(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023151998
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】構造物形成システム及び構造物形成方法
(51)【国際特許分類】
B28B 1/30 20060101AFI20231005BHJP
B29C 64/209 20170101ALI20231005BHJP
B29C 64/321 20170101ALI20231005BHJP
B29C 64/393 20170101ALI20231005BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20231005BHJP
B33Y 30/00 20150101ALI20231005BHJP
B33Y 50/02 20150101ALI20231005BHJP
【FI】
B28B1/30
B29C64/209
B29C64/321
B29C64/393
B33Y10/00
B33Y30/00
B33Y50/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022061908
(22)【出願日】2022-04-01
(71)【出願人】
【識別番号】000000549
【氏名又は名称】株式会社大林組
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】坂上 肇
(72)【発明者】
【氏名】大川 悠奈
(72)【発明者】
【氏名】中村 允哉
(72)【発明者】
【氏名】石関 嘉一
(72)【発明者】
【氏名】金子 智弥
【テーマコード(参考)】
4F213
4G052
【Fターム(参考)】
4F213AP10
4F213WA25
4F213WB01
4F213WL02
4F213WL32
4F213WL85
4G052DB12
4G052DC06
(57)【要約】
【課題】造形材の吐出量の変更時の不具合を抑制するための構造物形成システム及び構造物形成方法を提供する。
【解決手段】3Dプリンタ20は、ノズル23を移動させながらノズル23から吐出されるモルタルで形成される層を積み上げることにより積層させた枠部材を形成する。この3Dプリンタ20は、積層を制御する制御部31と、モルタルをノズル23に送圧するポンプ21と、ノズル23とポンプ21に接続する供給部22との間に設けられるバルブ24とを備える。バルブ24は、内部の可撓性のチューブによって流路を塞ぐことにより閉弁するピンチバルブである。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノズルを移動させながら前記ノズルから吐出される造形材で形成される層を積み上げることにより積層させた構造物を形成するシステムであって、
前記積層を制御する制御部と、
前記造形材を前記ノズルに送圧するポンプと、
前記ノズルと前記ポンプに接続する接続部との間に設けられるバルブと、を備え、
前記バルブは、可撓性のチューブによって流路を塞ぐことにより閉弁するピンチバルブであることを特徴とする構造物形成システム。
【請求項2】
前記制御部が、
前記ノズルを移動させながら、
前記構造物の設計上の終了地点に至る終点到着時刻から、前記ポンプによって加圧された前記造形材の圧力を低減する圧力低下時間前のポンプ停止時刻に、前記ポンプを停止し、
前記ポンプ停止時刻の後であって、かつ前記終点到着時刻から、前記バルブの閉弁所要時間前の閉弁開始時刻に、前記バルブの閉弁を開始することを特徴とする請求項1に記載の構造物形成システム。
【請求項3】
前記制御部が、
前記ノズルを移動させながら、
前記構造物の設計上の終了地点に至る終点到着時刻から、前記ポンプによって加圧された前記造形材の圧力を低減する圧力低下時間前のポンプ停止時刻に、前記ポンプを停止し、
前記終点到着時刻において、前記バルブの閉弁を開始することを特徴とする請求項1に記載の構造物形成システム。
【請求項4】
前記制御部が、
前記バルブの閉弁開始から前記バルブの閉弁所要時間が経過した後から、前記ノズル内に残存した前記造形材の吐出が終了する前記ノズルの移動終了時刻まで、前記構造物における前記終了地点に連続する部分の上に沿って前記ノズルを移動させ、
前記移動終了時刻において、前記ノズルを前記構造物の上方に移動させることにより、前記ノズルを前記構造物と離間させることを特徴とする請求項2又は3に記載の構造物形成システム。
【請求項5】
前記制御部が、
前記ノズルを前記構造物と離間させた後、前記構造物とは別の構造物の形成開始地点に、前記ノズルを移動させるとともに、
前記ポンプを駆動して前記造形材を加圧する加圧待機時間の経過後に行なう前記バルブの開弁が完了するまでの待機時間が、前記形成開始地点に到着してから終了するように、前記ポンプを駆動することを特徴とする請求項4に記載の構造物形成システム。
【請求項6】
