(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023152078
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】センサユニット、制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G01S 7/497 20060101AFI20231005BHJP
【FI】
G01S7/497
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022062019
(22)【出願日】2022-04-01
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩本 慎太郎
【テーマコード(参考)】
5J084
【Fターム(参考)】
5J084AA04
5J084AA05
5J084AA06
5J084AA10
5J084AB07
5J084AB17
5J084AD01
5J084AD03
5J084BA02
5J084BA04
5J084BA36
5J084BA48
5J084BA49
5J084BB01
5J084BB26
5J084BB27
5J084CA22
5J084CA25
5J084CA32
5J084CA34
5J084CA70
5J084EA20
5J084EA29
(57)【要約】
【課題】異常の発生原因の箇所を特定する。
【解決手段】センサユニットは、発光部と、受光部と、ウィンドウと、信号処理部と、出射器と、反射体と、受光器とを有するセンサと、物体で反射された光が受光部によって受光されたときの光の光量である第1受光量を取得する第1取得部と、発光部から出射されてウィンドウで反射された光が受光部によって受光されたときの光の光量である第2受光量、ならびに、出射器から出射されてウィンドウを透過して反射体で反射された光及び出射器から出射されてウィンドウで反射された光が受光器によって受光されたときの光の光量である第3受光量、の少なくとも一方を取得する第2取得部と、第1受光量と、第2受光量及び第3受光量の少なくとも一方とに基づいて、物体側及びウィンドウ側の何れに異常が発生しているかを判定する判定部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光部と、受光部と、ウィンドウと、信号処理部と、出射器と、反射体と、受光器とを有し、前記信号処理部は、前記発光部から出射されて前記ウィンドウを透過して物体で反射された光が前記ウィンドウを透過して前記受光部によって受光されることにより前記物体までの距離を測定可能なセンサと、
前記物体で反射された光が前記受光部によって受光されたときの光の光量である第1受光量を取得する第1取得部と、
前記発光部から出射されて前記ウィンドウで反射された光が前記受光部によって受光されたときの光の光量である第2受光量、ならびに、前記出射器から出射されて前記ウィンドウを透過して前記反射体で反射された光及び前記出射器から出射されて前記ウィンドウで反射された光が前記受光器によって受光されたときの光の光量である第3受光量、の少なくとも一方を取得する第2取得部と、
前記第1受光量と、前記第2受光量及び前記第3受光量の少なくとも一方とに基づいて、前記物体側及び前記ウィンドウ側の何れに異常が発生しているかを判定する判定部と、を備える
センサユニット。
【請求項2】
前記判定部は、
前記第1受光量が第1所定範囲内に含まれておらず、かつ、前記第2受光量が第2所定範囲内に含まれている、と所定回数判定した場合、前記物体側に異常が発生していると判定し、
前記第1受光量が前記第1所定範囲内に含まれておらず、かつ、前記第2受光量が前記第2所定範囲内に含まれていない、と所定回数判定した場合、前記ウィンドウ側に異常が発生していると判定する、
請求項1に記載のセンサユニット。
【請求項3】
前記判定部は、
前記第1受光量が第1所定範囲内に含まれておらず、かつ、前記第3受光量が第3所定範囲内に含まれている、と所定回数判定した場合、前記物体側に異常が発生していると判定し、
前記第1受光量が前記第1所定範囲内に含まれておらず、かつ、前記第3受光量が前記第3所定範囲内に含まれていない、と所定回数判定した場合、前記ウィンドウ側に異常が発生していると判定する、
請求項1に記載のセンサユニット。
【請求項4】
前記センサは、複数の方位における前記物体までの距離を測定可能であり、
前記第1取得部は、前記複数の方位における前記第1受光量を取得し、
前記第2取得部は、前記複数の方位における前記第2受光量を取得し、
前記判定部は、前記複数の方位における前記第1受光量と、前記複数の方位における前記第2受光量とに基づいて、前記物体側及び前記ウィンドウ側の何れに異常が発生しているかを判定する、
請求項1に記載のセンサユニット。
【請求項5】
前記判定部は、
前記複数の方位のうちの一つの方位における前記第1受光量が第1所定範囲内に含まれておらず、かつ、前記一つの方位における前記第2受光量が第2所定範囲内に含まれている、と所定回数判定した場合、前記物体側に異常が発生していると判定し、
前記複数の方位のうちの一つの方位における前記第1受光量が前記第1所定範囲内に含まれておらず、かつ、前記一つの方位における前記第2受光量が前記第2所定範囲内に含
まれていない、と所定回数判定した場合、前記ウィンドウ側に異常が発生していると判定する、
請求項4に記載のセンサユニット。
【請求項6】
前記判定部は、
前記複数の方位のうちの少なくとも二つの方位における前記第1受光量が第1所定範囲内に含まれておらず、かつ、前記少なくとも二つの方位における前記第2受光量が第2所定範囲内に含まれている、と所定回数判定した場合、前記物体側に異常が発生していると判定し、
前記複数の方位のうちの少なくとも二つの方位における前記第1受光量が前記第1所定範囲内に含まれておらず、かつ、前記少なくとも二つの方位における前記第2受光量が前記第2所定範囲内に含まれていない、と所定回数判定した場合、前記ウィンドウ側に異常が発生していると判定する、
請求項4に記載のセンサユニット。
【請求項7】
前記センサは、複数の方位における前記物体までの距離を測定可能であり、
複数の前記出射器、複数の前記反射体及び複数の前記受光器が、前記ウィンドウの外周に沿って配置されており、
前記第1取得部は、前記複数の方位における前記第1受光量を取得し、
前記第2取得部は、前記複数の方位における前記第3受光量を取得し、
前記判定部は、前記複数の方位における前記第1受光量と、前記複数の方位における前記第3受光量とに基づいて、前記物体側及び前記ウィンドウ側の何れに異常が発生しているかを判定する、
請求項1に記載のセンサユニット。
【請求項8】
前記判定部は、
前記複数の方位のうちの一つの方位における前記第1受光量が第1所定範囲内に含まれておらず、かつ、前記一つの方位における前記第3受光量が第3所定範囲内に含まれている、と所定回数判定した場合、前記物体側に異常が発生していると判定し、
前記複数の方位のうちの一つの方位における前記第1受光量が前記第1所定範囲内に含まれておらず、かつ、前記一つの方位における前記第3受光量が前記第3所定範囲内に含まれていない、と所定回数判定した場合、前記ウィンドウ側に異常が発生していると判定する、
請求項7に記載のセンサユニット。
【請求項9】
前記判定部は、
前記複数の方位のうちの少なくとも二つの方位における前記第1受光量が第1所定範囲内に含まれておらず、かつ、前記少なくとも二つの方位における前記第3受光量が第3所定範囲内に含まれている、と所定回数判定した場合、前記物体側に異常が発生していると判定し、
前記複数の方位のうちの少なくとも二つの方位における前記第1受光量が前記第1所定範囲内に含まれておらず、かつ、前記少なくとも二つの方位における前記第3受光量が前記第3所定範囲内に含まれていない、と所定回数判定した場合、前記ウィンドウ側に異常が発生していると判定する、
請求項7に記載のセンサユニット。
【請求項10】
前記判定部により前記物体側に異常が発生していると判定された場合、前記物体側の異常に関する情報を生成し、及び、前記判定部により前記ウィンドウ側に異常が発生していると判定された場合、前記ウィンドウ側の異常に関する情報を生成する生成部と、
前記物体側の異常に関する情報又は前記ウィンドウ側の異常に関する情報を表示する表
示部と、を備える
請求項1から9の何れか一項に記載のセンサユニット。
【請求項11】
発光部と、受光部と、ウィンドウと、出射器と、反射体と、受光器とを有するセンサユニットの制御方法であって、
前記発光部から出射されて前記ウィンドウを透過して物体で反射された光が前記ウィンドウを透過して前記受光部によって受光されることにより前記物体までの距離を測定する測定ステップと、
前記物体で反射された光が前記受光部によって受光されたときの光の光量である第1受光量を取得する第1取得ステップと、
前記発光部から出射されて前記ウィンドウで反射された光が前記受光部によって受光されたときの光の光量である第2受光量、ならびに、前記出射器から出射されて前記ウィンドウを透過して前記反射体で反射された光及び前記出射器から出射されて前記ウィンドウで反射された光が前記受光器によって受光されたときの光の光量である第3受光量、の少なくとも一方を取得する第2取得ステップと、
前記第1受光量と、前記第2受光量及び前記第3受光量の少なくとも一方とに基づいて、前記物体側及び前記ウィンドウ側の何れに異常が発生しているかを判定する判定ステップと、を有する
センサユニットの制御方法。
【請求項12】
発光部と、受光部と、ウィンドウと、出射器と、反射体と、受光器とを有するセンサユニットのプロセッサに、
前記発光部から出射されて前記ウィンドウを透過して物体で反射された光が前記ウィンドウを透過して前記受光部によって受光されることにより前記物体までの距離を測定する測定ステップと、
前記物体で反射された光が前記受光部によって受光されたときの光の光量である第1受光量を取得する第1取得ステップと、
前記発光部から出射されて前記ウィンドウで反射された光が前記受光部によって受光されたときの光の光量である第2受光量、ならびに、前記出射器から出射されて前記ウィンドウを透過して前記反射体で反射された光及び前記出射器から出射されて前記ウィンドウで反射された光が前記受光器によって受光されたときの光の光量である第3受光量、の少なくとも一方を取得する第2取得ステップと、
