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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023152065
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】洗浄装置
(51)【国際特許分類】
   B08B 3/02 20060101AFI20231005BHJP
【FI】
B08B3/02 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022062005
(22)【出願日】2022-04-01
(71)【出願人】
【識別番号】512208305
【氏名又は名称】有限会社エイコー産業
(74)【代理人】
【識別番号】100157428
【弁理士】
【氏名又は名称】大池 聞平
(72)【発明者】
【氏名】岡安 伸
【テーマコード(参考)】
3B201
【Fターム(参考)】
3B201AA21
3B201AB03
3B201BB22
3B201BB43
3B201BB92
3B201CD33
(57)【要約】
【課題】被洗浄物について浸け置き消毒の手間が削減されるように、洗浄及び消毒を行う洗浄装置について設備の小型化を図る。
【解決手段】洗浄装置10は、被洗浄物5が設置される被洗浄物設置部20と、被洗浄物設置部20の外周21aよりも内側の位置に上向きに設けられた第1ノズル31を有し、被洗浄物設置部20に設置された被洗浄物5に対し、第1ノズル31から洗浄水を下側から噴射する洗浄水供給部30と、被洗浄物設置部20の外周21aよりも内側の位置に上向きに設けられた第2ノズル41を有し、被洗浄物設置部20に設置された被洗浄物5に対し、第2ノズル41からスチームを下側から噴射するスチーム供給部40とを備えている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被洗浄物が設置される被洗浄物設置部と、
前記被洗浄物設置部の外周よりも内側の位置に上向きに設けられた第1ノズルを有し、前記被洗浄物設置部に設置された被洗浄物に対し、前記第1ノズルから洗浄水を下側から噴射する洗浄水供給部と、
前記被洗浄物設置部の外周よりも内側の位置に上向きに設けられた第2ノズルを有し、前記被洗浄物設置部に設置された被洗浄物に対し、前記第2ノズルからスチームを下側から噴射するスチーム供給部とを備えている、洗浄装置。
【請求項2】
スチーム噴射装置を外付け可能となるように、前記スチーム供給部は、前記スチーム噴射装置の噴射ノズルが接続されるノズル接続部と、前記ノズル接続部と前記第2ノズルとを連通させるスチーム用管路とを備えている、請求項1に記載の洗浄装置。
【請求項3】
前記ノズル接続部は、前記噴射ノズルを着脱自在に保持するように構成されている、請求項2に記載の洗浄装置。
【請求項4】
前記被洗浄物設置部は、被洗浄物として上下反転して設置された容器の開口の縁部が載置される台座と、前記台座の外周寄りの位置から上方に延びる部材であって前記容器の開口から下側から挿入されて前記容器が倒れないように支持する支持部材とを備え、
前記台座は、前記台座上で前記支持部材に支持された容器の開口を下側から覆うための被覆部と、当該台座の外周より内側に形成された貫通孔又は切り欠きとを備えている、請求項1乃至3の何れか1つに記載の洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被洗浄物の洗浄及び消毒を行うための洗浄装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、様々な洗浄装置が開発されている。特許文献1には、容器内の洗浄に用いられる容器洗浄装置が記載されている。この容器洗浄装置は、洗浄対象容器の開口が下方を向く状態で洗浄対象容器を支持するための容器支持部と、容器支持部に支持された支持状態の洗浄対象容器の内側に洗浄液を噴射するための洗浄液供給管とを備えている。
【0003】
特許文献2には、医療用器具を洗浄するための洗浄装置が記載されている。この洗浄装置は、洗剤を含む洗浄水を洗浄ノズルから被洗浄物に噴射して洗浄する本洗浄工程と、熱湯の洗浄水を洗浄ノズルから被洗浄物に噴射して熱湯消毒する熱湯消毒工程とを含む洗浄プログラムを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-192493号公報
