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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023152057
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】化粧料容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 41/17 20060101AFI20231005BHJP
   A45D 33/00 20060101ALI20231005BHJP
   A45D 40/00 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
B65D41/17
A45D33/00 650D
A45D40/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022061990
(22)【出願日】2022-04-01
(71)【出願人】
【識別番号】591147339
【氏名又は名称】株式会社トキワ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100182006
【弁理士】
【氏名又は名称】湯本 譲司
(72)【発明者】
【氏名】高田 愛寿実
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA02
3E084AA12
3E084AA26
3E084AB09
3E084BA01
3E084CA01
3E084DA01
3E084DB13
3E084FA09
3E084FC04
3E084FC09
3E084GA08
3E084GB01
3E084GB14
3E084HA04
3E084LA17
3E084LG02
(57)【要約】
【課題】コンパクトにして小型化を実現させることができると共に、容器本体からの意図しない蓋の脱落を抑制できる化粧料容器を提供する。
【解決手段】一実施形態に係る化粧料容器1において、容器本体10は、山状突起18と周方向突起19とを有し、山状突起18及び周方向突起19のそれぞれは側面から突出している。蓋20は複数の谷状突起25と係合突起26とを有する。容器本体10に蓋20が装着された状態において、山状突起18が周方向D3に沿って並ぶ一対の谷状突起25の間に入り込むと共に、周方向突起19が一対の係合突起26に軸線方向D1に係合する。容器本体10に対して蓋20を周方向D3に回転させたときに、谷状突起25が山状突起18を乗り上げると共に、一対の係合突起26が周方向D3に移動して周方向突起19の軸線方向D1への係合が解除される。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を有する筒状の容器本体と、前記容器本体の側面に装着される蓋と、を備える化粧料容器であって、
前記容器本体は、
前記側面に形成されており側面視において山状を呈する山状突起と、
前記開口側に位置する前記山状突起の頂部に対して前記容器本体の周方向の両側に位置する周方向突起と、
を有し、
前記山状突起及び前記周方向突起のそれぞれは前記側面から突出しており、
前記蓋は、
前記容器本体に装着されたときに前記容器本体の前記側面に対向する内側面と、
前記内側面から突出すると共に側面視において谷状を呈する複数の谷状突起と、
各前記谷状突起から突出する係合突起と、
を有し、
前記容器本体に前記蓋が装着された状態において、前記山状突起が前記周方向に沿って並ぶ一対の前記谷状突起の間に入り込むと共に、前記周方向突起が前記周方向突起の前記周方向の両側のそれぞれに位置する一対の前記係合突起に前記容器本体の軸線方向に係合し、
前記容器本体に前記蓋が装着された状態から前記容器本体に対して前記蓋を前記周方向に回転させたときに、前記谷状突起が前記山状突起を乗り上げると共に、一対の前記係合突起が前記周方向突起に対して前記周方向に移動して一対の前記係合突起の一方に対する前記周方向突起の前記軸線方向への係合が解除される、
化粧料容器。
【請求項2】
前記側面に対する前記周方向突起の高さは、前記側面に対する前記山状突起の高さよりも低い、
請求項1に記載の化粧料容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、容器本体と蓋とを備える化粧料容器に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2020-164242号公報には、化粧料容器として蓋付き容器が記載されている。蓋付き容器は、円筒形の口部を有する容器本体と、容器本体の口部を覆う蓋とを備える。容器本体の口部の下部外周面には水平山部と傾斜谷部からなるガイド部が円周方向に所定間隔をおいて複数個設けられている。傾斜谷部は正面視略V字状を呈する。水平山部は一対の傾斜谷部の上端間を水平に結ぶように水平に延びる水平面を有する。水平山部の外周面には係止突起が設けられている。係止突起は円周方向に所定長さ横向きに延びている。
