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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023152174
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】印刷装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20231005BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
B41J29/38 201
B41J29/42 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022062150
(22)【出願日】2022-04-01
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】市川 一樹
(72)【発明者】
【氏名】中山 瑠偉
【テーマコード(参考)】
2C061
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061CQ24
2C061CQ34
2C061HJ07
2C061HJ10
2C061HK19
(57)【要約】
【課題】自動ジョブ削除の設定の有無に応じて、表示部への表示を変更することで、ユーザによる選択画面での選択を適切に選択できるようにすることができる印刷装置を提供する。
【解決手段】制御部(12)は、予め定められた自動ジョブ削除タイミングにおいて、記憶部(13,19A)に記憶された印刷ジョブの削除を実行する処理であって、自動ジョブ削除設定に応じて印刷ジョブの削除を実行するか否かが設定されている第1削除処理と、表示部(34A)に表示された印刷ジョブの中から選択された印刷ジョブを印刷終了後に記憶部の記憶を保持するかを選択する選択画面を表示し、入力操作によって選択可能とする保持選択処理と、を実行し、自動ジョブ削除設定が印刷ジョブの削除を実行する設定の場合、保持選択処理を実行せず、自動ジョブ削除設定が印刷ジョブの削除を実行しない設定の場合、保持選択処理を実行し、選択画面を表示部に表示する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの入力操作を受け付ける受付部と、
表示部と、
画像をシートに印刷する印刷部と、
印刷ジョブが記憶される記憶部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
予め定められた自動ジョブ削除タイミングにおいて、前記記憶部に記憶された印刷ジョブの削除を実行する処理であって、自動ジョブ削除設定に応じて印刷ジョブの削除を実行するか否かが設定されている第1削除処理と、
前記記憶部に記憶された印刷ジョブを前記表示部に表示させる印刷ジョブ表示処理と、
前記受付部を介して受け付けられる入力操作によって、前記印刷ジョブ表示処理により表示された印刷ジョブの中から1以上の印刷ジョブを選択する印刷ジョブ選択処理と、
前記印刷ジョブ選択処理によって選択された印刷ジョブを、印刷終了後に前記記憶部の記憶を保持するかを選択する選択画面を表示し、前記受付部を介して受け付けられる入力操作によって選択可能とする保持選択処理と、
前記印刷ジョブ選択処理によって選択された印刷ジョブに基づく画像を、前記印刷部を用いてシートに印刷する印刷処理と、
前記保持選択処理によって記憶を保持すると選択された場合、前記印刷処理が終了した印刷ジョブの前記記憶部への記憶を保持し、前記保持選択処理によって削除すると選択された場合、前記印刷処理が終了した印刷ジョブを前記記憶部から削除する第2削除処理と、
を実行し、
前記制御部は、
前記自動ジョブ削除設定が印刷ジョブの削除を実行する設定の場合、前記保持選択処理を実行せず、
前記自動ジョブ削除設定が印刷ジョブの削除を実行しない設定の場合、前記保持選択処理を実行し、前記選択画面を前記表示部に表示する、
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
ユーザの入力操作を受け付ける受付部と、
表示部と、
画像をシートに印刷する印刷部と、
印刷ジョブが記憶される記憶部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
予め定められた自動ジョブ削除タイミングにおいて、前記記憶部に記憶された印刷ジョブの削除を実行する処理であって、自動ジョブ削除設定に応じて印刷ジョブの削除を実行するか否かが設定されている第1削除処理と、
前記記憶部に記憶された印刷ジョブを前記表示部に表示させる印刷ジョブ表示処理と、
前記受付部を介して受け付けられる入力操作によって、前記印刷ジョブ表示処理により表示された印刷ジョブを選択する印刷ジョブ選択処理と、
前記印刷ジョブ選択処理によって選択された印刷ジョブを、印刷終了後に前記記憶部への記憶を保持するかを選択する選択画面を表示し、前記受付部を介して受け付けられる入力操作によって選択可能とする保持選択処理と、
前記印刷ジョブ選択処理によって選択された印刷ジョブに基づく画像を、前記印刷部を用いてシートに印刷する印刷処理と、
前記保持選択処理によって記憶を保持すると選択された場合、前記印刷処理が終了した前記選択された印刷ジョブの前記記憶部への記憶を保持し、前記保持選択処理によって削除すると選択された場合、前記印刷処理が終了した前記選択された印刷ジョブを前記記憶部から削除する第2削除処理と、
を実行し、
前記制御部は、前記保持選択処理実行後、
前記自動ジョブ削除設定が印刷ジョブの削除を実行する設定であって、かつ、前記保持選択処理によって記憶を保持すると選択されていた場合、前記選択画面の表示後、前記自動ジョブ削除設定が印刷ジョブの削除を実行する設定であることを前記表示部に表示し、
前記自動ジョブ削除設定が印刷ジョブの削除を実行しない設定の場合、または、前記保持選択処理によって削除すると選択されていた場合、前記選択画面の表示後、前記自動ジョブ削除設定が印刷ジョブの削除を実行する設定であることを前記表示部に表示しない、
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記保持選択処理実行後、
前記自動ジョブ削除設定が印刷ジョブの削除を実行する設定であって、かつ、前記保持選択処理によって印刷ジョブの記憶を保持すると選択されていた場合、前記自動ジョブ削除設定が印刷ジョブの削除を実行する設定であることに加えて、記憶を保持することが選択された印刷ジョブの前記自動ジョブ削除タイミングを前記表示部に表示する、
ことを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記自動ジョブ削除タイミングは、予め定められた定期的な時間である、
ことを特徴とする請求項3に記載の印刷装置。
【請求項5】
外部装置と通信する通信部、を備え、
前記制御部は、
前記外部装置から、前記通信部を介して印刷ジョブを受信し、前記記憶部に受信した前記印刷ジョブを記憶させ、
前記制御部は、
前記印刷ジョブが前記記憶部に記憶された受信時刻を記憶し、
前記自動ジョブ削除タイミングは、前記受信時刻から自動削除期間を経過したタイミングである、
ことを特徴とする請求項3に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記保持選択処理の実行後、前記自動ジョブ削除設定が印刷ジョブの削除を実行する設定であって、かつ、前記保持選択処理によって記憶を保持すると選択されていた場合、記憶を保持すると選択された印刷ジョブの中で前記自動ジョブ削除タイミングが最も早い印刷ジョブを決定し、
前記最も早い印刷ジョブの自動ジョブ削除タイミングを前記表示部に表示する、
ことを特徴とする請求項5に記載の印刷装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記保持選択処理実行後、前記自動ジョブ削除設定が印刷ジョブの削除を実行する設定であって、かつ、前記保持選択処理によって記憶を保持すると選択されていた場合、記憶を保持すると選択された印刷ジョブの前記自動ジョブ削除タイミングを延長する、
ことを特徴とする請求項5に記載の印刷装置。
【請求項8】
前記制御部は、
前記印刷ジョブ選択処理の実行後、前記印刷処理を実行する前に、前記保持選択処理を実行する、
ことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項9】