【特許文献2】特開2014-097142号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献2に記載の洗浄装置は、80℃以上に維持された熱湯を洗浄ノズルから噴射することによって医療用器具の熱湯消毒を行うため、比較的大きな設備となり、小規模な医療施設などでは導入が困難である。そのような医療施設では、次亜塩素酸系の消毒液に被洗浄物を浸け置くなどして消毒がなされており、消毒作業に手間を要する。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、上述の浸け置きの消毒の手間が削減されるように、洗浄及び消毒を行う洗浄装置について設備の小型化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するべく、第1の発明は、被洗浄物が設置される被洗浄物設置部と、被洗浄物設置部の外周よりも内側の位置に上向きに設けられた第1ノズルを有し、被洗浄物設置部に設置された被洗浄物に対し、第1ノズルから洗浄水を下側から噴射する洗浄水供給部と、被洗浄物設置部の外周よりも内側の位置に上向きに設けられた第2ノズルを有し、被洗浄物設置部に設置された被洗浄物に対し、第2ノズルからスチームを下側から噴射するスチーム供給部とを備えている、洗浄装置である。
【0008】
第2の発明は、第1の発明において、スチーム噴射装置を外付け可能となるように、スチーム供給部は、スチーム噴射装置の噴射ノズルが接続されるノズル接続部と、ノズル接続部と第2ノズルとを連通させるスチーム用管路とを備えている。
【0009】
第3の発明は、第2の発明において、ノズル接続部は、噴射ノズルを着脱自在に保持するように構成されている。
【0010】
第4の発明は、第1乃至第3の何れか1つの発明において、被洗浄物設置部は、被洗浄物として上下反転して設置された容器の開口の縁部が載置される台座と、台座の外周寄りの位置から上方に延びる部材であって容器の開口から下側から挿入されて容器が倒れないように支持する支持部材とを備え、台座は、台座上で支持部材に支持された容器の開口を下側から覆うための被覆部と、当該台座の外周より内側に形成された貫通孔又は切り欠きを備えている。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、洗浄水を噴射する第1ノズルと、スチームを噴射する第2ノズルとが、被洗浄物設置部の外周よりも内側の位置に上向きに設けられている。例えば、被洗浄物として容器が被洗浄物設置部に上下反転して設置される場合に、容器の開口から容器内に洗浄水とスチームをそれぞれ噴射することができる。そのため、容器内に洗浄水を噴射して容器の洗浄を行った後に、容器内にスチームを噴射して容器の消毒を行うことができる。ここで、市販のスチーム噴射装置には高温のスチーム(例えば90℃程度又はそれ以上のスチーム)を噴射するものがある。スチームは、水に比べて、少ないエネルギーで高温のものが得られる。そのため、被洗浄物の消毒にスチームを用いることで、設備の小型化を図ることができる。従って、小規模な医療施設でも導入しやすい洗浄装置とすることが可能となり、被洗浄物について浸け置き消毒の手間を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、実施形態に係る洗浄装置の正面側を斜め上から見た斜視図である。
図2図2は、洗浄装置の回路等を示す概略構成図である。
図3図3は、洗浄装置の内部を、図1における左側方から見た図である。
図4図4(a)は、洗浄装置の被洗浄物設置部を斜め上から見た拡大斜視図であり、図4(b)は、被洗浄物設置部を真上から見た拡大上面図である。
図5図5は、洗浄装置の使用方法を説明するための概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の一例であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【0014】
本実施形態は、スチーム噴射装置1を外付け可能に構成された洗浄装置10である。洗浄装置10は、容器などの被洗浄物5を洗浄する洗浄機能に加え、スチーム噴射装置1から供給されるスチームにより、被洗浄物5を消毒(除菌、殺菌)する消毒機能も有する。洗浄装置10は、例えば医療現場において、汚物などを入れる容器などの洗浄及び消毒に用いられる。なお、スチーム噴射装置1には、ケルヒャー社製のスチームクリーナーなどを用いることができる。
【0015】
[洗浄装置の構成]
洗浄装置10は、図1及び図2に示すように、底面に排水口15aが設けられたシンク15と、シンク15の底面の上方に設けられて被洗浄物5が設置される被洗浄物設置部20と、被洗浄物設置部20に設置された設置状態の被洗浄物5に対し水道水(洗浄水)を噴射する第1ノズル31を有する洗浄水供給部30と、被洗浄物設置部20に設置された設置状態の被洗浄物5に対しスチームを噴射する第2ノズル41を有するスチーム供給部40と、被洗浄物5を洗浄するための洗剤を供給する洗剤供給部50とを備えている。なお、以下では、洗浄装置10の正面視における左右方向の片側(図1において左側)を「一方側」、もう片側(図1において右側)を「他方側」と言う場合がある。