【0003】
蓋の下端部内周面には、容器本体の係止突起と装着時に着脱可能に係止する係止凹部が円周方向に所定間隔をおいて複数個設けられている。係止凹部は係止突起の円周方向の対応する位置に配置される。係止凹部は、その円周方向の両端部がテーパ状に形成され、そこから中央部側に向けて徐々に深さが深くなる形状になっている。
【0004】
容器本体の係止突起が蓋の係止凹部の中央側に位置したときは、容器本体に対する蓋の係止は強くなる。容器本体に対して蓋が円周方向に回転すると、係止凹部の浅くなった円周方向の一端側又は他端側に係止突起が移動して容器本体に対する蓋の係止が弱くなる。そして、蓋の内面に形成された突出部が容器本体のガイド部の傾斜谷部に乗り上げて蓋が持ち上がり、容器本体から蓋が外される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-164242号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述した蓋付き容器では、容器本体が、口部の下部外周面から突出する水平山部を有するガイド部と、水平山部から突出する係止突起とを有する。このように、容器本体の外周面から水平山部が突出しており、更に水平山部から係止突起が突出している。従って、水平山部及び係止突起により容器本体の径が大きくなっているので、容器本体のコンパクト化の点において改善の余地がある。
【0007】
また、前述した蓋付き容器では、容器本体に対して蓋が円周方向に回転すると、容器本体に対する蓋の係止が弱くなり、その結果、容器本体から蓋が外される。しかしながら、この蓋付き容器では、容器本体の1つの係止突起が蓋の1つの係止凹部に入り込む構成であるため、容器本体の軸線方向にも蓋が外れやすいという問題が生じうる。よって、意図せず蓋が脱落する可能性がある。
【0008】
本開示は、コンパクトにして小型化を実現させることができると共に、容器本体からの意図しない蓋の脱落を抑制できる化粧料容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示に係る化粧料容器は、開口を有する筒状の容器本体と、容器本体の側面に装着される蓋と、を備える化粧料容器である。容器本体は、側面に形成されており側面視において山状を呈する山状突起と、開口側に位置する山状突起の頂部に対して容器本体の周方向の両側に位置する周方向突起と、を有する。山状突起及び周方向突起のそれぞれは側面から突出している。蓋は、容器本体に装着されたときに容器本体の側面に対向する内側面と、内側面から突出すると共に側面視において谷状を呈する複数の谷状突起と、各谷状突起から突出する係合突起と、を有する。容器本体に蓋が装着された状態において、山状突起が周方向に沿って並ぶ一対の谷状突起の間に入り込むと共に、周方向突起が周方向突起の周方向の両側のそれぞれに位置する一対の係合突起に容器本体の軸線方向に係合する。容器本体に蓋が装着された状態から容器本体に対して蓋を周方向に回転させたときに、谷状突起が山状突起を乗り上げると共に、一対の係合突起が周方向突起に対して周方向に移動して一対の係合突起の一方に対する周方向突起の軸線方向への係合が解除される。
【0010】
この化粧料容器では、容器本体が側面に形成された山状突起と山状突起の頂部に対して周方向の両側に位置する周方向突起とを有し、山状突起及び周方向突起のそれぞれが当該側面から突出している。従って、山状突起と周方向突起とが同一の面から突出している。よって、容器本体の外径を小さくでき、容器本体のコンパクト化を実現できる。蓋は内側面から突出する谷状突起と谷状突起から突出する係合突起とを有する。容器本体に蓋が装着された状態において、容器本体の周方向突起は、周方向の両側に位置する蓋の一対の係合突起に軸線方向に係合する。従って、容器本体の周方向突起の周方向の両側のそれぞれに蓋の一対の係合突起が係合するので、容器本体から蓋を軸線方向に抜きにくくすることができる。よって、容器本体の軸線方向に蓋を外れにくくすることができるので、意図しない蓋の脱落を抑制することができる。更に、容器本体に対して蓋を周方向に回転させると、一対の係合突起のうちの一方の周方向突起との係合が解除されるので、容器本体から蓋を容易に外すことができる。従って、容器本体に対して蓋を回転させることによって容器本体から蓋を容易に外すことができる。
