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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023152083
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】ドライブシステム
(51)【国際特許分類】
   H02P 5/46 20060101AFI20231005BHJP
【FI】
H02P5/46 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022062024
(22)【出願日】2022-04-01
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】阿部 亮介
(72)【発明者】
【氏名】大野 悌
(72)【発明者】
【氏名】山脇 聖
【テーマコード(参考)】
5H572
【Fターム(参考)】
5H572BB07
5H572DD02
5H572EE04
5H572HC07
5H572LL01
5H572LL32
5H572LL46
5H572MM09
5H572MM11
(57)【要約】
【課題】ドライブユニットの制御部が停止した場合でも、ドライブシステムの稼働を継続することを可能とする。
【解決手段】ドライブシステムは、コントローラと、第1ドライブユニットと、第2ドライブユニットとを備え、コントローラから送信される制御情報が第1ドライブユニット及び第2ドライブユニットを経由してコントローラに戻される。第1ドライブユニットは、第1通信部と、第1駆動部と、第1制御部と、を有し、第2ドライブユニットは、第2通信部と、第2駆動部と、第2制御部と、を有する。第1制御部は、第2制御部が動作している場合、第1駆動部を制御し、第2制御部が停止している場合、第1駆動部及び第2駆動部を制御する。第2制御部は、第1制御部が動作している場合、第2駆動部を制御し、第1制御部が停止している場合、第1駆動部及び第2駆動部を制御する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コントローラと、第1ドライブユニットと、第2ドライブユニットとを備え、前記コントローラから送信される制御情報が前記第1ドライブユニット及び前記第2ドライブユニットを経由して前記コントローラに戻されるドライブシステムであって、
前記第1ドライブユニットは、前記制御情報を送受信する第1通信部と、第1制御部と、前記第1ドライブユニットに接続された第1電動機を駆動する第1駆動部と、を有し、
前記第2ドライブユニットは、前記制御情報を送受信する第2通信部と、第2制御部と、前記第2ドライブユニットに接続された第2電動機を駆動する第2駆動部と、を有し、
前記第1制御部は、前記制御情報に基づいて、前記第1ドライブユニットと前記第2ドライブユニットとを接続する接続線を介して前記第1駆動部及び第2駆動部を制御可能であり、
前記第2制御部は、前記制御情報に基づいて、前記接続線を介して前記第1駆動部及び第2駆動部を制御可能であり、
前記第1制御部は、前記第2制御部が動作している場合、前記第1駆動部を制御し、前記第2制御部が停止している場合、前記第1駆動部及び前記第2駆動部を制御し、
前記第2制御部は、前記第1制御部が動作している場合、前記第2駆動部を制御し、前記第1制御部が停止している場合、前記第1駆動部及び前記第2駆動部を制御する、
ドライブシステム。
【請求項2】
前記コントローラが有する通信装置と前記第1通信部との間で前記制御情報が送受信され、かつ、前記第1通信部と前記第2通信部との間で前記制御情報が送受信され、
前記第1通信部が前記通信装置から前記制御情報を受信した場合、前記第1制御部が前記第1電動機の動作に関する第1動作情報及び前記第2電動機の動作に関する第2動作情報を前記制御情報に含ませる第1処理を行い、
前記第2通信部が前記第1通信部から前記制御情報を受信した場合、前記第2制御部が前記第1動作情報及び前記第2動作情報を前記制御情報に含ませる第2処理を行う、
請求項1に記載のドライブシステム。
【請求項3】
前記通信装置と前記第2通信部との間で前記制御情報が送受信され、
前記第2通信部が前記通信装置から前記制御情報を受信した場合、前記第2制御部が前記第2処理を行う、
請求項2に記載のドライブシステム。
【請求項4】
前記第1通信部が前記通信装置から前記制御情報を受信し、かつ、前記第2通信部が停止している場合、前記第1処理が行われた後、前記第1通信部が前記通信装置に前記制御情報を送信する、
請求項3に記載のドライブシステム。
【請求項5】
前記第1通信部が前記通信装置から前記制御情報を受信し、かつ、前記第2通信部及び前記第2制御部が停止している場合、前記第1処理が行われた後、前記第1通信部が前記通信装置に前記制御情報を送信する、
請求項3に記載のドライブシステム。
【請求項6】
前記第2通信部が前記通信装置から前記制御情報を受信し、かつ、前記第1通信部が停止している場合、前記第2処理が行われた後、前記第2通信部が前記通信装置に前記制御情報を送信する、
請求項3から5の何れか一項に記載のドライブシステム。
【請求項7】
前記第2通信部が前記通信装置から前記制御情報を受信し、かつ、前記第1通信部及び
前記第1制御部が停止している場合、前記第2処理が行われた後、前記第2通信部が前記通信装置に前記制御情報を送信する、
請求項3から5の何れか一項に記載のドライブシステム。
【請求項8】
前記第1制御部は、前記第2制御部が動作している場合、前記第1駆動部を制御すると共に前記第1動作情報を取得し、かつ、前記接続線を介して前記第1動作情報を前記第2制御部に送り、
前記第2制御部は、前記第1制御部が動作している場合、前記第2駆動部を制御すると共に前記第2動作情報を取得し、かつ、前記接続線を介して前記第2動作情報を前記第1制御部に送り、
請求項2から5の何れか一項に記載のドライブシステム。
【請求項9】
前記通信装置は、前記第1電動機の駆動に関する第1指令値を格納する第1領域と、前記第2電動機の駆動に関する第2指令値を格納する第2領域と、第3領域と、第4領域と、第5領域と、第6領域とを含む前記制御情報を送信し、
前記第1制御部は、前記第3領域に前記第1動作情報を格納し、前記第4領域に前記第2動作情報を格納し、
前記第2制御部は、前記第5領域に前記第1動作情報を格納し、前記第6領域に前記第2動作情報を格納する、
請求項2から5の何れか一項に記載のドライブシステム。
【請求項10】
前記通信装置は、前記第1電動機の駆動に関する第1指令値を格納する第1領域と、前記第2電動機の駆動に関する第2指令値を格納する第2領域と、第3領域と、第4領域とを含む前記制御情報を送信し、
前記第1制御部は、前記第3領域に前記第1動作情報を格納し、前記第4領域に前記第2動作情報を格納し、
前記第2制御部は、前記第3領域に前記第1動作情報を格納し、前記第4領域に前記第2動作情報を格納する、