前記記憶部には、印刷ジョブを記憶させたユーザに関するユーザ識別情報が当該印刷ジョブと関連付けられて記憶されており、
前記制御部は、
前記印刷装置にログインする入力操作を、前記受付部を介して受け付け、入力操作によって入力されたユーザ識別情報に基づいてユーザの認証を行う認証処理、を更に実行し、
前記印刷ジョブ表示処理において、前記記憶部に記憶させた印刷ジョブの中から、前記認証処理により認証されたユーザの前記ユーザ識別情報と関連付けられて記憶されている印刷ジョブを前記表示部に表示する、
ことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項10】
外部装置と通信する通信部、を備え、
前記制御部は、
前記外部装置から、前記通信部を介して印刷ジョブを受信し、前記記憶部に受信した前記印刷ジョブを記憶させ、
前記印刷ジョブ表示処理において、前記記憶部に記憶された印刷ジョブのリストである印刷ジョブリストを含む印刷ジョブ選択画面を前記表示部に表示し、
前記印刷ジョブ選択処理において、ユーザが前記受付部を入力操作することによって、前記印刷ジョブリストの中から1以上の印刷ジョブを選択する、
ことを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の印刷装置は、認証情報が付与された印刷ジョブを印刷ジョブ格納部に格納し、ユーザからのパスワードの入力を受け付け、パスワードが一致する印刷ジョブがあれば、その印刷ジョブを印刷する。また、特許文献1の印刷装置は、パスワードの入力後かつ印刷前に、印刷データを印刷後に格納部に保存しておくか、又は、印刷後に格納部から全ての印刷データを削除するかをユーザが選択することができる選択画面を表示し、パスワードが一致する印刷ジョブを印刷後も印刷ジョブ格納部に保存するか否かをユーザに選択させる。
特許文献2の印刷装置では、蓄積ジョブを保存する時間である保存時間を設定し、保存時間を超えて記憶されている蓄積ジョブを自動的に削除することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-341591号公報
【特許文献2】特開2016-137583号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の印刷装置の機能と、特許文献2の印刷装置の機能とを組み合わせた印刷装置を実現しようとした場合、選択画面にて印刷後に印刷ジョブの記憶を保持することが選択された場合であっても、自動ジョブ削除タイミングにおいて記憶部に記憶された印刷データを自動的に削除する設定がされている場合、印刷ジョブを記憶部に保持する時間経過後にその印刷ジョブが自動的に記憶部から削除されてしまう。そのため、自動ジョブ削除の設定がされている場合、ユーザによって記憶部に印刷データを記憶しておくことを選択するメリットがなくなる場合があった。
本件提案の発明は、自動ジョブ削除の設定の有無に応じて、表示部への表示を変更することで、ユーザによる選択画面での選択を適切に選択できるようにすることができる印刷装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、本開示の一態様に係る印刷装置は、ユーザの入力操作を受け付ける受付部と、表示部と、画像をシートに印刷する印刷部と、印刷ジョブが記憶される記憶部と、制御部と、を備え、前記制御部は、予め定められた自動ジョブ削除タイミングにおいて、前記記憶部に記憶された印刷ジョブの削除を実行する処理であって、自動ジョブ削除設定に応じて印刷ジョブの削除を実行するか否かが設定されている第1削除処理と、前記記憶部に記憶された印刷ジョブを前記表示部に表示させる印刷ジョブ表示処理と、前記受付部を介して受け付けられる入力操作によって、前記印刷ジョブ表示処理により表示された印刷ジョブの中から1以上の印刷ジョブを選択する印刷ジョブ選択処理と、前記印刷ジョブ選択処理によって選択された印刷ジョブを、印刷終了後に前記記憶部の記憶を保持するかを選択する選択画面を表示し、前記受付部を介して受け付けられる入力操作によって選択可能とする保持選択処理と、前記印刷ジョブ選択処理によって選択された印刷ジョブに基づく画像を、前記印刷部を用いてシートに印刷する印刷処理と、前記保持選択処理によって記憶を保持すると選択された場合、前記印刷処理が終了した印刷ジョブの前記記憶部への記憶を保持し、前記保持選択処理によって削除すると選択された場合、前記印刷処理が終了した印刷ジョブを前記記憶部から削除する第2削除処理と、を実行し、前記制御部は、前記自動ジョブ削除設定が印刷ジョブの削除を実行する設定の場合、前記保持選択処理を実行せず、前記自動ジョブ削除設定が印刷ジョブの削除を実行しない設定の場合、前記保持選択処理を実行し、前記選択画面を前記表示部に表示する。
【0006】
上記構成によれば、自動ジョブ削除タイミングにおいて自動的に印刷ジョブを削除する設定がされている場合は、保持選択処理を実行しないことにした。そのため、例えば、印刷装置の管理者が自動的に印刷ジョブを削除する設定をした場合には、管理者でない他のユーザが印刷を行う際に、印刷ジョブを印刷後も保持する設定を行うための選択画面が表示されないため、管理者でないユーザがメリットを感じない状況で設定を行うことがない。自動ジョブ削除の設定の有無に応じて、表示部への表示を変更することで、ユーザによる選択画面での選択を適切に選択できる。
【0007】
また、本開示の一態様に係る印刷装置では、ユーザの入力操作を受け付ける受付部と、表示部と、画像をシートに印刷する印刷部と、印刷ジョブが記憶される記憶部と、制御部と、を備え、前記制御部は、予め定められた自動ジョブ削除タイミングにおいて、前記記憶部に記憶された印刷ジョブの削除を実行する処理であって、自動ジョブ削除設定に応じて印刷ジョブの削除を実行するか否かが設定されている第1削除処理と、前記記憶部に記憶された印刷ジョブを前記表示部に表示させる印刷ジョブ表示処理と、前記受付部を介して受け付けられる入力操作によって、前記印刷ジョブ表示処理により表示された印刷ジョブを選択する印刷ジョブ選択処理と、前記印刷ジョブ選択処理によって選択された印刷ジョブを、印刷終了後に前記記憶部への記憶を保持するかを選択する選択画面を表示し、前記受付部を介して受け付けられる入力操作によって選択可能とする保持選択処理と、前記印刷ジョブ選択処理によって選択された印刷ジョブに基づく画像を、前記印刷部を用いてシートに印刷する印刷処理と、前記保持選択処理によって記憶を保持すると選択された場合、前記印刷処理が終了した前記選択された印刷ジョブの前記記憶部への記憶を保持し、前記保持選択処理によって削除すると選択された場合、前記印刷処理が終了した前記選択された印刷ジョブを前記記憶部から削除する第2削除処理と、を実行し、前記制御部は、前記保持選択処理実行後、前記自動ジョブ削除設定が印刷ジョブの削除を実行する設定であって、かつ、前記保持選択処理によって記憶を保持すると選択されていた場合、前記選択画面の表示後、前記自動ジョブ削除設定が印刷ジョブの削除を実行する設定であることを前記表示部に表示し、前記自動ジョブ削除設定が印刷ジョブの削除を実行しない設定の場合、または、前記保持選択処理によって削除すると選択されていた場合、前記選択画面の表示後、前記自動ジョブ削除設定が印刷ジョブの削除を実行する設定であることを前記表示部に表示しない。
【0008】
上記構成によれば、自動的に印刷ジョブを削除する設定がされている場合、かつ、保持選択処理によって記憶を保持すると選択された場合には、自動ジョブ削除設定が印刷ジョブの削除を実行する設定であることを表示部に表示する。そのため、保持選択処理によって記憶を保持することを選択したユーザに対して、印刷ジョブを自動的に削除する設定になっていることを知らせることができる。
【0009】
また、本開示の一態様に係る印刷装置では、前記制御部は、前記保持選択処理実行後、前記自動ジョブ削除設定が印刷ジョブの削除を実行する設定であって、かつ、前記保持選択処理によって印刷ジョブの記憶を保持すると選択されていた場合、前記自動ジョブ削除設定が印刷ジョブの削除を実行する設定であることに加えて、記憶を保持することが選択された印刷ジョブの前記自動ジョブ削除タイミングを前記表示部に表示する。
【0010】
上記構成によれば、自動的に印刷ジョブを削除する設定がされている場合、かつ、保持選択処理によって記憶を保持すると選択された場合には、自動ジョブ削除設定が印刷ジョブの削除を実行する設定であることに加えて、記憶を保持することが選択された印刷ジョブの自動ジョブ削除タイミングを表示部に表示する。そのため、保持選択処理によって記憶を保持することを選択したユーザに対して、印刷ジョブが自動的に削除されるタイミングを知らせることができる。
