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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023152112
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】シフト装置
(51)【国際特許分類】
   B60K 20/02 20060101AFI20231005BHJP
【FI】
B60K20/02 E
B60K20/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022062060
(22)【出願日】2022-04-01
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古田 昌孝
【テーマコード(参考)】
3D040
【Fターム(参考)】
3D040AA03
3D040AA10
3D040AA14
3D040AA33
3D040AB01
3D040AC07
3D040AC13
3D040AC17
3D040AC24
3D040AC29
(57)【要約】
【課題】部品点数を低減する。
【解決手段】シフト装置10では、レバー16が「P」位置から「R」位置に回動される際に、レバー16が、リンク18を回動させて、コントロールレバー20を回動させる。ここで、レバー16が「R」位置から「D」位置に回動される際には、レバー16が、リンク18の回動を規制して、コントロールレバー20の回動を規制する。このため、部品点数を低減できる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回動されてシフト位置が変更されるシフト体と、
前記シフト体によって移動可能にされる中間体と、
前記シフト体が第1シフト位置から第2シフト位置に回動される際に前記シフト体が前記中間体を移動させて移動させると共に、前記シフト体が第2シフト位置から第3シフト位置に回動される際に前記シフト体が移動を規制する移動体と、
を備えるシフト装置。
【請求項2】
前記シフト体が第2シフト位置から第3シフト位置に回動される際に前記シフト体が前記中間体の移動を規制して前記移動体の移動を規制する請求項1記載のシフト装置。
【請求項3】
前記中間体に規制面が設けられ、かつ、前記シフト体が第2シフト位置から第3シフト位置に回動される際に前記シフト体が前記規制面に沿って回動される請求項2記載のシフト装置。
【請求項4】
前記中間体に移動面及び規制面が連続されて設けられ、かつ、前記シフト体が第1シフト位置から第2シフト位置に回動される際に前記シフト体が前記移動面を移動させると共に、前記シフト体が第2シフト位置から第3シフト位置に回動される際に前記シフト体が前記規制面の移動を規制する請求項2記載のシフト装置。
【請求項5】
前記シフト体が第2シフト位置から第1シフト位置に回動される際に前記シフト体が前記移動体を移動させる請求項1記載のシフト装置。
【請求項6】
前記シフト体が第2シフト位置から第1シフト位置に回動される際に前記移動体が前記中間体を移動させる請求項5記載のシフト装置。
【請求項7】
前記シフト体が第2シフト位置から第3シフト位置に回動される際に前記移動体が当接される状態で前記シフト体が前記移動体の移動を規制する当接部を備える請求項1記載のシフト装置。
【請求項8】
前記シフト体に設けられ、前記シフト体が回動方向に対し傾動された際に前記移動体の移動を規制する分離部を備える請求項1記載のシフト装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シフト体が回動されてシフト位置が変更されるシフト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に記載のシフトレバー装置では、シフトレバーがPレンジからRレンジに揺動される際に、シフトレバーが、連結部材を揺動させて、揺動部材を揺動させる。
【0003】
ここで、このシフトレバー装置では、シフトレバーがRレンジからDレンジに揺動される際に、ロック部材が揺動部材の揺動をロックする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-130314号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記事実を考慮し、部品点数を低減できるシフト装置を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様のシフト装置は、回動されてシフト位置が変更されるシフト体と、前記シフト体によって移動可能にされる中間体と、前記シフト体が第1シフト位置から第2シフト位置に回動される際に前記シフト体が前記中間体を移動させて移動させると共に、前記シフト体が第2シフト位置から第3シフト位置に回動される際に前記シフト体が移動を規制する移動体と、を備える。
