(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023152027
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
F21S 8/04 20060101AFI20231005BHJP
F21V 17/00 20060101ALI20231005BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20231005BHJP
F21Y 115/15 20160101ALN20231005BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20231005BHJP
【FI】
F21S8/04 110
F21V17/00 251
F21V23/00 120
F21V23/00 170
F21Y115:15
F21Y115:10 300
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022061950
(22)【出願日】2022-04-01
(71)【出願人】
【識別番号】505455945
【氏名又は名称】コイズミ照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002217
【氏名又は名称】弁理士法人矢野内外国特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】志村 竜男
【テーマコード(参考)】
3K011
3K014
【Fターム(参考)】
3K011AA03
3K011BA01
3K011BA06
3K011BA09
3K011HA02
3K011JA01
3K014AA01
(57)【要約】
【課題】器具本体に対して反射部材を取り付ける際にねじ等の固定具を用いず小型化を図ることができる照明器具を提供する。
【解決手段】複数のLED素子42を有する光源部41と、光源部41に給電する電源部31と、光源部41と電源部31とが収容される筒状の器具本体21と、光源部41が設置されるセットプレート61と、を備え、セットプレート61は、器具本体21の内周面側に収納されるように配置され、器具本体21は、内周面に位置決め部22aを設け、セットプレート61は、器具本体21内で回動することにより、位置決め部22aに対して接する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のLEDを有する光源部と、
前記光源部に給電する電源部と、
前記光源部と前記電源部とが収容される筒状の器具本体と、
前記光源部が設置されるセットプレートと、を備え、
前記セットプレートは、前記器具本体の内周面側に収納されるように配置され、
前記器具本体は、内周面に位置決め部を設け、
前記セットプレートは、前記器具本体内で回動することにより、前記位置決め部に対して接する、照明器具。
【請求項2】
前記セットプレートは、前記光源部の外周側を囲うように漏斗状の反射面を有し、
前記電源部は、前記セットプレートにおいて前記反射面とは反対側に配置される、請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記電源部は、電源回路部を有し、前記電源回路部を覆う電源カバー部と、を有し、
前記電源カバー部は、前記セットプレートと係合可能であり、前記器具本体に対して固定部材によって固定される、請求項1に記載の照明器具。
【請求項4】
前記セットプレートは、反射面の外側に周縁部を有し、
前記周縁部に切欠き部を有し、
前記電源部の一部は、前記切欠き部からセットプレート外周側に突出する、請求項2に記載の照明器具。
【請求項5】
前記セットプレートは、前記反射面の外周端と前記周縁部とをつなぐ延長部を有する、請求項4に記載の照明器具。
【請求項6】
前記器具本体は、照射面側の端部から交差するように内周側へ向かって突出する周端部を有する、請求項1に記載の照明器具。
【請求項7】
前記器具本体の照射面側の端部に透光パネルを備え、
前記透光パネルは、前記セットプレートと対向するように配置され、照射面側に突出する突出部と、前記突出部の外周側に前記周端部によって支持される鍔部とを有する、請求項6に記載の照明器具。
【請求項8】
前記器具本体の周端部と前記セットプレートとの間に弾性部材を備え、
前記弾性部材の復元力により前記セットプレートは照射面側と反対方向に押圧されて前記位置決め部と接する、請求項6に記載の照明器具。
【請求項9】