【0011】
また、本開示の一態様に係る印刷装置では、前記自動ジョブ削除タイミングは、予め定められた定期的な時間である。
【0012】
上記構成によれば、定期的に印刷ジョブがされる。そのため、記憶部の記憶容量が保持対象の印刷ジョブで圧迫されることを防ぐことができる。
【0013】
また、本開示の一態様に係る印刷装置では、外部装置と通信する通信部、を備え、前記制御部は、前記外部装置から、前記通信部を介して印刷ジョブを受信し、前記記憶部に受信した前記印刷ジョブを記憶させ、前記制御部は、前記印刷ジョブが前記記憶部に記憶された受信時刻を記憶し、前記自動ジョブ削除タイミングは、前記受信時刻から自動削除期間を経過したタイミングである。
【0014】
上記構成によれば、印刷ジョブに基づく画像を印刷した印刷日時から自動削除期間を経過したタイミングに当該印刷ジョブを削除する。そのため、繰り返し印刷されていない印刷ジョブを削除することができ、記憶部の記憶容量が保持対象の印刷ジョブで圧迫されることを防ぐことができる。
【0015】
また、本開示の一態様に係る印刷装置では、前記制御部は、前記保持選択処理の実行後、前記自動ジョブ削除設定が印刷ジョブの削除を実行する設定であって、かつ、前記保持選択処理によって記憶を保持すると選択されていた場合、記憶を保持すると選択された印刷ジョブの中で前記自動ジョブ削除タイミングが最も早い印刷ジョブを決定し、前記最も早い印刷ジョブの自動ジョブ削除タイミングを前記表示部に表示する。
【0016】
上記構成によれば、自動的に印刷ジョブを削除する設定がされている場合、かつ、保持選択処理によって記憶を保持すると選択された場合には、記憶を保持すると設定された印刷ジョブの中で自動ジョブ削除タイミングが最も早い印刷ジョブについて、その自動ジョブ削除タイミングを表示する。そのため、記憶を保持することを選択された印刷ジョブが自動的に削除されるまでの凡その期間を知らせることができる。
【0017】
また、本開示の一態様に係る印刷装置では、前記制御部は、前記保持選択処理実行後、前記自動ジョブ削除設定が印刷ジョブの削除を実行する設定であって、かつ、前記保持選択処理によって記憶を保持すると選択されていた場合、記憶を保持すると選択された印刷ジョブの前記自動ジョブ削除タイミングを延長する。
【0018】
上記構成によれば、自動的に印刷ジョブを削除する設定がされている場合、かつ、保持選択処理によって記憶を保持すると選択された場合には、記憶を保持すると選択された印刷ジョブの前記自動ジョブ削除タイミングを延長する。そのため、保持選択処理によって記憶を保持することを選択したユーザの要望に応えることができる。
【0019】
また、本開示の一態様に係る印刷装置では、前記制御部は、前記印刷ジョブ選択処理の実行後、前記印刷処理を実行する前に、前記保持選択処理を実行する。
【0020】
上記構成によれば、印刷ジョブを選択した後、印刷処理を行う前に、保持選択処理を実行することにした。そのため、印刷ジョブを記憶部に保持するか否かをユーザに確認させることができる。
【0021】
また、本開示の一態様に係る印刷装置では、前記記憶部には、印刷ジョブを記憶させたユーザに関するユーザ識別情報が当該印刷ジョブと関連付けられて記憶されており、前記制御部は、前記印刷装置にログインする入力操作を、前記受付部を介して受け付け、入力操作によって入力されたユーザ識別情報に基づいてユーザの認証を行う認証処理、を更に実行し、前記印刷ジョブ表示処理において、前記記憶部に記憶させた印刷ジョブの中から、前記認証処理により認証されたユーザの前記ユーザ識別情報と関連付けられて記憶されている印刷ジョブを前記表示部に表示する。
【0022】
上記構成によれば、認証処理を実行し、印刷ジョブ表示処理において、認証されたユーザの印刷ジョブだけを表示することにした。そのため、記憶部に記憶された印刷ジョブの中からユーザが記憶させた印刷ジョブだけを確認させることができる。
【0023】
また、本開示の一態様に係る印刷装置では、外部装置と通信する通信部、を備え、前記制御部は、前記外部装置から、前記通信部を介して印刷ジョブを受信し、前記記憶部に受信した前記印刷ジョブを記憶させ、前記印刷ジョブ表示処理において、前記記憶部に記憶された印刷ジョブのリストである印刷ジョブリストを含む印刷ジョブ選択画面を前記表示部に表示し、前記印刷ジョブ選択処理において、ユーザが前記受付部を入力操作することによって、前記印刷ジョブリストの中から1以上の印刷ジョブを選択する。
【0024】
上記構成によれば、印刷装置は、外部装置から印刷ジョブを受信して記憶部に印刷ジョブを記憶する。そして、記憶部に記憶されている印刷ジョブのリストを印刷装置の表示部に表示させる。印刷処理を行う際に、記憶部に記憶されている印刷ジョブのリストをユーザに提示することにより、記憶部への印刷ジョブの蓄積状況をユーザに確認させることができる。
【発明の効果】
【0025】
本開示の一態様によれば、自動ジョブ削除の設定の有無に応じて、表示部への表示を変更することで、ユーザによる選択画面での選択を適切に選択できるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本開示の実施形態1に係る印刷装置の外観を示す図である。
図2】本開示の実施形態1に係る印刷装置の電気的構成を示すブロック図である。
図3】本開示の実施形態1に係る印刷装置の設定を変更する方法に関するフローチャートである。
図4】印刷ジョブを記憶部に記憶する処理に関するフローチャートである。
図5】(A)本開示の実施形態1に係る印刷装置におけるジョブ管理情報の一例を示す図である。(B)および(C)本開示の実施形態2に係る印刷装置におけるジョブ管理情報の一例を示す図である。
図6】本開示の実施形態1に係る印刷装置において印刷ジョブを印刷する処理の流れを示すフローチャートである。
図7図6の蓄積印刷処理の流れを示すフローチャートである。
図8】(A)待機画面の一例を示す図である。(B)ジョブ選択画面の一例を示す図である。(C)保持選択画面の一例を示す図である。
図9】本開示の実施形態1に係る印刷装置における自動削除処理の流れを示すフローチャートである。
図10】本開示の実施形態2に係る印刷装置における自動削除処理の流れを示すフローチャートである。
図11】本開示の実施形態2に係る印刷装置における蓄積印刷処理の流れを示すフローチャートである。
図12】本開示の実施形態2に係る印刷装置における表示処理の流れを示すフローチャートである。
図13】本開示の実施形態2に係る印刷装置における警告表示画面の一例を示す図である。
図14】本開示の実施形態3に係る印刷装置における表示処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
〔実施形態1〕
〔複合機の概略構成〕
図1は、本開示の実施形態1に係る印刷装置の外観を示す斜視図である。図1に示す複合機(MFP:Multi-Function Peripheral)1は、印刷装置の一例であり、プリント機能、コピー機能、スキャン機能、及びファックス機能等を有する。なお、印刷装置は、前述した全ての機能を備えた複合機に限られるものではなく、例えば、ファックス機能を備えていない複合機であってもよい。以下、図1の矢印で示されるように、複合機1の上下方向、前後方向、及び左右方向を定義する。
【0028】
複合機1は、印刷部2と、画像読取部3と、操作パネル33と、タッチパネル34とを備える。印刷部2は、電子写真方式のプリント機能を有する。印刷部2の印刷方式は、電子写真方式に限らず、インクジェット方式であってもよい。印刷部2の筐体20は、給紙トレイ21と排紙トレイ22とを有する。給紙トレイ21には、普通紙などのシートを複数枚収容することができる。印刷部2は、給紙トレイ21から給紙されたシートに画像を印刷し、排紙トレイ22に排紙する。なお、給紙トレイ21に収容されるシートは、普通紙に限られず、厚紙などであってもよい。
【0029】
画像読取部3は、スキャン機能を有する。画像読取部3は、筐体30と、原稿搬送部31と、原稿カバー32とを備える。原稿搬送部31は、複数の原稿を積載可能な原稿トレイ31Aを備える。原稿カバー32は、筐体30の載置台に対して回動自在に設けられている。
【0030】
