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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023152120
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】皮膚外用剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/9789 20170101AFI20231005BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20231005BHJP
   A61K 36/488 20060101ALI20231005BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
A61K8/9789
A61Q19/00
A61K36/488
A61P17/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022062069
(22)【出願日】2022-04-01
(71)【出願人】
【識別番号】000162021
【氏名又は名称】共栄化学工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】澤木 茂豊
(72)【発明者】
【氏名】岩野 英生
【テーマコード(参考)】
4C083
4C088
【Fターム(参考)】
4C083AA032
4C083AA111
4C083AA112
4C083AA122
4C083AB032
4C083AB112
4C083AB352
4C083AC022
4C083AC072
4C083AC102
4C083AC112
4C083AC122
4C083AC182
4C083AC242
4C083AC302
4C083AC352
4C083AC422
4C083AC432
4C083AC472
4C083AC482
4C083AC622
4C083AC642
4C083AC662
4C083AC682
4C083AC692
4C083AC812
4C083AC852
4C083AD042
4C083AD172
4C083AD272
4C083AD302
4C083AD332
4C083AD352
4C083AD392
4C083AD432
4C083AD532
4C083AD572
4C083AD592
4C083AD632
4C083AD642
4C083AD662
4C083CC02
4C083CC04
4C083CC05
4C083CC07
4C083CC23
4C083EE12
4C088AB59
4C088AC11
4C088BA10
4C088CA06
4C088MA63
4C088NA14
4C088ZA89
4C088ZC52
(57)【要約】      (修正有)
【課題】生体安全性にすぐれた天然物由来成分からなり、皮膚外用剤(化粧品、医薬部外品等)に配合してなる新規な機能性素材を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、プエラリンを有効成分として含有するクズの根の抽出物を有効成分として配合してなり、コラーゲン合成促進効果及びシワ及びタルミの予防、改善効果を有する皮膚外用剤である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プエラリンを有効成分として含有するクズの根の抽出物を配合してなる皮膚外用剤。
【請求項2】
プエラリンを有効成分として含有するクズの根の抽出物を配合してなるシワ及びタルミ改善用の皮膚外用剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天然物由来の生体安全性にすぐれた新規の機能性素材を含み、シワ、タルミ等の皮膚の老化予防・改善効果等を有する皮膚外用剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、皮膚の肌荒れや老化現象の原因として、太陽光(紫外線)、排ガス等に含まれる化学物質(窒素化合物や硫黄化合物等)に誘発される活性酸素による細胞・組織の損傷、又は炎症等の外的要因や、加齢や生活リズムの乱れによる細胞外マトリックスの産生低下等の内的要因が知られている。
【0003】
従来、肌荒れ予防・改善する様々な保湿剤(天然保湿因子[NHF]、グリセリン、多価アルコール、乳酸ナトリウム等)、抗酸化剤(ビタミンE、アスタキサンチン、ポリフェノール等)、細胞外マトリックス成分(ヒアルロン酸等のムコ多糖等)が提案されているが、天然物由来で安全性が高く、かつ、充分な肌荒れや皮膚の老化現象を予防、改善する効果を発揮する成分については知られていなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以上の従来技術の課題を鋭意検討した結果、本発明者らは、プエラリンを有効成分として含有するクズの根の抽出物が、すぐれたコラーゲン合成促進効果を有し、当該抽出物が皮膚外用剤の有効成分として有用であることを新たに見出して本発明を完成させるに至った。
【0005】
従来、プエラリンを有効成分として含むクズの根の抽出物が、保湿、美白及び育毛の作用を有することは、例えば、特許文献1~3等により知られているものの、プエラリンを有効成分として含有するクズの根の抽出物がコラーゲン合成促進効果を発揮する皮膚外用剤の有効成分として利用できることについては知られていなかった。
【0006】
【特許文献1】特開昭64-016709号
【特許文献2】特開平07-157494号
【特許文献3】特開2016-102098号