【0007】
本発明の第2態様のシフト装置は、本発明の第1態様のシフト装置において、前記シフト体が第2シフト位置から第3シフト位置に回動される際に前記シフト体が前記中間体の移動を規制して前記移動体の移動を規制する。
【0008】
本発明の第3態様のシフト装置は、本発明の第2態様のシフト装置において、前記中間体に規制面が設けられ、かつ、前記シフト体が第2シフト位置から第3シフト位置に回動される際に前記シフト体が前記規制面に沿って回動される。
【0009】
本発明の第4態様のシフト装置は、本発明の第2態様又は第3態様のシフト装置において、前記中間体に移動面及び規制面が連続されて設けられ、かつ、前記シフト体が第1シフト位置から第2シフト位置に回動される際に前記シフト体が前記移動面を移動させると共に、前記シフト体が第2シフト位置から第3シフト位置に回動される際に前記シフト体が前記規制面の移動を規制する。
【0010】
本発明の第5態様のシフト装置は、本発明の第1態様~第4態様の何れか1つのシフト装置において、前記シフト体が第2シフト位置から第1シフト位置に回動される際に前記シフト体が前記移動体を移動させる。
【0011】
本発明の第6態様のシフト装置は、本発明の第5態様のシフト装置において、前記シフト体が第2シフト位置から第1シフト位置に回動される際に前記移動体が前記中間体を移動させる。
【0012】
本発明の第7態様のシフト装置は、本発明の第1態様~第6態様の何れか1つのシフト装置において、前記シフト体が第2シフト位置から第3シフト位置に回動される際に前記移動体が当接される状態で前記シフト体が前記移動体の移動を規制する当接部を備える。
【0013】
本発明の第8態様のシフト装置は、本発明の第1態様~第7態様の何れか1つのシフト装置において、前記シフト体に設けられ、前記シフト体が回動方向に対し傾動された際に前記移動体の移動を規制する分離部を備える。
【発明の効果】
【0014】
本発明の第1態様のシフト装置では、シフト体が回動されて、シフト位置が変更される。また、シフト体が第1シフト位置から第2シフト位置に回動される際に、シフト体が、中間体を移動させて、移動体を移動させる。
【0015】
ここで、シフト体が第2シフト位置から第3シフト位置に回動される際に、シフト体が移動体の移動を規制する。このため、部品点数を低減できる。
【0016】
本発明の第2態様のシフト装置では、シフト体が第2シフト位置から第3シフト位置に回動される際に、シフト体が、中間体の移動を規制して、移動体の移動を規制する。このため、シフト体が中間体を介して移動体の移動を規制できる。
【0017】
本発明の第3態様のシフト装置では、シフト体が第2シフト位置から第3シフト位置に回動される際に、シフト体が中間体の規制面に沿って回動される。このため、シフト体が中間体の移動を規制できる。
【0018】
本発明の第4態様のシフト装置では、中間体に移動面及び規制面が連続されて設けられる。
【0019】
そして、シフト体が第1シフト位置から第2シフト位置に回動される際に、シフト体が移動面を移動させる。このため、シフト体が中間体を移動させることができる。
【0020】
さらに、シフト体が第2シフト位置から第3シフト位置に回動される際に、シフト体が規制面の移動を規制する。このため、シフト体が中間体の移動を規制できる。
【0021】
本発明の第5態様のシフト装置では、シフト体が第2シフト位置から第1シフト位置に回動される際に、シフト体が移動体を移動させる。このため、移動体を移動させることができる。
【0022】
本発明の第6態様のシフト装置では、シフト体が第2シフト位置から第1シフト位置に回動される際に、移動体が中間体を移動させる。このため、中間体を移動させることができる。
【0023】
本発明の第7態様のシフト装置では、シフト体が第2シフト位置から第3シフト位置に回動される際に、移動体が当接部に当接される状態で、シフト体が移動体の移動を規制する。このため、移動体の移動を効果的に規制できる。
【0024】
本発明の第8態様のシフト装置では、シフト体が回動方向に対し傾動された際に、シフト体の分離部が移動体の移動を規制する。このため、移動体の移動を規制できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の第1実施形態に係るシフト装置を示す右斜め後方から見た斜視図である。