操作パネル33およびタッチパネル34は、複合機1の前面に設けられている。操作パネル33には、タッチパネル34と、キャンセルキー35A、ホームキー35B、戻りキー35Cおよび電源キー35Dなどを有する。
【0031】
図2は、複合機1の電気的構成を示すブロック図である。複合機1は、印刷部2と、画像読取部3と、ASIC11と、RAM13と、ROM14と、不揮発性メモリ15と、ネットワークI/F16と、USBI/F19と、を備える。
【0032】
ASIC11には、CPU12が搭載されている。CPU12は、制御部の一例であり、複合機1の各部に対する全般的な制御を行う。なお、ASIC11を、制御部として用いてもよい。ROM14には、複合機1を制御するためのプログラム43が記憶されている。CPU12は、RAM13を作業領域として用いてプログラム43を実行する。不揮発性メモリ15は、NVRAM等からなり、複合機1の各種処理の設定、各種処理に用いるデータが記憶されている。
【0033】
ネットワークI/F16は、通信部の一例である。複合機1は、ネットワークI/F16を介して、LANに接続し、管理者PC17およびPC18と通信する。管理者PC17は、外部装置の一例であって、複合機1の管理者が操作する情報端末である。PC18は、外部装置の一例であって、管理者以外のユーザが操作する情報端末である。ネットワークI/F16は、LAN以外のネットワークに接続してもよい。管理者PC17およびPC18は、パソコン以外の情報端末であってもよく、例えば、スマートフォン、タブレット端末等であってもよい。また、複合機1は、USBI/F19を介して、複合機1の外部からUSBストレージ19Aが接続されている。
【0034】
タッチパネル34は、表示部34Aと、受付部34Bとを有する。タッチパネル34の表示部34Aは、表示部の一例であり、液晶ディスプレイ等からなる。表示部34Aには、複合機1の操作画面等が表示される。受付部34Bは、ユーザのタッチ操作を受け付け、ユーザにより押下された位置を検出する。なお、受付部34Bを有さない液晶ディスプレイを表示部として用いてもよい。物理キー35は、受付部の一例であって、ユーザの入力操作を受け付ける。
【0035】
USBストレージ19Aは、記憶部の一例であり、印刷ジョブが記憶される。印刷ジョブには、少なくとも画像データ42が含まれ、ユーザ識別情報およびジョブ名が付加され得る。USBストレージ19Aには、ジョブ管理情報41が記憶されており、ユーザ識別情報およびジョブ名が付加されていた印刷ジョブについて、それらの情報が記憶される。なお、RAM13を記憶部として使用してもよく、RAM13にジョブ管理情報41と印刷ジョブの画像データ42とを記憶することにしてもよい。
【0036】
〔設定変更〕
図3を用いて、管理者が複合機1の設定を変更する方法について説明する。図3では、後述する自動削除処理の設定を管理者が変更する場合を例に説明する。複合機1は、CPU12がROM14に記憶されているプログラム43を実行することにより、EWS(Embedded Web Server)用のWebサーバとして機能する。複合機1の管理者が管理者PC17上でブラウザを起動し、ブラウザのURL入力欄にEWS用の所定のURLを入力すると、管理者PC17の表示部に複合機1の設定用のブラウザ画面が表示される。
【0037】
管理者が設定用のブラウザ画面で所定の操作を行い、設定変更の処理を進めると(S100:YES)、自動削除処理に関する設定画面が表示される。管理者がその設定画面にて、自動削除処理を実行する設定に変更する操作を行うと(S101:YES)、その操作情報が複合機1へ送信され、不揮発性メモリ15に記憶されている自動削除設定44がオンに設定される(S102)。これにより、複合機1のCPU12は、自動削除処理が実行可能に設定される。また、管理者がその設定画面にて、自動削除処理を実行しない設定に変更すると(S101:NO)、その操作情報が複合機1へ送信され、不揮発性メモリ15に記憶されている自動削除設定44がオフに設定される(S103)。
【0038】
〔印刷ジョブの記憶〕
図4は、印刷ジョブをUSBストレージ19A等の記憶部に記憶する処理に関するフローチャートである。以降の説明では、USBストレージ19Aに印刷ジョブを記憶するものとして説明する。
【0039】
CPU12は、ネットワークI/F16を介してPC18から印刷ジョブを受信すると(S200:YES)、受信した印刷ジョブにユーザ識別情報およびジョブ名が付加されているか判定する(S201)。ステップS201において、CPU12は、印刷ジョブにユーザ識別情報およびジョブ名が付加されている場合(S201:YES)は、ステップS202の処理に進み、印刷ジョブにユーザ識別情報およびジョブ名が付加されていない場合(S201:NO)は、ステップS205の処理に進む。
【0040】
ステップS202において、CPU12は、不揮発性メモリ15に記憶されている蓄積印刷設定45がオンになっているか否かを判定する。蓄積印刷設定45は、後に詳述する蓄積印刷処理の実行可否に関する設定であって、蓄積印刷設定45がオンのとき蓄積印刷処理を実行することができる。蓄積印刷設定45の設定値は、図3に示した自動削除設定44の設定方法と同様の方法で設定することができる。ステップS202において、CPU12は、蓄積印刷設定45がオンになっている場合(S202:YES)、ステップS203の処理に進み、蓄積印刷設定45がオフになっている場合(S202:NO)、ステップS205の処理に進む。
【0041】
ステップS203において、CPU12は、PC18から受信した印刷ジョブをUSBストレージ19Aに記憶する。CPU12は、印刷ジョブの画像データ42をUSBストレージ19Aに記憶する。また、CPU12は、その印刷ジョブに付加されていたジョブ名およびユーザ識別情報をジョブ管理情報41に追加し、追加後のジョブ管理情報41をUSBストレージ19Aに記憶させる。続くステップS204において、CPU12は、印刷ジョブの受信日時を、ジョブ管理情報41中に追加する。
【0042】
ステップS201において印刷ジョブにユーザ識別情報およびジョブ名が付加されていないと判定された場合(S201:NO)、または、ステップS202において蓄積印刷設定45がオフになっていると判定された場合(S202:NO)、CPU12は、ステップS205の処理を行う。ステップS205において、CPU12は、印刷部2を制御してPC18から受信した印刷ジョブの画像データ42をシートへ印刷する。
【0043】
〔ジョブ管理情報〕
図5(A)は、ステップS204の処理後のジョブ管理情報41の一例を示す図である。図5(A)に例示するジョブ管理情報41Aは、USBストレージ19Aに画像データ42が記憶されている印刷ジョブについて、その印刷ジョブに付加されていたジョブ名およびユーザ識別情報と、その印刷ジョブの受信日時とが記憶されている。
【0044】
〔蓄積印刷処理〕
図6-8を参照して、蓄積印刷処理の流れについて説明する。PC18から印刷ジョブを送信したユーザが複合機1のホームキー35B等を操作すると、図8(A)に示すような待機画面90がタッチパネル34の表示部34Aに表示される。待機画面90には、ファックスボタン51と、コピーボタン52と、スキャンボタン53と、蓄積印刷ボタン54と、設定ボタン55と、ユーザ認証ボタン56とが含まれる。
【0045】
ユーザ認証ボタン56は、ユーザが複合機1にログインまたはログアウトする際に使用される。ユーザ認証ボタン56が押下されると、CPU12は、図6に示す処理を開始する。図6のステップS300において、CPU12は、認証処理を実行する。CPU12は、タッチパネル34の表示部34Aにログイン画面を表示し、物理キー35等を用いたユーザの識別情報とパスワードの入力を受け付ける。ユーザが自身の識別情報とパスワードとを入力すると、CPU12は、不揮発性メモリ15に記憶された認証DB46に予め記憶されている情報と照合する。ユーザが入力した情報と、認証DB46に予め記憶されている情報とが一致する場合、そのユーザは複合機1にログインすることができる。ユーザが複合機1へログインすると(S301:YES)、CPU12は、ステップS302の処理に進む。
【0046】
ステップS302において、CPU12は、ログインしたユーザの印刷ジョブがUSBストレージ19Aに記憶されているか否か判定する。CPU12は、USBストレージ19Aのジョブ管理情報41Aに記憶されている印刷ジョブの中から、ログインしたユーザのユーザ識別情報が関連付いている印刷ジョブを探索する。CPU12は、探索の結果、ログインしたユーザのユーザ識別情報が関連付いている印刷ジョブが存在していた場合(S302:YES)は、ステップS303の処理に進む。ステップS303において、CPU12は、蓄積印刷処理を行う。蓄積印刷処理については、図7を用いて後述する。
