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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023152151
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】情報処理装置、および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G05B 23/02 20060101AFI20231005BHJP
   G05B 19/05 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
G05B23/02 301Z
G05B19/05 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022062123
(22)【出願日】2022-04-01
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100155712
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 尚
(72)【発明者】
【氏名】今北 淳
【テーマコード(参考)】
3C223
5H220
【Fターム(参考)】
3C223AA11
3C223BA01
3C223BB06
3C223CC01
3C223DD01
3C223EB01
3C223EB02
3C223GG01
3C223HH02
3C223HH03
3C223HH15
5H220AA04
5H220BB05
5H220BB09
5H220CC06
5H220CX01
5H220HH08
5H220JJ12
5H220JJ16
5H220JJ24
5H220JJ53
(57)【要約】
【課題】多数の計測データおよび状態から、必要なデータを抽出する。
【解決手段】センサ(300)からの出力データを受信するIO-Linkマスタ(200)から、出力データを受信して表示する情報処理装置(100)であって、センサまたはIO-Linkマスタの機器情報(121)と、出力データに含まれるデータ種別についてのデータ種別情報と、を取得し、機器情報について、抽出すべきデータ種別情報が対応付けられた対応情報(123)に基づいて、データ種別情報を抽出し、表示する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上のセンサからの出力データを受信するデータ収集装置から、前記センサの出力データを受信して表示する制御を行う情報処理装置であって、
前記センサまたは前記データ収集装置の機器情報を取得する第1取得部と、
前記センサまたは前記データ収集装置の前記出力データに含まれる1つ以上のデータ種別のそれぞれについてデータ種別情報を取得する第2取得部と、
複数の前記機器情報のそれぞれについて、抽出すべき前記データ種別情報が対応づけられた対応情報に基づいて、前記第2取得部によって取得された前記データ種別情報のうち、前記第1取得部によって取得された前記機器情報に対応する前記データ種別情報を抽出する抽出部と、
前記抽出部によって抽出されたデータ種別情報を表示する制御を行う表示制御部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記第1取得部によって取得された前記機器情報に対応する前記データ種別情報のうち、表示すべき前記データ種別情報を選択する入力をユーザから受け付ける選択入力受付部を備え、
前記選択入力受付部は、前記表示制御部による制御によって選択入力画面表示が行われる、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記データ種別情報は、ブール型および数値型を少なくとも含み、
前記対応情報は、抽出すべき前記データ種別情報として前記ブール型を対応付けている前記機器情報、および、抽出すべき前記データ種別情報として前記数値型を対応付けている前記機器情報の少なくともいずれか一方を含んでいる、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記データ収集装置はIO-Linkマスタであり、
前記第1取得部は、前記IO-Linkマスタから、該IO-Linkマスタに接続されているIO-Linkデバイスのデバイス情報を前記機器情報として取得する、請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第2取得部は、IODDファイルを参照して、取得した前記デバイス情報に対応するデータ種別情報のリストを取得する、請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記対応情報は、前記IODDファイルにおける機器種別に対し、ブール型および/または数値型が対応した情報であり、
前記抽出部は、前記対応情報にて前記機器種別に対応した型の前記データ種別情報を抽出する、請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記抽出部は、前記データ種別情報におけるデータ名において、特定の単語を含む前記データ種別情報を抽出しない、請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記データ収集装置はPLCであり、
前記第2取得部は、前記PLCから、前記データ種別情報として、ネットワーク変数のリストを取得する、請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記抽出部は、前記ネットワーク変数の中から、前記PLCのシステム変数を除いた変数を抽出する、請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記抽出部は、前記ネットワーク変数の中から、前記ネットワーク変数の変数名称に所定の書式を接頭語として用いている変数を抽出する、請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記対応情報には、前記センサまたは前記データ収集装置の機器種別ごとに過去に前記選択入力受付部にて選択された前記データ種別情報が記憶されており、