図2】(A)は、本発明の第1実施形態に係るシフト装置のレバーを示す右斜め前方から見た斜視図であり、(B)は、本発明の第1実施形態に係るシフト装置のプレートを示す前斜め右方から見た斜視図である。
図3】本発明の第1実施形態に係るシフト装置のレバー等を示す右斜め前方から見た斜視図である。
図4】(A)は、本発明の第1実施形態に係るシフト装置のレバーを示す後側から見た斜視図であり、(B)は、本発明の第1実施形態に係るシフト装置のリンク及びコントロールレバーを示す前斜め左方から見た斜視図である。
図5】(A)~(D)は、本発明の第1実施形態に係るシフト装置を示す右側から見た側面図であり、(A)は、レバーが「P」位置に配置される際を示し、(B)は、レバーが「R」位置に配置される際を示し、(C)は、レバーが「N」位置に配置される際を示し、(D)は、レバーが「D」位置に配置される際を示している。
図6】本発明の第2実施形態に係るシフト装置を示す右斜め前方から見た斜視図である。
図7】(A)は、本発明の第2実施形態に係るシフト装置のレバー及びコントロールレバーを示す右斜め前方から見た斜視図であり、(B)は、本発明の第2実施形態に係るシフト装置のレバー本体を示す右側から見た斜視図である。
図8】(A)及び(B)は、本発明の第2実施形態に係るシフト装置においてレバーが「D」位置に配置される際を示す図であり、(A)は、右斜め前方から見た斜視図であり、(B)は、前方から見た前面図である。
図9】(A)及び(B)は、本発明の第2実施形態に係るシフト装置においてレバーが「M」位置に配置される際を示す図であり、(A)は、右斜め前方から見た斜視図であり、(B)は、前方から見た前面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
[第1実施形態]
図1には、本発明の第1実施形態に係るシフト装置10が右斜め後方から見た斜視図にて示されている。なお、図面では、シフト装置10の前方を矢印FRで示し、シフト装置10の右方を矢印RHで示し、シフト装置10の上方を矢印UPで示している。
【0027】
本実施形態に係るシフト装置10は、車両(自動車)のコンソール(図示省略)に設置されており、シフト装置10の前方、右方及び上方は、それぞれ車両の前方、右方及び上方に向けられている。
【0028】
図1に示す如く、シフト装置10には、設置体としての略矩形筒状のプレート12(図2(B)参照)が設けられており、プレート12の強度及び剛性は、高くされている。プレート12は、コンソール(図示省略)内に固定されており、プレート12内は、上下方向に開放されている。プレート12の右壁上部には、当接部としての柱状の当接ボス12Aが一体に設けられており、当接ボス12Aは、左側(プレート12内)に突出されると共に、前面が上方へ向かうに従い後方へ向かう方向に傾斜されている。
【0029】
プレート12内の下部には、有底筒状の固定枠12Bが設けられており、固定枠12Bは、プレート12の左壁と一体にされると共に、内部が略円柱状にされて上方に開放されている。固定枠12B内には、略有底円筒状の支持枠14(図2(A)参照)が固定されており、支持枠14内は、上方に開放されている。
【0030】
支持枠14には、シフト体としての略棒状のレバー16(図2(A)参照)が支持されており、レバー16の下端部には、球状の支持軸16A(図4(A)参照)が設けられている。支持軸16Aは、支持枠14内に嵌合されており、レバー16は、支持軸16Aを中心として、前後方向に回動可能にされている。レバー16は、コンソールの上側に回動可能に延出されており、レバー16は、上端部において、乗員によって所定範囲で回動操作可能にされている。レバー16が前側から後側に回動される際には、レバー16のシフト位置が第1シフト位置としての「P」位置(パーク位置)、第2シフト位置としての「R」位置(リバース位置)、第3シフト位置としての「N」位置(ニュートラル位置)及び第3シフト位置としての「D」位置(ドライブ位置)にこの順番で変更される。
【0031】
レバー16の下部は、支持軸16Aより上側において、略逆三角形板にされている。レバー16の下部の後側部分には、回動部としての円柱状の回動ボス16Bが一体に設けられており、回動ボス16Bは、右方に延出されている。
【0032】