【0047】
ログインしたユーザのユーザ識別情報が関連付いている印刷ジョブがジョブ管理情報41Aの中に存在しなかった場合(S302:NO)、または、ステップS303の処理が完了した場合、CPU12は、ステップS304の処理に進む。ステップS304において、CPU12は、待機画面90をタッチパネル34の表示部34Aに表示し、ステップS305の処理に進む。
【0048】
ステップS305において、CPU12は、蓄積印刷ボタン54が押下されたか否かを判定する。CPU12は、蓄積印刷ボタン54が押下された場合(S305:YES)は、ステップS303の処理に進み、蓄積印刷ボタン54が押下されていない場合(S305:NO)は、ステップS306の処理に進む。
【0049】
ステップS306において、CPU12は、ログインしていたユーザがログアウトするか否かを判定する。CPU12は、ユーザが所定の操作を行い複合機1からログアウトした場合(S306:YES)は、図6の処理を終了し、ユーザがログアウトするための所定の操作を行わなかった場合(S306:NO)は、待機画面90をタッチパネル34の表示部34Aに表示する(S304)。
【0050】
図6のステップS303の処理について、図7および図8を参照して説明する。CPU12は、図7に示す処理を開始すると、ステップS400において、ジョブ管理情報41Aの中からログインしたユーザの印刷ジョブに関する情報を取得し、印刷ジョブリストを作成する。CPU12は、印刷ジョブリストを作成すると、ステップS401の処理に進む。
【0051】
ステップS401において、CPU12は、印刷ジョブ表示処理を実行する。CPU12は、タッチパネル34の表示部34Aに、図8(B)に例示するジョブ選択画面91を表示する。ジョブ選択画面91には、削除ボタン61、全選択ボタン62、印刷ボタン63、チェックボックス66A-66E、ならびにスクロールボタン64および65が表示されている。図8(B)に例示したジョブ選択画面91は、複合機1にユーザ「UserA」がログインしたときのものである。図8(B)の左側にはステップS400において作成した印刷ジョブリストが表示されている。図8(B)の印刷ジョブリストには、図5(A)のジョブ管理情報41Aにおいてユーザ識別情報が「UserA」である印刷ジョブについてジョブ名がすべて表示されている。
【0052】
CPU12は、ジョブ選択画面91を表示すると、印刷ジョブ選択処理を実行する。CPU12は、タッチパネル34の受付部34Bまたは物理キー35を介して、ユーザが削除または印刷したい印刷ジョブの選択を受け付ける。ユーザが削除または印刷を希望する印刷ジョブをジョブ選択画面91に表示された印刷ジョブの中から選んで押下すると、選択された各印刷ジョブの左横に位置するチェックボックス66A-66Eにチェックマークが表示される。ユーザが全選択ボタン62を押下した場合は、ジョブ選択画面91に表示されたすべての印刷ジョブのチェックボックス66A-66Eにチェックマークが表示される。ユーザが削除ボタン61または印刷ボタン63を押下すると、印刷ジョブの選択が確定する。
【0053】
ステップS402において、CPU12は、印刷ボタン63による指示入力があったか、削除ボタン61による指示入力があったかを判定する。印刷ボタン63は、ユーザが選択した印刷ジョブについて、画像データ42の印刷を指示するためのボタンである。削除ボタン61は、印刷ジョブの削除を指示するためのボタンである。CPU12は、ジョブ選択画面91において、印刷ボタン63による指示入力があった場合(S402:印刷ボタン)は、ステップS403の処理に進む。
【0054】
ステップS403において、CPU12は、自動削除設定44がオフか否かを判定する。CPU12は、不揮発性メモリ15に記憶されている自動削除設定44がオフの場合(S403:YES)は、ステップS404の処理に進み、不揮発性メモリ15に記憶されている自動削除設定44がオンの場合(S403:NO)は、ステップS405の処理に進む。
【0055】
ステップS404において、CPU12は、保持選択処理を実行する。より具体的には、CPU12は、タッチパネル34の表示部34Aに、図8(C)に例示する保持選択画面92を表示する。保持選択画面92は、ユーザが選択した印刷ジョブの印刷終了後に、印刷ジョブの記憶を保持するか、或いは、印刷ジョブを削除するかをユーザに選択させるための画面である。保持選択画面92には、YESボタン71と、NOボタン72とが表示されている。ユーザは、印刷終了後にも印刷ジョブの記憶を保持させたい場合はYESボタン71を押下し、印刷終了後に印刷ジョブを削除したい場合は、NOボタン72を押下する。ユーザがYESボタン71またはNOボタン72を押下すると、ステップS405の処理に進む。
【0056】
ステップS405において、CPU12は、印刷処理を実行する。CPU12は、印刷部2を制御して、ユーザがジョブ選択画面91にて選択した印刷ジョブについて画像データ42の印刷を実行する。CPU12は、ジョブ選択画面91で選択されたすべての印刷ジョブについて印刷が完了すると、ステップS406の処理に進む。
【0057】
ステップS406において、CPU12は、保持選択画面92でYESボタン71が選択されたか否かを判定する。CPU12は、YESボタン71が選択されていない場合(S406:NO)は、ステップS407の処理に進む。すなわち、自動削除設定44がオンであり(S403:NO)保持選択画面92が表示されなかった場合、または、自動削除設定44がオフであり(S403:YES)保持選択画面92でNOボタンが選択された場合に、CPU12はステップS407の処理に進む。
【0058】
ステップS407において、CPU12は、ジョブ選択画面91から選択された印刷ジョブをUSBストレージ19Aから削除する。CPU12は、ジョブ選択画面91から選択された印刷ジョブの画像データ42をUSBストレージ19Aから削除すると共に、ジョブ管理情報41Aからそれらの印刷ジョブに関する情報を削除し、削除後のジョブ管理情報41AをUSBストレージ19Aに記憶させる。CPU12は、ジョブ管理情報41Aの更新を終えると、図7の処理を終了する。
【0059】
ステップS406において、CPU12は、保持選択画面92でYESボタン71が選択されている場合(S406:YES)は、ジョブ選択画面91で選択された印刷ジョブの記憶を保持すると判断する。CPU12は、ジョブ選択画面91で選択された印刷ジョブについて、画像データ42等をUSBストレージ19Aから削除しないまま、図7の処理を終了する。印刷ジョブの記憶が保持されているため、ジョブ選択画面91を表示する次の機会にもそれらの印刷ジョブが印刷ジョブリストに表示される。例えば、新規受診の患者に受付で記入を依頼する記入用紙のように、ユーザが定期的に印刷する書類について、印刷ジョブの記憶を保持することで増刷が容易となる。
【0060】
ステップS402において、CPU12は、削除ボタン61による指示入力があった場合(S402:削除ボタン)は、ステップS408の処理に進む。ステップS408において、CPU12は、ジョブ選択画面91から選択された印刷ジョブの画像データ42をUSBストレージ19Aから削除すると共に、ジョブ管理情報41Aからそれらの印刷ジョブに関する情報を削除し、削除後のジョブ管理情報41AをUSBストレージ19Aに記憶させる。
【0061】
続いて、CPU12は、ステップS409において、ログインしているユーザの印刷ジョブがジョブ管理情報41Aに残っているか否かを判定する。すなわち、CPU12は、印刷ジョブリストに表示する印刷ジョブが残っているか判定する。CPU12は、ログインしているユーザの印刷ジョブがジョブ管理情報41Aに残っている場合(S409:YES)は、ステップS401の処理に進み、ログインしているユーザの印刷ジョブがジョブ管理情報41Aに残っていない場合(S409:NO)は、図7の処理を終了する。
【0062】
〔自動削除処理〕