【0016】
洗浄装置10は、上述の構成に加えて、シンク15等を収容するハウジング部60と、ハウジング部60が載置されるワゴン65とを備えている。ワゴン65は、キャスター付きのワゴンであり、ハウジング部60を載置するための上側載置台63に加え、スチーム噴射装置1を載置するための下側載置台64を備えている。
【0017】
ハウジング部60は、下側筐体61及び上側筐体62を有する。下側筐体61は、正面視において横長の略直方体状に形成されている。上側筐体62は、正面視において縦長の略直方体状に形成されている。下側筐体61及び上側筐体62は、奥行きが略同じ寸法である。上側筐体62は、正面から見て、下側筐体61における左右方向の一方側に立設されている。
【0018】
下側筐体61には、シンク15が収容されている。下側筐体61では、上面視において上側筐体62よりも他方側が、シンク15の開口部15bとなっている。下側筐体61では、シンク15の開口部15bの奥側に仕切り壁66が立設されている。仕切り壁66には、通気孔66aが形成されている。また、下側筐体61では、シンク15の開口部15bの他方側に、洗浄後の容器5を立てかけるための支持板67が設けられている。支持板67の上辺には、立てかける容器5を受けるための窪み67aが形成されている。なお、ハウジング部60には、シンク15の排水口15aに流入した汚水を排水するための排水管16と、排水管16の出口に設けられたジョイント17とが設けられている。
【0019】
洗浄装置10は、仕切り壁66と上側筐体62の他方側の側面62aと共に、シンク15の上方に閉空間を形成するカバー68をさらに有する。図1においてカバー68は、破線で記載している。カバー68は、透明な材料で、下側が開放された箱状に形成されている。カバー68は着脱自在である。
【0020】
被洗浄物設置部20は、複数の支持部材28により、シンク15の底面の上方に支持されている。被洗浄物設置部20は、シンク15の上端付近の高さに設けられている。被洗浄物設置部20は、被洗浄物の容器5を上下反転させて載置することが可能に構成されている。被洗浄物設置部20の詳細は後述する
【0021】
洗浄水供給部30は、図2に示すように、第1ノズル31に加えて、水道栓6(図5参照)から延びる管材7(ホースなど)を接続可能な第1ジョイント32と、第1ジョイント32と第1ノズル31とを連通させる洗浄水用管路33とを備えている。洗浄水用管路33は、入口が第1ジョイント32に接続され、出口が第1ノズル31に接続されている。洗浄水用管路33の途中には、使用者により操作可能な三方弁37が設けられている。
【0022】
三方弁37には、洗浄水用管路33の上流側部分33aと、洗浄水用管路33の下流側部分33bと、シンク15に水道水を供給するための流し用管路34が接続されている。三方弁37は、洗浄水用管路33の上流側部分33aと下流側部分33bとが連通する第1状態と、上流側部分33aと流し用管路34とが連通する第2状態との切替えが可能となっている。
【0023】
流し用管路34の出口は、シンク15の側面において、斜め下方向きに設けられている。流し用管路34には、使用者により操作可能な第1開閉弁38が設けられている。本実施形態では、三方弁37の操作部(図1ではレバー)が上側筐体62の前面に設けられ、第1開閉弁38の操作部(図1ではハンドル)が下側筐体61の前面に設けられている。
【0024】
スチーム供給部40は、スチームを噴射するスチーム噴射装置1を外付け可能に構成されている。スチーム供給部40は、図2に示すように、第2ノズル41に加えて、スチーム噴射装置1の噴射ノズル1aが接続されるノズル接続部42と、ノズル接続部42と第2ノズル41とを連通させるスチーム用管路43とを備えている。スチーム用管路43は、入口がノズル接続部42に接続され、出口が第2ノズル41に接続されている。
【0025】
ノズル接続部42は、図3に示すように、スチーム噴射装置1の噴射ノズル1aが内側に嵌り込む略筒状に形成されている。ノズル接続部42は、噴射ノズル1aに対応した形状を呈し、ノズル接続部42の内面は噴射ノズル1aの外面とほぼ密着する。ノズル接続部42のうち噴射ノズル1aが挿入される入口は、上側筐体62の前面に開口している。また、ノズル接続部42の奥側は窄まっている。ノズル接続部42の奥側端には、スチーム用管路43が接続されている。
【0026】