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、プエラリンを有効成分として含むマメ科クズ属のクズの根の抽出物を配合してなる皮膚外用剤である。
また、本発明は、プエラリンを有効成分として含むマメ科クズ属のクズの根の抽出物を配合してなるシワ及びタルミ改善用の皮膚外用剤である。
【発明の効果】
【0008】
本発明はプエラリンを有効成分として含むマメ科クズ属のクズの根の抽出物を有効成分とする皮膚外用剤であり、本発明によれば、当該抽出物が奏するコラーゲン産生促進効果及びシワ及びタルミ等の皮膚の老化及び・改善効果を発揮する皮膚外用剤を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
また、本発明に係る化粧料はプエラリンを有効成分として含有するマメ科(Fabaceae)クズ属(Pueraria)の植物であるクズの根(カッコン)の抽出物を配合してなることを特徴とする。
【0010】
抽出物の調製は、抽出対象部位であるクズの根を、必要ならば予め水洗して異物を除いた後、これをそのままもしくは乾燥し、さらに必要ならば細切或いは粉砕した上、浸漬法、向流抽出法、水蒸気蒸留法等の常法に従って抽出溶媒と接触せしめることによって行うことができる。又場合によっては、超臨界抽出法を採用してもよい。
【0011】
抽出溶媒としては、水;メタノール、エタノール、プロパノールなどの低級アルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチルなどのエステル類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;エチルエーテル、イソプロピルエーテルなどのエーテル類;n-ヘキサン、トルエン、クロロホルムなどの炭化水素系溶媒などが挙げられ、それらは単独でもしくは二種以上混合して用いられる。本発明においては、幅広い製品への適用が可能であるという点から、又、プエラリンを高濃度に得られるという点から、低級アルコール類又は多価アルコール類、或いは、水と低級アルコール又は多価アルコールとの混合溶媒が好適に用いられる。
【0012】
抽出物の調製に当たって、抽出液のpHに特に制限はないが、一般にはpH3~9の範囲とすることが好ましい。pHの調整は、前記した抽出溶媒中に、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ性調整剤や、クエン酸、塩酸、リン酸、硫酸などの酸性調整剤等を配合することによって行うことができる。
【0013】
抽出温度、時間等の抽出条件は、用いる溶媒の種類やpH、或いはクズの根の大きさ等によっても異なるが、例えばメタノール又はエタノール、或いは水と低級アルコール又は多価アルコールとの混合溶媒を抽出溶媒とする浸漬法の場合であれば、抽出温度は0~80℃の範囲であり、より好ましくは4℃~40℃である。抽出時間は、4℃の冷温抽出の場合で1時間~7日間の範囲とするのがよく、また、40℃付近の中温抽出では、1時間~3日間の範囲とするのがよい。浸漬法の場合、浴比は重量比で、カッコンに対して溶媒が一般に1~200倍量、好ましくは1~100倍量の範囲となるようにするのがよい。
【0014】
以上のようにして調製されるクズの根の抽出物は、さらに、活性炭処理、イオン交換樹脂処理、合成吸着剤、シリカゲル、及び再結晶処理のいずれか1種又は2種以上を組み合わせて、プエラリンを高濃度に含む抽出物に調製することが好ましい。イオン交換樹脂による処理を行う場合は、その粒度が0.30~1.20のものを使用するのが好ましい。活性炭としては、松等の木、竹、椰子殻、胡桃殻等の植物質のほか、石炭質、石油質等を原材料として、それらの原材料に水蒸気や二酸化炭素、空気等のガスを使う高温炭化法等の物理的な方法や塩化亜鉛等の化学薬品を使って処理した上で加熱し、多孔質にする化学的な方法による活性化処理を施して得られる活性炭等何れを用いても良い。また、合成吸着剤としては、スチレン/ジビニルベンゼン共重合体、メタクリル酸エステル重合体等の非イオン性樹脂からなり、比表面積が一般に100~2000m/gの範囲の合成吸着剤(芳香族系無置換型等)が挙げられる。例えばスチレン/ジビニルベンゼン系のダイヤイオンHP10、同20、同21、セパビーズSP800、同SP850、同SP700、同SP207(以上、三菱化学株式会社)、アンバーライトXAD4、同16、デュオライトS874、同877(ローム・アンド・ハース社)、メタクリル酸エステル系のダイヤイオンHP1MG、同2MG(三菱化学株式会社)、アンバーライトXAD7(ローム・アンド・ハース社)等が挙げられる。本発明に用いることができる合成吸着剤はこれに限るものではない。
【0015】
また、クズの根の抽出物は、本発明の抽出処理に先立って、又は抽出処理と並行して、必要に応じて抽出部位に酵素、酸又はアルカリを用いて加水分解処理を施してもよい。これによって、当該抽出物の保存安定性等を改善して抽出物をより有効に利用できる可能性がある。
【0016】
加水分解処理を行う場合、酵素としては、アクチナーゼ、パパイン、キモパパイン又はペプシン等の蛋白分解酵素、グルコアミラーゼ、α-アミラーゼ又はβ-アミラーゼ等の澱粉分解酵素、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ又はペクチナーゼ等の繊維素分解酵素、及びリパーゼ等の脂肪分解酵素のいずれかの酵素群から選ばれた1種又は2種以上を用いてもよいが、それらの酵素群からそれぞれ選ばれた1種又は2種以上の酵素を組み合わせて用いてもよい。
【0017】
酵素の添加量は、例えば、クズの根の固形分に対して、合計で0.001~50重量%の範囲とすることが好ましく、より好ましくは0.1~10重量%の範囲である。