前記抽出部は、当該記憶された前記データ種別情報を抽出する、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項12】
1つ以上のセンサからの出力データを受信するデータ収集装置から、前記センサの出力データを受信して表示する制御を行う情報処理装置の制御方法であって、
前記センサまたは前記データ収集装置の機器情報を取得する第1取得ステップと、
前記センサまたは前記データ収集装置の前記出力データに含まれる1つ以上のデータ種別のそれぞれについてデータ種別情報を取得する第2取得ステップと、
複数の前記機器情報のそれぞれについて、抽出すべき前記データ種別情報が対応づけられた対応情報に基づいて、前記第2取得ステップによって取得された前記データ種別情報のうち、前記第1取得ステップによって取得された前記機器情報に対応する前記データ種別情報を抽出する抽出ステップと、
前記抽出ステップによって抽出されたデータ種別情報を表示する制御を行う表示制御ステップと、
を含む情報処理装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はネットワークで接続されたセンサのデータを表示する情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、IoT(Internet of Things)技術の普及に伴い、センサを有する通信機器を用いて、監視対象の状態を監視するシステムが注目されている。このようなシステムでは、多数の装置が取得した様々なデータを一元的に管理し、様々な表示方法で表示装置に表示する。
【0003】
工場内における複数のメーカの生産設備/センサで計測したデータを一元管理するのに際し、メーカが異なることによってプロトコルも異なり、一元管理の障害となっている。特許文献1には、プロトコルの変換とデータフォーマットおよびデータ型の変換とを行い、統一の形式にすることで、生産設備/センサのメーカが異なる環境で一括してデータ収集、変換、分析、および可視化する処理を可能とする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-204224号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、単一の生産設備/センサであっても、多数の計測データおよび状態があり、どの計測データおよび状態を表示装置に表示させればよいのかがわかり辛い。その結果、工場における全設備に対し、表示すべき妥当な項目を設定し、表示することは困難である。
【0006】
本発明の一態様は、多数の計測データおよび状態から、表示すべきデータを抽出することを可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る情報処理装置は、1つ以上のセンサからの出力データを受信するデータ収集装置から、前記センサの出力データを受信して表示する制御を行う情報処理装置であって、前記センサまたは前記データ収集装置の機器情報を取得する第1取得部と、前記センサまたは前記データ収集装置の前記出力データに含まれる1つ以上のデータ種別のそれぞれについてデータ種別情報を取得する第2取得部と、複数の前記機器情報のそれぞれについて、抽出すべき前記データ種別情報が対応づけられた対応情報に基づいて、前記第2取得部によって取得された前記データ種別情報のうち、前記第1取得部によって取得された前記機器情報に対応する前記データ種別情報を抽出する抽出部と、前記抽出部によって抽出されたデータ種別情報を表示する制御を行う表示制御部と、を備える。
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る情報処理装置の制御方法は、1つ以上のセンサからの出力データを受信するデータ収集装置から、前記センサの出力データを受信して表示する制御を行う情報処理装置の制御方法であって、前記センサまたは前記データ収集装置の機器情報を取得する第1取得ステップと、前記センサまたは前記データ収集装置の前記出力データに含まれる1つ以上のデータ種別のそれぞれについてデータ種別情報を取得する第2取得ステップと、複数の前記機器情報のそれぞれについて、抽出すべき前記データ種別情報が対応づけられた対応情報に基づいて、前記第2取得ステップによって取得された前記データ種別情報のうち、前記第1取得ステップによって取得された前記機器情報に対応する前記データ種別情報を抽出する抽出ステップと、前記抽出ステップによって抽出されたデータ種別情報を表示する制御を行う表示制御ステップと、を含む。
【0009】
上記の構成によれば、機器情報に応じて定まる対応情報によって、データ種別情報を抽出することができる。そのため、数多くのデータ種別情報の中から表示すべき情報を容易に抽出して表示することができる。
【0010】
前記第1取得部によって取得された前記機器情報に対応する前記データ種別情報のうち、表示すべき前記データ種別情報を選択する入力をユーザから受け付ける選択入力受付部を備え、前記選択入力受付部は、前記表示制御部による制御によって選択入力画面表示が行われてもよい。
【0011】
上記の構成によれば、情報処理装置は表示すべきデータ種別情報を選択するユーザ入力を受け付けることができる。よって、抽出部によって抽出されたデータ種別情報の中から、表示すべきデータ種別情報を絞り込むことが可能となる。また、抽出部によって抽出されなかったデータ種別情報の中から、表示すべきデータ種別情報を選択することが可能となる。
【0012】
前記データ種別情報は、ブール型および数値型を少なくとも含み、前記対応情報は、抽出すべき前記データ種別情報として前記ブール型を対応付けている前記機器情報、および、抽出すべき前記データ種別情報として前記数値型を対応付けている前記機器情報の少なくともいずれか一方を含んでもよい。
【0013】
上記の構成によれば、ブール型を表示することが好ましい機器と、数値型を表示することが好ましい機器とのいずれかである場合に、適切にデータ種別情報の抽出ができる。