構造物形成システムを用いて、ノズルを移動させながら前記ノズルから吐出される造形材で形成される層を積み上げることにより積層させた構造物を形成する方法であって、
前記構造物形成システムは、
前記造形材を前記ノズルに送圧するポンプと、
前記ノズルと前記ポンプに接続する接続部との間に設けられるバルブと、を備え、
前記バルブは、可撓性のチューブによって流路を塞ぐことにより閉弁するピンチバルブであって、
前記ノズルを移動させながら、
前記構造物の設計上の終了地点に至る終点到着時刻から、前記ポンプによって加圧された前記造形材の圧力を低減する圧力低下時間前のポンプ停止時刻に、前記ポンプを停止し、
前記ポンプ停止時刻の後であって、かつ前記終点到着時刻から、前記バルブの閉弁所要時間前の閉弁開始時刻に、前記バルブの閉弁を開始することを特徴とする構造物形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、移動するノズルから吐出される造形材を積層させて構造物を形成する構造物形成システム及び構造物形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
建築物等の立体の構造物を形成する場合、3次元(3D)プリンタを利用することがある。この3Dプリンタにおいては、ノズルから材料を吐出させながらノズルを移動させて層を形成し、形成した層を徐々に積み重ねることにより立体形状を有する構造物を形成する(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に記載の構造物では、構造物の外枠及び内枠は、第1組成の第1モルタルをノズルから吐出させながらノズルを移動させて積層させる。そして、外枠及び内枠で囲まれる空間内に、第1組成とは異なる第2組成の第2モルタルを注入することにより内部構造体を形成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
3Dプリンタでは、モルタルをポンプでノズルまで送圧した後、モルタルの圧力を用いてノズルからモルタルを吐出させる。そして、このモルタルを積層させることにより構造物を形成する。従って、構造物における終了層において、モルタルを停止する場合、ポンプを停止するだけでは、モルタルの圧力が残っているため、停止位置を過ぎてもモルタルが吐出し続けることがある。このため、構造物における終了端部において、モルタルが多く吐出されることがあった。また、構造物の第1層(最下層)の端部を形成する際には、ポンプの駆動を開始しただけでは、ノズルの吐出口から吐出されるモルタル量が少ないこともあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する構造物形成システムは、ノズルを移動させながら前記ノズルから吐出される造形材で形成される層を積み上げることにより積層させた構造物を形成するシステムであって、前記積層を制御する制御部と、前記造形材を前記ノズルに送圧するポンプと、前記ノズルと前記ポンプに接続する接続部との間に設けられるバルブと、を備え、前記バルブは、可撓性のチューブによって流路を塞ぐことにより閉弁するピンチバルブである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、造形材の吐出量の変更時の不具合を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】実施形態における構造物形成システムの構造を説明する説明図である。
【
図3】実施形態におけるハードウェア構成の説明図である。
【
図4】実施形態における構造物形成システムのノズル周辺の要部の構成を説明する説明図である。
【
図5】実施形態における構造物形成システムのバルブの構成を説明する説明図であって、(a)は開弁時、(b)は閉弁時の概略断面図を示す。
【
図6】実施形態における作成支援サーバの構造を説明する説明図である。
【
図7】実施形態における端部終了制御処理を説明する説明図である。
【
図8】実施形態における端部終了制御処理の処理手順を説明する流れ図である。
【
図9】実施形態における端部開始制御処理を説明する説明図である。
【
図10】実施形態における端部開始制御処理の処理手順を説明する流れ図である。
【
図11】変更例における端部終了制御処理を説明する流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、
図1~
図10を用いて、構造物形成システム及び構造物形成方法を具体化した一実施形態を説明する。
図1に示すように、本実施形態の構造体10は、全体がほぼ直方体形状を有し、複数の空洞部E1を有する。この構造体10は、外形を構成する外枠部材11と、空洞部E1の形状を形作る内枠部材12,13とを備える。なお、3次元プリンタを用いて積層させて構造物を形成した場合、水平方向に縞状の積層跡が残ることが多いが、
図1では、簡略化により、枠部材(11~13)に形成される縞状の積層跡を省略している。
【0009】