【0018】
上述のように調製した抽出物は、一般にはpHを4~9に調製した上で、これをそのままの状態で化粧料配合剤として使用しても良く、又減圧濃縮等により所望の濃度として使用しても良い。また、抽出物はスプレードライ法等の常法により乾燥物としても良い。
【0019】
また、上述のように調製した抽出物は、保存安定性等を高めるために、一定時間冷蔵保存した上で、上清を使用しても良い。
【0020】
以上のようにして得られる抽出物には、プエラリン及びその誘導体(例えば、3’-hydroxy puerarin、3’-methoxy puerarin)が含まれる。本発明において、抽出物に含まれる固形分は、固形分重量0.5~4.0重量%が好ましく、さらに、1.5~3.0重量%がより好ましい。また、抽出物に含まれるプエラリンの量は、抽出物の全固形分重量に対して60重量%以上、より好ましくは65重量%以上、また、固形分中のイソフラボン重量に対して75%重量以上、より好ましくは80%重量以上である。
【0021】
本発明の抽出物を含む皮膚外用剤(化粧料、医薬部外品、外用医薬品)としては、例えば乳液、クリーム、ローション、エッセンス、パック、口紅、ファンデーション、シートマスク、リクイドファンデーション、メイクアッププレスパウダー、ほほ紅、白粉、洗顔料、ボディシャンプー、毛髪用シャンプー、石けん等の清浄用化粧料、さらには浴剤等が挙げられるが、勿論これらに限定されるものではない。
【0022】
本発明の抽出物の配合量は、皮膚外用剤に配合する場合は、それぞれの抽出物の固形分として、一般に0.0001~1.0重量%、好ましくは0.001~0.5重量%の範囲である。
【0023】
本発明の抽出物を皮膚外用剤(化粧品、医薬部外品及び外用医薬品等)に配合する際には、皮膚外用剤に用いられる成分、例えば油性成分、界面活性剤(合成系、天然物系)、保湿剤、増粘剤、乳化剤又は乳化助剤、防腐・殺菌剤、粉体成分、紫外線吸収剤、抗酸化剤、色素、香料、抗シワ剤、その他の生理活性成分等を必要に応じて適宜配合することができる。また、本発明のアンズの抽出物の有効性、特長を損なわない限り、他の生理活性成分と組み合わせて皮膚外用組成物に配合することも何ら差し支えない。
【0024】
ここで、油性成分としては、例えば、オリーブ油、ホホバ油、ヒマシ油、大豆油、米油、米胚芽油、ヤシ油、パーム油、カカオ油、メドウフォーム油、シアーバター、ティーツリー油、アボガド油、マカデミアナッツ油、ベルガモット油、ラベンダー油、バラ油、ベルガモット油、カミツレ油等の植物由来スクワラン等の植物由来の油脂類;ビタミンA油;ミンク油、タートル油等の動物由来の油脂類;ミツロウ、カルナウバロウ、ライスワックス、ラノリン等のロウ類;流動パラフィン、ワセリン、パラフィンワックス、スクワラン等の炭化水素類;ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、cis-11-エイコセン酸等の脂肪酸類;ラウリルアルコール、セタノール、パントテニルアルコール、ステアリルアルコール等の高級アルコール類;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、2-エチルヘキシルグリセライド、高級脂肪酸オクチルドデシル(ステアリン酸オクチルドデシル等)等の合成エステル類及び合成トリグリセライド類等が挙げられる。
【0025】
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤;脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン脂肪アミン硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、α-スルホン化脂肪酸アルキルエステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩等のアニオン界面活性剤;第四級アンモニウム塩、第一級~第三級脂肪アミン塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、2-アルキル-1-アルキル-1-ヒドロキシエチルイミダゾリニウム塩、N、N-ジアルキルモルフォルニウム塩、ポリエチレンポリアミン脂肪酸アミド塩等のカチオン界面活性剤;N、N-ジメチル-N-アルキル-N-カルボキシメチルアンモニオベタイン、N、N、N-トリアルキル-N-アルキレンアンモニオカルボキシベタイン、N-アシルアミドプロピル-N′、N′-ジメチル-N′-β-ヒドロキシプロピルアンモニオスルホベタイン等の両性界面活性剤等を使用することができる。
【0026】
乳化剤及び/又は乳化助剤としては、酵素処理ステビア等のステビア誘導体、サポニン又はその誘導体、カゼイン又はその塩(ナトリウム等)、糖と蛋白質の複合体、ショ糖又はそのエステル、ラクトース、大豆由来の水溶性多糖、大豆由来蛋白質と多糖の複合体、ラノリン又はその誘導体、コレステロール、ステビア誘導体(ステビア酵素処理物等)、ケイ酸塩(アルミニウム、マグネシウム等)、炭酸塩(カルシウム、ナトリウム等)サポニン及びその誘導体、レシチン及びその誘導体(水素添加レシチン等)、乳酸菌醗酵米、乳酸菌醗酵発芽米、乳酸菌醗酵穀類(麦類、豆類、雑穀等)等を配合することもできる。
【0027】
保湿剤としては、保湿剤としては、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1、3-ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、キシリトール、ピロリドンカルボン酸ナトリウム等があり、さらにトレハロース、ラフィノース等の糖類、ムコ多糖類(例えば、ヒアルロン酸及びその誘導体、ヒアルロン酸発酵液、コンドロイチン及びその誘導体、ヘパリン及びその誘導体等)、エラスチン及びその誘導体、コラーゲン及びその誘導体、コラーゲンペプチド、NMF関連物質、乳酸、尿素、高級脂肪酸オクチルドデシル、海藻抽出物、エストラジオール、各種アミノ酸及びそれらの誘導体が挙げられる。