【0014】
前記データ収集装置はIO-Linkマスタであり、前記第1取得部は、前記IO-Linkマスタから、該IO-Linkマスタに接続されているIO-Linkデバイスのデバイス情報を前記機器情報として取得してもよい。
【0015】
IO-Linkデバイスは、多数種類のデータを出力することが可能であるので、IO-Linkマスタで収集されるデータの種類は非常に多数になることがある。これに対して、上記の構成によれば、IO-Linkによって、IO-Linkデバイスのデバイス情報を取得し、デバイス情報に基づいて、数多くのデータ種別情報の中から表示すべき情報を抽出することができる。
【0016】
前記第2取得部は、IODDファイルを参照して、取得した前記デバイス情報に対応するデータ種別情報のリストを取得してもよい。
【0017】
上記の構成によれば、IODDファイルに記載されている情報に基づき、データ種別情報を取得することができる。
【0018】
前記対応情報は、前記IODDファイルにおける機器種別に対し、ブール型および/または数値型が対応した情報であり、前記抽出部は、前記対応情報にて前記機器種別に対応した型の前記データ種別情報を抽出してもよい。
【0019】
上記の構成によれば、機器種別に応じて適切な変数型を選択して抽出することができる。そのため、IO-Linkデバイスを接続するだけで、機器種別を含めた様々な情報がわかり、容易に表示すべき項目を選択することができるようになる。
【0020】
前記抽出部は、前記データ種別情報におけるデータ名において、特定の単語を含む前記データ種別情報を抽出しないようにすることができる。
【0021】
上記の構成によれば、特定の単語を含んでいれば表示する必要はないと判断できる場合に、そのようなデータ種別情報を抽出しないようにすることができる。よって、より適切に表示すべきデータ種別情報を絞り込むことが可能となる。
【0022】
前記データ収集装置はPLCであり、前記第2取得部は、前記PLCから、前記データ種別情報として、ネットワーク変数のリストを取得してもよい。
【0023】
上記の構成によれば、PLCによってネットワークに公開されているネットワーク変数のリストによって、データ種別情報を取得することができる。
【0024】
前記抽出部は、前記ネットワーク変数の中から、前記PLCのシステム変数を除いた変数を抽出してもよい。
【0025】
ネットワーク変数には、PLCのシステム固有のシステム変数が含まれていることがあるが、このようなシステム変数は表示させる必要がない場合が多い。すなわち、上記の構成によれば、表示させる必要がないシステム変数を除いて、より適切に表示すべきデータ種別情報を絞り込むことが可能となる。
【0026】
前記抽出部は、前記ネットワーク変数の中から、前記ネットワーク変数の変数名称に所定の書式を接頭語として用いている変数を抽出してもよい。
【0027】
ネットワーク変数において、所定の書式を接頭語として用いている変数が表示すべき変数であると判断できる場合がある。この場合に、上記の構成によれば、上記のような変数を抽出することで、より適切に表示すべきデータ種別情報を絞り込むことが可能となる。
【0028】
前記対応情報には、前記センサまたは前記データ収集装置の機器種別ごとに過去に前記選択入力受付部にて選択された前記データ種別情報が記憶されており、前記抽出部は、当該記憶された前記データ種別情報を抽出してもよい。
【0029】
上記の構成によれば、過去に表示するために選択されたデータ種別情報は、再度選択される可能性が高いため、当該データ種別情報を抽出することで、より適切に表示すべきデータ種別情報を絞り込むことが可能となる。
【発明の効果】
【0030】
本発明の一態様によれば、多数の計測データおよび状態の中から、表示すべきデータを抽出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】実施形態1に係る表示システムの要部の構成を示すブロック図である。
図2】実施形態1に係る表示システムにおいて、抽出部が抽出を行わなかった場合の表示画面(選択入力画面表示)である。
図3】実施形態1に係る情報処理装置における動作例のフローチャートである。
図4】対応情報の一例を示す図である。
図5】S109の段階において抽出された変数を示す図である。
図6】S110の段階において抽出された変数を示す図である。
図7】S107によって過去に選択されたことがある変数を抽出した場合における、抽出された変数を示す一例である。
図8】実施形態2に係る表示システムの要部の構成を示すブロック図である。表示システムは、情報処理装置と、PLC(Programmable Logic Controller)(データ収集装置)と、センサと、を備える。
図9】実施形態2に係る情報処理装置における動作例のフローチャートである。
図10】実施形態2に係る表示システムにおいて、抽出部が表示項目を削減しなかった場合の表示画面(選択入力画面表示)である。
図11】実施形態2に係る表示システムにおいて、抽出部が表示項目を削減した場合の表示画面である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
〔実施形態1〕
以下、本発明の一側面に係る実施の形態(以下、「本実施形態」とも表記する)を、図面に基づいて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0033】
§1.適用例
図1は、実施形態1に係る表示システム1の要部の構成を示すブロック図である。表示システム1は、情報処理装置100と、IO-Linkマスタ(データ収集装置)200と、センサ300a・300bと、を備える。
【0034】
表示システム1は、センサ300a・300bなどの複数のセンサで計測したデータを複数のIO-Linkマスタ200を介して情報処理装置に集約し、まとめて表示するシステムである。表示システム1には、結果として多数のセンサが接続されていることになり、どのデータを表示するべきかの判断が困難である。特に、工場全体を管理している場合などでは、多数の装置があり、各センサの役割を把握し判断することも困難である。