前記セットプレートは、前記反射面と反対側に端子台が配置可能な端子台配置部を有する、請求項2に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から特許文献1に記載された照明器具(シーリングライト)が用いられている。特許文献1では、薄型で小型の天井直付け型照明器具が開示されている。この照明器具は、発光部が取り付けられた反射板と、反射板が着脱可能に取り付けられる器具本体と、器具本体に着脱可能な透光カバーとを備える。また、この照明器具は、被取付部に器具本体を固定し、器具本体にねじ等を用いて反射板を取り付けた後、器具本体の側面の溝に透光カバーを螺合させて取り付ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の照明器具は、器具本体に対して反射板の外周側を、ねじ等を用いて取り付けるため、照明器具が大型化することがあった。そこで、ねじ等の固定具を用いず小型化を図ることができる照明器具が望まれている。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、器具本体に対して反射部材を取り付ける際にねじ等の固定具を用いず小型化を図ることができる照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0007】
すなわち、本願に開示する照明器具は、
複数のLEDを有する光源部と、
前記光源部に給電する電源部と、
前記光源部と前記電源部とが収容される筒状の器具本体と、
前記光源部が設置されるセットプレートと、を備え、
前記セットプレートは、前記器具本体の内周面側に収納されるように配置され、
前記器具本体は、内周面に位置決め部を設け、
前記セットプレートは、前記器具本体内で回動することにより、前記位置決め部に対して接するものである。
【0008】
本願に開示する照明器具において、
前記セットプレートは、前記光源部の外周側を囲うように漏斗状の反射面を有し、
前記電源部は、前記セットプレートにおいて前記反射面とは反対側に配置されることが好ましい。
【0009】
本願に開示する照明器具において、
前記電源部は、電源回路部を有し、前記電源回路部を覆う電源カバー部と、を有し、
前記電源カバー部は、前記セットプレートと係合可能であり、前記器具本体に対して固定部材によって固定されることが好ましい。
【0010】
本願に開示する照明器具において、
前記セットプレートは、反射面の外側に周縁部を有し、
前記周縁部に切欠き部を有し、
前記電源部の一部は、前記切欠き部からセットプレート外周側に突出することが好ましい。
【0011】
本願に開示する照明器具において、
前記セットプレートは、前記反射面の外周端と前記周縁部とをつなぐ延長部を有することが好ましい。
【0012】
本願に開示する照明器具において、
前記器具本体は、照射面側の端部から交差するように内周側へ向かって突出する周端部を有することが好ましい。
【0013】
本願に開示する照明器具において、
前記器具本体の照射面側の端部に透光パネルを備え、
前記透光パネルは、前記セットプレートと対向するように配置され、照射面側に突出する突出部と、前記突出部の外周側に前記周端部によって支持される鍔部とを有することが好ましい。
【0014】
本願に開示する照明器具において、
前記器具本体の周端部と前記セットプレートとの間に弾性部材を備え、
前記弾性部材の復元力により前記セットプレートは照射面側と反対方向に押圧されて前記位置決め部と接することが好ましい。
【0015】
本願に開示する照明器具において、
前記セットプレートは、前記反射面と反対側に端子台が配置可能な端子台配置部を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、器具本体に対して反射部材を取り付ける際にねじ等の固定具を用いず小型化を図ることができる照明器具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施形態に係る照明器具を示す斜視図。
【
図2】同じく被取付部に取り付けた照明器具を示す正面断面図。
【
図3】同じく照明器具を斜め下方から見た分解斜視図。
【
図4】同じく照明器具を斜め上方から見た分解斜視図。
【
図5】同じくセットプレートを斜め上方から見た斜視図。
【
図6】同じくセットプレートを斜め下方から見た斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の一実施形態に係る照明器具11について、
図1から
図9を用いて説明する。本実施形態に係る照明器具11は、LED素子42を光源とする照明器具である。照明器具11は、例えば天井面等の被取付部Cに直接取り付けられる直付け型のシーリングライトとして使用することが可能である。なお、照明器具11は、天井面に限らず、壁面(傾斜面も含む)に取り付けてブラケットライトとして使用することも可能である。以下の説明では、照明器具11の光を照射する側を照明器具11の照射面側とし、照明器具11における被取付部Cに対向する側を照明器具11の取付面側(照射面側の反対側)として説明する。また、照明器具11の取付面側とは、照明器具11の背面側(裏面側)である。また、