【0028】
増粘剤としては、例えばアルギン酸、寒天、カラギーナン、フコイダン等の褐藻、緑藻又は紅藻由来成分;ペクチン、アロエ多糖体等の多糖類;トラガントガム、ローカストビーンガム、キサンタンガム、グアーガム等のガム類;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース誘導体;カルボシキビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アクリル酸・メタクリル酸共重合体等の合成高分子類;ヒアルロン酸及びその誘導体;ポリグルタミン酸及びその誘導体、ポリアクリル酸等が挙げられる。
【0029】
消炎剤としては、アラントイン、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム、β-グリチルレチン酸、グリチルレチン酸ステアリル、ε-アミノカプロン酸、d-カンフル、dl-カンフル、酸化亜鉛、パンテノール、ピリドキシン塩酸塩、及びリボフラビン又はその誘導体等がある。
【0030】
防腐・殺菌剤としては、例えば尿素;安息香酸又はその塩、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル等のパラオキシ安息香酸エステル類;フェノキシエタノール、ジクロロフェン、ヘキサクロロフェン、塩酸クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、サリチル酸、サリチル酸ナトリウム、ピリチオン亜鉛、塩化ベンザルコニウム、エタノール、ウンデシレン酸、フェノール類、臭化アルキルイソキノリニウム、レゾルシン、ジャマール(イミダゾデイニールウレア)、イソプロピルメチルフェノール、トリクロサン、トリクロロカルバニド、トリクロロヒドロキシジフェノールエーテル、ヒノキチオール、1、2-ペンタンジオール、プロパンジオール、濃ベンザルコニウム塩化物液50、ハッカ油、ユーカリ油等の精油類、樹皮乾留物、大根発酵液、サトウキビ、トウモロコシ等の植物由来のエタノール又は1、3-ブチレングリコール等がある。
【0031】
細胞賦活剤としては、パントテニルアルコール、メントール、dl-メントール、及びγ-オリザノール等がある。
【0032】
抗アクネ剤としては、イオウ、サリチル酸又はその塩、感光素201号、ジカプリル酸ピリドキシン等がある。
【0033】
粉体成分しては、例えばセリサイト、酸化チタン、タルク、カオリン、ベントナイト、酸化亜鉛、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、無水ケイ酸、雲母、ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、シルクパウダー、セルロース系パウダー、穀類(米、麦、トウモロコシ、キビ等)のパウダー、豆類(大豆、アズキ等)のパウダー等がある。
【0034】
紫外線吸収剤としては、例えばパラアミノ安息香酸エチル、パラジメチルアミノ安息香酸エチルヘキシル、サリチル酸アミル及びその誘導体、パラメトキシ桂皮酸2-エチルヘキシル、桂皮酸オクチル、オキシベンゾン、2、4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸塩、4-ターシャリーブチル-4-メトキシベンゾイルメタン、2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、アロエ抽出物等がある。
【0035】
抗酸化剤としては、例えばブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、アスタキサンチン等のカロテノイド、ビタミンE及びその誘導体(例えば、トコフェロール酢酸エステル、トコフェロールニコチン酸エステル)、ビタミンA又はその誘導体(パルミチン酸レチノール等)等がある。
【0036】
また、美白剤として、エラグ酸及びその誘導体、レゾルシノール誘導体、4-メトキシサリチル酸カリウム塩、マグノリグナン(5、5'-ジプロピル-ビフェニル-2、2’-ジオール)、ヒドロキシ安息香酸及びその誘導体、ビタミンE及びその誘導体、α-ヒドロキシ酸、ニコチン酸誘導体、AMP(アデノシンモノホスフェイト、アデノシン1リン酸)から選択される1以上のものが挙げられる。
【0037】
レゾルシノール誘導体としては、例えば、4-n-ブチルレゾルシノール、4-イソアミルレゾルシノール等が、2、5-ジヒドロキシ安息香酸誘導体としては、例えば2、5-ジアセトキシ安息香酸、2-アセトキシ-5-ヒドロキシ安息香酸、2-ヒドロキシ-5-プロピオニルオキシ安息香酸等が、α-ヒドロキシ酸としては、例えば乳酸、リンゴ酸、コハク酸、クエン酸、α-ヒドロキシオクタン酸等がある。コウジ酸及びその誘導体、アスコルビン酸及びその誘導体、ハイドロキノン又はその誘導体、エラグ酸及びその誘導体、ニコチン酸及びその誘導体、レゾルシノール誘導体、トラネキサム酸及びその誘導体、4-メトキシサリチル酸カリウム塩、マグノリグナン(5、5'-ジプロピル-ビフェニル-2、2’-ジオール)、ヒドロキシ安息香酸及びその誘導体、ビタミンE及びその誘導体、α-ヒドロキシ酸、AMP(アデノシンモノホスフェイト、アデノシン1リン酸)、t-シクロアミノ酸誘導体、ソウハクヒ抽出物、カミツレ抽出物、米糠抽出物の加水分解物、ユキノシタ抽出物及び白芥子抽出物又はその加水分解物から選択される1以上のものが挙げられる。