図9を用いて、第1削除処理の一例である自動削除処理の流れについて説明する。図9は、自動削除処理に関するフローチャートである。自動削除処理は、不揮発性メモリ15に記憶されている自動削除設定44がオンの場合に常駐している。CPU12は、ステップS500において、所定の自動削除タイミングになったか否かを判定する。図9の例では、所定の自動削除タイミングとは、午前0時である。CPU12は、所定の自動削除タイミングになると(S500:YES)、ステップS501の処理に進む。ただし、所定の自動削除タイミングにユーザが複合機1にログインしていた場合は、ステップS501の処理に進まないことにしてもよいし、そのユーザがログアウトした後にステップS501の処理に進むことにしてもよい。
【0063】
ステップS501において、CPU12は、自動削除設定44がオンか否か判定する。CPU12は、不揮発性メモリ15に記憶されている自動削除設定44がオンの場合(S501:YES)は、ステップS502の処理に進む。一方、CPU12は、自動削除設定44がオフの場合(S501:NO)、図9の処理を終了する。
【0064】
ステップS502において、CPU12は、USBストレージ19Aからジョブ管理情報41Aを取得する。CPU12は、取得したジョブ管理情報41Aから印刷ジョブを順番に削除する(S503-S506)。具体的には、ステップS503においてCPU12は変数Nを0に初期化し、ステップS504においてその変数Nを1増やす。
【0065】
ステップS505において、CPU12は、N番目の印刷ジョブの画像データ42をUSBストレージ19Aから削除すると共に、N番目の印刷ジョブをジョブ管理情報41Aから削除する。CPU12は、N番目の印刷ジョブを削除後のジョブ管理情報41AをUSBストレージ19Aに記憶させる。ただし、ここでN番目とは、ステップS502の処理開始時点のジョブ管理情報41Aにおける順番のことを意味する。以降の処理の過程で、一部の印刷ジョブが削除され、ジョブ管理情報41A内で印刷ジョブの繰り上がりが生じたとしても、各印刷ジョブの処理順序は変わらないものとして説明する。
【0066】
ステップS506において、CPU12は、ジョブ管理情報41Aに記憶されている印刷ジョブすべてについて、印刷ジョブの記憶を保持するか削除するかの判断を行ったか否かを判定する。CPU12は、ジョブ管理情報41Aに記憶されている印刷ジョブすべてについて判定が終わっている場合(S506:YES)は、図9の処理を終了する。CPU12は、ジョブ管理情報41Aに記憶されている印刷ジョブすべてについて処理が終わっていない場合(S506:NO)は、ステップS504の処理に進み、変数Nを1増やし、次の印刷ジョブの処理を始める。
【0067】
〔実施形態1の作用効果〕
以上説明した実施形態1の複合機1によれば、CPU12は、予め定められた自動ジョブ削除タイミングにおいて、USBストレージ19Aに記憶された印刷ジョブの削除を実行する処理であって、自動ジョブ削除設定に応じて印刷ジョブの削除を実行するか否かが設定されている自動削除処理(図9)と、USBストレージ19Aに記憶された印刷ジョブをタッチパネル34の表示部34Aに表示させる印刷ジョブ表示処理(S401)と、受付部34Bを介して受け付けられる入力操作によって、印刷ジョブ表示処理により表示された印刷ジョブの中から1以上の印刷ジョブを選択する印刷ジョブ選択処理(S402)と、印刷ジョブ選択処理によって選択された印刷ジョブを、印刷終了後にUSBストレージ19Aの記憶を保持するかを選択する保持選択画面92を表示し、受付部34Bを介して受け付けられる入力操作によって選択可能とする保持選択処理(S404)と、印刷ジョブ選択処理によって選択された印刷ジョブに基づく画像を、印刷部2を用いてシートに印刷する印刷処理(S405)と、保持選択処理によって記憶を保持すると選択された場合(S406:YES)、印刷処理が終了した印刷ジョブのUSBストレージ19Aへの記憶を保持し、保持選択処理によって削除すると選択された場合(S406:NO)、印刷処理が終了した印刷ジョブをUSBストレージ19Aから削除する処理(S407)と、を実行する。CPU12は、自動削除設定44がオンであり印刷ジョブの削除を実行する設定の場合(S403:NO)、保持選択処理を実行せず、自動削除設定44がオフであり印刷ジョブの削除を実行しない設定の場合(S403:YES)、保持選択処理を実行し、保持選択画面92を表示部34Aに表示する。
上記構成によれば、自動ジョブ削除タイミングにおいて自動削除設定44がオンである場合(S403:NO)は、保持選択処理(S404)を実行しないことにした。そのため、例えば、複合機1の管理者が自動的に印刷ジョブを削除する設定をした場合には、管理者でない他のユーザが印刷を行う際に、印刷ジョブを印刷後も保持する設定を行うための保持選択画面92が表示されないため、管理者でないユーザがメリットを感じない状況で設定を行うことがない。自動ジョブ削除の設定の有無に応じて、表示部34Aへの表示を変更することで、ユーザによる保持選択画面92での選択を適切に選択できる。
【0068】
また、CPU12は、印刷ジョブ選択処理(S402)の実行後、印刷処理(S405)を実行する前に、保持選択処理(S404)を実行する。
上記構成によれば、印刷ジョブを選択した後、印刷処理を行う前に、保持選択処理を実行することにした。そのため、印刷ジョブを記憶部に保持するか否かをユーザに確認させることができる。
【0069】
また、USBストレージ19Aには、印刷ジョブを記憶させたユーザに関するユーザ識別情報が当該印刷ジョブと関連付けられて記憶されており、CPU12は、複合機1にログインする入力操作を、受付部34Bを介して受け付け、入力操作によって入力されたユーザ識別情報に基づいてユーザの認証を行う認証処理(S300、S301)、を更に実行し、印刷ジョブ表示処理において、USBストレージ19Aに記憶させた印刷ジョブの中から、認証処理により認証されたユーザのユーザ識別情報と関連付けられて記憶されている印刷ジョブを表示部34Aに表示する。
上記構成によれば、認証処理を実行し、印刷ジョブ表示処理において、認証されたユーザの印刷ジョブだけを表示することにした。そのため、USBストレージ19Aに記憶された印刷ジョブの中からユーザが記憶させた印刷ジョブだけを確認させることができる。
【0070】
また、CPU12は、PC18から、ネットワークI/F16を介して印刷ジョブを受信し(S200)、受信した印刷ジョブをUSBストレージ19Aに記憶させ(S203)、USBストレージ19Aに記憶された印刷ジョブのリストである印刷ジョブリストを含むジョブ選択画面91を表示部34Aに表示し(S401)、印刷ジョブ選択処理において、ユーザが受付部34Bを入力操作することによって、印刷ジョブリストの中から1以上の印刷ジョブを選択する(S402)。
上記構成によれば、複合機1は、PC18から印刷ジョブを受信してUSBストレージ19Aに印刷ジョブを記憶する。そして、USBストレージ19Aに記憶されている印刷ジョブのリストを表示部34Aに表示させる。印刷処理を行う際に、USBストレージ19Aに記憶されている印刷ジョブのリストをユーザに提示することにより、USBストレージ19Aへの印刷ジョブの蓄積状況をユーザに確認させることができる。
【0071】
〔実施形態2〕
本開示の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0072】
図5(B)は、実施形態2におけるジョブ管理情報41の一例を示す図である。図5(B)に例示するジョブ管理情報41Bは、USBストレージ19Aに画像データ42が記憶されている印刷ジョブについて、その印刷ジョブに付加されていたジョブ名およびユーザ識別情報と、その印刷ジョブの受信日時と、自動削除時間とが記憶されている。
【0073】
図10は、本開示の実施形態2における自動削除処理に関するフローチャートである。CPU12は、ステップS600において、所定の自動削除タイミングになったか否かを判定する。図10の例では、自動削除タイミングは、予め定められた定期的な時間であり、5分経過するごとにそのタイミングとなる。CPU12は、所定の自動削除タイミングになると(S600:YES)、ステップS601の処理に進む。なお、所定の自動削除タイミングにユーザが複合機1にログインしていた場合は、ステップS601の処理に進まないことにしてもよい。
【0074】
ステップS601において、CPU12は、変数Nを0に初期化する。ステップS602において、CPU12は、現在時刻を取得する。ステップS603において、CPU12は、変数Nを1増やす。ステップS604において、CPU12は、ジョブ管理情報41Bに含まれるN番目の印刷ジョブについて、受信日時と自動削除時間を取得する。
【0075】