前記第1受光量と、前記第2受光量及び前記第3受光量の少なくとも一方とに基づいて、前記物体側及び前記ウィンドウ側の何れに異常が発生しているかを判定する判定ステップと、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物体で反射された光を観測することにより測距を行う反射型のセンサユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
光や電波などの電磁波を照射し、物体で反射された反射電磁波を観測することにより、物体までの距離を測定する方式の反射型センサが知られている。特許文献1には、ToF(Time of Flight)方式により、対象物までの距離を測定する測距装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
FA(Factory Automation)の分野においても、ヒトやモノを検出するために反射型センサが広く利用されている。例えば、セーフティレーザスキャナと呼ばれるセンサユニットは、所定の監視エリア内部にヒトやモノが侵入したことを検知し、装置を停止する信号を出力する、安全センサの一種である。
【0005】
安全センサは、開口部の枠や柱などの物体の所定位置を基準点に設定し、常に基準点を検出して、異常発生時に、制御出力をOFFにする機能を有する場合がある。このような機能は、「基準点監視機能」、「輪郭検出機能」、「参照境界機能」、「Reference boundary monitoring」または「Contour as reference」などと呼ばれる。安全センサは、ウィンドウ内からウィンドウの外に向かって光が出射され、物体で反射された光を観測する。観測された光の受光量が許容範囲に収まらないことにより、物体に設定された基準点を検出できない場合がある。このとき、安全センサは制御出力をOFFにする。ユーザーは原因を特定し、対応することで制御出
力を再びONに出来るようになるまで、作業を中断させられる。このような場合において、受光量の変化の原因、すなわち、異常の発生原因の箇所を特定することが要望されている。
【0006】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、異常の発生原因の箇所を特定することが可能な技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一観点に係るセンサユニットは、発光部と、受光部と、ウィンドウと、信号処理部と、出射器と、反射体と、受光器とを有し、前記信号処理部は、前記発光部から出射されて前記ウィンドウを透過して物体で反射された光が前記ウィンドウを透過して前記受光部によって受光されることにより前記物体までの距離を測定可能なセンサと、前記物体で反射された光が前記受光部によって受光されたときの光の光量である第1受光量を取得する第1取得部と、前記発光部から出射されて前記ウィンドウで反射された光が前記受光部によって受光されたときの光の光量である第2受光量、ならびに、前記出射器から出射されて前記ウィンドウを透過して前記反射体で反射された光及び前記出射器から出射されて前記ウィンドウで反射された光が前記受光器によって受光されたときの光の光量である第3受光量、の少なくとも一方を取得する第2取得部と、前記第1受光量と、前記第2受
光量及び前記第3受光量の少なくとも一方とに基づいて、前記物体側及び前記ウィンドウ側の何れに異常が発生しているかを判定する判定部と、を備えるセンサユニットである。
【0008】
本発明のセンサユニットによれば、第1受光量と、第2受光量及び第3受光量の少なくとも一方とに基づいて、物体側及びウィンドウ側の何れに異常が発生してかを判定することで、第1受光量の変化の原因、すなわち、異常の発生原因が物体側にあるのか又はウィンドウ側にあるのかを把握することができる。異常の発生原因が物体側にあるのか又はウィンドウ側にあるのかを把握することで、異常の発生原因の箇所を特定することができる。すなわち、異常の発生原因の箇所が、物体側にあるのか又はウィンドウ側にあるのかを特定することができる。
【0009】
前記判定部は、前記第1受光量が第1所定範囲内に含まれておらず、かつ、前記第2受光量が第2所定範囲内に含まれている、と所定回数判定した場合、前記物体側に異常が発生していると判定し、前記第1受光量が前記第1所定範囲内に含まれておらず、かつ、前記第2受光量が前記第2所定範囲内に含まれていない、と所定回数判定した場合、前記ウィンドウ側に異常が発生していると判定してもよい。例えば、第1受光量が変化しているが、第2受光量が変化していない場合、異常の発生原因の箇所が物体側にあると特定され、第1受光量及び第2受光量が変化している場合、異常の発生原因の箇所がウィンドウ側にあると特定される。
【0010】
前記判定部は、前記第1受光量が第1所定範囲内に含まれておらず、かつ、前記第3受光量が第3所定範囲内に含まれている、と所定回数判定した場合、前記物体側に異常が発生していると判定し、前記第1受光量が前記第1所定範囲内に含まれておらず、かつ、前記第3受光量が前記第3所定範囲内に含まれていない、と所定回数判定した場合、前記ウィンドウ側に異常が発生していると判定してもよい。例えば、第1受光量が変化しているが、第3受光量が変化していない場合、異常の発生原因の箇所が物体側にあると特定され、第1受光量及び第3受光量が変化している場合、異常の発生原因の箇所がウィンドウ側にあると特定される。
【0011】
前記センサは、複数の方位における前記物体までの距離を測定可能であり、前記第1取得部は、前記複数の方位における前記第1受光量を取得し、前記第2取得部は、前記複数の方位における前記第2受光量を取得し、前記判定部は、前記複数の方位における前記第1受光量と、前記複数の方位における前記第2受光量とに基づいて、前記物体側及び前記ウィンドウ側の何れに異常が発生しているかを判定してもよい。これにより、複数の方位における第1受光量及び第2受光量に基づいて、異常の発生原因の箇所を特定することができる。
【0012】
前記判定部は、前記複数の方位のうちの一つの方位における前記第1受光量が第1所定範囲内に含まれておらず、かつ、前記一つの方位における前記第2受光量が第2所定範囲内に含まれている、と所定回数判定した場合、前記物体側に異常が発生していると判定し、前記複数の方位のうちの一つの方位における前記第1受光量が前記第1所定範囲内に含まれておらず、かつ、前記一つの方位における前記第2受光量が前記第2所定範囲内に含まれていない、と所定回数判定した場合、前記ウィンドウ側に異常が発生していると判定してもよい。例えば、複数の方位のうちの一つの方位における第1受光量が変化しているが、その一つの方位における第2受光量が変化していない場合、異常の発生原因の箇所が物体側にあると特定される。例えば、複数の方位のうちの一つの方位における第1受光量及び第2受光量が変化している場合、異常の発生原因の箇所がウィンドウ側にあると特定される。
【0013】
前記判定部は、前記複数の方位のうちの少なくとも二つの方位における前記第1受光量
が第1所定範囲内に含まれておらず、かつ、前記少なくとも二つの方位における前記第2受光量が第2所定範囲内に含まれている、と所定回数判定した場合、前記物体側に異常が発生していると判定し、前記複数の方位のうちの少なくとも二つの方位における前記第1受光量が前記第1所定範囲内に含まれておらず、かつ、前記少なくとも二つの方位における前記第2受光量が前記第2所定範囲内に含まれていない、と所定回数判定した場合、前記ウィンドウ側に異常が発生していると判定してもよい。例えば、複数の方位のうちの少なくとも二つの方位における第1受光量が変化しているが、その少なくとも二つの方位における第2受光量が変化していない場合、異常の発生原因の箇所が物体側にあると特定される。例えば、複数の方位のうちの少なくとも二つの方位における第1受光量及び第2受光量が変化している場合、異常の発生原因の箇所がウィンドウ側にあると特定される。
【0014】
前記センサは、複数の方位における前記物体までの距離を測定可能であり、複数の前記出射器、複数の前記反射体及び複数の前記受光器が、前記ウィンドウの外周に沿って配置されており、前記第1取得部は、前記複数の方位における前記第1受光量を取得し、前記第2取得部は、前記複数の方位における前記第3受光量を取得し、前記判定部は、前記複数の方位における前記第1受光量と、前記複数の方位における前記第3受光量とに基づいて、前記物体側及び前記ウィンドウ側の何れに異常が発生しているかを判定してもよい。これにより、複数の方位における第1受光量及び第3受光量に基づいて、異常の発生原因の箇所を特定することができる。
【0015】
前記判定部は、前記複数の方位のうちの一つの方位における前記第1受光量が第1所定範囲内に含まれておらず、かつ、前記一つの方位における前記第3受光量が第3所定範囲内に含まれている、と所定回数判定した場合、前記物体側に異常が発生していると判定し、前記複数の方位のうちの一つの方位における前記第1受光量が前記第1所定範囲内に含まれておらず、かつ、前記一つの方位における前記第3受光量が前記第3所定範囲内に含まれていない、と所定回数判定した場合、前記ウィンドウ側に異常が発生していると判定してもよい。例えば、複数の方位のうちの一つの方位における第1受光量が変化しているが、その一つの方位における第3受光量が変化していない場合、異常の発生原因の箇所が物体側にあると特定される。例えば、複数の方位のうちの一つの方位における第1受光量及び第3受光量が変化している場合、異常の発生原因の箇所がウィンドウ側にあると特定される。
【0016】
前記判定部は、前記複数の方位のうちの少なくとも二つの方位における前記第1受光量が第1所定範囲内に含まれておらず、かつ、前記少なくとも二つの方位における前記第3受光量が第3所定範囲内に含まれている、と所定回数判定した場合、前記物体側に異常が発生していると判定し、前記複数の方位のうちの少なくとも二つの方位における前記第1受光量が前記第1所定範囲内に含まれておらず、かつ、前記少なくとも二つの方位における前記第3受光量が前記第3所定範囲内に含まれていない、と所定回数判定した場合、前記ウィンドウ側に異常が発生していると判定してもよい。例えば、複数の方位のうちの少なくとも二つの方位における第1受光量が変化しているが、その少なくとも二つの方位における第3受光量が変化していない場合、異常の発生原因の箇所が物体側にあると特定される。例えば、複数の方位のうちの少なくとも二つの方位における第1受光量及び第3受光量が変化している場合、異常の発生原因の箇所がウィンドウ側にあると特定される。
【0017】