【0035】
情報処理装置100では、多数あるデータの中から、表示すべきと判断されるデータを容易に、表示するようにすることができる装置である。具体的には、センサの機器種別に応じて、情報処理装置100が表示すべきと判断したデータのみを、ユーザが表示するか否かを選択する画面に、選択肢として表示する。そのため、容易にユーザは表示すべきデータを選択することが可能になる。
【0036】
§2.構成例
(IO-Linkの構成)
IO-Linkマスタ200とセンサ300a・300bとは、IO-Linkにて通信を行っている。
【0037】
IO-Linkマスタ200は、IO-Link規格に対応したセンサ等のIO機器に対し、データの入出力を行う。IO-Linkマスタ200は、データを上位装置である情報処理装置100に出力する。すなわち、IO-Linkマスタ200は、情報処理装置100とセンサ300a・300bとの通信を中継する。
【0038】
センサ300a・300bは、IO-Link規格に対応したセンサである。本実施形態では、センサ300aを圧力センサとし、センサ300bを近接センサとするが、これらのセンサの種類に限定はされない。また、センサ300a・300bは、センサとしたが入力機器に限定されず、バルブやロボットなどの出力機器であってもよい。
【0039】
(IO-Linkについて)
IO-Linkは、IO機器の通信規格の1つである。IO-Linkでは、通信確立時に、IO-Linkに対応したデバイス(ここでは、センサ300a・300b)は、IO-Linkマスタ200に対し、ベンダーIDとデバイスIDとプロダクトIDとを送信する。これら情報は、接続されているデバイスの詳細を確認するための、数値の情報である。IO-Linkマスタ200は、これら情報を上位装置(ここでは、情報処理装置100)に転送する。
【0040】
上位装置では、ベンダーIDを参照し、デバイスの製造元を特定し、デバイスIDを参照し、当該製造元におけるどの製品かを特定し、プロダクトIDを参照し、当該製品のシリアル番号を確認する。つまり、これら情報を確認することで、デバイスを一意に特定することができる。上位装置では、ベンダーIDおよびデバイスIDから製品の製造元・型式を文字列として取得することができる。
【0041】
また、上位装置では、ベンダーIDおよびデバイスIDを参照し、IODD(IO Device Description)ファイルを検索し、対応するIODDファイルを特定する。
【0042】
IODDファイルは、製造元が用意したデバイスの各種定義が記載されたファイルである。IODDファイルには、ベンダー名称、製品名称、および型式などのデバイス固有の情報に加え、当該デバイスによって通信されるデータのフォーマットの情報が記載されている。データのフォーマットとしては、データの名称、データの型、データの単位、データの小数点位置などの情報が含まれている。
【0043】
(情報処理装置100の構成)
情報処理装置100は、制御部110と記憶部120とを備える。制御部110は、情報処理装置100の各部を制御する。記憶部120は、情報処理装置100で用いるプログラム・変数・データなどを記憶する。
【0044】
制御部110は、通信部111と、第1取得部112と、第2取得部113と、選択入力受付部114と、抽出部115と、表示制御部116と、データ可視化部117と、を備える。また、記憶部120にはデータとして、機器情報121と、IODDファイル122と、対応情報123と、データベース124と、が記憶されている。
【0045】
通信部111は、IO-Linkマスタ200とフィールドネットワークを用いて通信し、IO-Linkマスタ200に対しIOの入出力を行う。このとき、入出力するデータには、ベンダーIDと、デバイスIDと、プロダクトIDとが含まれる。また、通信部111は、取得したこれら情報を第1取得部112に出力する。
【0046】
フィールドネットワークとしては、EtherCAT(登録商標)、Profinet IRT、MECHATROLINK(登録商標)-III、Powerlink、SERCOS(登録商標)-III、CIP Motion、DeviceNet、およびCompoNet/IP(登録商標)などが挙げられる。フィールドネットワークとして、各種産業用イーサネット(登録商標)を用いてもよい。
【0047】
第1取得部112は、ベンダーIDと、デバイスIDと、プロダクトIDとを機器情報121として、記憶部120に記憶する。
【0048】
第2取得部113は、機器情報121に記憶されているベンダーIDと、デバイスIDとを参照し、IODDファイル122から、センサ300a・300bの出力データに含まれる1つ以上のデータ種別(変数)に関するデータ種別情報を取得し、抽出部115に出力する。
【0049】
選択入力受付部114は、ユーザが操作するマウス132などの入力デバイスの入力を受け付け、受け付けた入力を抽出部115に出力する。受け付ける入力としては、抽出部115において抽出を行うか否かの選択と、複数ある変数の中から表示する変数を選択する入力である。
【0050】
抽出部115は、入力されたデータ種別情報を参照し、表示する可能性が高い変数と表示する可能性が低い変数とに選別して、表示する可能性が高い変数のみに抽出する。実際の抽出部115における抽出する処理に関しては詳細を後述する。抽出部115は、抽出したIOを表示制御部116に出力する。
【0051】
表示制御部116は、入力された変数に関するデータ種別情報を一覧としてディスプレイ131に出力して、ユーザが見られる形で表示する。
【0052】
データ可視化部117は、選択入力受付部114によってユーザ入力でもって選択された表示する変数に関して、ユーザが確認し易い形で表示する表示画面を作成する。データ可視化部117は、作成した表示画面を表示制御部116を介して、ディスプレイ131にて表示する。
【0053】
また、データベース124は、ユーザ入力でもって選択された表示する変数に関するデータを時系列で記憶する。データ可視化部117は、当該データベース124を参照してもよい。
【0054】
(変数の一覧表示例)
情報処理装置100の動作例の説明に先立ち、抽出部115において、抽出を行わなかった場合に関してまず説明する。