請求項2から5の何れか一項に記載のドライブシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドライブシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
モータを駆動するドライブシステムでは、一般に、PLC(Programmable Logic Controller)等のコントローラからの指令に従って、ドライブユニット(ドライバ)によるモ
ータ制御が行われたり、予め設定された情報に基づいて、ドライブユニットによるモータ制御が行われたりする。特許文献1には、複数のサーボモータを制御して駆動するサーボドライブシステムに関する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-169497号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ドライブシステムにおいて、ドライブユニットの制御部に故障が発生することにより制御部が停止した場合、ドライブユニットが停止し、製造中のワークが破損する可能性がある。また、故障した制御部の交換が終わるまでドライブシステムの再稼働を行うことができず、作業効率が低下する。
【0005】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、ドライブユニットの制御部が停止した場合でも、ドライブシステムの稼働を継続することが可能な技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の一側面に係るドライブシステムは、コントローラと、第1ドライブユニットと、第2ドライブユニットとを備え、前記コントローラから送信される制御情報が前記第1ドライブユニット及び前記第2ドライブユニットを経由して前記コントローラに戻されるドライブシステムであって、前記第1ドライブユニットは、前記制御情報を送受信する第1通信部と、第1制御部と、前記第1ドライブユニットに接続された第1電動機を駆動する第1駆動部と、を有し、前記第2ドライブユニットは、前記制御情報を送受信する第2通信部と、第2制御部と、前記第2ドライブユニットに接続された第2電動機を駆動する第2駆動部と、を有し、前記第1制御部は、前記制御情報に基づいて、前記第1ドライブユニットと前記第2ドライブユニットとを接続する接続線を介して前記第1駆動部及び第2駆動部を制御可能であり、前記第2制御部は、前記制御情報に基づいて、前記接続線を介して前記第1駆動部及び第2駆動部を制御可能であり、前記第1制御部は、前記第2制御部が動作している場合、前記第1駆動部を制御し、前記第2制御部が停止している場合、前記第1駆動部及び前記第2駆動部を制御し、前記第2制御部は、前記第1制御部が動作している場合、前記第2駆動部を制御し、前記第1制御部が停止している場合、前記第1駆動部及び前記第2駆動部を制御する。
【0007】
第2ドライブユニットの第2制御部が停止した場合、第1ドライブユニットの第1制御部が、接続線を介して第2ドライブユニットの第2駆動部を制御して、第2ドライブユニットに接続された第2電動機を駆動する。第2ドライブユニットの第2制御部が停止した場合であっても、第2ドライブユニットの隣接の第1ドライブユニットの第1制御部が第2ドライブユニットの第2駆動部を制御することで、第2ドライブユニットに接続された
第2電動機の停止を回避することができる。これにより、第2ドライブユニットの停止が回避され、ドライブシステムの稼働を継続することができる。第1ドライブユニットの第1制御部が停止した場合、第2ドライブユニットの第2制御部が、接続線を介して第1ドライブユニットの第1駆動部を制御して、第1ドライブユニットに接続された第1電動機を駆動する。第1ドライブユニットの第1制御部が停止した場合であっても、第1ドライブユニットの隣接の第2ドライブユニットの第2制御部が第1ドライブユニットの第1駆動部を制御することで、第1ドライブユニットに接続された第1電動機の停止を回避することができる。これにより、第1ドライブユニットの停止が回避され、ドライブシステムの稼働を継続することができる。
【0008】
本ドライブユニットは、次の特徴を備えてもよい。前記コントローラが有する通信装置と前記第1通信部との間で前記制御情報が送受信され、かつ、前記第1通信部と前記第2通信部との間で前記制御情報が送受信され、前記第1通信部が前記通信装置から前記制御情報を受信した場合、前記第1制御部が前記第1電動機の動作に関する第1動作情報及び前記第2電動機の動作に関する第2動作情報を前記制御情報に含ませる第1処理を行い、前記第2通信部が前記第1通信部から前記制御情報を受信した場合、前記第2制御部が前記第1動作情報及び前記第2動作情報を前記制御情報に含ませる第2処理を行う。第1処理が行われることにより、制御情報は、第1動作情報及び第2動作情報を含む。したがって、第2ドライブユニットの第2制御部が停止した場合であっても、コントローラは、制御情報から第1動作情報及び第2動作情報を取得することができる。そのため、コントローラは、第2動作情報に基づいて、第2モータの駆動に関する指令値を制御情報に含めることが可能になる。これにより、第2ドライブユニットの停止が回避され、ドライブシステムの稼働を継続することができる。第2処理が行われることにより、制御情報は、第1動作情報及び第2動作情報を含む。したがって、第1ドライブユニットの第1制御部が停止した場合であっても、コントローラは、制御情報から第1動作情報及び第2動作情報を取得することができる。そのため、コントローラは、第1動作情報に基づいて、第1モータの駆動に関する指令値を制御情報に含めることが可能になる。これにより、第1ドライブユニットの停止が回避され、ドライブシステムの稼働を継続することができる。
【0009】
本ドライブユニットは、次の特徴を備えてもよい。前記通信装置と前記第2通信部との間で前記制御情報が送受信され、前記第2通信部が前記通信装置から前記制御情報を受信した場合、前記第2制御部が前記第2処理を行う。これにより、第2ドライブユニットの第2通信部が通信装置から制御情報を受信した場合に、第2ドライブユニットの第2制御部によって第2処理が行われるようになる。
【0010】
本ドライブユニットは、次の特徴を備えてもよい。前記第1通信部が前記通信装置から前記制御情報を受信し、かつ、前記第2通信部が停止している場合、前記第1処理が行われた後、前記第1通信部が前記通信装置に前記制御情報を送信する。第1ドライブユニットの第1制御部が第1処理を行った後に第1ドライブユニットの第1通信部が通信装置に制御情報を送るため、制御情報は、第1動作情報及び第2動作情報を含む。
【0011】