ステップS605において、CPU12は、ステップS602において取得した現在時刻からステップS604において取得したN番目の印刷ジョブの受信日時を減じて、N番目の印刷ジョブの受信日時からの経過時間を算出する。
【0076】
ステップS606において、CPU12は、ステップS605において算出した経過時間がステップS604において取得した自動削除時間よりも大きいか否かを判定する。CPU12は、経過時間が自動削除時間よりも大きい場合(S606:YES)には、ステップS607の処理に進み、経過時間が自動削除時間以下の場合(S606:NO)には、ステップS608の処理に進む。
【0077】
ステップS607において、CPU12は、N番目の印刷ジョブの画像データ42をUSBストレージ19Aから削除すると共に、ジョブ管理情報41BからN番目の印刷ジョブをジョブ管理情報41Bから削除する。ただし、ここでN番目とは、ステップS601の処理開始時点のジョブ管理情報41Bにおける順番のことを意味する。
【0078】
ステップS608において、CPU12は、ジョブ管理情報41Bに記憶されている印刷ジョブすべてについて、印刷ジョブの記憶を保持するか削除するかの判断を行ったか否かを判定する。CPU12は、ジョブ管理情報41Bに記憶されている印刷ジョブすべてについて判定が終わっている場合(S608:YES)は、図10の処理を終了する。CPU12は、ジョブ管理情報41Bに記憶されている印刷ジョブすべてについて処理が終わっていない場合(S608:NO)は、ステップS603の処理に進み、変数Nを1増やし、次の印刷ジョブの処理を始める。
【0079】
図11は、本開示の実施形態2における蓄積印刷処理に関するフローチャートである。図11に示す実施形態2における蓄積印刷処理は、ステップS402においてジョブ選択画面91の印刷ボタン63による指示入力があった場合(S402:印刷ボタン)に、S700の処理に進み、図12に詳細を示す表示処理を開始する。
【0080】
図12は、図11のステップS700において実行される表示処理に関するフローチャートである。CPU12は、表示処理の実行を開始すると、図12のステップS701において、CPU12は、図7のステップS403と同様に、保持選択処理を実行し、タッチパネル34の表示部34Aに、図8(C)に例示する保持選択画面92を表示する。続くステップS702において、CPU12は、保持選択画面92でYESボタン71が選択されたか否かを判定する。CPU12は、YESボタン71が選択されている場合(S702:YES)には、ステップS703の処理に進み、YESボタン71が選択されていない場合(S702:NO)には、図12の処理を終了する。
【0081】
ステップS703において、CPU12は、自動削除設定44がオンか否かを判定する。CPU12は、不揮発性メモリ15に記憶されている自動削除設定44がオフの場合は、図12の処理を終了し、不揮発性メモリ15に記憶されている自動削除設定44がオンの場合は、ステップS704の処理に進む。
【0082】
ステップS704において、CPU12は、ジョブ選択画面91にて選択された印刷ジョブについて、ジョブ管理情報41B中の自動削除時間の設定値を所定時間増やす。例えば、図8(B)に例示するジョブ選択画面91にて印刷ジョブ1および印刷ジョブ3が選択された場合、図5(B)に例示するジョブ管理情報41Bのうち印刷ジョブ1および印刷ジョブ3の自動削除時間を、図5(C)に例示するように48時間増やす。図5(B)では、印刷ジョブ1および印刷ジョブ3の自動削除時間の設定値が24時間であったが、図5(C)では、それぞれ48時間増えて、72時間になっている。
【0083】
続くステップS705において、CPU12は、ジョブ選択画面91にて選択された印刷ジョブの中で自動ジョブ削除タイミングが最も早い印刷ジョブを決定する。自動ジョブ削除タイミングとは、印刷ジョブの受信日時に自動削除時間を加算したものである。例えば、図5(C)に例示するジョブ管理情報41Bでは、印刷ジョブ2の自動ジョブ削除タイミングが2022年3月12日10時10分となり、ユーザ識別情報がUserAの印刷ジョブの中で最も早い。
【0084】
続くステップS706において、CPU12は、ステップS705において決定された自動ジョブ削除タイミングが最も早い印刷ジョブについて、自動ジョブ削除タイミングをタッチパネル34の表示部34Aに表示する。図13は、自動ジョブ削除タイミングを表示する警告表示画面93の一例を示す。図13に示す警告表示画面93には、ステップS705で決定した自動ジョブ削除タイミングが最も早い印刷ジョブと、その自動ジョブ削除タイミングまでの時間とを含む警告文が表示されている。図13の警告表示画面93では、警告文の下にOKボタン81が表示されている。CPU12は、OKボタン81が押下されると警告表示画面93を閉じて、図12の処理を終了する。警告表示画面93では、自動ジョブ削除タイミングまでの時間に代えて、自動ジョブ削除タイミングをそのまま表示することにしてもよい。
【0085】
〔実施形態2の作用効果〕
以上説明した実施形態2の複合機によれば、CPU12は、予め定められた自動ジョブ削除タイミングにおいて、USBストレージ19Aに記憶された印刷ジョブの削除を実行する処理であって、自動ジョブ削除設定に応じて印刷ジョブの削除を実行するか否かが設定されている自動削除処理(図10)と、USBストレージ19Aに記憶された印刷ジョブを表示部34Aに表示させる印刷ジョブ表示処理(S401)と、受付部34Bを介して受け付けられる入力操作によって、印刷ジョブ表示処理により表示された印刷ジョブを選択する印刷ジョブ選択処理(S402)と、印刷ジョブ選択処理によって選択された印刷ジョブを、印刷終了後に前記記憶部への記憶を保持するかを選択する保持選択画面92を表示し、受付部34Bを介して受け付けられる入力操作によって選択可能とする保持選択処理(S701)と、印刷ジョブ選択処理によって選択された印刷ジョブに基づく画像を、印刷部2を用いてシートに印刷する印刷処理(S402)と、保持選択処理によって記憶を保持すると選択された場合(S406:YES)、印刷処理の終了後、選択された印刷ジョブのUSBストレージ19Aへの記憶を保持し、保持選択処理によって削除すると選択された場合(S406:NO)、印刷処理の終了後、印刷ジョブをUSBストレージ19Aから削除する(S407)。CPU12は、保持選択処理の実行後、自動削除設定44がオンであり印刷ジョブの削除を実行する設定であって(S703:YES)、かつ、保持選択処理によって記憶を保持すると選択されていた場合(S702:YES)、保持選択画面92の表示後、自動削除設定44が印刷ジョブの削除を実行する設定であることを表示部34Aに表示し(S706、図13)、自動削除設定44がオフであり印刷ジョブの削除を実行しない設定の場合、または、保持選択処理によって削除すると選択されていた場合、保持選択画面92の表示後、自動削除設定44が印刷ジョブの削除を実行する設定であることを表示部34Aに表示しない。
上記構成によれば、自動削除設定44がオンであり自動的に印刷ジョブを削除する設定がされている場合(S703:YES)、かつ、保持選択画面92にてYESボタン71が選択された場合(S702:YES)には、図13のとおり、自動削除処理が印刷ジョブの削除を実行する設定であることを表示部34Aに表示する(S706)。そのため、保持選択処理によって記憶を保持することを選択したユーザに対して、印刷ジョブを自動的に削除する設定になっていることを知らせることができる。
【0086】
また、CPU12は、保持選択処理実行後、自動削除設定44が印刷ジョブの削除を実行する設定であって(S703:YES)、かつ、保持選択処理によって印刷ジョブの記憶を保持すると選択されていた場合(S702:YES)、図13のように、印刷ジョブの削除を実行する設定であることに加えて、記憶を保持することが選択された印刷ジョブの自動ジョブ削除タイミングを表示部34Aに表示する(S706)。
上記構成によれば、自動削除設定44がオンであり、自動的に印刷ジョブを削除する設定がされている場合(S703:YES)、かつ、保持選択処理によって記憶を保持すると選択された場合(S702:YES)には、図13のように、印刷ジョブの削除を実行する設定であることに加えて、記憶を保持することが選択された印刷ジョブの自動ジョブ削除タイミングを表示部34Aに表示する(S706)。そのため、保持選択処理によって記憶を保持することを選択したユーザに対して、印刷ジョブが自動的に削除されるタイミングを知らせることができる。
【0087】