【0055】
図2は、実施形態1に係る表示システム1において、抽出部115が抽出を行わなかった場合の表示画面(選択入力画面表示)500である。図2に示すように、様々な変数(データ種別)が一覧表示されることがわかる。これら変数全てを情報処理の対象とすると、過剰な場合が考えられるため、必要な変数のみに限定して情報処理を行うべきである。情報処理を行う対象を選択する画面が図2の表示画面500である。
【0056】
図2における表示画面500は、主に、リスト510と、デバイス選択部520と、抽出可否部(選択入力受付部)530と、によって構成されている。各変数(データ種別)には、様々なデータ種別情報が関連づいている。
【0057】
リスト510に一覧表示されている項目はそれぞれ次のような内容である。「選択」欄は、チェックボックス(選択入力受付部)511であり、選択することによって、選択された変数を情報処理の対象として登録する。
【0058】
「デバイス番号」欄は、IO-Linkマスタ200におけるデバイスの番号と、そこに接続されているデバイスの種別(データ種別情報)を表示している。例えば、「1:圧力センサ」と表示されている場合は、「圧力センサ」であるデバイスがポート「1」に接続されていることを示す。デバイスの種別に関しては、製品型式等を表示しても構わない。
【0059】
「デバイス名(機器種別)」欄は、IODDファイルから取得し、IO-Linkマスタに接続されているデバイスの種別(データ種別情報)を表示している。
【0060】
「チャンネル名」欄は、ユーザが個別に入力する項目であり、表示システム1における変数の名称(データ種別情報)を設定している。
【0061】
「データ名」欄は、IODDファイルから取得し、IO-Linkデバイスにおける変数の名称(データ種別情報)を表示している。
【0062】
「データ型」欄は、IODDファイルから取得し、変数のデータ型(データ種別情報)を表示している。例えば、「BooleanT」は「TRUE(真)」か「FALSE(偽)」の2値をとるブール型(ブーリアン型、論理型)である。「IntegerT」は符号あり整数型である。「UIntegerT」は符号なし整数型である。
【0063】
一般的にデータ型としては「ブール型」と、整数型および浮動小数点型である「数値型」と、文字を表す「文字型」と、日付または時間を表す「日時型」があることが知られている。ここで、本明細書においては、ブール型と数値型を対象とし、他のデータ型を対象としないものとする。
【0064】
「単位」欄は、IODDファイルから取得し、データの単位(データ種別情報)を示している。「‐(ハイフン)」の場合は、単位がない場合である。
【0065】
「小数点」欄は、「データ型」として、「Float32T」などの浮動小数点型を用いずに整数型を用いた場合に、小数点が含まれる数値を表示するために、データの何桁目を小数点位置とするかを示す情報(データ種別情報)である。例えば、データが「123」で「小数点」が「0.1」の場合、表示する実際の数値としては「12.3」を表す。
【0066】
また、デバイス選択部520によって、情報処理装置100が接続する対象であるIO-Linkマスタ200を選択する。デバイス選択部520には、IO-LinkマスタのIPアドレス等を表示してもよい。
【0067】
抽出可否部530は、チェックボックスであり、抽出を行うか否かを選択する。抽出可否部530は、予め抽出(表示項目を削減する処理)を行うようにチェック(選択)がされていてもよい。ただし、図2は、まずは抽出していない場合を示すために、抽出可否部530はチェックがされていない場合であることに注意されたい。
§3.動作例
(IODDファイルの取得)
図3は、実施形態1に係る情報処理装置100における動作例のフローチャートである。
【0068】
S101において、第1取得部112は、通信部111を介して、IO-Linkマスタ200と通信し、ベンダーIDと、デバイスIDと、プロダクトIDとを機器情報121として取得する。第1取得部112は、ベンダーIDとデバイスIDとを第2取得部113に出力する。
【0069】
S102において、第2取得部113は、入力されたベンダーIDとデバイスIDとを参照し、記憶部120に記憶されている対応するIODDファイル122を検索し、取得する。
【0070】
S103において、第2取得部113は、IODDファイル122を解析し、各変数(データ種別)の「データ名」と、「データ型」と、「単位」と、「小数点」と、をデータ種別情報として取得する。
【0071】
(データ種別情報を用いた抽出)
S104において、選択入力受付部114は、抽出可否部530が選択されているか否かを判断する。抽出可否部530が選択されていない場合S105に進み、選択されている場合S106に進む。
【0072】
S105(S104においてNoの場合)において、抽出部115は、判断対象の変数を抽出する。すなわち、抽出可否部530が選択されていない場合、全変数を抽出する。その後、S112に進む。
【0073】
抽出可否部530が選択されている場合、各変数に対し、抽出を行うか否かを判断していく。つまり、以降は、抽出部115は、複数の変数の中から、一つずつ変数を読み込み、当該変数を抽出するか否かを判断していく。
【0074】
S106(S104においてYesの場合)において、抽出部115は、判断対象の変数が、過去に選択されたことがあるか否かを判断する。当該変数が過去に選択されたことがある場合、S107に進み、選択されたことがない場合、S108に進む。
【0075】
S107(S106においてYesの場合)において、抽出部115は、対応情報123を確認し、過去に選択されたことがある場合、当該変数(データ種別)を抽出する。すなわち、過去に選択されたことがある変数は、変数のデータ種別情報によらず抽出対象とする。これは、過去に選択された変数は再度表示すべきデータとして扱われる可能性が高いからである。その後、S111に進む。
【0076】
S108(S106においてNoの場合)において、抽出部115は、当該変数(データ種別)のデータ型(データ種別情報)が数値型かまたはブール型の場合、当該変数を抽出する。