本発明のセンサユニットは、前記判定部により前記物体側に異常が発生していると判定された場合、前記物体側の異常に関する情報を生成し、及び、前記判定部により前記ウィンドウ側に異常が発生していると判定された場合、前記ウィンドウ側の異常に関する情報を生成する生成部と、前記物体側の異常に関する情報又は前記ウィンドウ側の異常に関する情報を表示する表示部と、を備えてもよい。ユーザーは、物体側の異常に関する情報又はウィンドウ側の異常に関する情報を視認することで、異常の発生原因が物体側にあるの
か又はウィンドウ側にあるのかを把握することができる。
【0018】
本発明は、発光部と、受光部と、ウィンドウと、出射器と、反射体と、受光器とを有するセンサユニットの制御方法であって、前記発光部から出射されて前記ウィンドウを透過して物体で反射された光が前記ウィンドウを透過して前記受光部によって受光されることにより前記物体までの距離を測定する測定ステップと、前記物体で反射された光が前記受光部によって受光されたときの光の光量である第1受光量を取得する第1取得ステップと、前記発光部から出射されて前記ウィンドウで反射された光が前記受光部によって受光されたときの光の光量である第2受光量、ならびに、前記出射器から出射されて前記ウィンドウを透過して前記反射体で反射された光及び前記出射器から出射されて前記ウィンドウで反射された光が前記受光器によって受光されたときの光の光量である第3受光量、の少なくとも一方を取得する第2取得ステップと、前記第1受光量と、前記第2受光量及び前記第3受光量の少なくとも一方とに基づいて、前記物体側及び前記ウィンドウ側の何れに異常が発生しているかを判定する判定ステップと、を有するセンサユニットの制御方法である。
【0019】
本発明は、発光部と、受光部と、ウィンドウと、出射器と、反射体と、受光器とを有するセンサユニットのプロセッサに、前記発光部から出射されて前記ウィンドウを透過して物体で反射された光が前記ウィンドウを透過して前記受光部によって受光されることにより前記物体までの距離を測定する測定ステップと、前記物体で反射された光が前記受光部によって受光されたときの光の光量である第1受光量を取得する第1取得ステップと、前記発光部から出射されて前記ウィンドウで反射された光が前記受光部によって受光されたときの光の光量である第2受光量、ならびに、前記出射器から出射されて前記ウィンドウを透過して前記反射体で反射された光及び前記出射器から出射されて前記ウィンドウで反射された光が前記受光器によって受光されたときの光の光量である第3受光量、の少なくとも一方を取得する第2取得ステップと、前記第1受光量と、前記第2受光量及び前記第3受光量の少なくとも一方とに基づいて、前記物体側及び前記ウィンドウ側の何れに異常が発生しているかを判定する判定ステップと、を実行させるためのプログラムである。
【0020】
本発明は、上記手段ないし機能の少なくとも一部を有するセンサシステムとして捉えてもよいし、このセンサシステムを有するセーフティシステムやFAシステムとして捉えてもよい。また、本発明は、上記処理の少なくとも一部を含むセンサユニットの制御方法として捉えてもよいし、センサユニットの検知方法として捉えてもよい。さらに、本発明は、かかる方法を実現するためのプログラムやそのプログラムを非一時的に記録したコンピュータ読取可能な記録媒体として捉えることもできる。なお、上記手段および処理の各々は可能な限り互いに組み合わせて本発明を構成することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、異常の発生原因の箇所を特定することが可能な技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、センサユニットの構成を示す図である。
【
図4】
図4は、信号のタイムチャートの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、信号のタイムチャートの一例を示す図である。
【
図7】
図7は、センサユニットの設置の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、センサユニットの設置の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、センサユニットを側面側から視たときの模式図である。
【
図10】
図10は、センサユニットを側面側から視たときの模式図である。
【
図11】
図11は、センサユニットを側面側から視たときの模式図である。
【
図12】
図12は、基準点監視の設定処理の一例を示すフローチャートである。
【
図13】
図13は、基準点監視処理の一例を示すフローチャートである。
【
図14】
図14は、異常箇所特定処理の一例を示すフローチャートである。
【
図17】
図17は、停止エリア及び警告エリアの設定の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、適用例及び実施形態について図を参照しながら説明する。以下に示す適用例及び実施形態は、本願の一態様であり、本願の権利範囲を限定するものではない。
【0024】
<適用例>
図1~
図3を参照して、本発明の適用例の一つについて説明する。
図1は、センサユニット(センサシステム)1の構成を示す図である。センサユニット1は、反射型のセンサ10、本体部11、所定処理を行う処理装置12、及び、所定情報を表示可能な表示装置13を有する。センサユニット1は、処理装置12及び表示装置13を一つの筐体内に備える一体型の構成でもよいし、処理装置12と表示装置13とを分離して有線又は無線で接続した構成でもよい。
図1に示す構成例では、本体部11内に処理装置12が設けられ、本体部11の外表面に表示装置13が設けられている。表示装置13は、表示部の一例である。本体部11には、処理装置12及び表示装置13の他に、センサ10の一部である光源、光学系、受光装置などが設けられている。
【0025】
本明細書において、「反射型のセンサ」は、物体で反射された電磁波を観測することにより物体までの距離を測定可能なセンサを意味し、例えば、レーザ光を用いた測距センサ(LiDARなど)、電波を用いた測距センサ(ミリ波レーダーなど)が含まれる。物体で反射された電磁波は光を含む。反射型のセンサの測定方式はいずれでもよく、例えば、ToF方式、三角測距方式などがある。複数の方位の物体を測定するため、2次元の測定エリア(視野)又は3次元の測定エリア(視野)をもつエリアセンサが利用される。
【0026】
センサユニット1は、セーフティレーザスキャナ又はレーザスキャナとも呼ばれ、ISO13849-1などの安全規格に準拠した安全センサである。センサ10は、ウィンドウ101及び天面部102を有する。センサ10は、概略、本体部11の上に逆円錐台形状のウィンドウ101が設けられた構造を有する。ウィンドウ101の上には天面部102が設けられている。
図1に示すウィンドウ101は、一方の開口部から他方の開口部に向かって広がるテーパ形状であるが、この形状に限定されず、ウィンドウ101は、円柱形状であってもよい。
【0027】
ウィンドウ101は、透明又は半透明(所定の透過率を有する有色)であり、光の一部を透過し、光の他の一部を反射する。ウィンドウ101はレーザ光を透過する材質からなり、ポリゴンミラーなどの光学系を保護するための部材である。光源から出力されるレーザ光を、ウィンドウ101内部で高速回転するポリゴンミラーで反射することにより、センサ10は、周囲約270度の方位をスキャンすることができる。このように、センサ10は、複数の方位を測定することが可能である。すなわち、センサ10は、複数の方位における物体までの距離を測定可能である。また、センサ10は、所定間隔(規則的又は不規則的な間隔)で、物体までの距離を測定する。処理装置12は、センサ10によって測定された物体までの距離と設定された所定距離とを比較し、比較結果に基づいて所定処理を行う。
【0028】
図2は、センサ10のブロック図である。センサ10は、信号処理部21と、発光部(発信部)22と、受光部(受信部)23と、駆動回路24と、を有する。発光部22は、例えば、レーザーダイオードである。信号処理部21が駆動回路24を制御することで、発光部22に駆動電流が印加され、発光部22がパルス発光して光信号を発信する。発光部22が光信号を発信することにより、発光部22から光が出射され、光がレンズ、ポリゴンミラーなどの光学部品25を介してウィンドウ101を透過して外部に出射される。
【0029】
受光部23は、例えば、フォトダイオードである。発光部22から外部へ出射されて、測定対象である物体(以下、測定対象物体又はターゲットとも表記する。)に反射された光が、ウィンドウ101を透過し、光学部品25を介して受光部23に光信号として入力される。受光部23は、入力された光信号の強度に応じて、光信号を電気信号に変換して出力する。受光部23から出力された電気信号は、信号処理部21に入力される。
【0030】
信号処理部21は、ToF方式により、測定対象物体までの距離を測定してもよい。例えば、信号処理部21は、光を出射したときの時刻と、反射光を受光したときの時刻と、光の速度とに基づいて、測定対象物体までの距離を測定する。また、信号処理部21は、受光部23の受光量を測定する。信号処理部21は、測定データを処理装置12に送る。このように、センサ10は、発光部22から出射されてウィンドウ101を透過して測定対象物体で反射された光がウィンドウ101を透過して受光部23によって受光されることにより測定対象物体までの距離を測定すると共に、受光部23の受光量を測定する。処理装置12は、センサ10によって測定された測定対象物体までの距離及び受光部23の受光量を取得する。
【0031】
測定対象物体の表面に付着物が付着すると、受光部23の受光量が低下したり、上昇したりする場合がある。また、ウィンドウ101の表面に付着物が付着すると、受光部23の受光量が低下したり、上昇したりする場合がある。受光部23の受光量の変化だけを観察しても、受光部23の受光量の変化の原因、すなわち、異常の発生原因が測定対象物体側にあるのか又はウィンドウ101側にあるのかを判別するのは難しい。
【0032】