【0011】
側面に対する周方向突起の高さは、側面に対する山状突起の高さよりも低くてもよい。この場合、蓋の係合突起と係合する周方向突起の高さが山状突起よりも低いことにより、容器本体の径の肥大化をより確実に抑制できる。従って、容器本体の更なるコンパクト化に寄与する。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、コンパクトにして小型化を実現させることができると共に、容器本体からの意図しない蓋の脱落を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態に係る化粧料容器を示す側面図である。
図2図1のA-A線断面図である。
図3図1の化粧料容器の容器本体を示す平面図である。
図4図3のB-B線断面図である。
図5図3の容器本体を示す側面図である。
図6図1の化粧料容器の蓋を示す断面図である。
図7図6の蓋を下方から見た斜視図である。
図8】(a)は、容器本体に蓋が装着された状態を模式的に示す部分断面図である。(b)は、容器本体から蓋を軸線方向に引っ張る状態を模式的に示す部分断面図である。
図9】(a)は、容器本体に対して蓋を回転させている状態を模式的に示す部分断面図である。(b)は、図9(a)の状態から更に蓋を回転させている状態を模式的に示す部分断面図である。
図10】変形例に係る容器本体を示す側面図である。
図11】変形例に係る容器本体の周方向突起及び山状突起を模式的に示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下では、図面を参照しながら本開示に係る化粧料容器の実施形態について説明する。図面の説明において同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。また、図面は、理解の容易化のため、一部を簡略化又は誇張して描いている場合があり、寸法比率等は図面に記載のものに限定されない。
【0015】
図1は、実施形態に係る化粧料容器1の側面図である。図2は、図1のA-A線断面図である。図1及び図2に示されるように、化粧料容器1は、筒状の容器本体10と、容器本体10の軸線Lが延びる方向である軸線方向D1の一端(上端)に形成された開口10bを覆う蓋20とを備える。
【0016】
例えば、容器本体10は円筒状を呈しており、蓋20は半球状を呈する。容器本体10は化粧料を有する塗布体Mを保持しており、蓋20は塗布体Mを塞ぐように容器本体10に装着される。塗布体Mには、例えば、粉体化粧料が供給される。一例として、粉体化粧料はチーク又はルースパウダーであるが、特に限定されない。化粧料容器1は、例えば、ポンポンチークを構成する容器である。
【0017】
図3は、容器本体10を示す平面図である。容器本体10は、例えば、PP(ポリプロピレン)によって構成されている。図2及び図3に示されるように、例えば、化粧料容器1はOリング30を備え、容器本体10はOリング30が入り込む環状凹部10cを有する。容器本体10は、塗布体Mを保持する筒状の塗布体保持部11と、塗布体保持部11の径方向D2の外側に位置する筒状の露出部12とを有する。
【0018】
例えば、露出部12の塗布体保持部11側の端部12bは丸みを帯びている。容器本体10は、塗布体保持部11及び露出部12を互いに接続する接続部16を有する。接続部16において、塗布体保持部11と露出部12は、塗布体保持部11及び露出部12が径方向D2に沿って並ぶように互いに接続されている。
【0019】
塗布体保持部11は、蓋20が外されたときに露出する第1筒部13と、露出部12の径方向D2の内側に位置する有底筒状の第2筒部14と、塗布体Mが載せられる台部15とを有する。容器本体10は、露出部12と第2筒部14との間において軸線方向D1に窪む凹部17を有する。凹部17の底面が接続部16とされている。
【0020】
図4は、図3のB-B線断面図である。図3及び図4に示されるように、台部15は、第1筒部13の内側面13bから第1筒部13の径方向D2の内側に延びる塗布材載置部15bと、塗布材載置部15bから第2筒部14の底面14bまで延びるリブ部15cとを有する。
【0021】
例えば、塗布材載置部15bは軸線方向D1を板厚方向とした板状を呈する。台部15は複数の塗布材載置部15bを有し、軸線方向D1に沿って見たときに複数の塗布材載置部15bは放射状に配置されている。軸線方向D1に沿って見た場合において、塗布材載置部15bは角部が丸みを帯びた台形状を呈する。塗布材載置部15bの周方向D3への長さ(幅)は、径方向D2の内側に向かうに従って小さくなっている。
【0022】