外枠部材11及び内枠部材12,13は、造形材としての第1モルタルを3次元(3D)プリンタで積層することにより構築される構造物である。第1モルタルは、3次元(3D)プリンタを用いて、積層可能な硬化性を有するセメント系材料である。
【0010】
外枠部材11と内枠部材12,13とによって囲まれた領域には、内部構造体15が構成されている。この内部構造体15は、第1モルタルの第1組成よりも高強度の第2モルタルで構成される。本実施形態では、第2モルタルとして、例えば、スリムクリート(登録商標)等、繊維を混合したセメント系材料(繊維補強コンクリート材料)を用いる。この内部構造体15は、第2モルタルを、外枠部材11と内枠部材12,13とによって囲まれた領域に充填された後に硬化されることにより、枠部材(11~13)と一体化される。
【0011】
(3Dプリンタ20及び作成支援サーバ40の構成)
次に、
図2~
図6を用いて、上述した構造体10の枠部材(11~13)を形成する3Dプリンタ20及び作成支援サーバ40について説明する。
【0012】
(ハードウェア構成例)
図3は、3Dプリンタ20の制御装置30及び作成支援サーバ40等として機能する情報処理装置H10のハードウェア構成例である。
【0013】
情報処理装置H10は、通信装置H11、入力装置H12、表示装置H13、記憶装置H14、プロセッサH15を有する。なお、このハードウェア構成は一例であり、他のハードウェアを有していてもよい。
【0014】
通信装置H11は、他の装置との間で通信経路を確立して、データの送受信を実行するインタフェースであり、例えばネットワークインタフェースや無線インタフェース等である。
【0015】
入力装置H12は、利用者等からの入力を受け付ける装置であり、例えばマウスやキーボード等である。表示装置H13は、各種情報を表示するディスプレイやタッチパネル等である。
【0016】
記憶装置H14は、制御装置30及び作成支援サーバ40の各種機能を実行するためのデータや各種プログラムを格納する記憶部(例えば、後述する吐出経路記憶部42)である。記憶装置H14の一例としては、ROM、RAM、ハードディスク等がある。
【0017】
プロセッサH15は、記憶装置H14に記憶されるプログラムやデータを用いて、制御装置30、作成支援サーバ40及びこれに接続されるユーザ端末(図示せず)等における各処理(例えば、後述する制御部31,41における処理)を制御する。プロセッサH15の一例としては、例えばCPUやMPU等がある。このプロセッサH15は、ROM等に記憶されるプログラムをRAMに展開して、各種処理に対応する各種プロセスを実行する。例えば、プロセッサH15は、制御装置30及び作成支援サーバ40のアプリケーションプログラムが起動された場合、後述する各処理を実行するプロセスを動作させる。
【0018】
プロセッサH15は、自身が実行するすべての処理についてソフトウェア処理を行なうものに限られない。例えば、プロセッサH15は、自身が実行する処理の少なくとも一部についてハードウェア処理を行なう専用のハードウェア回路(例えば、特定用途向け集積回路:ASIC)を備えてもよい。すなわち、プロセッサH15は、以下で構成し得る。
【0019】
(1)コンピュータプログラム(ソフトウェア)に従って動作する1つ以上のプロセッサ
(2)各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する1つ以上の専用のハードウェア回路、或いは
(3)それらの組み合わせ、を含む回路(circuitry)
【0020】
プロセッサは、CPU並びに、RAM及びROM等のメモリを含み、メモリは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコード又は指令を格納している。メモリすなわちコンピュータ可読媒体は、汎用又は専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。
【0021】
(3Dプリンタ20の機能)
図2に示す3Dプリンタ20は、構造物形成システムとして機能し、ポンプ21、供給部22、ノズル23、バルブ24、ロボット27及び制御装置30を備える。
【0022】
ポンプ21は、供給されたモルタルがノズル23から吐出されるように、モルタルを加圧して、供給部22を介してノズル23に圧送する。
供給部22は、ポンプ21とノズル23とを接続する接続部であって、ホースやホースの端部に設けた供給管等で構成される。供給部22は、ポンプ21によって加圧されたモルタルをノズル23に供給する。
【0023】
図4は、3Dプリンタ20におけるノズル23周辺の構成を拡大した図である。
ノズル23は、長さNL1の管状部材で構成され、その先端部が開口した吐出口23aを有している。ノズル23には、取付部28を介してロボット27のアーム27aが取り付けられており、ノズル23はアーム27aに支持されている。ノズル23は、アーム27aの動きに従って水平方向や上下方向に移動する。本実施形態では、ノズル23は、吐出口23aが、常に、下方を向くように移動する。
