かって突出して、第1面50Aが定着後搬送ローラ対26によって搬送されるシートSHに上から当接することで、そのシートSHが上向きにカールすることを抑制する。
【0110】
そのシートSHがフラッパ50を押し返そうとしても、フラッパ50は、第1カバー110の重量に応じた大きな力が連結部60を介して作用することにより、第2位置に確実性高く保持される。特に、剛性の高い封筒や厚紙、上述したラミネート加工されたシート等であるシートSHが排出される場合に、第2位置にあるフラッパ50と、そのシートSHとが接触することで、そのシートSHがカールすることを抑制できる。
【0111】
そして、その排出されるシートSHが筐体9の背面よりも後方の位置まで排出されると、第2カバー120は、各リブ129の先端縁129AによってそのシートSHを支持する。
【0112】
<作用効果>
実施例の画像形成装置1において、連結部60は、第1カバー110及び第2カバー120が図6に示す閉位置から図5に開位置に移動するときに、第1カバー110の移動に連動してフラッパ50を第2位置に移動させる。
【0113】
これにより、図2に示すように、フラッパ50は、第1排出経路P1に沿って排出されるシートSHに第1面50Aが上から当接することで、そのシートSHが上向きにカールすることを抑制する。つまり、フラッパ50は、排出ガイドを兼ねる。
【0114】
ここで、第1排出経路P1に沿って排出されるシートSHが厚紙等である場合にそのシートSHの剛性が高くなり易い。そして、その剛性が高いシートSHが第2位置にあるフラッパ50を押し返そうとする場合がある。
【0115】
このような場合でも、第1カバー110の重量に応じた大きな力が連結部60を介してフラッパ50に作用するので、フラッパ50は、第2位置に確実性高く保持される。これにより、この画像形成装置1は、その剛性が高いシートSHが第2位置にあるフラッパ50を押し返そうとしても、フラッパ50がそのシートSHから逃げてしまうことを確実性高く抑制できる。
【0116】
したがって、実施例の画像形成装置1は、第1排出経路P1に沿って排出されるシートSHがカールすることを確実性高く抑制できる。
【0117】
また、この画像形成装置1は、仮にフラッパ50とは別に排出ガイドを設け、連結部60がカバー100とその排出ガイドとを連結する構成と比較して、部品点数の増加及び大型化を抑制できる。
【0118】
また、この画像形成装置1は、図4及び図5に示すように、カバー100について、機能が互いに異なる2部材、すなわち第1カバー110及び第2カバー120に分けることで、フラッパ50が第1位置と第2位置とに移動するときの移動範囲の設計自由度と、第1カバー110が閉位置と開位置とに移動するときの移動範囲の設計自由度と、第2カバー120が閉位置と開位置とに移動するときの移動範囲の設計自由度と、を向上させることができる。
【0119】
さらに、この画像形成装置1において、図5図7に示すように、連結部60はフラッパ50の回動軸56と連結し、支持部70は、長穴70Hによって被支持軸57を回動可能かつスライド可能に支持している。第1カバー110が図6及び図7に示す閉位置にある状態では、第1位置にあるフラッパ50は、回動軸56周りに回動し、かつ被支持軸57が長穴70H内でスライドすることにより、第1姿勢と第2姿勢とに変位する。第1カバー110が図5に示す開位置に移動すると、連結部60とフラッパ50の回動軸56との連結点CP2が排出方向DE1の下流に移動し、かつ被支持軸57が長穴70H内で排出方向DE1の下流にスライドすることにより、フラッパ50が第2位置に移動する。この構成により、第1位置にあるフラッパ50について、第1姿勢と第2姿勢とに円滑に変位させることができる。
【0120】
また、この画像形成装置1において、図6に示すように、第1カバー110が閉位置にある状態では、連結部60と第1カバー110との連結点CP1は、第1位置にあるフラッパ50よりも上方に位置している。この構成により、第1カバー110の移動に連動するフラッパ50が第2位置に移動したときに、排出方向DE1の下流に向かって突出する姿勢を水平に近づけ易くなるので、そのフラッパ50が第1排出経路P1に沿って排出されるシートSHに強く当接することを抑制できる。