本ドライブユニットは、次の特徴を備えてもよい。前記第1通信部が前記通信装置から前記制御情報を受信し、かつ、前記第2通信部及び前記第2制御部が停止している場合、前記第1処理が行われた後、前記第1通信部が前記通信装置に前記制御情報を送信する。第1ドライブユニットの第1制御部が第1処理を行った後に第1ドライブユニットの第1通信部が通信装置に制御情報を送るため、制御情報は、第1動作情報及び第2動作情報を含む。
【0012】
本ドライブユニットは、次の特徴を備えてもよい。前記第2通信部が前記通信装置から前記制御情報を受信し、かつ、前記第1通信部が停止している場合、前記第2処理が行わ
れた後、前記第2通信部が前記通信装置に前記制御情報を送信する。第2ドライブユニットの第2制御部が第2処理を行った後に第2ドライブユニットの第2通信部が通信装置に制御情報を送るため、制御情報は、第1動作情報及び第2動作情報を含む。
【0013】
本ドライブユニットは、次の特徴を備えてもよい。前記第2通信部が前記通信装置から前記制御情報を受信し、かつ、前記第1通信部及び前記第1制御部が停止している場合、前記第2処理が行われた後、前記第2通信部が前記通信装置に前記制御情報を送信する。第2ドライブユニットの第2制御部が第2処理を行った後に第2ドライブユニットの第2通信部が通信装置に制御情報を送るため、制御情報は、第1動作情報及び第2動作情報を含む。
【0014】
本ドライブユニットは、次の特徴を備えてもよい。前記第1制御部は、前記第2制御部が動作している場合、前記第1駆動部を制御すると共に前記第1動作情報を取得し、かつ、前記接続線を介して前記第1動作情報を前記第2制御部に送り、前記第2制御部は、前記第1制御部が動作している場合、前記第2駆動部を制御すると共に前記第2動作情報を取得し、かつ、前記接続線を介して前記第2動作情報を前記第1制御部に送る。これにより、第1ドライブユニットの第1制御部と第2ドライブユニットの第2制御部との間で、第1動作情報及び第2動作情報を共有することができる。
【0015】
本ドライブユニットは、次の特徴を備えてもよい。前記通信装置は、前記第1電動機の駆動に関する第1指令値を格納する第1領域と、前記第2電動機の駆動に関する第2指令値を格納する第2領域と、第3領域と、第4領域と、第5領域と、第6領域とを含む前記制御情報を送信し、前記第1制御部は、前記第3領域に前記第1動作情報を格納し、前記第4領域に前記第2動作情報を格納し、前記第2制御部は、前記第5領域に前記第1動作情報を格納し、前記第6領域に前記第2動作情報を格納する。これにより、制御情報には、第1指令値と、第2指令値と、第1ドライブユニットの第1制御部によって格納された第1動作情報及び第2動作情報と、第2ドライブユニットの第2制御部によって格納された第1動作情報及び第2動作情報とが含まれる。
【0016】
本ドライブユニットは、次の特徴を備えてもよい。前記通信装置は、前記第1電動機の駆動に関する第1指令値を格納する第1領域と、前記第2電動機の駆動に関する第2指令値を格納する第2領域と、第3領域と、第4領域とを含む前記制御情報を送信し、前記第1制御部は、前記第3領域に前記第1動作情報を格納し、前記第4領域に前記第2動作情報を格納し、前記第2制御部は、前記第3領域に前記第1動作情報を格納し、前記第4領域に前記第2動作情報を格納する。これにより、制御情報には、第1指令値と、第2指令値と、第1ドライブユニットの第1制御部又は第2ドライブユニットの第2制御部によって格納された第1動作情報及び第2動作情報とが含まれる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ドライブユニットの制御部が停止した場合でも、ドライブシステムの稼働を継続することが可能な技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、第1実施形態に係るドライブシステムの構成の一例を示す図である。
図2図2は、制御情報の一例を示す図である。
図3図3は、制御部が停止した場合の各ドライブユニットの動作の一例を示す図である。
図4図4は、制御情報の一例を示す図である。
図5図5は、各ドライブユニットの各構成の一例を示す図である。
図6図6は、制御部が停止した場合の各ドライブユニットの動作の一例を示す図である。
図7図7は、比較例に係るドライブシステムの構成を示す図である。
図8図8は、比較例に係るフレームを示す図である。
図9図9は、比較例に係る通信部が停止した場合の各ドライブユニットの動作を示す図である。
図10図10は、第2実施形態に係る各ドライブシステムの構成の一例を示す図である。
図11図11は、通信部及び制御部が停止した場合の各ドライブユニットの動作の一例を示す図である。
図12図12は、制御情報の一例を示す図である。
図13図13は、比較例に係るドライブシステムの構成を示す図である。
図14図14は、比較例に係る通信部が停止した場合の各ドライブユニットの動作を示す図である。
図15図15は、変形例における制御情報を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<第1実施形態>
図面を参照して第1実施形態に係るドライブシステムについて説明する。図1は、第1実施形態に係るドライブシステム100の構成の一例を示す図である。ドライブシステム100は、PLC1、ドライブユニット2A,2B及びモータ3A,3Bを備える。ドライブユニット2Aは、PLC1からの指令に基づいて、モータ(サーボモータ)3A,3Bの制御を行う。ドライブユニット2Aは、第1ドライブユニットの一例である。ドライブユニット2Bは、PLC1からの指令に基づいて、モータ3A,3Bの制御を行う。ドライブユニット2Bは、第2ドライブユニットの一例である。図1では、ドライブユニット2A,2Bの制御対象はモータ3A,3Bであるが、図1の構成に限定されず、ドライブユニット2A,2Bの制御対象は他の機器であってもよい。PLC1とドライブユニット2A,2Bとは有線によって接続されている。PLC1及びドライブユニット2A,2Bにおける通信方法として、例えば、EtherCAT(登録商標)などの通信プロトコルを用いてもよい。ドライブユニット2Aにモータ3Aが接続され、ドライブユニット2Bにモータ3Bが接続されている。モータ3Aは、第1電動機の一例である。モータ3Bは、第2電動機の一例である。
【0020】
PLC1は、予め準備されたプログラムに従う処理を実行することによって、例えば、ドライブシステム100の監視装置として機能する。PLC1は、コントローラの一例である。PLC1から制御情報が送信される。図1に示すドライブシステム100では、PLC1から送信される制御情報が、ドライブユニット2A,2Bを経由してPLC1に戻される。制御情報は、モータ3Aの駆動に関する指令値(第1指令値)と、モータ3Bの駆動に関する指令値(第2指令値)とを含む。制御情報の詳細については後述する。
【0021】
