(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023152067
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】酸化亜鉛ナノ粒子を含む包装用ポリエチレンストレッチフィルム
(51)【国際特許分類】
B65D 65/40 20060101AFI20231005BHJP
B32B 27/18 20060101ALI20231005BHJP
B32B 27/32 20060101ALI20231005BHJP
B32B 7/023 20190101ALI20231005BHJP
C08K 3/22 20060101ALI20231005BHJP
C08L 23/04 20060101ALI20231005BHJP
C08J 5/18 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
B65D65/40 D
B32B27/18 Z
B32B27/32 Z
B32B7/023
C08K3/22
C08L23/04
C08J5/18 CES
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022062007
(22)【出願日】2022-04-01
(71)【出願人】
【識別番号】523077066
【氏名又は名称】株式会社GPF
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100129311
【弁理士】
【氏名又は名称】新井 規之
(72)【発明者】
【氏名】佐紺 悠一
(72)【発明者】
【氏名】壽山 實
【テーマコード(参考)】
3E086
4F071
4F100
4J002
【Fターム(参考)】
3E086AB02
3E086AD13
3E086BA04
3E086BA13
3E086BA15
3E086BB21
3E086BB58
3E086BB66
3E086BB90
3E086CA01
3E086CA15
3E086CA40
3E086DA08
4F071AA18
4F071AA19
4F071AB18
4F071AE05
4F071AE08
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4F071AH04
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4F100AA25A
4F100AK06A
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4F100GB15
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4J002BB021
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4J002DE106
4J002FD206
4J002GA01
4J002GF00
4J002GG02
4J002GN00
(57)【要約】
【課題】衛生性に優れた包装用ストレッチフィルムを提供する。
【解決手段】平均粒子径が15~30nmである酸化亜鉛ナノ粒子を含む包装用ポリエチレンストレッチフィルム。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平均粒子径が15~30nmである酸化亜鉛ナノ粒子を含む包装用ポリエチレンストレッチフィルム。
【請求項2】
低密度ポリエチレン(LDPE)を含む、請求項1に記載の包装用ポリエチレンストレッチフィルム。
【請求項3】
ポリカルボン酸塩を含む、請求項1または2に記載の包装用ポリエチレンストレッチフィルム。
【請求項4】
前記ストレッチフィルムが多層構造を有し、最外層が前記酸化亜鉛ナノ粒子を含有する、請求項1~3のいずれかに記載の包装用ポリエチレンストレッチフィルム。
【請求項5】
前記最外層が直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)を含む、請求項4に記載の包装用ポリエチレンストレッチフィルム。
【請求項6】
前記ストレッチフィルム中に、0.2~1.5重量%の前記酸化亜鉛ナノ粒子を含む、請求項1~5のいずれかに記載の包装用ポリエチレンストレッチフィルム。
【請求項7】
前記光安定剤をさらに含む、請求項1~6のいずれかに記載の包装用ポリエチレンストレッチフィルム。
【請求項8】
10%未満のヘーズを有する、請求項1~7のいずれかに記載の包装用ポリエチレンストレッチフィルム。
【請求項9】
低密度ポリエチレン(LDPE)と、15~30重量%の前記酸化亜鉛ナノ粒子を含むマスターバッチを準備する工程1、および
当該マスターバッチと、ポリエチレンまたはエチレン-酢酸ビニルコポリマー(EVA)とを混合する工程2、
を備える、請求項1~8のいずれかに記載の包装用ポリエチレンストレッチフィルムの製造方法。
【請求項10】