【0024】
ノズル23には、その上流側に、バルブ24が接続されている。このバルブ24は、供給部22とノズル23との間に配置される。本実施形態としては、バルブ24として、ピンチバルブを用いる。
図5(a)に示すように、バルブ24は、フランジ51a,51bを備えた筐体51の内部に、ゴム等の可撓性の材料で構成されたチューブ55が設けられている。フランジ51aは、供給部22の端部と固定しており、フランジ51bは、ノズル23の端部と固定している。
【0025】
そして、
図5(b)に示すように、本実施形態のバルブ24は、筐体51のチューブ55の外周に、エア供給管26を介して圧縮空気が供給されると、チューブ55が内側に膨らむ。これにより、チューブ55がバルブ24の流路を塞ぐので、バルブ24が閉じる。このため、本実施形態のバルブ24は、閉弁開始によってチューブ55が膨らみ始め、チューブ55が完全に流路を塞ぐことによって完全に閉弁するまで所定の時間(閉弁所要時間)を要する。
【0026】
また、このバルブ24は、チューブ55の周囲に供給された圧縮空気を排気してチューブ55を萎めることにより、流路を開放し、バルブ24が開く。開弁時においても、開弁開始から完全に開弁するまで所定の時間(開弁所要時間)を要する。
【0027】
図4に示すように、バルブ24には、エア供給管26を介してコンプレッサ25が接続されている。このコンプレッサ25は、後述する制御部31のバルブ制御部317によって制御される。
【0028】
(制御装置30の構成)
図2に示す制御装置30は、構造物形成処理を実行する制御部31を備える。そのため、記憶部に格納された構造物形成プログラムを実行することにより、制御部31は、積層管理部311、移動制御部312、吐出量制御部313、ポンプ制御部316、バルブ制御部317及びアーム制御部318として機能する。
【0029】
積層管理部311は、構造物(枠部材(11~13))を形成するために、積層させるモルタルの経路及び高さを管理する処理を実行する。積層管理部311は、積み上げた層の数をカウントし、現在のモルタルの積層数を記憶し、構造物の最終的な積層数になった場合にノズル23の移動を停止する。
【0030】
移動制御部312は、経路に応じてノズル23を移動させるロボット27のアーム27aの動きを制御する処理を実行する。
吐出量制御部313は、モルタルを圧送するポンプ21及びバルブ24を制御して、ノズル23から吐出されるモルタルの吐出量を制御する処理を実行する。
【0031】
ポンプ制御部316は、ポンプ21の駆動を制御する制御部である。本実施形態では、ポンプ制御部316は、吐出量制御部313の制御に応じて制御される。
バルブ制御部317は、バルブ24の駆動を制御する制御部である。このバルブ制御部317は、コンプレッサ25及びバルブ24における圧縮空気の供給及び排気を制御する。バルブ制御部317は、吐出量制御部313の制御に応じて制御される。
【0032】
アーム制御部318は、ロボット27のアーム27aの動きを制御する。このアーム制御部318は、ノズル23の移動を制御する。更に、アーム制御部318は、移動時においてノズル23からのモルタルの吐出方向が常に下方になるように、アーム27aを制御する。
【0033】
(作成支援サーバ40の構成)
次に、形成支援システムとしての作成支援サーバ40の構成について説明する。
図6に示す作成支援サーバ40は、ノズル23の移動経路やノズル23からのモルタルの吐出量を決定するコンピュータ端末である。この作成支援サーバ40は、制御部41及び吐出経路記憶部42を備える。作成支援サーバ40は、3Dプリンタ20の制御装置30に接続され、作成が完了した吐出経路データを制御装置30に送信する。
【0034】
制御部41は、記憶部に格納された形成支援プログラムを実行することにより、取得部411及び設定部412として機能する。
取得部411は、形成する構造物(枠部材(11~13))の形状を取得する。
設定部412は、構造物を形成するための各経路を設定する処理を実行する。本実施形態では、設定部412は、枠部材(11~13)の第1層、中間層及び最終層におけるノズル23の移動速度、動作タイミングを設定する。ここで、動作タイミングとしては、ノズル23の移動や停止、速度変更のタイミング、ポンプ21の駆動や停止タイミング、バルブ24の開閉タイミング等である。このため、設定部412は、ノズル23から吐出される、中間層における通常のモルタルの吐出量、各種タイミング設定に用いるノズル23の容積や計測値等を記憶している。本実施形態では、モルタルの吐出量を、例えば、約100リットル/hとして設定する。
【0035】
吐出経路記憶部42には、構造物を形成するノズル23の吐出経路データが記録される。この吐出経路データは、設定部412により設定された経路、ポンプ21、ノズル23及びバルブ24の駆動タイミング等を決定した場合に記録される。吐出経路データには、構造体識別子、積層数毎の経路、経路における移動速度、経路上における動作タイミングの位置に関するデータが含まれる。