また、自動ジョブ削除タイミングは、予め定められた定期的な時間である(S600)。
上記構成によれば、定期的に印刷ジョブがされる。そのため、USBストレージ19A等の記憶部の記憶容量が保持対象の印刷ジョブで圧迫されることを防ぐことができる。
【0088】
また、CPU12は、PC18から、ネットワークI/F16を介して印刷ジョブを受信し(S200)、USBストレージ19Aに受信した印刷ジョブを記憶させ(S203)、印刷ジョブがUSBストレージ19Aに記憶された受信時刻を記憶し(S203)、自動ジョブ削除タイミングは、受信時刻から自動削除期間を経過したタイミングである。
上記構成によれば、印刷ジョブに基づく画像データ42の受信日時から自動削除期間を経過したタイミングに当該印刷ジョブを削除する。そのため、繰り返し印刷されていない印刷ジョブを削除することができ、USBストレージ19A等の記憶部の記憶容量が保持対象の印刷ジョブで圧迫されることを防ぐことができる。
【0089】
また、CPU12は、保持選択処理(S701)の実行後、自動削除設定44がオンであり印刷ジョブの削除を実行する設定であって、かつ、保持選択処理によって記憶を保持すると選択されていた場合、記憶を保持すると選択された印刷ジョブの中で自動ジョブ削除タイミングが最も早い印刷ジョブを決定し(S705)、最も早い印刷ジョブの自動ジョブ削除タイミングを表示部34Aに表示する(S706)。
上記構成によれば、自動的に印刷ジョブを削除する設定がされている場合、かつ、保持選択処理によって記憶を保持すると選択された場合には、記憶を保持すると設定された印刷ジョブの中で自動ジョブ削除タイミングが最も早い印刷ジョブについて、その自動ジョブ削除タイミングを表示する。そのため、記憶を保持することを選択された印刷ジョブが自動的に削除されるまでの凡その期間を知らせることができる。
【0090】
また、CPU12は、保持選択処理実行後、自動削除設定44がオンであり印刷ジョブの削除を実行する設定であって(S703:YES)、かつ、保持選択処理によって記憶を保持すると選択されていた場合(S702:YES)、記憶を保持すると選択された印刷ジョブの自動ジョブ削除タイミングを延長する(S704)。
上記構成によれば、自動的に印刷ジョブを削除する設定がされている場合、かつ、保持選択処理によって記憶を保持すると選択された場合には、記憶を保持すると選択された印刷ジョブの自動ジョブ削除タイミングを延長する。そのため、保持選択処理によって記憶を保持することを選択したユーザの要望に応えることができる。
【0091】
〔実施形態3〕
本開示の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0092】
本開示の実施形態3に係る印刷装置は、自動削除処理として図10に示す処理を実行することと、表示処理として図14に示す処理を実行する点が実施形態2と異なる。図14は、本開示の実施形態3における表示処理に関するフローチャートである。図14に示す表示処理は、ステップS703において、不揮発性メモリ15に記憶されている自動削除設定44がオンの場合(S703:YES)、自動削除処理により印刷ジョブを自動的に削除する設定であり、所定時刻に印刷ジョブが削除されることを示す警告表示をタッチパネル34の表示部34Aに表示し(S800)、図14の処理を終了する。
【0093】
〔実施形態3の作用効果〕
以上説明した実施形態3の複合機によれば、CPU12は、予め定められた自動ジョブ削除タイミングにおいて、USBストレージ19Aに記憶された印刷ジョブの削除を実行する処理であって、自動ジョブ削除設定に応じて印刷ジョブの削除を実行するか否かが設定されている自動削除処理(図9)と、USBストレージ19Aに記憶された印刷ジョブを表示部34Aに表示させる印刷ジョブ表示処理(S401)と、受付部34Bを介して受け付けられる入力操作によって、印刷ジョブ表示処理により表示された印刷ジョブを選択する印刷ジョブ選択処理(S402)と、印刷ジョブ選択処理によって選択された印刷ジョブを、印刷終了後に前記記憶部への記憶を保持するかを選択する保持選択画面92を表示し、受付部34Bを介して受け付けられる入力操作によって選択可能とする保持選択処理(S404)と、印刷ジョブ選択処理によって選択された印刷ジョブに基づく画像を、印刷部2を用いてシートに印刷する印刷処理(S402)と、保持選択処理によって記憶を保持すると選択された場合(S406:YES)、印刷処理の終了後、選択された印刷ジョブのUSBストレージ19Aへの記憶を保持し、保持選択処理によって削除すると選択された場合(S406:NO)、印刷処理の終了後、印刷ジョブをUSBストレージ19Aから削除する(S407)。CPU12は、保持選択処理の実行後、自動削除設定44がオンであり印刷ジョブの削除を実行する設定であって(S703:YES)、かつ、保持選択処理によって記憶を保持すると選択されていた場合(S702:YES)、保持選択画面92の表示(S701)後、自動削除設定44が印刷ジョブの削除を実行する設定であることを表示部34Aに表示し(S800)、自動削除設定44がオフであり印刷ジョブの削除を実行しない設定の場合(S703:NO)、または、保持選択処理によって削除すると選択されていた場合(S702:NO)、保持選択画面92の表示後、自動削除設定44が印刷ジョブの削除を実行する設定であることを表示部34Aに表示しない。
上記構成によれば、自動削除設定44がオンであり自動的に印刷ジョブを削除する設定がされている場合(S703:YES)、かつ、保持選択画面92でYESボタン71が選択された場合(S702:YES)には、自動削除処理が印刷ジョブの削除を実行する設定であることを示す警告を表示部34Aに表示する(S800)。そのため、保持選択処理によって記憶を保持することを選択したユーザに対して、印刷ジョブを自動的に削除する設定になっていることを知らせることができる。
【0094】
〔変形例〕
上記の各実施形態に係る印刷装置では、管理者が複合機1の設定を変更する方法として、複合機1をEWS用のWebサーバとして機能させ、管理者PC17の表示部に複合機1の設定用のブラウザ画面を表示させることにした。しかし、複合機1の管理者が複合機1の設定を変更する方法はこの方法だけに限られない。例えば、タッチパネル34の表示部34Aに設定画面を表示させて、受付部34Bにて設定変更に関する入力操作を受け付けることにしてもよい。
【0095】
上記の各実施形態に係る印刷装置では、ジョブ選択画面91に対して印刷する印刷ジョブの選択を行った後、保持選択画面92をタッチパネル34の表示部34Aに表示することとしたが、これだけに限られない。例えば、印刷後に印刷ジョブの記憶を保持するか削除するかを選択するボタンを、ジョブ選択画面91に更に設けることにしてもよい。また、上記の各実施形態に係る印刷装置では、印刷ジョブの印刷前に保持選択画面92を表示することにしたが、印刷後に保持選択画面92を表示することにしてもよい。また、図7(A)-(C)に示した待機画面90、ジョブ選択画面91および保持選択画面92は、あくまで一例であり、これらに限られない。
【0096】
上記の各実施形態に係る印刷装置では、ジョブ管理情報41のデータ構造を、図5(A)および(B)に示したが、これに限られない。印刷ジョブを特定するための情報と、印刷ジョブを記憶したユーザを識別するための情報と、印刷後に記憶を保持するか否かを示す情報とを含めば、ジョブ管理情報41のデータ構造は、図5(A)および(B)以外のものであってもよい。
【0097】
本開示は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0098】
1 複合機
2 印刷部
3 画像読取部
11 ASIC
12 CPU
13 RAM
14 ROM
15 不揮発性メモリ
16 ネットワークI/F
17 管理者PC
18 PC
19 USBI/F
19A USBストレージ
34 タッチパネル
34A 表示部
34B 受付部
35 物理キー
41 ジョブ管理情報
42 画像データ
43 プログラム
44 自動削除設定
45 蓄積印刷設定
54 蓄積印刷ボタン
56 ユーザ認証ボタン
90 待機画面
91 ジョブ選択画面
92 保持選択画面
93 警告表示画面
図1
図2
図3
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図5
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