前記マスターバッチと混合されるポリエチレンが、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)である、請求項9に記載の包装用ポリエチレンストレッチフィルムの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は酸化亜鉛ナノ粒子を含む包装用ポリエチレンストレッチフィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンテナ輸送は、血液システムにおける赤血球のような世界物流の基本要素である。コンテナに収載されるパレット貨物は、荷崩れ防止ためにストレッチフィルムが巻付けられ、一つの塊として、網の目の世界的な配送ネットワーク上を移動する。世界全体における包装用ストレッチフィルムの需要、すなわち生産量は年間300万t超、アジア地域需要は50~60万t、国内需要は15万tに達すると推測されている。
【0003】
一般的に、ストレッチフィルムはその用途と巻き付け方法により、次のように区分される。
用途による区分:牧草ラップ(SW)、パッケージラップ
巻付け方法による区分:ハンドラップ(HW)、マシーンラップ(MW)
世界の各地域における各ラップの比率は以下のとおりである。
欧州:SW10%、MW50%、HW40%
北米:SW5%、MW55%、HW40%
アジア:SW2%、MW18%、HW80%
【0004】
現在の新型コロナウイルスパンデミックは、プラスチック製品、特に従来、見過ごされてきた製品の安全性、衛生性に対しても注意を喚起している。包装用ストレッチフィルムは、食品または医療フィルムに比べると手で触られる頻度は低いが、使用時に人手で巻付けられ、そして全世界を移動する。そのため、パレット貨物が厳格な衛生管理が要求される場所に搬入される場合もある。よって、包装用ストレッチフィルムについても抗菌性、抗ウイルス性、防汚性、または防カビ性等の衛生性が要求されつつある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
かかる事情に鑑み、本発明は衛生性に優れた包装用ストレッチフィルムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明者らは、光触媒の知見を活かし、酸化亜鉛ナノ粒子を用いることで前記課題を解決した。すなわち、前記課題は以下の本発明によって解決される。
態様1
平均粒子径が15~30nmである酸化亜鉛ナノ粒子を含む包装用ポリエチレンストレッチフィルム。
態様2
低密度ポリエチレン(LDPE)を含む、態様1に記載の包装用ポリエチレンストレッチフィルム。
態様3
ポリカルボン酸塩を含む、態様1または2に記載の包装用ポリエチレンストレッチフィルム。
態様4
前記ストレッチフィルムが多層構造を有し、最外層が前記酸化亜鉛ナノ粒子を含有する、態様1~3のいずれかに記載の包装用ポリエチレンストレッチフィルム。
態様5
前記最外層が直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)を含む、態様4に記載の包装用ポリエチレンストレッチフィルム。
態様6
前記ストレッチフィルム中に、0.2~1.5重量%の前記酸化亜鉛ナノ粒子を含む、態様1~5のいずれかに記載の包装用ポリエチレンストレッチフィルム。
態様7
前記光安定剤をさらに含む、態様1~6のいずれかに記載の包装用ポリエチレンストレッチフィルム。
態様8
10%未満のヘーズを有する、態様1~7のいずれかに記載の包装用ポリエチレンストレッチフィルム。
態様9
低密度ポリエチレン(LDPE)と、15~30重量%の前記酸化亜鉛ナノ粒子を含むマスターバッチを準備する工程1、および
当該マスターバッチと、ポリエチレンまたはエチレン-酢酸ビニルコポリマー(EVA)とを混合する工程2、
を備える、態様1~8のいずれかに記載の包装用ポリエチレンストレッチフィルムの製造方法。
態様10
前記マスターバッチと混合されるポリエチレンが、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)である、態様9に記載の包装用ポリエチレンストレッチフィルムの製造方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明によって衛生性に優れた包装用ストレッチフィルムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明において「X~Y」はその端値、すなわちXおよびYを含む。
【0010】
1.包装用ポリエチレンストレッチフィルム
包装用ストレッチフィルムとは、伸び性および自己粘着性を有する包装フィルムをいう。包装用ポリエチレンストレッチフィルム(以下、単に「ストレッチフィルム」ともいう)は、平均粒子径が15~30nmである酸化亜鉛ナノ粒子を含有する。
【0011】
(1)酸化亜鉛ナノ粒子
酸化亜鉛は蛍光灯等の限定された波長においても光触媒活性を有する。このことによって、抗微生物活性または防汚性を発現する。さらに、本実施形態においては平均粒子径が15~30nmであるナノサイズの酸化亜鉛を用いるので、フィルムの透明性も維持しつつ、抗微生物活性等を発現できる。