そこで、センサユニット1では、処理装置12が、発光部22から出射されてウィンドウ101を透過して測定対象物体で反射された光がウィンドウ101を透過して受光部23によって受光されたときの光の光量である受光量(以下、第1受光量と表記する。)を取得する。更に、処理装置12は、発光部22から出射されてウィンドウ101で反射された光が受光部23によって受光されたときの光の光量である受光量(以下、第2受光量と表記する。)を取得する。測定対象物体で反射された光が受光部23によって受光されたときの時刻と、ウィンドウ101で反射された光が受光部23によって受光されたときの時刻とが異なるため、第1受光量と第2受光量とを区別することが可能である。処理装置12は、第1受光量と、第2受光量とに基づいて、測定対象物体側及びウィンドウ101側の何れに異常が発生しているかを判定する。
【0033】
測定対象物体の表面に付着物が付着すると、測定対象物体の表面に付着物が付着していない場合と比較して、第1受光量が変化する。例えば、測定対象物体の表面に測定対象物体の表面と比較して反射率の高い油などが付着すると、測定対象物体の表面に付着物が付着していない場合と比較して、第1受光量が上昇する。例えば、測定対象物体の表面に測定対象物体の表面と比較して反射率の低い砂や切子が付着すると、光の反射方向が変化し、測定対象物体の表面に付着物が付着していない場合と比較して、第1受光量が低下する。例えば、測定対象物体の表面に黒い粘着物質などが付着すると、測定対象物体の表面に付着物が付着していない場合と比較して、第1受光量が低下する。ウィンドウ101の表面に付着物が付着すると、ウィンドウ101の表面に付着物が付着していない場合と比較
して、第1受光量及び第2受光量が変化する。
【0034】
例えば、第1受光量が低下又は上昇しているが、第2受光量が低下又は上昇していない場合、処理装置12は、第1受光量の変化の原因、すなわち、異常の発生原因が測定対象物体側に発生していると判定する。例えば、第1受光量が低下又は上昇しており、第2受光量が低下又は上昇している場合、処理装置12は、異常の発生原因がウィンドウ101側に発生していると判定する。このように、処理装置12が、第1受光量と、第2受光量とに基づいて、測定対象物体側及びウィンドウ101側の何れに異常が発生しているかを判定することで、第1受光量の変化の原因、すなわち、異常の発生原因が測定対象物体側にあるのか又はウィンドウ101側にあるのかを把握することができる。異常の発生原因が測定対象物体側にあるのか又はウィンドウ101側にあるのかを把握することで、異常の発生原因の箇所を特定することができる。すなわち、異常の発生原因の箇所が、測定対象物体側にあるのか又はウィンドウ101側にあるのかを特定することができる。
【0035】
処理装置12は、第1受光量が第1所定範囲(第1受光量範囲)内に含まれておらず、かつ、第2受光量が第2所定範囲(第2受光量範囲)内に含まれている、と所定回数判定した場合、測定対象物体側に異常が発生していると判定する。例えば、第1受光量が変化しているが、第2受光量が変化していない場合、異常の発生原因の箇所が測定対象物体側にあると特定される。処理装置12は、第1受光量が第1所定範囲内に含まれておらず、かつ、第2受光量が第2所定範囲内に含まれていない、と所定回数判定した場合、ウィンドウ101側に異常が発生していると判定する。例えば、第1受光量及び第2受光量が変化している場合、異常の発生原因の箇所がウィンドウ101側にあると特定される。第1所定範囲及び第2所定範囲は、設計、実験又はシミュレーションによって予め求められており、処理装置12の記憶部に記憶されている。所定回数は、任意の回数を設定することが可能であり、1回であってもよいし、複数回であってもよい。
【0036】
図3は、センサユニット1を側面側から視た場合のセンサユニット1の模式図である。センサユニット1は、光を出射する出射器103と、光を受光する受光器104と、光を反射する反射体105とを有する。出射器103は、例えば、レーザーダイオード又はLEDである。受光器104は、例えば、フォトダイオードである。反射体105は、光を反射する板状部材である。
【0037】
図3に示す構成例では、本体部11に出射器103及び受光器104が設けられており、天面部102に反射体105が設けられている。したがって、出射器103及び受光器104が、ウィンドウ101の下方に配置され、反射体105が、ウィンドウ101の上方に配置されている。
図3に示す構成例に限定されず、本体部11に反射体105を設け、天面部102に出射器103及び受光器104を設けてもよい。すなわち、出射器103及び受光器104が、ウィンドウ101の上方に配置され、反射体105がウィンドウ101の下方に配置されてもよい。一つの出射器103、一つの受光器104及び一つの反射体105が配置されてもよい。複数の出射器103、複数の受光器104及び複数の反射体105が、ウィンドウ101の外周に沿って所定間隔で配置されてもよい。
【0038】
出射器103の位置と反射体105の位置とを結ぶ仮想線がウィンドウ101の外周面に対して傾き、かつ、受光器104の位置と反射体105の位置とを結ぶ仮想線がウィンドウ101の外周面に対して傾くように、出射器103、受光器104及び反射体105を配置する。これにより、出射器103から出射された光の一部がウィンドウ101を透過して反射体105で反射し、反射体105で反射された光がウィンドウ101を透過して受光器104により受光される。また、出射器103から出射された光の他の一部は、ウィンドウ101で反射し、ウィンドウ101で反射された光が受光器104により受光される。
【0039】
処理装置12が、出射器103から出射されてウィンドウ101を透過して反射体105で反射された光及び出射器103から出射されてウィンドウ101で反射された光が受光器104によって受光されたときの光の光量である受光量(以下、第3受光量と表記する。)を取得する。処理装置12は、受光器104から第3受光量を取得してもよい。また、処理装置12は、出射器103及び受光器104を制御する制御回路を介して第3受光量を取得してもよい。処理装置12は、第1受光量と、第3受光量とに基づいて、測定対象物体側及びウィンドウ101側の何れに異常が発生しているかを判定する。
【0040】
ウィンドウ101の表面に付着物が付着すると、ウィンドウ101の表面に付着物が付着していない場合と比較して、第1受光量及び第3受光量が変化する。例えば、第1受光量が低下又は上昇しているが、第3受光量が低下又は上昇していない場合、処理装置12は、異常の発生原因が測定対象物体側に発生していると判定する。例えば、第1受光量が低下又は上昇しており、第3受光量が低下又は上昇している場合、処理装置12は、異常の発生原因がウィンドウ101側に発生していると判定する。このように、処理装置12が、第1受光量と、第3受光量とに基づいて、測定対象物体側及びウィンドウ101側の何れに異常が発生しているかを判定することで、第1受光量の変化の原因、すなわち、異常の発生原因が測定対象物体側にあるのか又はウィンドウ101側にあるのかを把握することができる。異常の発生原因が測定対象物体側にあるのか又はウィンドウ101側にあるのかを把握することで、異常の発生原因の箇所を特定することができる。すなわち、異常の発生原因の箇所が、測定対象物体側にあるのか又はウィンドウ101側にあるのかを特定することができる。
【0041】
処理装置12は、第1受光量が第1所定範囲内に含まれておらず、かつ、第3受光量が第3所定範囲(第3受光量範囲)内に含まれている、と所定回数判定した場合、測定対象物体側に異常が発生していると判定する。例えば、第1受光量が変化しているが、第3受光量が変化していない場合、異常の発生原因の箇所が測定対象物体側にあると特定される。処理装置12は、第1受光量が第1所定範囲内に含まれておらず、かつ、第3受光量が第3所定範囲内に含まれていない、と所定回数判定した場合、ウィンドウ101側に異常が発生していると判定する。例えば、第1受光量及び第3受光量が変化している場合、異常の発生原因の箇所がウィンドウ101側にあると特定される。第3所定範囲は、設計、実験又はシミュレーションによって予め求められており、処理装置12の記憶部に記憶されている。所定回数は、任意の回数を設定することが可能であり、1回であってもよいし、複数回であってもよい。
【0042】
処理装置12は、第1受光量及び第2受光量に基づいて、測定対象物体側及びウィンドウ101側の何れに異常が発生しているかを判定する第1異常判定、及び、第1受光量及び第3受光量に基づいて、測定対象物体側及びウィンドウ101側の何れに異常が発生しているかを判定する第2異常判定、の少なくとも一方を行ってもよい。処理装置12が、第1異常判定を行い、第2異常判定を行わない場合、センサユニット1に対する出射器103、受光器104及び反射体105の設置を省略することができる。
【0043】
<実施形態>
本発明の実施形態を説明する。信号処理部21は、アナログ波の電気信号(アナログ値)を用いて、測定対象物体までの距離を測定してもよい。
図4は、信号のタイムチャートの一例を示す図である。
図4の(A1)に、駆動回路24から発光部22に入力される発光(命令)信号を示す。
図4の(A2)及び(A3)に、受光部23から出力されるアナログ波の電気信号の波形を示す。
図4の(A2)は、発光部22の出射光がセンサ10の内部に設けられた反射物体で反射され、その反射光を受光部23が受光したときの電気信号の波形である。
図4の(A3)は、発光部22の出射光がセンサ10の外部に出射され
、測定対象物体で反射された反射光を受光部23が受光したときの電気信号の波形である。光を出射したときの時刻として、
図4の(A1)の波形の立ち上がり時刻を
図4の(A2)の波形がピークのときの時刻を用いて補正した値が用いられる。反射光を受光したときの時刻として、
図4の(A3)の波形がピークのときの時刻が用いられる。
【0044】
信号処理部21は、矩形波の電気信号(デジタル値)を用いて、測定対象物体までの距離を測定してもよい。
図5は、信号のタイムチャートの一例を示す図である。
図5の(B1)に、駆動回路24から発光部22に入力される発光(命令)信号を示す。
図5の(B2)及び(B3)に、受光部23から出力される矩形波の電気信号の波形を示す。
図5の(B2)は、発光部22の出射光がセンサ10の内部に設けられた反射物体で反射され、その反射光を受光部23が受光したときの電気信号の波形である。
図5の(B3)は、発光部22の出射光がセンサ10の外部に出射され、測定対象物体で反射された反射光を受光部23が受光したときの電気信号の波形である。受光部23は、受光量が閾値以上である場合、受光した光を矩形波の電気信号に成形して出力する。また、受光部23が、受光した光の強度に応じた電気信号を出力し、受光部23から出力される電気信号が信号処理部21に入力されてもよい。受光部23から出力された電気信号の値が閾値以上である場合、信号処理部21は、受光部23から出力された電気信号を矩形波に成形する。光を出射したときの時刻として、