【0077】
S109において、抽出部115は、さらに、当該変数に関連したIODDファイル122を参照し、「デバイス名(機器種別)」に関する対応情報123を確認する。抽出部115は、対応情報123を確認した後、対応情報123にて機器種別によって定義されたデータ型(データ種別情報)を抽出する。
【0078】
図4は、対応情報の一例を示す図である。対応情報には、「圧力センサ」・「近接センサ」などの機器種別ごとに、抽出すべきデータ型が定義されている。また、機器種別に対し、デバイス名が対応づいている。
【0079】
すなわち、IODDファイル122によってデバイス名が「Pressure Sensor」であることがわかったデバイスの機器種別は「圧力センサ」になり、抽出すべきデータ型は「数値型」であることがわかり、「数値型」を抽出する。また、IODDファイル122によってデバイス名が「Proximity Sensor」であることがわかったデバイスの機器種別は「近接センサ」になり、抽出すべきデータ型は「ブール型」であることがわかり、「ブール型」を抽出する。
【0080】
図5は、S109の段階において抽出された変数を示す図である。図2図5とを比較してわかるように、一覧表示されている変数の項目数が削減されたことがわかる。具体的には、デバイス名が「Pressure Sensor」の項目に関しては、数値型のみが抽出され、ブール型は表示されなくなった。また、デバイス名が「Proximity Sensor」の項目に関しては、ブール型のみが抽出され、数値型は表示されなくなった。
【0081】
S110において、抽出部115は、変数(データ種別)のデータ名(データ種別情報)に特定の単語が含まれないものを抽出する。所定の単語としては、「正常」・「異常」・「警告」・「ビジー」・「待機」などの状態を表す文字列、または「表示」・「単位」・「モード」などのデータではない情報を表す文字列である。データを表示すべき情報処理装置において、データではない状態や情報は、取得したいデータではないため、これら文字列を除外するように抽出を行い、表示すべきデータに適切に絞り込んでいる。
【0082】
図6は、S110の段階において抽出された変数を示す図である。図5図6とを比較してわかるように、一覧表示されているIOの項目数が削減されたことがわかる。具体的には、デバイス名が「Pressure Sensor」の項目に関しては、データ名が「圧力」および「温度」の2つのみが抽出され、デバイス名が「Proximity Sensor」の項目に関しては、データ名が「制御出力」のみが抽出された。すなわち、図6の例では、「Pressure Sensor」におけるデータ名が「異常番号」な変数や、「Proximity Sensor」におけるデータ名が「状態表示灯(赤)」、「状態表示灯(緑)」、および「異常」という変数が除外された。
【0083】
S111において、抽出部115は、抽出の可否に関して未判断の変数があるかを判断する。未判断の変数がある場合、S106に処理を戻し当該未判断の変数に関して抽出するか否かの判断を行い、未判断の変数がない場合、S112に処理を進める。つまり、S111によって、S106~S111の処理を読み出した変数全てに対して行うことになる。
【0084】
S112(S111においてNoの場合)において、表示制御部116は、抽出された変数に関するデータ種別情報をディスプレイ131に表示する。ここで、S104においてYesだった場合は、図6がディスプレイ131に表示され、S104においてNoだった場合は、図2がディスプレイ131に表示される。
【0085】
ここで、抽出部115におけるデータ種別情報の抽出は多段階の工程を経て抽出するが、これらの抽出可否を単体の抽出可否部530のみによって決定してもよいし、複数の抽出可否部530によって決定してもよい。すなわち、抽出可否部530の機能を有するチェックボックスが複数並んでおり、それぞれが各工程の抽出の可否に対応していてもよい。
【0086】
例えば、図5は、抽出部15における抽出処理の過程を説明するための図であり、実際にはS109およびS110の処理は抽出部115による情報処理演算で実行されるため、図5に示す段階の表示は行われない。しかしながら、例えばS109の処理の後に図5の表示が行われ、S110の抽出処理を行うか否かのユーザ入力を受け付けるようにし、ユーザからの指示があった場合に、S110の抽出処理を行って図6の表示が行われるようにしてもよい。
【0087】
(過去の選択状況に応じた抽出)
また、S106~S107によって、過去に何等かの変数が選択されていた場合、S104においてYesだった場合でも、抽出された変数は図6とはならず、一例として、次に示す図7となる。
【0088】
図7は、S107によって過去に選択されたことがある変数を抽出した場合における、抽出された変数を示す一例である。図6図7とを比較すると、ここでは例として、デバイス名が「Pressure Sensor」の項目に関しては、「重度異常」が追加で抽出されており、デバイス名が「Proximity Sensor」の項目に関しては、「検出レベル」が追加で抽出されている。これらは、一例であり、他の変数でもよい。
【0089】
これら抽出されなかった変数が、過去に選択されている場合は、過去に不具合対応などによって、これらデータ名の変数が選択されたためである。
【0090】
(データ可視化部117について)
抽出部115によって抽出された変数(データ種別)の中から、ユーザは、表示したい変数に対して、各変数のチェックボックス511を選択し、選択入力受付部114に入力する。この動作によって、ユーザは表示する変数を選択することができる。また、選択された変数に関しては、対応情報123に記憶される。
【0091】
データ可視化部117は、選択された変数の状態および変化をユーザが確認し易い形で表示するための表示画面を作成する。作成した表示画面は、表示制御部116を介して、ディスプレイ131に表示する。
【0092】
選択された変数が数値型の場合は、データベース124よりデータの変化を読み込み、データの変化を表すグラフを表示する。当該グラフには、閾値などの情報を付記しても構わない。また、現在値を確認できるように、現在値を合わせて表示しても構わない。グラフの種類は特に限定されず、折れ線グラフや、ヒストグラムなどであってもよい。