【0012】
前記平均粒子径は、好ましくはBET法比表面積に基づいて決定される。具体的には、酸化亜鉛粒子を真球と仮定し、以下の式で平均粒子径を求めることができる。
D=6/(ρ・S)
Dは平均粒子径である。6は粒子を真球と仮定の場合の定数である。ρは粉体の密度である。SはBET法による表面積(cm2/g)である。
【0013】
ストレッチフィルム中の酸化亜鉛ナノ粒子の含有量が過多であるとフィルムの透明性が低下することがあり、当該含有量が過少であると、抗微生物活性が十分でない。かかる観点から、当該含有量は、好ましくは0.2~1.5重量%、より好ましくは0.3~1.0重量%である。
【0014】
(2)ポリエチレン
ストレッチフィルムに使用されるポリエチレンは限定されない。例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、または高密度ポリエチレン(HDPE)を使用できる。あるいは、エチレン-酢酸ビニル共重合体等のエチレンコポリマーを使用することもできる。また、ストレッチフィルムは、酸化亜鉛ナノ粒子の分散性を良好にするための分散剤を含んでいてもよい。分散剤としてはポリカルボン酸塩が挙げられる。当該塩の金属元素としては、Na、Ca、K等が挙げられる。分散剤の量は適宜調整されるが、例えば酸化亜鉛ナノ粒子に対して、0.01~10重量%程度である。
【0015】
さらに、ストレッチフィルムは光安定剤を含んでいてもよい。酸化亜鉛は光触媒特性を有するので、マトリックスであるポリエチレンが光劣化する可能性があるが、光安定剤を用いることでこの光劣化を回避できる。光安定剤としては公知のものを使用でき、その例としてはヒンダートアミンが挙げられる。光安定剤の量も限定されないが、ポリエチレンに対して0.1~0.5phrとすることができる。
【0016】
抗微生物活性とコスト等との観点から、ストレッチフィルムは多層構造を有することが好ましく、最外層が酸化亜鉛ナノ粒子を含むことがより好ましい。この態様を
図1に示す。図中、1は酸化亜鉛ナノ粒子含有層、3は酸化亜鉛ナノ粒子非含有層、10はストレッチフィルムである。図は3層構造である態様を示すが、層数は適宜調整される。例えばストレッチフィルムは3~5層としてよい。
【0017】
最外層のマトリックスは、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)を主成分として構成されることが好ましい。最外層とは、最上層、最下層、またはその両方を意味する。具体的には当該マトリックス中、LLDPEは、好ましくは70~100重量%、より好ましくは90~100重量%である。また、後述するとおり、酸化亜鉛ナノ粒子はマスターバッチとされて配合されることが好ましい。具体的には、低密度ポリエチレン(LDPE)中に酸化亜鉛ナノ粒子が分散されたマスターバッチを調製し、当該マスターバッチを直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)またはエチレン-酢酸ビニルコポリマー(EVA)と混合して最外層を形成することが好ましい。よって、前記マトリックス中、LLDPE以外の成分は低密度ポリエチレン(LDPE)またはエチレン-酢酸ビニルコポリマー(EVA)であってよい。本態様においては、前記分散剤および光安定剤は、最外層に含有されることが好ましい。
【0018】
(3)特性
本実施態様にかかるストレッチフィルムの厚さは限定されないが、例えば5~150μmであり、好ましくは10~30μmである。
【0019】
酸化亜鉛ナノ粒子を添加しない以外は同じストレッチフィルムと、同じレベルの機械的特性、ヘーズ、および自己粘着性を有する。特にヘーズはストレッチフィルムに重要な指標であるが、ストレッチフィルム10%未満のヘーズを有するので、優れた透明性を備える。ヘーズは分光計を用いて測定される。例えば、JIS K7136に基づいてヘーズは以下の式で求められる。
ヘーズ(ヘーズ価、曇価)%=Td/Tt×100
Td:拡散光線透光率(%)
Tt:全光線透過率(%)
【0020】
本実施態様にかかるストレッチフィルムは、酸化亜鉛ナノ粒子を添加しない以外は同じストレッチフィルムに比べて優れた抗菌性(JIS L1902、JIS Z2801)、抗ウイルス性(JIS R1756)、防汚性(JIS L1909A-2)、または防カビ性(JIS Z2911)を有する。特に当該ストレッチフィルムのJIS L1902従って測定された抗菌活性値は5以上であることが好ましい。また、当該ストレッチフィルムのJIS Z2801に従って測定された抗菌活性値は2以上であることが好ましい。
【0021】
2.製造方法
本実施態様にかかるストレッチフィルムは、以下の工程を備える製造方法で製造されることが好ましい。
工程1:低密度ポリエチレン(LDPE)と、15~30重量%の前記酸化亜鉛ナノ粒子を含むマスターバッチを準備する。
工程2:当該マスターバッチとポリエチレンまたはエチレン-酢酸ビニルコポリマー(EVA)を混合する。
【0022】
(1)工程1