図5の(B1)の波形の立ち上がり時刻を
図5の(B2)の波形の立ち上がりの時刻を用いて補正した値が用いられる。反射光を受光したときの時刻として、
図5の(B3)の波形の立ち上がりの時刻が用いられる。
【0045】
図6は、処理装置12の機能ブロック図である。処理装置12は、主な機能として、設定部31と、第1取得部32と、第2取得部33と、判定部34と、生成部35と、表示制御部36と、記憶部37と、を有する。
図6に示す処理装置12の構成要素の全てが必須というわけではなく、適宜、処理装置12の構成要素の追加又は削除がなされてもよい。例えば、処理装置12は、生成部35によって生成されたデータや情報を出力する出力部を有してもよい。また、処理装置12が、信号処理部21としての機能を備えてもよい。
【0046】
処理装置12は、センサユニット1の動作全体を制御すると共に、表示装置13を制御する機器(コントローラ)である。処理装置12は、センサ10によって測定された測定対象物体までの距離の測定データと、センサ10によって測定された受光部23の受光量の測定データとをセンサ10から取得する。処理装置12は、専用の機器により構成してもよいし、汎用のコンピュータにより構成してもよい。処理装置12は、プロセッサ(CPU)、メモリ、ストレージ、通信I/Fなどのハードウェア資源を備えている。メモリは、RAMであってもよい。ストレージは、不揮発性の記憶装置(例えばROM、フラッシュメモリなど)であってもよい。処理装置12の各処理部(機能部)としての機能は、ストレージに格納されたプログラムをメモリに展開しプロセッサによって実行することにより実現される。なお、処理装置12の構成はこれらに限られない。例えば、機能の全部又は一部をASICやFPGAなどの回路で構成してもよいし、あるいは、機能の全部又は一部をクラウドサーバや他の装置で実行してもよい。
【0047】
設定部31は、各種の設定を行う。第1取得部32は、第1受光量を取得する。第2取得部33は、第2受光量及び第3受光量の少なくとも一方を取得する。判定部34は、第1受光量と、第2受光量及び第3受光量の少なくとも一方とに基づいて、測定対象物体側及びウィンドウ101側の何れに異常が発生しているかを判定する。
【0048】
第1取得部32は、複数の方位における第1受光量を取得してもよい。第2取得部33は、複数の方位における第2受光量を取得してもよい。判定部34は、複数の方位における第1受光量と、複数の方位における第2受光量とに基づいて、測定対象物体側及びウィ
ンドウ101側の何れに異常が発生しているかを判定してもよい。これにより、複数の方位における第1受光量及び第2受光量に基づいて、異常の発生原因の箇所を特定することができる。
【0049】
第2取得部33は、複数の方位における第3受光量を取得してもよい。複数の出射器103、複数の受光器104及び複数の反射体105を、ウィンドウ101の外周に沿って配置することで、第2取得部33は、複数の方位における第3受光量を取得することができる。判定部34は、複数の方位における第1受光量と、複数の方位における第3受光量とに基づいて、測定対象物体側及びウィンドウ101側の何れに異常が発生しているかを判定してもよい。
【0050】
生成部35は、判定部34により測定対象物体側に異常が発生していると判定された場合、測定対象物体側の異常に関する情報(以下、ターゲット異常情報と表記する。)を生成する。ターゲット異常情報は、(1)ターゲットに付着物が付着している可能性を示す情報、(2)ユーザーにターゲットの表面の確認を促す情報、及び、(3)ユーザーにターゲットの表面の清掃を促す情報、の少なくとも一つを含んでもよい。ターゲット異常情報は、これらの(1)~(3)の情報に加えて、第1受光量の変動に関する情報を含んでもよい。第1受光量の変動に関する情報は、例えば、第1受光量が上昇していることを示す情報又は第1受光量が低下していることを示す情報である。
【0051】
生成部35は、判定部34によりウィンドウ101側に異常が発生していると判定された場合、ウィンドウ101側の異常に関する情報(以下、ウィンドウ異常情報と表記する。)を生成する。ウィンドウ異常情報は、(4)ウィンドウ101に付着物が付着している可能性を示す情報、(5)ユーザーにウィンドウ101の表面の確認を促す情報、及び、(6)ユーザーにウィンドウ101の表面の清掃を促す情報、の少なくとも一つを含んでもよい。ウィンドウ異常情報は、これらの(4)~(6)の情報に加えて、第1受光量の変動に関する情報及び第2受光量の変動に関する情報を含んでもよい。第2受光量の変動に関する情報は、例えば、第2受光量が上昇していることを示す情報又は第2受光量が低下していることを示す情報である。ウィンドウ異常情報は、これらの(4)~(6)の情報に加えて、第1受光量の変動に関する情報及び第3受光量の変動に関する情報を含んでもよい。第3受光量の変動に関する情報は、例えば、第3受光量が上昇していることを示す情報又は第3受光量が低下していることを示す情報である。
【0052】
表示制御部36は、生成部35によって生成された情報に基づいて、表示装置13を制御する。生成部35によって生成されたターゲット異常情報に基づいて、表示制御部36が表示装置13を制御することにより、表示装置13は、ターゲット異常情報を表示する。表示装置13に表示されたターゲット異常情報をユーザーが視認することで、ユーザーは、異常の発生原因が測定対象物体側にあることを把握することができ、異常の発生原因の箇所を特定することができる。
【0053】
生成部35によって生成されたウィンドウ異常情報に基づいて、表示制御部36が表示装置13を制御することにより、表示装置13は、ウィンドウ異常情報を表示する。表示装置13に表示されたウィンドウ異常情報をユーザーが視認することで、ユーザーは、異常の発生原因がウィンドウ101側にあることを把握することができ、異常の発生原因の箇所を特定することができる。
【0054】
記憶部37は、各種のデータや情報を記憶する。記憶部37は、RAM、不揮発性の記憶装置(例えばROM、フラッシュメモリなど)などにより構成してもよい。
【0055】
表示装置13は、各種のデータや情報を表示する機器である。表示装置13は、例えば
、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、表示灯などである。また、センサユニット1は、操作ボタン及びタッチパネルなどの入力機器を備えてもよい。タッチパネルは、表示装置13と一体型の構成でもよい。表示装置13は、データや情報を表示する画面を有するディスプレイ、及び、明滅パターンや点滅パターンを変えることで情報を表示する表示灯、の少なくとも一方を有してもよい。
【0056】
図7は、センサユニット1の設置の一例を示す図であり、
図7に示す一例では、センサユニット1が枠200に設けられ、枠200の内側に監視エリア201が設定されている。監視エリア201は、枠200の所定の各点を基準点として設定されたエリアである。センサユニット1は、監視エリア201を常時監視している。監視エリア201内に人や物が侵入した場合、センサユニット1から外部装置(外部機器)に対して停止信号が出力される。外部装置は、例えば、ロボットやプレス機などの装置であるが、これらに限定されない。また、
図8に示すように、枠200が傾くことで枠200の位置ずれが発生し、枠200と監視エリア201との間に隙間202が発生する場合がある。基準点監視機能が有効である場合、センサユニット1から外部装置に対して停止信号が出力される。枠200と監視エリア201との間に隙間202が発生したことが原因で外部装置が突然停止すると、作業が中断され、作業効率が低下する。
【0057】
そこで、センサユニット1では、処理装置12が、測定対象物体の位置ずれを検知し、表示装置13が測定対象物体の位置ずれを表示することで、外部装置が停止する前にユーザーが測定対象物体の位置ずれを把握することができるようにしてもよい。以下、
図9~
図11を参照して、測定対象物体の位置ずれを検知する一例について説明する。
【0058】
図9~
図11は、センサユニット1を側面側から視たときの模式図である。判定部34は、測定対象物体までの距離が第1所定距離から第1所定距離よりも長い第2所定距離までの第1距離範囲内に含まれるか否かを判定する第1判定を行う。
図9~
図11において、センサ10の位置から所定位置(1)までの距離(以下、距離L1と表記する。)は、第1所定距離の一例である。
図9~
図11において、センサ10の位置から所定位置(2)までの距離(以下、距離L2と表記する)は、第2所定距離の一例である。
図9~
図11において、距離L1から距離L2までの範囲(A)は、第1距離範囲の一例である。判定部34は、枠200までの距離が距離L1から距離L2までの範囲(A)内に含まれるか否かを判定する。すなわち、判定部34は、枠200の位置が所定位置(1)から所定位置(2)までの範囲(A)に含まれるか否かを判定する。枠200の位置は、センサユニット1が測定の対象としている物体の位置である。
【0059】
更に、判定部34は、測定対象物体までの距離が第3所定距離から第3所定距離よりも長い第4所定距離までの第2距離範囲内に含まれるか否かを判定する第2判定を行う。
図9~
図11において、センサ10の位置から所定位置(3)までの距離(以下、距離L3と表記する。)は、第3所定距離の一例である。
図9~
図11において、センサ10の位置から所定位置(4)までの距離(以下、距離L4と表記する)は、第4所定距離の一例である。
図9~
図11において、距離L3から距離L4までの範囲(B)は、第2距離範囲の一例である。判定部34は、枠200までの距離が距離L3から距離L4までの範囲(B)内に含まれるか否かを判定する。すなわち、判定部34は、枠200の位置が所定位置(3)から所定位置(4)までの範囲(B)に含まれるか否かを判定する。
【0060】
判定部34は、第1判定及び第2判定の少なくとも一方を行う。判定部34は、測定対象物体までの距離が第1距離範囲内に含まれると所定回数判定された場合、又は、測定対象物体までの距離が第2距離範囲内に含まれると所定回数判定された場合、測定対象物体の位置ずれに関する情報を生成する。所定回数は、任意の回数を設定することが可能であり、1回であってもよいし、複数回であってもよい。
【0061】