リブ部15cは、塗布材載置部15bを支持するために設けられる。例えば、台部15は複数のリブ部15cを有し、各リブ部15cは塗布材載置部15bに対応して設けられる。リブ部15cは、内側面13bから第1筒部13の径方向D2の内側に突出している。リブ部15cは、周方向D3を板厚方向とした板状を呈する。軸線方向D1及び径方向D2に直交する平面に沿って切断した容器本体10の断面において、リブ部15cは台形状を呈する。当該断面においてリブ部15cの径方向D2への長さ(幅)は、塗布材載置部15bから底面14bに向かうに従って小さくなっている。
【0023】
第2筒部14は、露出部12の径方向D2の内側に位置する側部14cと、底面14bを含む底部14dとを有する。例えば、底部14dは軸線方向D1を板厚方向とする板状を呈する。底部14dの外面14g(下面)には、凹部14hが形成されている。一例として、凹部14hの内面は球面状とされている。例えば、底部14dは、複数の凹部14hを有する。
【0024】
底部14dは、底部14dを軸線方向D1に貫通する貫通孔14fを有する。貫通孔14fの数は、1つであってもよいし、複数であってもよい。例えば、貫通孔14fは、軸線方向D1に沿って見た場合における底部14dの中央に形成されている。露出部12の径方向D2の内側、貫通孔14f及び台部15を介して化粧料が塗布体Mに流れ込み充填される。
【0025】
第1筒部13は、径方向D2に突出、及び径方向D2に窪む段付き円筒状を呈する。図5は、第1筒部13を含む容器本体10を示す側面図である。図5に示されるように、第1筒部13は、前述した環状凹部10cが形成されている第1側部13cと、第1側部13cから見て露出部12とは反対側に位置する第2側部13dとを有する。
【0026】
第1側部13cは、露出部12から軸線方向D1に延びる第1外面13fと、環状凹部10cと、環状凹部10cから見て第1外面13fとは反対側に位置する第2外面13gと、第2外面13gから第2側部13dまで第1筒部13が縮径するように延在するテーパ面13hとを有する。環状凹部10cは第1外面13f及び第2外面13gの間に位置する。
【0027】
第1外面13fの外径、及び第2外面13gの外径は、例えば、互いに同一である。また、第1外面13fの外径、及び第2外面13gの外径は、第2側部13dの外径の最大値よりも大きい。すなわち、第1側部13cの外径の最大値は第2側部13dの外径の最大値よりも大きい。
【0028】
第2側部13dは、側面13jと、側面13jから見て第1側部13cとは反対側に位置する第1テーパ面13kと、第1筒部13の軸線方向D1の端部を構成する第2テーパ面13mとを有する。側面13j、第1テーパ面13k及び第2テーパ面13mは、この順で軸線方向D1に沿って並んでいる。
【0029】
第1テーパ面13kは側面13jから第1筒部13の外径が小さくなるように延びており、第2テーパ面13mは第1テーパ面13kから第1筒部13の外径が小さくなるように延びている。軸線方向D1に対する第2テーパ面13mの傾斜角度は、軸線方向D1に対する第1テーパ面13kの傾斜角度よりも大きい。なお、第1筒部13は、第1テーパ面13k及び第2テーパ面13mに代えて、丸みを帯びた湾曲面を有していてもよい。
【0030】
側面13jには、蓋20が装着される。側面13jには、側面視(軸線方向D1に交差する方向から見た場合)において山状を呈する山状突起18と、開口10b側に位置する山状突起18の頂部18bに対して周方向D3の両側に位置する周方向突起19とを有する。頂部18b及び周方向突起19は、共に、側面13jから突出している。
【0031】
一例として、山状突起18は二等辺三角形状を呈する。周方向D3に対する山状突起18の斜辺18dの角度は、例えば、30°以上且つ45°以下である。例えば、頂部18bの角度は、90°以上且つ135°以下である。容器本体10は、例えば、複数の山状突起18を有する。
【0032】
複数の山状突起18は、周方向D3に沿って並んでいる。一例として、容器本体10は4個の山状突起18を有する。山状突起18の周方向D3への長さは、開口10bに近づくに従って小さくなっている。山状突起18は、頂部18bと、第1側部13c(テーパ面13h)の隣接位置に設けられた裾部18cとを有する。例えば、頂部18bは丸みを帯びている。
【0033】
例えば、側面13jに対する周方向突起19の高さは、側面13jに対する山状突起18の高さよりも低い。例えば、周方向突起19は、山状突起18の頂部18bから周方向D3に延びる延在部19bと、延在部19bの頂部18bとは反対側に位置する端部19cとを有する。
【0034】