【0093】
選択された変数がブール型の場合は、データの現在値が色によって確認できる画面を表示する。具体的には、変数名が書かれた矩形のボックスが複数敷き詰められており、当該ボックスの色を、データの値に応じて変化させる。つまり、ブール型の値がTRUEの場合は緑で、FALSEの場合は赤で、当該ボックスの背景色を着色する。また、ブール型に関してもデータの変化を表すタイミングチャートを表示しても構わない。
【0094】
また、複数のブール型でもって、ワークの状態(不良)や不良原因の種類を表す場合、複数のブール型の結果を合わせて円グラフや、積み立て棒グラフなどで表してもよい。
§4.作用・効果
したがって、抽出可否部530の選択状況に応じて、データ種別情報に基づきデータ種別を抽出することができる。データ種別を抽出することによって、ユーザが表示するか否かを判断しなければならない項目数は削減することができ、容易に情報処理装置におけるデータの取得設定を確立することができる。
【0095】
また、抽出可否部530において、チェックをしないこと(解除)によって、抽出部115によって、除外されたデータ種別に関する項目を、再度選択することができるようになる。
【0096】
抽出部115における抽出においては、機器情報121に基づき、対応情報123を参照して抽出すべきデータ型を決定する。これにより、デバイスの種別であるデバイス名に応じて、適切なデータ型を選択することができるようになる。
【0097】
さらに、抽出部115における抽出においては、データではない状態や情報を抽出しないようにすることで、データのみが抽出され容易に情報処理装置におけるデータの取得設定を確立することができる。
【0098】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0099】
(表示システム1aの構成)
図8は、実施形態2に係る表示システム1aの要部の構成を示すブロック図である。表示システム1aは、情報処理装置100aと、PLC(Programmable Logic Controller)(データ収集装置)400と、センサ300c・300dと、を備える。情報処理装置100aとPLC400とは、フィールドネットワークによって通信している。PLC400はPLCでなくてもよく、何等かの制御装置であればよい。
【0100】
センサ300c・300dは、デジタル出力のセンサまたはアナログ出力のセンサであり、PLC400は、これらセンサの出力を入力する。また、センサ300c・300dはセンサなどの入力機器に限定されず、バルブ・ロボットなどの出力機器であってもよい。
【0101】
(情報処理装置100aの構成)
情報処理装置100aは、制御部110aと記憶部120aとを備える。制御部110aは、通信部111aと、第1取得部112aと、第2取得部113aと、選択入力受付部114aと、抽出部115aと、表示制御部116と、データ可視化部117と、を備える。また、記憶部120aにはデータとして、機器情報121と、変数情報122aと、対応情報123と、データベース124と、が記憶されている。
【0102】
通信部111aは、PLC400とフィールドネットワークを用いて通信し、PLC400がPLCであることを示す機器情報と、PLC400のネットワーク変数と、を取得する。機器情報と共有変数を第1取得部112aに出力する。
【0103】
第1取得部112aは、入力された機器情報を機器情報121に記憶し、入力されたネットワーク変数を変数情報122aとして記憶する。
【0104】
第2取得部113aは、第2取得部113におけるIODDファイル122に変えて、変数情報122aを記憶部120aから読み出す。当該変数情報122aには、変数名と、変数の型と、当該変数のコメントと、の情報が含まれている。
【0105】
選択入力受付部114aは、選択入力受付部114と異なり、マウス132に加え、キーボード133からの文字列入力をも受け付ける。受け付けた入力を抽出部115に出力する。受け付ける入力は、選択入力受付部114の内容に加え、抽出すべき変数名の接頭語(プレフィックス)を指定する入力である。
【0106】
抽出部115aは、抽出部115とは異なる条件によって、変数情報に基づき変数(データ種別)のデータ種別情報を抽出する。
【0107】
(PLC400に対する抽出の動作例)
図9は、実施形態2に係る情報処理装置100aにおける動作例のフローチャートである。基本の処理の流れは、IODDファイル122に変えて、変数情報122aを用いる点と、抽出部115aにおける抽出処理が異なっている。
【0108】
S101aにおいて、第1取得部112aは、通信部111aを介して、PLC400から機器情報を取得する。S102aにおいて、第1取得部112aは、通信部111aを介して、PLC400からネットワーク変数を変数情報122aとして取得する。
【0109】
S103aにおいて、変数情報122aから、各変数(データ種別)の「変数名」と、「データ型」と、をデータ種別情報として取得する。
【0110】
S109aにおいて、抽出部115aは、PLC400のシステム変数(PLCにて予め定義されている変数、時間、および状態等)を除いたデータ種別情報を抽出する。
【0111】
S110aにおいて、抽出部115aは、変数情報における各変数の接頭語が、選択入力受付部114aからの入力を受けて定めた文字列となっている変数のデータ種別情報を抽出し、表示制御部116に抽出したデータ種別情報を出力する。
【0112】
(PLC400における抽出の結果)
図10は、実施形態2に係る表示システム1aにおいて、抽出部115aが表示項目を削減しなかった場合の表示画面(選択入力画面表示)600である。図11は、実施形態2に係る表示システム1aにおいて、抽出部115aが表示項目を削減した場合の表示画面600である。
【0113】