図10では、枠200が傾くことにより、枠200の位置ずれが発生し、枠200の位置が所定位置(1)から所定位置(2)までの範囲(A)に含まれている。このため、枠200までの距離が距離L1から距離L2までの範囲(A)に含まれると判定され、生成部35は、測定対象物体の位置ずれに関する情報を生成する。
【0062】
図11では、枠200が移動することにより、枠200の位置ずれが発生し、枠200の位置が所定位置(3)から所定位置(4)までの範囲(B)に含まれている。このため、枠200までの距離が距離L3から距離L4までの範囲(B)に含まれると判定され、生成部35は、測定対象物体の位置ずれに関する情報を生成する。
【0063】
生成部35によって生成された測定対象物体の位置ずれに関する情報に基づいて、表示制御部36が表示装置13を制御することにより、表示装置13は、測定対象物体の位置ずれに関する情報を表示する。測定対象物体の位置ずれに関する情報は、測定対象物体の位置がずれていることを示す情報を含んでもよい。測定対象物体の位置ずれに関する情報は、ユーザーに測定対象物体の設置状態の確認を促す情報を含んでもよい。表示装置13に表示された測定対象物体の位置ずれに関する情報をユーザーが視認することで、外部装置が停止する前にユーザーが測定対象物体の位置ずれを把握することができる。このように、センサユニット1によれば、測定対象物体の位置ずれが原因によって外部装置が停止する前に測定対象物体の位置ずれを把握することが可能となる。
【0064】
判定部34は、物体までの距離が第2所定距離から第3所定距離までの第3距離範囲内に含まれるか否かを判定する第3判定を行う。
図9~
図11において、距離L2から距離L3までの範囲(C)は、第3距離範囲の一例である。判定部34は、枠200までの距離が距離L2から距離L3までの範囲(C)内に含まれるか否かを判定する。すなわち、判定部34は、枠200の位置が所定位置(2)から所定位置(3)までの範囲(C)に含まれるか否かを判定する。判定部34は、物体までの距離が第3距離範囲内に含まれると所定回数判定された場合、物体の位置ずれに関する情報を生成しない。所定回数は、任意の回数を設定することが可能であり、1回であってもよいし、複数回であってもよい。
【0065】
また、判定部34は、測定対象物体までの距離が第1所定距離よりも短いか否かを判定する第4判定、及び、測定対象物体までの距離が第4所定距離よりも長いか否かを判定する第5判定、の少なくとも一方を行う。生成部35は、測定対象物体までの距離が第1所定距離よりも短いと所定回数判定された場合、又は、測定対象物体までの距離が第4所定距離よりも長いと所定回数判定された場合、外部装置を停止する停止信号を生成し、外部装置に停止信号を送る。所定回数は、任意の回数を設定することが可能であり、1回であってもよいし、複数回であってもよい。測定対象物体までの距離が第1所定距離よりも短い場合、又は、測定対象物体までの距離が第4所定距離よりも長い場合、測定対象物体の位置ずれが許容範囲を超えているため、生成部35は、外部装置に停止信号を送る。このように、測定対象物体の位置ずれが許容範囲を超えた場合に、外部装置を停止することができる。
【0066】
一般的なパーソナルコンピュータに、センサユニット1の設定ツール(ソフトウェアプログラム)をインストールし、ユーザーが、設定ツールを用いて、許容範囲をセンサユニット1に設定することが可能である。上記のように、センサ10は、複数の方位を測定することが可能である。測定対象物体までの距離は、複数の方位ごとに異なる。そのため、判定部34は、測定対象物体までの距離と複数の方位ごとに設定された第1所定距離、第2所定距離、第3所定距離及び第4所定距離とを比較する。
【0067】
図12は、基準点監視の設定処理の一例を示すフローチャートである。例えば、センサ
ユニット1を初めて配置した場合やセンサユニット1の配置を変更した場合に、設定処理が行われる。また、基準点監視の設定処理は、測定対象物体の表面及びウィンドウ101の表面が清掃された状態で行われる。S1において、所定のスキャン角度が設定され、発光部22は光を出射(投光)する。S2において、受光部23は、測定対象物体で反射された光及びウィンドウ101で反射された光を受光する。S3において、信号処理部21は、測定対象物体までの距離(以下、距離Rと表記する。)を計算し、距離Rを記憶部35に記憶する。S4において、センサ10は、測定対象物体で反射された光の受光量(以下、受光量Ctと表記する。)を計測し、設定部31は、センサ10によって計測された受光量Ctを記憶部35に記憶する。また、S4において、センサ10は、ウィンドウ101で反射された光の受光量(以下、受光量Cwと表記する。)を計測し、設定部31は、センサ10によって計測された受光量Cwを記憶部35に記憶する。
【0068】
S5において、設定部31は、全てのスキャン角度について、距離Rの計算処理及び記憶処理と、受光量Ct,Cwの計測処理及び記憶処理とが終わったかを判定する。全てのスキャン角度についての各処理が終わっていない場合(S5;NO)、S6に進み、設定部31は、スキャン角度を変更する。S1~S4の各処理が実行されることで、センサ10は、複数の方位を測定することが可能である。S7において、設定部31は、基準点監視を行うスキャン角度を設定する。すなわち、設定部31は、受光量の変動や測定対象物体の位置ずれを検知するための範囲(エリア)を設定する。
【0069】
S8において、設定部31は、基準点監視を行う各スキャン角度に対して、各閾値を設定する。具体的には、設定部31は、基準点監視の距離の閾値(R-A,R+A)と、安定的に監視できる距離の閾値(R-B,R+B)と、安定的に監視できる受光量の閾値(Ct-Ct’,Ct+Ct’)と、ウィンドウ異常を検知するための閾値(Cw-Cw’,Cw+Cw’)を設定する。閾値(R-A,R+A)は、測定対象物体の位置ずれが許容範囲を超えたか否かの判定時に用いる閾値である。閾値(R-B,R+B)は、測定対象物体の位置ずれを検知するために用いる閾値である。閾値(R-A)は、閾値(R-B)よりも小さい値である。閾値(R+A)は、閾値(R+B)よりも大きい値である。閾値(Ct-Ct’,Ct+Ct’)は、第1受光量の変動を検知するために用いる閾値である。閾値(Cw-Cw’,Cw+Cw’)は、第2受光量の変動を検知するために用いる閾値である。
【0070】
閾値(R-A,R+A)、閾値(R-B,R+B)、閾値(Ct-Ct’,Ct+Ct’)及び閾値(Cw-Cw’,Cw+Cw’)を、設計、実験又はシミュレーションによって求めてもよい。閾値(R-A,R+A)、閾値(R-B,R+B)、閾値(Ct-Ct’,Ct+Ct’)及び閾値(Cw-Cw’,Cw+Cw’)における(A)、(B)、(Ct’)及び(Cw’)の各値の設定方法は問わない。各閾値における(A)、(B)、(Ct’)及び(Cw’)の各値は、例えば、定数を用いてもよいし、アルゴリズムにより変動する場合がある。また、閾値(R-A,R+A)、閾値(R-B,R+B)、閾値(Ct-Ct’,Ct+Ct’)及び閾値(Cw-Cw’,Cw+Cw’)の上限及び下限に対して別の閾値(例えば、下限Ab、上限At)を更に設定してもよい。
【0071】
図13は、基準点監視処理の一例を示すフローチャートである。1サイクルが開始され、S11において、所定のスキャン角度が設定され、発光部22は光を出射(投光)する。S12において、受光部23が測定対象物体で反射された光を受光する。S13において、信号処理部21は、測定対象物体までの距離(以下、距離rと表記する。)を計算する。S14において、センサ10は、測定対象物体で反射された光の受光量、すなわち、第1受光量(以下、受光量ctとも表記する。)を計測する。第1取得部32は、センサ10から第1受光量の計測データを取得する。また、S14において、センサ10は、ウィンドウ101で反射された光の受光量、すなわち、第2受光量(以下、受光量cwとも
表記する。)を計測する。第2取得部33は、センサ10から第2受光量の計測データを取得する。
【0072】
S15において、判定部34は、距離rが閾値(R-A)以上であり、かつ、閾値(R+A)以下であるか否かを判定する。距離rが閾値(R-A)よりも小さい場合、又は、距離rが閾値(R+A)よりも大きい場合(S15;NO)、S16に進む。判定部34は、距離rが閾値(R-A)よりも小さいか否かの判定、及び、距離rが閾値(R+A)よりも大きいか否かの判定、の少なくとも一方を行ってもよい。
【0073】
S16において、生成部35は、外部装置を停止する停止信号を生成し、出力する。停止信号が外部装置に送られ、外部装置が停止信号を受け取ることにより、外部装置が停止する。生成部35は、センサユニット1に配線接続されたOSSD(Output Signal Switching Device)を介して、外部装置に停止信号を送ってもよい。OSSDは、オン状態及びオフ状態の何れか一方を示す安全制御信号を出力するための装置である。生成部35は、有線通信(例えば、EtherNet(登録商標)通信)又は無線通信により、外部装置に停止信号を送ってもよい。
【0074】
一方、距離rが閾値(R-A)以上であり、かつ、距離rが閾値(R+A)以下である場合(S15;YES)、S17に進む。S17において、判定部34は、距離rが閾値(R-B)よりも大きく、かつ、距離rが閾値(R+B)よりも小さいか否かを判定する。距離rが閾値(R-B)以下である場合、又は、距離rが閾値(R+B)以上である場合(S17;NO)、S18に進む。判定部34は、距離rが閾値(R-B)よりも大きいか否かの判定、及び、距離rが閾値(R+B)よりも小さいか否かの判定、の少なくとも一方を行ってもよい。距離rが閾値(R-A)以上であり、かつ、距離rが閾値(R-B)以下である場合、判定部34は、距離rが第1距離範囲内に含まれると判定する。また、距離rが閾値(R+B)以上であり、かつ、距離rが閾値(R+A)以下である場合、判定部34は、距離rが第2距離範囲内に含まれると判定する。
【0075】
S18において、生成部35は、測定対象物体の位置ずれに関する情報を生成する。表示装置13は、測定対象物体の位置ずれに関する情報を表示する。測定対象物体の位置ずれに関する情報は、文字、数字、記号、文字列、数字列、ピクトグラム、グラフ及び画像のうちの少なくとも一つを含んでもよい。例えば、測定対象物体の位置ずれに関する情報として数字及び記号などが表示装置13に表示された場合、ユーザーは、マニュアルなどを用いて調べることで、測定対象物体の位置がずれていることを把握することができる。また、表示装置13は、明滅パターンや点滅パターンにより測定対象物体の位置ずれに関する情報を表示してもよい。S18の処理が実行された後、S19に進む。