レバー16の右側には、中間体としての長尺板状のリンク18(図3参照)が設けられている。リンク18は、下端部において、プレート12の右壁に前後方向に回動(移動)可能に支持されており、リンク18の回動中心軸線は、レバー16の回動中心軸線と相違されている。リンク18は、プレート12の当接ボス12Aの前側に配置されており、リンク18は、当接ボス12Aの前面に当接(面接触)可能にされている。リンク18の上部前面は、平面状の移動面18Aにされており、移動面18Aは、上方へ向かうに従い後方へ向かう方向に傾斜されている。リンク18の上面は、湾曲面状の規制面18Bにされており、リンク18が当接ボス12Aの前面に当接された際には、規制面18Bがレバー16の回動中心軸線を中心として湾曲される。リンク18の上部には、中間部としての円柱状の中間ボス18C(図4(B)参照)が一体に設けられており、中間ボス18Cは、左方に延出されている。
【0033】
レバー16とリンク18との間には、移動体としての長尺板状のコントロールレバー20(図3参照)が設けられており、コントロールレバー20の上部には、略円柱状の回動軸20Aが一体に設けられている。コントロールレバー20は、回動軸20Aにおいて、プレート12の右壁に前後方向に回動(移動)可能に支持されており、コントロールレバー20の回動中心軸線は、レバー16の回動中心軸線と同一にされている。
【0034】
コントロールレバー20の上端部の後側部分には、被移動部としての長尺板状の移動板20B(図4(B)参照)が設けられており、移動板20Bは、上方へ向かうに従い後方へ向かう方向に延出されると共に、プレート12の当接ボス12Aの前側かつリンク18の中間ボス18Cの後側に配置されている。コントロールレバー20の上端部の前側部分には、移動部としての略矩形柱状の移動ボス20C(図4(B)参照)が一体に設けられており、移動ボス20Cは、左方へ延出されると共に、レバー16の前側に配置されている。
【0035】
コントロールレバー20の下端部は、接続部材としてのケーブル22(ロッドでもよい)を介して車両の変速機24(自動変速機)に機械的に接続されており、変速機24は、車両の制御装置26に電気的に接続されている。制御装置26には、検出装置28が電気的に接続されており、検出装置28は、レバー16の回動位置を検出して、レバー16のシフト位置を検出する。
【0036】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0037】
以上の構成のシフト装置10では、レバー16が「P」位置に配置される際(図5(A)参照)に、レバー16の回動ボス16Bがリンク18の移動面18Aに当接されて、リンク18の前側への回動が規制される。また、リンク18の中間ボス18Cがコントロールレバー20の移動板20Bに当接されて、移動板20Bの前側への回動が規制されると共に、レバー16がコントロールレバー20の移動ボス20Cに当接されて、移動ボス20Cの後側への回動が規制される。このため、コントロールレバー20の下端部が後側の回動位置に配置されて、ケーブル22を介して変速機24のシフトレンジが「P」レンジ(パークレンジ)にされる。
【0038】
レバー16が「P」位置から「R」位置へ後側に回動される際(図5の(A)及び(B)参照)には、レバー16の回動ボス16Bがリンク18の移動面18Aを後側に押圧することで、リンク18が後側に回動されると共に、回動ボス16Bが移動面18Aを移動される。そして、回動ボス16Bがリンク18の規制面18Bの前端に移動されて、リンク18の前後方向への回動が規制される。また、リンク18が後側に回動されて、リンク18の中間ボス18Cがコントロールレバー20の移動板20Bを後側に押圧することで、移動板20Bが後側に回動される。そして、移動板20Bがプレート12の当接ボス12A前面に当接されて、移動板20Bの前後方向への回動が規制される。このため、コントロールレバー20の下端部が前側の回動位置に回動される。さらに、レバー16が「R」位置に配置されたことを検出装置28が検出して、制御装置26の制御により、変速機24のシフトレンジが「R」レンジ(リバースレンジ)に変更される。
【0039】
レバー16が「R」位置から「N」位置又は「D」位置へ後側に回動される際(図5の(B)~(D)参照)には、レバー16の回動ボス16Bがリンク18の規制面18Bを後側に移動されて、リンク18の前後方向への回動が規制される。また、コントロールレバー20の移動板20Bの前側の回動がリンク18の中間ボス18Cによって規制されると共に、移動板20Bの後側への回動がプレート12の当接ボス12Aによって規制されて、コントロールレバー20の下端部が前側の回動位置に配置される。さらに、レバー16が「N」位置又は「D」位置に配置されたことを検出装置28が検出して、それぞれ、制御装置26の制御により、変速機24のシフトレンジが「N」レンジ(ニュートラルレンジ)又は「D」レンジ(ドライブレンジ)に変更される。
【0040】