【0121】
さらに、この画像形成装置1において、図1に示すように、フラッパ50は、第1位置における第1姿勢にて搬送されるシートSHに当接する第1面50Aと、第1位置における第2姿勢にて再搬送経路P3を搬送されるシートSHに当接する第2面50Bと、を有している。そして、図2に示すように、第2位置にあるフラッパ50は、第1面50Aが下を向いて突出している。この構成により、第2位置にあるフラッパ50は、第1面50Aにより、第1排出経路P1に沿って排出されるシートSHに円滑に当接することができる。
【0122】
また、この画像形成装置1は、図2及び図4に示すように、展開位置に移動した第3カバー130により、第1排出経路P1に沿って排出されるシートSHを支持する面積を拡大できる。
【0123】
さらに、この画像形成装置1において、第2カバー120は、スライドガイド120Gによって、収納位置と展開位置とにスライド可能に第3カバー130を支持している。この構成により、ユーザが第3カバー130を収納位置と展開位置とに容易に移動させることができる。
【0124】
以上において、本発明を実施例に即して説明したが、本発明は上記実施例に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【0125】
実施例では、本発明の画像形成装置を画像形成装置1として具体化したが、本発明はこの構成には限定されない。例えば、画像形成装置の上方に画像読取装置を備えた複合機において、画像形成装置に本発明の構成を適用してもよい。
【0126】
実施例では、連結部60が一部材であるが、本発明はこの構成には限定されない。例えば、連結部は、複数の部材の連結構成であってもよい。
【0127】
実施例では、カバー100が第1カバー110及び第2カバー120を有し、連結部60は、第1カバー110の移動に連動してフラッパ50を移動させるが、本発明はこの構成には限定されない。例えば、カバーが一部材であり、連結部がそのカバーの移動に連動してフラッパを移動させてもよい。
【0128】
実施例では、第2排出経路P2は、上向きにUターンするように進んで画像が形成された面を下にしてシートSHを排出トレイ9Tに排出する経路であるが、本発明はこの構成には限定されない。例えば、第2排出経路は、上向きにクランク状に進んで画像が形成された面を上にしてシートを排出する経路であってもよい。
【0129】
実施例では、第3カバー130が収納位置と展開位置とにスライドするが、本発明はこの構成には限定されない。例えば、第3カバーは、収納位置と展開位置とに回動してもよい。
【0130】
実施例では、定着器7の搬送方向の下流に位置する定着後搬送ローラ対26が、搬送部としてシートSHを第1排出経路P1に沿って排出されるように搬送するが、本発明はこの構成には限定されない。例えば、定着器7と第1カバー110及び第2カバー120との間に定着後搬送ローラ対26が存在せず、定着器7の加熱ローラ7A及び加圧ローラ7Bが搬送部として機能し、加熱ローラ7A及び加圧ローラ7Bの回転によってシートSHを第1排出経路P1に沿って搬送し、開位置にある第2カバー120上にそのシートSHを直接排出する構成も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0131】
1…画像形成装置、9H…開口、9…筐体
3…画像形成部、SH…シート、DE1…排出方向
P1…第1排出経路、P2…第2排出経路
26…搬送部(定着後搬送ローラ対)
P3…再搬送経路、30…再搬送部、100…カバー
50…フラッパ、60…連結部、110…第1カバー
120…第2カバー、57…被支持軸、56…回動軸、70H…長穴
70…支持部、CP2…連結部とフラッパの回動軸との連結点
CP1…連結部と第1カバーとの連結点
50A…フラッパの第1面、50B…フラッパの第2面
130…第3カバー、5…感光体、7A…加熱部材(加熱ローラ)
7B…加圧部材(加圧ローラ)、7…定着器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7