【0036】
構造体識別子データ領域には、各構造体を特定するための識別子に関するデータが記録される。
積層数データ領域には、構造体を構成する階層数を特定するための識別子に関するデータが記録される。ここでは、例えば、識別子として、最下層からの積層数を用いる。
【0037】
経路データ領域には、この階層における3Dプリンタ20のノズル23の経路が記録される。
移動速度データ領域には、この経路上の各地点の位置に関連付けて、この地点での移動速度に関するデータが記録される。この移動速度は、ノズル23から吐出される中間層における通常のモルタルの吐出量や構造物の形状等から算出される。
動作タイミングデータ領域には、この経路上の地点の位置に関連付けて、ポンプ21及びバルブ24の駆動や停止タイミングに関するデータが記録される。
【0038】
(吐出経路生成処理)
次に、
図6、
図7及び
図9を用いて、吐出経路生成処理について説明する。
まず、作成支援サーバ40の制御部41は、構造物の形状の取得処理を実行する。具体的には、制御部41の取得部411は、形成する構造体10の図面を取得し、積層により構成する枠部材(11~13)の形状を取得する。
【0039】
次に、作成支援サーバ40の制御部41は、各階層における経路、経路上の移動速度及び動作タイミングの設定処理を実行する。具体的には、制御部41の設定部412は、取得した各枠部材(11~13)の形状を、一層の厚み(高さ位置)毎に分割し、分割した平面形状に応じて各階層のノズル23の経路を生成する。更に、設定部412は、生成した経路上におけるノズル23の移動速度を算出する。
【0040】
この場合、
図7に示すように、設定部412は、各枠部材(11~13)の最終層の経路において、ポンプ停止地点Pp1、閉弁開始地点Pv1及び移動停止地点Pn1を設定する。ここで、ポンプ停止地点Pp1は、最終層である最上階層の経路において、ポンプ21の駆動を停止する地点である。閉弁開始地点Pv1は、バルブ24の閉弁を開始する地点である。移動停止地点Pn1は、バルブ24の閉弁後のモルタルの摺り付け処理を終了することにより、この枠部材(11~13)の形成におけるノズル23の水平方向の移動を停止する地点である。
【0041】
本実施形態では、ポンプ停止地点Pp1は、閉弁開始地点Pv1に対して、経路上において距離L1分、手前となる位置に設定する。この距離L1は、モルタルを加圧していたポンプ21を停止してから、モルタルの圧力がほぼ0と低下するまでの圧力低下時間D11と、ノズル23の移動速度S1とを用いて算出される。なお、圧力低下時間D11は、例えば6秒程度となる。
【0042】
閉弁開始地点Pv1は、最終層の終了地点Pf1においてバルブ24が完全に閉弁するように、バルブ24の閉弁を開始する地点であり、終了地点Pf1から距離L2分、手前となる位置に設定する。このため、距離L2は、バルブ24が閉弁を開始してから完全に閉弁するまでの閉弁所要時間D12と、ノズル23の移動速度S1とを用いて算出される。なお、終了地点Pf1は、最終層の開始地点Ps1と隣り合っている。更に、閉弁所要時間D12は、例えば3秒程度となる。
【0043】
移動停止地点Pn1は、終了地点Pf1から、経路上において距離L3分、進んだ位置に設定する。この距離L3は、バルブ24が完全に閉じた終了地点Pf1から吐出されるモルタルの吐出量で、開始地点Ps1に続く枠部材(11~13)の上に積層される領域である。バルブ24が完全に閉弁した際にバルブ24から先端にはモルタルが供給されないため、この距離L3を形成するモルタルの吐出量M1は、バルブ24のチューブ55からノズル23の吐出口23aまでに残っていたモルタルの量である。従って、この距離L3は、このモルタルの吐出量M1を、ノズル23の移動速度S1で除算して算出される。また、このモルタルの吐出量M1は、ノズル23に対するバルブ24の位置、バルブ24内のチューブ55の長さ等が影響する。このため、モルタルの吐出量M1を、事前に実験的或いは計算で確認しておく。
【0044】
更に、
図9に示すように、1つの枠部材(12)が完成した後、次の枠部材(13)を形成する場合、この枠部材(13)の最初の1層(最下層)の経路においては、ノズル23が、形成開始地点Ps2に到達してから待機時間D2が経過するように設定する。
【0045】
この待機時間D2は、ポンプ21を駆動してからバルブ24の開弁を開始するまでの第1待機時間D21と、バルブ24の開弁によってノズル23の吐出口からモルタルが吐出可能な第2待機時間D22とを合わせた時間である。第1待機時間D21は、ポンプ21によって圧送されたモルタルが、供給部22を介してノズル23に到達するために要する加圧待機時間を、実験的に計測した値である。また、第2待機時間D22は、バルブ24を開弁してから、バルブ24内にモルタルが行き渡ることによりノズル23の吐出口23aからモルタルが吐出されるまでの時間である。この第2待機時間D22は、実験的に予め計測しておく。