レバー16が「N」位置又は「D」位置から「R」位置へ前側に回動される際(図5の(B)~(D)参照)には、レバー16の回動ボス16Bがリンク18の規制面18Bを前側に移動されて、リンク18の前後方向への回動が規制される。また、コントロールレバー20の移動板20Bの前側の回動がリンク18の中間ボス18Cによって規制されると共に、移動板20Bの後側への回動がプレート12の当接ボス12Aによって規制されて、コントロールレバー20の下端部が前側の回動位置に配置される。さらに、レバー16が「R」位置に配置されたことを検出装置28が検出して、制御装置26の制御により、変速機24のシフトレンジが「R」レンジに変更される。
【0041】
レバー16が「R」位置から「P」位置へ前側に回動される際(図5の(A)及び(B)参照)には、レバー16がコントロールレバー20の移動ボス20Cを前側に押圧して、移動ボス20Cが前側に回動される。また、コントロールレバー20の移動板20Bがリンク18の中間ボス18Cを前側に押圧して、リンク18が前側に回動されると共に、レバー16の回動ボス16Bがリンク18の規制面18B前端から移動面18Aを移動される。このため、コントロールレバー20の下端部が後側の回動位置に回動されて、ケーブル22を介して変速機24のシフトレンジが「P」レンジに変更される。
【0042】
ここで、上述の如く、レバー16が「R」位置から「N」位置又は「D」位置に回動される際及びレバー16が「N」位置又は「D」位置から「R」位置に回動される際には、レバー16がコントロールレバー20の回動を規制する。このため、コントロールレバー20の回動を規制するための部材を別途設ける必要をなくすことができ、部品点数を低減できる。
【0043】
さらに、レバー16が「R」位置から「N」位置又は「D」位置に回動される際及びレバー16が「N」位置又は「D」位置から「R」位置に回動される際には、レバー16の回動ボス16Bがリンク18の回動を規制して、リンク18の中間ボス18Cがコントロールレバー20の回動を規制する。このため、レバー16がリンク18を介してコントロールレバー20の回動を規制できる。
【0044】
しかも、レバー16が「R」位置から「N」位置又は「D」位置に回動される際及びレバー16が「N」位置又は「D」位置から「R」位置に回動される際には、コントロールレバー20の移動板20Bがプレート12の当接ボス12Aに当接された状態で、レバー16の回動ボス16Bがリンク18を介してコントロールレバー20の回動を規制する。このため、コントロールレバー20の前後方向への回動を効果的に規制できる。しかも、プレート12(当接ボス12A)がコントロールレバー20の回動を規制するため、コントロールレバー20の回動を規制する強度及び剛性を高くできる。
【0045】
さらに、レバー16が「R」位置から「N」位置又は「D」位置に回動される際及びレバー16が「N」位置又は「D」位置から「R」位置に回動される際には、レバー16の回動ボス16Bがリンク18の規制面18Bに沿って回動される。このため、レバー16の回動中心軸線とリンク18の回動中心軸線とが相違されることで、レバー16がリンク18の回動を規制できる。
【0046】
また、レバー16が「P」位置から「R」位置に回動される際には、レバー16の回動ボス16Bがリンク18の移動面18Aを押圧することで、リンク18が回動される。しかも、リンク18の中間ボス18Cがコントロールレバー20の移動板20Bを押圧することで、コントロールレバー20が回動される。このため、レバー16がリンク18を回動させることができて、リンク18がコントロールレバー20を回動させることができる。
【0047】
さらに、レバー16が「R」位置から「P」位置に回動される際には、レバー16がコントロールレバー20の移動ボス20Cを押圧することで、コントロールレバー20が回動される。しかも、コントロールレバー20の移動板20Bがリンク18の中間ボス18Cを押圧することで、リンク18が回動される。このため、レバー16がコントロールレバー20を回動させることができて、コントロールレバー20がリンク18を回動させることができる。
【0048】
また、コントロールレバー20の下端部(ケーブル22の接続部分)がコントロールレバー20の移動板20B及び移動ボス20Cに比しコントロールレバー20の回動中心軸線に対する離間量を大きくされている。このため、リンク18の中間ボス18C及びレバー16によりそれぞれコントロールレバー20の移動板20B及び移動ボス20Cが回動される際に、コントロールレバー20の下端部の回動量を大きくできて、ケーブル22の移動ストロークを大きくできる。
【0049】