【0038】
上記のコウジ酸誘導体としては、例えば、コウジ酸モノブチレート、コウジ酸モノカプレート、コウジ酸モノパルミテート、コウジ酸ジブチレート等のコウジ酸エステル類、コウジ酸エーテル類、コウジ酸グルコシド等のコウジ酸糖誘導体等が、アスコルビン酸誘導体としては、例えばL-アスコルビン酸-2-リン酸エステルナトリウム、L-アスコルビン酸-2-リン酸エステルマグネシウム、L-アスコルビン酸-2-硫酸エステルナトリウム、L-アスコルビン酸-2-硫酸エステルマグネシウム等のアスコルビン酸エステル塩類、L-アスコルビン酸-2-グルコシド、L-アスコルビン酸-5-グルコシド、アスコルビルトコフェリルマレイン酸、アスコルビルトコフェリルリン酸K、ミリスチル3-グリセリルアスコルビン酸、カプリリル2-グリセリルアスコルビン酸等のアスコルビン酸糖誘導体、それらアスコルビン酸糖誘導体の6位アシル化物(アシル基は、ヘキサノイル基、オクタノイル基、デカノイル基等)、L-アスコルビン酸テトライソパルミチン酸エステル、L-アスコルビン酸テトララウリン酸エステル等のL-アスコルビン酸テトラ脂肪酸エステル類、3-O-エチルアスコルビン酸、L-アスコルビン酸-2-リン酸-6-O-パルミテートナトリウム、グリセリルアスコルビン酸又はそのアシル化誘導体、ビスグリセリルアスコルビン酸等のアスコルビン酸グルセリン誘導体、L-アスコルビン酸リン酸アミノプロピル、L-アスコルビン酸のヒアルロン酸誘導体、3-O-Dラクトース-L-アスコルビン酸、イソステアリルアスコルビルリン酸塩等が、ハイドロキノン誘導体としては、アルブチン(ハイドロキノン-β-D-グルコピラノシド)、α-アルブチン(ハイドロキノン-α-D-グルコピラノシド)等が、トラネキサム酸誘導体としては、トラネキサム酸エステル(例えば、トラネキサム酸ラウリルエステル、トラネキサム酸ヘキサデシルエステル、トラネキサム酸セチルエステル又はその塩)、トラネキサム酸のアミド体(例えば、トラネキサム酸メチルアミド)等が挙げられ、レゾルシノール誘導体としては、例えば、4-n-ブチルレゾルシノール、4-イソアミルレゾルシノール等が、2、5-ジヒドロキシ安息香酸誘導体としては、例えば2、5-ジアセトキシ安息香酸、2-アセトキシ-5-ヒドロキシ安息香酸、2-ヒドロキシ-5-プロピオニルオキシ安息香酸等が、ニコチン酸誘導体としては、例えばニコチン酸アミド(ナイアシンアミド)、ニコチン酸ベンジル等が、α-ヒドロキシ酸としては、例えば乳酸、リンゴ酸、コハク酸、クエン酸、α-ヒドロキシオクタン酸等がある。
【0039】
また、抗シワ剤として、ビタミンA又はその誘導体、ビタミンE又はその誘導体(酢酸トコフェロール等)、ビタミンC又はその誘導体(アスコルビン酸グルコシド、3-O-エチルアスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩等)、パントテニルアルコール、トラネキサム酸、ニコチン酸アミド、アラントイン等が挙げられる。
【0040】
さらに、以下の植物又は微生物等の天然物由来の成分を併用することも可能である。例えば、コラーゲン又はその加水分解物、酵母抽出物又は加水分解物、乳酸菌培養物、イネ科植物、アブラナ科植物、ツバキ科植物、バラ科植物、ボタン科植物、ミカン科植物、ヒユ科植物、アマモ科植物、マメ科植物、キク科植物、マメ科植物、アオイ科植物、リンドウ科植物、シソ科植物、ハス科植物、ウリ科植物、ウコギ科植物、ナス科植物、ノウゼンカズラ科植物、マタタビ科植物、クワ科植物、アヤメ科植物、キキョウ科植物、モクセイ科植物、マタタビ科植物、クワ科植物、クロウメモドキ科植物、ラン科植物、ウルシ科植物、フクギ科植物、バレンシ科植物、ミカン科植物、フトモモ科植物、ユリ科植物、ベンケイソウ科植物、ヒノキ科植物、ヒルガオ科の植物及びキジカクシ科のいずれかから選択される1以上の植物の抽出物又はその加水分解物或いは発酵物、コンブ科、ミリン科及びアオサ科のいずれかから選択される1以上の海藻の抽出物又はその加水分解物或いは発酵物、クラゲ(ミズクラゲ、エチゼンクラゲ等の自己消化物)、ヒアルロン酸の加水分解物又は発酵物、及びローヤルゼリーの抽出物又はその加水分解物或いは発酵物挙げられる。
【0041】
イネ科の植物由来成分としては、特に、イネ葉加水分解物、米抽出物加水分解物、米糠抽出物加水分解物、発芽玄米加水分解物、米発酵液、清酒由来の酒粕抽出物、マダケ又はモウソウチクのタケノコ皮抽出物、ハトムギ種子発酵物が好ましい。また、アブラナ科植物としては、特に、ハクガイ、オウガイ又はコクガイの種子の抽出物又はその加水分解物或いは発酵物が好ましい。また、ツバキ科植物由来成分としては、特に、緑茶(やぶきた、さみどり、あさひ、ごこう、うじみどり、きょうみどり、うじひかり、さみどり、べにふうき等)及び紅茶(ダージリン、アッサム、セーロン、アールグレイ、蜜香紅茶等)が好ましい。バラ科植物由来成分としては、ダマスクバラの花の抽出物、モモの花、葉又は未成熟果実の抽出物、イチゴの花抽出物、サクラの花又は葉の抽出物が好ましい。また、ボタン科植物由来成分としては、ボタンの根又は花、シャクヤクの花の抽出物が好ましい。また、ヒユ科植物由来成分としては、特に、アッケシソウ抽出物が好ましい。また、アマモ科植物由来成分としては、特に、アマモ又はコアマモの抽出物が好ましい。マメ科植物由来成分としては、特に、白大豆又は黒大豆の抽出物又はその加水分解物或いは豆乳発酵液、アズキ抽出物、アカツメクサ抽出物が好ましい。また、キク科植物由来成分としては、特に、ゴボウ根抽出物、ヒマワリ新芽抽出物、ハゴロモソウ抽出物、アルニカ抽出物又はカミツレ花抽出物が好ましい。アオイ科植物由来成分としては、ハイビスカス、ムクゲ又はフヨウの発酵物が好ましい。