容器本体10は、例えば、複数の周方向突起19を有し、複数の周方向突起19は周方向D3に沿って並んでいる。周方向突起19は山状突起18に対応して設けられる。周方向突起19は山状突起18に接続されており、周方向突起19は山状突起18から周方向D3に延在している。周方向突起19の少なくとも一部は、頂部18bよりも開口10b側(図5では上側)の位置に形成されている。また、周方向突起19は頂部18bと同一の位置に形成されていてもよい。周方向突起19は、周方向D3に沿って並ぶ、一対の延在部19b及び一対の端部19cを有する。
【0035】
例えば、一対の延在部19bは、頂部18bに対して互いに対称となる位置に形成されている。延在部19bは、側面視において長方形状を呈する。例えば、延在部19bの外面(径方向D2の外側を向く面)は湾曲面である。側面13jに対する延在部19bの高さは、延在部19bの軸線方向D1の中央に向かうに従って高くなっている。例えば、軸線方向D1及び径方向D2に直交する平面で延在部19bを切断したときの断面は、半球状とされている。
【0036】
例えば、一対の端部19cは、頂部18bに対して互いに対称となる位置に形成されている。端部19cは、側面視において半円状を呈する。端部19cの軸線方向D1への長さは、延在部19bから離隔するに従って短くなっている。側面13jに対する端部19cの高さは、延在部19bから離隔するに従って低くなっている。
【0037】
次に、蓋20について説明する。蓋20は、例えば、PCTA(ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート)によって構成されている。図6は、軸線方向D1及び径方向D2に延びる平面で蓋20を切断したときにおける蓋20の断面図である。図7は、蓋20の開口20b側から蓋20を見た斜視図である。蓋20は中空とされている。
【0038】
図6及び図7に示されるように、例えば、蓋20は、軸線方向D1に延在する筒状部21と、筒状部21の開口20bとは反対側に位置する半球状部22とを有する。半球状部22は、容器本体10に蓋20が装着されるときに容器本体10とは反対側(例えば上側)に位置する部位である。
【0039】
また、蓋20は、筒状部21の内部に位置する第1内面23と、半球状部22の内部に位置する第2内面24とを有する。第2内面24は球面状を呈する。容器本体10に蓋20が装着されたときに、第2内面24は塗布体Mに対向する。第1内面23は、段付き円筒状を呈する。
【0040】
第1内面23は、第2内面24から拡径するように傾斜する第1傾斜面23bと、第1傾斜面23bの第2内面24とは反対側の端部から軸線方向D1に延びる内側面23cとを含む。更に、第1内面23は、内側面23cから拡径するように傾斜する第2傾斜面23dと、第2傾斜面23dから開口20bまで延在する延在面23fとを含む。
【0041】
蓋20は、例えば、第1傾斜面23bと内側面23cの間に位置する段差部23gを有する。容器本体10に蓋20が装着された状態において、内側面23cは容器本体10の側面13jに対向する。そして、容器本体10に蓋20が装着された状態において、第2傾斜面23dは容器本体10のテーパ面13h(図5参照)に対向し、延在面23fは容器本体10の第1外面13f及び第2外面13gに対向すると共にOリング30に密着する。
【0042】
内側面23cには、側面視において谷状を呈する複数の谷状突起25と、谷状突起25から突出する係合突起26とを有する。谷状突起25は第1傾斜面23bから開口20bに向かって延びており、谷状突起25の周方向D3への長さは開口20bに近づくに従って短くなっている。谷状突起25は、開口20b側に位置する頂部25bと、第1傾斜面23bの隣接位置に設けられた裾部25cとを有する。例えば、頂部25bは丸みを帯びている。
【0043】
複数の谷状突起25は、周方向D3に沿って並んでいる。周方向D3に対する谷状突起25の斜辺25dの傾斜角度は、例えば、30°以上且つ45°以下である。一例として、谷状突起25の斜辺25dは丸みを帯びている。周方向D3に沿って並ぶ一対の谷状突起25の間に容器本体10の山状突起18が入り込む山状凹部27が形成されている。例えば、谷状突起25の数は山状突起18の数の2倍である。一例として、谷状突起25の数は8である。
【0044】
係合突起26は、容器本体10の周方向突起19に軸線方向D1に係合する。この係合については後に詳述する。係合突起26は、谷状突起25から突出する部位に相当し、谷状突起25において周方向D3に延在している。例えば。軸線方向D1及び径方向D2に直交する平面で係合突起26を切断したときの断面は台形状を呈する。この場合、係合突起26は、軸線方向D1に沿って並ぶ一対の傾斜面26bと、一対の傾斜面26bの間に位置する頂面26cとを有する。