ドライブユニット2A,2Bには、ドライブユニット2Aとドライブユニット2Bとを接続する接続線である内蔵バス20が設けられている。ドライブユニット2Aは、通信部21Aと、制御部22Aと、駆動部23Aと、動力コネクタ24Aとを有する。ドライブユニット2Bは、通信部21Bと、制御部22Bと、駆動部23Bと、動力コネクタ24Bとを有する。通信部21A,21Bは、制御情報を送受信する。通信部21Aは、第1通信部の一例である。通信部21Bは、第2通信部の一例である。PLC1が有する通信装置11と通信部21Aとの間で制御情報が送受信される。また、通信部21Aと通信部21Bとの間で制御情報が送受信される。
【0022】
ドライブユニット2Aには、動力コネクタ24Aを介してモータ3Aが接続されている
。駆動部23Aは、ドライブユニット2Aに接続されたモータ3Aを駆動する駆動回路である。駆動部23Aは、第1駆動部の一例である。ドライブユニット2Bには、動力コネクタ24Bを介してモータ3Bが接続されている。駆動部23Bは、ドライブユニット2Bに接続されたモータ3Bを駆動する駆動回路である。駆動部23Bは、第2駆動部の一例である。
【0023】
制御部22Aは、制御情報に基づいて、内蔵バス20を介して駆動部23A,23Bを制御可能である。制御部22Aは、第1制御部の一例である。制御部22Bは、制御情報に基づいて、内蔵バス20を介して駆動部23A,23Bを制御可能である。制御部22Bは、第2制御部の一例である。制御部22Aは、制御部22Bが動作している場合、駆動部23Aを制御し、制御部22Bが停止している場合、駆動部23A,23Bを制御する。制御部22Bの停止は、制御部22Bの故障などが原因で、制御部22Bの修理や交換が必要な場合や、制御部22Bの再起動が必要な場合などを含む。制御部22Aは、駆動部23Aを制御することで、モータ3Aを制御し、駆動部23Bを制御することで、モータ3Bを制御する。制御情報は、モータ3Aの駆動に関する指令値及びモータ3Bの駆動に関する指令値を含む。制御部22Aは、制御情報からモータ3Aの駆動に関する指令値を取得し、モータ3Aの駆動に関する指令値に基づいて、駆動部23Aを制御する。制御部22Aは、制御情報からモータ3Bの駆動に関する指令値を取得し、モータ3Bの駆動に関する指令値に基づいて、駆動部23Bを制御する。
【0024】
制御部22Bは、制御部22Aが動作している場合、駆動部23Bを制御し、制御部22Aが停止している場合、駆動部23A,23Bを制御する。制御部22Aの停止は、制御部22Aの故障などが原因で、制御部22Aの修理や交換が必要な場合や、制御部22Aの再起動が必要な場合などを含む。制御部22Bは、駆動部23Aを制御することで、モータ3Aを制御し、駆動部23Bを制御することで、モータ3Bを制御する。制御部22Bは、制御情報からモータ3Aの駆動に関する指令値を取得し、モータ3Aの駆動に関する指令値に基づいて、駆動部23Aを制御する。制御部22Bは、制御情報からモータ3Bの駆動に関する指令値を取得し、モータ3Bの駆動に関する指令値に基づいて、駆動部23Bを制御する。
【0025】
図2は、制御情報の一例を示す図である。図2の(A-1)及び(A-2)には、制御情報の一例であるフレームが示されており、図2の(A-1)のフレームは、PLC1から送信されるフレームであり、図2の(A-2)のフレームは、PLC1が受信したフレームである。図2のフレームは、例えば、EtherCAT(登録商標)フレームであってもよい。図2のフレームは、ヘッダと、フッタと、指令値(A)を格納する領域(1)と、指令値(B)を格納する領域(2)と、現在値(A)を格納する領域(3)と、現在値(B)を格納する領域(4)と、現在値(A)を格納する領域(5)と、現在値(B)を格納する領域(6)とを含む。指令値(A)は、モータ3Aの駆動に関する指令値であり、指令値(B)は、モータ3Bの駆動に関する指令値である。フレームの領域(3)及び(4)は、制御部22Aによって更新される領域であり、フレームの領域(5)及び(6)は、制御部22Bによって更新される領域である。図2の(A-1)のフレームは、ドライブユニット2A,2Bを経由していないため、フレームの領域(3)~(6)に現在値(A)及び(B)が格納されていない。
【0026】
通信部21Aが通信装置11から制御情報を受信した場合、制御部22Aは、モータ3Aの動作に関する第1動作情報及びモータ3Bの動作に関する第2動作情報を制御情報に含ませる処理(以下、第1処理と表記する。)を行う。モータ3Aの動作に関する第1動作情報は、例えば、モータ3Aの回転速度、位置などの情報を含む。モータ3Bの動作に関する第2動作情報は、例えば、モータ3Bの回転速度、位置などの情報を含む。通信部21Aが通信装置11からフレームを受信した場合、制御部22Aは、フレームの領域(
3)に第1動作情報である現在値(A)を格納し、フレームの領域(4)に第2動作情報である現在値(B)を格納する。通信部21Bが通信部21Aから制御情報を受信した場合、制御部22Bは、第1動作情報及び第2動作情報を制御情報に含ませる処理(以下、第2処理と表記する。)を行う。通信部21Bが通信部21Aからフレームを受信した場合、制御部22Bは、フレームの領域(5)に第1動作情報である現在値(A)を格納し、フレームの領域(6)に第2動作情報である現在値(B)を格納する。図2の(A-2)に示すように、制御部22Aによりフレームの領域(3)及び(4)が更新され、制御部22Bによりフレームの領域(5)及び(6)が更新されることにより、フレームの領域(3)及び(5)に現在値(A)が格納され、フレームの領域(4)及び(6)に現在値(B)が格納される。したがって、フレームには、指令値(A)と、指令値(B)と、制御部22Aによって格納された現在値(A)及び(B)と、制御部22Bによって格納された現在値(A)及び(B)とが含まれる。
【0027】
通信装置11は、ドライブユニット2A,2Bを経由した制御情報を受信する。PLC1は、制御情報から制御部22Aによって格納された第1動作情報を取得し、制御情報から制御部22Bによって格納された第2動作情報を取得する。通信装置11が図2の(A-2)のフレームを受信した場合、PLC1は、フレームの領域(3)に格納された現在値(A)を取得し、フレームの領域(6)に格納された現在値(B)を取得する。PLC1は、取得した現在値(A)及び(B)を使用して、所定の処理を行う。
【0028】
通信部21AがPLC1から制御情報を受信した場合、制御部22Aは、制御情報からモータ3Aの駆動に関する指令値及びモータ3Bの駆動に関する指令値を取得する。また、通信部21Bが通信部21Aから制御情報を受信した場合、制御部22Bは、制御情報からモータ3Aの駆動に関する指令値及びモータ3Bの駆動に関する指令値を取得する。このように、ドライブユニット2Aとドライブユニット2Bとの間で、モータ3Aの駆動に関する指令値及びモータ3Bの駆動に関する指令値を共有することができる。
【0029】