【0076】
一方、距離rが閾値(R-B)よりも大きく、かつ、距離rが閾値(R+B)よりも小さい場合(S17;YES)、S19に進む。S19において、異常箇所特定処理が実行される。
図14は、異常箇所特定処理の一例を示すフローチャートである。S31において、判定部34は、受光量ctが閾値(Ct-Ct’)以上であり、かつ、受光量ctが閾値(Ct+Ct’)以下であるか否かを判定する。
【0077】
受光量ctが閾値(Ct-Ct’)以上であり、かつ、受光量ctが閾値(Ct+Ct’)以下である場合(S31;YES)、判定部34は、物体側及びウィンドウ101側の何れにも異常は発生していないと判定する。この場合、異常箇所特定処理が終了し、S20に進む。
【0078】
一方、受光量ctが閾値(Ct-Ct’)よりも小さい場合、又は、受光量ctが閾値(Ct+Ct’)よりも大きい場合(S31;NO)、S32に進む。S32において、
判定部34は、受光量cwが閾値(Cw-Cw’)以上であり、かつ、受光量cwが閾値(Cw+Cw’)以下であるか否かを判定する。
【0079】
受光量cwが閾値(Cw-Cw’)以上であり、かつ、受光量cwが閾値(Cw+Cw’)以下である場合(S32;YES)、判定部34は、測定対象物体側に異常が発生していると判定し、S33に進む。このように、S31の処理で否定判定が行われ、S32の処理で肯定判定が行われた場合、判定部34は、第1受光量が第1所定範囲内に含まれておらず、かつ、第2受光量が第2所定範囲内に含まれている、と判定する。S33において、生成部35は、ターゲット異常情報を生成する。S34において、表示装置13は、ターゲット異常情報を表示する。ターゲット異常情報は、文字、数字、記号、文字列、数字列、ピクトグラム、グラフ及び画像のうちの少なくとも一つを含んでもよい。また、表示装置13は、明滅パターンや点滅パターンによりターゲット異常情報を表示してもよい。S34の処理が実行された後、異常箇所特定処理が終了し、S20に進む。
【0080】
一方、受光量cwが閾値(Cw-Cw’)よりも小さい場合、又は、受光量cwが閾値(Cw+Cw’)よりも大きい場合(S32;NO)、判定部34は、ウィンドウ101側に異常が発生していると判定し、S35に進む。このように、S31の処理で否定判定が行われ、S32の処理で否定判定が行われた場合、判定部34は、第1受光量が第1所定範囲内に含まれておらず、かつ、第2受光量が第2所定範囲内に含まれていない、と判定する。S35において、生成部35は、ウィンドウ異常情報を生成する。S36において、表示装置13は、ウィンドウ異常情報を表示する。ウィンドウ異常情報は、文字、数字、記号、文字列、数字列、ピクトグラム、グラフ及び画像のうちの少なくとも一つを含んでもよい。また、表示装置13は、明滅パターンや点滅パターンによりウィンドウ異常情報を表示してもよい。S36の処理が実行された後、異常箇所特定処理が終了し、S20に進む。
【0081】
S20において、判定部34は、全てのスキャン角度について、S11~S15、S17及びS19の各処理が終わったかを判定する。判定部34は、全てのスキャン角度についての各処理が終わっていない場合(S20;NO)、S21に進み、判定部34は、スキャン角度を変更する。全てのスキャン角度についての各処理が終了することにより、1サイクルが終了する。所定間隔(規則的又は不規則的な間隔)で複数のサイクルが実行されてもよい。
【0082】
複数のスキャン角度について、S11~S14の各処理を実行することで、センサ10は、複数の方位を測定する。複数のスキャン角度について、S15の処理を実行することで、判定部34は、複数の方位に対して第4判定及び第5判定の少なくとも一方を行う。生成部35は、複数の方位のうちの一つの方位における測定対象物体までの距離が第1所定距離よりも短いと所定回数判定された場合、又は、複数の方位のうちの一つの方位における測定対象物体までの距離が第4所定距離よりも長いと所定回数判定された場合、外部装置を停止する停止信号を生成し、外部装置に停止信号を送る。これにより、複数の方位のうちの一つの方位における測定対象物体の位置ずれが許容範囲を超えた場合に、外部装置を停止することができる。
【0083】
複数のスキャン角度について、S15及びS17の各処理を実行することで、判定部34は、複数の方位に対して第1判定及び第2判定の少なくとも一方を行う。生成部35は、複数の方位のうちの一つの方位における距離rが第1距離範囲内に含まれると所定回数判定された場合、又は、複数の方位のうちの一つの方位における距離rが第2距離範囲内に含まれると所定回数判定された場合、測定対象物体の位置ずれに関する情報を生成する。ユーザーは、複数の方位のうちの一つの方位における測定対象物体の位置ずれを把握することができる。
【0084】
複数のスキャン角度について、S14の処理が実行されることで、第1取得部32は、センサ10から複数の方位における第1受光量の計測データを取得し、第2取得部33は、センサ10から複数の方位における第2受光量の計測データを取得する。複数のスキャン角度について、S19の処理(異常箇所特定処理)が実行されることで、判定部34は、複数の方位における第1受光量と、複数の方位における第2受光量とに基づいて、物体側及びウィンドウ101側の何れに異常が発生しているかを判定する。
【0085】
判定部34及び生成部35の少なくとも一方が、カウンタ機能を有してもよい。判定部34及び生成部35の少なくとも一方は、S15、S17及びS32の各処理における否定判定(NO判定)の回数をカウントしてもよい。また、判定部34及び生成部35の少なくとも一方は、S32の処理における肯定判定(YES判定)の回数をカウントしてもよい。
【0086】
カウント機能を用いた第1の処理例について説明する。判定部34及び生成部35の少なくとも一方は、1サイクル中の否定判定の回数をカウントする。S15の処理において、否定判定が行われても、S16に進まずに、S17に進む。1サイクル中の連続した複数のスキャン角度について、S15の処理で否定判定が行われた場合、生成部35は、停止信号を生成し、出力する。生成部35は、複数の方位のうちの少なくとも二つの方位における距離rが第1所定距離よりも短いと所定回数判定された場合、停止信号を生成し、停止信号を外部装置に送ってもよい。生成部35は、複数の方位のうちの少なくとも二つの方位における距離rが第4所定距離よりも長いと所定回数判定された場合、停止信号を生成し、停止信号を外部装置に送ってもよい。これにより、複数の方位のうちの少なくとも二つの方位における測定対象物体の位置ずれが許容範囲を超えた場合に、外部装置を停止することができる。
【0087】
また、S17の処理において、否定判定が行われても、S18に進まずに、S19に進む。1サイクル中の連続した複数のスキャン角度について、S17の処理で否定判定が行われた場合、S18に進み、生成部35は、測定対象物体の位置ずれに関する情報を生成する。生成部35は、複数の方位のうちの少なくとも二つの方位における距離rが第1距離範囲内に含まれると所定回数判定された場合、又は、複数の方位のうちの少なくとも二つの方位における距離rが第2距離範囲内に含まれると所定回数判定された場合、測定対象物体の位置ずれに関する情報を生成してもよい。ユーザーは、複数の方位のうちの少なくとも二つの方位における測定対象物体の位置ずれを把握することができる。
【0088】
また、S32の処理において、肯定判定が行われても、S33に進まずに、S20に進む。1サイクル中の連続した複数のスキャン角度について、S32の処理で肯定判定が行われた場合、S33に進み、生成部35は、ターゲット異常情報を生成する。判定部34は、複数の方位のうちの少なくとも二つの方位における第1受光量が第1所定範囲内に含まれておらず、かつ、その少なくともの二つの方位における第2受光量が第2所定範囲内に含まれている、と所定回数判定した場合、測定対象物体側に異常が発生していると判定してもよい。これにより、例えば、複数の方位のうちの少なくとも二つの方位における第1受光量が変化しているが、その少なくとも二つの方位における第2受光量が変化していない場合、異常の発生原因の箇所が測定対象物体側にあると特定される。
【0089】
また、S32の処理において、否定判定が行われても、S33に進まずに、S20に進む。1サイクル中の連続した複数のスキャン角度について、S32の処理で否定判定が行われた場合、S33に進み、生成部35は、ウィンドウ異常情報を生成する。判定部34は、複数の方位のうちの少なくとも二つの方位における第1受光量が第1所定範囲内に含まれておらず、かつ、その少なくとも二つの方位における第2受光量が第2所定範囲内に
含まれていない、と所定回数判定した場合、ウィンドウ101側に異常が発生していると判定してもよい。これにより、例えば、複数の方位のうちの少なくとも二つの方位における第1受光量及び第2受光量が変化している場合、異常の発生原因の箇所がウィンドウ101側にあると特定される。
【0090】
カウント機能を用いた第2の処理例について説明する。判定部34及び生成部35の少なくとも一方は、複数のサイクルにおける同じスキャン角度についての否定判定の回数をカウントする。S15の処理において、否定判定が行われても、S16に進まずに、S17に進む。2以上のサイクルにわたって同じスキャン角度について、S15の処理で否定判定が行われた場合、生成部35は、停止信号を生成し、出力する。生成部35は、複数の方位のうちの一つの方位における距離rが第1所定距離よりも短いと2回以上判定された場合、停止信号を生成し、外部装置に停止信号を送ってもよい。生成部35は、複数の方位のうちの一つの方位における距離rが第4所定距離よりも長いと2回以上判定された場合、停止信号を生成し、外部装置に停止信号を送ってもよい。
【0091】
また、S17の処理において、否定判定が行われても、S18に進まずに、S19に進む。2以上のサイクルにわたって同じスキャン角度について、S17の処理で否定判定が行われた場合、S18に進み、生成部35は、測定対象物体の位置ずれに関する情報を生成する。このように、生成部35は、複数の方位のうちの一つの方位における距離rが第1距離範囲内に含まれると2回以上判定された場合、又は、複数の方位のうちの一つの方位における距離rが第2距離範囲内に含まれると2回以上判定された場合、測定対象物体の位置ずれに関する情報を生成してもよい。
【0092】