図2等に示す照明器具11が被取付部Cに取付けられた状態において、被取付部Cに直交する方向を照明器具11の上下方向とした場合、照明器具11の取付面側を上方とし、照明器具11の照射面側の直下方向を下方として説明する。照明器具11の上下方向に対して直交する方向を照明器具11の側方として説明する。また、以下の説明において、上方から照明器具11等を視た状態を平面視とする。上下方向に対して直交方向から照明器具11等を視た状態を側面視とする。照明器具11等の断面形状を視た状態を断面視とする。
【0019】
図1から
図4に示すように、照明器具11は、器具本体21、電源部31、光源部(LEDモジュール)41、透光パネル51、反射部材であるセットプレート61、取付部材91、端子台81を主に備える。照明器具11の外形は、平面視において略円形状であって、照明器具11の高さ方向(
図2の照明器具11の上下方向)の寸法が、照明器具11の径方向(
図2の照明器具11の上下方向に対して直交方向)の寸法よりも小さく薄型で扁平な略円柱形状である。
なお、照明器具11の外形形状は、本実施形態に限定されるものではない。照明器具11の外形形状は、平面視において略円形状以外に、例えば、楕円形状、正方形状、長方形状、多角形状や扇形、またはそれらを組み合わせた形状にすることもできる。
【0020】
器具本体21は、電源部31、光源部(LEDモジュール)41、透光パネル51、セットプレート61、端子台81を保持するとともに取付部材91に取り付けられる部材である。器具本体21は、透光パネル51を露出するための開口を下側に有するとともに上端が開放された略円筒状部材である。器具本体21には、電源部31、光源部41、透光パネル51、セットプレート61、端子台81が収容される。器具本体21は、円筒部22と、円筒部22の下端部から径方向内側に延出される円環状の周端部23と、を有している。器具本体21は、熱伝導率の高い、例えば金属素材で構成される。本実施形態では一例として器具本体21をアルミニウム合金で構成し、電源部31および光源部41から生ずる熱を放熱することができる。器具本体21は、その最大内径寸法が取付部材91の取付板部材93の外径寸法よりも大きく、取付部材91の照射面側に取り付け可能である。
【0021】
器具本体21は、円筒部22の内周面に凸状の複数(本実施形態では3つ)の位置決め部22aと、各位置決め部22aに対応して円筒部22の上端部に設けられる側面視略長方形状で凸状の複数(本実施形態では3つ)の係止部22bと、を有している。位置決め部22aおよび係止部22bは、円筒部22の内周面において周方向に沿って略等間隔で形成されている。
【0022】
位置決め部22aの下端部は、器具本体21にセットプレート61を取り付ける際に、セットプレート61の上端部の位置を規制するものである。これにより、セットプレート61を器具本体21の底部の所定の位置に保持することができる。係止部22bは、後述する取付板部材93の被係止部98に係止される部分である。取付板部材93の被係止部98に係止部が取り付けられることにより、器具本体21は取付部材91に取り付けられる。本実施形態の器具本体21においては、さらに凸部22cを有する。凸部22cは、位置決め部22aと同様に、セットプレート61の上端部の位置を規制するものである。凸部22cは、必ずしも必須の構成ではなく、また複数箇所設けてもよい。
【0023】
器具本体21は、照射面側の端部から内周側へ向かって垂直方向に突出する周端部23を有する。器具本体21の周端部23は、透光パネル51の照射面側の外周縁部と対向する。周端部23は、器具本体21の下側端部から径方向内側へ延出する部分である。
また、周端部23には、周方向に沿って溝部が設けられている。周端部23の溝に沿って弾性部材である円環状のパッキン24が配置される。パッキン24の復元力によりセットプレート61は照射面側と反対方向に押圧されて位置決め部22a及び凸部22cと接する。
また、パッキン24は、周端部23、透光パネル51およびセットプレート61の隙間を覆うためのものであり、水滴や埃等が照明器具11の内部への侵入することを防ぐ、いわゆる気密パッキンとして作用する。
【0024】
位置決め部22aの1つには、位置決め部22aの表面から径方向内側に突出するネジ固定部25が設けられている。ネジ固定部25は、電源カバー部33のネジ挿入凹部33bをネジ等の取付部材により固定するための部分である。
【0025】
円筒部22の内周面には、上下方向に平行に並ぶ2列の突条部22d・22dが設けられている。突条部22dは、径方向内側に向かって突出する部分である。突条部22dは、器具本体21を取付部材91に取り付ける際に、取付部材91の弾性係合部95が係合される被係合部分である。
【0026】
器具本体21は、取付部材91に対して着脱できる構造となっている。
また、器具本体21の材質としては、アルミニウム合金以外であってもよく、例えばアルミニウム合金以外の金属素材、樹脂など必要に応じて適宜素材を選択することもできる。