【0046】
また、形成開始地点Ps2においてノズル23の移動を開始してからは、低速で移動させる。ここでは、低速として、吐出経路データに含まれる経路上の移動速度の約90%の速度で移動させる。なお、ノズル23からのモルタルの吐出が安定した低速終了地点PL2以降は、通常速度(吐出経路データに含まれる経路上の移動速度)で移動させる。
【0047】
次に、作成支援サーバ40の制御部41は、吐出経路データの記憶処理を実行する。具体的には、制御部41の設定部412は、構造体識別子を付与し、吐出経路データを生成し、吐出経路記憶部42に記録する。この場合、設定部412は、記憶装置H14に記憶していた階層数、各階層に応じた経路、経路上の移動速度及び動作タイミングに応じた各地点を、吐出経路データに含める。
【0048】
そして、作成支援サーバ40の制御部41は、枠部材(11~13)を形成する前に、3Dプリンタ20の制御装置30に、吐出経路記憶部42に記憶した吐出経路データを送信する。制御装置30の制御部31は、取得した吐出経路データを記憶する。
【0049】
(構造体10の形成方法)
3Dプリンタ20は、制御装置30の制御部31によって、構造物形成処理を実行する。具体的には、制御部31の積層管理部311は、記憶した吐出経路データを用いて、移動制御部312及び吐出量制御部313を制御する。
【0050】
そして、移動制御部312は、ノズル23からモルタルを吐出させながらロボット27のアーム27aを移動させる。この場合、移動制御部312は、積層数に応じた経路データの経路に沿ってノズル23を移動させるとともに、経路の各地点に応じた移動速度となるように、ノズル23の移動速度を変更する。そして、3Dプリンタ20によって、ノズル23から吐出されたモルタルが、最終高さまで積層されることにより、枠部材(11~13)が形成される。
【0051】
この構造物形成処理のうち、各枠部材(11~13)の形成開始時には、端部開始制御処理が行なわれ、各枠部材(11~13)の形成終了時には、端部終了制御処理が行なわれる。
ここで、具体例として、内枠部材12の形成終了時の端部終了制御処理と、これに続く内枠部材13の形成開始時の端部開始制御処理について説明する。
【0052】
(端部終了制御処理)
図7及び
図8を用いて、制御装置30の制御部31が、枠部材(12)の最終層において実行する端部終了制御処理について説明する。
【0053】
この処理において、まず、制御装置30の制御部31は、ポンプ停止時刻T11において、ポンプの駆動の停止処理を実行する(ステップS11)。具体的には、制御部31のポンプ制御部316は、ポンプ停止地点Pp1においてポンプ21の駆動を停止する。この場合、制御部31のアーム制御部318は、移動制御部312の指示に応じて、ノズル23を、吐出経路データに基づく経路及び速度で移動させている。
【0054】
次に、制御装置30の制御部31は、閉弁開始時刻T12において、バルブの閉弁の開始処理を実行する(ステップS12)。具体的には、制御部31のバルブ制御部317は、閉弁開始地点Pv1において、コンプレッサ25を駆動して圧縮空気を、エア供給管26を介して、バルブ24のチューブ55の外周に供給する。この場合においても、制御部31のアーム制御部318は、ノズル23を、吐出経路データに基づく経路及び速度で移動させる。
そして、制御装置30の制御部31は、終点到着時刻T13において、終了地点Pf1に到達し、バルブを完全に閉じる(ステップS13)。
【0055】
次に、制御装置30の制御部31は、終点到着時刻T13から、摺り付け処理を実行する(ステップS14)。具体的には、制御部31のアーム制御部318は、ノズル23を、終了地点Pf1に続く経路(最終層の開始地点Ps1から最終層を形成した経路と同じ経路で最終層の上に積層させる経路)で、移動停止地点Pn1まで移動させる。この場合、アーム制御部318は、ノズル23を、終了地点Pf1における移動速度と同じ速度で移動させる。
【0056】
そして、制御装置30の制御部31は、ノズル23が移動停止地点Pn1に到達した場合に、形成した枠部材からのノズルの離間処理を実行する(ステップS15)。具体的には、制御部31のアーム制御部318は、移動停止地点Pn1に到着した移動終了時刻T14においてノズル23の水平移動を停止し、移動停止地点Pn1の上方にノズル23を移動させる。これにより、ノズル23の吐出口(及び吐出口から残ったモルタル)を、形成した枠部材(12)を形成するモルタルから引き離す。
【0057】
(端部開始制御処理)
次に、
図9及び
図10を用いて、端部開始制御処理について説明する。
図9に示すように、制御装置30の制御部31は、次に形成する内枠部材13の1層(最下層)の形成開始地点Ps2に移動させる。具体的には、制御部31のアーム制御部318は、内枠部材12から離間したノズル23を、移動停止地点Pn1から形成開始地点Ps2に移動させる。
【0058】
この場合、