洗剤供給部50は、図2に示すように、第3ノズル51と、洗剤貯留容器52と、洗剤貯留容器52の底部と第3ノズル51とを連通させる洗浄液用管路53とを備えている。洗剤貯留容器52は上側筐体62の天板を貫通し、洗剤貯留容器52の蓋は上側筐体62の天板よりも上側に位置している。洗浄液用管路53の途中には、使用者により操作可能な第2開閉弁39が設けられている。本実施形態では、第2開閉弁39の操作部(図1では摘み)が上側筐体62の前面に設けられている。
【0027】
洗浄水用管路33の下流側部分33b、スチーム用管路43、及び、洗浄液用管路53は、図3に示すように、シンク15の一方側の側面15cを貫通して、上側筐体62の内部から、被洗浄物設置部20に設けられた各ノズル31,41,51まで延びている。
【0028】
[被洗浄物設置部の構成]
図4を参照しながら、被洗浄物設置部20について説明する。被洗浄物設置部20は、被洗浄物としての容器5が上下反転して設置される場合に容器5の開口の縁部が後述する外側支持部材22を介して載置される台座21と、台座21の外周21a寄りの位置から上方に延びる部材であって容器5の開口に下側から挿入されて容器5が倒れないように支持する一対の外側支持部材22とを備えている(図5参照)。なお、図2では、外側支持部材22の記載は省略している。
【0029】
台座21は、円板状に形成されている。台座21では、中央部に第1ノズル31が配置され、第1ノズル31の近傍に第1ノズル31を挟むように第2ノズル41及び第3ノズル51が配置されている。第3ノズル51は、途中で第1ノズル31側に折れ曲がっている。第3ノズル51の出口は、第1ノズル31の出口の上方に位置している(図2参照)。
【0030】
台座21では、台座21の外周21aの少し内側の位置に、外周21aに沿って延びる複数の貫通孔26が形成されている。複数の貫通孔26を連ねた形状は、円形を呈する。台座21では、複数の貫通孔26の内側領域が、台座21上に載置された容器5の開口を下側から覆うための被覆部27を構成している。被覆部27は円板状に形成されている。なお、図4(b)では、貫通孔26の形成箇所にハッチングを付している。
【0031】
一対の外側支持部材22は、第1~第3ノズル31,41,51を挟むように配置されている。各外側支持部材22は、折り返すように曲げられた棒状の部材により構成されている。各外側支持部材22は、両端部が台座21に固定され、両端部の間の部分が台座21から上方に突出している。また、本実施形態では、一対の外側支持部材22よりも内側に、開口が小さめの容器5を支持するための一対の内側支持部材23が設けられている。各内側支持部材23も、折り返すように曲げられた棒状の部材により構成され、両端部が台座21に固定され、両端部の間の部分が台座21から上方に突出している。
【0032】
[洗浄装置の使用方法]
続いて、図5を参照しながら、洗浄装置10の使用方法について説明を行う。以下では、被洗浄物設置部20の台座21に上下反転させて載置した容器5を洗浄する場合を例にして説明を行う。容器5は、その開口に一対の外側支持部材22が挿入されて、一対の外側支持部材22により支持される。なお、洗浄装置10は、容器5以外の医療用器具などの洗浄及び消毒に使用してもよい。
【0033】
なお、洗浄装置10を使用する際は、水道栓6から延びるホース7を第1ジョイント32に接続し、スチーム噴射装置1の噴射ノズル1aをノズル接続部42に接続した状態にする。また、シンク15の排水口15aから延びる排水管16のジョイント17に対し、汚物流し8から延びるホース9を接続する。容器5の洗浄開始前は、水道栓6は開状態とし、三方弁37は第2状態とし、第1開閉弁38及び第2開閉弁39の各々は閉状態とする。
【0034】
この状態から、使用者が、三方弁37を第1状態に切り替えると共に、第2開閉弁39を開状態に切り替える。そうすると、図5(a)に示すように、水道栓6から供給される水道水が、洗浄水用管路33を通じて第1ノズル31に供給されて、第1ノズル31から水道水が噴射される。また、洗剤貯留容器52の洗剤が、水頭差による降下圧により、洗浄液用管路53を介して第3ノズル51に供給され、第3ノズル51の出口から流出する。そして、第3ノズル51から流出する洗剤は、第1ノズル31から噴射された水道水によって吹き飛ばされる。これにより、水道水及び洗剤が容器5内に吹き付けられ、容器5内が洗浄される。また、容器5内に吹き付けられた水道水等は、台座21の貫通孔26等からシンク15に流れ落ち、シンク15の排水口15aから排水管16等を通って、汚物流し8に排水される。
【0035】
ある程度の時間が経過すると、使用者は、第2開閉弁39を閉状態に切り替える。そうすると、洗剤の供給が停止され、水道水のみが容器5内に吹き付けられ、容器5内に付着した洗剤が洗い流される。そして、ある程度の時間が経過すると、使用者は、三方弁37を第2状態に切り替える。これにより、第1ノズル31からの水道水の噴射が停止し、容器5の洗浄は終了する。