【0027】
電源部31は、光源部41が有するLED素子42に給電を行って、LED素子42を点灯させるための電源装置である。電源部31は、器具本体21における光源部41よりも上方(取付面側)に配置されている。電源部31は、電源回路部32と、該電源回路部32を覆う電源カバー部33を有している。電源回路部32は、直方体形状の絶縁性のケース部32aと、ケース部32aの内部に配置され、所定形状に加工されたプリント配線基板上に複数の電子部品が実装された電源回路32bを有している。電源カバー部33は、平面視において電源回路部32に重なるように配置されている。
【0028】
また、電源カバー部33は、セットプレート61と係合可能であり、器具本体21に対してねじ等の取付部材によって固定される。より詳しくは、電源カバー部33は、係止片33aと、ネジ挿入凹部33bを有している。係止片33aは、セットプレート61のカバー係止部63に係止される。ネジ挿入凹部33bは、器具本体21のネジ固定部25にネジ等の取付部材により締結される。このように構成されることにより、電源回路部32を固定するとともに、器具本体21内でのセットプレート61の相対的な回転を防止する。
【0029】
電源部31は、外部商用電源から供給される交流電流を所定の直流電流に変換し、変換後の電流を基板43に実装された複数のLED素子42に供給するためのものである。
【0030】
電源部31は、電線(図示せず)を介して端子台81に電気的に接続されている。例えば、照明器具11を被取付部Cに取り付ける際、天井裏側の外部商用電源の電源電線(図示せず)を端子台81に接続することで、電源部31は外部商用電源と電気的に接続される。電源部31と光源部41は図示せぬ電線によって電気的に接続されている。
なお、本実施形態では、端子台81を使用しているが、特に限定するものではない。例えば、端子台81を使用する代わりに、コネクタ等の接続部品を使用する構成とすることもできる。
【0031】
光源部41は、照明器具11の照射面側に向けて光を出射する部分である。光源部41は、光源である発光素子を有する光源モジュールである。本実施形態においては、発光素子として、基板43上に複数の光源であるLED(Light emitting diode)素子42が表面実装されたLED光源モジュールを使用している。具体的には、LED光源モジュールは、略円板状に加工された基板43表面に、複数のLED素子42が配列されたモジュールである。光源部41は、セットプレート61の照射面側に配置される。複数のLED素子42は、透光パネル51の取付面側の外周端近傍に対向するように配置される。
【0032】
なお、本実施形態では、光源として表面実装型のLED素子42を用いたが、光源の種類はLED素子に限定されず、例えばCOB型発光モジュールや有機EL素子(OLED)などを用いても実現可能である。
【0033】
透光パネル51は、少なくとも光源部41の照射面側を覆うように器具本体21に取り付けられ、光源部41(LED素子42)から出射された光を反射及び拡散させつつ導光し、透光パネル51の外部へ出射される光を配光制御する透光性部材である。透光パネル51は、セットプレート61と対向するように配置され、セットプレート61の照射面側に配置された光源部41(LED素子42)から出射された光を導光して、面発光として透光パネル51の外部に出射可能である。透光パネル51は、セットプレート61と対向するように配置され、照射面側に突出する突出部51aと、突出部51aの外周側に設けられる鍔部51bとを有する。鍔部51bは、器具本体21の周端部23によって支持される。透光パネル51は、透光性を有する樹脂素材で形成されている。透光パネル51は、拡散処理がなされている。本実施形態の透光パネル51においては、器具本体21の開口から露出する照射面側の表面に対し、ドットパターンで白色(半透光性)のシルク印刷にて印刷層を形成させた。透光パネル51は、ドットパターンの印刷層を形成したものに限らず、例えば、ドットパターン以外の印刷層を形成したもの、微細な凹凸を表面に形成したシボ加工(フロスト加工)を施したもの、内部に拡散剤を混入させたもの、拡散反射シートを貼り付けたもので構成することもできる。
【0034】
セットプレート61は、略円板状の金属製の部材である。セットプレート61は、照射面側の略全面に亘って器具本体21と対向して光源部41を器具本体21内部における所定の位置に配置する面である光源配置面62を有している。セットプレート61には、光源配置面62に光源部41が配置され、取付面側に電源部31及び端子台81が配置される。光源配置面62は、光源部41から生じる熱を伝えるために、基板43との接触面積を増やすために平らな表面を有するように形成されている。
【0035】
図5から