表示画面600は、主に、リスト610と、デバイス選択部520と、抽出可否部(選択入力受付部)530と、接頭語指定部(選択入力受付部)540と、によって構成されている。リスト610には、変数ごとに「選択」欄があり、当該「選択」欄はチェックボックス(選択入力受付部)611である。このチェックボックスを選択することによって、表示システム1aによって表示する変数として登録される。
【0114】
接頭語指定部540は、変数名の抽出条件を、キーボード133によって決定するユーザ入力である。接頭語指定部540で指定した条件において、抽出部は抽出を行う。
【0115】
リスト610において、「データ型」、「チャンネル名」、「データ名」、「単位」、および「小数点」に関しては、図2と同様である。ただし、チャンネル名に関しては、PLC400におけるコメントを表示しても構わない。また、「データ名」と「単位」を合わせて「データ名」としてまとめて設定しても構わない。
【0116】
また、リスト610における「変数名」欄はPLC400における変数名称である。実施形態2では、変数名の命名規則に基づき、抽出を行っている。
【0117】
ここで、「変数名」と「データ型」はPLC400から取得することができるが、他の値はユーザ入力が必要である。これは、IO-LinkにおけるIODDファイル122に相当する定義ファイルが存在しないためである。
【0118】
図10図11とを比較すると、一覧表示している変数の項目数が削減されたことがわかる。変数名「_CurrentTime」における、接頭語の「_」はシステム変数であることを表している。そのため、S109aの処理によって、当該変数は抽出されなかった。ここで、接頭語を用いてシステム変数であるか否かを判断したが、データベースなどを参照して判断しても構わない。
【0119】
また、変数名「PARTICLE」は、システム変数ではないが、接頭語「S%_」によって始まっていない。そのため、S110aの処理によって、当該変数は抽出されなかった。ここで、「%」は任意の数字に対応しているものとし、そのため、「S%_」と指定することにより、「S1_」も「S2_」も抽出対象に選択される。また、接頭語は複数指定しても構わない。
【0120】
(PLC400における抽出の作用・効果)
したがって、抽出可否部530の選択状況に応じて、データ種別情報を抽出することができる。データ種別情報を抽出することによって、ユーザが確認しなければならない項目数は削減することができ、容易に情報処理装置におけるデータの取得設定を確立することができる。
【0121】
また、抽出可否部530において、チェックをしないこと(解除)によって、抽出部115aによって、除外されたデータ種別の項目を、再度選択することができるようになる。
【0122】
さらに、データ種別情報に基づき、各変数がシステム変数であるか、また変数名が所定の接頭語で始まっているかを確認することによって、抽出する対象を削減することができる。そのため、容易に情報処理装置におけるデータの取得設定を確立することができる。
【0123】
〔ソフトウェアによる実現例〕
情報処理装置100、および100a(以下、「装置」と呼ぶ)の機能は、当該装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、当該装置の各制御ブロック(特に制御部110、および110aに含まれる各部)としてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。
【0124】
この場合、上記装置は、上記プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つの制御装置(例えばプロセッサ)と少なくとも1つの記憶装置(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。この制御装置と記憶装置により上記プログラムを実行することにより、上記各実施形態で説明した各機能が実現される。
【0125】
上記プログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、1または複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、上記装置が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、上記プログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介して上記装置に供給されてもよい。
【0126】
また、上記各制御ブロックの機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、上記各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本発明の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータにより上記各制御ブロックの機能を実現することも可能である。
【0127】
また、上記各実施形態で説明した各処理は、AI(Artificial Intelligence:人工知能)に実行させてもよい。この場合、AIは上記制御装置で動作するものであってもよいし、他の装置(例えばエッジコンピュータまたはクラウドサーバ等)で動作するものであってもよい。
【0128】
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0129】
1、1a 表示システム
100、100a 情報処理装置
110、110a 制御部
111、111a 通信部
112、112a 第1取得部
113、113a 第2取得部
114、114a 選択入力受付部
115、115a 抽出部
116 表示制御部
120、120a記憶部
121 機器情報
122 IODDファイル
122a 変数情報
123 対応情報
200 CC-Linkマスタ
300a、300b、300c、300d センサ
400 PLC
500、600 表示画面
510、610 リスト
511、611 チェックボックス
520 デバイス選択部
530 抽出可否部
540接頭語指定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11