図10に示すように制御装置30の制御部31は、ポンプの駆動処理を実行する(ステップS21)。具体的には、制御部31のポンプ制御部316は、待機時間D2が、移動停止地点Pn1から形成開始地点Ps2までのノズル23の移動時間よりも早い場合には、ノズルの離間処理(ステップS15)の実行後、すぐにポンプ21を駆動する。また、待機時間D2よりも移動時間が遅い場合には、ノズル23が形成開始地点Ps2に到達したときに、待機時間D2が経過するように、ポンプ21を駆動する。すなわち、形成開始地点Ps2におけるノズル23の到達時間から、待機時間D2分、前の時刻に、ポンプ21を駆動する。
【0059】
次に、制御装置30の制御部31は、ポンプ21の駆動を開始してから第1待機時間D21が経過した後、バルブの開弁の開始処理を実行する(ステップS22)。具体的には、制御部31のバルブ制御部317は、バルブ24のチューブ55の周囲の圧縮空気を排出することによりチューブ55を萎ませて、流路を開放する。
【0060】
その後、制御装置30の制御部31は、ポンプ21の駆動開始から待機時間D2が経過した後(第1待機時間D21及び第2待機時間D22の経過後)の時刻T21において、低速でのノズルの移動開始処理を実行する(ステップS23)。具体的には、制御部31のアーム制御部318は、ロボット27のアーム27aを、吐出経路データの経路及び速度に基づいてノズル23が移動するように制御する。この場合、アーム制御部318は、低速終了地点PL2までは、低速(吐出経路データの速度の約90%)となるように、ノズル23を移動させる。
そして、時刻T22に到着した低速終了地点PL2以降は、制御装置30の制御部31は、通常速度でのノズルの移動処理を実行する(ステップS24)。具体的には、制御部31のアーム制御部318は、通常速度(吐出経路データの速度)でノズル23が移動するように、アーム27aを制御する。
【0061】
その後、内枠部材12,13が完成した後、内枠部材12,13の外周に外枠部材11を形成する。そして、枠部材(11~13)が硬化した後、枠部材(11~13)を型枠として用いて、外枠部材11と内枠部材12,13との間に繊維補強コンクリート材料を充填する。その後、この繊維補強コンクリート材料を硬化させることにより、内部構造体15は、枠部材(11~13)と一体化されて、構造体10が完成する。
【0062】
(作用)
本実施形態では、ノズル23の供給部22側にバルブ24を設ける。このバルブ24を、時間を掛けて閉じることにより、ノズル23から吐出されるモルタルの吐出量を徐々に少なくすることができるため、モルタルの急激な吐出を抑制する。
【0063】
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態の3Dプリンタ20は、ノズル23と供給部22との間にバルブ24を設ける。このバルブ24として、チューブ55が膨らむことにより閉弁するピンチバルブを用いる。これにより、バルブ24をゆっくり閉じることができるので、モルタルの吐出量を徐々に少なくすることができる。従って、モルタルの吐出を停止する際に、モルタルに局部的に大きな圧力が加わり難く、モルタルの急激な吐出を抑制することができる。
【0064】
(2)本実施形態の3Dプリンタ20は、ポンプ21の駆動を停止(ステップS11)してからノズル23が距離L1進んだ地点で、バルブ24を閉じ始める。これにより、供給部22内におけるモルタルの圧力が低下した後にバルブ24を閉じるので、閉弁時のバルブ24に、大きな圧力が加わることを抑制することができる。
【0065】
(3)本実施形態では、バルブ24として、チューブ55が膨らむことにより閉弁するピンチバルブを用いる。これにより、時間が経過すると硬化する材料であっても、バルブ24の開閉を円滑に行なうことができる。
【0066】
(4)本実施形態の3Dプリンタ20は、ノズル23の終了地点Pf1において、バルブ24が完全に閉じるように、閉弁開始時刻T12でバルブ24を閉じ始める。これにより、終了地点Pf1までは、必要な吐出量でモルタルを吐出することができる。
【0067】
(5)本実施形態の3Dプリンタ20は、バルブ24が完全に閉じた後に摺り付け処理を実行する(ステップS14)。この処理において、ノズル23を、最終層の経路上に移動させながら、ノズル23から吐出されるモルタルを摺り付ける。これにより、ポンプ21を停止し、かつバルブ24を閉じた後も継続して吐出されるモルタルを用いて経路を形成できる。
【0068】
(6)本実施形態の3Dプリンタ20は、第1層を形成する際には、ポンプ21の駆動開始から待機時間D2が経過した後に、ノズル23を移動させる。これにより、モルタルが十分に加圧された後に開弁するので、ノズル23から吐出されるモルタルの吐出量を確保することができる。
【0069】
(7)本実施形態の3Dプリンタ20は、第1層において、形成開始地点Ps2から低速終了地点PL2までは低速でノズル23を移動させる。これにより、吐出開始時にモルタルの吐出量が少ない場合であっても、第1層を所望の大きさで形成することができる。
【0070】