制御部22Aは、制御部22Bが動作している場合、駆動部23Aを制御すると共に第1動作情報を取得し、かつ、内蔵バス20を介して第1動作情報を制御部22Bに送る。制御部22Bは、制御部22Aが動作している場合、駆動部23Bを制御すると共に第2動作情報を取得し、かつ、内蔵バス20を介して第2動作情報を制御部22Aに送る。このように、ドライブユニット2Aの制御部22Aとドライブユニット2Bの制御部22Bとの間で、モータ3Aの動作に関する情報(第1動作情報)及びモータ3Bの動作に関する情報(第2動作情報)を共有することができる。
【0030】
制御部22Aは、制御部22Bが停止している場合、駆動部23A及び駆動部23Bを制御すると共に第1動作情報及び第2動作情報を取得する。制御部22Bは、制御部22Aが停止している場合、駆動部23A及び駆動部23Bを制御すると共に第1動作情報及び第2動作情報を取得する。
【0031】
図3は、制御部22Aが停止した場合のドライブユニット2A,2Bの動作の一例を示す図である。制御部22Aが停止している場合、制御部22Bは、制御情報に基づいて、駆動部23A,23Bを制御する。図4は、制御情報の一例を示す図である。図4の(A-3)及び(A-4)には、制御情報の一例であるフレームが示されており、図4の(A-3)のフレームは、PLC1から送信されるフレームであり、図4の(A-4)のフレームは、PLC1が受信したフレームである。図4の(A-3)のフレームは、図2の(A-1)のフレームと同様である。制御部22Aが停止しているため、図4の(A-4)のフレームの領域(3)及び(4)に現在値(A)及び(B)が格納されていない。通信部21Bが通信部21Aから制御情報を受信した場合、制御部22Aは第2処理を行う。通信部21Bが通信部21Aからフレームを受信した場合、制御部22Bは、フレームの
領域(5)に第1動作情報である現在値(A)を格納し、フレームの領域(6)に第2動作情報である現在値(B)を格納する。図4の(A-4)のフレームに示すように、フレームの領域(5)に現在値(A)が格納され、フレームの領域(6)に現在値(B)が格納される。通信部21Bは、現在値(A)及び(B)が格納されたフレームを通信部21Aに送信する。なお、制御部22Aが停止しているため、第1処理は行われない。
【0032】
通信装置11は、ドライブユニット2A,2Bを経由した制御情報を受信する。PLC1は、制御情報から制御部22Bによって格納された第1動作情報及び第2動作情報を取得する。通信装置11が図4の(A-4)のフレームを受信した場合、PLC1は、フレームの領域(5)に格納された現在値(A)を取得し、フレームの領域(6)に格納された現在値(B)を取得する。PLC1は、取得した現在値(A)及び(B)を使用して、所定の処理を行う。
【0033】
図5は、ドライブユニット2A,2Bの各構成の一例を示す図である。図1と比較して、制御部22Aがモータ制御信号演算部(以下、演算部と表記する。)25Aを有し、制御部22Bが演算部25Bを有する。また、図1と比較して、モータ3Aの近傍にエンコーダ4Aが設けられ、モータ3Bの近傍にエンコーダ4Bが設けられている。演算部25Aは、制御情報に含まれる指令値(A)に基づいて、モータ3Aの駆動を制御するための制御信号を生成し、出力する。モータ3Aの駆動を制御するための制御信号は、内蔵バス20を介して駆動部23Aに入力される。駆動部23Aは、モータ3Aの駆動を制御するための制御信号に従い、モータ3Aを駆動する。エンコーダ4Aは、モータ3Aの位置情報を駆動部23Aに送る。駆動部23Aは、内蔵バス20を介してモータ3Aの位置情報を演算部25Aに送る。演算部25Aは、モータ3Aの位置情報を取得し、内蔵バス20を介してモータ3Aの位置情報を演算部25Bに送る。また、駆動部23Aは、内蔵バス20を介してモータ3Aの位置情報を演算部25Bに送ってもよい。
【0034】
演算部25Bは、制御情報に含まれる指令値(B)に基づいて、モータ3Bの駆動を制御するための制御信号を生成し、出力する。モータ3Bの駆動を制御するための制御信号は、内蔵バス20を介して駆動部23Bに入力される。駆動部23Bは、モータ3Bの駆動を制御するための制御信号に従い、モータ3Bを駆動する。エンコーダ4Bは、モータ3Bの位置情報を駆動部23Bに送る。駆動部23Bは、内蔵バス20を介してモータ3Bの位置情報を演算部25Bに送る。演算部25Bは、モータ3Bの位置情報を取得し、内蔵バス20を介してモータ3Bの位置情報を演算部25Aに送る。また、駆動部23Bは、内蔵バス20を介してモータ3Bの位置情報を演算部25Aに送ってもよい。
【0035】
演算部25Aは、モータ3Aの位置情報に基づいて現在値(A)を生成し、モータ3Bの位置情報に基づいて現在値(B)を生成する。演算部25Aは、制御情報に現在値(A)及び現在値(B)が含まれるように、制御情報の所定領域に現在値(A)及び現在値(B)を格納する。演算部25Bは、モータ3Aの位置情報に基づいて現在値(A)を生成し、モータ3Bの位置情報に基づいて現在値(B)を生成する。演算部25Bは、制御情報に現在値(A)及び現在値(B)が含まれるように、制御情報の所定領域に現在値(A)及び現在値(B)を格納する。
【0036】
図6は、制御部22Aが停止した場合のドライブユニット2A,2Bの動作の一例を示す図である。制御部22Aが停止している場合、制御部22Bは、制御情報に基づいて、駆動部23A,23Bを制御する。演算部25Bは、制御情報に含まれる指令値(A)に基づいて、モータ3Aの駆動を制御するための制御信号を生成し、出力する。また、演算部25Bは、制御情報に含まれる指令値(B)に基づいて、モータ3Bの駆動を制御するための制御信号を生成し、出力する。モータ3Aの駆動を制御するための制御信号は、内蔵バス20を介して駆動部23Aに入力される。モータ3Bの駆動を制御するための制御
信号は、内蔵バス20を介して駆動部23Bに入力される。駆動部23Aは、モータ3Aの駆動を制御するための制御信号に従い、モータ3Aを駆動する。駆動部23Bは、モータ3Bの駆動を制御するための制御信号に従い、モータ3Bを駆動する。
【0037】
エンコーダ4Aは、モータ3Aの位置情報を駆動部23Aに送る。エンコーダ4Bは、モータ3Bの位置情報を駆動部23Bに送る。駆動部23Aは、内蔵バス20を介してモータ3Aの位置情報を演算部25Bに送る。駆動部23Bは、内蔵バス20を介してモータ3Bの位置情報を演算部25Bに送る。演算部25Bは、モータ3Aの位置情報及びモータ3Bの位置情報を取得する。演算部25Bは、モータ3Aの位置情報に基づいて現在値(A)を生成し、モータ3Bの位置情報に基づいて現在値(B)を生成する。演算部25Bは、制御情報に現在値(A)及び現在値(B)が含まれるように、制御情報の所定領域に現在値(A)及び現在値(B)を格納する。
【0038】