さらに、レバー16の回動中心軸線とコントロールレバー20の回動中心軸線とが同一にされている。このため、シフト装置10が適用される車両の種類を多くできる。
【0050】
[第2実施形態]
図6には、本発明の第2実施形態に係るシフト装置50が右斜め前方から見た斜視図にて示されている。
【0051】
本実施形態に係るシフト装置50は、上記第1実施形態と、ほぼ同様の構成であるが、以下の点で異なる。
【0052】
図6に示す如く、本実施形態に係るシフト装置50では、プレート12の右壁(当接ボス12Aを含む)以外の部分が設けられていない。
【0053】
レバー16の下部には、分離部としての略直方体形箱状のアーム52(図7(A)参照)が設けられており、アーム52は、内部が上側に開放されると共に、左壁の上部が開口されている。アーム52の右壁上部には、被連結部としての略矩形状の連結孔52Aが貫通形成されており、連結孔52Aは、上下方向に長尺にされている。
【0054】
レバー16は、アーム52とアーム52以外の略棒状のレバー本体54(図7(B)参照)とに分離されており、レバー本体54は、アーム52内に上側から収容されている。レバー本体54の下部には、連結部としての略矩形柱状の連結ボス54Aが一体に設けられており、連結ボス54Aは、右方に突出されて、アーム52の連結孔52Aに挿入されている。連結ボス54Aは、連結孔52Aに前後方向において嵌合されており、これにより、レバー本体54及びアーム52が前後方向に一体回動可能にされている。
【0055】
レバー16の支持軸16Aは、円柱状にされており、支持軸16Aは、コントロールレバー20の回動軸20Aに同軸上に支持されている。支持軸16Aは、レバー本体54及びアーム52の下端部に貫通されており、レバー本体54及びアーム52は、支持軸16Aに前後方向に回動可能に支持されている。レバー本体54は、支持軸16Aに対し左側に傾動可能にされると共に、レバー本体54の連結ボス54Aは、アーム52の連結孔52Aに対し左側(上側)に傾動可能にされており、レバー16(レバー本体54及びアーム52)が「D」位置に配置される際に、レバー本体54が左側に傾動されて、レバー16がシフト位置(第4シフト位置)としての「M」位置(マニュアル位置)に配置される。
【0056】
アーム52の右壁上部の後端部には、回動ボス16Bが一体に設けられており、アーム52の前壁は、コントロールレバー20の移動ボス20Cに当接可能にされている。
【0057】
ここで、本実施形態でも、上記第1実施形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
【0058】
さらに、レバー16(レバー本体54)が「D」位置から「M」位置へ左側に傾動される際及びレバー16(レバー本体54)が「M」位置から「D」位置へ右側に傾動される際(図8の(A)及び(B)と図9の(A)及び(B)参照)には、レバー16(アーム52)の回動ボス16Bがリンク18の規制面18Bに配置されて、リンク18の前後方向への回動が規制される。また、コントロールレバー20の移動板20Bの前側の回動がリンク18の中間ボス18Cによって規制されると共に、移動板20Bの後側への回動がプレート12の当接ボス12Aによって規制されて、コントロールレバー20の下端部が前側の回動位置に配置される。さらに、レバー16が「M」位置に配置された際には、レバー本体54が「M」位置に配置されたことを検出装置28が検出して、制御装置26の制御により、変速機24のシフトレンジが「M」レンジ(マニュアルレンジ)に変更される。これにより、レバー16がリンク18の回動を規制できて、リンク18及びプレート12がコントロールレバー20の回動を規制できる。
【0059】
なお、上記第1実施形態及び第2実施形態では、レバー16の回動中心軸線とコントロールレバー20の回動中心軸線とが同一にされる。しかしながら、レバー16の回動中心軸線とコントロールレバー20の回動中心軸線とが相違されてもよい。
【0060】
また、上記第1実施形態及び第2実施形態では、シフト装置10、50が車両のコンソールに設置される。しかしながら、シフト装置10、50が車両の他の部分(インストルメントパネル又はステアリングコラム等)に設置されてもよい。
【符号の説明】
【0061】
10・・・シフト装置、12A・・・当接ボス(当接部)、16・・・レバー(シフト体)、18・・・リンク(中間体)、18A・・・移動面、18B・・・規制面、20・・・コントロールレバー(移動体)、50・・・シフト装置、52・・・アーム(分離部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9