【0036】
次に使用者は、スチーム噴射装置1の把持部1cのスイッチ1bをONに切り替える。そうすると、図5(b)に示すように、スチーム噴射装置1から供給されるスチーム(例えば、90℃以上のスチーム)が、スチーム用管路43を通じて第2ノズル41に供給され、第2ノズル41から容器5内へ噴射される。これにより、容器5内が消毒される。そして、1分程度の時間が経過すると、使用者はスチーム噴射装置1のスイッチ1bをOFFに切り替える。これにより、第2ノズル41からのスチームの噴射が停止し、容器5の消毒は終了する。
【0037】
次に使用者は、第1開閉弁38を開状態に切り替える。これにより、図5(c)に示すように、水道栓から供給される水道水が、流し用管路34の出口から吐出される。流し用管路34から吐出された水道水は、シンク15の側面及び底面を洗い流し、排水口15aから排出される。使用者は、シンク15の汚れが取れたことを確認すると、第1開閉弁38を閉状態に切り替える。以上の操作により、容器5の洗浄及び消毒の一連の作業が終了する。
【0038】
[実施形態の効果等]
本実施形態では、被洗浄物として容器5が被洗浄物設置部20に上下反転して設置される場合に、容器5の開口から容器5内に洗浄水とスチームをそれぞれ噴射することができる。そのため、容器5内に洗浄水を噴射して容器5の洗浄を行った後に、容器5内にスチームを噴射して容器5の消毒を行うことができる。ここで、上述したように、スチームは、水に比べて、少ないエネルギーで高温のものが得られる。そのため、容器5の消毒にスチームを用いることで、設備の小型化を図ることができる。従って、小規模な医療施設でも導入しやすい洗浄装置10とすることが可能となり、容器5について浸け置き消毒の手間を削減することができる。
【0039】
本実施形態では、スチーム噴射装置1が外付け可能である。そのため、洗浄装置10の構成を簡素化することができる。また、ノズル接続部42は、スチーム噴射装置1の噴射ノズル1aを着脱自在に保持する。そのため、使用者は、ノズル接続部42から噴射ノズル1aを引き抜き、噴射ノズル1aから容器5の外面にスチームを噴射して、容器5の外面の消毒も行うことができる。なお、ノズル接続部42は、ボルト等により噴射ノズル1aが固定されるように構成してもよい。
【0040】
本実施形態では、台座21が、台座21上で外側支持部材22に支持された容器5の開口を下側から覆うための被覆部27と、台座21の外周より内側に形成された貫通孔26とを備えている。被覆部27は、容器5の開口から少しだけ離間して、台座21に載置された状態の容器5の開口の大部分を覆う。そのため、容器5内に洗浄水が噴射される際には、貫通孔26から洗浄水が排水され、また容器5内にスチームが噴射される際には、容器5内からスチームが逃げにくいために容器5内の温度が高温に保たれ、消毒時間を短縮することができる。なお、台座21では、貫通孔26の面積が少ない方が、スチームが逃げにくく、貫通孔26の合計面積は台座21の面積の40%以下(好ましくは30%以下)である。また、台座21には、貫通孔26の代わり又は貫通孔26に加えて、洗浄水を排水するために切り欠きを形成していてもよい。
【0041】
[その他の実施形態]
上述の実施形態では、洗浄装置10が比較的大型に構成されているが、特開2020-192493号公報に記載の容器洗浄装置のように小型に形成して、汚物流し8に据え付けるようにしてもよい。この場合、シンク15は、被洗浄物設置部20から流れ落ちる汚水を受けて、下方に流す程度の簡単な構成となる。
【0042】
上述の実施形態において、第3ノズル51を設けずに、洗剤供給部50の出口を洗浄水用管路33の下流側部分33bに接続して、第1ノズル31から洗剤を含む水道水が噴射されるようにしてもよい。
【0043】
上述の実施形態において、洗浄装置10がスチーム噴射装置1を内蔵していてもよい。
【0044】
上述の実施形態では、第1ノズル31及び第2ノズル41の各出口は、真上を向いているが、斜め上を向いていてもよい。また、第1ノズル31及び第2ノズル41は、多方向に流体(洗浄水、スチーム)を噴射するように構成されていてもよいし、流体の圧力により回転するように構成されていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、被洗浄物の洗浄及び消毒を行うための洗浄装置等に適用可能である。
【符号の説明】
【0046】
5 容器(被洗浄物)
10 洗浄装置
20 被洗浄物設置部
21 台座
21a 台座の外周(被洗浄物設置部の外周)
30 第1ノズル
31 洗浄水供給部
40 第2ノズル
41 スチーム供給部
図1
図2
図3
図4
図5