図6に示すように、制御部22Aが停止した場合、制御部22Bが、内蔵バス20を介して、駆動部23Aにアクセスし、モータ3Aを制御する。これにより、制御部22Bが、駆動部23Aを制御してモータ3Aを駆動することができる。このように、ドライブユニット2Aの制御部22Aが停止した場合であっても、ドライブユニット2Aの隣接のドライブユニット2Bの制御部22Bが駆動部23Aを制御することで、モータ3Aの停止を回避することができる。ドライブユニット2Aの停止が回避され、ドライブシステム100の稼働を継続することができる。
【0039】
第2処理が行われることにより、制御情報は、第1動作情報及び第2動作情報を含む。したがって、ドライブユニット2Aの制御部22Aが停止した場合であっても、PLC1は、制御情報から第1動作情報及び第2動作情報を取得することができる。そのため、PLC1は、第1動作情報に基づいて、モータ3Aの駆動に関する指令値を制御情報に含めることが可能になる。これにより、ドライブユニット2Aの停止が回避され、ドライブシステム100の稼働を継続することができる。
【0040】
ドライブユニット2Aは、ドライブユニット2Aの制御対象であるモータ3Aの現在値(A)と、ドライブユニット2Bの制御対象であるモータ3Bの現在値(B)と、をPLC1に送る。すなわち、ドライブユニット2Aは、ドライブユニット2Aの制御対象であるモータ3Aの動作に関する情報(第1動作情報)と、ドライブユニット2Bの制御対象であるモータ3Bの動作に関する情報(第2動作情報)とが含まれた制御情報をPLC1に送る。これにより、ドライブユニット2Bの制御部22Bに故障が発生した場合であっても、PLC1は、制御情報を受信することで、第1動作情報及び第2動作情報を取得することができる。
【0041】
ドライブユニット2Bは、ドライブユニット2Aの制御対象であるモータ3Aの現在値(A)と、ドライブユニット2Bの制御対象であるモータ3Bの現在値(B)と、をPLC1に送る。すなわち、ドライブユニット2Bは、ドライブユニット2Aの制御対象であるモータ3Aの動作に関する情報(第1動作情報)と、ドライブユニット2Bの制御対象であるモータ3Bの動作に関する情報(第1動作情報)とが含まれた制御情報をPLC1に送る。これにより、ドライブユニット2Aの制御部22Aに故障が発生した場合であっても、PLC1は、制御情報を受信することで、第1動作情報及び第2動作情報を取得することができる。
【0042】
制御部22Bが停止した場合のドライブユニット2A,2Bの動作の一例について説明する。制御部22Bが停止している場合、制御部22Aは、制御情報に基づいて、駆動部23A,23Bを制御する。これにより、制御部22Aが、駆動部23Bを制御してモータ3Bを駆動することができる。このように、ドライブユニット2Bの制御部22Bが停
止した場合であっても、ドライブユニット2Bの隣接のドライブユニット2Aの制御部22Aが駆動部23Bを制御することで、モータ3Bの停止を回避することができる。ドライブユニット2Bの停止が回避され、ドライブシステム100の稼働を継続することができる。通信部21Aが通信装置11から制御情報を受信し、かつ、制御部22Bが停止している場合、制御部22Aは第1処理を行う。第1処理が行われた後、通信部21Aが通信装置11に制御情報を送る。
【0043】
第1処理が行われることにより、制御情報は、第1動作情報及び第2動作情報を含む。したがって、ドライブユニット2Bの制御部22Bが停止した場合であっても、PLC1は、制御情報から第1動作情報及び第2動作情報を取得することができる。そのため、PLC1は、第2動作情報に基づいて、モータ3Bの駆動に関する指令値を制御情報に含めることが可能になる。これにより、ドライブユニット2Bの停止が回避され、ドライブシステム100の稼働を継続することができる。
【0044】
通信部21B及び制御部22Bが停止した場合のドライブユニット2A,2Bの動作の一例について説明する。制御部22Bが停止している場合、制御部22Aは、制御情報に基づいて、駆動部23A,23Bを制御する。通信部21Aが通信装置11から制御情報を受信し、かつ、通信部21B及び制御部22Bが停止している場合、制御部22Aは第1処理を行う。第1処理が行われた後、通信部21Aが通信装置11に制御情報を送る。
【0045】
図7は、比較例に係るドライブシステム200の構成を示す図である。ドライブシステム200は、PLC201、ドライブユニット202A,202B及びモータ203A,203Bを備える。PLC201は、通信装置211を有する。ドライブユニット202Aは、通信部221Aと、制御部222Aと、動力コネクタ223Aとを有する。ドライブユニット202Aには、動力コネクタ223Aを介してモータ203Aが接続されている。ドライブユニット202Bは、通信部221Bと、制御部222Bと、動力コネクタ223Bとを有する。ドライブユニット202Bには、動力コネクタ223Bを介してモータ203Bが接続されている。
【0046】
図8は、比較例に係るフレームを示す図である。図8の(B-1)のフレームは、PLC201から送信されるフレームであり、図8の(B-2)のフレームは、PLC201が受信したフレームである。図8のフレームは、EtherCAT(登録商標)フレームである。図8のフレームは、ヘッダと、フッタと、指令値(C)を格納する領域(21)と、指令値(D)を格納する領域(22)とを含む。指令値(C)は、モータ203Aの駆動に関する指令値であり、指令値(D)は、モータ203Bの駆動に関する指令値である。フレームの領域(21)は、制御部222Aによって更新される領域であり、フレームの領域(22)は、制御部222Bによって更新される領域である。図8の(B-2)のフレームでは、制御部222Aによってフレームの領域(21)が更新されるため、フレームの領域(21)に現在値(D)が格納される。また、図8の(B-2)のフレームでは、制御部222Bによってフレームの領域(22)が更新されるため、フレームの領域(22)に現在値(D)が格納される。
【0047】
比較例に係るドライブシステム200では、通信部221Aが、通信装置211から送信されるフレームを受信する。制御部222Aは、通信装置211から受信したフレームの指令値(C)に基づいて、モータ203Aを制御する。通信部221Bは、通信部221Aから送信されるフレームを受信する。制御部222Bは、通信部221Aから受信したフレームの指令値(D)に基づいて、モータ203Bを制御する。制御部222Aは、ドライブユニット202Bに接続されたモータ203Bを制御することができない。制御部222Bは、ドライブユニット202Aに接続されたモータ203Aを制御することができない。
【0048】