図9に示すように、セットプレート61は、後述する反射面66に対応する領域に、カバー係止部63、端子台配置部69、を有している。カバー係止部63は、電源カバー部33の係止片33aが係止される部分である。本実施形態のカバー係止部63は、セットプレート61を貫通する孔に形成したが、切り起こし形状等に形成してもよい。係止片33aをカバー係止部63に係止させることで、セットプレート61における適切な位置に電源カバー部33を位置決めすることができる。端子台配置部69は、端子台81が取り付けられる部分である。本実施形態の端子台配置部69は、セットプレート61の取付面側に突出するように形成し、端子台81を器具本体21の水平方向に対して傾きが少なくなるよう配置することができる。
【0036】
セットプレート61は、光源部41の外周側を囲うように漏斗状の反射面66を有する。漏斗状の反射面66は、光源部41を配置する光源配置面62の周囲に配置されており、光源配置面62に対して照射面側に傾斜しながら突出するように形成されている。このように構成することにより、光源部41から照射される照射光が効率よく反射面66によって反射されて、照射光の光量が増幅される。
【0037】
また、電源部31は、セットプレート61において反射面66とは反対側に配置され、器具本体21における光源部41よりも上方(取付面側)に配置されている。このように構成することにより、光源部41は平面視において電源部31とは重ならないように配置されるので、互いに熱の影響を与えにくい。
【0038】
また、セットプレート61は、反射面66の外側に周縁部67を有する。より詳しくは、セットプレート61は、反射面66の外周端と周縁部67とをつなぐ延長部68を有する。延長部68は、反射面66の外周端から光源配置面62と平行になるように外周側に突出する第一延長部68aと、第一延長部68aの外周端から取付面側に傾斜しながら突出するように形成される第二延長部68bとを有する。第二延長部68bの外周端から外周側に周縁部67が突出している。
【0039】
このように構成することにより、延長部68が設けられることで、セットプレート61の剛性が高められる。
【0040】
セットプレート61の周縁部67には、器具本体21の円筒部22の内周面の半径寸法と略同等の寸法である外側円弧部67aと、外側円弧部67aよりも小径で、セットプレート61を器具本体21の内部に収容する際に、対応する位置決め部22a等を挿通可能に形成される切欠きである内側円弧部67bが形成されている。光源部41及び電源部31が取り付けられたセットプレート61を器具本体21に取り付ける際には、内側円弧部67bにより位置決め部22a等を通過させる。セットプレート61を器具本体21の底部に配置後、器具本体21の周方向の一方側に所定長回動することで、外側円弧部67aが位置決め部22a等の下方に配置される(
図7参照)。
具体的には、セットプレート61の電源部31を配置した部分を器具本体21のネジ固定部25の位置まで周方向に回動させる。そうして、器具本体21のネジ固定部25に電源カバー部33のネジ挿入凹部33bを合わせた状態で、ネジ等の取付部材により締結する(
図2参照)。このように、本実施形態では、器具本体21に対して光源部41と電源部31を有するセットプレート61を位置決めするともに、一つのネジ部材による固定だけでセットプレート61を器具本体21に安定して保持することができる。これにより、ネジ部材で固定する作業も少なく、セットプレート61の器具本体21への取付作業が容易となる。
【0041】
また、周縁部67には切欠き部67cが設けられている。切欠き部67cは、周縁部67および第二延長部68bを切り欠いて形成される。電源部31のケース部32aは、切欠き部67cからセットプレート61の外周側に突出する。本実施形態では、ケース部32aのセットプレート61との接する側の角部であって、外周側の二つの角部が、切欠き部67cからセットプレート61の外周側に突出する。このように構成することにより、セットプレート61の切欠き部67cによって電源回路部32を容易に配置するとともに切欠き部67cによって電源カバー部33内で移動することを規制することができる。また、電源回路部32を器具本体21内において、より外周側に配置することができ、光源配置面62から離れた位置に配置することができる。これにより器具本体21の大型化を抑止するとともに、光源部41から発生する熱の影響を電源回路部32がより受けにくくなる。
【0042】
また、セットプレート61は、反射面66と反対側に端子台81が配置可能な端子台配置部69を有する。このように構成することにより、端子台81を所定の位置である端子台配置部69に配置しやすくなる。