リンドウ科植物由来成分としては、ゲンチアナ抽出物が好ましい。また、シソ科植物としては、アオジソ抽出物、ムラサキシキブ果実抽出物が好ましい。ハス科植物由来成分としては、特に、ハスの花又はハス種子抽出物或いはハス種子発酵物が好ましい。ウリ科植物由来成分としては、特に、ヘチマ抽出物が好ましい。ウコギ科植物由来成分としては、オタネニンジンの抽出物又は発酵物が好ましい。ナス科植物由来成分としては、ナス(長ナス、水ナス、米ナス、賀茂ナス等)の抽出物が挙げられる。ノウゼンカズラ科植物由来成分としては、パウダルコ樹皮抽出物が好ましい。マタタビ科植物由来成分としては、未成熟のキウイ抽出物が好ましい。クワ科植物由来成分としては、ソウハクヒ抽出物、マルベリー果実抽出物、イチジクの果実又は樹皮の抽出物が好ましい。クロウメモドキ科植物由来成分としては、ナツメ果実抽出物が好ましい。また、アヤメ科植物由来成分としてはサフランが好ましい。キキョウ科植物由来成分としては、ヒカゲノツルニンジンの根の抽出物又は加水分解物が好ましい。ウルシ科植物由来成分としては、特に、マンゴ果実抽出物が好ましい。フクギ科植物由来成分としては、特に、マンゴスチン果実抽出物が好ましい。また、バレンシ科植物由来成分としては、チェリモヤ果実抽出物が好ましい。ミカン科植物由来成分として、温州ミカン、ベルガモット果実抽出物、グレープフルーツ又は晩白柚の果実(未成熟果実も含む)の抽出物、グレープフルーツ又はハッサク等の植物に含まれるフラボノイド及びその配糖体を含む抽出物、或いはサンショウ種子抽出物が好ましい。ユリ科植物由来成分としては、ホンカンゾウ、ヤブカンゾウ、カサブランカ、マドンナリリー、又はササユリの抽出物が好ましい。ベンケイソウ科植物由来成分としては、特に、イワベンケイ(紅景天)の抽出物又は発酵物が好ましい。モクセイ科植物由来成分としては、特に、ジャスミンの花抽出物が好ましい。ヒノキ科植物としては、特に、セイヨウネズ果実抽出物が好ましい。フトモモ科植物由来成分としては、特に、グアバ葉抽出物が好ましい。ラン科植物としては、特に、シランの根(白及)の抽出物が好ましい。ヒルガオ科植物由来成分としては、サツマイモの抽出物又はその発酵物或いは甘藷焼酎粕の抽出物又はその発酵物が好ましい。コンブ科海藻由来成分としては、特に、コンブ抽出物が好ましく、ミリン科海藻由来成分としてはカタメンキリンサイ抽出物が好ましく、特に、アオサ科海藻由来成分としてはアナアオサ抽出物が好ましい。フノリ科海藻由来成分としては、特に、フノリ抽出物が好ましい。
【0042】
製造例1.クズの根の抽出物の調製
クズの根の粉末1kgにエタノール10Lに加えて加温抽出した。次に、得られた抽出液をろ過、濃縮後、合成吸着剤のカラムに吸着させ、エタノールで溶出することにより、プエラリンを高濃度含む溶液を回収した。さらに再結晶により、プエラリン濃度を高めた濃縮液を回収した。次に、濃縮液を乾燥して、褐色粉末45gを得た。この粉末40gに水とブチレングルコールの混合溶媒960gを加えて撹拌した後、ろ過し、濃褐色透明の抽出物溶液920gを得た(固形分量3.50%)。
【0043】
製造例2.クズの根の抽出物の調製
製造例1にて用いた抽出溶媒(エタノール)に代えてメタノールを用いるほかは、製造例1と同様の操作により、褐色粉末43.0gを得た。この粉末40gに水とブチレングルコールの混合溶媒960gを加えて撹拌した後、ろ過し、濃褐色透明の抽出物溶液916gを得た(固形分量3.54%)。
【0044】
製造例3.クズの根の抽出物の調製
製造例1と同様の操作により、褐色透明の抽出物溶液923gを得た。この溶液に、活性炭6.7gを加え、1時間撹拌して溶液をろ過し、褐色透明の抽出物溶液880gを得た(固形分量3.11%)。
【0045】
比較製造例1.クズ根抽出物の調製
クズ根1kgに対して、エタノール10Lを加えて、80℃で、12時間加温抽出を行い、抽出液をろ過して、褐色透明の抽出物溶液950g(固形分量3.50%)を得た。
【0046】
比較製造例2.クズ根抽出物の調製
クズ根1kgに対して、メタノール10Lを加えて、80℃で、12時間加温抽出を行い、抽出液をろ過して、褐色透明の抽出物溶液950g(固形分量3.50%)を得た。
【0047】
試験例1.プエラリンの定量試験
本発明の製造例1~3に係る抽出物0.1gを70%エタノール水溶液に溶かして試料溶液とした。別にプエラリン標準試薬(東京化成工業株式会社製、純度98%以上)を10mg精密に量りとり、70%エタノール水溶液に溶かして標準溶液とした。試料溶液及び標準溶液を次の条件で液体クロマトグラフィー(Alliance HPLC システム、Waters 製)を用いて分析した。検出は紫外吸光度計(測定波長:254nm)、カラムはCOSMOSIL 5C18MS-II(4.6mm I.D.×250mm、ナカライテスク製)、移動相液には、アセトニトリル:水:酢酸=15:85:0.1の混液と、アセトニトリル:水:酢酸=35:65:0.1の混液を濃度勾配制御し、流速1.0mL/minにて分析した。得られた標準溶液のピークエリア面積と、試料溶液中に検出されたプエラリンのピークエリア面積からプエラリン量を定量した。プエラリン量は、本発明の製造例1に係る抽出物又は比較品1の固形分中の濃度(%)と、固形分全量に対する比(%)で算出した。
【0048】
試験例1の結果を表1に示す。
[表1]
【0049】
試験例1.コラーゲン産生促進評価試験