図9は、比較例に係る通信部221Aが停止した場合のドライブユニット202A,202Bの動作を示す図である。通信部221Aが停止した場合、ドライブユニット202Aは、PLC201からフレームを取得することができない。そのため、制御部222Aは、モータ203Aを制御することができず、モータ203Aが停止する。通信部221Aが停止した場合、ドライブユニット202Bは、ドライブユニット202Aからフレームを取得することができない。そのため、制御部222Bは、モータ203Bを制御することができず、モータ203Bが停止する。このように、比較例に係るドライブシステム200では、通信部221Aが停止することで、ドライブユニット202A,202Bが動作を継続することができず、モータ203A,203Bが停止する。したがって、比較例に係るドライブシステム200の稼働を継続することができない。
【0049】
<第2実施形態>
第2実施形態について説明する。第2実施形態において、第1実施形態と同一の構成要素については、第1実施形態と同一の符号を付し、その説明を適宜省略する。図10は、第2実施形態に係るドライブシステム100の構成の一例を示す図である。第2実施形態に係るドライブシステム100は、いわゆるリングトポロジにより、PLC1、ドライブユニット2A,2Bが通信可能に接続されている。PLC1の通信装置11とドライブユニット2Aの通信部21Aとの間で制御情報が送受信される。また、ドライブユニット2Aの通信部21Aとドライブユニット2Bの通信部21Bとの間で制御情報が送受信される。更に、PLC1の通信装置11とドライブユニット2Bの通信部21Bとの間で制御情報が送受信される。
【0050】
PLC1の通信装置11からドライブユニット2Aの通信部21Aに制御情報が送信され、ドライブユニット2Aの通信部21Aからドライブユニット2Bの通信部21Bに制御情報が送信される場合について説明する。通信部21Aが通信装置11から制御情報を受信した場合、制御部22Aが第1処理を行う。第1処理が行われた後、通信部21Aは、制御情報を通信部21Bに送信する。通信部21Bが通信部21Aから制御情報を受信した場合、制御部22Bが第2処理を行う。第2処理が行われた後、通信部21Bは、制御情報を通信装置11に送信する。
【0051】
PLC1の通信装置11からドライブユニット2Bの通信部21Bに制御情報が送信され、ドライブユニット2Bの通信部21Bからドライブユニット2Aの通信部21Aに制御情報が送信される場合について説明する。まず、第1のケースについて説明する。通信部21Bが通信装置11から制御情報を受信した場合、制御部22Bが第2処理を行う。第2処理が行われた後、通信部21Bは、制御情報を通信部21Aに送信する。通信部21Aが通信部21Bから制御情報を受信した場合、制御部22Aが第1処理を行う。第1処理が行われた後、通信部21Aは、制御情報を通信装置11に送信する。次に、第2のケースについて説明する。通信部21Bが通信装置11から制御情報を受信した場合、通信部21Bは、制御情報を通信部21Aに送信する。通信部21Aが通信部21Bから制御情報を受信した場合、制御部22Aが第1処理を行う。第1処理が行われた後、通信部21Aは、制御情報を通信部21Bに送信する。通信部21Bが通信部21Aから制御情報を受信した場合、制御部22Bが第2処理を行う。第2処理が行われた後、通信部21Bは、制御情報を通信装置11に送信する。例えば、通信装置11と通信部21Aとの間におけるケーブルが断線した場合、第2のケースで説明した処理が行われる。
【0052】
図11は、通信部21A及び制御部22Aが停止した場合のドライブユニット2A,2Bの動作の一例を示す図である。通信部21Bは、通信装置11から制御情報を受信する。制御部22Bは、制御情報に基づいて、駆動部23A,23Bを制御する。図12は、制御情報の一例を示す図である。図12の(A-5)及び(A-6)には、制御情報の一
例であるフレームが示されており、図12の(A-5)のフレームは、PLC1から送信されるフレームであり、図12の(A-6)のフレームは、PLC1が受信したフレームである。図12の(A-5)のフレームは、図2の(A-1)のフレームと同様である。通信部21A及び制御部22Aが停止しているため、図12の(A-6)のフレームの領域(3)及び(4)に現在値(A)及び(B)が格納されていない。
【0053】
通信部21Bが通信装置11から制御情報を受信し、かつ、通信部21A及び制御部22Aが停止している場合、制御部22Bは第2処理を行う。第2処理が行われた後、通信部21Bが通信装置11に制御情報を送る。制御部22Bが第2処理を行った後に、通信部21Bが通信装置11に制御情報を送るため、制御情報は、第1動作情報及び第2動作情報を含む。通信部21Bが通信装置11からフレームを受信した場合、制御部22Bは、フレームの領域(5)に第1動作情報である現在値(A)を格納し、フレームの領域(6)に第2動作情報である現在値(B)を格納する。図12の(A-6)のフレームに示すように、フレームの領域(5)に現在値(A)が格納され、フレームの領域(6)に現在値(B)が格納される。通信部21Bは、現在値(A)及び(B)が格納されたフレームを通信装置11に送信する。
【0054】
通信部21B及び制御部22Bが停止した場合のドライブユニット2A,2Bの動作の一例について説明する。制御部22Bが停止している場合、制御部22Aは、制御情報に基づいて、駆動部23A,23Bを制御する。通信部21Aが通信装置11から制御情報を受信し、かつ、通信部21B及び制御部22Bが停止している場合、制御部22Aは第1処理を行う。第1処理が行われた後、通信部21Aが通信装置11に制御情報を送る。制御部22Aが第1処理を行った後に通信部21Aが通信装置11に制御情報を送るため、制御情報は、第1動作情報及び第2動作情報を含む。
【0055】
通信部21Aが停止した場合のドライブユニット2A,2Bの動作の一例について説明する。通信部21Bが通信装置11から制御情報を受信し、かつ、通信部21Aが停止している場合、制御部22Bは第2処理を行う。第2処理が行われた後、通信部21Bが通信装置11に制御情報を送る。制御部22Bが第2処理を行った後に、通信部21Bが通信装置11に制御情報を送るため、制御情報は、第1動作情報及び第2動作情報を含む。
【0056】
通信部21Bが停止した場合のドライブユニット2A,2Bの動作の一例について説明する。通信部21Aが通信装置11から制御情報を受信し、かつ、通信部21Bが停止している場合、制御部22Aは第1処理を行う。第1処理が行われた後、通信部21Aが通信装置11に制御情報を送る。制御部22Aが第1処理を行った後に通信部21Aが通信装置11に制御情報を送るため、制御情報は、第1動作情報及び第2動作情報を含む。
【0057】
図13は、比較例に係るドライブシステム300の構成を示す図である。図13に示す比較例に係るドライブシステム300は、いわゆるリングトポロジにより、PLC201、ドライブユニット202A,202Bが通信可能に接続されている。図13に示す比較例に係るドライブシステム300の他の構成については、図7に示す比較例に係るドライブシステム200の構成と同様である。また、図13に示す比較例に係るドライブシステム300において送受信されるフレームは、図8に示す比較例に係るフレームと同様である。