また、端子台配置部69は、反射面66の他の面よりも取付面側に膨出しており、照射面側から見ると、凹部となるように形成されている。端子台配置部69には、端子台81の脚部81aを挿入するための脚挿入孔69aが設けられている。本実施形態においては、端子台81としてアース付き端子台を用いている。端子台配置部69は、端子台81の接地極81bに対応する位置に接地部69bを有する。端子台81は、脚部81aを脚挿入孔69aに挿入することで端子台配置部69に固定されるとともに、接地極81bと接地部69bが接続されてセットプレート61と電気的に導通することができる。このように構成することにより、脚挿入孔69aに脚部81aを挿入し、接地部69bに接地極81bを挿入した状態であっても、照射面側から見て脚部81aおよび接地極81bが凹部に格納されるため、影が生じにくく均一な発光面を実現しやすい。
なお、本実施形態では端子台81としてアース付き端子台を用いたが、これに限らず、アース無しの端子台を用いてもよい。また、端子台81の脚部81aを用いて固定する方法に限らず、ねじ部材などの固定部材を用いて取り付けることもできる。
【0043】
取付部材91は、照明器具11を被取付部Cに取り付ける際に、図示しないネジ等により被取付部Cにあらかじめ取り付けられる部材である。取付部材91は、被取付部Cにあらかじめ取り付けられる取付板部材93と、取付板部材93の取付面側を被覆する円板状のパッキン92とを有する。取付板部材93は、被取付部Cにあらかじめ取り付けられる部材であり、外部商用電源の電源電線(図示せず)を挿通するための貫通孔93aおよび端子台81の解除レバー81cに重なる位置を切り欠いたレバー逃し孔93bを有している。
【0044】
上部パッキン92は、略円板状であり、取付部材91を被取付部Cに取り付けた際に、器具本体21と取付板部材93の取付面側を覆う部分である。上部パッキン92は、器具本体21内に水や埃等の異物が侵入することを抑止することができる。そのため、屋外などに照明器具11を取り付ける場合に用いることが好ましい。上部パッキン92は、外部商用電源の電源電線(図示せず)を挿通するための貫通孔92aを有している。なお、上部パッキン92は、必須の構成ではなく、屋内等の取付場所に応じて省略することもできる。
【0045】
また、取付板部材93には、弾性係合部95、複数の被係止部98(本実施形態では3つ)が設けられている。弾性係合部95は、平面視略U字形状のバネ部96と、バネ部96を保持するバネ保持部97とを有している。弾性係合部95は、バネ部96が径方向外側に向けて押圧力が働くようにバネ保持部97に保持されている。また、弾性係合部95は、バネ部96の径方向外側の先端部が器具本体21の突条部22dに接触した際に掛かる径方向内側に向かう力に応じて出没可能に構成されている。
被係止部98は、器具本体21の係止部22bと対応する位置に設けられている。被係止部98は、係止部22bと係合させることで、器具本体21を所定の位置まで位置決めするとともに支持することができる。
器具本体21を取付部材91に対して回動させる場合、取付部材91に設けられた弾性係合部95が器具本体21の内周面を押圧しながら周方向に移動する。また、同時に、器具本体21の係止部22bが取付板部材93の被係止部98によって所定の位置まで案内される。弾性係合部95が突条部22dに差し掛かると、突条部22dに沿って弾性係合部95の先端部が径方向内側に移動する。さらに回動すると、弾性係合部95が突条部22dの頂部を乗り越えて、バネ部96の復元力により元の形状に戻り、先端部は元の位置に戻る。これにより、器具本体21が取付部材91に対して解除方向(取付方向とは逆方向)に回転しないようにする回転止めとなる。また、取付板部材93の被係止部98によって、器具本体21の係止部22bが支持される状態になる。以上により、器具本体21を取付部材91に取り付けることができる。
【0046】
以上説明した本実施形態に係る照明器具11によれば、複数のLED素子42を有する光源部41と、光源部41に給電する電源部31と、光源部41と電源部31とが収容される筒状の器具本体21と、光源部41が設置されるセットプレート61と、を備え、セットプレート61は、器具本体21の内周面側に収納されるように配置され、器具本体21は、内周面に位置決め部22aを設け、セットプレート61は、器具本体21内で回動することにより、位置決め部22aに対して接する。
これにより、光源部41がセットプレート61に設置された状態で、セットプレート61を器具本体内で回動させることにより、位置決め部22aと接する。このため、器具本体21内で容易に光源部41の位置決めをすることが可能となる。また、器具本体21内でセットプレート61を逆側に回動することにより、セットプレート61ごと容易に外すことができる。したがって、器具本体21に対して反射部材であるセットプレート61を取り付ける際にねじ等の固定具を用いず小型化を図ることができる。また、照明器具11を取り付ける際に、外部商用電源と接続させるためのスペースを広く確保することができ、照明器具11の取付作業がしやすくなる。
【0047】
また、本実施形態に係る照明器具11では、セットプレート61は、光源部41を覆うように漏斗状の反射面66を有し、電源部31は、セットプレート61において反射面66とは反対側に配置される。