また、S32の処理において、肯定判定が行われても、S33に進まずに、S20に進む。2以上のサイクルにわたって同じスキャン角度について、S32の処理で肯定判定が行われた場合、S33に進み、生成部35は、ターゲット異常情報を生成する。このように、判定部34は、複数の方位のうちの一つの方位における第1受光量が第1所定範囲内に含まれておらず、かつ、その一つの方位における第2受光量が第2所定範囲内に含まれている、と2回以上判定した場合、測定対象物体側に異常が発生していると判定してもよい。これにより、例えば、複数の方位のうちの一つの方位における第1受光量が変化しているが、その一つの方位における第2受光量が変化していない場合、異常の発生原因の箇所が測定対象物体側にあると特定される。
【0093】
また、S32の処理において、否定判定が行われても、S33に進まずに、S20に進む。2以上のサイクルにわたって同じスキャン角度について、S32の処理で否定判定が行われた場合、S33に進み、生成部35は、ウィンドウ異常情報を生成する。このように、判定部34は、複数の方位のうちの一つの方位における第1受光量が第1所定範囲内に含まれておらず、かつ、その一つの方位における第2受光量が第2所定範囲内に含まれていない、と2回以上判定した場合、ウィンドウ101側に異常が発生していると判定してもよい。これにより、例えば、複数の方位のうちの一つの方位における第1受光量及び第2受光量が変化している場合、異常の発生原因の箇所がウィンドウ101側にあると特定される。
【0094】
図12~
図14に示す各処理は、第1受光量と、第3受光量とに基づいて、物体側及びウィンドウ101側の何れに異常が発生しているかを判定する処理に適用してもよい。この場合、S14において、受光器104又は制御回路が、ウィンドウ101で反射された光の受光量、すなわち、第3受光量を計測する。第2取得部33は、受光器104又は制御回路から第3受光量の計測データを取得する。なお、全てのスキャン角度について、物体側及びウィンドウ101側の何れに異常が発生しているかの判定を行う必要はない。複数の受光器104が設置されている位置に対応するスキャン角度について、物体側及びウ
ィンドウ101側の何れに異常が発生しているかの判定を行えばよい。
図13及び
図14に示すフローにおいては、「第2受光量」を「第3受光量」と読み替え、「第2所定範囲」を「第3所定範囲」と読み替える。
【0095】
生成部35は、有線通信又は無線通信により、測定対象物体の位置ずれに関する情報、ターゲット異常情報及びウィンドウ異常情報の少なくとも一方を外部表示装置に送ってもよい。外部表示装置は、センサユニット1とは別体の表示機器である。外部表示装置は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどである。外部表示装置は、パーソナルコンピュータ、タブレット又はスマートフォンなどの情報処理装置に設けられていてもよい。
【0096】
なお、測定対象物体の表面に付着物が付着する共に、ウィンドウ101の表面に付着物が付着する場合がある。このような場合、まず、センサユニット1は、ユーザーにウィンドウ101側に異常が発生していることを知らせてもよい。ウィンドウ101の表面の清掃が終了した後、センサユニット1は、ユーザーに測定対象物体側に異常が発生していることを知らせるようにしてもよい。
【0097】
測定対象物体の位置ずれに関する情報は、測定対象物体の外形と、測定対象物体の位置ずれが発生している箇所とを含んでもよい。
図15は、表示装置13の画面の一例を示す図である。例えば、
図15に示すように、枠200の位置ずれが発生している箇所を強調表示して、枠200の外形と、枠200の位置ずれが発生している箇所とを、表示装置13の画面に表示してもよい。
図15に示す例では、ターゲット(枠200)の位置がずれていることを示す情報が表示装置13の画面に表示されている。
【0098】
ターゲット異常情報は、測定対象物体の外形と、測定対象物体側の異常が発生している箇所とを含んでもよい。
図16は、表示装置13の画面の一例を示す図である。例えば、
図16に示すように、枠200側の異常が発生している箇所を強調表示して、枠200の外形と、枠200側の異常が発生している箇所とを、表示装置13の画面に表示してもよい。
図16に示す例では、ターゲット(枠200)側の受光量が変化していることを示す情報と、ターゲット(枠200)の表面の清掃を促す情報と、が表示装置13の画面に表示されている。
【0099】
また、ユーザーが、設定ツールを用いて、外部表示装置の画面に停止エリア及び警告エリアを設定してもよい。
図17は、停止エリア及び警告エリアの設定の一例を示す図である。
図17には、枠200の外形、停止エリア及び警告エリアが示されている。ユーザーは、設定ツールを用いて、停止エリアの範囲及び警告エリアの範囲を設定する。警告エリアの範囲が、許容範囲であってもよい。ユーザーは、停止エリアに基づいて、閾値(R-A,R+A)を設定し、警告エリアに基づいて、閾値(R-B,R+B)を設定してもよい。
【0100】
<その他>
上記実施形態は、本発明の構成例を例示的に説明するものに過ぎない。本発明は上記の具体的な形態には限定されることはなく、その技術的思想の範囲内で種々の変形が可能である。例えば、センサユニット1は、スキャナタイプのセンサを用いているが、これに限定されず、非スキャナタイプのセンサを用いてもよい。センサユニット1として非スキャナタイプのセンサを用いる場合、物体又は物体の近傍に複数のセンサユニット1を設けるようにしてもよい。
【0101】
上記で説明した各処理は、コンピュータが実行する方法として捉えてもよい。また、上記で説明した各処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを、ネットワークを通
じて、又は、非一時的にデータを保持するコンピュータ読取可能な記録媒体等からコンピュータに提供してもよい。
【0102】
<付記1>
発光部(22)と、受光部(23)と、ウィンドウ(101)と、信号処理部(21)と、出射器(103)と、反射体(105)と、受光器(104)とを有し、前記発光部(22)から出射されて前記ウィンドウ(101)を透過して物体で反射された光が前記ウィンドウ(101)を透過して前記受光部(23)によって受光されることにより前記物体までの距離を測定可能なセンサ(10)と、
前記物体で反射された光が前記受光部(23)によって受光されたときの光の光量である第1受光量を取得する第1取得部(32)と、
前記発光部(22)から出射されて前記ウィンドウ(101)で反射された光が前記受光部(23)によって受光されたときの光の光量である第2受光量、ならびに、前記出射器(103)から出射されて前記ウィンドウ(101)を透過して前記反射体(105)で反射された光及び前記出射器(103)から出射されて前記ウィンドウ(101)で反射された光が前記受光器(104)によって受光されたときの光の光量である第3受光量、の少なくとも一方を取得する第2取得部(33)と、
前記第1受光量と、前記第2受光量及び前記第3受光量の少なくとも一方とに基づいて、前記物体側及び前記ウィンドウ(101)側の何れに異常が発生しているかを判定する判定部(34)と、を備える
センサユニット(1)。
【0103】
<付記2>
発光部(22)と、受光部(23)とウィンドウ(101)と、出射器(103)と、反射体(105)と、受光器(104)とを有するセンサユニットの制御方法であって、
前記発光部(22)から出射されて前記ウィンドウ(101)を透過して物体で反射された光が前記ウィンドウ(101)を透過して前記受光部(23)によって受光されることにより前記物体までの距離を測定する測定ステップと、
前記物体で反射された光が前記受光部(23)によって受光されたときの光の光量である第1受光量を取得する第1取得ステップと、
前記発光部(22)から出射されて前記ウィンドウ(101)で反射された光が前記受光部(23)によって受光されたときの光の光量である第2受光量、ならびに、前記出射器(103)から出射されて前記ウィンドウ(101)を透過して前記反射体(105)で反射された光及び前記出射器(103)から出射されて前記ウィンドウ(101)で反射された光が前記受光器(104)によって受光されたときの光の光量である第3受光量、の少なくとも一方を取得する第2取得ステップと、
前記第1受光量と、前記第2受光量及び前記第3受光量の少なくとも一方とに基づいて、前記物体側及び前記ウィンドウ(101)側の何れに異常が発生しているかを判定する判定ステップと、を有する
センサユニット(1)の制御方法。
【0104】
<付記3>
発光部(22)と、受光部(23)と、ウィンドウ(101)と、出射器(103)と、反射体(105)と、受光器(104)とを有するセンサユニット(1)のプロセッサに、
前記発光部(22)から出射されて前記ウィンドウ(101)を透過して物体で反射された光が前記ウィンドウ(101)を透過して前記受光部(23)によって受光されることにより前記物体までの距離を測定する測定ステップと、
前記物体で反射された光が前記受光部(23)によって受光されたときの光の光量である第1受光量を取得する第1取得ステップと、
前記発光部(22)から出射されて前記ウィンドウ(101)で反射された光が前記受光部(23)によって受光されたときの光の光量である第2受光量、ならびに、前記出射器(103)から出射されて前記ウィンドウ(101)を透過して前記反射体(105)で反射された光及び前記出射器(103)から出射されて前記ウィンドウ(101)で反射された光が前記受光器(104)によって受光されたときの光の光量である第3受光量、の少なくとも一方を取得する第2取得ステップと、
前記第1受光量と、前記第2受光量及び前記第3受光量の少なくとも一方とに基づいて、前記物体側及び前記ウィンドウ(101)側の何れに異常が発生しているかを判定する判定ステップと、
を実行させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0105】
1・・・センサユニット
10・・・センサ
11・・・本体部
12・・・処理装置
13・・・表示装置
21・・・信号処理部
22・・・発光部
23・・・受光部
24・・・駆動回路
25・・・光学部品
31・・・設定部
32・・・第1取得部
33・・・第2取得部
34・・・判定部
35・・・生成部
36・・・表示制御部
37・・・記憶部
101・・・ウィンドウ
102・・・天面部
103・・・出射器
104・・・受光器
105・・・反射体