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態では、最終層の終了地点Pf1においてバルブ24が完全に閉じるように、距離L1,L2を設定した。これに代えて、最終層の終了地点Pf1においてバルブ24の閉弁を開始してもよい。
【0071】
具体的には、
図11に示すように、最終層の終了地点Pf1から距離L1分、手前のポンプ停止地点Pp2における時刻T31で、ポンプ21の駆動を停止する。そして、終了地点Pf1に到達した時刻T32に、バルブ24を閉じ始める。そして、終了地点Pf1から距離L2分、進んだ時刻T33の地点においてバルブ24が完全に閉じる。更に、この時刻T33から時刻T34まで摺り付け処理を実行する。
【0072】
・上記実施形態では、3Dプリンタ20は、端部終了制御処理において、最終層において、ポンプ21の駆動停止、バルブ24の閉弁の開始等を行なった。形成する構造物が小さい場合には、最終層よりも下の層において、ポンプの駆動の停止、バルブ24の閉弁の開始等を行なってもよい。
【0073】
・上記実施形態において、3Dプリンタ20のバルブ24として、可撓性のチューブ55が、供給される圧縮空気により膨らむことにより閉弁するピンチバルブを用いた。バルブ24に用いられるピンチバルブは、この構成に限定されない。硬化する造形材の性質に応じて、繰り返した使用に耐えられるバルブであればよい。例えば、流路のチューブを、閉弁時に周囲から加圧して押し潰すタイプのピンチバルブを用いることが可能である、
【0074】
・上記実施形態では、構造物のモルタルの吐出量を「0」にする吐出終了時における端部終了制御処理と、モルタルの吐出量を「0」から所定量に変更する吐出開始時における端部開始制御処理について説明した。吐出量の変更は、所要量から「0」に減少させる場合又は「0」から所要量に増加させる場合に限定されるものではない。例えば、ポンプやバルブを制御して、吐出量を第1設定量から第2設定量に変更する場合の不具合を抑制することができる。
・上記実施形態では、形成開始地点Ps2~低速終了地点PL2は、アーム制御部318は、低速(吐出経路データの速度の約90%)となるように、ノズル23を移動させた。これに代えて、作成支援サーバ40の制御部41が、形成開始地点Ps2から低速終了地点PL2の移動速度として、算出した移動速度の90%の低速を、吐出経路データに記憶してもよい。そして、アーム制御部318は、形成開始地点Ps2~低速終了地点PL2を、記憶した吐出経路データの移動速度で、ノズル23が移動するようにしてもよい。
【0075】
・上記実施形態では、枠部材(11~13)を形成する造形材としてモルタルを用いた。構造物を構成する造形材は、モルタルに限らず、ノズル23から吐出可能な流動性と積層可能な固さとを有する材料であれば、例えば、合成樹脂等、他の材料であってもよい。
【0076】
・上記実施形態では、3Dプリンタ20の制御装置30の制御部31が、ポンプ21の駆動や停止、バルブ24の開閉の開始、ノズル23の移動を制御する。これらの制御を、作業員の指示に応じて行なうようにしてもよい。
【0077】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、以下に追記する。
(a)前記制御部は、前記バルブを開弁した後、前記ノズル内に前記造形材が行き渡り前記ノズルの吐出口から前記造形材が吐出される第2待機時間を経過した後に、前記ノズルを移動させることにより、前記構造物を形成することを特徴とする請求項5に記載の構造物形成システム。
【0078】
(b)前記制御部は、前記バルブを開弁した後、前記造形材を吐出しながら移動する前記ノズルの移動速度を、設計上の移動速度よりも遅くすることを特徴とする請求項5又は前記(a)に記載の構造物形成システム。
【符号の説明】
【0079】
D11…圧力低下時間、D12…閉弁所要時間、D2…待機時間、D21…第1待機時間、D22…第2待機時間、E1…空洞部、L1,L2,L3…距離、M1…吐出量、NL1…長さ、Pf1…終了地点、PL2…低速終了地点、Pn1…移動停止地点、Pp1,Pp2…ポンプ停止地点、Ps1…開始地点、Ps2…形成開始地点、Pv1…閉弁開始地点、S1…移動速度、T11…ポンプ停止時刻、T12…閉弁開始時刻、T13…終点到着時刻、T14…移動終了時刻、T21,T22,T31,T32,T33,T34…時刻、10…構造体、11…外枠部材、12,13…内枠部材、15…内部構造体、20…3Dプリンタ、21…ポンプ、22…接続部としての供給部、23…ノズル、23a…吐出口、24…バルブ、25…コンプレッサ、26…エア供給管、27…ロボット、27a…アーム、28…取付部、30…制御装置、31,41…制御部、40…作成支援サーバ、42…吐出経路記憶部、51…筐体、51a,51b…フランジ、55…チューブ、311…積層管理部、312…移動制御部、313…吐出量制御部、316…ポンプ制御部、317…バルブ制御部、318…アーム制御部、411…取得部、412…設定部。