これにより、セットプレート61の照射面中心側に配置された光源部41から照射される光を効率よく反射することが可能となり、光源部に用いられるLED素子42の数を抑えることが可能となる。また、光源としてLED素子42を有し、かつ薄型の均一性を高めた照明光を得られる照明器具11を提供することができる。また、平面視において中心側に配置される光源部41と、その周囲の反射面66の取付面側に配置される電源部31とが平面視において重ならないように配置されるため、互いの熱による影響を受け難くなる。
【0048】
また、本実施形態に係る照明器具11では、電源部31は、電源回路部32を有し、電源回路部32を覆う電源カバー部33と、を有し、電源カバー部33は、セットプレート61と係合可能であり、器具本体21に対して固定部材71によって固定される。
これにより、電源部31の電源回路部32を器具本体21内に固定するとともに、器具本体21内でのセットプレート61の相対的な回転を防止する。
【0049】
また、本実施形態に係る照明器具11では、セットプレート61は、反射面66の外側に周縁部67を有し、周縁部67に切欠き部67cを有し、電源部31の一部は、切欠き部67cからセットプレート61外周側に突出する。これにより、切欠き部67cによって電源部31の移動が制限され、電源部31の配置が容易となる。また、電源回路部32を器具本体21内において、より外周側に配置することができ、光源配置面62から離れた位置に配置することができる。これにより器具本体21の大型化を抑止するとともに、光源部41から発生する熱の影響を電源回路部32がより受けにくくなる。
【0050】
また、本実施形態に係る照明器具11では、セットプレート61は、反射面66の外周端と周縁部67とをつなぐ延長部68を有する。
これにより、延長部68がセットプレート61の剛性が向上する。
【0051】
また、本実施形態に係る照明器具11では、器具本体21は、照射面側の端部から内周側へ向かって垂直方向に突出する周端部23を有する。また、周端部23の溝に沿って弾性部材である円環状のパッキン24が配置される。
これにより、パッキン24によって透光パネル51およびセットプレート61の隙間を覆い、水滴や埃等が照明器具11の内部への侵入することを防ぐことができる。また、パッキン24の復元力により、透光パネル51およびセットプレート61は取付面側方向に押圧される。そのため、セットプレート61の周縁部67が器具本体21の位置決め部22a等に押し付けられるように押圧されて、セットプレート61を器具本体21内でがたつくことなく配置することができる。
なお、本実施形態では、周端部23を器具本体の照射面側の端部から内周側へ向かって垂直方向に突出するように設けたが、これに限らず、例えば照射面側に末拡がる形状や、段差形状など適宜変更可能である。
【0052】
また、本実施形態に係る照明器具11では、器具本体21の照射面側の端部に透光パネル51を備え、透光パネル51は、セットプレート61と対向するように配置され、照射面側に突出する突出部51aと、突出部51aの外周側に周端部23によって支持される鍔部51bとを有する。
これにより、器具本体21の周縁部23の内側の開口に合わせて透光パネル51の突出部51aを配置することができるため組立しやすくなる。
また、平板状の透光パネルと比べて、少なくとも拡散処理が施されている突出部51aを設けることで、光源部41のLED素子42から距離を取ることができる。光源部41のLED素子42からの指向性の強い照射光を均一に拡散して照射することができる。
【0053】
また、本実施形態に係る照明器具11では、セットプレート61は、反射面66と反対側に端子台81が配置可能な端子台配置部69を有する。
これにより、端子台81を所定の位置である端子台配置部69に配置しやすくなる。
【0054】
また、本実施形態に係る照明器具11では、被取付部Cに固定される取付部材91を有し、器具本体21は取付部材91に着脱可能に取り付けられる。器具本体21の突条部22dに弾性係合部95を係合させることで、器具本体21が取付部材91に対して回転不能な位置に固定される。また、器具本体21を取付板部材93に取り付けた状態で、端子台81の解除レバー81cを操作するためのレバー逃し孔93bが設けられている。これにより、解除レバー81cの誤操作を防止するとともに、照明器具の小型化を実現することができる。
【符号の説明】
【0055】
11 照明器具
21 器具本体
22a 位置決め部
23 周端部
24 パッキン(弾性部材)
31 電源部
32 電源回路部
33 電源カバー部
41 光源部
42 LED素子
51 透光パネル
51a 突出部
61 セットプレート
66 反射板
67 周縁部
67c 切欠き部
68 延長部
69 端子台配置部
71 固定部材
81 端子台
91 取付部材
C 被取付部