ヒト真皮由来線維芽細胞NB1RGBを、0.5%NCS含有イーグル最少必須培地を入れた96穴マイクロプレートに1×104個/穴播種し、37℃,5.0%CO2の条件下に1日間プレ培養した後、製造例1の抽出物を試料溶液として培地に添加し、また、比較対象として比較製造例1,2の抽出物を培地に添加し、同条件でさらに5日間培養した。ここで、試料溶液濃度として0.2%, 0.25%, 0.5%, 1.0%を設定し、比較対象溶液の濃度として1.0%を設定し、それぞれ培地中の溶液としての最終濃度が上記各濃度となるように添加したもので培養を行った。次に、培地を除去し、冷メタノール、冷エタノールで細胞を固定した後、0.1%シリウスレッド含有飽和ピクリン酸水溶液で染色を行った。精製水で洗浄後、0.1%NaOH:メタノール=1:1溶液にて抽出を行い、マイクロプレートリーダー(Model 680、バイオラッド社製)を用いて波長540nmでコラーゲン量を測定した。試料溶液に代えて同濃度のブチレングリコールを添加した試料無添加の場合(Control)についても上記と同様の操作を行い、ここに得られたコラーゲン量に対する各試料添加時のコラーゲン量の相対値を求め、線維芽細胞コラーゲン合成率(%)とした。また、試料溶液として、製造例1の抽出物(0.2%, 0.25%, 0.5%, 1.0%)と1mMのナイアシンアミド(NA)の組み合わせたものを試料溶液として使用して同様の試験を行い、同様に線維芽細胞コラーゲン合成率(%)を算出した。
【0050】
試験例1の結果を表2に示す。
[表2]
【0051】
表1に示すように、本発明に係る製造例1,2の抽出物は顕著なコラーゲン合成促進効果を有することを確認した。一方で比較製造例1,2の抽出物はコラーゲン合成促進効果が確認されなかった。また、本発明に係る製造例1の抽出物はナイアシンアミド(NA)と併用することで、コラーゲン合成促進効果がさらに向上することも確認された。これにより、本発明に係る抽出物を有効成分とすることで、シワ、タルミ等の老化予防・改善効果を発揮する皮膚外用剤を提供できることも示唆される。
【0052】
処方例1.化粧水
[成分] 部
製造例1の抽出物 0.5
スクワラン 0.2
ポリオキシエチレン(5.5)セチルアルコール 5.0
トコフェロール酢酸エステル 0.02
グリチルリチン酸ジカリウム 0.5
グリチルリチン酸モノアンモニウム 0.5
イソプロピルメチルフェノール 0.1
1,3-ブチレングリコール 5.0
クエン酸ナトリウム 0.2
メチルパラベン 0.1
精製水 全量が100部となる量
【0053】
処方例2.化粧水
処方例1の成分中、製造例1の抽出物0.5部に代えて、製造例2の抽出物0.5部を用いるほかは処方例1と同様にして化粧水を得た。
【0054】
処方例3.化粧水
処方例1の成分中、製造例1の抽出物0.5部に代えて、製造例3の抽出物0.5部を用いるほかは処方例1と同様にして化粧水を得た。
【0055】
処方例4.化粧水
[成分] 部
製造例1の抽出物 1.0
カプリル酸グリセリル 3.0
ラウリン酸ポリグリセリル-10 3.0
セタノール 2.0
ベヘニルアルコール 2.0
ナイアシンアミド 5.0
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
グリセリン 1.0
1,3-ブチレングリコール 1.0
ペンタンジオール 1.0
水酸化カリウム 0.5
精製水 全量が100部となる量
【0056】
処方例5.化粧水
[成分] 部
製造例1の抽出物 0.5
ホホバ油 1.0
ポリオキシエチレン(5.5)セチルアルコール 5.0
メチルパラベン 0.1
アスコルビン酸グルコシド 2.0
ナイアシンアミド 5.0
ε-アミノカプロン酸 0.1
イオウ 0.2
エストラジオール 0.1
ピリドキシン塩酸塩 0.5
グリセリン 5.0
1,3-ブチレングリコール 5.0
クエン酸ナトリウム 0.2
メタ重亜硫酸ナトリウム 0.2
d-カンフル 0.1
精製水 全量が100部となる量
【0057】
処方例6.乳液
[成分] 部
製造例1の抽出物 1.5
スクワラン 5.0
シクロペンタンシロキサン 1.0
ヘキサラン 3.0
イソステアリン酸ヘキシルデシル 1.0
トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル 1.0
ラウリン酸ポリグリセリル-10 5.0
イソステアリン酸ポリグリセリル-10 5.0
ジパルミチン酸アスコルビル 15.0
水添大豆レシチン 1.5
アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩 3.0
アルブチン 3.0
水酸化カリウム 0.5
グリセリン 3.0
1,3-ブチレングリコール 2.0
カルボキシメチルセルロース 0.3
キサンタンガム 0.2
シロキクラゲ多糖体 0.2
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
トコフェロール酢酸エステル 0.3
トコフェロールニコチン酸エステル 0.1
グリチルリチン酸 0.1
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
イソプロピルメチルフェノール 0.1
水溶性コラーゲン 1.0
加水分解コラーゲン 1.0
アセチルヒアルロン酸 0.1
精製水 全量が100部となる量
【0058】
処方例7.乳液
処方例6の成分中、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩2.0部に代えてL-アスコルビン酸-2-グルコシド2.0部を用いるほかは処方例6と同様にして乳液を得た。
【0059】
処方例8.乳液
処方例6の成分中、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩2.0部及び水酸化カリウムに代えてトラネキサム酸1.0部を用いるほかは処方例6と同様にして乳液を得た。
【0060】
処方例9.乳液