【0058】
比較例に係るドライブシステム300では、通信部221Aが、通信装置211から送信されるフレームを受信する。制御部222Aは、通信装置211から受信したフレームの指令値(C)に基づいて、モータ203Aを制御する。通信部221Bは、通信部221Aから送信されるフレームを受信する。制御部222Bは、通信部221Aから受信したフレームの指令値(D)に基づいて、モータ203Bを制御する。制御部222Aは、
ドライブユニット202Bに接続されたモータ203Bを制御することができない。制御部222Bは、ドライブユニット202Aに接続されたモータ203Aを制御することができない。
【0059】
図14は、比較例に係る通信部221Aが停止した場合のドライブユニット202A,202Bの動作を示す図である。通信部221Aが停止した場合、ドライブユニット202Aは、PLC201からフレームを取得することができない。そのため、制御部222Aは、モータ203Aを制御することができず、モータ203Aが停止する。通信部221Aが停止した場合、ドライブユニット202Bは、PLC201からフレームを取得することができる。そのため、制御部222Bは、モータ203Bを制御することが可能であり、モータ203Bの停止を回避することができる。しかしながら、比較例に係るドライブシステム300では、通信部221Aが停止することで、ドライブユニット202Aが動作を継続することができず、モータ203Aが停止する。したがって、比較例に係るドライブシステム300の稼働を継続することができない。
【0060】
<変形例>
変形例について説明する。変形例は、第1実施形態及び第2実施形態に適用してもよい。図15は、変形例における制御情報を示す図である。図15の(A-7)及び(A-8)には、制御情報の一例であるフレームが示されており、図15の(A-7)のフレームは、PLC1から送信されるフレームであり、図15の(A-7)のフレームは、PLC1が受信したフレームである。図15のフレームは、例えば、EtherCAT(登録商標)フレームであってもよい。図15のフレームは、ヘッダと、フッタと、指令値(A)を格納する領域(11)と、指令値(B)を格納する領域(12)と、現在値(A)を格納する領域(13)と、現在値(B)を格納する領域(14)とを含む。指令値(A)は、モータ3Aの駆動に関する指令値であり、指令値(B)は、モータ3Bの駆動に関する指令値である。フレームの領域(3)及び(4)は、制御部22Aによって更新される領域であると共に、制御部22Bによって更新される領域である。図15の(A-7)のフレームは、ドライブユニット2A,2Bを経由していないため、フレームの領域(3)及び(4)に現在値(A)及び(B)が格納されていない。
【0061】
PLC1からドライブユニット2Aに図15の(A-7)のフレームが送信される場合について説明する。制御部22Aは、第1処理を行うことにより、フレームの領域(13)及び(14)を更新する。すなわち、制御部22Aは、フレームの領域(13)に現在値(A)を格納し、フレームの領域(14)に現在値(B)を格納する。通信部21Aは、現在値(A)及び現在値(B)が格納されたフレームを通信部21Bに送る。制御部22Bは、第2処理を行うことにより、フレームの領域(13)及び(14)を更新する。通信部21Bが通信部21Aからフレームを受信した場合、フレームの領域(13)及び(14)には既に現在値(A)及び現在値(B)が格納されている。制御部22Bは、フレームの領域(13)及び(14)に格納されている現在値(A)及び現在値(B)を上書きする。したがって、フレームには、指令値(A)と、指令値(B)と、制御部22A又は制御部22Bによって格納された現在値(A)及び(B)とが含まれる。
【0062】
通信装置11は、ドライブユニット2A,2Bを経由したフレームを受信する。PLC1は、フレームの領域(13)及び(14)から現在値(A)及び現在値(B)を取得する。PLC1は、取得した現在値(A)及び(B)を使用して、所定の処理を行う。制御部22Aが停止している場合、制御部22Bがフレームの領域(13)及び(14)に現在値(A)及び現在値(B)を格納することができる。また、制御部22Bが停止している場合、制御部22Aがフレームの領域(13)及び(14)に現在値(A)及び現在値(B)を格納することができる。したがって、制御部22A又は制御部22Bが停止した場合でも、PLC1は、フレームから現在値(A)及び現在値(B)を取得することがで
き、ドライブシステム100の稼働を継続することができる。
【0063】
以上説明した各実施形態及び変形例は、組み合わせることができる。
【0064】
<付記1>
コントローラ(1)と、第1ドライブユニット(2A)と、第2ドライブユニット(2B)とを備え、前記コントローラ(1)から送信される制御情報が前記第1ドライブユニット(2A)及び前記第2ドライブユニット(2B)を経由して前記コントローラ(1)に戻されるドライブシステム(100)であって、
前記第1ドライブユニット(2A)は、前記制御情報を送受信する第1通信部(21A)と、第1制御部(22A)と、前記第1ドライブユニット(2A)に接続された第1電動機(3A)を駆動する第1駆動部(23A)と、を有し、
前記第2ドライブユニット(2B)は、前記制御情報を送受信する第2通信部(21B)と、第2制御部(22B)と、前記第2ドライブユニット(2B)に接続された第2電動機(3B)を駆動する第2駆動部(23B)と、を有し、
前記第1制御部(21B)は、前記制御情報に基づいて、前記第1ドライブユニット(2A)と前記第2ドライブユニット(2B)とを接続する接続線(20)を介して前記第1駆動部(23A)及び第2駆動部(23B)を制御可能であり、
前記第2制御部(22B)は、前記制御情報に基づいて、前記接続線(20)を介して前記第1駆動部(23A)及び第2駆動部(23B)を制御可能であり、
前記第1制御部(22A)は、前記第2制御部(22B)が動作している場合、前記第1駆動部(23A)を制御し、前記第2制御部(22B)が停止している場合、前記第1駆動部(23A)及び前記第2駆動部(23B)を制御し、
前記第2制御部(22B)は、前記第1制御部(22A)が動作している場合、前記第2駆動部(23B)を制御し、前記第1制御部(22A)が停止している場合、前記第1駆動部(23A)及び前記第2駆動部(23B)を制御する、
ドライブシステム。
【符号の説明】
【0065】
1・・PLC
2A,2B・・ドライブユニット
3A,3B・・モータ
4A,4B・・エンコーダ
11・・通信装置
20・・内蔵バス
21A,21B・・通信部
22A,22B・・制御部
23A,23B・・駆動部
24A,24B・・動力コネクタ
25A,25B・・モータ制御信号演算部
100・・ドライブシステム
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