【0045】
次に、容器本体10への蓋20の装着、及び容器本体10からの蓋20の取り外しにおける各部の動きについて図8(a)、図8(b)、図9(a)及び図9(b)を参照しながら説明する。なお、図8(a)、図8(b)、図9(a)及び図9(b)では、理解の容易化のため、蓋20の内側の各部について実線で示している。
【0046】
まず、図8(a)に示されるように、容器本体10への蓋20の装着時には、容器本体10の山状突起18の斜辺18dに蓋20の谷状突起25の斜辺25dが接触して容器本体10に対する蓋20の位置が調整されると共に、一対の係合突起26を周方向突起19が軸線方向D1に乗り越えて、周方向突起19が一対の係合突起26に軸線方向D1に係合する。このとき、一対の谷状突起25の間に山状突起18が入り込んでいる。すなわち、容器本体10に蓋20が装着された状態において、山状突起18が一対の谷状突起25の間に入り込むと共に、周方向突起19が一対の係合突起26に軸線方向D1に係合する。
【0047】
そして、容器本体10から蓋20を取り外すために、容器本体10に対して蓋20を軸線方向D1に引っ張ると、図8(b)に示されるように、周方向突起19が一対の係合突起26に軸線方向D1に係合するため、容易には蓋20を外すことができない。なお、一定強さ以上の力で蓋20を軸線方向D1に引っ張ると、周方向突起19を一対の係合突起26が軸線方向D1に乗り越えるので蓋20を外すことが可能である。
【0048】
容器本体10から蓋20を取り外すために、容器本体10に対して蓋20を周方向D3に回転させると、図9(a)に示されるように、容器本体10の山状突起18の斜辺18dに沿って蓋20の谷状突起25の斜辺25dが軸線方向D1に移動すると共に、一方の係合突起26(図9(a)及び図9(b)では係合突起26Aとする)と周方向突起19との係合力が弱まる。
【0049】
そして、図9(b)に示されるように、谷状突起25が山状突起18をせりあがると共に、一対の係合突起26が周方向突起19に対して周方向D3に移動して一対の係合突起26に対する周方向突起19の係合が解除される。この状態で容器本体10から蓋20を引き上げることによって、容器本体10から蓋20を容易に外すことができる。なお、容器本体10に対して蓋20を一方向(例えば平面視における時計回り)に回転させても、当該一方向の反対方向(例えば平面視における反時計回り)に回転させても、同様に容易に蓋20を外すことができる。
【0050】
次に、本実施形態に係る化粧料容器1から得られる作用効果について詳細に説明する。図5に示されるように、化粧料容器1では、容器本体10が側面13jに形成された山状突起18と山状突起18の頂部18bに対して周方向D3の両側に位置する周方向突起19とを有し、山状突起18及び周方向突起19のそれぞれが側面13jから突出している。従って、山状突起18と周方向突起19とが同一の面から突出している。よって、容器本体10の外径を小さくでき、容器本体10のコンパクト化を実現できる。
【0051】
図8(a)、図8(b)、図9(a)及び図9(b)に示されるように、蓋20は内側面23cから突出する谷状突起25と谷状突起25から突出する係合突起26とを有する。容器本体10に蓋20が装着された状態において、容器本体10の周方向突起19は、周方向D3の両側に位置する蓋20の一対の係合突起26に軸線方向D1に係合する。従って、容器本体10の周方向突起19の周方向D3の両側のそれぞれに蓋20の一対の係合突起26が係合するので、容器本体10から蓋20を軸線方向D1に抜きにくくすることができる。よって、容器本体10の軸線方向D1に蓋20を外れにくくすることができるので、意図しない蓋20の脱落を抑制することができる。
【0052】
更に、容器本体10に対して蓋20を周方向D3に回転させると、一対の係合突起26のうちの一方(係合突起26A)の周方向突起19との係合が解除されるので、容器本体10から蓋20を容易に外すことができる。従って、容器本体10に対して蓋20を回転させることによって容器本体10から蓋20を容易に外すことができる。
【0053】
図5に示されるように、本実施形態では、側面13jに対する周方向突起19の高さは、側面13jに対する山状突起18の高さよりも低い。よって、蓋20の係合突起26と係合する周方向突起19の高さが山状突起18よりも低いことにより、容器本体10の径の肥大化をより確実に抑制できる。従って、容器本体10の更なるコンパクト化に寄与する。
【0054】