処方例6の成分中、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩2.0部に代えて3-O-エチルアスコルビン酸3.0部を用いるほかは処方例6と同様にして乳液を得た。
【0061】
処方例10.乳液
処方例6の成分中、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩2.0部及び水酸化カリウムに代えてナイアシンアミド1.0部を用いるほかは処方例6と同様にして乳液を得た。
【0062】
処方例11.クリーム
[成分] 部
オリーブ油 5.0
スクワラン 5.0
ホホバ油 5.0
ホホバワックス 1.0
ベヘニルアルコール 1.0
ステアリルアルコール 1.0
キャンデリラワックス 1.0
乳酸菌発酵米 2.0
大豆由来水添レシチン 0.5
製造例1の抽出物 1.0
カルボキシビニルポリマー 1.0
アルギン酸ナトリウム 1.0
グリセリン 2.0
ペンタンジオール 1.0
PH調整剤 適量
精製水 全量が100部となる量
【0063】
処方例12.クリーム
[成分] 部
製造例1の抽出物 1.0
オリーブ油 5.0
ホホバ油 5.0
スクワラン 5.0
イソステアリン酸ヘキシルデシル 5.0
ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル
/ベヘニル) 5.0
カプリル酸グリセリル 1.0
ステアリン酸グリセリル 1.0
イソステアリルグリセリル 3.0
γ-オリザノール 0.1
ベヘニルアルコール 2.0
パルミチン酸 2.5
D-パントテニルアルコール 3.0
アラントイン 0.1
リボフラビン 0.01
レゾルシン 0.1
塩化ベンザルコニウム 0.05
尿素 3.0
β-グリチルレチン酸 0.1
グリチルレチン酸ステアリル 0.1
グリチルリチン酸アンモニウム 0.1
ナイアシンアミド 5.0
乳酸菌発酵米 2.0
水添レシチン 0.5
水添リゾレシチン 0.5
加水分解コラーゲン 1.0
キサンタンガム 1.0
酸化亜鉛 0.5
dl-カンフル 0.3
l-メントール 0.5
精製水 全量が100部となる量
【0064】
実施例13.パック
[成分] 部
製造例1の抽出物 1.0
ジプロピレングリコール 5.0
ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油 5.0
セタノール 3.0
ベヘニルアルコール 3.0
アラントイン 0.1
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
グリチルリチン酸アンモニウム 0.1
β-グリチルレチン酸 0.1
グリチルレチン酸ステアリル 0.1
サリチル酸 0.1
トコフェロール酢酸エステル 0.5
トコフェロールニコチン酸エステル 0.1
D-パントテニルアルコール 0.3
レゾルシン 0.1
イオウ 2.0
エストラジオール 0.002
水溶性コラーゲン 1.0
キサンタンガム 2.0
ミリスチン酸ポリグリセリル-6 1.0
ココイルグルタミン酸カリウム 1.0
水添レシチン 3.0
水酸化レシチン 3.0
精製水 全量が100部となる量
【0065】
処方例14.洗浄用化粧料
[成分] 部
製造例1の抽出物 2.0
ココイルグリシンカリウム 5.0
グリセリン 10.0
カプリル酸グリセリル 1.0
ラウロイルアスパラギン酸ナトリウム 10.0
水溶性コラーゲン 5.0
セタノール 3.0
ミリスチルアルコール 3.0
イソプロピルメチルアルコール 0.1
アラントイン 0.1
イオウ 0.5
グリチルリチン酸 0.1
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
グリチルリチン酸モノアンモニウム 0.1
β-グリチルレチン酸 0.05
グリチルレチン酸ステアリル 0.1
サリチル酸 0.2
トコフェロール酢酸エステル 0.2
トリクロサン 0.1
トリクロロカルバニド 0.5
トリクロロヒドロキシジフェニルエーテル 0.2
濃ベンザルコニウム塩化物液50 0.2
ベンザルコニウム塩化物 0.1
精製水 全量が100部となる量
【0066】
処方例15.シートマスク
不織布に下記の成分を含浸させてシートマスクを得る。
[成分] 部
製造例1の抽出物 1.0
ナイアシンアミド 1.0
シャクヤク花抽出物 1.0
サフラン花抽出物 1.0
クエン酸 0.1
クエン酸ナトリウム 0.3
キサンタンガム 0.1
水溶性コラーゲン 0.1
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
グリセリン 1.0
1、3-ブチレングリコール 2.0
ペンタンジオール 1.0
水酸化カリウム 適量
精製水 全量が100部となる量
【0067】
処方例16.美容液
[成分] 部
製造例1の抽出物 2.0
ヒアルロン酸ナトリウム 1.0
水溶性コラーゲン 1.0
トラネキサム酸 0.1
エタノール 2.0
グリセリン 5.0
1、3-ブチレングリコール 5.0
メチルパラベン 0.1
クエン酸 0.3
クエン酸ナトリウム 0.6
カタメンキリンサイ抽出物 5.0
精製水 全量が100部となる量
【0068】
処方例17.クリーム
[成分] 部
オリーブ油 5.0
スクワラン 5.0
ホホバ油 5.0
ホホバワックス 1.0
シアバター 2.0
べヘニルアルコール 1.0
ステアリルアルコール 1.5
キャンデリラワックス 0.5
ナイアシンアミド 1.0
製造例1の抽出物 0.5
乳酸菌発酵米 3.0
水添レシチン 2.0
カタメンキリンサイ抽出物 2.0
カルボキシビニルポリマー 0.3
アルギン酸ナトリウム 0.2
グリセリン 4.0
水酸化カリウム 適 量
精製水 全量が100部となる量