本工程においては、低密度ポリエチレン(LDPE)と、15~30重量%の酸化亜鉛ナノ粒子を含むマスターバッチを準備する。低密度ポリエチレン(LDPE)は非晶性部分を多く含むので、低い温度での混練が可能である。酸化亜鉛ナノ粒子の前記含有量は、好ましくは15~30重量%である。このようにマスターバッチ中の酸化亜鉛ナノ粒子濃度が高い場合は、次工程において剪断応力を高めてポリエチレン等と混合することが有利である。そしてその際、マスターバッチ中の樹脂の溶融粘度が低いと、より酸化亜鉛ナノ粒子をマトリックス中に良好に分散させることができる。この点において、低密度ポリエチレン(LDPE)はマスターバッチ用の樹脂として好適である。
【0023】
酸化亜鉛ナノ粒子の分散状態をより良好にするために分散剤を用いることもできる。分散剤としては、前述のとおりポリカルボン酸塩を使用できる。ポリカルボン酸塩の量は、酸化亜鉛ナノ粒子に対し、好ましくは0.01~10重量%である。
【0024】
本工程は、次の工程を備えることが好ましい。1)ポリカルボン酸塩を純水に分散させた分散液を調製する。2)当該分散液内にLDPE粉末を添加して混合する。3)乾燥させた混合物を得る。4)当該混合物を定法に従い混練する。
【0025】
前記1)において、ポリカルボン酸塩の量は限定されないが、純水に対して、ポリカルボン酸塩の量を0.1~20重量%とすることが好ましい。
【0026】
前記2)において、LDPE粉末の量は限定されないが、純水に対して、LDPE粉末の量を70~85重量%とすることが好ましい。
【0027】
前記3)における乾燥条件は限定されないが、一態様において混合物を80~90℃に加熱して実施することができる。
【0028】
前記4)においては、二軸混練機等を用いてストランドを押出し、これをペレタイザー等で切断してペレットとすることが好ましい。混練温度は、LDPEの通常の混練温度としてよく、具体的には130~160℃とすることができる。この際、前述の光安定剤等の添加剤を必要に応じて添加することができる。
【0029】
(2)工程2
本工程では、前記マスターバッチとポリエチレンまたはエチレン-酢酸ビニルコポリマー(EVA)を混合する。当該ポリエチレンは、LDPE以外のポリエチレンであることが好ましく、前述のとおりLLDPEであることがより好ましい。本工程においては、二軸混練機等を用いてストランドを押出し、これをペレタイザー等で切断してペレットとすることが好ましい。混練温度は、使用する樹脂の通常の混練温度としてよく、具体的には140~170℃とすることができる。
【0030】
(3)フィルム化工程
工程2で得られた混合物は、公知の方法でフィルム化され、ストレッチフィルムとされる。前述のとおり、多種多層フィルム成形機を用いて、最外層が酸化亜鉛ナノ粒子含有層、内層が酸化亜鉛ナノ粒子非含有層となるように共押出することで多層構造のストレッチフィルム製造できる。
【0031】
3.用途
本実施態様にかかるストレッチフィルムは、牧草ラップ(SW)またはパッケージラップとして有用である。パッケージラップとしては、パレット貨物の荷崩れ防止用ラップ、および食品用ラップが挙げられるが、本実施態様にかかるストレッチフィルムは特に、パレット貨物の荷崩れ防止用ラップとして有用である。
【実施例0032】
[実施例1]
蒸留水100kgに15kgのポリカルボン酸Naを分散させた。この蒸留水の中に、平均粒子径が20nmである酸化亜鉛ナノ粒子(堺化学工業株式会社製)を添加して、分散液を得た。当該分散液に、LDPE粒子(日本ポリエチレン株式会社製)を浸漬し、撹拌した後、乾燥した。当該乾燥後の混合物を、2軸混練機を用いてシリンダー温度150℃で押出成形し、得られたストランドをペレタイザーで切断して、ペレット状のマスターバッチを製造した。当該マスターバッチにおける酸化亜鉛ナノ粒子の含有量は15重量%であった。
【0033】
65mmφ3種3層フィルム成形機(トミー機械工業株式会社製)を用いて、成形温度160℃で共押出し、厚さ30μmのストレッチフィルムを得た。最上層と最下層は、前記マスターバッチとLLDPE(UF332、日本ポリエチレン株式会社製、MFR=1.0g/10分、密度0.92g/cm3)を混練して得た酸化亜鉛ナノ粒子を含む層とした。中間層は、当該LLDPE層とした。最上層および最下層における層当たりの酸化亜鉛ナノ粒子の含有量は1重量%であった。各層の厚さ比は最上層/中間層/最下層=5/20/5であり、ストレッチフィルム全体における酸化亜鉛ナノ粒子の含有量は0.3重量%であった。
【0034】
得られたフィルムのヘーズを分光色彩計(日本電色工業株式会社製、製品名:SQ-2000)にて測定した。
【0035】
[実施例2、3]
ストレッチフィルム全体における酸化亜鉛ナノ粒子の含有量を0.5重量%、1.0重量%に変更した以外は、実施例1と同じ方法でストレッチフィルムを製造し、評価した。
【0036】
[比較例1]
酸化亜鉛ナノ粒子の含有量を0重量%に変更した以外は、実施例1と同じ方法でストレッチフィルムを製造し、評価した。これらの結果を表1に、得られたフィルムの写真を
図2に示した。
【0037】
【0038】
実施例で得たストレッチフィルムは、優れたラップ性および透明性を有していた。