次に、第1変形例に係る容器本体40について図10を参照しながら説明する。容器本体40の一部の構成は、前述した容器本体10の一部の構成と同一である。従って、以下では、容器本体10と重複する部分の説明を同一の符号を付して適宜省略する。容器本体40は、周方向突起19とは異なる形状の周方向突起49を有する。
【0055】
周方向突起49は、山状突起18の頂部18bに対して周方向D3に延びる第1延在部49bと、山状突起18の斜辺18dから周方向D3に延びる第2延在部49cと、第1延在部49b及び第2延在部49cを互いに接続する端部49dとを有する。端部49dは、第1延在部49b及び第2延在部49cのそれぞれにおける山状突起18とは反対側に位置する。端部49dは、軸線方向D1に対して傾斜しており、例えば、第1延在部49bから第2延在部49c及び斜辺18dに接近するように傾斜している。
【0056】
軸線方向D1及び径方向D2に直交する平面に沿って周方向突起49を切断したときの断面は台形状を呈する。例えば、周方向突起49は、軸線方向D1に沿って並ぶ第1傾斜面49f及び第2傾斜面49gと、第1傾斜面49f及び第2傾斜面49gの間に位置する頂面49hとを有する。以上のように構成される容器本体40からは前述した容器本体10と同様の作用効果が得られる。
【0057】
続いて、第2変形例に係る容器本体50について図11を参照しながら説明する。容器本体50は、周方向突起49とは異なる周方向突起59を有する。容器本体50は周方向D3に沿って並ぶ一対の周方向突起59を有し、周方向突起59は山状突起18の頂部18bに対して周方向D3の両側のそれぞれに設けられる。この周方向突起59のように周方向突起は周方向D3に分断されていてもよく、この容器本体50の場合も前述した容器本体10と同様の作用効果が得られる。
【0058】
以上、本開示に係る化粧料容器の実施形態及び種々の変形例について説明した。しかしながら、本開示に係る化粧料容器は、前述の実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した要旨の範囲内において変形し、又は他のものに用いられるものであってもよい。すなわち、化粧料容器を構成する各部品の構成、形状、大きさ、材料及び配置態様は、上記の要旨の範囲内において適宜変更可能である。
【0059】
例えば、前述の実施形態では、側面視において長方形状を呈する延在部19b、及び側面視において半円状を呈する端部19cを有する周方向突起19について説明した。しかしながら、周方向突起の形状は、長円形状、楕円形状、円形状、又は、長方形状若しくは六角形状等の多角形状であってもよく、適宜変更可能である。例えば、前述の第2変形例では、2つの周方向突起59を備える容器本体50について説明した。しかしながら、容器本体における周方向突起の数は、2つでなくてもよく、1つ又は3つ以上であってもよい。
【0060】
例えば、前述の実施形態では、塗布体Mに供給される化粧料がチーク又はルースパウダーであってポンポンチークである化粧料容器1について説明した。しかしながら、本開示に係る化粧料容器は、ポンポンチークに限られず、アイシャドウ又はリップを構成する容器であってもよい。このように、本開示に係る化粧料容器は、種々の容器に適用可能である。
【符号の説明】
【0061】
1…化粧料容器、10…容器本体、10b…開口、10c…環状凹部、11…塗布体保持部、12…露出部、12b…端部、13…第1筒部、13b…内側面、13c…第1側部、13d…第2側部、13f…第1外面、13g…第2外面、13h…テーパ面、13j…側面、13k…第1テーパ面、13m…第2テーパ面、14…第2筒部、14b…底面、14c…側部、14d…底部、14f…貫通孔、14g…外面、14h…凹部、15…台部、15b…塗布材載置部、15c…リブ部、16…接続部、17…凹部、18…山状突起、18b…頂部、18c…裾部、18d…斜辺、19…周方向突起、19b…延在部、19c…端部、20…蓋、20b…開口、21…筒状部、22…半球状部、23…第1内面、23b…第1傾斜面、23c…内側面、23d…第2傾斜面、23f…延在面、23g…段差部、24…第2内面、25…谷状突起、25b…頂部、25c…裾部、25d…斜辺、26,26A…係合突起、26b…傾斜面、26c…頂面、27…山状凹部、30…Oリング、49…周方向突起、49b…第1延在部、49c…第2延在部、49d…端部、49f…第1傾斜面、49g…第2傾斜面、49h…頂面、59…周方向突起、D1…軸線方向、D2…径方向、D3…周方向、L…軸線、M…塗布体。
図1
図2
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図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11